• 検索結果がありません。

高血圧の漢方治療

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "高血圧の漢方治療"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

!32 高血圧症のモデル動物とされる高血圧自然発症ラット (SHR)で得られた結果について述べる.なお,釣藤里 は,乾燥エキス方剤(ツムラ順天堂)を用いた, 1.全身血圧に対する作用1) 静脈内投与により10mg/kg以下の用量では血圧に は全く影響は認められなかった.30および100mg/kg では投与直後に一過性の血圧下降,心拍数の減少が見 られたが,直ちに回復し,5−7分目をピークとした 血圧下降(それぞれ18および64mmHg)後,10−20分 後に回復した.このことから釣藤散の方剤そのもので 降圧作用を持っていると考えられる, 30および300mg/kgの釣藤野1回投与により,投与

3時間後から5時間後に亘って,いずれも20−29

mmHgの血圧下降が見られ,7時間後にはほぼ前値に 回復した。即ち,1回の経口投与により,緩徐で持続 性のある降圧作用を有すると思われる. SHRに10−16週齢に亘って早藤散の3,30および 300mg/kgを1日2回の慢性経口投与を行なうと,投 与開始2週後において用量に依存した降圧反応が認め られ,4週後に最大下降が認められた.また,奇薬に より,血圧はいずれの用量においても徐々に対照値に 回復した.これらの結果から釣替散は慢性経口投与に よっても,緩徐で用量に依存した降圧作用を示し,ま た,静脈内投与では影響が見られなかった.3mg/kgに おいても有効な血圧下降作用を示す用量であると思わ れる. 2.摘出血管(腸間膜動脈)に対する作用 10−4Mnorepinephrine(NE)または50mM K+一拘 縮に対し,3×10−4g/mlでわずかに,また,3x10−3 g/mlではそれぞれ95.9および47.9%の弛緩が認めら れた.一方,3×10 4g/mlの用量で, NE一収縮に対し てcompetitiveに拮抗し, K+・収縮に対して低濃度は 増強,高濃度は抑制,また,Ca++収縮にはcompetitive な拮抗作用が認められたことから,釣藤散の末梢血管 拡張・収縮抑制作用の一部は,α一受容体および電位依 存性カルシウム・チャンネルへの拮抗作用によると考 えられる. 3. [3H]nitrendipine結合に対する作用 カルシウム拮抗薬のdihydropyridine誘導体,[3H] nitrendipine,が,カルシウム・チャンネルに特異的に 結合する性質を利用して,結合実験を行った所,SHR では正常血圧ラット(WKY)に比べて,線条体,視床 および海馬で最大結合量(数)が増加しており,この 現象がSHRの高血圧の発症・持続に関与している可 能性が考えられる2).ところが,SHRに釣目散3001ng/ kgをユ日2回の慢性投与を行なうことにより,これら 部位での[3H]nitrendipine結合部位の数の増加現象 が抑制された1), 4.血液生化学的検査に対する作用 血圧の慢性経口投与実験と同じ条件で釣野営を投与 し,6週目に採血した. 総コレステロール,HDL・コレステロール,β一リポタ ンパク,トリグリセライドおよび尿酸値は対照SHR 群に比べて上昇が認められた.しかし,SHRの脂質代 謝系はWKYに比べて機能低下傾向が見られ,釣男旱 投与により逆に脂質代謝系の機能を改善しているもの と考えられる. 以上の様に,釣藤散は,SHRにおいて血圧下降作用, 末梢血管拡張作用並びにカルシウム・チャンネルの数 の増加および血液脂質代謝系異常の改善作用を有する と考えられ,臨床面での治療効果が期待される. 文 献 1)石井権二・ほか:WAKAN−YAKU 2:556−557,

1985

2)Ishii, K. et aL,:European J. Pharmaco1.271

−278,1986 3.高血圧の漢方治療(臨床) (第2病院内科)菊池 長徳 もともと漢方においては,血圧という概念はなく, したがって高血圧に対する特別な薬剤は存在しなかっ た.しかし一般に副作用が少く,作用が穏和な漢方薬 は,高血圧のように長期にわたる疾患には,試みられ てよい薬剤であると思われる. わが国では昭和29年,南山堂より発行された「漢方 診断の実際」に,大柴転向,三黄潟下湯,柴胡竜骨牡 蛎湯,八味丸,四物湯加黄相,黄者,釣藤(後に七物 降下湯と命名された)が高血圧の処方として記載され たのが初めてといわれる.その後黄連下毒湯,当帰葛 薬散,防風通聖散,真武湯,三目承気湯,桂枝茨黒丸 などが高血圧及びその随伴症状に用いられるように なった. 動物実験では降圧作用のある方剤がいくつか知られ ているが,臨床成績では明らかな降圧をみたという報 告は少く,多くは利尿剤などの降圧剤を併用して用い られ,主として随伴する頭痛,めまい,肩こり,いら いら感などに効果を認めている. しかし本態性高血圧の自覚症は,一般に血圧とは直 接関係することは少く,多くは神経症的なものである 一1170一

(2)

133 と考えられる.われわれの男性産業人についての成績 でも,高血圧全体の3分の1は神経症的であり,自覚 症も多いが,残りの3分の2は自覚症を殆んど有して いなかった。 今回柴胡県門牡蛎(1日7.5g分3)を神経症的傾向 を有する高血圧12例に試みた. 4週間の投薬の結果,収縮期血圧の明らかな下降を 認めたものは4例あり,平均では約8mmHg下降した. しかし拡張期圧は殆んど不変であった.自覚症では, 有効3例,やや有効7例,無効2例であり,めまい, 頭痛,肩こり,胸部圧迫感に効果を認めた.また特に 不安の強いタイプに有効であった.今後更に症例をふ やし,経験をつんでいきたいと考えている. 文 献 1)荻原俊男,熊原雄一:本態性高血圧患者の愁訴改 善に対する漢方製剤の効果,診療と新薬,16: 73 (1979) 2)天野和雄:釣藤散による高血圧症の治療,診療と 新薬, 18 122 (1981) 3)坂口 弘:高血圧症の漢方治療概説,現代東洋医 学2:5(1981). 4)栗原伸夫:循環器系疾患と漢方の薬理,一軽度高 血圧症,現代の診療 25:62(1983). 学術情報 コミュニティヘルス研究会 第19回集会 東京女子医科大学第一衛生学教室 香川 順・諸岡 妙子 日 時 昭和61年11月1Q日(月)14:QO∼16:30 場 所:東京女子医科大学 看護専門学校403・404教室 テーマ 1)重複障害児の家庭保育 (一事例を中心にして) 保健婦 川村 登志江 東京都日野保健所 永山保健相談所 2)在宅心身障害児の訪問事業 一健診結果から一 医師 広田 洋子 葛飾区葛飾北保健所 血流研究会 日本ME学会専門別研究会 会長 菅原 基晃 幹事 北畠 顕,新見 英幸

辻隆之,半谷静雄

森田 久樹 記 日 時 昭和61年12月1日(月)15:00∼18:00 場所東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所 研究部 2階 会議室

テーマ:Intracardiac Flow Dynamics 特別講演

“lntracardiac Flow Dynamics”

Edward L. Yellin. Professor of Surgery, Professor

of Physiology and Biophysics, Albert Einstein College of Medicine, New York

議 題

1.“Blood Flow Velocity Patterns in the Left Ventricular Outflow Tract Studied with a Multisensor Catheter”. Shizuo Hanya, Akira

Ishihara. Dept. of Thoracic and Cardiovasc。 Surgery, School of Medicine, Kitasato Univer・

sity

2,“Patterns of Instantaneous Tricuspid Flow

and the Atrial Contribution to Right

Ventricular Filling”. Masaaki Kawada, Kazua. ki Ishihara, Shuichi Hoshino, Yorikazu Harada,

Masafumi Higashidate, Toshiyuki Beppu, Motoaki Sugawara, Yasuharu Imai,*Sunao Takeda,*Yasushi Ohse,*Norio Ishikawa. The Heart王nstitute of Japan, Tokyo Women’s

Medical College and*Nihon KQden Co., Ltd.

3。“Non−invasive Diagnosis of Porcine Mitral Valve Dysfunction by Doppler Technique”.

Kenli Nakamura, The Heart Institute of Japan,

Tokyo Women’s Medical College

4.“Non−lnvasive Estimation of Diastolic Filling Rate by List・Mode Radionuclide Ventriculogra− phy”, Yoshio Ishida, Masatsugu Hori, Hiroshi

Takeda, Akira Kitabatake, Michitoshi Inoue. The First Department of Medicine, Osaka University Medical School

参照

関連したドキュメント

 12.自覚症状は受診者の訴えとして非常に大切であ

式目おいて「清十即ついぜん」は伝統的な流れの中にあり、その ㈲

自発的な文の生成の場合には、何らかの方法で numeration formation が 行われて、Lexicon の中の語彙から numeration

あれば、その逸脱に対しては N400 が惹起され、 ELAN や P600 は惹起しないと 考えられる。もし、シカの認可処理に統語的処理と意味的処理の両方が関わっ

優越的地位の濫用は︑契約の不完備性に関する問題であり︑契約の不完備性が情報の不完全性によると考えれば︑

第三に﹁文学的ファシズム﹂についてである︒これはディー

神はこのように隠れておられるので、神は隠 れていると言わない宗教はどれも正しくな

自分ではおかしいと思って も、「自分の体は汚れてい るのではないか」「ひどい ことを周りの人にしたので