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アカデミア創薬による未来医療

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330回昭和大学学士会例会特別講演

アカデミア創薬による未来医療

大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学

森 下  竜 一

○美島 森下先生の御略歴になりますが,1987 年に 大阪大学医学部をご卒業なされ,1991 年に同大学院 を御卒業されておられます.同年,米国スタンフォー ド大学の循環器科に研究員としてご留学なされた 後,1998 年から大阪大学大学院医学系研究科遺伝 子治療学にて助教授として従事されておられます

(編集部注:現教授).さらに 2003 年には,安倍内 閣のもと知的財産戦略本部本部委員を務められ,

2013 年からは,内閣府の規制改革会議委員,同年,

内閣官房 健康・医療戦略室戦略参与ということ で,大変ご活躍されておられます.

 受賞歴に関しましては,アメリカ高血圧評議会の Harry Goldbratt 賞など多数受賞されておられます.

また,いろいろな学会での理事を歴任され,Journal においては『The Open Gene Therapy Journal』の Editor-in-Chief をはじめ,『Circulation』など High  impact factor の Journal の Editorial Board を兼任 されておられます.さらに,森下先生は 1999 年に アンジェスというバイオベンチャーを立ち上げら れ,私自身もちょうど NIH(アメリカ国立衛生研 究所)の遺伝子治療部門に留学しておりましたの で,印象深く記憶しております.最近では内閣府に おいて食品の機能性表示にもご尽力され,特保に代 わるものとして推進されたというお話も聞いており ます.本日は,その点も含めてお話しいただけるも のと大変楽しみにしております.

 それでは,森下先生,どうぞよろしくお願いいた します.

◯森下 過分なご紹介ありがとうございます.大阪 大学の森下です.今日はよろしくお願いします.私 普段は基礎研究の話をしたり,逆に,先ほどお話 あったベンチャーの話をしたり,まあ,いろんな話 をすることが多いんですけども,今日は非常に幅広 な話題で,基礎研究の話と,それを実際に実用化に

どう繋げていくか.で,この実用化に至りますと,

今度は,法律の規制というのが出てまいりまして,

先ほどもご紹介ありましたように,今政府の中で,

この法律改正あるいは医療制度改正等もいろいろ携 わっておりますので,これからの医療の流れという ことを踏まえて,少しそうしたお話も入れさせてい ただこうというふうに思っております.

 現在いろんな施策というのが出てきているんです が,こうした問題のすべては,少子高齢化そして医 療費加療費の増加,財政的な悪化,こういうことが 背景になっております.これはなかなか,正直,流 れとしては,残念なことに止めることは難しいとい うのが現実でありまして.少子高齢化に関しまして 言うと,これは当然ながら,まだまだ進んでまいり ます.

 特に,医療費介護費の増加というのは,ある意 味,定年になってから死ぬまでの期間,ここがどん どん延びているので,これは避けるのは非常にもう 難しいんですね.たとえば,1920 年にはどうだっ たかと言いますと,男性の場合,定年が 60 歳で 61.1 歳で死んでいるんです.だから,定年になる=

ほぼ死んでいたんですね.そうしますと,老後の心 配など要らなかったんです.1961 年にはどうか.

私はこの,62 年生まれなんですが,私が生まれた 年には,60 歳の定年で 72.4 歳だったんですね.で すから,12 年間ですから,12 年分の老後の蓄えが あれば生きて行けたんです.

 現在はどうなっているか.2009 年のデーターを ご紹介すると,65 歳で引退すると.男性は 80.8 歳.

女性は 86.6 歳まで生きるんですね.そうすると,16 年間,男性は奥さんの分と自分の分の老後の面倒を 見て,かつ,女性の方は旦那が亡くなったあと 6 年 間,自分で老後の面倒を見なきゃいけない.約 20 年間,旦那が引退してから生活しなきゃならない.

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二十歳で結婚したとしたら,結婚生活 40 年で,老 後の心配する期間がその半分にはなるんですから,

ある意味,医療介護費がどんどんお金が掛かってく るのは,仕方がないと言えば仕方がないですね.

 ただ,そうは言っても,なんとか変えていかな きゃいけない.みなさん,当然ながら,介護保険は 維持したい.じゃあ,そうした中でできることは 何っていうことで,1 つ出てきたのが,健康寿命を 延ばしたらどうか.健康寿命というのはどういうこ とかといいますと,健康上の問題で日常生活が制限 されることなく生活できる期間.多くの方は,病気 になって寝たきりで長生きしたい,こんなことを 思っている方いらっしゃらないですね.元気で暮ら したい.じゃあ,元気な期間をできるだけ平均寿命 に近づけてあげればいいんじゃないか.

 で,今どれぐらい差があるかと言いますと,男性 では 9.1 歳,女性は 12.7 歳なんですね.だいたい 10 年間ぐらい不健康な状態が続いている訳です.これ を是非延ばしてあげることによって,当然医療費介 護費も減りますし,実際の国民の方も健やかに暮ら すということで,これは満足感が高いであろうと.

今,安倍内閣の中では,この健康寿命を延伸すると いうのが大きな課題になっています.健康医療戦略 推進計画というのが出ていまして,この中では,

2020 年までに健康寿命を 1 年延ばすという数字目 標を掲げています.

 これは一昨年に私どもで決めたんですけども,1 年延ばすっていうのは大丈夫かなと心配になったの ですが,幸いにして,1 年経って,もう 0.5 歳延び ていますので,これは間違いなく公約達成ができる だろうと.問題は,もっともっと延ばせばいいんで すが,これ,同時に寿命も延びるので,なかなか縮 めていくのも難しいというのが事実でして.少しで も健康な期間を延ばそうとしています.で,よく,

ピンピンコロリって言いますよね.最近,ピンピン コロリはやっぱり良くないと.で,ピンピンキラリ というふうに言おうという流れになってきています が.いかに,ピンピンと,キラリと消えてもらう かっていうのがポイントになっています.

 そこまで健康寿命を延ばすということになると,

やっぱり従来なかったような新しい医療を入れてい かなきゃならない.1 つはやっぱり再生医療という のが中心になるだろう.再生医療に関しては,京都

大学の山中先生の iPS 細胞が有名ですけど,これは 遺伝子を 4 つ使っていますね.ある意味,遺伝子医 療っていうことで,今,遺伝子再生治療というのは 次世代医療の中心として考えられていまして.後ほ どご紹介しますが,国のほうも,早く認可をする仕 組み,条件期限付き承認制度というのを作りまし て,早く国民の方に再生医療が届くような仕組み作 りをいたしました.

 同時に,より早くするために,いろんな仕組みを 作っています. たとえば,日本医療研究開発機構

(AMED)という,日本版 NIH とも言われており ますが,1 本化されたグラントの組織がありますが,

こちらの方でもいろんなグラントが出ております.

 私は元々のスタートが,実は再生医療,遺伝子医 療でありまして.やっと実用化の目処が付いてまい りましたので,そこから今日はご紹介しようと思い ます.私が元々やっておりましたのは,血管の再生 医療.血管を再生するために,HGF 肝細胞増殖因 子という血管再生因子を使いまして,局所で血管新 生をさせようというのが元々の研究テーマでした.

 今と違って当時は,まだ遺伝子医療っていうと危 ないんじゃないか,危険性はどうなんだっていう意 見が非常に大きくありまして,できるだけ安全性が 高いものということで,プラスミド DNA 遺伝子そ のものを患者さんの筋肉内に注射をして,局所で血 管を再生させようというのが研究テーマです.これ がそのマンガになりますが.遺伝子をプラスミド,

先ほどのそのままの形で筋肉内に注射をします.

で,筋肉細胞はこのプラスミドを取り込む性質を 持っておりまして,筋肉内に入りますと,このプラ スミドが遺伝子を作っていきますので,メッセン ジャー RNA ができて,最終的に HGF という血管 新生のたんぱく質が筋肉に出てきます.

 この HGF は分泌します.周りに漏れてきますの で,どんどん漏れていきまして,血管に働きかけて いきます.血管の内皮細胞,あるいは平滑筋細胞の 増殖や遊走を促しますから,新しい血管から枝のよ うにできてくる.で,新しいバイパスが形成されま す.いわゆる外科的なバイパスではなくて,体内に 作るバイオバイパス,こういった概念なんです.で きますと,この場所を介して,新しい道ができます から,血管の再生することで治療効果がある.

 これが実際に大阪大学で臨床研究として,最初に

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患者さんに投与したものなんです.遺伝子というと どんな形なんだろうと言われますが,先ほどのよう に普通の薬のようになっておりまして,それをその まま患者さんの足に注射をしています.一度に 8 か 所,2 か月後に再度 8 か所注射になります.

 これが実際に注射した後の患者さんの血管です が,血管造影をしますと,比べてみてください,投 与前は血管が写りません.この方,足に血流が行き ませんから,潰瘍と言いますが,このように足が 腐ってくる.色も非常に悪いのが分かります.で,

この血管がない場所に遺伝子を注射することによっ て,血管が再生されますと,潰瘍が治ってきました し,色も非常に良くなってきます.当初この方は,

こんな足の状態ですから車いすで来られておりまし たけども,2 か月後にはご自分の足で歩くことがで きる所まで回復してまいりました.通して今 2 年ぐ らいになっておりますけども,こうした形で治すこ とができると.

 今まで,この HGF 遺伝子,170 人以上の方に投 与されています.特に,この HGF の遺伝子治療を 医薬品として実用化しようということで,先ほどご 紹介があったバイオベンチャーのアンジェスという 会社を作りまして,実際にプラセボと比較試験を行 いました.その結果,潰瘍の変化を見ますと,プラ セボでは全く改善がないのに対しまして,遺伝子を 投与した方では有意に潰瘍のサイズが小さくなった ということで,プラセボに対する有意性が証明され まして,この結果をもとに,実際に医薬品の承認を 求めようとしています.

 ただし,対象人数が少ないので,なかなか,昔の 医薬品としての審査では通すことができませんでし た.現在は,先進医療として,大阪大学等でやって おります.ただ,今度,先ほどのように法律が変 わったことによって,再度,今,医薬品としての申 請をしようということをやっております.

 どういうふうに変わったか.こちらが従来のタイ プ.臨床研究があって,治験をする.治験というの は,フェーズⅠ,フェーズⅡ,フェーズⅢっていう 形で進めます.だいたい早くて 10 年間.費用も日 本国内にしても 2,30 憶,世界中でやると数百億掛 かると言われます.そして最終的に承認されて市販 される.

 ただ,こうした方法を取ると,遺伝子を入れたり

再生医療で細胞を用いたりしますと,当然ながら,

薬のように効き方が一緒じゃありません.バラツキ が大きいんですね.バラツキが大きいということ は,普通の治験よりも人数がたくさん必要になりま す.また,期間も長くなります.そうすると,なか なか薬としての認可が取れなかったんです.

 じゃあ,もっとこのバラツキを生かしてやる考え 方はできないか.もっと早めに,まず薬として認め て,患者さんにより早く届けてあげようと.で,早 く届けることによって,使いたいという患者さんは 助かります.あるいは,開発している医薬品会社も 早くこれが薬になりますと,資金が回収できます,

助かります.両方とも得をするので,新しい制度を 作ろうということが,安倍内閣で決まりました.従 来で言うと,フェーズⅡが終了した時点,有効性が 推定されて,安全性が確認されていて,条件期限を 付して承認.

 条件期限とは何かと言うと,こういう条件をクリ アしたら正式に薬として認めますよと.期限は 7 年 間の間にやってくださいと,そういう形の制度がで きたんですね.そして,最終的に再度承認申請をし て,正式に認められる.しかしもう,この段階で既 に市販をしていますから,お金は回収されますし,

患者さんも使うことはできる.

 ただし,使った時に保険じゃなかったら,これは 実質上使えません.当然再生医療や遺伝子治療って いうのは費用が高い.最低でも数百万掛かるだろ う.そうすると,保険をしないということは,実質 使えないと一緒なので,これは原則的に保険償還を するということが決まりました.原則的というの は,今,医薬品でも保険償還になってないものがあ ります.たとえば,禁煙のお薬,チャンピックスと か,そういうお薬っていうのは,保険償還になって いません.ですから,薬としても保険償還になって いないものが,既存にもあるので,全部じゃありま せんよと.ただし多くは,ちゃんと保険償還します と.これによって,患者さんも,それから製薬メー カーも得をしますよと.

 実際に,この再生医療あるいは遺伝子治療ってい うのは,なぜこういう制度が必要か.それは,非常 にたくさんの技術が必要なんです.たとえば,iPS 細胞を例にとると,どの細胞を使うか,どのように 分離をして選んで増やすか,そして,中に遺伝子を

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4 つ入れます.どの遺伝子を入れるか,どの方法で 入れるか.ベクターっていう運び屋ですね,その生 産技術.これがどの程度遺伝子の発現を調節する か.これみんな,パズルのように解いていかなきゃ ならない.かつ,解いた上で,これ,個人差という のがどうしても出てきます.ですから先ほど言いま したように,時間が掛かるという.それだと実用化 できないので,制度を変えましょうということなん ですね.

 これは日本が変えたらどうなったか.世界中,実 は変えようとしています.やっぱり医薬品というの は世界中の競争なので,日本だけ有利になるとみん な日本に来るんですね.実際海外の再生医療のベン チャーは今日本にたくさん来ています.そうする と,自分たちも困るので,やっぱりアメリカやヨー ロッパも,日本と同じようにする.そういう意味で は,この規制の世界も実は世界中が競争している.

 もう 1 点,今回再生医療の実用化をするために変 わった法律があります.再生医療等安全確保法.こ れは歯科領域の先生方にもちょっと関係するんじゃ ないかと思います.歯科も再生治療というのはかな り一般的に行われます.これは,歯科領域でされて いる自由診療は全然問題はなかったんですが,一番 大きな問題は,美容外科が同じようなことをされて いるんですね.そうすると,お尻から取った脂肪細 胞を胸に打ったりする.これは,胸に打つぐらいな らいいんですけども,それが静脈等にしてやると,

いろんな病気が治るんじゃないかと.そういうこと を言われるクリニックがあるんですね.

 実際たくさん打ったら,これは細胞ですから詰ま ります.亡くなった方が出ました.あるいは何でも 治るみたいな宣伝をやっていた.そうすると,これ は放っておくと,再生医療自体が何か怪しくなって くると.それでは困るというので,先ほど言いまし たように,再生医療等安全確保法という別の法律も 同時にできました.

 ここでは何を決めたかというと,人にまだ使って いない,ES 細胞や iPS 細胞等は特定認定再生医療 等審査会というのを作りまして,ここが認めた後,

国,厚生労働省で再度審査をしましょうと.で,途 中の部分,すでに自分の体の中にあるような細胞を 使って,ちょっとだけ変化をさせていく.そんなに がんになったりする危険性はあんまりないだろうと

思われるものは,大学の場の特定認定再生医療等委 員会でいいんです.提出だけしてください.

 もっと低いもの,先ほど言いましたように脂肪そ のままの状態.これは第三種の再生医療で,医療機 関から認定再生医療等委員会というのに出して審査 をしたら,一応,厚生労働大臣に計画を出してくだ さいと.そうすると,何が悪いのかというのは,厚 生労働省が把握はできる.こういう形で,整備がさ れて行った.

 1 つだけ覚えていただきたいのは,今までやって いた再生医療,細胞丸ごとなものも,この第三種に 当たりますので,これ一応認可を受ける必要がある んですね.国の認可になりませんから,そんなにレ ベルは高くありません.そんなに難しくはありませ んけども,必ずこれはしておかないと違反になりま す.そういう意味では,将来的には罰則規定ができ る予定になってますので,場合によっては,いろん なペナルティが付いてきますので,是非,再生医療 をされる場合は,どれに当たるかということを考え た上で,手続きをちゃんとやって使う.歯科クリ ニックで患者さんの物であればまっすぐ戻していい かというと,決してそうではありませんので,その 辺りの所は是非覚えていただければと思います.

 この再生医療新法では先ほど言いましたように,

医療機関からそうした許可等,認定再生医療等委員 会に出さないといけない.その他にも,自分の所で は細胞培養はできないんだけど,他の所に頼みた い.そういうことも可能なようになっておりますの で,是非,この再生医療を実地で試すということに なれば,こういう法律を理解する必要があるかと思 います.

 この法律の改正等はどこでやったかと言います と,先ほどご紹介ありました,私どもの規制改革会 議という会議で行われました.この規制改革会議と いうのは,名前の通り,いろんな規制を改革してい こうということで,決して緩めるだけじゃありませ ん.今の再生医療なんて逆に厳しくなっている.で も,厳しくなることで,やりやすくなることもある んですね.あまり自由だと,捕まる危険性が高くて 怖くてできないっていうことがありますので,緩め る場合もあれば,強める場合もある.そのバランス を取ってやるのが仕事です.

 安倍総理の諮問会議という位置付けでして,私ど

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もは年に 1 回,総理にこういうふうにしてください という計画を手渡すということをやっております.

総理からは規制改革は安倍内閣の 1 丁目 1 番地,民 間の方々が活動する上で最も魅力的な環境を提供で きる世界一の国を目指すため,骨太の議論を行って 欲しいということで,先ほどのような従来できな かったような医療改革等に,今,取り組んでいると いうことになります.

 このアベノミクスの 3 本の矢ということで,第一 の矢が金融政策.第二が機動的な財政政策.第三の 矢が民間投資を活気する成長戦略ということで,こ こに規制改革というのが入ってくるということで す.よく医療は岩盤規制だというふうに,昔は言わ れたんですが,今は,医療機関での混合診療も原則 解禁されていますし,そうした岩盤規制というのは ほぼなくなってきているかというふうに思っていま す.

 ただ,実際,歯科領域,先ほどちょっとお話出た んですが,これ,なかなか専門家の方が政府にもい ません.ですから,どういうふうに変えたら,歯科 領域の方々がやりやすいかっていうのは,実は私ど もも分からないんですね.医科と歯科は似ているよ うで,やっぱり違いますので,もし何かそういう変 えて欲しいよとか,よく分からないことがあれば,

私どもの会議にお問い合わせいただければと思いま す.ホットラインっていう,ネットで提出ができる 仕組みがありまして,それを提出してもらうと,み なさまに代わって,私どもの会議が各省庁にやり取 りをして,おかしなことがあれば修正すべきだとい うことで,注文を付けていきます.

 そうした中で,できるだけ民間の活動を活発化し ていこうと.再生医療等を実用化させようというこ とで,もう 1 つ,政府が力を入れていますのが,新 規産業.新しい産業を起こしてもらう.そして,そ の主役となるベンチャーを育てていこう.で,先ほ どもご紹介ありましたように,私,この領域では非 常に早くから,実はやっておりまして.先ほどの血 管新生の薬を実用化しようということで,これは 99 年にアンジェス MG という名前の会社を作りま して,2002 年に東証マザーズという証券市場に大 学ベンチャーとして初めて上場いたしました.

 現在売っているお薬は,まだ 1 種類しかありませ ん.ナグラザイムっていうお薬ですけども,患者さ

んが 5 人しかいない,非常に少ない方のお薬なんで すが,こういう物を販売してます.会社も,10 何年 かで大きくなったと言いたいんですが,これ全部 じゃありません,この一番上を間借りしているだけ ですので,まだまだ小っちゃいんですけども.実用 化をしようということで,アメリカの子会社にも,

イギリスにも子会社を持って活動してます.

 先ほどの HGF 血管再生因子,実は他にも応用が 利きまして,リンパ管を再生するということも分か りました.リンパ浮腫という病気を治療をしようと いうことでも,今やっております.リンパ浮腫とい う病気は,原発点,原因不明なリンパ腫というのが あります.これは 3 千人ぐらいいらっしゃいます.

足がこんなふうに腫れ上がって行く.非常に患者さ んにとっては辛い病気なんですね.今のところ,実 は治療法はありません.理学療法,いわゆるストッ キング等を穿いてもらって抑えるという程度でし て,非常に患者さんにとっては辛い病気なんです ね.

 ここにリンパ管を再生すれば治るんじゃないかと いうことで,実際に HGF がリンパ浮腫を改善する 効果があるということが分かってきましたので,現 在は,2013 年から人を対象にして,実は臨床治験 をやっております.この結果が出てくれば,医薬品 としてこれも進めていく予定になっています.

 大学の研究としては,こういう実用化の部分が,

ベンチャー作りますと手を離れますので,さらに基 礎研究へ戻っていることにいたします.先ほどは遺 伝子を使って血管再生をしようと思ったんですけど も,遺伝子以外で血管再生する物質を見つけていこ う.そこで私どもやりましたのは,新しい,ハイス ループットのスクリーニングのシステムを作ろう と.人の心臓から遺伝子のプールを持ってきまし て,それを人の内皮細胞に振り掛けていきます.

で,この赤くなったのが血管を増やす遺伝子のある 場所になります.

 遺伝子を導入して増えるということは,この中 は,必ず血管を再生する遺伝子があるはずなんで す.それを見つけていこうということで,ここから さらに DNA を回収しました.さらに分けていきま す.これを数回繰り返すと,どの遺伝子が血管を再 生するかっていうのが分かってきます.そこで見つ けたものの 1 つが,AG30 というものです.

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 実際に,この AG30 を投与しますと,このように 組織での血管が再生されることが分かりました.こ の AG30 調べてみると,実は抗菌ペプチドという種 類のペプチドと分かりました.抗菌ペプチドとはど ういうものかというと,私たちの肌にもあります.

ディフェンシンという名前の物質があるんですね.

この物質があるので,ちょっと傷ができても,みな さんの皮膚はすぐ治るんです.ところが,年を取っ てきますと,この抗菌ペプチドが落ちてきます.な くなって来るんです.ですから,年を取ってくる と,よく吹き出物ができてそこが膿んでくるという のは,これは自然の免疫力と言いますか,修復力が 落ちてくるせいなんですね.

 そうした抗菌ペプチドというのは,抗菌作用だけ ではなくて,血管再生とかの副次作用が起きてきま す.そういうことが元々分かっています.実は,こ の抗菌ペプチドの1つが,先ほどのAG30なんです.

ただしこれ,残念ながら,抗菌作用はあったんです が,人工物でして,私どもの体の中から取ったんで すけども,実際のそれは人工的に間違えて読んだヤ ツを作ってあるんですね.ですから,本当の所は存 在するものじゃない.じゃあ,改変しようというこ とで,今,この AG30 をベースに,どんどん新しい 抗菌ペプチドを作っていっています.

 で,この AG30 自身は先ほどのように,抗菌作用 がある.膜を破壊する作用もあります.したがっ て,薬剤耐性菌に対しても,実は抗菌作用がありま す.こちらが通常の緑溶菌,黄色ブドウ球菌ですけ ども,薬剤耐性の緑膿菌とか,あるいはペニシリン 耐性の MRSA,こういうものに対しても同じよう な抗菌活性があるんですね.この濁っていない所 が,菌が増えてないことを示しているんですけど も.そうすると,抗生物質と違い膜破壊なので,耐 性を作ることがありません.

 今,耐性菌ができるというので,抗生物質は使い にくくなっていまして,傷口とかも,治す時は,ウ エットヒーリングと言いまして,上からばんそうこ うとか貼って,できるだけ乾燥させなくするんです ね.そうすると,中にそのまま閉じ込めますので,

菌があると,かえって感染が増えちゃうことがあ る.しかし,抗生物質は使えませんので,そういう 危険性があるので,そういう場所にこの抗菌ペプチ ドを使って,絆創膏とかを作ってやったら,感染が

起こらずにきれいに傷口が治るんじゃないか.ある いは,この抗菌ペプチドですが,実は歯周病菌にも 効果があることが分かりまして,そういうような,

常に口腔内を清潔に保つ,そういう所にも使えるん じゃないかと.

 じゃあ,これを使って治療にできないかっていう ことで,抗菌作用があって,血管新生があって,血 流を増やす作用があるということで,この糖尿でで きたような傷口を早く治すのに作れないかというこ とで,軟膏を作りました.実際にネズミに塗ってや ると,早く傷が治りますし,血流が増えていること も分かりましたので,人で試してみようということ で,今実際に,大阪大学で臨床研究というのでやっ ています.これはもう既に終了しましたけども,こ れを改良したものをさらにやろうということで,

今,SR037 という,より強力な抗菌作用を持ってい るようなものを作りまして,こちらを人に応用して いこうということをやっています.

 実際に既存の消毒薬,ゲーベンクリームというの は,銀が入っているんですね.で,カデックスには ヨウ素が入っている.こういう物と比べると,だい たい同じぐらいの抗菌作用がある.これらの銀とか ヨウ素というのは,実は正常な細胞も壊します.で すから塗ってやると,一度傷口が大きくなってから 治るんですね.これだと,逆に傷が,治りが,何も しないよりいいんですけども,遅くなりますので,

そうした,正常な所に対しての毒性がないものがい い.

 で,この SR037 は,実はそうした毒性がないこ とが分かりまして,比べてみると,すぐ傷が治り始 めて,早く治るんだというのが分かりました.また 実際に,黄色ブドウ球菌をこの傷口に塗ってやりま す.そうすると当然ながら,何もしませんと感染が 止まりませんから,治りません.一方,SR ペプチ ドのほうは抗菌作用がありますので,菌が増えるの を防いで早く治すことができる.

 あるいは,FGF フィブラストスプレーというの があるんですね.こういう潰瘍を治すお薬で使われ ているんですけども,これは抗菌作用がありません ので,傷口に菌があると適用がありません.使っ ちゃいけないことになっているんですね.それとの 違いはどうかというので調べてみますと,傷の治り やすさは同等以上で,抗菌活性があることだけが有

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利になっている.実際に,創傷の収縮作用等は,

FGF とほとんど変わらない.プラスアルファとし て,より抗菌作用がある分が優れているんだという ことが分かって来まして,これを利用して,薬にし ていこうと.

 先ほど言いましたように,膜の破壊はこの AG30 はプラスにチャージしてるので,膜にはまり込んで 壊しますので,耐性菌はできません.調べてみます と,インテグリンに結合することによって,血管新 生であったり,細胞増殖であったり,あるいは皮膚 の収縮等を促すということが分かってまいりました.

 現在,大阪大学で医師主導の治験というのをやっ ておりまして,今フェーズⅡをやっております.こ の結果をもとに,もう 1 回ベンチャーやろうかなと いうことで,ファンペップっていう会社を作りまし た.今度は,先ほどのアンジェスは遺伝子を中心の ベンチャーだったので,今度はペプチドをプラット ホームにしたベンチャーを作ろうと.で,先ほどの SR ペプチドはシオノギ製薬さんと創傷被覆材とし て,今契約をしまして,シオノギ製薬さんの方で今 後開発を進めていくことになりました.

 AG30 から SR ペプチドはまず 20 個ぐらい,サイ ズを小っちゃくしました.中身を変えてきました.

これを更に他に応用できないか.いろいろ聞いてい ると,薬理作用があると,これは化粧品にできない なと.もっと,何も作用がなくなると,抗菌作用だ けで化粧品に使えるんじゃないかと.で,アクネ菌 とかにも効果があることが分かりましたので,じゃ あ,化粧品に使うように変えようかということで,

さらに改変を行いまして,抗菌作用だけにしたもの をキュアぺプチンという名前を付けまして,さらに 実用化しようとしています.

 効能は 2 つある.1 つは,さっきほど言いました ように,絆創膏で今治す時に,菌が増えると治りに くいので,この絆創膏を作ってやろうと.こちらが 最近できたものでして,褥瘡の方を対象に考えてま す.下側にパットがあって,ウレタンフォームで圧 力を逃す.ここが感染の原因になりますので,ここ に感染を起こさせないように,先ほどのピュアぺプ チン,抗菌作用のペプチドを入れてやって,外側を ウレタンの支持台で作ってやって,このように覆っ てやる.そうすると,ウエットな環境下で圧を逃し ながら,かつ浸出液が感染をしない.まあ,新しい

タイプの褥瘡の医療機器を作ろうと.これが先ほど 言いました,試作品ですね.

 で,実際に,どうなるかと言いますと,これ,周 りに白いのが増えているのは,菌が増えている分で すけども,確かに,このフィルムの所のだけは,菌 が増えて来てはいないということが分かります.ま あ,早く傷口が治るんじゃないかと.

 で,今これを医療機器として治験をしようという ことで,厚生労働省と相談をして,値段がいくらと いう相談をしながら,実用化しようと.まあ,そろ そろ決着が付いてきましたので,来年には治験が始 まる所まで来てます.これは森下仁丹さんという会 社とご一緒にさせてもらいます.

 さらに,この同じキュアぺプチンを一般用のもの にできないかってことで,これはもう既に販売に なっています.インターネット等で買うことができ ますが,1 つはマウスウォッシュです.先ほど話し たように,歯周病菌とかにも効果があることが分か りましたので,これで口を洗ってもらえば,予防に なるんじゃないかと.キュアペップという名前で,

販売があります.

 同時に,除菌スプレーも出してます.これは何が メリットかというと,アルコールっていうのは消毒 作用がありますけども,これ,乾燥したら当然なく なるんですね.ところが,ペプチドは乾燥してもな くなりませんので,この除菌スプレーで 1 回拭いて おいてもらうと,最初の菌はアルコールが殺して,

その後何か,たとえば,お汁をこぼしても,そのこ ぼした汁からはペプチドがそこにあるので,菌が増 えない.もちろん,水で流しちゃうともう 1 回やら なきゃいけないんですが,その残っている間は消毒 作用,殺菌作用が続くということになりますので,

ある意味,抗菌のコーティングをいろんな所にする ことができる.アルコールが,これ,濃度をだいぶ 落としてますので,肌荒れ等は少なくて,非常に評 判が良くて,結構売れているんです.

 また,来年,ある大手の化粧品会社からこれが 入ったものが出てきますので,またお楽しみにして もらおうと思います.先ほど言いましたように,ア クネ菌に効果があるというので,ニキビ予防を期待 しています.

 そうしたような研究成果をできるだけ応用してい こうということで活動をしていたのですが,一方で

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本職は基礎研究なので,いろんな新しいタイプの研 究にも手を付けています.その中で,元々遺伝子を やっていましたので,人工の遺伝子,核酸医薬を使 おうということで,私どもはデコイという核酸医薬 を作りました.デコイというのは,このカモの木彫 りの置物ですね,本来は.これは,よくデパート に,家具売り場とかに売っていると思いますが,モ ントリオールの方の名産でして.これは,湖の上に 浮かべておくと,カモが寄って来るんです,間違え て.それを漁師が鉄砲で撃つ.囮という意味なんで すね.

 これを使いまして,囮になる遺伝子を人工で作っ ています.われわれがターゲットにしてますのは NFkB という炎症に必須な転写因子です.この NFkB がプロモーター,遺伝子の結合配列につく と,いろんな炎症性サイトカイン,インターロイキ ン 6 とかが出て,いろんな病気になる.アトピーと かリュウマチとかになってくるんですね.これを先 ほどのデコイと囮を置いておきますと,間違えてこ ちらの囮に付きますので,遺伝子の発現が起こらな いと.これは遺伝子をゼロにする訳じゃなくて,サ イレント,オフにする方法なんです.

 これを実際に利用して,アトピー性皮膚炎の方で 効果があるというのが分かってきましたので,実際 にまた人に試してもらう.実際に顔に塗ってもらい ますと,こんなふうに非常にシビアなアトピーの方 が,症状が抑えられていく.現在シオノギ製薬と共 同でフェーズⅢという最後の治験を実はやっており ます.

 もっと早く動いているのは,これを医療機器に結 合しようということで,医薬品と医療機器のハイブ リッドを開発してます.このカテーテルは心臓の血 管とかに入れてやって,広げてやって詰まりを防ぐ んですけども,当然無理やり広げるので,また傷が 詰まってきます.その詰まって来るのを防ぐため に,いろんな薬剤を塗ったようなカテーテルとか,

それからステントという金属の管が出ています.

 われわれも,このカテーテルの表面に先ほどのデ コイをコーティングしてやろうと.そうすると,中 に入れて広げる時に血管に入りますから,詰まりも 防げるんじゃないかと.やっているのは,透析の方 のシャントという手の所ですね.動物実験やります と,確かにきれいに防げるんですね.

 そこで,実際に 2012 年から臨床実験を開始して まして,まもなくこれも結果が出ます.これ,2017 年厚生労働省の承認を得まして,販売の予定になっ ています.これは先ほどご紹介したアンジェスの方 で開発を進めている商品です.

 で,今基礎研究としては,こうした薬作りをずっ とやってきたんですけども,ちょっとネタが切れて 来たんで,考え方を変えようかなと.薬って非常に 良いんですけども,毎日飲まなきゃいけない.私 元々の専門は高血圧でして.高血圧をやっている と,いい薬ができすぎて,研究が必要でなくなるん ですね.いい薬ができるっていうのは,患者さんに はいいんですけど,研究者にとっては職がなくなる ということを意味してまして.もうやらなくてもい いじゃないかと,もう必要ないじゃないかと,なる.

 しょうがないんで,治らない病気,治らない病気 へどんどん行っていたんですけども,治る病気も,

よく考えたらデメリットがあるんじゃないかと.何 かと言うと,患者さんが多くて,毎日薬を飲む.し かも,高血圧は実は治らないんですね.血圧を下げ ているだけで,よく考えたら治している訳じゃない です.そうすると,どんどん患者さんが溜まってい きます.

 これ,製薬会社は非常においしいんですね.治る 薬っていうのは,基本的においしくないんです.1 回は儲かりますけど,その後,儲かりませんから.

生かさず殺さずが一番いいという,医者としていい のか悪いのか分からないようなバランスが,実は一 番儲かるんですね.生活習慣病っていうのはだいた いそんな病気なんです.溜まりに溜まった挙句,医 療費は全部で 39.2 兆円.そのうち高血圧がだいた い 5 兆円ぐらい使っているんですね.

 そうすると,もうちょっと親切になろうかなと.

親切というのはどういうことかというと,患者さん の悩みに応えなきゃいかん.だいたい言われるのは,

「毎日飲まなきゃいけないの?」と.で,だいたい飲 み忘れるんですね.面倒くさい.一生薬は嫌だと.

1 回飲んだら止めれない.よく,『週刊現代』とか で危ない薬って出てますけれども,あれは止めな きゃ,止めさせない訳じゃないですね.止めてもい いんですけど,止めたら血圧が上がって死ぬだけな んで,結局飲んでもらわなきゃならない.別に,薬 が病気を作っている訳じゃないんですけども,なん

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かそういうことを言われ続けるのもちょっと飽きて きたなと.

 もうちょっと長く効くものができないかなと.考 え方を変えようと.ワクチンを作ろうかなというふ うに思い始めて.要するに,1 回打ってやると高血 圧が治るような薬ができないか.あるいは高血圧に ならないようなワクチンができないか.ワクチンっ ていうと,だいたいみんな感染症を思い浮かべるん ですね.はしかとかですね,それからインフルエン ザとか.これらは感染症を予防するワクチンなんで す.そうじゃなくて,人間年を取ったら高血圧にな る.アルツハイマーになる.脳梗塞になる.で,こ ういうのを予防できるワクチンができたら,ひょっ としたら,もうちょっと楽しいんじゃないかなと.

 残念ながら,思い付くのはだいたいみんな同じこ とを思い付いているんですね.われわれ以外にも同 じようなことをやっているグループとかあったんで すね.ターゲットにするのは,だいたい薬になって いるということで,今,ACE 阻害薬とか,アンジ オテンシンⅡを押さえる ARB というのが高血圧の 中心の薬です.そこに対してワクチンを作ろうとい うことは,やっぱりいろんな方がされているんです ね.

 実際にしてみると,血圧はやっぱり下がる.で,

3 回ぐらい打ってやると半年間ぐらい下がる.で も,半年間ぐらいしか,逆に言うと下がらなかった んですね.じゃあ,もっともっと長かったら,薬に なるんじゃないかということで,われわれ,遺伝子 を使ったワクチンを作ろうと,DNA ワクチンを作 ろうと.

 で,使ったのは B 型肝炎のコアウイルスと言わ れまして,これは B 型肝炎そのものを起こすもの じゃありません.それの構造を一部利用してまし て,アンジオテンシンⅡをいっぱいこんなふうに表 面に出すような,スフェアという粒を作ってやっ た.そうすると,このアンジオテンシンⅡに対する 抗体ができてくるので,アンジオテンシンⅡが増え ても血圧が上がらないんじゃないかと.要するに,

先ほどの ARB と同じように血圧が下がるんじゃな いかっていうことを考えたんですね.

 実際にやってると,3 回注射をすると半年間,高 血圧のネズミで血圧が下がったんです.半年間効い ているっていうのは,どれぐらいになるのか.ネズ

ミって実は 2 年間生きるんですね.そうすると,人 間に直すと 80 年がネズミの 2 年ということになる と,人では 20 年ぐらい効くんじゃないかと.1 回 打ってやると一生高血圧にならない.まあ,そんな うまくは行くかどうか分かりませんけどね.そうい うものができないだろうかと.どうやら,動物実験 でうまく行ったので,人でやろうということで,今 準備をしてまして,これは海外でやろうということ で進んでいます.

 色々なメディアに,高血圧医療に対するワクチン ということで,取り上げてもらいました.面白いの は,ARB を飲んでいる方は,昔から心筋梗塞になっ ても,その後の生存率が良いとか,脳梗塞になって も,その脳梗塞の後の梗塞サイズだったり,機能が 改善するっていうのが分かってるんです.

 じゃあ,同じように打っておいたら,実際に脳梗 塞が起きても小っちゃくなっていく,あるいは心筋 梗塞が起きにくいんじゃないかと.調べてみると確 かに,起こしてやっても小っちゃいんですね.ひょっ としてこれは,アンチエイジングワクチンなんじゃ ないかと.で,ほんとに長生きするのかというのを 見てみると,ほんとに長生きするんですね,一応.

もっとも,血圧が下がるので長生きしたんじゃな い?と言われると,その通りなんですけども.

 実際に,SHR という自然発症の高血圧のねずみ で見ますと,どんどん死んでいく時に,打った方が 寿命が延びていくというのが分かりましたので,ま あ,こういうワクチン,私が狙っているのは大人の 3 種混合ワクチンと言っているんですけども,高血 圧,糖尿病,アルツハイマーのワクチンを 50 ぐら いで打っておくとならない.残念ながら 50 過ぎ ちゃったんで,わたし間に合わなかったんですが,

60 になるまでに打ちたいなと思っていまして,そ ういうものを今開発しようということもやっていま す.

 こうした概念に,先ほどのはちょっと生活習慣病 に行ったんですが,実は,抗体医薬品の代わりにな らないか.抗体医薬品っていうのは,体外で作った 抗体を大量に打つんですね.それで今話題のオプ ジーボとか抗がん剤とか,アバスチンという VGEF の抗体医薬もできてます.これは外から打つんです けども,じゃあ,自分の体の中で作ってやったらい いんじゃないかと.打つのは抗体じゃなくてペプチ

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ドなので,費用が非常に安いんです.普通はバイオ シミラーと言いまして,同じ抗体を安く作ってやる.

まあ,ジェネリックというのが今主体なんですが.

 もう考え方を全く変えようと.ターゲットは一緒 なんだけど,全然違う観点ということで,私どもバ イオオルターネイティブだというふうに呼んでまし て,新しい概念の医薬品にしようということで,こ ちらは先ほどのファンペップという会社で今開発を しています.体内で作らせることで,コストを下げ ていこうと.先ほど言いましたように,病気にな るっていうこと自体を防げるんじゃないかというこ とになります.

 こうしたような新しいことをやってるんですが,

一方で,先ほど言いました政府の方でもいろんな役 職をやってまして,医療制度そのものを,今どんど ん変えていこうとしています.健康医療は,日本の 数少ない,今,成長産業になっていまして.まあ,

何とかこの健康医療領域っていうのを伸ばしていか なきゃいけない.そこで,総理が健康医療戦略推進 本部を自分が本部長となって立ち上げてまして.健 康長寿社会の実現は安倍政権の成長戦略の柱なんだ と.

 その中でできてきたのが,先ほどの AMED とい うグランドを一体化してやる組織です.同時に,こ の健康医療戦略の推進を政府一体でやろうというこ とで,総理が本部長をされてる所に,戦略参与とい うアドバイザーの会議ができてまして,出口戦略等 にも実際に助言をしている.私もここの方の役割を 担っております.

 その中で決まったのが,健康医療戦略法.この法 律は非常に画期的でして,何が画期的かというと,

基本理念の中に非常に重要なことが書いてありま す.どういうふうに書いてあるかというと,「基礎 から実用化までの一貫した研究開発の推進と」,そ のために AMED ができたんですね.「その成果の 実用化により,世界最高水準の医療を提供する」.

 これはある意味当然ですよね.日本人が世界最高 の医療を享受する.で,もう 1 個重要なのは,「と 同時に,健康長寿産業の創出活性化により,わが国 経済の成長に資するものとなることを目指す」.要 するに,日本経済が伸びるような成長戦略じゃない と,日本の健康医療戦略はあり得ないんですよって いうことを言っているんですね.

 今まで厚生労働省がやっていたのは,海外のこと でも何でもいいじゃないかと.日本人がメリットを 受けるのが大事なんだと.ですから,日本のものよ りも海外のものが早かったら,それでいいじゃない かと.でも,今度からそうではなくて,日本経済が 成長するようにするんですから,当然一番早く日本 の成果というものが日本人で管理できるようにしな きゃならない.今まではアメリカでやっていて,ア メリカ人が一番にメリットを受けても構わなかった んですが,決して今度はそうではないんだというこ とで,経済成長戦略の一環として健康医療を考え る.その結果,日本経済も立ち直るし,みなさんも 長生きする.

 まあ,非常に欲張りですけども,考えてみたら当 たり前なことを,ちゃんと法律に盛り込んだ.で も,この法律に盛り込んだというのが,非常に重要 でして.法律にあるということは,この法律が変わ らない限り,この方針は厚生労働省を縛る訳です.

アメリカ製の方がいいんだから,アメリカ製使えば いいじゃないかという訳にはいかない.アメリカ製 に追いついて,上をいくものを,日本に作らせな きゃいけない.今まで北朝鮮の次に日本の医薬品は 認可されているとずっと言われてきたんですが,そ れではダメだということになってきますので,こう いう法律を作るというのは,意外に地味なんですけ ども,実は非常に重要な変化になってきます.

 やろうとしていることは,やっぱり公的な保険,

これは介護保険は守りますが,限界があります.で すから,公的保険以外の部分,生命保険やセルフメ ディケーションを推進しようと.そのことによっ て,国民の健康増進,医療費の削減,新産業の創出 を同時に実現しようと.今までの慢性期医療,先ほ ども言いました高血圧とかどんどんお金つぎ込んで いるんですが,これはある意味,やっぱり限界があ ります.そうではなくて,より予防の所へシフトし ていって,しかも公的保険を使わない形でやってい くと.そのために,いろんな政策等を打っていると.

 その 1 つとして,先ほどもちょっとご紹介ありま した機能性表示食品,新しい食品制度を作りまし た.第 3 の食品制度であります.従来,医薬品以 外,保健機能食品のみが機能性を言えます.他は,

いわゆる効能効果を表現はできないんですね.

 したがって,よくみなさんが朝の通販の番組見て

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いると出てくるのは,膝をグルグルと回すようなヤ ツありますよね.グルグルグルグル.グルグル回し たら何が分かるか.ほんとは何も分からないんです ね.でも何となく,グルグル回すことで,膝にい いっていうことを言おうとしてます.あるいは,朝 山に登ってスッキリしましたと.何がスッキリした か絶対言いません.あれ,何がスッキリしたかを言 うと捕まるんですね.薬事法違反になります.しか も個人の感想ですって,訳の分からないことが書い てあるんですね.

 そういう形で,消費者の方にとっては正直分から ないっていう訳ですね.分かるようにしちゃうと捕 まるから.でも,一部だけ,実は今までも OK だっ た.それが特保であったり,栄養機能食品,ビタミ ンです.これは特別に認めて OK になる.でも,非 常に数が少ない.もっと,セルフケア,セルフメ ディケーションになるからには,やっぱり消費者の 方に知ってもらわなきゃいけない.消費者に今まで 知らせないのが良いんだという発想なんですね.こ れは私に言わせると,バカにした発想でして.これ だけネット社会になって,消費者の方がよっぽども のを知っているんです.正直,サプリメントに関し ては医者よりも患者さんの方がよく知ってるんです ね.

 そういう世の中で,知らせないっていうのはおか しくて,むしろ正しい情報を知ってもらうような制 度を作っていかなきゃ.ある意味,リテラシーと言 いますが,情報に対するリテラシーを上げるのが大 事だと.知らせないというのは,決して消費者教育 じゃないんだということで,方針の転換をいたし た.そこでできたのが,この機能性表示食品.

 これは今まで国が関与したのをもう止めますと.

基本的には企業が中心.ただし,消費者庁に届け出 をしてもらう.何かあった時には,ちゃんとフォ ローアップします.あるいはやり過ぎている所があ れば,そこは罰則を掛けます.後から規制をする と.これを事後規制というんですが,医薬品とかは 事前規制,先に承認するんですね.でも事前規制を すると,役所は当然硬くなります.自分たちの責任 になりますから.そうではなくて,あくまでも民間 の力を利用しようということで,事後規制に変えて いったと.

 具体的にどう変わったか.これはえんきんという

商品.テレビでよく宣伝しているのでご存じの方も いるかと思いますけども,ファンケルさんの商品.

こちらは,実は,機能性表示になる前なんですね.

ルテインアンドブルーベリー,えんきん.5 つの成 分.分かるような,分からないような表現ですよね.

ブルーベリーが入ってるから目に良いんじゃない か.えんきんっていうのも,なんか,なんとなくそ んな名前だよねというイメージ戦略なんですね.

で,くっきりしたという・・・で目のことを言いた い訳です.でも,目って書いちゃうとアウトなん で,書いてないんですね.じゃあ何が起こるかとい うと,当然よく分かりません.このルテインって何 なんだという質問とか,くっきりというの,目の下 のクマの話かっていう質問が来る訳ですね.これは 当然違う.要するに勘違いして買ってもらおう,と いうか勘違いした質問なんですね.

 これが新制度でどうなったか.このように変わり ます.手許のピント調節,中高年の目の健康,手許 の小さい字が読みにくい,メガネに頼りたくない,

ブルーベリーとルテインの中にどんなものが入って いるのか.こういう成分が入っているんですという ことが書いてあります.まず先ほどのように消費者 庁に届け出をして,人のエビデンス,データーがあ るということが分かれば,こういうような形で発売 することができる.

 現在 300 以上の商品が既に発売になっています.

こんなふうにドラッグストアにもう実際に出ている ケースもありますし,宣伝にも出ています.宣伝を 見てもらうと,従来言えなかった,先ほどの機能性 がはっきり言えるようになっています.ちょっと,

森下仁丹さんの商品の宣伝の CM を聞いてもらっ て,どういうふうに変わったかというのを,見ても らおうかと.こういうのほんとになかったのかなと いうふうに思うかもしれませんが,今までなかった んですね.

 (VTR 視聴)

 見てもらうと,隅のほうに機能性表示が出ていた と思いますけど,ああいう宣伝をやっていると,こ の制度に乗っかったものなんです.はっきり,機能 性を届けたものは宣伝の中で言ってもいいというこ とで,従来こういうのは,実は言えなかったんです ね.そういう意味では,消費者の方が,これは間違 えても誤解することはあまりないだろうと思います

(12)

ので,こういうものが出たら,この制度に乗っかっ ているんだと思ってください.いろんなものがこれ からまた宣伝で出てくると思います.

 もう 1 つ,今回の制度の大きな仕組みというの は,サプリメントだけじゃなくて,生鮮食品にも認 めた.加工物でも OK.実際に農作物で機能性を 取ったものがありまして,三ケ日みかんがありま す.これは静岡,JA 三ケ日のみかんなんですが.

骨の健康に役立つβ- クリプトキサンチンが含まれ てますということで,この中にβ- クリプトキサン チンの成分が多いので,これは骨粗鬆症の予防にな ると.正確に予防になると言っちゃいけないんです ね.骨の健康を維持する.

 で,これはどうやってβ- クリプトキサンチンが 多いのを調べるかというと,このβ- クリプトキサ ンチンが多いと,実は甘いんですね.ですから,糖 度計で測るんです.糖度 15 度以上になったヤツが,

1 日 3 個食べると維持できる量なので,必ずこの機 能性表示が書いてあるヤツは,甘くておいしいで す.非常によくできているんですね,これは.残念 ながら,今季節じゃないから売ってません.その季 節だけは,毎日みかん 3 個食べれば維持できるとい う意味ですが.まあ,そういう意味では,この年末 商品で出てくると思いますけども.もやしとかもあ りますけども,こういうものにまで応用がある.

 まだ歯は,実は先ほどもちょっと話したんです が,この機能性表示通っているヤツがなくて,これ からたぶん出てくるんじゃないかと思います.その 他に,加工食品もできるということで,こういう商 品がございまして.これはマルハのサバ缶なんです が,DHA が入ってますので,記憶をサポートする というふうに書いてあるんですね,缶詰に.そうい う意味では,缶詰を食べながら,記憶力が良くなる という商品でして.数,言葉,図形,状況などの情 報の記憶をサポートする機能があるということで,

こういうような商品等も出てきています.場合に よっては,食べれば食べるほど歯が元気になるって いうのがあるかどうか分かりませんけども,そうい う商品も,その内出てくるかもしれない.

 こちらは総理のスピーチですけども,健康食品の 機能性表示を解禁いたします.国民が自らの健康を 自ら守る.そのためには的確な情報が提供されな きゃならない.当然ですということで,まずはやっ

ぱり,消費者の方に知ってもらおうと.その知るこ とによって初めて,自分がどういうものが適してい るか,自分の健康はどういう状態か.あくまでも健 康の維持増進という観点で,情報を整理していこう と.そういう一環として,こういう制度が始まった.

 それとともに,先ほど言いましたように,企業の 方にも新しい産業を作ってもらう.農業に関して は,これ,世界で最初なので,将来的には農業を輸 出してもらおうと.で,安全安心っていうのはよく 言いますけども,安全安心だけでは,やっぱり,お 米とか売れないんですね.値段が高かったらなかな か売れないんです.日本のお米っていうのはおいし いですけど,おいしいっていうのは世界中味覚は違 う訳です.日本米が合わないカレーとかもやっぱり ありますからね.そうすると,それだけじゃ売れな い.

 だけどそこに機能性があれば,たとえば,血糖の 上昇を穏やかにするお米っていうのがあれば,普通 のお米じゃなくて,そっちを高くても買おうとす る.ウエストが,周囲径が小さくなるお米っていう のが出れば,まあ,たぶんやっぱり買いたいってい う方がいらっしゃると思うんですね.そういう物を やっぱり研究して作ってもらおうと.そういう意味 で,これは次の将来につながるだろうということ で,今始まった制度だということになります.

 問題は,われわれ,じゃあ,何歳までちゃんとケ アすべきなのか.言い換えれば,何歳まで生きる かっていうことなんですが.どうやら 120 ぐらい じゃないかというふうに言われています.いくつか エビデンスがあるんですね.1 つはギネスブック.

カルメンさんが 122 歳.これが最高齢なんですね.

日本人は 114 歳ぐらいの方が男女とも,つい去年ぐ らいまで世界一だったんですが,東京と大阪の方で した.こんな街中で暮らしても世界一になれるとい う.やっぱり日本人長生きなんじゃないか.きんさ ん,ぎんさんの例もありますしね.

 もう 1 個,実は根拠があって,長寿の祝い年の中 に根拠があるんです.60 歳ご存じのように還暦で す.その後,70 歳古希.77 喜寿.80 傘寿.88 米 寿.90 卒寿.99 白寿.100 に 1 足りないんですね.

だいたいここまではご存じでしょうけど,まだあり まして.108 歳茶寿.111 歳皇寿.これで終わりか というと,もう 1 つ実はありまして.120 歳大還暦

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というのがあるんですね.大還暦という言葉がある 以上,誰か生きた人がいる訳なんです.だから,日 本人は 120 生きるのを前提に考えればいいんです ね.

 実際に,じゃあ,生きた人いないのかというと,

調べたらいらっしゃいまして.日本人で一番長生き したのは,武内宿禰さんなんですね.282 歳まで生 きていて.ですから,ここまで健康長寿をやるとな ると,結構大変だなと思うんですけども.まあ,是 非,研究成果を利用していただいて,新しい産業,

それからやっぱり,消費者の方,国民の方の健康長 寿を実現するということで,これは私,ちょっと大 学のやっぱり使命なんだろうというふうに思ってま すので,是非ご参考になればということで,お話し ております.どうもありがとうございました.

◯司会 森下先生,疾患の創薬から始まって,機能 性表示を介した予防,健康長寿へと多彩なお話をあ りがとうございました.せっかくの機会ですので,

ご質問等ございましたらお願いいたします.どう ぞ,高橋先生.

◯高橋 森下先生,ありがとうございました.ほん とにあの,いろんな話題を提供してくださって,ほ んとに勉強になりました.ありがとうございます.

私,摂取嚥下障害を担当しておりまして,ご存じの ように,超高齢社会で摂取嚥下障害の方もたくさん いらっしゃる訳ですね.誤嚥性肺炎ということで.

ただ,私最近思うのは,今まではいかに生きるべき かの医療から,いかに死ぬべきかという医療に転換 していると思うんですね.そこで,あとは私の知っ ている患者さんで,認知症の方で,すごく酷い方が いらっしゃって,元気になった途端に,自分の糞便 を投げているというような方もいらっしゃる.その 場合,たとえば,安楽死っていうものに対して,今 まではたぶん,全部犯罪になっていたと思うんです けど,これからの超高齢社会では,世界中でそうい う安楽死っていうのは,認めざるを得ないと思うん ですが,いかがでしょうか.

◯森下 これ,たぶん,政府は最後の最後しか認め ないと思いますね.やはり基本的に,政府の役割と いうのは,国民の健康を,国民の生命を守るってい うのが,常に最初なので.そこを縮めるというの が,やっぱり国民がそうしたいから,もう EU じゃ ないですけど,国民投票しないと,これは決着つか

ないでしょうね.で,そういう意味では,ちょっと やっぱりなかなか,いわゆるプロフェッショナル オーソリティーというか,専門側が問題提起をし て,国民の方がそういう法律を作って欲しいという 動きが起きない限り,政府主導でやることは,私は ないと思いますね.基本,やっぱり,自己矛盾して ますから,そこは.

 やっぱり,1 つは,政府でできることは,そうい う動きがあるのは別にして,やっぱり,そういう思 いを抱かさないというのが,やっぱりしなきゃいけ ないなと.そういう意味では,先ほどの機能性表示 以外にも,実はいろいろ解禁している中で,いわゆ るとろみ食品.とろみ食品っていうのは,今非常に 分かりにくくて,グレードがはっきり分かれていな いんですね.これをもっとはっきり分かれさせて,

実際にとろみ度によって,こういうふうな方が使っ たらいいんですよということを,表示ができるよう にしようというのをしましたので,そういう所で新 しいとろみを作ってもらうとか.

 文科省の START というグラントの中で,嚥下 の測定の機械を開発しようというプロジェクトも支 援しているんですね.要するにここに付けて,嚥下 度を調べようと.そうすると,嚥下度が高い方は通 常食で,嚥下度が低い方は流動食にするとか.こ れ,今は詰まってからしか分からないという,病気 してから分かるみたいな,変な状況になっているの で,そういうものも機械で計る.

 そういうふうな形で,そういう方々を減らそうと いうのは,これはいろんな施策を打てると思うんで すけど,やっぱりちょっと安楽死の話をいきなり行 くのは,非常にやっぱり厳しいでしょうね.政治家 の方が一番手を出しにくいんじゃないかという気が します.そういう,そのうち,党ができるかもしれ ませんけど.・・・党みたいな.それはやっぱり,

それもありだと思いますけどね.ただ,まあ,基本 的にはやっぱり,そうならない環境下を作るという のが,政府の仕事じゃないかとは思いますけどね.

◯高橋 ありがとうございます.

◯司会 その他ありませんでしょうか.山本先生,

何かありませんか.

◯司会 ええ.噛めば噛むほど齲蝕が治るなど.

◯山本 貴重なお話をいただきましてありがとうご ざいました.先ほど三ケ日みかんというのがありま

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