九州大学海外派遣留学生 最終報告書
※ 帰国後15 日以内に提出してくださ い。 ※ 提出された情報は、海外留学HP に掲載します。（色のついた部分 は掲載しません） 留学先大学名 清華大学 （国名： 中国 ） 留学先学部名（またはプログラ ム名） 清華大学人文学院中文系 留学期間 2015 年 9 月 ～ 2016 年 1 月 学部／学府・年次 理学部／学府 2 年次～ 2 年次 留学により卒業または修了が遅れる見込みの有無とその期間 有 ・○
無 （期間： ） 遅れる見込みの方は その理由を書いてくだ さい （NO.に○印をつける） １．４年次に留学したため ２．単位が不足するため ３．新卒で就職したいため ４．その他（具体的に記入） 卒業を遅らせないた めにどのような配慮 や工夫をしましたか？ 二年生後期に履修するべき必修実験を三年生後期に履修する。 進路の予定 １．就職 （ 時期： ４月から ／（ ）年 （ ）月から） ２．大学院進学（ 大学 学府/研究科 ） ３．その他（具体的に： ） 前項で１と答えた方 は、就活時期と方法を 教えてください（予定 を含む） 進学先や就職先の選定に、留学経験が影響しましたか？ 留学経験は就職活動の際に役立ちましたか？ １．留学先大学について 授業（カリキュラ ム等）の概要に ついて 私は中国語を習得するコースに属していました。ここでは中国語のリスニング、スピ ーキング、ライティング、リーディングなどの基本授業の他に、カリグラフィー（書道）や 中国概況や中国古代文化など中国を（言語だけでなく）より理解できるような授業も開 講されています。一学期に最低１２単位の取得が定められており、上限は２０単位で す。また、中国語や英語の言語能力基準をクリアすれば、他学部の授業も履修するこ と が で き ま す 。 私は 英語で 開講さ れ る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 学科で の [Global Communication]と言う授業を履修していたのと、[性别与科技]と言う中国語で開講され る授業を聴講していました。聴講は快く了承してくれる教授がほとんどだと思います。 清華大学には、人文学院（文学部）の一部として中国語を学ぶコースの他に、学部に 属さない語学学校のような施設もあります。中国語を勉強するという意味では、カリキ ュラム上の差異はあまり見られませんが、建物が独立している上に他学部の授業を 履修できないなど制限が多く、集中して語学を身につけるにはいいと思いますが、普通の学部学生とは隔たりが多いように感じます。 学部の授業は中国語で開講されるものが多いですが、四年生、または大学院で開講 される授業は英語で開講されるものが多いです。 留学先大学のサ ポート体制につ いて （語学面／勉学 面／精神面／住 居・生活面など） 中国の大学生はそのほとんどが大学の寮に住み、キャンパス内で衣食住学すべてが 揃います。清華大学は中国有数の広大な敷地の中に、学生寮、２０以上の食堂、新旧 二つの大きな図書館、スーパー、野菜や果物市場、銀行、郵便局、病院、カフェ、自転 車屋や携帯屋などがあり、外に出なくても生活できる環境が整っています。寮は一人 部屋、二人部屋で個人の部屋があるもの、二人部屋の三つの中から選べます。２４時 間出入り可能で、夜の 11 時までなら友人を連れてくることもできます。敷地が広いの で、皆自転車か電動バイクのどちらかで移動していました。生活面では不便を感じた ことはないです。勉学に専念することができる環境が整っていると思います。 一般的に中国の街中では中国語以外の言語は通じないですが、清華大学の International Student Office（以下 ISO）のスタッフの方は全員英語を話せますので、 VISA や居住許可証などの手続きに関することは、中国語が苦手でも問題ないです。 学生は必ず英語を話せますし、教授も英語を話せる人が多いです。この ISO には入 学当初必ず行くことになります。学期中も、大学内でのイベントや、中国の治安情勢に ついて、英語でメールを送ってくれました。 清華大学には学生による留学生との交流団体があり、そこを通じて語学パートナーも 見つけることができます。 留学先大学に対 する感想 居住環境や学習環境は申し分ないと思います。図書館は朝 8 時から夜 10 時まで開い ていますし、教室でしたらそれ以外の時間にも空いていますので、自習する場所には 困らないです。食堂は一食高くても 200 円といった感じで、とても安く、また数も豊富な ので、自炊する必要は全くないです。学生は三食食堂で食べています。学校内いたる ところに Wi-Fi があり、部屋にもインターネットが引いてあります。また運動場も豊富に あり、朝晩はトラックをランニングする人がよくいましたし、各種競技場も揃っているの でスポーツも盛んです。 生活をしている中で特に印象に残ったのは、清華の学生の生活リズムが健康的なこ とです。一時間目は朝の 8 時から始まりますが、多くの学生が朝の 7 時台に食堂で朝 ご飯を食べたり、教室の外で予習をしたりしています。アルバイトをする習慣はないの で、放課後は自習・学生活動・スポーツのいずれか。二時間ある昼休みには、お昼ご 飯を食べて寮に戻って昼寝をする人も多かったです。寮生活の利点を活かしていると 思います。自分もこのような生活習慣の中で、勉強や思考がはかどったように思いま す。 中国屈指の名門校ということだけあり、中国国内から集った優秀な学生はもちろん、 国外からも、優秀な学生が沢山留学していました。切磋琢磨するというよりは、ただ 「すごいなあ」と感じるだけになってしまった状況の方が多かったですが、世界の中で の自分の位置（言い換えれば能力の足りなさ）を実感できました。日本にいればちや ほやされるようなものが、ここ清華では普通であるということもざらにあり、世界の標 準を知れたという意味で、日本から出てきて良かったと感じます。中国人だけでなく、 ヨーロッパ、北米、東南アジア、オーストラリアなどの国の友人を沢山作ることができ たのもとても良かったです。人種も国籍も全く違う人々が一緒くたに同じことを学ぶ毎 日はとても刺激的であり、中国以外の様々な国の文化も知ることができました。
同じ大学への留 学を希望する人 たちへのアドバ イス 大学に行けば、一流の講師陣と快適な住環境が与えられ、（それだけでも留学する 価値はあると思いますが）、それだけで満足してしまう方も多いと思います。しかし、 大学内外にはもっと沢山の出会いやチャンスがあります。そしてそれらのほとんど は、自分で情報収集しないと存在すら知りえないものです。例えば、各界の著名人を 呼んで行われる講演会は、学生なら誰でも参加できますが、それには学内のポスタ ーや立て看板をこまめにチェックし、ネット上で参加申込をしなければなりません。人 気なものは、すぐに満員になってしまうので、注意して見ておかないと参加できませ ん。一度、スティーブ・ジョブズが清華大学経済管理学院のスーパーバイザーに着任 した時に講演会を開いたのですが、私はそれを知ることができず（後日ポスターを発 見しました）、またとないチャンスを逃してしまいました。しかし、情報収集に気を配っ ていたおかげで、Microsoft 研究所の方からプログラミングに関するお話を聞いたり、 天文学者であるMcGill 大学教授の Robert H. Brandenberger氏の「What was before the bigbang?」という講演を聞いたりしました。 他にも、インターンシップの募集や、各会社の説明会（就職を考えている人向け）、ま た学部ごとの学生祭が開かれるなど（進学を考えている人や研究をしている方向 け）、毎日授業を受けているだけではもったいないようなイベントがよく開かれていま す。留学した方は、「いつも一緒にいる友達」や、「いつもの日常生活」にとどまらず に、継続してイベントや出会いを探求する心がけがあるといいと思います。 授業選択に関して、シラバスは全て学生用のウェブサイトに上がるので、自分で興味 のある分野を探して教授に積極的にコンタクトを取るといいと思います。入学して最初 の仕事は（研究で留学している方はまた違うと思いますが）、面白そうだと思う授業を 自分で徹底的に探すことです。多くの教授は快くメッセージをやり取りしてくれますし、 わからないことがあったら先輩に聞くなどして、後で「こんな授業があったのか」と後 悔しないようにすると良いと思います。 またこれはよく言われることですが、せっかく海外に出てきて、自分がマイノリティとい う環境に身を置いたのですから、積極的に異文化交流をして、言語を含めて、他の国 の人々の考え方をどんどん吸収し、理解した方が面白いのではないかと思います。 ２．事前手続き（ビザ申請など） ビザの種類 X2 ビザ申請先 中国大使館 必要書類、手続 き方法 中国大使館（福岡だったら百道にあります）に行き、パスポート、大学からの Admission （入学許可証。交換留学なので留学先から九大に直接送られてくる）、パスポートと Admission のコピー、身分証と身分証のコピーを持って行き、大使館の VISA 申請窓口 まで持っていく。X1VISA（一年以上）の場合は、健康診断を受け、その結果も必要にな る。 価格は 5000 円。 手続きに要した 時間 私は実家に送付してもらったので、申請から二週間以上三週間未満くらいで届きまし た。 その他必要な事 前手続き 春に行われる健康診断を受診する。 ３．日常生活
日 常 生 活 の 概 要、感想 1 日の流れで言えば、 起床後すぐ朝ごはんを食堂に食べに行く、授業に出て友人と食堂で昼ご飯を食べる、 二時間ある昼休みの後半で予習や小テスト対策などをしたり、寮に戻って休憩したり して、午後また授業に出席し、食堂で夜ごはん（5 時〜6 時頃に食べる人が多い）を食 べてその日の復習、次の日の予習をし、夜にジムに行って運動したりダンスの練習を して就寝 という感じでした。宿題は土日にまとめてやっていました。そのほかに、グループワー クのミーティングをしたり、週に一回ほど友人と外に出かけて、登山や散歩をしたり、 ご飯を食べたりしていました。 大学院で研究している留学生は、研究室が 24 時間空いているそうなので、研究内容 に合わせた生活をしていました。研究がはかどった時や実験がある時などは遅くまで 寮に帰らないこともあるようです。 生活費（月額）及 びおおよその内 訳（円換算で） 生活費計 40,000 円／月 （生活費内訳）住居費： 24,000 円、 光熱水料：0 円、 通学費：0 円、 食費； 10,000 円、 電話代：0 円、 インターネット代：0 円、 書籍代： 1,000 円 その他：（具体的に）出かける時の交通費、水やお菓子、ノートなどの日用品 ５０００ 円ほど 学費・寮費以外に大学へ納入するもの（あれば）0 円 （徴収された費用の名目を具体的に： ） 日本から持参し た方がよいもの （ＰＣや変圧器等 の要不要も） 変圧器は必要です。日本で買っていくと良いと思います（中国でも手に入りますが）。 あとは日本のお菓子や嗜好品などを持って行って向こうの友人に配ると喜ばれます。 これから留学す る人への、日常 生活（治安対策 を含め）に関す るアドバイス 治安は昔よりずっと良いですが、やはりポケットに携帯や財布を入れっぱなしにして 移動するのはスリに遭う可能性があるのでまだ危ないです。また夜中に一人で歩くの もできればしないようにして、タクシー（北京では初乗り約 260 円）や公共交通機関を 利用するようにすると良いです。 また、衛生環境や水回りは日本に比べて良いとは言いがたく、熱いお湯が出ない、ト イレが詰まっているなどのトラブルは日常茶飯事です。 また中国、特に北の方では大気汚染がひどく、日本にあるものではなく現地で売って いる専用のマスクを着用した方が良いです。 慣れれば問題ないと思うので、ささいなことでナーバスにならないようにある程度割り 切って（それも外国で暮らす醍醐味だと思って）生活しましょう。 お金の管理や受 け取り（銀行口 座開設や海外送 金，またはクレ ジットカード持参 など）について， 貴方の留学先国 で最も適当な方 法を教えてくださ い。 私は日本からある程度（10 万円程度）現金を持って行き、残りはクレジットカードで生 活していました。中国で一番良く使われているクレジットカードは銀聯（ぎんれん）で す。銀聯のクレジットカードを持っていれば、スーパー、コンビニ、レストランなどほぼ どこでも買い物ができ、かつその時のレートで自動的に日本の銀行口座からお金が 引き落とされます。VISA, MasterCard なども使えますが、海外企業や大手中国企業で しか使えないので、銀聯カードは必需品だと思います。私は、中国に行く前に日本の カード会社で作りました。 現在中国では現金を持ち歩く人が少なく、携帯で QR コードを読み取るだけで支払い が済むシステム「微信支付」や「支付宝」を多く使用しています。タクシーに乗るのも現 金がいらないので、使いこなすととても便利です。また大学の学生証を中国銀行の口 座とつなげれば、大学内でも現金が要りません。これらのサービスを使いたい場合 は、中国の銀行（清華大学内で使いたい場合は中国銀行）に口座を開設します。パス
ポートと学生証があればできます。 海外送金もできますが手数料が何千円もかかるので、現金を始めに持って行って現 地で換金し、あとはなるべくクレジットカードで生活すると良いと思います。もちろんク レジットカードの使用にも手数料がかかるので、自分がどれだけお金を使うのか、ど ちらが良いのか比べて決めると良いと思います。 ４．住居、生活環境 住居の種類（○印 をつける） ・○寮 ・ホームステイ ・民間アパート ・その他（ ） 住所／ 電話番号 中国北京市海淀区清華大学紫荆留学生公寓 23 号楼 費用（月額） 約 24,000 円 （40RMB/日） どのようにして 見つけたか 学校から寮申し込みの案内メールが来たので、そこから専用ウェブサイトにアクセス して期間中（24 時間のみ）にオンラインで申し込んだ。他に二人部屋で個人の部屋が 与えられるもの、一人部屋があり、月に約 44,000 円（80RMB/日）。 次期留学生に推 薦できるかどう か、およびその 理由。 寮の居住環境は申し分なく、上述したようなトラブルを除けばあまり不便なところはな いです。また、大学内はとても広いので、外から通うとなると門から教室までたどり着 くのがかなり大変です。寮に住んでいれば三食食堂に通えるし、課外活動やグループ ワークで集合しなければいけない時や、夜遅くなった時でも便利です。私の寮は留学 生寮だったので中国人はおらず、ルームメイトは韓国人でしたが、中国人と留学生が 一緒に住む用の寮もあり、選べると思います。 寮の他に、外に住んでいる学生もいました。その場合はシェアルームが一般的で、部 屋の広さによって２人〜８人くらいで一緒に住みます。留学生同士でのシェア、中国人 とシェアするのも面白いと思います。 留学生活を送る 上で次期留学生 に伝えたい地域 情報、生活情報 学内は自転車か電動バイク（电动车）がなければ移動は不可能なので、着いたらまず 移動手段を確保すると良いです。学内に自転車屋さんがたくさんあるので手ごろな中 古車を値段をきちんと交渉して買います。また学内でも学外でも自転車はよく盗まれ るので、鍵を毎回かけ、あまり高い新品の自転車を使うのはやめた方がいいかもしれ ません。 自転車に限りませんが一般的に、中国で買い物をするときは定価のないもの（口頭で 値段を聞くもの）は全て高い値段で言ってくるので、値段交渉は不可欠です。 ５．準備段階や留学中に役に立ったウェブサイト サイト名 ＵＲＬ コ メ ン ト 百度 https://www.baidu.com 中国版 Google.
优酷 以下 App http://www.youku.com 微信 Betternet 中国版 Youtube. 中国版 LINE.学内のイベント申し込みもこれを通して行うことが 多い。微信支付を使えば支払いも済ますことができる。 VPN をつなげる無料のアプリ。50%くらいの確率で繋がる。VPN がなければ中国国外で使われるメジャーなウェブサイトや App は使用できない。授業でGoogleドライブを使用したりするので、 携帯、パソコンともに設定は不可欠。 ６．その他の特記事項 中国はとっても広いので、連休や休みの日、学期開始前または学期後などのまとまった時間に、他の都 市に旅行に行くのはいいと思います。中国は国内の鉄道が発達しており、一人でもいろんな都市に簡単 に旅行できます。「国内旅行」とは思えないほど、それぞれの都市で全く雰囲気が違って面白いです。
