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セグメント気中組立による急勾配・急曲線管渠の構築(その1)

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Academic year: 2022

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セグメント気中組立による急勾配・急曲線管渠の構築(その1)

― 神戸市 中突堤ポンプ場放流渠 ―

大成建設株式会社 正会員 ○橋本 諭 神戸市建設局下水道部工務課 佐々木 郁夫 大成建設株式会社 正会員 中田 愼一

1.はじめに

中突堤ポンプ場放流渠は三宮南地区 浸水対策事業の一環として,中突堤ポ ンプ場から大阪湾へ雨水を排水するた めの大口径雨水管渠(放流渠)を神戸 市有数の観光スポットであるメリケン パークの地下にシールド工法を主体と して建設したものである.(図-1)

本稿は,放流渠のシールド発進立坑 及び到達立坑にて施工した,コンクリ ート中詰め鋼製セグメント(以下,SSPC

=Steel Segment with Pre-filled Concrete)気中組立による急勾配・急曲線管渠工について報告する.

2.施工方法開発の経緯

原設計は,内部に管路と中層スラブを有する地下構造物を場所打ちコンクリートにて構築するものであった.

しかし,放流渠の機能上必要なものは管路とメンテナンス用の人孔であり,その他の壁・スラブは供用後に は不要となるため,維持管理を考えた場合,むしろ省略した方がよいものとなっていた.また,昨今の建設業 界での技能労働者不足を考慮すると,限られた工期(4 ヶ月(設計工期 7 ヶ月))で高低差 約 20m(≒管路勾 配 約 30°), 発進・到達の 2 ヵ所合計 3,000m3 のコンクリート構造物を構築することは,人的資源確保や事 故防止等の安全面から考えても困難を極めることが容易に予想された.

これらの解決策として,SSPC を気中にて組み立てることにより管渠を構築する施工方法を採用した(図-2).

これにより,不要な壁・スラブの構築を省略し,施工の省力化・安全性の向上を図ることとした.

キーワード セグメント気中組立,急勾配・急曲線管路,外ボルト締結型 SSPC

連絡先 〒542-0081 大阪府大阪市中央区南船場 1-14-10 大成建設㈱関西支店 TEL06-6265-4600

(a)場所打ちコンクリート案 (b)SSPC 管渠案 図-2 立坑部イメージ図

図-1 放流渠イメージ図

変更

土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月)

‑1439‑

Ⅵ‑720

(2)

3.気中組立急勾配・急曲線管路 構造概要

管渠は,土地利用条件や流入・流出部の位置関係等から,短い区 間内に平面・縦断の曲線が入る複雑な線形を有している.(表-1)

特に発進側については,同一区間内に縦断方向と横断方向の曲率 が複合して入る 3 次元曲線を設ける必要があった.(表-1 着色部)

そのため,この区間ではテーパー量の異なるテーパーリングを交互 に組み合わせることで 3 次元曲線の管渠を構築することとした.

上記の線形計画に基づき,曲率に応じた SSPC の幅とテーパー量を 計算し,SSPC を製作した.

4.使用セグメント

SSPC の諸元を以下に示す.

・外径 4,070mm・内径 3,500mm(4分割・外ボルト締結型)

・セグメント幅 330mm~1,000mm

・テーパー量 228mm(R=18m)~301mm(R=4.5m)

セグメントは,勾配 30°の管路内での作業が非常に難しいことか ら,ボルトボックスを管渠外側に配し,高所作業車等にて安全にボル ト締結・ボックス充填が出来る構造とした.(写真-1)

また,地組した SSPC リングの楊重時および受台据付時において,

リングに過大な変形が生じないよう,1ボックス当りの2本のボルト で各セグメントピースを拘束することとした.これにより,SSPC リ ングの縦横ひずみを 2.0mm 以下に低減し,気中組立時のリングの真円 度を確保した.

5.施工手順および本工法採用の効果

SSPC 気中組立管渠の標準施工手順を以下に示す.

① 受台設置

② SSPC 組立(リング地組,吊込み・据付,ボルト固定)

③ 流動化処理土埋戻し

④ 盛替えコン設置(管渠部開口補強含む)

⑤ 土留支保工撤去

上記①~⑤を繰り返して急勾配・急曲線管渠を構築した.

③流動化処理土埋戻しの際は,流動化処理土打設時の浮 き上がり対策として,管渠最下部に隔壁を設置し,打設・

養生中は管渠内に清水を貯水した.

本工法を採用したことにより,不要な壁・スラブを省略 し切梁の盛替え,切梁の躯体貫通部の処理を無くしたことにより施工性が格段に向上した.また,大部分をプ レキャスト部材としたことにより,作業の省力化が可能となった.なお,セグメントの組立精度は,3D-CAD を用いた組立計画および出来形管理により,±25mm の範囲であった.

6.おわりに

前例のない急曲線・急勾配の気中組立管路工では数多くの技術的課題に遭遇したが,多大なるご指導・ご協 力の結果,平成 26 年 6 月末に着手した立坑部セグメント管路工は同年 11 月に事故・トラブルなく完工した.

ここに関係各位に深く感謝の意を表します.

写真-2 施工状況

縦断線形 平面線形 区間長

0.50

上 R=4.5 2.32

0.51

右 R=9.0 7.58

12.23

下 R=4.5 2.32

0.50

25.96

右 R=18.0 1.00 上 R=15.0 右 R=18.0 8.43

右 R=18.0 4.56 下 R=15.0 右 R=18.0 2.99

下 R=15.0 5.44

4.27

26.69

∞:直線 単位:m

No.1 到達 立坑

合計

合計 No.2

発進 立坑

表-1 管渠線形

写真-1 管渠線形

土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月)

‑1440‑

Ⅵ‑720

参照

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