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モルフォメトリー法を用いた皮膚病理組織所見の定量化 (1) モルフォメトリー法を用いた病理組織における角化性病変の定量化(1) (2) モルフォメトリー法を用いた全身性強皮症患者の前腕伸側部病理組織所見の定量化

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Academic year: 2021

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Title

モルフォメトリー法を用いた皮膚病理組織所見の定量化

(1) モルフォメトリー法を用いた病理組織における角化性病

変の定量化(1) (2) モルフォメトリー法を用いた全身性強皮

症患者の前腕伸側部病理組織所見の定量化( 内容の要旨

(Summary) )

Author(s)

可知, 久代

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)乙 第1128号

Issue Date

1997-09-10

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/15143

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏名 (本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 貞 可 知 久 代(岐阜県)

士(医学)

乙第 1128 号 平成 9 年 9 月10 日

学位規則第4条第2項該当

モルフォメトリー法を用いた皮膚病理組織所見の定1化

(1)モルフォメトリー法を用いた病理組附こおける角化性病変の定暮化(り (2)モルフォメトリー法を用いた全身性強皮症患者の前腕伸側部病理組織所見の定1化 (主査)教授 北

島 康

雄 (副査)教授 森

秀 樹

教授 高 見 剛

輪文内容の要旨

強皮症患者の皮オ硬化を個々の医師が共通に客観的に判定することは困難である。一方,強皮症患者の皮膚硬化部では.病 理組織学的に膠原線推の増加および硬化が認められる。しかしながら,病勢の判断のために病理組織学的所見を利用するには, 膠原線推の増加を定t的に観察する必要があるが,皮膚病理組織の膵原線推の増加に関する定i的解析の報告はない○ そこで 本研究は.まず第一報において病理組織の単純観察においても明らかに角質層の増加が見られる角化性疾患を用いてモルフォ メトリー法による角質層の増加の定1的解析を試み.その方法論を確立し.ついで第二報においては.実際に強皮症患者皮膚 の膠原線推の増加の定立的解析に本方法を応用した。 研究方法 標本は10%緩衝ホルマリン液で固定した皮膚生検材料を通常の方法でパラフィン包埋し,厚さ4〝mで薄切り切片を作製し, へマトキシリン・エオジン染色を施した。我々が用いたモルフォメトリー法は,一辺が実寸10m皿の正方形を10×10偶に区切っ たグリッドガラス板(01ympusEyepieceMicrometerL&,OC-M直径20.4mm面穫10×10mm2)を顕微鏡の接眼レンズ下に 挿入し.対物レンズを4倍に接眼レンズを10倍に設定して40倍で検鏡する方法である。この方法を用いると病理組織模本は角 質層から皮下脂肪組織までがこのグリッドの中に含まれる。測定する組織成分の項目は①角質嵐②角質層を除く表皮,③閲 見⑥膠鳳隠粗⑤皮膚附属器およぴ⑥その他(血管・リンパ管,浸潤細胞および皮下脂肪組織を含む)の6項目に分類した○ なお,真皮内の膠原綿絶皮膚附属器およびその他の成分を除いた残りの成分を問質とした。各組織成分上の交点の数を読み とり,交点の合計数から一定休穣に占めるその組織成分をWeibelの計算式に従い,体積(%)を表した。グリッドを重ねた時 の組織成分が含まれない割合を空隙とした。Weibelの計井式からエラー係数は15%以下になるように設定し,1切片で4視野 (1視野に100個のグリッドが存在し,121個のポイントを含む)を測定した。すなわち,1棟木で484ポイントを読みとった。 対 象 第一報の角化性病変として,尋常性乾糾0例,日光角化症16軌老人性圧書40例および健常皮膚28例の計124例の病理組織 模本を用いた。尋常性乾熟ま治療前の皮疹を採取した標本に限定した。 第二報で吼.強皮症患者34例【前腕伸側恥こ皮膚硬化を伴う群[硬化群];19例.前腕伸側部に皮膚硬化を伴わない群[非 硬化群〕;15例】および健常人群20例の計54例の病理組織標本を用いた。これらの疾患の診断は,臨床と病理組織所見により 行った。 結 果 (1)健常人皮膚 採取部位により皮膚構成成分が異なることが推測されため.健常人の前腕と上腕の2部位に分けて皮膚構成成分の比較を行っ た。その結泉南部位間でいずれの成分でも採取部位による有意差はなかったので.両者の結果を合わせて上肢として,これ を正常人皮膚コントロールにした。 (2)尋常性乾癖 尋常性乾癖の上肢と健常人の上肢におけるモルフォメトリー法を用いた皮膚構成成分の比較では,角質層を除く表皮成分は 尋常性乾癖で9.2±3.0%.健常皮膚では3.7±2.4%であり,尋常性乾癖では有意に増加していた(p<0.001)。尋常性乾癖の膠 原線維は44.3±12.7%でありt健常皮膚の35.4±12.9%に比べ増加傾向がみられた(p<0.1)。なお.尋常性乾癖のその他の成 分は健常皮動こ比べ有意に減少していた。角質風間質および皮膚附属器成分には有意差はなかった。次に,尋常性乾痴愚者 の無疹部と健常皮膚の皮膚構成成分を比較したところ,両群に有意差は見られなかった。 (3)日光角化症

(3)

-121-日光角化症はt病理組織学的所見が多彩であるため日光角化症をさらに病理組織学的診断より,角質増加著明群(角化型)と 軽微群(非角化型)に分け,各々の皮膚構成成分を健常皮膚と比較した。角化型群と健常皮膚の両群では.角化型群の角質層は 15.5±1l.4%および表皮成分は10,6±9.2%てあるのに対し,■健常皮膚の角質層は3.2±5.4%,表皮成分は3.7±2.4%あり.角 質層および角質層を除く表皮成分において前者が有意に増加していた(p<0.01)。非角化型群の角質層を除く表皮成分は10.3 ±10.8%であり健常皮膚に比べて増加傾向(p<0.1)がみられ,表皮の肥厚所見がみられた。 (4)老人性圧贅 老人性圧賀についても,角化型および表皮肥厚型に分壊し,各々皮膚構成成分を健常皮膚と比較した。老人性舐贅の角化型 と表皮肥厚型とも,角質層および角質層を除いた表皮成分は,健常皮恥こ比べて有意に増加していた(p<0.05)。特に,角化 型では角質増加(19.9±9.9%)が著明で,表皮肥厚型では表皮成分(23.5±14.0%)が増加していた。 (5)健常皮膚の年齢による皮膚構成成分の相違 加齢とともに角質層が厚くなり,有意差がみられた(p<0.05)。しかしながら.膠原線維の成分には有意差はみられなかっ たが,加齢とともに増加傾向がみられた(p<0.1)。 (6)全身性強皮症 全身性強皮症(PSS,prOgreSSivesystemicsclerosis)においては,健常人群の前腕伸側部の病理組織標本を比較・検討 した結見 PSSの硬化群の膠原線維は48.5±6.5%,非硬化群のそれは41.6±11.5%であり,健常人群の35.9±11.4%に比べ PSSの両群の膠原線維は有意に増加していた(p<0.05)。またPSSの硬化群は非硬化群のそれに比べ有意に増加していた(p< 0.05)。問質はIPSS両群ともに健常人群に比べ有意に減少していた(p<0.05)。角質層は.PSSの硬化群で3.8±3.2%.非硬 化群では1.8±0.8%であり.硬化群は有意差をもって増加していた(p<0.01)。角質層を除く表皮成分はPSSの硬イヒ群では5.2 ±3.3%,非硬化群では4.6±2.2%であり.健常人群の3.4±2.0%に比べ有意に増加していた(p<0.05)。 PSS患者前腕伸側部皮膚の膠原綿維丘は.健常人群と比較すると,浮腫期および硬化期では有意に増加していた(p<0.05) が.萎縮期では減少傾向を示した。問質は,硬化期では健常人群と比べ有意に減少し,萎縮期では健常人群と比べ有意差を示 さなかった。 膠原線推/問質の比をPSSの爵臥 すなわち浮腫期,硬化期および萎縮期において比較した結果.浮腫期,硬化期とも3,4 以上となり.健常人の膠原線維/問質比(2.6±1.3)と比べて高値であった(対浮腫期p<0.1.対硬化期p<0.01)。 考 察 第一報の結果から,今回我々が用いたモルフォメトリー法は病理組織所見から主観的に得ている表皮肥厚と過角化の程度に 関する情報と矛盾することなく,かつより正確にそれらを数量的に表現していると考えられ.本モルフォメトリー法が.主観 的観察による病理所見.すなわち角化と表皮の肥厚所見を数量的に示すこと,かつ本方法によって病理組織所見も定量化でき ることを示唆している。以上の結果から.第二報では強皮症患者の皮恥こおける膠原線維の定量化への応用を試みた。その結 果,本モルフォメトリー法を用いると強皮症発症初期および硬化期には患者皮膚の膠原線維は増加するが,逆に萎縮期になる と健常人群とほぼ同程度に減少することが定量的に明らかになった。1962年Rodnanらが強皮症の多くは触診によろ典型的な 皮膚硬化所見で診断可能であるが.皮す硬化が著明になる前段階に組織学的な皮膚硬化をきたすことを報告している。しかし. そのような軽微な膠原線維の増加の判定には技術習得を要する。今回の研究結果は,強皮症の硬化が触診で必ずしも明らかで はない浮腫期における膠原線維の増加が.本モルフォメトリー法で明らかになることを示唆している。このことは.臨床的に 皮膚硬化がなくても,他の臨床所見から強皮症を疑った場合,前腕伸側部の皮オ生検組織の本モルフォメトリー法による解析 は早期診断上,極めて有用であることを意味している。さらに,強皮症の病期を分類し,確定診断する場合や強皮症患者の皮 膚硬化の変化を検討する場合に,この方法は臨床診断の補助に役立っのみならず客観的評価に有用であることを示唆している。

論文審査の結果の要旨

申請者 可知久代は.病理組織の単純観察においても明らかに角質層の増加が見られる角化性疾患を用いてモルフォメトリー 法による角質層の増加の定量的解析を試み.その方法論を確立した。第二報においては.実際に強皮症患者皮膚の膠原線維の 増加の定量的解析に本方法を応用し,強皮症の病期分類を確定診断するため,さらに強皮症患者の皮膚硬化の変化を検討する ための客観的評価法を開発した。本研究の成果は,膠原病学の進歩において少なからず寄与するものと認める。 [主論文公表誌] モルフォメトリー法を用いた皮膚病理組織所見の定量化 第一編 モルフォメトリー法を用いた病理組織における角化性病変の定量化(1) 平成8年12月発行 日本皮膚科学会雑誌106(14):1895∼1902. 第二編 モルフォメトリー法を用いた全身性強皮症患者の前腕伸側部病理組織所見の定量化 平成9年4月発行 日本皮席料学会雑誌107(5):607∼613.

参照

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