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適応指導教室の現状と課題に関する実証的研究 ―香川県内の適応指導教室に勤務する指導員を対象として―

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Academic year: 2021

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要旨

適応指導教室の現状と課題に関する実証的研究

一香川県内の適応指導教室に勤務する指導員を対象として一

学校教育専攻 授業開発コース 阿 部 祐 子 1 .本研究の背景と目的 子どもの成長にとって,学校の果たしている 役割はとても大きいと思われる。筆者は学校と いうところは,これから社会に出て行く子ども たちにとって大変貴重な学びの場であると考え ている。 文部科学省による2004年度の速報通 知によれば,不登校児童生徒数は 12万6千人 に減少したとし、う。この結果について,文部科学 省は,不登校から学校への復帰を支援する教育 支援センターの整備などが奏功したと分析して いる。不登校児童・生徒数が減少してきたといっ ても,不登校になっている子どもや保護者の悩 みが解決されたわけではない。 そこで本研究では,教育上深刻な課題とされ ている不登校問題について,不登校支援という 側面から香川県内の適応指導教室に焦点をあて, 面接,質問紙による調査を行い考察を加えるこ とにした。すなわち,本研究の目的は,適応指導 教室の抱えている課題について調査し,その現 状 と 問 題 点 を 明 ら か に し 今 後 の 改 善 策 を 明 ら かにすることにある。 指 導 教 員 小 野 瀬 雅 人 2.研究の方法 研 究 1では,香川県内の 10教室(12名)を対象 として面接を行った。質問内容は以下の通り。 ①適応指導教室の概要。 ②アドバイザーについて。 ③在籍校との連携について。 ④適応指導教室がより良くなるために。 ⑤適応指導教室に来ていない不登校児童・生徒 への働きかけ。 ⑥適応指導教室の活動内容。 研 究2では,研究1の質問内容をもとに質問紙 を 作 成 し 面 接 を 行 っ て い な い 適 応 指 導 教 室 6 教室を対象に調査を行った。 3.結果のまとめ ①通級生は中学生の方が圧倒的に多い。通級生 が 多 い と 横 の つ な が り が で き 集 団 生 活 に 慣 れ るので復帰率が高くなると考えられる。通級し ていない不登校児童生徒に働きかけるには,指 導 員 の 人 数 を 増 や し 施 設 も 広 い 場 所 に 設 け る 必要があると考えられる。教師との人間関係は もちろん,同年代の仲間作りを学ぶことも大切

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-36-である。 ②中学校内に適応指導教室があると連携をとる 面では大きなメリットがあるが,不登校児童は 来にくいと感じること他の生徒の目を気にす る生徒がいることから適応指導教室は,学校付 近にあり,建物は別であることが理想的で、はな いかと考えられる。 ③子どもたちの指導・支援をしていく上で,指導 員や専門家の経験年数は大変重要である。また, 教師経験のある人物が適応指導教室の指導員と していると学校と連携をとる上でやりやすいこ とが明らかになった。 ④ほとんどの教室で専門家(アドバイザー)を必 要としている。外部から専門家を招く場合,コス トがかかる等のデメリットがあるため,適応指 導教室の指導員の一人として専門家がいること が理想的で、ある。また不登校理由も多様化して 来ているので,教室内の専門家だけでなく子ど もの状態に合わせられるようさまざまな専門機 関と連携をとっておく必要がある。 ⑤専門家には子どもや指導員との関わりの他に 親の会の指導や保護者のカウンセリング,教師 への指導・支援,学校や家庭等と適応指導教室の コーディネーター的役割も求められている。 ⑥学校と適応指導教室の指導方法や目的を一致 させるためにもよく話し合う機会を設ける必要 がある。学校側に意見を受け入れてもらうため には,後ろ盾や指導員の経験,互いの信頼関係を 要旨 築くことが重要である。 ⑦適応指導教室や不登校の捉え方が,先生や学 校によって違う場合が多い。教師,地域や家庭に も適応指導教室のことをよく知ってもらうため, 信頼関係を築くためにも,広報活動をするなど, 適応指導教室と接する機会を多く設ける必要が あると考えられる。 ③適応指導教室には施設やお金,指導員等が不 足しており,さまざまな問題もある。 ⑨通級生は何らかの原因で人格的に傷ついてい ることが多い。適応指導教室はまず,通級生が安 心し,落ち着いていられる場所でなければなら ない。そこから,自分が出せる場所,自信をつけ る場所,目的を持つ場所と発展していく。互いの 信頼関係を築き子どもの状態に合わせた支援・ 援助を行うこと,さまざまな体験や経験をして いくことが大切である。 ⑩不登校の子どもへの働きかけは,基本的に学 校や家庭からの要請がないとできない。不登校 の情報を得ても指導員が忙しくなかなか働き かけられないことも少なくない。 4. 今後の課題 ①適応指導教室だけではなく,保護者の意見,教 師や通級生の実態・意識調査を行い,学校との連 携の方法やより良い支援の在り方を明らかにす る必要がある。 ②香川県内での問題と課題が,他の県でもいえ るのかどうかを検討する必要がある。 円 i q u

参照

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