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論文 高炉スラグ細骨材を多量に使用したコンクリートの性質

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(1)

論文 高炉スラグ細骨材を多量に使用したコンクリートの性質

博多 正貴

*¹・

吉野 公

*²・

黒田 保

・吉澤 千秋

*

4

要旨:本研究は,整粒方式が違う

2

種類の高炉スラグ細骨材を最大

100%使用したコンクリートの配合,

ブリーディング量,凝結時間,加圧による脱水量および強度等のおもにフレッシュ性状の諸物性に関し て検討した。また,多量に高炉スラグ細骨材を用いたコンクリートでは,石灰石微粉末を添加すること でコンクリートの品質改善を図り,その諸物性に関して検討した。その結果,高炉スラグ細骨材を使用 することで,単位水量やブリーディング量が増加し,凝結が遅延したが,石灰石微粉末を添加すること によってそれらを抑制することを確認した。

キーワード:高炉スラグ細骨材,石灰石微粉末,ブリーディング,圧送性

1. はじめに

高炉スラグ細骨材は,自然環境の保護の面から,

2002

年に「国等による環境物品等の調達の推進等に関する

法律」

(グリーン購入法)の公共事業における特定調達品

目に指定されており,その使用量は年々増加傾向にあ る。しかし,コンクリートにおける高炉スラグ細骨材 の割合を増やすと施工性が悪くなるとの指摘がある。

高炉スラグ細骨材を用いた

W/C

50%以上のコンク

リートの配合では,微粒分が少なく,材料分離が生じ やすいため,細骨材中の高炉スラグ細骨材の配合比は

20%~50%が限界であると考えられている

1),2)

本研究では,高炉スラグ細骨材の使用量の増加を目 指し,まず高炉スラグ細骨材の置換率を最大

100%使用

したコンクリートにおいて,置換率がコンクリートの フレッシュ性状や強度に及ぼす影響の把握を行った。

さらに,置換率を

80,100%にした場合において,単

位水量の低減やフレッシュ性状の改善を図るため,石 灰石微粉末を添加し,粉体量を増加させる方法を採用 した。粉体量を増加させたコンクリートに関して,粉 体量とフレッシュ性状や強度の関係の検討を行った。

また,細骨材として銅スラグを

100%用いた比較的貧

配合のコンクリートの施工性において,圧送性に配慮 した配合を検討した報告があり,このコンクリートの 初期の脱水率が増える傾向を有するため,圧送が困難 になる可能性が高いとされている 3)。そこで,高炉ス ラグ細骨材を多量に用いたコンクリートでもポンパビ リティーの評価を行った。フレッシュコンクリートの ポンパビリティーを事前に評価する簡易な試験方法と して,加圧ブリーディング試験と変形性評価試験が提 案されている 4)。本研究では,多量に高炉スラグ細骨

材を用いたコンクリートに対して加圧ブリーディング 試験を行い,ポンパビリティーを評価した。

2. 実験概要 2.1 使用材料

本研究で用いたコンクリートの配合を表-1に示す。

また,各使用材料の性質を表-2に示す。細骨材には,

整粒方式が違う

2

種類の高炉スラグ細骨材(BFS-Kお

よび

BFS-F)と石灰石砕砂(L)の 3

種類を使用した。

BFS-K

は乾式方法(バーマック)で整粒された

JIS

区分

1.2mm

高炉スラグ細骨材であり,バーマックによる

遠心によって機械の壁や粒子同士にぶつかり,角が丸 くなっている微粒分が多くなっている。BFS-Fは湿式 方法(ハンマークラッシャー)で整粒された

5.0mm

高炉 スラグ細骨材であり,ハンマークラッシャーによって 粒を砕いて整粒しているため角が少し角張っている。

各高炉スラグ細骨材を写真-1および2に示す。なお,

高炉スラグ細骨材は入荷時期によって密度等が多少異 なっており,表-2には,その範囲で表記している。

セメントには普通ポルトランドセメントを使用し,

化学混和剤として,高機能タイプの

AE

減水剤および 空気量調整用の

AE

助剤を使用した。

2.2 実験要因

シリーズⅠとして,石灰石砕砂に対して高炉スラグ 細骨材を容積比で置換する割合の増加がコンクリート の性質に及ぼす影響に関して検討を行った。また,シ リーズⅡとして,高炉スラグ細骨材を

80,100%と多

量に使用する場合に,石灰石微粉末を添加し,粉体量 がコンクリートの性質に及ぼす影響の検討を行った。

*1 鳥取大学大学院 工学研究科土木工学専攻 (学生会員)

*2 鳥取大学大学院 工学研究科 准教授 工学博士(正会員)

*3 鳥取大学大学院 工学研究科 教授 博士(工学) (正会員)

*4 JFE

ミネラル(株)製鉄関連事業部 主任部員 博士(工学) (正会員)

コンクリート工学年次論文集,Vol.38,No.1,2016

(2)

表-1 コンクリートの配合

写真-1 BFS-K 写真-2 BFS-F

図-1 単位水量の決定

シリーズⅠでは,高炉スラグ細骨材と石灰石砕砂と の混合比率を容積比で

20,40,60,80

および

100%で

置換した。水セメント比(W/C)は,55%とした。コン クリートにおける細骨材率は最適細骨材率(以下,最 適

s/a

と表記)とし,単位水量を一定とした配合に対し て細骨材率のみを変化させたコンクリートについてス ランプを測定し,スランプが最大となる細骨材率を最 適

s/a

とした。

また,コンクリートの配合条件をスランプ

8±1.5cm,

空気量を

4.5±1.5%,粗骨材の最大寸法 20mm

として,

AE

減水剤の添加量を粉体量

P×0.4%として,所定のス

ランプとなるように試練りによって単位水量を決定し たが,単位水量が

175kg/m

3を超える場合には, AE減水

W C LSP BFS L G AE減水剤

(%)

AE助剤

(%)

55 55 46 150 273 0 182 706 1036 0.5 0.6 8.5 5.6

55 55 46 165 300 0 348 510 1108 0.4 0.2 9.5 4.1

55 55 46 173 315 0 511 335 983 0.4 0.2 6.5 3.6

LSP無添加 55 55 46 175 318 0 680 166 1016 1.0 0.0 7.5 5.5

P350 55 49 45 170 308 41 658 161 987 0.4 0.2 8.5 5.0

P400 55 44 44 175 318 82 621 152 970 0.5 0.2 7.5 4.2

P450 55 39 43 175 318 132 590 144 959 0.5 0.4 8.0 4.6

LSP無添加 55 55 46 180 327 0 853 0 968 1.0 0.2 8.5 5.4

P350 55 53 46 185 336 14 842 0 949 1.0 0.0 6.5 3.5

P400 55 44 44 175 318 82 794 0 970 1.0 0.0 7.5 4.9

P450 55 38 43 170 309 141 759 0 966 0.9 0.3 6.5 3.7

55 55 44 145 264 0 174 683 1086 0.4 0.8 9.0 5.2

55 55 44 160 291 0 342 493 1051 0.4 0.3 8.5 4.5

55 55 44 164 298 0 510 327 1041 0.4 0.2 9.0 4.9

LSP無添加 55 55 44 185 336 0 624 155 992 1.0 0.0 7.5 4.7

P350 55 53 44 185 336 14 619 154 985 1.0 0.0 8.5 4.0

P400 55 44 42 175 318 82 582 145 1005 0.6 0.2 8.5 5.4

P450 55 38 41 175 318 132 552 137 993 0.4 0.2 9.5 4.1

LSP無添加 55 55 44 180 327 0 804 0 1004 1.0 0.2 8.3 4.5

P350 55 51 43 180 327 23 773 0 1009 0.8 0.0 6.5 3.9

P400 55 44 42 175 318 82 738 0 1005 0.7 0.2 8.5 4.9

P450 55 38 41 170 309 141 705 0 1000 0.8 0.2 7.5 3.7

55 55 42 150 273 0 0 806 1113 0.4 0.6 8.5 3.9

BFS0

単位粉体量×(%)

スランプ (cm)

空気量 (%) K20

K40

W/C (%)

W/P (%)

s/a (%)

単位量(kg/m3)

F60

F80

F100 K60

K80

K100

F20 F40

単位水量175kg/m3 AE減水剤:1.0%

単位水量180kg/m3

単位水量固定

AE減水剤を調整 単位水量185kg/m3

YES

単位水量決定 NO

単位水量175kg/m3 1.0%≧AE減水剤≧0.4%

(3)

剤の上限を粉体量

P×1.0%として,

図-1に示す手順で 決定した。すなわち,粉体量

P×1.0%で所定のスラン

プが得られない場合には,単位水量を 5kg/m3ずつ増加 させ,単位水量を決定した。

シリーズⅡでは,単位粉体量すなわちセメントと石 灰石微粉末を合わせた粉体量が

350,400,450kg/m

3と なるように設定した。単位粉体量(kg/m3)はそれぞれ 無添加,P350,P400,P450と表記する。また,配合記 号は(高炉スラグ細骨材の種類)(高炉スラグ細骨材の 置換率)-(単位粉体量)と表記する。例えば,K100

-P400と表記した場合には,Kの高炉スラグ細骨材置 換率

100%,単位粉体量 400 kg/m

3の配合を示す。配合 の決定方法は,シリーズⅠとほぼ同様であるが,細骨 材率は石灰石微粉末を添加しない配合に対して,水粉 体比が減少しただけ,土木学会で示されている水セメ ント比の増減に対する細骨材率の補正率に準じて補正 した。

表 ― 2 使 用 材 料 種類 性質・記号

粉体

普 通 ポ ル ト ラ ン ド セ メ ン ト

(

密 度

3.16g/cm

3

)

石 灰 石 微 粉 末

(密 度 2.68g/cm

3, 粉 末 度

5,100 cm

2

/g,LSP)

細骨材

高 炉 ス ラ グ 細 骨 材

(

表 乾 密 度

2.70

2.80g/cm

3,粗粒率

2.11~2.14,BFS-K)

高 炉 ス ラ グ 細 骨 材

(

表 乾 密 度

2.65

2.75g/cm

3,粗粒率

2.47~2.50,BFS-F)

石灰石砕砂(表乾密度

2.67g/cm

3,粗粒率

2.75,L)

粗骨材 普通砕石(表乾密度

2.67g/cm

3,最大寸法

20mm)

混和剤

AE

減水剤(リグニンスルホン酸化合物系 ポリカルボン酸エーテル)

AE

助剤(変形ロジン酸化化合物陰イオン 界面活性剤)

2.3 試験方法

コンクリートの練り混ぜは,容量

50L

のパン型強制 練ミキサーに粗骨材,セメントおよび石灰石微粉末,

細骨材の順で投下して

30

秒間の空練りを行った。次に,

練混ぜ水を注いで

30

秒間の練混ぜを行った後,一時停 止して,ミキサーの内壁や底板に付着した材料をスコ ップでかき出し,さらに

60

秒間練混ぜた。練混ぜを完 了したコンクリートは直ちにミキサーから練板に排出 し,スコップで数回練返し,均一な状態になったコン クリートで,まず,スランプ試験および空気量試験を 行い,その後,ブリーディング試験,凝結試験,加圧

ブリーディング試験を行った。また,圧縮強度試験用 供試体を作製し,

3, 7, 28, 91

日に圧縮試験に供した。

3. 試験結果および考察

3.1 高炉スラグ細骨材置換率の影響

高炉スラグ細骨材置換率と単位水量との関係を図-

2 に示す。石灰石砕砂に対して高炉スラグ細骨材を容 積比で置換する比率が大きくなるほど,単位水量が増 加することがわかる。石灰石砕砂と今回用いた高炉ス ラグ細骨材との組合せでは高炉スラグ細骨材の置換率

60%までは,単位水量 175kg/m

3以下でスランプ

8±1.5cm

が 得 られ たが , 置換 率 が

80

%を 超 える と

175kg/m

3以下の単位水量では所定のスランプが得られ

ない結果となった。また,高炉スラグ細骨材

K

F

の 形状の違いは単位水量にほとんど影響を与えなかった が,これは,K は丸みを帯びているが粒度が小さいた めであると考えられる。

図-3 に高炉スラグ細骨材置換率と最終ブリーディ ング量との関係を示す。図-3 より,石灰石砕砂に対 して高炉スラグ細骨材を容積比で置換する比率が大き くなるほど,ブリーディング量が増加している。細骨 材として高炉スラグ細骨材を置換率

80,100%で使用

したコンクリートのブリーディングでは建築学会高耐 久性コンクリートの品質目標である

0.3cm³/cm²を上回

る結果となった。これは,高炉スラグ細骨材がガラス 質であり保水性がないことや,スラグ置換率が大きく なると単位水量が多くなることが起因していると考え られる。

図-4 に高炉スラグ細骨材置換率と凝結時間との関 係を示す。石灰石砕砂に対して高炉スラグ細骨材を容 積比で置換する比率が増加することによって凝結始発 時間と終結時間が遅れることがわかる。高炉スラグ細 骨材には保管中の固結を防止するため固結防止剤が添 加されており 2),固結防止剤によって凝結が遅れてい ることが考えられる。また,高炉スラグ細骨材と同様 にガラス質である焼却灰溶融スラグにおいて,焼却灰 溶融スラグを多量に用いた場合には,ブリーディング 量が増加しそれにともなって凝結時間が遅くなること が報告 5)されており,ブリーディング量の増加が凝結 時間に影響を及ぼした可能性もある。また,置換率

20

~60%と

80%で差を生じているが,これは,AE

減水 剤の添加量の影響の可能性があると考えられる。

高炉スラグ細骨材置換率と圧縮強度との関係を図-

5および 6 に示す。高炉スラグ細骨材を置換したコン クリートは,91日強度では高炉スラグ細骨材を置換し ないコンクリートよりも強度が大きくなったが,これ は高炉スラグ細骨材が急冷スラグであり,その潜在水

(4)

硬性に起因していると考えられる 6)。また,高炉スラ グ細骨材の置換率が強度に及ぼす影響は骨材の種類に よって異なった。K の場合では置換率を大きくするほ ど圧縮強度が大きくなるが,置換率が

80%を超えると 91

日圧縮強度は低下する傾向がみられた。これはブリ ーディング量の増加の影響と考えられる。一方, Fで は高炉スラグ細骨材で置換する比率が大きくなるほど 徐々に強度が大きくなる傾向にあった。

図-2 置換率と単位水量との関係

図-3 置換率と最終ブリーディング量との関係

図-4 置換率と始発・終結時間との関係

図-5 置換率と圧縮強度との関係(K)

図-6 置換率と圧縮強度との関係(F)

3.2 石灰石微粉末添加による品質改善

高炉スラグ細骨材を多量に使用するコンクリートで は,単位水量およびブリーディング量が増加し,凝結 が遅延することが明らかとなった。そこで,これらを 改善する方法として,石灰石微粉末を添加し単位粉体 量を増加する方法を試みた。

高炉スラグ細骨材置換率

100%の単位粉体量と単位

水量との関係を図-7 に示す。単位粉体量を増加する ことによって単位水量を抑制できることがわかる。

ブリーディング試験結果を図-8および 9 に示す。

石灰石微粉末を添加することによって置換率

80, 100%

ともにブリーディングが抑制されることがわかる。

凝結時間試験結果を図-10 および 11 に示す。凝結 時間も石灰石微粉末することによって遅れを抑制する ことができ,石灰石微粉末を添加する量を多くするほ どコンクリートの始発時間と終結時間が早まり凝結遅 延が改善されることがわかる。

図-7 粉体量と単位水量との関係

図-8 粉体量と最終ブリーディング量との関係(K)

140 150 160 170 180 190

0 20 40 60 80 100

単位水量(kg/m³)

高炉スラグ細骨材置換率

(%) K F

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

0 20 40 60 80 100

最終ブリーディング量 (cm³/cm²)

高炉スラグ細骨材置換率

(%) K

F

0 200 400 600 800 1000

0 20 40 60 80 100

経過時間

(m in )

高炉スラグ細骨材置換率(%)

K 始発 K 終結

F 始発 F 終結

0 20 40 60

0 20 40 60 80 100

圧縮強度 (N/mm²)

高炉スラグ細骨材置換率 (%)

K:W/C=0.55

91日 28日 7日 3日

0 20 40 60

0 20 40 60 80 100

圧縮強度

(N /m m ²

高炉スラグ細骨材置換率

(%) F:W/C=0.55

91日 28日

3日 7日

160 165 170 175 180 185 190

無添加 350 400 450

単位水量(kg/m³)

単位粉体量

(kg/m³) K F

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

K80 K80 P350

K80 P400

K80 P450

K100K100 P350

K100 P400

K100

P450

ブリーディング量 (cm³/cm²)

(5)

図-9 粉体量と最終ブリーディング量との関係(F)

図-10 粉体量と始発・終結時間との関係(K)

図-11 粉体量と始発・終結時間との関係(F)

図-12 粉体量と圧縮強度との関係(K)

図-13 粉体量と圧縮強度との関係(F)

圧縮強度試験の結果を図-12 および 13 に示す。石 灰石微粉末を添加することにより圧縮強度は増加する 傾向があることがわかる。これは,既往の研究で報告 されているように,石灰石微粉末を添加することによ り,材齢初期のセメントの水和を促進していることに 起因していると考えられる 7。また,石灰石微粉末を 添加することによって,ブリーディングが抑制される ことや,石灰石微粉末による微粉末効果の影響も考え られる。

加圧ブリーディング試験での圧送性の評価は,土木 学会でポンパビリティーの評価方法として推奨されて いる方法で良否を評価した 4)。脱水量曲線が標準曲線 の範囲に入る場合を圧送性が良好とされる。脱水量曲 線が標準曲線の範囲に入らない場合は,ポンパビリテ ィーが不良であるとされる。標準曲線

B

を超える場合 には,脱水量が多すぎるかあまりに早く脱水し,コン クリートは,管内で分離に近い状態となり閉塞を起こ しやすくなるため,圧送性が悪くなる。逆に,標準曲 線

C

を下回る場合には,保水性が良すぎるかあまりに 脱水速度が遅すぎるため,管壁で潤滑層が形成されに くくなり,圧送性が悪くなる。試験結果を図-14およ び15に示す。図中の

2

本の点線は,標準曲線を示す。

標準曲線および最終脱水率の計算で使用した式をそれ ぞれ以下に示す。

標準曲線

B:4.8+0.35t-t

−1 (240≧t≧10) 標準曲線

C:2.29+2.91t-2.31t

1.03(240≧t≧10)

t:加圧後の経過時間 最終脱水率(%)= 最終脱水量(ℓ)

試料中の水量(ℓ)× 100 試料中の水量:1m³当たりのコンクリートの水量×試料 の質量/1m³当たりのコンクリートの質量

脱水量曲線では,高炉スラグ細骨材の種類に関わら ず,高炉スラグ細骨材置換率

80, 100%のいずれの場合

も標準曲線の範囲に入っており,圧送性が良好である ことが分かる。また,粉体量の増加による影響は見ら れない。

石灰石砕砂を細骨材として単独で用いたコンクリー ト(BFS0 と表記)は高炉スラグ細骨材置換率

80%,

100%に石灰石微粉末を添加したコンクリートと比べ,

加圧による脱水が多くなる傾向にある。

最終脱水率に関して高炉スラグ細骨材

K

および

F

を 石灰石砕砂に容積比で

80%と 100%で置換したコンク

リートをそれぞれ比較した。試験結果を図-16および 17に示す。Kおよび

F

のいずれの場合も石灰石微粉末 の添加量の増加による大きな変化は見られなかった。

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

F80 F80 P350

F80 P400

F80 P450

F100 F100 P350

F100 P400

F100 P450

ブリーディング量 (cm³/cm²)

300 500 700 900

無添加

P350 P400 P450

経過時間(min)

K80 始発 K100 始発

K80 終結 K100 終結

300 500 700 900

無添加

P350 P400 P450

経過時間(min)

F80 始発 F100 始発

F80 終結 F100 終結

30 40 50 60 70

無添加

P350 P400 P450

圧縮強度 (N/mm²)

K80 28日 K80 91日

K100 28日 K100 91日

30 40 50 60 70

無添加

P350 P400 P450

圧縮強度 (N/mm²)

F80 28日 F80 91日

F100 28日 F100 91日

(6)

また,石灰石微粉末の添加量の増加に伴ってブリーデ ィングは抑制されたが,加圧による脱水率に関しては,

K

および

F

ともに大きな変化はなく添加量との関係性 は見られなかった。

図-14 置換率 80%の加圧ブリーディング試験結果

図-15 置換率 100%の加圧ブリーディング試験結果

図-16 粉体量と加圧による最終脱水率との関係(K)

図-17 粉体量と加圧による最終脱水率との関係(F)

4. まとめ

本研究で以下の結果が得られた。

(1)

高炉スラグ細骨材を多量に使用すると,単位水量 およびブリーディング量が増加し,凝結が遅延す る。

(2)

圧縮強度試験に関して,高炉スラグ細骨材の置換 率が大きくなるほど, 圧縮強度は大きくなる傾向 にあり,特に

91

日強度において顕著である。

(3)

高炉スラグ細骨材を多量に使用したコンクリー トに対して石灰石微粉末を添加することによっ て単位水量およびブリーディング量の増加や,凝 結の遅延を抑制できる。

(4)

高炉スラグ細骨材を多量に使用したコンクリー トに対して石灰石微粉末を添加することによっ て圧縮強度は大きくなる。

(5)

加圧ブリーディング試験に関して,高炉スラグ細 骨材置換率

80,100%とした場合でも脱水曲線が

標準曲線の範囲に入っており,圧送性が良好であ ると判断される。

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下山善秀,國府勝郎:高炉スラグ細骨材を用いた コンクリートの

10

年試験結果,セメント・コン クリート,No.584,pp.18-23,1995.10

7)

太田健司,吉田亮,齊藤和秀,吉澤千秋:副産物 石灰石微粉末を外割添加したコンクリートのブ リーディング性状および各種硬化物性の関係,

Vol.35,pp.1573-1578,2013 0

20 40 60 80 100 120 140

0 50 100 150 200 250

脱水量(ml)

経過時間 (S )

K80-P350 F80-P350 K80-P400 F80-P400 K80-P450 F80-P450 BFS0

0 20 40 60 80 100 120 140

0 50 100 150 200 250

脱水量(ml)

経過時間(

S )

K100-P350 F100-P350 K100-P400 F100-P400 K100-P450 F100-P450 BFS0

0 20 40 60 80 100

無添加

P350 P400 P450

最終脱水率(%)

K80

K100

0 20 40 60 80 100

無添加

P350 P400 P450

最終脱水率(%)

F80

F100

参照

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