九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
酵母細胞の耐塩性に関する研究
渡部, 保夫
https://doi.org/10.11501/3059408
出版情報:Kyushu University, 1991, 博士(農学), 論文博士 バージョン:
権利関係:
第 5章
酵 母 細 胞 の 易 熱 性 抗 原 タ ン パ ク 質TLAaと TLAbの ス ト レ ス に 対 す る 応 答
5・1 緒 言
第 4章 で 述 べ た よ う に 、 酵 母 細 胞 の 易 熱 性 抗 原 タ ン パ ク 質TLAa及 びTLAbは そ れ ぞ れ 解 糖 系 酵 素 エ ノ ラ ー ゼ 、 グ リ セ ル ア ル デ ヒ ド ー3‑燐 酸 脱 水 素 酵 素 (GAPDH)と 同 一 タ ン パ ク 質 で あ る こ と が 明 ら か に な っ た 。 両 解 糖 系 酵 素 は 熱 シ ョ ッ ク に よ り 誘 導 さ れ る 熱 シ ョ ッ ク タ ン パ ク 質
(HSP)で あ る こ と が 報 告 さ れ て お り (84,111)、 い ろ い ろ な ス ト レ ス に よ り 誘 導 さ れ る た め 、 広 義 に ス ト レ ス タ ン パ ク 質 と 呼 ば れ て い る 。 また、 T LAa (エノラーゼ、 HSP48) が二つ、 TLAb (GAPDH) が 三 つ の イ ソ タ ン パ ク 質 か ら な る こ と が 報 告 さ れ て い る (99,100)。 耐 塩 性 機 構 を 論 じ る の に 、 こ れ ら ス ト レ ス タ ン パ ク 質 の 追 究 を 避 け で は 通 れ
な い と 考 え ら れ た 。
本 章 で は
S .
c̲erevisiaeの 弱 耐 塩 性 の 菌 株 を 用 い て 、 各 種 ス ト レ ス に よ っ て TLAa ( エ ノ ラ ー ゼ ) と TLAb (GAPDH) が ど の よ う に 変 化 す る か を 検 討 し た 。 当 研 究 室 で は 抗TLAa血 清 ( 抗 エ ノ ラ ー ゼ 血 清 ) 及 び 抗TLAb血 清 ( 抗 GAPDH血 清 ) を 所 有 し て い る の で 、 こ れ ら の 変 化 を 検 討 す る こ と が で き た 。 そ の 結 果 、 熱 シ ョ ッ ク に よ る 変 化 は 確 認 でき な か っ た が 、 食 塩 シ ョ ッ ク 、 エ タ ノ ー ル シ ョ ッ ク 、 グ ル コ ー ス 飢 餓、 非 発 酵 性 炭 素 源 を 用 い た 培 養 な ど でTLA a、 TLAbの イ ソ タ ン パ ク 質 量 が 変 化 す る こ と を 認 め た 。 そ れ ら の 結 果 は
S .
c̲erevisiaeの 弱 耐 塩 性 菌 株 を 用 い て 得 ら れ た も の で あ る が 、 解 糖 系 酵 素 の 発 現 が 培 地 食 塩 濃 度 に よ り 変 化 す る こ と を 示 し て お り 、 耐 塩 性 酵 母 の 耐 塩 性109
に お い て も 解 糖 系 酵 素 の 発 現 調 節 が 重 要 で あ ろ う こ と を 推 測 さ せ るo
な お 、 本 章 の 大 部 分 は 既 に 学 会 誌 に 報 告 し た (80,81)。
5 ・2 実 験 方 法
5・2 ・1 使 用 菌 株 及 び 使 用 培 地
S. cerevisiae X‑2180‑1B 株 (也
I α
,出旦1
,mal,!!)̲旦1
,g̲主よ1
,臼E
よ) を 用 い た 。 基 本 培 地 と し て 、 l%(w/v)酵 母 エ キ ス 、 2%(w/v)ポ リ ペ プ トン、 2%(w/v)グ ル コ ー ス か ら 成 る YEPD培 地 を 使 用 し た 。 同 酵 母 は2%(w/v)寒 天 を 含 むYEPD培 地 か ら 成 る 斜 面 寒 天 培 地 上 で40Cで 保 存 し
︒た
5・2 ・2 培 養 方 法
S. c erevisiae保 存 細 胞 を 5mlのYEPD培 地 に 接 種 し 、 300 C二 日 間 静 置 培 養 し た 。 こ の 前 培 養 液 を 100mlのYEPD培 地 を 含 む 坂 口 フ ラ ス コ に 移 植 し 300Cで 振 と う (100回 / 分 ) 培 養 し た 。
非 発 酵 性 炭 素 源 を 用 い た 培 養 は l%(w/v)酵 母 エ キ ス 、 2%(w/v)ボリ ペ プ ト ン か ら 成 るYEP培 地 に3%(v/v)エ タ ノ ー ル 、 4%(w/v)グ リ セ ロ ー ル、 4%(w/v)乳 酸 ナ ト リ ウ ム を そ れ ぞ れ 添 加 し た 培 地 で 行 っ た 。
熱 シ ョ ッ ク 処 理 は 酵 母 細 胞 を YEPD培 地 中 230Cで 対 数 期 中 期 ま で 培 養 後 、 培 養 温 度 を 360Cに シ フ ト ア ッ プ し 、 さ ら に 培 養 を 続 け 、 適 当 な 時 間 で 細 胞 を 遠 心 分 離 に よ り 回 収 し た 。
化 学 薬 剤 の 効 果 に 関 す る 実 験 は 以 下 の よ う に 行 っ た 。 終 濃 度0.5M
及 び 1.OMに な る よ う に 食 塩(NaCl)を 、 終 濃 度 0.5M及 び 1.0Mに な る よ う に ソ ル ピ ト ー ル を 、 終 濃 度O.lmM及 び 0.5mMに な る よ う に ア ジ 化 ナ ト リ ウ ム (NaN3)を、 終 濃 度2μg/mlお よ び4μg/mlに な る よ う に ツ ニ
カ マ イ シ ン を 、 終 濃 度0.25mg/ml及 び0.5mg/mlに な る よ う に 2ーデオキ シ グ ル コ ー ス を 添 加 し た YEPD培 地 に 上 記 の 酵 母 前 培 養 液 を 添 加 し 、 対 数 期 中 期 ま で 培 養 し 細 胞 を 回 収 し た 。
エ タ ノ ー ル シ ョ ッ ク 処 理 及 び 食 塩 シ ョ ッ ク 処 理 はYEPD培 地 を 用 い
300 Cで 対 数 期 中 期 ま で 培 養 後 、 培 地 に 終 濃 度 10%(v/v)に 成 る よ う に
100%エ タ ノ ー ル を 、 終 濃 度 1.0Mに な る よ う に 食 塩 を 添 加 し 、 培 養 を 続 け 、 適 当 な 時 間 で 細 胞 を 回 収 し た 。
グ ル コ ー ス 飢 餓 処 理 は 酵 母 細 胞 を YEPD培 地 中 300Cで 対 数 期 中 期 ま で培養後、 細 胞 を 無 菌 的 に 遠 心 分 離 に よ り 回 収 し 、 グ ル コ ー ス を 含
ま な いYEP培 地 で 培 養 を 続 け 、 適 当 な 時 間 で 細 胞 を 回 収 し た 。 培 養 中 の 酵 母 の 生 育 度 は 培 養 液 の 濁 度 を 660nmの 吸 光 度 で 表 し た 。
5 ・2 ・3 TLAa及 びTLAbの イ ソ タ ン パ ク 質 量 の 測 定
い ろ い ろ な 条 件 で 処 理 し た 一 定 量 の 細 胞 ( 約2x 1 09細 胞 ) を 遠 心 分 離 に よ り 回 収 し 、 O. 5m 1の TBS[0.15M食 塩 を 含 む 10mMト リ ス ー 塩 酸 緩 衝 液 (pH 7.4)J に懸濁後、 0.5gの ガ ラ ス ビ ー ズ ( 直 径0.45か ら
o
.50 mm) を 加 え 、 適 時 冷 却 し な が ら 10分 間 ボ ル テ ッ ク ス ミ キ サ ー を 用 いて 激 し く 振 と う し た 。 得 ら れ た 破 砕 液 を 遠 心 分 離 (10,000xg、 10分 間)し、 上 清 を 得 た 。 一 定 量 の タ ン パ ク 質 (TLAa:30"‑'40μg、 TLAb
:約 50μg) を 含 む 試 料 を 未 変 性 ポ リ ア ク リ ル ア ミ ド ゲ ル に 付 加 し 、 電 気 泳 動 し 、 タ ン パ ク 質 の 全 荷 電 の 差 に 基 づ い て TLAaを 二 つ の イ ソ
タ ン パ ク 質 に 、 TLAbを 三 つ の イ ソ タ ン パ ク 質 に 分 離 し た 。 こ の 電 気 泳 動 は 7.5%(w/v)ポ リ ア ク リ ル ア ミ ド ス ラ プ ゲ ル を 用 い て 、 Davisの 方 法 に 従 っ て 行 っ た ( 以 降 、 ND‑PAGEと 記 述 す る ) (112)。 電 気 泳 動 後、 ゲ ル を は(w/v) SDSを 含 む 62.5mMト リ ス 一 塩 酸 緩 衝 液 (pH 6.8)中
111
で 室 温 で 15分 間 振 と う 後 、 ゲ ル 中 の タ ン パ ク 質 を 第 4章 で 述 べ た よ う に ニ ト ロ セ ル ロ ー ス 膜 に 電 気 泳 動 的 に 転 写 し た 。 シ ー ト 上 の
T L A a
及 び
TL A b
の 各 イ ソ タ ン パ ク 質 は 、 そ れ ぞ れ 抗T L A a
血清、 抗T L A b
血 清 を 用 い て 第 4章 で 述 べ た よ う に 酵 素 免 疫 学 的 に 検 出 し た 。5 . 2 ・4 タ ン パ ク 質 の 定 重
タ ン パ ク 質 の 測 定 法 は 第 4章 で 述 べ た 。
5 . 3 結 果
5・3・ 1
T L A a
イ ソ タ ン パ ク 質 量 に 及 ぼ す 生 育 条 件 の 効 果T L A a
、 酵 母 エ ノ ラ ー ゼ 、 HSP48は、 二 つ の イ ソ タ ン パ ク 質 か ら な る こ と が 既 に 報 告 さ れ て る( 9 9
,1 0 0 )
。 本 実 験 で は 、 そ れ ら のT L A a
のイソ タ ン パ ク 質 の 検 出 は タ ン パ ク 質 試 料 を ND‑PAGEに よ り 分 離 し 、 タ ン パ ク 質 を SDS化 後 、 電 気 泳 動 的 に ゲ ル か ら ニ ト ロ セ ル ロ ー ス 膜 に 転 写 し 、 抗
T L A a
血 清 を 用 い た 酵 素 免 疫 学 的 検 出 法 で 行 っ た 。 各 イ ソ タ ン パ ク 質 をT L A a ‑ 1
及 びT L A a ‑ 2
と 名 付 け た ( 図 3 3 )。( a)熱 シ ョ ッ ク 細 胞 : 熱 シ ョ ッ ク 細 胞 の 生 育 度 を 図 3 4 ‑Aに 示 し た 。 試 験 期 間 中 酵 母 は 良 好 に 生 育 し た 。 こ の と き 、 細 胞 破 砕 液 の T
L A a
の 両 イ ソ タ ン パ ク 質 量 は 熱 シ ョ ッ ク に よ り 影 響 さ れ な か っ た(図
33
、 レ ー ンa
か らd
)。 こ の こ と は 、T L A a
( エ ノ ラ ー ゼ ) は 熱 シ ョ ッ ク タ ン パ ク 質 (HSP)で は な い こ と を 示 し て い る 。( b )
定 常 期 細 胞 :T L A a ‑ 1
量 が 対 数 期 中 期 の 細 胞 よ り も 定 常 期 の 細 胞 で 増 加 し た ( 図 3 3、 レ ー ン aとe)。( c)非 発 酵 性 炭 素 源 で 培 養 し た 細 胞 : エ タ ノ ー ル 、 グ リ セ ロ ー ル 、 乳 酸 を 用 い て 培 養 し た 酵 母 細 胞 の 生 育 度 を 図 3 4 ‑Bに示した。
I TLAa‑1
TLAa・2
a
bc
de
Fig. 33. Immunoblotting of Isoproteins of TLAa in Heat‑shocked Cells and in Cells at Stationary Phase.
Lanes a‑d, isoproteins in cells heat‑shocked for 0, 0.5, 1, and 2 hr; lane e, in cells at stationary phase.
34.5""'37.5μg of proteins were put on per lane.
113
3% Ethano
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13
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45 10 15 20 25 30 35 40
Cultlvatlon tlme (h)
4 8
Cultlvation time(h) 0.1
0
D
32 36 12 16 20 24 28
Cultivatlon time (h) 4
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32 36 12 16 20 24 28 Cultlvatlon tlme (h) 50.0
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28 32 12 16 20 24 Culllvalion tlme (h)
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28 32 24 20 12 16 8 4 0.1
0
Cullivatlon tlme (h)
Effects of Various Conditions on Growth of Saccharomyces盟主主
1 ‑
siae X‑2180‑1B Cells. Fig. 34.
A, two cell cultures in YEPD medium were incubated at 230C for 8h. Each culture was incubated at 230C or 360C.
B, cells were incubated at 300C in YEP medium containing 2%(w/v) glucose, 3%(v/v) ethanol, 4%(v/v) glycerol or 4%(v/v) lactate.
C, cells were incubated at 300C in YEPD medium containing 0.5M or 1M NaCl. D, cells were incubated at 300C in YEPD medium containing O.Ol%(w/v), 0.025
%(w/v), or 0.05%(w/v) 2‑deoxyglucose.
E, four cell cultures in YEPD medium were incubated at 300C for 6h. Tunicamycin was added to each culture to be 0.5μg/m ,l 2.0μg/ml, or 4.0μg/ml, respectively, and then their cultures were incubated at 30oC. F. cells were incubated at 300C in YEPD medium containing 0.5M, 1M, or 1.5M
sorbi tol.
G, cells cultivated in YEPD medium at 300C for 8h were harvested, and the half was incubated at 300C in YEPD medium containing 1M NaCl.
H, cells cultivated in YEPD medium at 300C for 8h were harvested, and the half was incubated at 300C in YEPD medium containing 10%(v/v) ethanol. 1. cells cultivated in YEPD medium at 300C for 6h were harvested, and the
half was incubated at 300C in YEPD medium without glucose.
115
炭 素 源 と し て グ ル コ ー ス を 用 い て 培 養 し た と き 酵 母 細 胞 の 主 要 TLAa イ ソ タ ン パ ク 質 は TLAa‑2で あ っ た ( 図 3 5、 レ ー ン a) が 、 炭 素 源 と
してエタノール、 グリセロール、 乳 酸 を 用 い た と き 主 要 イ ソ タ ン パ クは TLA a‑1に変わった。 このとき、 TLAa‑2は ほ と ん ど 検 出 さ れ な か っ た ( 図 3 5、 レ ー ン bか ら d)。
( d)薬 剤 を 添 加 し た 培 地 で 培 養 し た 細 胞 : 添 加 剤 と し て 食 塩 、
2‑デ オ キ シ グ ル コ ー ス 、 ア ジ 化 ナ ト リ ウ ム 、 ツ ニ カ マ イ シ ン 、 ソル ビ ト ー ル を 用 い た 。 こ れ ら を 培 地 に 添 加 し た と き の 酵 母 細 胞 の 生 育 度 を 図
34 ‑ C
からF
に示した。 こ れ ら の 薬 剤 を 添 加 し た 培 地 で の 酵 母 細 胞 の 生 育 は 薬 剤 濃 度 に 依 存 し て 阻 害 さ れ た 。 ここで、 第一章では、S. c erevisia e 0‑11‑4株 細 胞 が 1M食 塩 培 地 で ほ と ん ど ( 無 食 塩 培 地 の 10%程 度 ) 生 育 で き な か っ た と 述 べ た が 、 本 章 の 実 験 で 使 用 し た
S. c erevisia e X‑2180‑1B株 細 胞 は 1M食 塩 培 地 で も 無 食 塩 培 地 の 場 合 の 30%程 度 の 生 育 を 示 し た 。 耐 塩 性 酵 母
Z . r .
ouxi iに比べれば、非 耐 塩 性 で あ る が 、
Q .
c̲erevisiae酵 母 に お い て も 菌 株 の 違 い に よ り 食 塩 に 対 す る 感 受 性 が 異 な る よ う で あ る 。 こ れ ら の 薬 剤 を 添 加 し た 培 地 で 対 数 期 中 期 ま で 培 養 し た 酵 母 細 胞 の TLAaイ ソ タ ン パ ク 質 の 変 化 を 図 3 5 に 示 し た 。 培 地 に 食 塩 (1 M) (レーン f) と 2ー デ オ キ シ グ ル コ ー ス (0.025mg/ml) (レーン k) を 添 加 し た と き 、 TLAa‑1量 が 増 加 した。 しかしながら、 ア ジ 化 ナ ト リ ウ ム ( レ ー ン gとh)、 ツ ニ カ マ イ シ ン ( レ ー ン iとj)、 ソ ル ピ ト ー ル ( レ ー ン mか ら 0) の 添 加 で は ほ と ん ど 変 化 し な か っ た 。( e)食 塩 シ ョ ッ ク 細 胞 : 対 数 期 中 期 ま で 培 養 し た 酵 母 細 胞 に 終 濃 度 1Mに 成 る よ う に 食 塩 を 添 加 し た 場 合 の 酵 母 の 生 育 度 を 図 3 4 ‑G
に 示 し た 。 食 塩 シ ョ ッ ク を 受 け た 酵 母 細 胞 の 生 育 は 著 し く 阻 害 さ れ
116
TLAa‑1
TLAa・2
ド
F F
a b c d e f 9 h k
m n
0F ig.35.I E IIB11110blott ingof I soproteinsof TLAa in Cel l s Grown under Various Growth Conditions.
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v lb
た 。 食 塩 シ ョ ッ ク 処 理 後 の 細 胞 中 の
T L A a
イ ソ タ ン パ ク 質 量 の 変 化 を 図 36 ‑A (レーン eか ら i) 示 し た 。 食 塩 シ ョ ッ ク 後 、 4時 間 以 降 でT L A a ‑ 1
量 が 増 加 し 、T L A a ‑ 2
量 が 減 少 し た 。( f)エ タ ノ ー ル シ ョ ッ ク 細 胞 : 対 数 期 中 期 ま で 培 養 し た 細 胞 に 終 濃 度
1 0 %
に 成 る よ う に エ タ ノ ー ル を 添 加 し た 場 合 の 酵 母 の 生 育 度 を 図 3 4 ‑Hに示した。 エ タ ノ ー ル シ ョ ッ ク に よ り 酵 母 の 生 育 は 抑 制 さ れ た 。 エ タ ノ ー ル シ ョ ッ ク 細 胞 中 のT L A a
イ ソ タ ン パ ク 質 量 の 変 化 を 図 3 6 ‑B (レーン aか ら d) に 示 し た 。 エ タ ノ ー ル シ ョ ッ ク 後 、 5時 間 でTL A a ‑ 1
量 が 増 加 し 、T L A a ‑ 2
量 が わ ず か に 減 少 し た 。( g)グ ル コ ー ス 飢 餓 細 胞 : 対 数 期 中 期 ま で 培 養 し た 細 胞 を グ ル コ ー ス を 含 ま な い 培 地 に 移 植 し 、 培 養 し た 場 合 の 酵 母 を 生 育 度 を 図
3 4 ‑1に 示 し た 。 グ ル コ ー ス 飢 餓 に よ り 酵 母 の 生 育 は 抑 制 さ れ た 。 グ ル コ ー ス 飢 餓 細 胞 中 の
T L A a
イ ソ タ ン パ ク 質 量 の 変 化 を 図 36 ‑ A
(レーン
a
か らd )
に 示 し た 。 グ ル コ ー ス 除 去 後1 0
時間後、T L A a ‑ 1
が 増加し、T L A a ‑ 2
が 減 少 し た 。上 述 の
T L A a
に つ い て 得 ら れ た 結 果 を 表X
に ま と め た 。5
・3 ・2T L A b
イ ソ タ ン パ ク 質 量 に 及 ぼ す 生 育 条 件 の 効 果T L A b
が 三 つ の 異 性 型 を 持 つ こ と は 既 に 報 告 さ れ て い る が( 9 9 )
、 そ の 検 出 方 法 は か な り 複 雑 で あ っ た 。 上 述 のT L A a
と 同 様 の 方 法 を 用 い 、 抗T L A b
血 清 を 用 い てT L A b
の 三 つ の イ ソ タ ン パ ク 質 を 酵 素 免 疫 的 に 検 出 し た 。 各 イ ソ タ ン パ ク 質 を そ れ ぞ れTL A b ‑1
、T L A b ‑ 2
、T L A b ‑ 3
と名付 け た ( 図 3
7
) 。 栄 養 増 殖 し て い る 酵 母 細 胞 で はT L A b ‑ 3
が 多 量 に 存 在 し て お り 、T L A b ‑ 1
とT L A b ‑ 2
は マ イ ナ ー で あ っ た 。 こ の こ と はT L A b ‑3
がT L A b ( G A P D H )
の 構 成 的 タ ン パ ク 質 で あ る こ と を 示 唆 し て い る 。118
A
TLAa・1
TLAa‑2
a b c d e f 9 h
B
TLAa・1
TLAa・2
a b c d
Fig. 36. Immunoblottirrg of Isoproteins of TLAa from Glucose‑ starved, NaCl‑shocked, and Ethanol‑shocked Cells. A, glucose‑starved and NaCl‑shocked cells: lanes a‑d, isoproteins
in glucose‑starved cells for 0, 2, 4, and 10 hr; lanes e‑i,iso‑ proteins in NaCl‑shocked cells for 0, 2, 4, 12, and 24 hr; B, ethanol‑shocked cells: lanes a‑d, isoproteins in ethanol‑
shocked cells for 0, 1, 2, and 5 hr.
119
Table X. Effect of Various Growth Conditions on Expression of Iso‑ proteins of TLAa in Saccharomyces cerevisiae Cells.
Conditions Expression level TLAa‑l TLAa‑2
Additives: NaCl
2‑deoxyglucose NaN3
Tunicamycin Sorbitol Carbon sources: Ethanol
Glycerol Lactate
ホ ー ホ l A
│
ー←
V l
←V l l v
Shocks: Heat NaCl Ethanol Stationary phase Glucose starvation
ホ ー 小
lホl
小ー
↓
¥道
By comparing with the expression in cells grown in YEPD medium, the level was indicated by the following.
↑, increase
‑, unchange
↓, decrease
¥斗, slight decrease
120
TLAT
‑ 1
•
Fig. 37. Immunoblotting of Isoproteins of TLAb in Heat‑shocked Cells and in Cells at Stationary Phase.
Lanes a‑d, isoproteins in cells heat‑shocked for 0, 0.5, 1, and 2 hr; lane e, in cells at stationary phase.
121
( a)熱 シ ョ ッ ク 細 胞 : 酵 母 細 胞 の TLAbの イ ソ タ ン パ ク 質 量 は 、 対 照 細 胞 の TLAbイ ソ タ ン パ ク 質 量 ( 図 3 7、 レ ー ン a) と比較して、
ほ と ん ど 変 化 し な か っ た ( 図 3 7、 レ ー ン bか ら d)。最近、 GAPDHが 熱 シ ョ ッ ク タ ン パ ク 質 の 一 つ で あ る こ と が 提 唱 さ れ た (111 )が、 これ ら の 結 果 は TLAa(GAPDH)も TLAaと 同 様 に HSPで は な い こ と を 示 唆 し て いる。
(b)定 常 期 細 胞 : TLAb‑1、 TLAb‑2が 明 ら か に 増 加 し た ( 図 3 7、
レ ー ン e)。
( c)非 発 酵 性 炭 素 源 で 培 養 し た 細 胞 : 酵 母 細 胞 を 炭 素 源 と し て エタノール、 グ リ セ ロ ー ル 、 乳 酸 を 含 む 培 地 で 培 養 し た と き の TLAb イ ソ タ ン パ ク 質 量 の 変 化 を 図 3 8 (レーン bから d)に示した。 TLAb
‑2量 が 明 ら か に 増 加 し 、 TLAb‑1が わ ず か に 検 出 さ れ た 。 し か し な が ら、 TLAb‑3は ほ と ん ど 変 化 し な か っ た 。
( d)薬 剤 を 添 加 し た 培 地 で 培 養 し た 細 胞 : 使 用 し た 薬 剤 は TLAa の 場 合 と 同 じ で 、 薬 剤 を 添 加 し た 培 地 で 対 数 期 中 期 ま で 培 養 し た 細 胞 の TLA bイ ソ タ ン パ ク 質 量 の 変 化 を 図 3 8に示した。 O.5Mと 1M食 塩 で ( レ ー ン eとf)、 O.5mgjml 2‑デ オ キ シ グ ル コ ー ス で ( レ ー ン 1)、
o .
5 M, 1 M, 1. 5 Mソ ル ピ ト ー ル で ( レ ー ン mか ら 0) TLAb‑2及 びTLAb‑1 が 検 出 さ れ た 。( e)食 塩 シ ョ ッ ク 細 胞 : 食 塩 シ ョ ッ ク 細 胞 中 の TLAbイ ソ タ ン パ ク 質 量 の 変 化 を 図 3 9 (レーン jから n) に 示 し た 。 処 理 後4時 間 で T LA b‑2が検出され、 処 理 後 12時 間 以 降 で TLAb‑2に 加 え て TLAb‑1も 増 加した。
( f)エ タ ノ ー ル シ ョ ッ ク 細 胞 : エ タ ノ ー ル シ ョ ッ ク 細 胞 中 の TLAbイ ソ タ ン パ ク 質 量 の 変 化 を 図 39 (レーン fか ら i)に示した。
122
TLAb
4
・
e a q ‑
‑
c
d, ・ g
h k8 b
m n
0 のNF
Fig. 38. Immunoblotting of Isoproteins of TLAb in Cells Grown Under Various Growth Conditions.
Lane a, isoproteins in ce11s grown in YEPD; 1ane b, in 3%(v/v) ethano1; 1ane c, in 4%(w/v) glycero1; 1ane d, in 4%(w/v) 1actate; 1anes e and f, in 0.5 and 1.0M NaC1; 1anes g and h, in 0.1 and 0.5mM NaN3; 1anes i and j, in 2 and 4μg/m1 tunicamycin; 1anes k and 1, in 0.25 and 0.5mg/m1 2‑deoxyg1ucose; 1anes m‑o, in 0.5, 1.0, 1.5M sorbitol.
8 b
c
d f9
h k m n 寸NF TLAb4
・
内
aq u
F ig.39.I IEiE 11110blott ingof I soproteinsof TLAb from Glucose‑starved ,Ethanol‑ shocked, and NaCl‑shocked Cells.
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TL
処理後、 5時 間 で わ ず か に TLAb‑2及 び TLAb‑1が 検 出 さ れ た 。
( g)グ ル コ ー ス 飢 餓 細 胞 : グ ル コ ー ス 飢 餓 細 胞 中 の TLA bイ ソ タ ン パ ク 質 量 の 変 化 を 図 3 9 (レーン aか ら e) に 示 し た 。 期 待 に 反 し て、 TLA bの 変 化 は 小 さ く 、 飢 餓 後 24時 間 で TLAb‑2が わ ず か に 検 出 さ れた。
上 述 の TLAbに つ い て 得 ら れ た 結 果 を 表 X I にまとめた。
一般に、 TLAbイ ソ タ ン パ ク 質 の 変 化 は TLA aイ ソ タ ン パ ク 質 の 変 化 と 比 べ て 小 さ い 。 し か し な が ら 、 定 常 期 及 び 食 塩 シ ョ ッ ク 細 胞 で は 明 瞭 な イ ソ タ ン パ ク 質 の 変 化 が 確 認 で き た 。
5・4 考 察
T LA a ( エ ノ ラ ー ゼ ) は 二 つ 、 TLAb (GAPDH) は 三 つ の イ ソ タ ン パ ク 質 か ら な っ て い る (99)。従って、 い ろ い ろ な シ ョ ッ ク に よ り 引 き 起
こ さ れ る TLAaと TLAbに お け る イ ソ タ ン パ ク 質 の 量 的 変 化 を 検 討 し た 。 本 実 験 で は 、 タ ン パ ク 質 を ND‑PAGEで分離後、 タ ン パ ク 質 を SDS化し、
ニ ト ロ セ ル ロ ー ス 膜 に 転 写 し 、 抗 血 清 を 用 い て 酵 素 免 疫 学 的 に 検 出 す る 方 法 を 用 い た 。 一 定 量 の 試 料 タ ン パ ク 質 を 用 い た 場 合 で も 、 発 色 の 程 度 は 実 験 毎 に 幾 分 異 な り 、 TLAa. TLAb全 量 を 比 較 す る こ と は 方 法 論 的 に 無 理 で あ る が 、 あ る 程 度 の イ ソ タ ン パ ク 質 の 増 減 を 検 討
す る こ と は 可 能 で あ っ た 。
酵 母 エ ノ ラ ー ゼ が 熱 シ ョ ッ ク タ ン パ ク 質HSP48で あ る こ と (84)、 ま た 酵 母GAPDHが 熱 シ ョ ッ ク タ ン パ ク 質 HSP35で あ る こ と が 報 告 さ れ て い る の で (111 )、 TLAa ( エ ノ ラ ー ゼ ) 及 び TLAb (GAPDH) 量 が 熱 シ ョ ッ ク に よ り ど の よ う に 変 化 す る か を 追 試 し た 。 本 実 験 で はTLAa (エ ノ ラ ー ゼ ) 及 びTL A b (GA P D H ) が 熱 シ ョ ッ ク に よ り 誘 導 さ れ る こ と は
125
Table X I . Effect of Various Growth Conditions on Expression of Iso‑ proteins of TLAb in Saccharomyces cerevisiae Cells.
Conditions
TLAb‑l
Expression level
TLAb‑3 TLAb‑2
Additives: NaCl
2‑deoxyglucose
N
aN3Tunicamycin Sorbitol Carbon sources: Ethanol
Glycerol Lactate
/列
/メ
ノ メ ノ メ
Shocks: Heat NaCl Ethanol Stationary phase Glucose starvation
→ ノ
→
↑
ホl A l A l A l
→
→
→ /
By comparing with the expression in cells grown in YEPD medium, the level was indicated by the following.
↑, increase
ノ ,
slight increase126
一, unchange
確 認 で き な か っ た 。 従 っ て 、 筆 者 も エ ノ ラ ー ゼ (
T L A a )
は 熱 シ ョ ッ ク タ ン パ ク 質 の グ ル ー プ に は 属 さ な い と 結 論 し た が 、 現 在 で は エ ノ ラ ー ゼ は 熱 シ ョ ッ ク タ ン パ ク 質 で は な い と す る の が 趨 勢 に な り つ つ ある。 また、G A P D H
も 熱 シ ョ ッ ク タ ン パ ク 質 で は な い と 考 え ら れ る が 、X e n o p u s l a e v i s
庇 のG A P D H
に お い てG A P D H
を 高 レ ベ ル 発 現 し て い る 細 胞 で は 熱 シ ョ ッ ク の 効 果 が 小 さ く な る と す る 報 告 が あ る の で (1 1 3
、) 酵 母 エ ノ ラ ー ゼ ・G A P D H
が 熱 シ ョ ッ ク に よ り 誘 導 さ れ るHS P
で は な いと 結 論 す る の は ま だ 時 期 尚 早 か も 知 れ な い 。
次に、 定常期、 非 発 酵 性 炭 素 源 で の 培 養 、 食 塩 や 2‑デ オ キ シ グ ル コ ー ス 存 在 下 で の 培 養 、 エ タ ノ ー ル シ ョ ッ ク 、 食 塩 シ ョ ッ ク 、 グ ル コ ー ス 飢 餓 な ど の い ろ い ろ な 処 理 に よ り
TL A a
( エ ノ ラ ー ゼ ) とT L A b
( G A P D H )
の イ ソ タ ン パ ク 質 量 が 変 化 す る こ と を 認 め た 。 これは、 イ ソ タ ン パ ク 質 量 の 変 化 は あ る 条 件 で 発 現 し て い な い 遺 伝 子 が 別 の 条 件 で は 発 現 さ れ る と い う こ と を 示 し て お り 、 両 タ ン パ ク 質 遺 伝 子 発 現 の 調 節 機 構 に 興 味 が 持 た れ る 。検 討 し た い ろ い ろ な ス ト レ ス を 与 え た 中 で 、 特 に 培 地 に 食 塩 を 添 加 し た 場 合 や 食 塩 ス ト レ ス ( シ ョ ッ ク ) を 与 え た 場 合 に 得 ら れ た 結 果は、 本 論 文 の 主 題 で あ る 酵 母 の 耐 塩 性 機 構 に 関 連 し て い る と 考 察 さ れ た 。 即 ち 、 培 地 に 1M食 塩 を 添 加 し た と き 、 酵 母 細 胞 の 生 育 は 悪 い ( 図 3 4
‑ C )
が 、 得 ら れ た 細 胞 のT L A a ‑ 1
量が増加し、T L A a ‑ 2
量 が 減 少 し ( 図 35
、 レ ー ン f、)、T L A b ‑ 2
量 が わ ず か で は あ る が 増 加 した ( 図 3 8、 レ ー ン f)。 さ ら に 、 食 塩 を 含 ま な い 培 地 で 対 数 期 中 期 ま で 培 養 後 、 培 地 に 終 濃 度 1Mに な る よ う に 食 塩 を 添 加 し 食 塩 ス ト レ ス を 与 え る と 酵 母 細 胞 の 生 育 は ほ ぼ 抑 制 さ れ て い た ( 図
34 ‑ G )
。 こ の 食 塩 ス ト レ ス を 与 え た 細 胞 で は 、TL A a ‑ 1
量 が 添 加 後4 ‑ 1 2
時 間 で127
著 し く 増 加 し 、 TLAa‑2量 が 減 少 し た ( 図 36、 レ ー ン eから i) 。 ま た、 TLAbで は TLAb‑1及 び TLAb‑2が 増 加 し た ( 図 39、 レ ー ン jから n)
。他方、 同 モ ル 濃 度 の ソ ル ビ ト ー ル を 培 地 に 添 加 し 培 地 の 浸 透 圧 を 高 め た 場 合 、 上 記 の TLAaお よ び TLAbイ ソ タ ン パ ク 質 の 変 化 は ほ と ん
ど 観 察 さ れ な か っ た ( 図 3 5、 レ ー ン mか ら o及 び 図 3 8、 レ ー ン mか らo) 。 従 っ て 、 上 記 の 食 塩 ス ト レ ス に よ り 誘 導 さ れ る TLA a及 び TLA bイ ソ タ ン パ ク 質 の 変 化 は 浸 透 圧 の 変 化 と い う よ り は む し ろ 食 塩 自 体 の 影 響 で あ る こ と を 示 し て い る 。 一 般 に 、 熱 シ ョ ッ ク に よ る HSPの 誘 導 は 短 時 間 ( 一 時 間 程 度 ) で 起 こ る と 言 わ れ て い る が (114 )、本実験 の 食 塩 ス ト レ ス に よ る エ ノ ラ ー ゼ 及 びGAPDHの 変 化 を 引 き 起 こ す に は 比較的長時間のストレスに曝す必要があった。~. c erevisia e酵 母 は 耐 塩 性 酵 母 に は 分 類 さ れ て い な い が 、 ~. c erevisiaeの 食 塩 ス ト レ ス に よ る 変 化 は 酵 母 の 耐 塩 性 機 構 を 解 明 す る 上 で 重 要 な 示 唆 を 与 え る と 推 察 さ れ た 。 そ こ で 、 次 の 二 点 、 に つ い て さ ら に 考 察 す る 。
第 一 は 食 塩 ス ト レ ス と 同 様 の 変 化 が グ ル コ ー ス 飢 餓 実 験 に お い て も 観 察 さ れ た こ と で あ る ( 図 3 6 ‑A、 レ ー ン aか ら d及 び 図 3 9、 レ ー ン aか ら e) 。 細 胞 は グ ル コ ー ス 飢 餓 に な る と 乏 し い 炭 素 源 を よ り 効 率 よ く 利 用 し 、 エ ネ ル ギ ー を 獲 得 し な け れ ば な ら な い と 考 え ら れ
る。従って、 グ ル コ ー ス 飢 餓 状 態 で 観 察 さ れ た TLAa ( エ ノ ラ ー ゼ ) 及 び TLAb (GAPDH) の 変 化 は エ ネ ル ギ ー 欠 乏 に 適 応 し た 変 化 と 捉 え
る こ と が で き る 。 耐 塩 性 酵 母
z .
rouxi iに お い て 高 濃 度 食 塩 培 地 で は 生 存 維 持 の た め に は グ ル コ ー ス な ど の 炭 素 源 が 必 須 で あ る こ と も 明 ら か に さ れ て い る (1 9 ) 。 こ れ はZ .
rouxi i酵 母 が 高 濃 度 の 食 塩 を 含 む 環 境 で 生 存 す る た め に よ り 多 く の エ ネ ル ギ ー を 必 要 と し て い るこ と を 意 味 し て い る の で あ ろ う 。 エ ネ ル ギ ー 飢 餓 と 食 塩 ス ト レ ス に
128
お い て TLAa ( エ ノ ラ ー ゼ ) お よ び TLAb (GAPDH) イ ソ タ ン パ ク 質 量 の 変 化 が 類 似 し て い る こ と は 、 食 塩 ス ト レ ス 対 し て 酵 母 が 適 応 す る と
V
き、 エ ネ ル ギ 一 生 産 に 関 連 し て 解 糖 系 の 調 節 が 重 要 で あ る こ と を 暗 示 し て い る と 考 え ら れ る 。
第 二 は 食 塩 ス ト レ ス に よ り 誘 導 さ れ た TLA aと TLAbイ ソ タ ン パ ク 質 (TLAa‑1、 TLAb‑2あ る い は TLAb‑1) が 非 発 酵 性 炭 素 源 を 用 い て 培 養 し た 酵 母 細 胞 で 見 い だ さ れ た こ と で あ る ( 図 3 5、 レ ー ン bか ら d及 び 図 3 8、 レ ー ン bか ら d)。即ち、 グ ル コ ー ス で 培 養 し た 細 胞 は 主
にTLAa‑2と TLAb‑3を含むが、 非 発 酵 性 炭 素 源 で 培 養 し た 細 胞 で は TLAa‑1 ( エ ノ ラ ー ゼ 1)であり、 ま た TLAb‑2が 検 出 さ れ た 。 非 発 酵 性 炭 素 源 を 用 い て 培 養 し た 場 合 、 解 糖 系 は 糖 新 生 方 向 に 傾 い て い る と 考 え ら れ る の で 、 こ れ ら の 結 果 は そ の よ う な 条 件 下 で は エ ノ ラ ー ゼ 及 び GAPDHの ア イ ソ ザ イ ム の 発 現 が 変 化 す る こ と を 示 唆 し て い る 。
S. c erevsiae X‑2180‑1B 株 は は (1 Mに 近 い ) 食 塩 培 地 で 培 養 し た と き 、 細 胞 内 に グ リ セ ロ ー ル が 蓄 積 し 、 細 胞 内 外 の 浸 透 圧 を 調 節 し て い る こ と も 報 告 さ れ (115 )、また O.7M食 塩 培 地 で 培 養 し た と き 、 グリ セ ロ ー ル 生 産 酵 素 の 一 つ で あ る snー グ リ セ ロ ー ル ‑3‑燐 酸 脱 水 素 酵 素
(図 14 参 照 ) の 活 性 が 増 大 す る こ と が 報 告 さ れ て い る (116,117)。
しかし、 こ の グ リ セ ロ ー ル ‑3‑燐 酸 脱 水 素 酵 素 は 食 塩 ス ト レ ス ( 浸 透 圧 ス ト レ ス ) に よ っ て 誘 導 さ れ る が 、 熱 シ ョ ッ ク に よ っ て は 誘 導 さ れ な い と し て い る 。 こ の グ リ セ ロ ー ル ー3‑燐 酸 脱 水 素 酵 素 の 誘 導 と 食 塩 ス ト レ ス ・ 熱 シ ョ ッ ク の 関 係 がTLAaお よ び TLAbの イ ソ タ ン パ ク 質 の 食 塩 ス ト レ ス と 熱 シ ョ ッ ク の 関 係 と 類 似 し て い る こ と は 興 味 が 持 た れ る 。 本 実 験 の エ ノ ラ ー ゼ と GAPDHの ア イ ソ ザ イ ム の 変 化 は ソ ル ピ
ト ー ル 添 加 ( 浸 透 圧 上 昇 ) に よ っ て は 変 化 せ ず 、 食 塩 の 添 加 に よ り
129
変 化 す る 特 異 性 を 示 し た が 、 本 実 験 で 見 い だ し た ̲ S ̲ . ̲Q erevisiae細 胞 の 食 塩 ス ト レ ス に よ る エ ノ ラ ー ゼ と GAPDHの ア イ ソ ザ イ ム の 変 化 は 食 塩 添 加 に よ っ て 上 昇 し た 培 地 浸 透 圧 に 対 し て 細 胞 内 部 の 浸 透 圧 を 調 節 す る た め に グ リ セ ロ ー ル 生 成 の 方 向 に 解 糖 系 の 流 れ を 調 節 し て い る と 推 察 し て い る 。 言 い 換 え れ ば 、 ̲ S ̲ . ̲Qerevisiae細 胞 に お い て 食 塩 ス ト レ ス よ っ て 変 化 す る エ ノ ラ ー ゼ と GAPDHの ア イ ソ ザ イ ム の 発 現 調 節 機 構 は 浸 透 圧 調 節 剤 グ リ セ ロ ー ル の 生 成 ( 耐 浸 透 圧 性 ) と 関 連 し て い る と 考 え ら れ 、 興 味 が 持 た れ る 。 食 塩 ス ト レ ス と グ リ セ ロ ー ル 生 成 と 関 連 し て 耐 塩 性 酵 母
z .
rouxi i (118)や Debaryomyces h anseni i細 胞 (119 ) に お い て も グ リ セ ロ ー ル ‑3‑燐 酸 脱 水 素 酵 素 活 性 が 食 塩 に よ っ て 増 加 す る こ と が 報 告 さ れ て お り 、Z .
rouxi i細 胞 に お い て も 解 糖 系 と グ リ セ ロ ー ル 生 成 と の 関 連 し た 制 御 が 考 え ら れ る 。 ただ、 S. c erevisia e細 胞 は 耐 塩 性 酵 母 と は 異 な り 生 成 し た グ リ セ ロ ー ル の 大 部 分 を 培 地 に 漏 出 し て し ま う と 言 わ れ て お り (120 )、グリ セ ロ ー ル の 細 胞 内 蓄 積 機 構 も 耐 塩 性 機 構 に と っ て 重 要 で あ る と 考 えら れ る て い る (121 。)
酵 母 の エ ノ ラ ー ゼ とGAPDHは こ れ ま で 得 ら れ た 結 果 か ら 食 塩 シ ョ ック、 グ ル コ ー ス 飢 餓 に よ り 各 々 の ア イ ソ ザ イ ム の 発 現 が 変 化 す る が 、 熱 シ ョ ッ ク で は 変 化 し な い と 考 え ら れ る 。 マ ウ ス BALB/c3T3細 胞 で はHSP70及 び グ ル コ ー ス 制 御 タ ン パ ク 質 GRP78・GRP95で 、 食 塩 シ ョ ッ ク と グ ル コ ー ス 飢 餓 に お い て 異 な っ た 制 御 を 遺 伝 子 の 転 写 レ ベ ル で 受 け て い る こ と も 示 さ れ て い る (122 )。即ち、 熱 シ ョ ッ ク に よ り 誘 導 さ れ る HSP70の 一 つ の イ ソ タ ン パ ク 質 は 食 塩 シ ョ ッ ク に よ り 誘 導 さ れ る が グ ル コ ー ス 飢 餓 に よ っ て は 誘 導 さ れ な い 、 また GRP78と GRP95 は 食 塩 シ ョ ッ ク と グ ル コ ー ス 飢 餓 に よ っ て は 誘 導 さ れ る が 、 熱 シ ヨ
130
ッ ク に よ っ て は 誘 導 さ れ な い 。 こ の こ と か ら 明 ら か な よ う に 、 いろ い ろ な ス ト レ ス タ ン パ ク 質 は そ れ ぞ れ ス ト レ ス に 特 異 的 に 発 現 が 制
御 さ れ て い る よ う で あ る 。 また、 酵 母 の エ ノ ラ ー ゼ と
G A P D H
の 発 現 制 御 を 遺 伝 子 の 転 写 レ ベ ル で 検 討 す る こ と も 今 後 、 必 要 で あ ろ う 。本実験の~. ̲Q
e r e v i s i a e
細 胞 に お い て 得 ら れ た 結 果 が そ の ま ま 耐 塩 性 酵 母Z . r o u x i i
細 胞 に 適 用 で き る と は 言 え な い で あ ろ う 。 本 実 験 で 用 い た こ つ の 抗 血 清 はZ . r o u x i i
細 胞 の エ ノ ラ ー ゼ 及 びG A P D H
と 反 応 し な か っ た の で 、
Z . r o u x i i
細 胞 を 用 い て 実 験 で き な か っ た 。 今後、Z . r o u x i i
細 胞 の エ ノ ラ ー ゼ 及 びG A P D H
に 対 す る 抗 血 清 を 調 製し、 本 実 験 と 同 様 の 検 討 を 行 う こ と が 重 要 と 考 え ら れ る 。
5 ・5 小 括
酵母~. ̲Q
e r e v i s i a e
の エ ノ ラ ー ゼ とG A P D H
は 共 に 熱 シ ョ ッ ク タ ン パ ク 質 で あ り 、 一 般 的 な ス ト レ ス タ ン パ ク 質 で あ る と 言 わ れ て き た 。 本 章 で は 両 酵 素 タ ン パ ク 質 の 抗 血 清 を 用 い 、 イ ム ノ プ ロ ッ ト 法 に 従い、 両 タ ン パ ク 質 の 発 現 量 に 対 す る 熱 シ ョ ッ ク を 含 め た い ろ い ろ な ス ト レ ス の 影 響 を 検 討 し た 。 エ ノ ラ ー ゼ ・
G A P D H
の 発 現 は 共 に 熱 シ ョ ッ ク に よ り 影 響 さ れ な か っ た 。 また、T L A a
( エ ノ ラ ー ゼ ) とT L A b
( G A P D H )
の 絶 対 量 の 変 化 を 検 討 す る こ と は 困 難 で あ っ た が 、 い ろ い ろ な ス ト レ ス に よ りT L A a
とT L A b
の そ れ ぞ れ の イ ソ タ ン パ ク 質 量 に 変 化 が 認 め ら れ る こ と を 明 ら か に し 、 こ れ ら の 変 化 か ら 酵 母 の 耐 塩 性に つ い て 考 察 し た 。
まず、
T L A a
( エ ノ ラ ー ゼ ) とT L A b( G A P D H )
について、 定 常 期 細 胞 や グ ル コ ー ス 飢 餓 細 胞 で は 、 グ ル コ ー ス 存 在 下 で 栄 養 増 殖 し て い る 細 胞 と 比 べ て 、 異 な る イ ソ タ ン パ ク 質 ( ア イ ソ ザ イ ム ) の 存 在 を 確131
認した。 また、 食 塩 ス ト レ ス を 与 え た 細 胞 に お い て 同 様 の 変 化 を 認 めた。 こ の 食 塩 ス ト レ ス に よ る
T L A a
とT L A b
の 変 化 は ソ ル ピ ト ー ル に よ り 浸 透 圧 を 上 昇 さ せ た 場 合 で は 認 め ら れ な か っ た の で 、 食 塩 に 特 異 的 な 現 象 で あ る と 推 察 し た 。 ま た 、 酵 母 細 胞 が 食 塩 ス ト レ ス に 対 応 す る た め に 必 要 な エ ネ ル ギ ー の 供 給 と 関 連 し て 解 糖 系 酵 素 の 発 現を 調 節 し て い る と 推 察 し た 。
次に、 食 塩 ス ト レ ス を 与 え た 酵 母 細 胞 に お い て 認 め ら れ た
T L A a
( エ ノ ラ ー ゼ ) や
T L A b(GAPDH)
の 変 化 が グ リ セ ロ ー ル と エ タ ノ ー ル な ど の 非 発 酵 性 炭 素 源 を 用 い て 培 養 し た 酵 母 細 胞 に お い て も 認 め ら れ た 。 非 発 酵 性 炭 素 源 を 用 い て 培 養 し た と き 、 解 糖 系 は 糖 生 成 に 傾 い て い る と 考 え ら れ た 。 また、 ~. g erevisiae細 胞 は 1M程 度 の 食 塩 存 在 下 で は 生 育 可 能 で あ り 、 食 塩 を 含 む 培 地 で 生 育 し た 細 胞 で は 細 胞 内 に グ リ セ ロ ー ル を 蓄 積 し 細 胞 内 外 の 浸 透 圧 を 調 節 し て お り 、 既 報 の グ リ セ ロ ー ル 生 成 酵 素 で あ る グ リ セ ロ ー ル ‑3‑燐 酸 脱 水 素 酵 素 活 性 の 上 昇 と 考 え 合 わ せ 、 食 塩 ス ト レ ス 条 件 下 で は 酵 母 は グ リ セ ロ ー ル 生 成 の 方 向 に 解 糖 系 を 調 節 す る 可 能 性 が あ る こ と を 指 摘 し た 。132
第 6章
耐 塩 性 酵 母 Zygosaccharomyces rouxi iの 生 育 に 及 ぼ す 薬 剤 の 効 果
6 ・1 緒 言
耐 塩 性 酵 母
Z .
rouxi iは 高 濃 度 の 食 塩 が 存 在 す る 環 境 下 で 生 育 す る た め に 特 殊 な 生 理 機 能 を 獲 得 し て い る と 考 え ら れ る 。 耐 塩 性 酵 母 は 高 濃 度 食 塩 存 在 下 で さ え 細 胞 内 ナ ト リ ウ ム イ オ ン 濃 度 を 低 く 抑 え 、 細 胞 内 外 で 高 い 濃 度 勾 配 を 形 成 し て い る (38,39)。 こ れ は 耐 塩 性 酵 母 の 細 胞 内 酵 素 が 高 濃 度 食 塩 に 対 し て 稀 に し か 抵 抗 性 を 示 さ ず 、 一 般 的 に 感 受 性 で あ る の で 細 胞 内 ナ ト リ ウ ム 濃 度 を 低 く 抑 え る 必 要 が あ る の で あ ろ う 。一 般 的 に 、 動 物 細 胞 に お い て も 細 胞 内 外 で ナ ト リ ウ ム イ オ ン 濃 度 勾 配 が 生 じ て い る (43)。 こ の 勾 配 は 細 胞 膜 に 存 在 す る ナ ト リ ウ ム ・ カ リ ウ ム イ オ ン 依 存 性ATPaseに よ り 形 成 さ れ る (123 ) 。 酵 母 細 胞 ( 例 えば、
. s .
~ erevisia eや Schizosaccharomyce e :Q̲旦旦.h̲g)の細胞膜に 存 在 す る ATPaseは ナ ト リ ウ ム ・ カ リ ウ ム イ オ ン 依 存 性 で は な く 、マ
グ ネ シ ウ ム イ オ ン 依 存 性 の プ ロ ト ンATPaseで あ る (10‑12)。 酵 母 細 胞 では、 炭 素 源 、 や 窒 素 源 な ど の 栄 養 素 は 細 胞 内 外 で 生 じ た プ ロ ト ン 勾 配 に 依 存 し た シ ン ボ ー ト 系 に よ り 取 り 込 ま れ る と 言 わ れ て い る (15 ,
16)。 従 っ て 、 酵 母 細 胞 に お け る プ ロ ト ン 勾 配 や さ ら に そ の プ ロ ト ン 勾 配 を 形 成 す る プ ロ ト ン ATPaseは 酵 母 の 生 育 に と っ て 必 須 で あ る
( 124)。 そ こ で 耐 塩 性 酵 母 の 細 胞 膜 に は ナ ト リ ウ ム ・ カ リ ウ ム イ オ ン 依 存 性ATPaseは 存 在 せ ず 、 耐 塩 性 酵 母 の 生 育 に と っ て も 細 胞 膜 プ ロ
トン ATPaseが 重 要 な 役 割 を 果 た し て い る と 推 測 さ れ る の で 、 耐 塩 性
133
酵 母 の 高 濃 度 食 塩 環 境 下 で の 生 育 と プ ロ ト ン 勾 配 及 び プ ロ ト ン ATP‑ aseと の 関 連 性 を 想 定 し 、 プ ロ ト ン 勾 配 及 び プ ロ ト ン ATPaseに 対 し て 影 響 を 及 ぼ す と 考 え ら れ る 薬 剤 存 在 下 で の 耐 塩 性 酵 母 Z̲. rouxi i の 生 育 を 検 討 し た 。 そ の 結 果 、 高 濃 度 食 塩 培 地 で の Z̲.rouxi i の 生 育
に と っ て プ ロ ト ン 勾 配 が 重 要 で あ る こ と を 示 唆 す る 結 果 を 得 た 。
6 ・2 実 験 方 法
6 ・2 ・ 1 使 用 菌 株 及 び 使 用 培 地
Z̲. rouxi i ATCC42981 株 ( 野 生 型 ) を 使 用 し た 。 使 用 培 地 (YM培 地 ) 及 び 酵 母 株 の 保 存 は 第 1章 で 述 べ た 。 YM培 地 に 終 濃 度 OMか ら 3M
に な る よ う に 食 塩 を 、 O%(w/v)か ら 50%(w/v)に な る よ う に ソ ル ピ ト ー ル を 添 加 後 、 1N塩 酸 を 用 い て pHを調節した。 ま た 、 緩 衝 化YM培 地 の pHは McIlvaine緩 衝 液 ( ク エ ン 酸 ‑ 燐 酸 ー ナ ト リ ウ ム 広 域 緩 衝 液 ) を 1/2容量加え、 O.lN水 酸 化 ナ ト リ ウ ム あ る い は O.lN塩 酸 を 用 い て 所 定 の 値 に 調 節 し た 。 ア ジ 化 ナ ト リ ウ ム ( シ グ マ 社 製 ) と オ ル ソ パ ナ ジ
ン 酸 ナ ト リ ウ ム ( シ グ マ 社 製 、 以 下 パ ナ ジ ン 酸 と 略 ) は そ れ ぞ れ 10 mMと 100mMの 水 溶 液 と し 、 フ ィ ル タ ー 鴻 過 し 保 存 溶 液 と し た 。 カ ル ボ ニ ル シ ア ニ ド ‑m‑ク ロ ロ フ ェ ニ ル ヒ ド ラ ゾ ン ( シ グ マ 社 製 、 以 下 CCCP と略)は、 25mMア ル コ ー ル 溶 液 と し そ の ま ま 使 用 し た 。 各 種 濃 度 の 食 塩 あ る い は ソ ル ビ ト ー ル を 含 む 培 地 に 上 記 の 薬 剤 を 添 加 し 、 試 験 用YM培 地 を 作 製 し た 。
6 ・2 ・2 ・ 培 養 方 法
YM斜 面 培 地 上 で 保 存 し た Z̲. rouxi i 細 胞 を 5mlの YM培 地 に 接 種 し 300Cで 二 日 間 静 置 培 養 し た 。 前 培 養 液 を 100mlの 試 験 用 YM培 地 に 接 種