• 検索結果がありません。

硫酸の影響を受けたコンクリートの凍害に関する研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "硫酸の影響を受けたコンクリートの凍害に関する研究"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)V‑023. 土木学会第58回年次学術講演会(平成15年9月). 硫酸の影響を受けたコンクリートの凍害に関する研究 東北大学 東北大学 東北大学. 正員. ○板橋 洋房. Alexandru Lechkun フェロー. 三浦. 尚. 1. はじめに 近年、硫酸環境にある下水管等のコンクリートの劣化が深刻な問題となっている。これらのコンクリート 構造物には化学的侵食作用に加えて、それらが積雪寒冷地に存在する場合には凍結融解作用も同時に受けて コンクリートに発生する劣化はより複雑になるものと思われる。 そこで、本研究では硫酸の作用と凍結融解作用を同時に受けたコンクリート供試体の劣化状況を調べると 共に、それらの供試体からコア供試体を採取し、針貫入試験装置により、供試体表面から内部に向かって深 さ方向の強度分布を測定し、硫酸の侵食作用のみを受けた場合のモルタル供試体の実験結果と比較検討した。 2. 実験概要 使用したセメントは市販の普通ポルトランドセメントで、細骨材には山砂(密度 2.60g/cm3 、 吸水率: 2.05%)を、粗骨材には砕石(最大寸法: 25mm、 密度: 2.86g/cm3 、 吸水率: 1.06%)を使用した。 コンクリート の配合は W/C=65、55、および 45%で、単位セメント量はそれぞれ 254、300、367kg/m3 、単位水量は 165kg/m3 と一定とし、5%程度の空気量を有する普通コンクリートを対象としたものである。モルタルの配合は W/C=65、 55%で前述した配合から粗骨材を取り除いたものである。また、硫酸の環境として、0.5、1.5、3.0、5.0% 濃度の硫酸溶液を使用し、同時に真水による比較の実験も行った。 凍結融解試験には 10×10×40cm の角柱体を用い、凍結融解試験の材齢 14 日まで 21±2℃の恒温水槽で養 生した後、試験に供した。凍結融解試験は JIS の凍結融解試験(A)法により行い、30 サイクル毎に質量減少 率および相対動弾性係数を求めた。各測定終了後は供試体を入れたゴム容器にそれぞれ新しい試験液を入れ 替えて試験を継続した。また、浸漬試験には 4×4×16cm のモルタル供試体を用い、養生後の試験開始前に半 分に切断し、浸漬面となる端面以外の残り 5 面を封かんした後、浸漬面が硫酸溶液中に深さ 5mm 程度浸るよ うにして実験を行った。コア供試体の採取は、凍結融解試験では試験開始時および相対動弾性係数が 80、60% になった時点で、また浸漬試験では浸漬材齢 112 日を経過した時点で行った。 3. 実験結果および考察 図‑1 および図‑2 には、それぞれの濃度の硫酸溶液と真水で試験した水セメント比 65、55、45%コンクリート の質量減少率および相対動弾性係数の結果を示す。 図‑1より、硫酸の作用と凍結融解作用を同時に受けた場合でも、質量減少は直線的に変化する表面剥離に よる劣化で、W/C が 60. 240. 300. 0. 60. サイクル数 120 180. 240. 300. 大きくなる程、また. 0. 100. 硫酸濃度が高くな. 2. 90. るにしたがって、質. 4 6 8 10 12. ◇ □ △ ○. :05.% :15.% :30.% :water. :W/C=65% :W/C=55% :W/C=45%. 相対動弾性係数 (%). 質量減少率 (%). 0. サイクル数 120 180. 80. 量減少が顕著に現. 70. れる結果となった。. 60 50 40 30. ◇ □ △ ○. 図-1 質量減少率の比較. :05.% :15.% :30.% :water. 図-2 相対動弾性係数の比較. :W/C=65% : W/C=55% : W/C=45%. この理由として は、硫酸侵食による 影響と凍結融解作 用によるスケーリ. キーワード: 硫酸、凍結融解、硫酸濃度、強度分布、針貫入試験 〒980-8579 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉 06 東北大学大学院工学研究科土木工学専攻 Tel&Fax:022-217-7432. ‑45‑.

(2) V‑023. 土木学会第58回年次学術講演会(平成15年9月). ングが重なったことによる結果であると思われる。 と同程度であり、W/C45%のものでは真水のものに比べて硫 酸 0.5、1.5%濃度の方が小さくなっているものも見られた。 これは、W/C が小さくなるにつれて、コンクリート自体が より密な状態になっているためと考えられる。 図‑2 より、相対動弾性係数においては W/C65%の場合、. 質量減少率 (%). W/C65、55%では、硫酸 0.5%濃度のものは殆ど真水のもの. 2 1 0. 浸漬日数 (日). -1 0 -2 -3 -4 -5. 20 ◇ □ △ ×. 40. 60. 80. 100. 120. : 05. % : 15. % : 30. % : 50. % :W/C=65% :W/C=55%. -6. 図-3 質量変化率の比較( 硫酸のみの影響). 係数の低下が抑えられるという興味深い結果となった。その 理由としては濃度の違いによる凍結温度の差や硫酸濃度が 高い場合、供試体表面に石膏が張り付き、組織を強化した可 能性等も考えられるが、これは今後検討する課題であると思 われる。一方、W/C=55%、45%では濃度の違いによる影響は認. 推定圧縮強度(MPa). 質量減少率の結果とは逆に濃度が高いもの程、相対動弾性 50. 凍結融解+硫酸. 40 30 W/C55% Ed=100% W/C55% Ed=60% 0.5% W/C55% Ed=60% 3.0%. 20 10 0. められなかった。このことから、硫酸の侵食作用と凍結融解. 0. 5. 表面剥離によるものであり、硫酸濃度が高くなる程、W/C が 大きい程、質量減少は増加する。また、W/C が小さくなるに したがって、供試体表面に生成した石膏が堅い層となって張 り付いている箇所が数多く観察された。特に、相対動弾性係 数に及ぼす硫酸による影響が最も顕著に現れたのは W/C=65%の場合であり、硫酸濃度が低い方が高いものよりも. 推定圧縮強度(MPa). 作用を同時に受けた場合でもコンクリートに生じる劣化は 50. 図‐3 には硫酸のみに浸漬した質量変化率の比較を示す。. 30. 硫酸のみ. 40 30 20. W/C55% 0.5%. 10. W/C55% 3.0%. 0 0. 早期に劣化する傾向を示した。. 10 15 20 25 表面からの距離(mm). 5. 10 15 20 25 表面からの距離(mm) 図-4 内部強度分布の比較. 30. コンクリートの結果と同様に、それぞれの W/C のモルタルに おいて、質量の経時変化は浸漬後、石膏の堆積により一旦質量が増加し、硫酸濃度の高い場合、その後減少 に転じ、硫酸濃度が高くなるにしたがって、質量減少も大きくなっていることがわかる。しかし、モルタル においては、コンクリートの場合と逆に、W/C が小さい方の質量減少が大きくなる傾向を示し、凍結融解作 用を与えた場合とは異なる傾向を示した。 また、図‐4 には W/C=55%で凍結融解作用を受けたコンクリートと硫酸に浸漬しただけのモルタル(112 日 浸漬)の硫酸濃度の違いについて比較したものを示す。ここで、供試体表面に侵食が見られた場合は、質量 変化率から断面減少を算出し、その部分の推定圧縮強度を0とした。凍結融解作用を受けた場合、硫酸濃度 が高い程、表面からの侵食が大きくなっているが、硫酸の影響を受けてもコンクリート内部の強度分布はほ ぼ一様であり、硫酸による影響は表面付近だけの反応に留まっているものと思われる。モルタルを硫酸に浸 漬しただけの場合は、濃度が高い程、侵食深さも大きくなっている。濃度が低い場合には殆ど侵食は見られ なかったが、内部強度が低下していることから、硫酸は深部にまで浸透していることが示唆され、今後コン クリート供試体でも硫酸浸漬のみの試験を行い、凍害による結果と比較検討する必要があるものと思われる。 4.まとめ 今回の実験で、硫酸の作用と凍結融解作用を同時に受けた場合は、硫酸濃度が高い程、W/C が大きい程、 質量減少も大きくなるが、低い濃度の場合には早期に劣化する可能性がある。また、硫酸濃度の違いによっ て表面からの侵食量に違いが見られ、硫酸浸漬だけの単独の場合には、濃度が高いと W/C の小さい方が侵食 量は大きくなる傾向を示し、低い場合には内部の強度に影響を及ぼすことが示唆された。. ‑46‑.

(3)

参照

関連したドキュメント

使用したセメントは,普通ポルトランドセメ ント,中庸熱ポルトランドセメントおよび低熱 ポルトランドセメントの 3

[r]

3.1 使用材料 RC 床版のコンクリートには、普 通ポルトランドセメント、 5mm 以下の砕砂および 5mm ~ 20mm の砕石( JIS-A5005 )を用いた。コン

コンクリートは、 (図2) のように砂利 (粗骨材) 、砂 (細骨材) 、

粗骨材には CA 骨材(密度 2.86 g/cm 3 、 F.M.6.80 )および 大分県津久見市上青江胡麻柄山系新大分鉱山の砕石(以 下、普通骨材、密度 2.70g/cm 3

セメントの配合表を表-1 に示す.セメントは研究用

27】 レディーミクストコンクリート(JIS A 5308,普通コンクリート,粗骨材の最大寸法 25

中庸熱ポルトランドセメント ( 密度 3.21g/cm 3 ) 細骨材 君津産山砂   (密度2.59g/cm 3 ,粗粒率 2.63). 粗骨材 鳥形山産石灰砕石 ( 密度 2.71g/cm 3 ,