調査結果レポート
『京都府北部における
4 年制大学の
ニーズ把握に関する高校生アンケート』
【速報版】
平成
26 年 12 月
福知山市
- 1 - 目 次 1. アンケート調査概要 ・・・・・・ 2 (1) 目的 (2) 実施方法 (3) 調査票内容 2. アンケート調査結果 ・・・・・・ 5 (1) あなたの性別についてお尋ねします。 (2) 現在、あなたが考えている卒業後の進路で最も希望するものをひとつ選んでください。 (3) あなたが進学したいと考えている分野を3つまで選んで教えてください。 (4) あなたが進学先を決めるとき重視する項目を優先度の高いものから3つまで選んでください。 (5) 大学進学を希望している方にお聞きします。進学先はいずれを希望しますか。 (6) もし、福知山市に新しく公立大学ができた場合、進学先として検討しますか。 (7) 全ての皆さんにお聞きします。今の時点であなたは将来どのような仕事につきたいですか。 (8) 全ての皆さんにお聞きします。あなたは将来、今お住まいの地域に住みたいと思いますか。 (9) みなさんの進路や進学先について考えていることがあれば自由にご意見をお聞かせください。 3. 総評 ・・・・・・ 14
- 2 - 1 アンケート調査概要 (1) 目的 福知山市では、京都府北部に大学があることの意義や必要性について検証を行っており、京都 府北部の高校生を対象に、進路希望、学びたい学問分野や公立大学か私立大学かという設置形態 のありかた、さらに就業希望分野や地元への定住希望の動向等について、アンケートを実施し、 大学のあり方や将来の福知山市のまちづくりを考えるうえでの貴重な資料とするものである。 (2) 実施方法 ① 調査対象高校数 :中丹地域11 高校 (京都府立福知山高等学校、京都府立福知山高校三和分校、京都府立工業高等学校、京都府 立大江高等学校、京都府立綾部高等学校、京都府立綾部東分校、京都府立西舞鶴高等学校、 京都府立東舞鶴高等学校、福知山成美高等学校、福知山淑徳高等学校) ② 調査対象学生 :平成26 年度現在、高校 2 年生 ③ 調査票の配布・回収期間 :2014 年 11 月 20 日~12 月 5 日 ④ 回答形式 :無記名、選択・記述式 分析や傾向把握の観点から選択を中心とし、選択肢にない回答、自 由意見については記述式とした。
- 3 - (3) 調査票内容 福知山市より中丹地域の高校にアンケート調査を依頼し、アンケート調査票【資料1】を対象高校 の 2 年生を対象に配布した。調査票は各高校で取りまとめ、分析を委託しているコンサルタント 会社に郵送し、整理・分析を実施した。 【資料1】
高校生の皆さんへの進路意識アンケート調査
京都府福知山市 現在、福知山市では「京都府北部にある4年制大学はどのような大学が望ましいか」を研究していま す。地元の高校生の皆さんのご意見を参考にしたいと思いますので、以下のアンケートにご協力いた だきますようお願いします。 下の設問へのご回答は、該当する選択肢左の□内に数字を記入してください。 1.あなたの性別についてお尋ねします。 1 男性 2 女性 2.現在、あなたが考えている卒業後の進路で最も希望するものをひとつ選んでください。 1 大学進学 4 就職 2 短期大学進学 問3へ 5 その他( ) 問7へ 3 専門学校進学 3.あなたが進学したいと考えている分野を3つまで選んで教えてください。 1 文学・史学・文化関係 10 農学 2 法律・政治・行政 11 医学・歯学・薬学 3 経済・経営・商学 12 看護学 4 外国語・国際関係学 13 保健・医療・介護 5 社会学・社会福祉学 14 家政学(被服・住居) 6 教育学・保育学 15 食物学・栄養学 7 情報科学・情報工学 16 芸術・美術 8 環境学 17 その他( ) 9 防災・減災学 18 まだ決めていない 4.あなたが進学先を決めるとき重視する項目を優先度の高いものから3つまで選んでください。 1 学びたい学部・学科がある 6 都市部(首都圏・京阪神など)で勉強したい 2 就職や資格取得などに実績がある 7 偏差値が高い 3 国公立の学校であること 8 親の勧め 4 学費や生活費の負担が少ない 9 先生の勧め 5 学校の歴史・知名度 10 その他( )- 4 - 5.大学進学を希望している方にお聞きします。進学先はいずれを希望しますか。 (複数選択可:2つまで) 1 都市部の国公立大学 4 地方の私立大学 2 地方の国公立大学 5 その他( ) 3 都市部の私立大学 6 どこでもよい 6.もし、福知山市に新しく公立大学ができた場合、進学先として検討しますか。 1 進学先のひとつとして考える 3 進学希望先にしない 2希望の学部学科があれば考える (理由: ) 7.全ての皆さんにお聞きします。今の時点であなたは将来どのような仕事につきたいですか。 (複数回答可) 1 農林魚業 6 医療・看護・介護・福祉 2 製造業・建設業 7 教育関係(教師等) 3 小売・卸業 8 その他サービス業 4 金融・保険業 9 その他( ) 5 行政関係(公務員等) 10 まだ決めていない 8.全ての皆さんにお聞きします。あなたは将来、今お住まいの地域に住みたいと思いますか。 1 住みたいと思う 3 住みたいと思わない。 2 いずれ住みたいと思う 4 わからない 9. みなさんの進路や進学先について考えていることがあれば自由にご意見をお聞かせくださ い。 (自由意見)
- 5 - 男性 876 50.5% 女性 859 49.5% 2 アンケート調査結果 (回収調査票数:1,748 ) (1) あなたの性別についてお尋ねします。 (有効回答数:1,735 件) 中丹地域11 高校の 2 年生、男性 876 名、女性 859 名、合計 1,735 名回答を得た。 【図表1】 (2) 現在、あなたが考えている卒業後の進路で最も希望するものをひとつ選んでください。 (有効回答数:1,715 件) アンケート結果によると、47%の学生が大学進学を希望している。 全国平均では大学進学希望者は54.8%(*1)であり、本件調査での大学進学希望者は全国平均より 7.8%下回っている。大学進学希望者は地域により大きな差異があり、都道府県別では、東京都 が73.2%と最も高く、京都府の大学進学希望率は東京都についで全国 2 位であり、66.6%と高水 準である。なお、青森県、岩手県、鹿児島県、宮崎県では4 割を下回っている状況である。 全国的にも経済的理由から、自宅通学に利点を見出して大学生の地元志向は高まっているが、 当地域から大学に進学するには学費に加え下宿等の生活費が必要となり、進学に伴う経済的負 担が非常に大きい。そのため、大学進学を諦めるケースも多いと推測される。今後も経済環境 が厳しさを増すなか、地域の子どもたちの就学希望をかなえる環境整備が必要であると考えら れる。 1 文部科学省「学校基本調査(都道府県別状況別卒業者数)(都道府県別大学(学部)・短期大学(本科)への入学志願者数)」平成 25 年 度 初等中等教育機関・専修学校・各種学校《報告書未掲載集計》
- 6 - 【図表2】 (3) あなたが進学したいと考えている分野を3つまで選んで教えてください。 (有効回答数:1,335 件) 「教育学・保育学」の322 件(12.4%)がもっとも選択されており、「保健・医療・介護」283 件 (10.9%)、「経済・経営・商学」191 件(7.3%)と続く。 教育関係や保健・医療・介護関係のほか「食物学・栄養学」、「情報科学・情報工学」などス ペシャリスト養成分野に関心が高いのは、就職に有利な資格を取得できることが進学先選びに 重要な影響を与えていることが伺える。 【図表 3-1】 163 81 191 150 95 322 161 64 20 78 137 134 283 46 171 127 196 0 50 100 150 200 250 300 350 文学・史学・文化関係 法律・政治・行政 経済・経営・商学 外国語・国際関係学 社会学・社会福祉学 教育学・保育学 情報科学・情報工学 環境学 防災・減災学 農学 医学・歯学・薬学 看護学 保健・医療・介護 家政学(被服・住居) 食物学・栄養学 芸術・美術 その他 大学進学 806 47.0% 短期 大学 進学 124 7.2% 専門学校進学 325 19.0% 就職 436 25.4% その他 24 1.4%
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また、図表3-2 は、設問 2 で進学先として大学を選択した回答者の中での希望分野であるが、 全体の傾向と同様に「教育学・保育学」、「保健・医療・介護」の人気が高い。ただし、「経済・ 経営・商学」、「文学・史学・文化関係」、「情報科学・情報工学」などの比率は高まっている。
- 8 - (4) あなたが進学先を決めるとき重視する項目を優先度の高いものから3つまで選んでください。 (有効回答数:1,324) 「学びたい学部・学科がある」1,138 件(33.2%)がもっとも高く、ついで「就職や資格取得な どに実績がある」731 件(21.3%)、「学費や生活費の負担が少ない」593 件(17.3%)と続いている。 【図表4-2】は複数回答した学生のうち、選択肢の中での関連性を示したものであるが、やはり 就職等を意識した選択傾向が見られ、「学びたい学部・学科がある」を選択した学生1,138 名の うち55.8%は「就職や資格取得などに実績がある」を併せて選択し、高い関連性が伺える。 また、「学費や生活費の負担が少ない」を併せて選択している学生が多く見られ、先に述べた 当地域における進学の選択肢の少なさから来る家庭の経済的負担軽減を重要視する学生も多い。 【図表 4-1】 【図表 4-2】 1138 731 303 593 129 277 70 88 40 55 0 200 400 600 800 1000 1200 学びたい学部・学科がある 就職や資格取得などに実績がある 国公立の学校であること 学費や生活費の負担が少ない 学校の歴史・知名度 都市部(首都圏・京阪神など)で勉強したい 偏差値が高い 親の勧め 先生の勧め その他 学 び た い 学 部 ・ 学 科 が あ る 就 職 や 資 格 取 得 な ど に 実 績 が あ る 国 公 立 の 学 校 で あ る こ と 学 費 や 生 活 費 の 負 担 が 少 な い 学 校 の 歴 史 ・ 知 名 度 都 市 部 ( 首 都 圏 ・ 京 阪 神 な ど ) で 勉 強 し た い 偏 差 値 が 高 い 親 の 勧 め 先 生 の 勧 め そ の 他 学びたい学部・学科がある 55.8% 22.1% 45.0% 9.3% 19.5% 4.7% 4.9% 1.7% 2.9% 就職や資格取得などに実績がある 13.5% 45.8% 7.8% 15.7% 1.9% 4.4% 2.1% 2.6% 国公立の学校であること 34.7% 5.3% 16.2% 10.2% 3.0% 1.7% 1.7% 学費や生活費の負担が少ない 3.5% 11.6% 2.4% 4.9% 2.0% 2.2% 学校の歴史・知名度 17.1% 7.8% 3.1% 3.9% 2.3% 都市部(首都圏・京阪神など)で勉強したい 4.7% 4.7% 1.4% 1.1% 偏差値が高い 2.9% 1.4% 0.0% 親の勧め 14.8% 1.1% 先生の勧め 2.5% その他
- 9 - (5) 大学進学を希望している方にお聞きします。進学先はいずれを希望しますか。(複数回答) (有効回答数:1,012 件) 「都市部の国公立大学」27%、「地方の国公立大学」24%、「都市部の私立大学」23%と比較的選 択が分散している。その中で「地方の私立大学」13%と全国的に見られる地方私立離れの傾向が 現れている。 国公立大学の希望者は全体の5 割以上を占め、当地域においても国公立志向が高いことが明ら かになっている。その要因は国公立大への信頼や経済的負担の低さと推測される。 また、地方の公立大・私大、「どこでもよい」を合わせても5割近くの回答があり、「都市部へ の進学志向」だけではないことも伺える。 【図表5】 (6) もし、福知山市に新しく公立大学ができた場合、進学先として検討しますか。 (有効回答数:1,299 件) 「進学先のひとつとして考える」170 件(13.1%)、「希望の学部学科があれば考える」587 件 (45.2%)と合わせると、587 件、6 割近くの学生が進学先として検討の余地があると回答してい る。 前問(5)の国公立志向や必ずしも都市部への進学だけにこだわらない回答とあわせ、福知山 市において公立大を設置した場合には、当地域における高校生の進学先となりうる可能性がある と推測される。 都市部の 国公立大学 423 27% 地方の 国公立大学 370 24% 都市部の 私立大学 366 23% 地方の 私立大学 196 13% その他 30 2% どこでもよい 173 11%
- 10 - 【図表6-1】 また、「希望の学部学科があれば考える」と回答した学生の中で希望する分野(設問3)を抽出 し、分析したものが【図表6-2】である。 設問3 の全体の結果と同様に「教育学・保育学」分野、「保健・医療・介護」分野の希望者が際 立って高く現れているが、上位 2 分野についで「情報科学・情報工学」分野の希望者が多い結 果となった。 【図表6-2】 「進学先に希望しない」と回答した学生のうち、理由として「都会に出たい、福知山が不便(20 件)」、「福知山の新しい公立大学に魅力を感じない(12 件)」、「既に志望先が決まっている(7 件)」、 「自立したい、一人暮らししたい(6 件)」などの意見が寄せられている。 こうした意見もふまえて、公立大学を設置する場合の学部学科構成を検討する必要がある。 進学先のひとつ として考える 170 13.1% 希望の学部学科が あれば考える 587 45.2% 進学希望先にしない 542 41.7% 61 23 72 65 34 160 83 32 6 34 74 70 148 18 76 59 , 73 0 25 50 75 100 125 150 175 文学・史学・文化関係 法律・政治・行政 経済・経営・商学 外国語・国際関係学 社会学・社会福祉学 教育学・保育学 情報科学・情報工学 環境学 防災・減災学 農学 医学・歯学・薬学 看護学 保健・医療・介護 家政学(被服・住居) 食物学・栄養学 芸術・美術 その他
- 11 - (7) 全ての皆さんにお聞きします。今の時点であなたは将来どのような仕事につきたいですか。 (有効回答数:1,492 件) 将来の具体的な就職業種まで決めていない学生も多いものの、「医療・看護・介護・福祉」分野 への就業希望者が434 件(17.3%)と比較的高い人気を集めている。仕事の具体的なイメージが掴 みやすく、資格職で就職が安定している等の理由によるものと推察される。 【図表 7】 (8) 全ての皆さんにお聞きします。あなたは将来、今お住まいの地域に住みたいと思いますか。 (有効回答数:1,674 件) 「住みたいと思う」273 件(16.3%)、「いずれ住みたいと思う」245 件(14.6%)との回答が寄 せられており、将来的に中丹地域で居住を希望する高校生は合計30.9%と考えられる。 しかし、「住みたくない」と意思表示をしている回答も449 件(26.8%)あり、回答者の 1/4 は 市外への移住を積極的に希望している状況である。 【図表8】 64 270 126 81 261 434 298 295 221 422 農林漁業 製造業・建設業 小売・卸売業 金融・保険業 行政関係(公務員等) 医療・看護・介護・福祉 教育関係(教師等) その他サービス業 その他 まだ決めていない 住みたいと思う 273 16.3% いずれ住みたい と思う 245 14.6% 住みたいと 思わない 449 26.8% わからない 707 42.2%
- 12 - (9) みなさんの進路や進学先について考えていることがあれば自由にご意見をお聞かせください 自由意見では、選択肢の設問のアンケート結果を裏付けるような将来の就職なども意識したコメ ントが寄せられる一方、学費に関して比較的負担の少ない国公立を選択、要望するコメントも多 く見られる。 進学先選択の考え方、要望に関するコメント ・都市部が地方かは関係なく、学部学科が多い、学費の安い大学を検討したい ・医療系の学校へ行きたい ・就職に役立つ所に進学したい ・自分に合う所、やりたいことがある学校へ行く ・都市部の学部、学科が多い大学へ進学したい ・将来に繋がる大学へ進学する ・実績のある大学が良い ・研究施設が整っている大学が良い ・教職がとれる大学が良い ・親は近畿圏の国公立に行かせたがっているが、もっと選択肢を広げたい ・学んだことを活かさない職に就くケースが多いと思うので、学歴として自慢できる大 学が良いと思う ・自然が多い大学、食堂が良い大学へ行きたい ・大学のパンフレットには学費も載せてほしい ・学費が安い大学がいい×4 ・もっと外国部学部のある公立があれば良い ・学費の安い国公立を優先して受験したい×2 現在、検討している京都府北部にある 4 年制大学のあり方についての意見 ・公立になれば大学に行けるかもしれないので公立にしてほしい ・家から近い方がいいのであれば是非行く ・地元に大学ができたら魅力的 ・大学までの道路が狭いと困る ・北部に大学はあってほしい。実家から通学できるし北部の発展にも繋がる。 ・学費が高いといけない ・公立が北部にできると助かる ・近くに大学ができてほしい×2 ・国公立の医学部を増やしてほしい ・京都の北部に大学を作るなら薬学部のある国公立にすべき ・大学は飽和状態のため、新規開設は必要ないと思う。また、新しい大学よりも歴史の ある大学の方が信頼性が高いため、よほど目新しいものがないと新規の大学は選ばない ・日本の特に私立の大学は増えすぎ。学部が少ない大学を増やすのではなく総合的な大 学をつくるべき
- 13 - 受験、就職、進路に関する悩み ・もし短大に落ちた時の進路がわからない ・国公立は偏差値が高いイメージがある ・関関同立の難易度について知りたい ・勉強の仕方がわからない ・色々な大学を見て決めたい ・進学にはどれくらいの成績が必要ですか? ・大学に行くには何が必要ですか ・最低限の生活ができる職につければいい ・就職が決まらず困っている。 ・まだ決めていない×3 ・何に向いているかわからない×2 ・自分が何をしたいかわからない×2 福知山市への要望、不満。都市部への憧れ ・福知山、綾部は出て就職したい ・交通の便が良く、都会に出やすいほどよい田舎がいい。 ・田舎には進学したくない ・福知山は住みたいという魅力に欠ける ・地方より都市部で学び視野を広げたい ・進学するならこんな何もない所より都会に出たい ・一度親元を離れて暮らす経験をしたいから近場に進学する気はない ・都市部へいきたい ・大阪か京都市内か神戸で仕事がしたい 3. 総評 中丹地域の高校生の進学希望先として 47%の学生が4年制大学への進学を希望しているが、この数 字は全国平均、京都府平均よりも大きく下回っている。 この数字は、中丹地域から大学に進学するには都市部の高校生よりも多くの経済負担が必要となる ことから、5 割以上の高校生が国公立大を希望していることに現れている。また、必ずしも「都市部へ の進学志向」だけではないことも伺えた。 希望する学部分野については、「医療・保健・福祉」や「教育関係」、「食物・栄養学」など資格取得 に結びつく分野の人気が高かった一方で、「経済・経営・商学」も3番目となっているほか、他の社会 科学系、人文科学系などにも関心が高いことが伺えた。 設問6 における福知山市に新たな公立大学が出来た場合の質問では、6 割近くの高校生が関心を示し ている。本アンケートは近隣高校の 2 年生を対象とした調査であり、実際に進学の学費を負担する保 護者は更に経済的な負担への関心が高いものと推察され、当該地域における公立大学の需要は認めら れるものと考えられる。 今後、福知山市における大学のあり方を検討するうえで、高校生のニーズは勿論のこと、周辺の教
- 14 - 育機関と比較した競争優位性や就職先としての地元産業界、行政関係機関などニーズも勘案し、特色 のある学部学科構成を行うことが重要となる。 また、将来の希望職種では「医療・看護・介護・福祉」分野への就業希望者、行政関係、教育関係 の志望が多い回答結果となった。仕事の具体的なイメージが掴みやすく、資格職で就職が安定してい る等の理由によるものと推察される。 中丹地域への定住意向の調査では、将来の地元定住の希望は3割程度となっている。現実的には就 職、進学等で一度出れば中丹地域で居住する機会は限定的となる可能性が高いが、高校卒業後に進学 をすれば一旦地元を離れることが前提であるなかでも、3割の高校生は地元に帰りたいという思いを 有していることが伺われた。