• 検索結果がありません。

行列式の性質

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "行列式の性質"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

6

行列式の性質

以下に 行列式の 満た す性質を挙げる。こ れらの 性質を使う と計算が簡 単に なる。

1. 正方行列Aの 行列式とそ の 転置行列tAの 行列式は同じ。つまり、

|A|=|tA|

以下、列に 対し て成り立つ計算はこ の こ とから行に 対し ても成り 立つ。

証明は|A|の 第1行での 展開とtAの 第1列での 展開を見比べて帰 納法を使え ばいい。

2.

a11 . . . a1j+b1 . . . a1n

: :

an1 . . . anj+bn . . . ann

=

a11 . . . a1j . . . a1n

: :

an1 . . . anj . . . ann

+

a11 . . . b1 . . . a1n

: :

an1 . . . bn . . . ann

証明は左辺の 行列式を第j列で展開し てみればいい。

3. rを実数とし て、Aの 一つの 列をr倍すると、行列式はr倍に なる。

a11 . . . ra1j . . . a1n

: :

an1 . . . ranj . . . ann

=r

a11 . . . a1j . . . a1n

: :

an1 . . . anj . . . ann

こ れも左辺を第j列で展開するといい。

4. 二つの 列を入れ換え ると、行列式の 符号が変わる。いま、j < kと すると、

a11 . . . a1j . . . a1k . . . a1n

: :

an1 . . . anj . . . ank . . . ann

=

a11 . . . a1k . . . a1j . . . a1n

: :

an1 . . . ank . . . anj . . . ann

27

証明はまずj=i+ 1の とき に 、 もとの 行列をA、そ の 第i列と第 i+ 1列を入れ換え た 行列をA0とかく とき 、|A|を第i列で展開し た 式と|A0|を第i+ 1列で展開し た 式を比べると、|A0|=−|A|が 分かる。一般の 場合はこ れを繰り返すこ とでわかる。

5. 二つの 列ベクトルaj,akが等し いとき 、行列A= (a1, . . . ,an)の 行列式|A|の 値は0に なる。

j

`

k

`

a11 . . . a1j . . . a1j . . . a1n

: :

an1 . . . anj . . . anj . . . ann

= 0

証明は左辺で第j列と第k列を入れ換え ても行列が変わらないの で 、行列式は一緒だが、上の 性質4に より、符号が入れ替わるの で、|A|=−|A|が成り立つ。ゆえ に |A|= 0.

6. 一つの 列に 他の 列の 定数倍を加え ても行列式の 値は変わらない。

a11 . . . a1j+ra1k . . . a1k . . . a1n

: :

an1 . . . anj+rank . . . ank . . . ann

=

a11 . . . a1n

: :

an1 . . . ann

証明は、性質2、性質3と性質5を使え ばいい。

7. 正方行列Aが 正方行列B, Cに よっ て、

A= B D

O C

!

また は A= B O E C

!

の 形に 分解されているとする。た だし 、Oは成分がすべて0の 行 列を表わす。こ の とき 、

|A|=|B||C|

が成り立つ。

証明はB1×1行列の とき に はすぐに 分かる。あとは帰納法。

28

(2)

8. A, Bn次の 正方行列とすると

|AB|=|A||B|

証明は、n次正方行列A, Bに 対し て

|A||B|=

A O

−En B

=

A AB

−En O

=

En O

A AB

を示す事で得られる。ただし 、Enn次の 単位行列。

こ れは、第1列をb11倍、第2列をb21倍、. . .第n列をbn1倍し て 第 n+ 1列に 加え ると新し い第n+ 1列は上から順に

a11b11+a12b21+. . .+a1nbn1

a21b11+a22b21+. . .+a2nbn1

. . .

an1b11+an2b21+. . .+annbn1

と並び 、第n+ 1行から下は0がならぶ。同じよう に 、各jに ついて第 j列をbji倍 し て第n+i列に 加え ると新し い第n+i列 は上から順に

a11b1i+a12b2i+. . .+a1nbni

a21b1i+a22b2i+. . .+a2nbni

. . .

an1b1i+an2b2i+. . .+annbni

と並び 、以下は0が続く 。こ の 操作がi= 1,2, . . . , nと終わっ た後、でき た 行列式は

A AB

−En O .

i行と第n+i行をj= 1,2, . . . , nに 対し て入れ換え て、性質3と性 質4、および 性質7を使っ て、

(−1)n

−En O

A AB

= (−1)n| −En||AB|=|AB|

29

6.1 こ れらの 性質を使っ て次の よう に 行列式を計算する事ができ る。

a b b b a b a a a a b a b b b a

1,2,3行から第4行を引く

=

ab 0 0 ba

ab 0 ab 0

ab ab 0 0

b b b a

1,2,3行から因数abを出す

= (ab)3

1 0 0 −1 1 0 1 0 1 1 0 0

b b b a

1列 から 第2列を引く

= (ab)3·

1 0 0 −1 1 0 1 0 0 1 0 0 0 b b a

3行で展開

= (−1)2+3(ab)3·

1 0 −1 1 1 0 0 b a

3列に 第1列を加え る

= −(ab)3

1 0 0 1 1 1 0 b a

=−(ab)3

1 1 b a

=−(ab)4

練習6.1 次の 行列式を計算せ よ。(i)は因数分解し た形で答え よ

(i)

1 1 1

a b c

bc ca ab

(ii)

2 5 2 0

−3 4 −2 7 1 0 1 8 5 2 −2 0

30

参照

関連したドキュメント

ƒ ƒ (2) (2) 内在的性質< 内在的性質< KCN KCN である>は、他の である>は、他の

前章 / 節からの流れで、計算可能な関数のもつ性質を抽象的に捉えることから始めよう。話を 単純にするために、以下では次のような型のプログラム を考える。 は部分関数 (

それゆえ、この条件下では光学的性質はもっぱら媒質の誘電率で決まる。ここではこのよ

先に述べたように、このような実体の概念の 捉え方、および物体の持つ第一次性質、第二次

統制の意図がない 確信と十分に練られた計画によっ (逆に十分に統制の取れた犯 て性犯罪に至る 行をする)... 低リスク

条例第108条 知事は、放射性物質を除く元素及び化合物(以下「化学

①正式の執行権限を消費者に付与することの適切性

解体の対象となる 施設(以下「解体対象施設」という。)は,表4-1 に示す廃止措置対 象 施設のうち,放射性