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過振動を受けたコンクリートの品質変動

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Academic year: 2022

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過振動を受けたコンクリートの品質変動

大成建設 土木技術研究所 正会員 ○ 梁 俊 大成建設 土木技術研究所 フェロー会員 丸屋 剛 大成建設 土木技術研究所 正会員 坂本 淳

1.はじめに

内部振動機はコンクリートの中で振動することによって,コンクリートに締固めエネルギーを与え,コンク リートを締め固める.振動機から遠くなることによりエネルギーは減衰するが,充分な時間をかけて内部振動 機を振動させることにより,振動機から遠いところのコンクリートも締め固めることができる1).しかし,振 動時間が長くなることにより,振動機に近いコンクリートは振動機から遠いコンクリートに比べてはるかに多 いエネルギーを受けている.内部振動機から遠いコンクリートを締固め完了させるためには,内部振動機から 近いコンクリートは過剰な振動を受けざるを得ない。本研究では,過振動を受けたコンクリートの品質変動に 関して検討を行った.

2.実験概要

図-1の写真①に示す寸法L500×W500×H800mmの木製型枠を用いて試験体を打設した.一層の打設高

さを400mmで二層打ちにし,内部振動機は下の層に100mm挿入して締め固めるようにした.実際の施工を

模擬するため,打ち重ね時間を30分とした.打設口が直径100mmとしたカラーコーンを介して一層当たり 4 回に分けて型枠内に連続投入した.Φ50 の内部振動機を使用し,過振動を受けた試験ケースとして,中央 部に挿入して60s間締め固めた.標準試験ケースとして,内部振動機の振動時間を 15sにした試験体も製作 した.打込み終了後,5 日まで湿潤養生して脱型し,28 日まで恒温恒湿室にて養生を行った.二体の試験体 に対して,表面観察し,トレント法により

透気係数を計測した.また,試験体からΦ 100のコアを採取し,圧縮強度,絶乾密度,

中性化試験等を行った.その後,試験体を カットして下から 120mm のところから

140mm 間隔で粗骨材面積分布率を測定し

た.以上のデータを用いて,過振動を受け た試験体と標準試験体の品質を比較検討し た.

3.使用材料および配合

本実験で使用したコンクリート(スランプ8cm)の配合を表-1に示す.セメントには普通ポルトランドセ メントを使用した.細骨材には君津産山砂(表乾密度 2.65g/cm3

F.M.=2.71)を,粗骨材には青梅産の砕石(最大寸法20mm,表乾 密度2.66g/cm3,F.M.=6.31)を使用した.混和剤にはAE減水剤

(リグニンスルホン酸系,使用量C×0.20%)を使用した.

表-1 配合(スランプ 8cm)

W/C (%)

s/a (%)

単位量(kg/m3)

W C S G Ad

55 42.5 149 271 811 1099 C×0.20

キーワード:締固めエネルギー,過振動,コンクリート品質

連絡先:〒245-0051 横浜市戸塚区名瀬町 344-1 大成建設(株)技術センター TEL045-814-7228 スランプ8cm、振動時間60秒

振動時間15秒 振動時間60秒 図-1 試験体の型枠および試験体の表面状況

① ② 豆板 ③

土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月)

‑1129‑

Ⅴ‑565

(2)

4.実験結果及び考察

図-1の写真②③に試験体表面の状況を示す.振動時間 を60sにした試験体の表面はきれいに打設されている.過 振動による材料分離で発生するとされている縞模様の砂 すじは発見されてない.逆に振動時間15秒にした標準試験 体の方に,写真に示すように,豆板になった部分が発見さ れている.

試験体下面からの距離によるコアの絶乾密度と圧縮強 度を図-2に示す.図に示すように,加振時間を60sにし た試験体の圧縮強度および絶乾密度は標準試験体と比較 して大きな差が無いことがわかる.打ち重ね部である300

~400mm高さの圧縮強度には乱れが見られるが,圧縮強 度の変化は10%以内に収められている.また,試験体上面 の圧縮強度が若干小さくなっているが次の層を打つこと で打ち重ね部と同じようになると考えられる.

試験体下面からの距離による粗骨材分布率と中性化深 さを図-3に示す.図に示すように,加振時間を60sにし た試験体のカット面の粗骨材面積率は標準試験体の粗骨 材面積率とは大きな差が無い.打ち重ね部である300~

400mm高さの部分の粗骨材面積率がほかの部分に比べて 小さくなっているが,加振時間による差は見られてない.

試験体下面からの距離によるトレント法により透気係 数を計測の結果を図-4に示す.図に示すように,加振時 間を60sにした試験体の測定結果は標準試験体と比較して 大きな差が見られない.逆に,加振時間を60sにした試験 体の方が若干いい結果を見せている.

以上の実験結果が示すように,過振動を受けたコンクリ ートの品質は標準試験体に比べて大きな差が見られなか った.コンクリートは内部振動機の振動により生じた液状 化されることで締め固められる.型枠などの拘束がない状 態でコンクリートが液状化されると,モルタルの流出によ り,粗骨材に液圧が保持されないため,粗骨材だけがコア 部に残って,コンクリートは分離する.しかし,型枠など の内でコンクリートが液状化されると,モルタルの流出が ないため,液圧の保持により,骨材は重力の影響を受けず,

ペースト中に均一に分布される.これが,本研究の試験中で,過振動をかけたコンクリートの品質が標準試験 体に比較して大きな差異がない原因であると考えられる.

参考文献

1)梁俊,宇治公隆,國府勝郎,上野敦:スランプの相違がフレッシュコンクリートの締固め性に与える影響,

セメント・コンクリート論文集 No.59,pp.146-151,2005.2 0.5 0.8 1.1 1.4 1.7 2.0 2.3 2.6

0 500 1000

下面からの距離(mm)

絶乾密度(kg/L)

20 25 30 35 40 45 50

圧縮強度(N/mm2

15s絶乾密度 60s絶乾密度 15s圧縮強度 60s圧縮強度

図-2 コアの絶乾密度と圧縮強度

0 10 20 30 40 50

0 500 1,000

下面からの距離(mm)

粗骨材分布率(%)

5 10 15 20 25 30 35

中性化深さ(mm)

15S(粗骨材分布率) 60S(粗骨材分布率) 15s(中性化深さ)

60s(中性化深さ)

図-3 粗骨材分布率と中性化深さ

1 10 100

0.001 0.01 0.1 1 トレン透気係数kT(E-16m2)

電気抵抗率(kΩcm)

60s 15s

図-4 トレント試験の結果 Very good Good Normal 土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月)

‑1130‑

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参照

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