人工膝関節全置換術後の歩行獲得と入院期間
に影響を及ぼす機能的因子に関する研究
2017
吉備国際大学大学院
保健科学研究科
保健科学専攻
D311401 天野 徹哉
目 次 定 義 , 省 略 文 字 の リ ス ト 1 序 章 序 論 ( 総 合 ) 2 第 1 節 研究背景・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 第1 項 変形性膝関節症の疫学・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・2 第2 項 変形性膝関節症の臨床症状と治療・・・・・・・・・・・・・・・・・2 第3 項 人工膝関節全置換術 適用患者の機能低下・・・・・・・・・・・・・・3 第4 項 人工膝関節全置換術 後の機能回復・・・・・・・・・・・ ・・・・・・5 第 2 節 研究目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 第 3 節 論文の構成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 第1 章 人工膝関節全置換術後の 歩行獲得に対する 術後早期の機能回復の違い 7 第 1 節 背景・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 第 2 節 方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 第1 項 対象・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 第2 項 方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 第3 項 統計解析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 第 3 節 結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 第 4 節 考察・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・ 18 第 5 節 結論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20 第 2 章 最小侵襲手術法による 人工膝関節全置換術 適用患者の入院期間に影響を 及 ぼ す 機 能 的 因 子 の 検 討 21 第 1 節 背景・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22 第 2 節 方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23 第1 項 対象・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23 第2 項 方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23 第3 項 統計解析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25
第 3 節 結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25 第 4 節 考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・29 第 5 節 結論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30 第 3 章 総合考察 31 終 章 結 論 ( 総 合 ) 33 謝 辞 34 学 位 論 文 の 基 礎 と な る 原 著 35 参 考 文 献 36
定義,省 略文字 のリ スト
本 研 究 で 使 用 す る 用 語 の 定 義 , 省 略 文 字 は 以 下 も の と す る .
用 語 の 定 義
検 査 前 確 率 : 検 査 前 に 対 象 で あ る 集 団 が , あ る 状 態 ( 疾 患 ) を 有 す る 確 率 の こ と .
省 略 文 字
ADL:activities of daily living AUC:area under the curve BMI:body mass index
CPM:continuous passive motion CRP:C-reactive protein
FIM:functional independence measure FTA:femorotibial angle
HHD:hand held dynamometer
JKOM:Japanese knee osteoarthritis measure KL 分類:Kellgren-Lawrence 分類
LR+:positive likelihood ratio LR-:negative likelihood ratio MIS:minimally invasive surgery MWS:maximum walking speed NRS:numerical rating scale OA:osteoarthritis
ROAD:research on osteoarthritis against disability ROC:receiver operating characteristic
ROM:range of motion
SR-FAI:self rating Frenchay activities index TKA:total knee arthroplasty
TUG:timed up & go test
序 章 序 論(総 合)
第 1 節 研究背景 第 1 項 変形性膝関節症の疫学 2015 年の日本人の平均寿命(男性:80.79 歳,女性:87.05 歳)が 過去最高となった我 が 国 で は , 健 康 寿 命 を 延 伸 す る た め の 取 り 組 み が 重 要 視 さ れ て い る . 健 康 寿 命 と は , 自 立 し て 健 康 に 生 活 で き る 期 間 で あ り , 先 行 研 究 で は 最 大 歩 行 速 度 が 速 い 高 齢 者 ほ ど , 健 康 寿 命 を 維 持 で き る 確 率 は 高 い と 報 告 さ れ て い る 1).一 方 で ,厚 生 労 働 省 に よ る「 平 成 25 年国 民 生 活 基 礎 調 査 の 概 況 」 の 調 査 に お い て , 介 護 が 必 要 と な っ た 主 な 原 因 と し て , 要 支 援 者 で は 関 節 疾 患 が 第 1 位(20.7%)であった と報告している 2). 吉 村 ら 3)に よ る 臨 床 研 究 プロ ジ ェ ク ト ROAD(Research on Osteoarthritis Against Disability)の調査では,関節疾 患 の 代 表 例 で あ る 変 形 性 膝 関 節 症 (knee osteoarthritis:以下,膝 OA)の罹患者数は推 計 2,530 万人であり,40 歳以上の有病率は全体で男性 42.6%,女性 62.4%であったと報 告 さ れ て い る . 膝 OA とは,関節を構成する組織に慢性の退行性変化と増殖性変化が起こ り ,関 節 形 態 に 変 化 を き た す 疾 患 で ,臨 床 現 場 に お い て 遭 遇 す る 頻 度 の 高 い 疾 患 で あ る 4). 膝 OA は,原因の明らかでない一次性が大部分を占め,85%以上が内側型関節症を呈して お り ,男 女 比 は 1 対 3~4 と女性に多く発症することが報告されている 5),6).超 高 齢 社 会 を 迎 え た 我 が 国 で は , 膝 OA の有病率はさらに増加することが予想され る. 第 2 項 膝 OA の臨床症状と治療 膝 OA 患者の臨床症状 としては,疼痛・関節可動域(range of motion:以下,ROM) 制 限 ・ 筋 力 低 下 に よ る 日 常 生 活 活 動 (activities of daily living:以下,ADL)障害が挙げ ら れ る . 具 体 的 に は , 階 段 昇 降 や 歩 行 ・ 立 ち 上 が り ・ し ゃ が み 込 み ・ 浴 槽 へ の 出 入 り な ど の ADL 障害が起こる 7).特 に ,歩 行 や 階 段 昇 降 と い っ た 移 動 動 作 能 力 の 低 下 が 最 も 問 題 と な り , 活 動 意 欲 の 低 下 と と も に 廃 用 症 候 群 を 引 き 起 こ す 可 能 性 が あ る . 健 康 寿 命 の 延 伸 が 重 要 視 さ れ て い る 我 が 国 で は , 膝 OA 患者の機能低下を最小限にすることは理学療法士の 重 要 な 役 割 で あ る . 膝 OA の治療には保存療法と手術療法があり,年齢・病期や臨床症状によって治療法が 決 定 さ れ る . 治 療 の 第 一 選 択 は 保 存 療 法 で あ り , 保 存 療 法 で は 薬 物 療 法 ・ 装 具 療 法 と リ ハ
ビ リ テ ー シ ョ ン が 実 施 さ れ て い る .リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン の 中 核 を 成 し て い る 運 動 療 法 で は , 筋 力 増 強 運 動・ROM 運動・有酸素運動の有効性が認められている 8-11).一 方 ,保 存 療 法 に も か か わ ら ず , 重 症 化 す る 症 例 に 対 し て は 手 術 療 法 が 適 用 と な る . 膝 OA 患者に対する手 術 療 法 に は ,骨 切 り 術 や 人 工 膝 関 節 置 換 術 が あ り 12),そ の 適 用 は 年 齢・病 期・機 能 低 下 や 対 象 者 の 活 動 性 な ど を 踏 ま え て 総 合 的 に 判 断 さ れ て い る 13).具 体 的 に は ,比 較 的 若 く 軽 度 か ら 中 等 度 の 変 形 を 有 し て お り , 変 性 が 関 節 全 体 に お よ ん で い な い 場 合 に は , 骨 切 り 術 や 人 工 膝 関 節 単 顆 置 換 術(unicompartmental knee arthroplasty:UKA)が選択され,重度 の 関 節 症 で 年 齢 が 70 歳以上の場合には,人工膝関節全置換術(total knee arthroplasty: 以 下 ,TKA)が適用になる14).膝 OA に対する手術療法 の中で,最も多く行われている手 術 は TKA であり,10 年以上の長期成績でも 90%を超える安定した 成功率が報告されてい る 5).TKA 後のリハビリテーションで は,術側膝関節を中心とした筋力増強運動や ROM 運 動 な ど の 運 動 療 法 が , 関 節 可 動 域 の 改 善 や 歩 行 能 力 ・ 階 段 昇 降 能 力 の 回 復 に 有 効 で あ る と さ れ て い る 15-18).TKA 後は,歩行能力の改善による活動性の向上が目標となるため, リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン に 対 す る 需 要 は 高 ま っ て い る . 第 3 項 TKA 適用患者の機能低下 TKA の主目的は,除痛と関節機能の改善であり,術後のリハビリテーションでは,術前 機能までの回復が最低限の目標となる. しかし,TKA の適用となる膝 OA 患者の機能低下 (筋力低下・ROM 制限や ADL 障害)の程度については明らかになっていない.著者らは 多施設共同研究を行い,TKA 適用となった膝 OA 患者の術前機能について調査した.対象は, 2013 年 7 月~2016 年 10 月の間に多施設共同研究の協力が得られた 15 施設において膝 OA と診断され,下記の選択基準を満たした 473 名[男性 96 名,女性 377 名,年齢 74.9±7.5 歳,body mass index(以下,BMI)25.6±3.8kg/m2]であった.取込基準は TKA の適用
となった者,Kellgren-Lawrence 分類(以下,KL 分類)が Grade 3 あるいは Grade 4 の者 とし,除外基準は運動麻痺などの神経学的所見が認められる者,認知機能障害・精神機能障 害を有する者,膝関節以外の機能障害が著明な者とした.TKA 適用となった膝 OA 患者の 術前機能を表 1 に示す.なお,表 1 に示した項目は術前入院時に術前評価として実施した.
表 1:TKA 適用患者における 術前機能 の記述統計値 (n=473) 術 側 膝 伸 展 筋 力 (Nm/kg) 0.75 ± 0.64 術 側 膝 屈 曲 筋 力 (Nm/kg) 0.39 ± 0.20 術 側 膝 伸 展 ROM(°) -9.0 ± 8.7 術 側 膝 屈 曲 ROM(°) 121.9 ± 17.6 5mMWS (m/秒) 1.02 ± 0.34 TUG (秒) 12.3 ± 5.9 FIM (点) 121.0 ± 7.2
平 均 ±標 準 偏 差 ,ROM: range of motion, 5mMWS: 5m maximum walking speed
TUG: timed up & go test, FIM: functional independence measure
多 施 設 共 同 研 究 の 調 査 の 結 果 ,TKA 適用とな った膝 OA 患者は男性 20.3%,女性 79.7% で あ り ,最 年 少 は 52 歳,最年長は 92 歳であった.また,対象者の KL 分類は Grade 3 が 42.5%,Grade 4 が 57.5%であった.対象者のうち,内側型膝 OA[大腿脛骨角(femorotibial angle:以下,FTA)≧180°]は 75%,外側型膝 OA(FTA≦170°)は 8%,それ以外(FTA =171°~179°)は 17%であり,両側性膝 OA は 68.5%,片側性膝 OA は 31.5%であっ た .
TKA 適用となった膝 OA 患者の 5m 最大歩行速度(5m maximum walking speed:以下, 5mMWS) の 平 均 は 1.02m/秒 で あ り , 屋 外 歩 行 が 可 能 な 歩 行 速 度 の 基 準 と さ れ て い る 1.00m/秒 19)と 同 程 度 で あ っ た . ま た , 林 ら 20)は , 通 所 介 護 サ ー ビ ス を 利 用 す る 要 介 護 高
齢 者 2,695 名 の う ち , ADL 自 立 群 [ 機 能 的 自 立 度 評 価 法 ( functional independence measure:以下,FIM)の運動項目 13 項目がすべて 6 点(修正自立)以上である者]1,429 名 の Timed up & go test(以下,TUG)は 13.0±5.3 秒であったと報告しており,TKA 適用 と な っ た 膝 OA 患者 473 名の TUG 12.3±5.9 秒と同程度であった.さらに,本調査におけ る FIM の平均は 121 点であり,強い ADL 障害は認められなかった.これらのことから, TKA 適用となった膝 OA 患者の過半数は術前 ADL が修正自立~自立レベルであり,屋外 歩 行 が 可 能 な 程 度 の 歩 行 能 力 が 保 た れ て い た .
第 4 項 TKA 後の機能回復 我 が 国 で は ,1990 年代後半から医療の標準化と医療費削減などを目的として,クリティ カ ル パ ス ( 以 下 , パ ス ) が 導 入 さ れ , チ ー ム 医 療 の 推 進 や 患 者 満 足 度 の 向 上 に 効 果 が あ る と さ れ て い る 21).前 述 し た 多 施 設 共 同 研 究 の 協 力 が 得 ら れ た 15 施設において ,TKA のパ ス を 導 入 し て い る 施 設 は 12 施設,導入していない 施設は 3 施設であった.また,パスを 導 入 し て い る 12 施設のうち,入院期間の設定が術後 21 日以内の施設は 7 施設,術後 30 日 以 内 の 施 設 は 3 施設,術後 30 日を超過する施設 2 施設であった.上記のようにパスは 普 及 し て い る も の の , 入 院 期 間 の 設 定 に つ い て は 施 設 毎 に 様 々 で あ っ た . そ の 理 由 と し て は ,本 邦 の 運 動 器 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン 分 野 で は ,術 後 14 日までは初期加算,術後 30 日ま で は 早 期 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン 加 算 が 認 め ら れ て お り ,術 後 150 日までは所定の単位数が上 限 な く 算 定 で き る と い う 医 療 保 険 制 度 が 大 き く 影 響 し て い る と 考 え る . 一 方 で , 少 子 高 齢 化 が 急 速 に 進 む こ と が 予 測 さ れ る 我 が 国 で は ,2025 年問題への対策 が急務とされている. 2025 年問題とは, 団塊の世代の約 700 万人が 2025 年までに後期高齢者(75 歳以上)に 到 達 し ,全 人 口 の 4 人に 1 人が後期高齢者となることにより,社会保障費 の急増などが引 き 起 こ さ れ る 問 題 の こ と で あ る 22).こ の よ う な 状 況 に お い て ,厚 生 労 働 省 に よ る 調 査 で は , 平 成 27 年(2015 年)の一般病床の平均在院日数は 16.5 日であり,急性期病院における 在 院 日 数 は 年 々 短 縮 傾 向 に あ る こ と が 報 告 さ れ て い る 23).今 後 も 在 院 日 数 は 短 縮 す る こ と が 予 想 さ れ る た め , リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン の 果 た す 役 割 は 更 に 大 き く な る . TKA 後の自宅復帰には,歩行獲得が必要不可欠であり,歩行獲得には ,術後の機能回復 が 重 要 に な る と 考 え る .TKA 後の機能回復について藤吉ら 24)は , 術 前 と 術 後 1 週の膝伸 展 筋 力・膝 屈 曲 筋 力・膝 伸 展 ROM・膝屈曲 ROM を比較した結果,術後 1 週の機能は有意 に 低 下 し て い た と 報 告 し て い る .ま た ,飛 永 ら 25)は 術 前 と 術 後 1 ヵ月の膝伸展筋力・TUG を 比 較 し た 結 果 ,有 意 な 差 は 認 め ら れ な か っ た が ,術 後 3 ヵ月の膝伸展筋力・TUG は術前 機能と比較して有意に改善していたと報告している.さらに,中村ら 26)は術前と術後 6 ヵ月 の 下 肢 筋 力 ・ 疼 痛 ・10m 歩行時間・TUG を比較した結果,術後 6 か月の機能は有意に改 善 し て い た と 報 告 し て い る .こ れ ら の 先 行 研 究 で は ,TKA 後の機能 回復には,少なくとも 術 後 1 カ月以上の期間 が必要であることを示唆している.しかしながら,先行研究の限界 と し て , 歩 行 獲 得 が 順 調 に 進 ん だ 症 例 と 歩 行 獲 得 が 遅 延 し た 症 例 の 機 能 回 復 の 違 い に つ い て は 検 討 さ れ て い な い こ と が 挙 げ ら れ る . 術 後 早 期 の 歩 行 獲 得 は , 入 院 期 間 の 短 縮 に 繋 が る た め , 歩 行 獲 得 に 対 す る 機 能 回 復 の 違 い を 明 ら か に す る 必 要 性 は 高 い .
近 年 ,TKA では最小侵襲手術(minimally invasive surgery:以下,MIS)法が行われ る よ う に な り , 従 来 法 と 比 較 し て 離 床 時 期 が 早 く , 術 後 の 疼 痛 軽 減 や 関 節 機 能 の 早 期 回 復 が 認 め ら れ る た め ,入 院 期 間 の 短 縮 に 有 効 で あ る と 報 告 さ れ て い る 27-29).ま た ,術 後5 年 を 経 過 し た MIS 法による TKA の調査において,関節機能は良好な状態であることが報告 さ れ て い る 30). 一 方 , 本 邦 に お け る TKA 後の入院期間に関する先行研究では,医療保険 制 度 や 社 会 的 背 景 が 影 響 す る と 推 察 さ れ て い る が 31),MIS 法による TKA 適用患者の入院 期 間 に 影 響 を 及 ぼ す 機 能 的 因 子 に つ い て は 明 ら か に な っ て い な い . 超 高 齢 社 会 に お け る 社 会 保 障 費 の 急 増 が 問 題 と な っ て い る 我 が 国 で は , 入 院 期 間 の 短 縮 は 医 療 費 適 正 化 計 画 の 目 標 の ひ と つ で も あ る た め , 理 学 療 法 士 が 介 入 可 能 な 術 後 早 期 の 機 能 回 復 と 入 院 期 間 と の 関 係 を 明 ら か に す る こ と は 重 要 で あ る . 以 上 の よ う な 研 究 背 景 か ら ,TKA 後の機能回復と歩行獲得・入院期間との関係 について 検 討 し ,早 期 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン に お い て 着 目 す べ き 機 能 を 明 ら か に す る こ と が で き れ ば , よ り 効 果 的 な リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン の 実 践 に 役 立 つ と 考 え る . 第 2 節 研究目的 本 研 究 の 目 的 は ,TKA 後の機能回復と歩行獲得・入院期間との関係について検討し,早 期 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン に お い て 着 目 す べ き 機 能 を 明 ら か に す る こ と で あ る . 第 3 節 論文の構成 本論文は,第1 章と第 2 章の結果を基に,第 3 章において総合考察を行い,終章として結 論 を 述 べ た .第 1 章では,TKA 後の歩行獲得 に対する術後早期の機能回復の違い について 検 討 し , 歩 行 獲 得 を 目 的 と し た 早 期 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン に お い て 着 目 す べ き 機 能 を 明 ら か に し た . 第 2 章では, MIS 法による TKA 適用患者の入院期間に影響を及ぼす 機能的因子 に つ い て 検 討 し , 入 院 期 間 短 縮 を 目 的 と し た 早 期 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン に お い て 着 目 す べ き 機 能 を 明 ら か に し た .第 3 章では,第 1 章と第 2 章の結果を基に,TKA 後の早期リハビリ テ ー シ ョ ン に 対 す る 臨 床 提 言 を 述 べ た .
第
1 章
TKA 後の歩行獲得に対する
術後早期の機能回復の違い
第 1 節 背景 膝 OA が重症化し,ADL 障害や活動制限が出現する 症例に対しては,TKA が有効かつ 費用対効果の高い手段であるとされている 32).TKA は除痛効果と関節機能の改善により, 術 後 早 期 に 歩 行 獲 得 が 期 待 で き , 我 が 国 に お け る 先 行 研 究 で は , 術 後 16 日程度で T 字杖 歩 行 が 獲 得 で き た と の 報 告 が あ る 33).TKA 後の歩行獲得には,術後の機能回復が重要に な る と 考 え る .TKA 後の機能回復に関する先行研究では,身体機能や歩行能力の回復には, 少 な く と も 術 後 1 ヵ月以上の期間 が必要であることを示唆してい る 24-26). し か し な が ら , 先 行 研 究 の 限 界 と し て , 歩 行 獲 得 に 対 す る 術 後 早 期 の 機 能 回 復 の 違 い に つ い て は 検 討 さ れ て い な い こ と が 挙 げ ら れ る . 歩 行 獲 得 が 順 調 に 進 ん だ 症 例 と 歩 行 獲 得 が 遅 延 し た 症 例 の 機 能 回 復 の 違 い を 比 較 検 討 す る こ と に よ っ て , 早 期 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン に お い て 着 目 す べ き 機 能 を 明 ら か に す る こ と が で き る と 考 え る . 本 研 究 で は ,TKA 後の歩行獲得に対する術後早期の機能回復の違いについて検討し,歩 行 獲 得 を 目 的 と し た 早 期 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン に お い て 着 目 す べ き 機 能 を 明 ら か に す る こ と を 目 的 と し た . 第 2 節 方法 第 1 項 対象 2013 年 7 月~2015 年 7 月の間に,研究協力が得られた 3 施設において TKA の適用と な り ,パ ス を 使 用 し た 膝 OA 患者 185 名のうち,歩行獲得の調査が可能であった 148 名(男 性 33 名,女性 115 名,年齢 74.5±7.2 歳)を対象とした.除外基準は,両側同時 TKA を 施 行 し た 者 , 術 後 14 日目までに T 字杖歩行練習が開始できなかった者とした . 本 研 究 は 吉 備 国 際 大 学 倫 理 審 査 委 員 会 か ら 承 認 ( 受 理 番 号 14-31)され,対象者には本 研 究 の 目 的 と 内 容 に 関 す る 説 明 を 行 い , 同 意 を 得 た . 第 2 項 方法 研 究 デ ザ イ ン は , 前 向 き コ ホ ー ト 研 究 で あ る . 研 究 協 力 が 得 ら れ た 3 施設では,術後 1 日 目 か ら リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン を 開 始 し て お り , 病 室 で は 状 態 に 応 じ て 1 日 20~40 分,リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン 室 で は 原 則 1 日 40 分のリハビリテーションを実施した .また,リハビ
リ テ ー シ ョ ン の 内 容 に つ い て は , 術 側 膝 関 節 を 中 心 と し た 筋 力 増 強 運 動 や ROM 運動,歩 行 練 習 や ADL 練習といった 標準的なリハビリテーション介入 34)が 実 施 さ れ て お り , 特 殊 手 技 を 用 い た 介 入 は 行 わ れ て い な い こ と を 確 認 し た . 協 力 施 設 に お け る 術 後 の リ ハ ビ リ テ ーションスケジュールと介入内容を表 1 に示す.日本整形外科学会・日本理学診療医学会が 推 奨 す る TKA のパスでは,T 字杖歩行・階段昇降や床上動作を獲得し,術後 21 日目まで に退院することを目標としている 35).なお,パスにおける歩行補助具のステップアップや 応 用 歩 行 練 習 の 開 始 時 期 に 関 し て は , パ ス の ス ケ ジ ュ ー ル に 従 い , 理 学 療 法 士 が 対 象 者 の 動 作 の 安 定 性 が 得 ら れ た と 判 断 し た 時 点 で 行 っ た . 表1:パスで設定されている 術後リハビリテーションスケジュール 術 後 1 日目 病 室 に て リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン 開 始 起 居 ・ 起 立 ・ 移 乗 動 作 練 習 開 始 関 節 可 動 域 運 動 ・ 筋 力 増 強 運 動 開 始 術 後 2~3 日目 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン 室 に て リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン 開 始 歩 行 練 習 開 始 ( 平 行 棒 ・ 歩 行 器 →T 字杖) 術 後 7~14 日目 応 用 歩 行 練 習 開 始 ( 階 段 昇 降 や 屋 外 歩 行 な ど ) 床 上 動 作 練 習 開 始 術 後 14~21 日目 退院(退院指導 ) 本 研 究 に お け る 歩 行 獲 得 の 判 断 基 準 は , ①2 名の理学療法士が歩行観察を行い, T 字杖 歩 行 が 安 定 し て 50m 以上可能であると 主観的に判断した場合,②対象者自身が T 字杖歩 行に自信を持った場合,③TUG が 13.5 秒未満になった場合 36)とした.本研究では,上記 3 条 件 を す べ て 満 た す ま で に 要 し た 術 後 日 数 を 歩 行 自 立 日 数 と 定 義 し た . 調 査・測 定 時 期 は 術 前 入 院 時 と 術 後 14 日目であり,術前評価は手術 1~2 日前に実施し た .術 前 評 価 で は 基 本 属 性 で あ る 性 別 ,年 齢 ,BMI,医学的属性である手術歴,KL 分類, 障 害 側 , 改 訂 版 self rating Frenchay activities index(以下,改訂版 SR-FAI)37),38),変形性
膝関節症患者機能評価尺度(Japanese knee osteoarthritis measure:以下,JKOM)39),40),身 体 機
能 で あ る 術 側 ・ 非 術 側 膝 関 節 筋 力 ( 膝 伸 展 筋 力 ・ 膝 屈 曲 筋 力 )41), 術 側 ・ 非 術 側 膝 関 節 可
動 域 ( 膝 伸 展 ROM・膝屈曲 ROM),疼痛,歩行能力である 5mMWS の調査・測定を行っ た . ま た , 術 後 14 日目に身体機能と 歩行能力の測定を行った.
手 術 歴 は 反 対 側 の TKA 既往の有無を,障害側は両側性膝 OA あるいは片側性膝 OA につ い て 調 査 を 行 っ た .改 訂 版 SR-FAI は 15 項目の設問からなる応用的日常生活活動の評価法 の ひ と つ で あ り ,0 点(非活動的)~45 点(活動的)の範囲で合計点を算出した .筋力は hand held dynamometer(アニマ社製,ミュータス F-1,以下,HHD)を使用し,等尺性 最 大 筋 力 を 測 定 し た .測 定 肢 位 は 両 腕 を 前 胸 部 で 組 み ,膝 関 節 は 90°屈曲位,非測定側の 足 底 の み 台 に 接 地 し た 端 座 位 と し た . 筋 出 力 を 受 け る HHD のセンサー部の位置は,膝伸 展 筋 力 で は 下 腿 遠 位 前 面 , 膝 屈 曲 筋 力 で は 下 腿 遠 位 後 面 と し た . 測 定 に は 固 定 用 ベ ル ト を 併 用 し , 膝 伸 展 筋 力 で は ベ ッ ド 脚 に ベ ル ト を 固 定 し , 膝 屈 曲 筋 力 で は 検 者 の 下 腿 部 に ベ ル ト を 固 定 し た . ま た , ア ー ム 長 と し て , 膝 関 節 外 側 裂 隙 か ら セ ン サ ー の 中 心 部 ま での距離 を測定した.測定は休憩時間を設けて 2 回繰り返し行い,センサー部の出力の最大 値(N) と ア ー ム 長 (m)の積を対象者の体重(kg)で除したトルク体重比(Nm/kg)の平均値を 算 出 し た .ROM は,日本整形外科学会および日本リハビリテーション医学会が推奨する 方 法 に 準 じ , ゴ ニ オ メ ー タ ー を 用 い て 5°単位で測定した.疼痛は,ベッド上臥床におけ る 術 側 膝 関 節 の 安 静 時 痛 を ,numerical rating scale(以下,NRS)を用いて評価した. 5mMWS の測定は,室内に設けられた 11m の直線歩行路を用い,歩行路の両端の 3m を予 備 路 と し た . 対 象 者 の 下 肢 が , ス タ ー ト ラ イ ン を 横 切 っ た 時 点 か ら ゴ ー ル ラ イ ン を 横 切 っ た 時 点 ま で の 所 要 時 間 を 測 定 し ,5mMWS(m/秒)を算出した . 第 3 項 統計解析 歩 行 自 立 日 数 が 術 後 14 日以内の者を歩行獲得群 ,術後 14 日を超過した者を歩行遅延群 と し て 2 群に分類して,2 群の基本属性 と医学的属性の違いを検討するために,2 標本 t 検 定 と χ2検 定 を 用 い て 群 間 比 較 を 行 っ た .2 群の属性因子の比較において,統計的有意性
が認められた属性因子と 歩行獲得との receiver operating characteristic(以下,ROC)分 析を行い,カットオフ値を求め,感度・特異度・陽性尤度比(positive likelihood ratio:以 下,LR+)および陰性尤度比(negative likelihood ratio:以下,LR-)を算出した.その 際 , 歩 行 獲 得 群 を 「1」,歩行遅延群を「0」とした .さらに,各群の術前機能と術後 2 週 の 機 能 に つ い て は , 対 応 の あ る t 検定を用いて群内比較を行った.なお,術前機能より術 後 2 週の機能が改善している場合はプラス,術前機能より術後 2 週の機能が劣っている場 合 は マ イ ナ ス に な る よ う に 解 析 を 行 っ た .解 析 統 計 ソ フ ト は SPSS Statistics 22 を使用し, 有 意 水 準 は 5%とした .
第 3 節 結果 本 研 究 対 象 者 の 術 式 は ,MIS 法が 95.9%,従来法が 4.1%であった .また,本研究では 歩 行 獲 得 群 が 59.5%,歩行遅延群が 40.5%であり,両群とも歩行獲得から退院までに 7~ 10 日程度要していた (表 2). 表 2:2 群の歩行自立日数と在院日数 全 体 (n=148) 歩行獲得群 (n=88) 歩行遅延群(n=60) 歩 行 自 立 日 数 ( 日 ) 14.3±5.3 11.0±2.4 19.0±4.8 在 院 日 数 ( 日 ) 23.4±8.2 21.9±8.6 25.5±7.1 数 値 は , 平 均 ±標 準 偏 差 を 示 す . 2 群の基本属性・医学的属性 を比較した結果,歩行遅延群と比較して,歩行獲得群の年 齢 は 有 意 に 低 値 を 示 し , 改 訂 版 SR-FAI は有意に高値を示した(表 3).2 群の属性因子の 比 較 に お い て , 統 計 的 有 意 性 が 認 め ら れ た 2 項目(年齢・改訂版 SR-FAI)と歩行獲得と の ROC 分析の結果を表 4,図 1 と図 2 に示す.
表3:2群の基本属性と医学的属性 の比較 全 体 (n=148) 歩 行 獲 得 群 (n=88) 歩 行 遅 延 群 (n=60) p 値 基 本 属 性 性 別 ( 男 性 /女 性 )†† 33/115 20/68 13/47 0.879 年 齢 ( 歳 )† 74.5±7.2 73.4±7.0 76.2±7.3 0.021 BMI(kg/m2)† 25.1±3.8 25.5±4.0 24.5±3.5 0.093 医 学 的 属 性 手 術 歴 ( 有/無)†† 45/103 24/64 21/39 0.316 KL 分類(Grade 4/Grade 3)†† 74/74 42/46 32/28 0.503 障 害 側 ( 両 側 性/片側性)†† 87/61 51/37 36/24 0.804 改 訂 版 SR-FAI(点)† 23.8±8.3 25.4±8.1 21.5±8.2 0.008 JKOM(点)† 49.0±21.1 46.2±21.1 53.3±20.6 0.058
平 均 ±標 準 偏 差 ,†:2 標 本 t 検 定 ,††:χ2検 定 ,BMI:body mass index, KL 分 類 :Kellgren-Lawrence 分 類
SR-FAI:self rating Frenchay activities index,JKOM:Japanese knee osteoarthritis measure
表 4:選択された属性因子と歩行獲得との ROC 分析の結果
カ ッ ト オ フ 値 感 度 特 異 度 LR+ LR- AUC p 値 95%信頼区間 年 齢 74 歳 54.5% 68.3% 1.7 0.7 0.617 0.016 0.524-0.710 改 訂 版 SR-FAI 26 点 51.9% 73.6% 2.0 0.7 0.633 0.010 0.537-0.728 AUC: area under the curve, LR+:positive likelihood ratio,LR-:negative likelihood ratio
図 1:年齢の ROC 曲線
各 群 の 術 前 機 能 と 術 後 2 週の機能を比較した結果,歩行獲得群では,術後 2 週の術側膝 伸 展 筋 力 ・ 非 術 側 膝 伸 展 筋 力 ・ 術 側 膝 屈 曲 筋 力 ・ 術 側 膝 屈 曲 ROM・NRS・5mMWS は術 前 機 能と比較して有意に低値を示したが,術後2 週の術側膝伸展 ROM は有意に高値を示した(表 5).また,歩行遅延群では,術後 2 週の術側膝伸展筋力・非術側膝伸展筋力・術側膝屈曲筋 力・術側膝屈曲 ROM・5mMWS は,術前機能と比較して有意に低値を示した(表 6).すなわ ち,両群とも術後2 週の術側膝伸展筋力・術側膝屈曲筋力・術側膝屈曲 ROM・5mMWS は,術 前機能と比較して有意 に低下していたが,歩行獲得群の術後 2 週の術側膝伸展 ROM と疼痛 は , 術 前 機 能 と 比 較 し て 有 意 に改善していた( 図 3~図 6). 表 5:歩行獲得群の術前機能と術後機能の比較(n=88) 術 前 術 後 2 週 p 値 95%信頼区間 下 限 上 限 術 側 膝 伸 展 筋 力 (Nm/kg) 0.81±0.36 0.55±0.29 p<0.001 -0.31 -0.19 非 術 側 膝 伸 展 筋 (Nm/kg) 0.99±0.42 0.91±0.38 0.002 -0.14 -0.03 術 側 膝 屈 曲 筋 力 (Nm/kg) 0.44±0.22 0.33±0.17 p<0.001 -0.14 -0.06 非 術 側 膝 屈 曲 筋 (Nm/kg) 0.50±0.25 0.48±0.21 0.353 -0.05 0.02 術 側 膝 伸 展 ROM(°) -8.9±8.4 -5.8±5.9 0.001 1.3 4.9 非 術 側 膝 伸 展 ROM(°) -5.6±7.6 -4.8±6.9 0.340 -0.6 1.5 術 側 膝 屈 曲 ROM(°) 123.6±19.6 114.5±15.6 p<0.001 -12.4 -5.8 非 術 側 膝 屈 曲 ROM(°) 130.3±15.6 131.0±13.7 0.468 -1.2 2.5 NRS(点) 2.2±2.6 1.5±1.4 0.020 0.1 1.3 5mMWS(m/秒) 1.16±0.29 1.05±0.24 p<0.001 -0.18 -0.06
表 6:歩行遅延群の術前機能と術後機能の比較(n=60) 術 前 術 後 2 週 p 値 95%信頼区間 下 限 上 限 術 側 膝 伸 展 筋 力 (Nm/kg) 0.84±0.32 0.46±0.23 p<0.001 -0.45 -0.29 非 術 側 膝 伸 展 筋 力 (Nm/kg) 0.95±0.32 0.82±0.27 p<0.001 -0.20 -0.06 術 側 膝 屈 曲 筋 力 (Nm/kg) 0.45±0.19 0.27±0.12 p<0.001 -0.22 -0.12 非 術 側 膝 屈 曲 筋 力 (Nm/kg) 0.51±0.21 0.47±0.17 0.139 -0.07 0.01 術 側 膝 伸 展 ROM(°) -7.7±8.3 -6.6±6.3 0.237 -0.8 3.2 非 術 側 膝 伸 展 ROM(°) -5.4±6.0 -4.9±5.5 0.253 -0.4 1.6 術 側 膝 屈 曲 ROM(°) 122.4±18.0 110.9±13.0 p<0.001 -15.3 -6.6 非 術 側 膝 屈 曲 ROM(°) 129.9±16.9 129.2±14.9 0.834 -2.7 2.2 NRS(点) 1.3±2.0 1.3±1.6 0.961 -0.7 0.7 5mMWS(m/秒) 0.94±0.31 0.69±0.19 p<0.001 -0.33 -0.15
図 3:2 群の術前と術後 2 週の膝関節筋力の比較
図 5:2 群の術前と術後 2 週の疼痛の比較
第 4 節 考察 本 研 究 で は , 歩 行 獲 得 に 対 す る 術 後 早 期 の 機 能 回 復 の 違 い に つ い て 検 討 す る た め に , 歩 行 自 立 日 数 が 術 後 14 日以内の者を歩行獲得群,術後 14 日を超過した者を歩行遅延群とし て 2 群に分類して比較 した.本研究における歩行獲得の判断基準は,①2 名の理学療法士 が 歩 行 観 察 を 行 い ,T 字杖歩行が安定して 50m 以上可能であると主観的に判断した場合, ② 対 象 者 自 身 がT 字杖歩行に自信を持った場合,③ TUG が 13.5 秒未満になった場合とし, 3 条件をすべて満たすまでに要した術後日数を歩行自立日数と定義した.臨床現場にお け る 歩 行 自 立 の 判 断 は , 担 当 理 学 療 法 士 に 委 ね ら れ て お り , そ の 判 断 基 準 は 担 当 理 学 療 法 士 に よ っ て 様 々 で あ る .本 研 究 で は ,理 学 療 法 士 に よ る 定 性 的 評 価 と 対 象 者 の 自 信 に 加 え て , 定 量 的 評 価 と い う 3 つを 組み 合 わせ て, 歩 行自 立 の 判 断基 準と し た. 客観 的 指標 であ る TUG に関しては,転倒のカットオフ値である 13.5 秒 36)を 採 用 し た が ,序 論 で 記 述 し た よ
う に TKA 適用となった膝 OA 患者の術前 TUG の平均は 12.3 秒であったこと ,TKA 後に 農 作 業 や 海 外 旅 行 が 行 え る ほ ど 活 動 性 が 改 善 し た と の 報 告 42)が あ る こ と か ら ,TKA 後の 歩 行 能 力 と し て 達 成 可 能 な 基 準 で あ る と 考 え る . 2 群の属性因子の違い を比較した結果 ,歩行遅延群と比較して,歩行獲得群の年齢は若 く,術前の活動性は高かった.また, 歩行獲得に対する年齢のカットオフ値は 74 歳で LR +は 1.7 であり,改訂版 SR-FAI のカットオフ値は 26 点で LR+は 2.0 であった.尤度比 に 関しては,LR+が 10 を超えるような検査は高価で危険なことが多く,一般的な検査は LR +が 2.0~5.0 であり,検査前確率が中等度のときのみ有用であるとされている 43). 年 齢 と 改 訂 版 SR-FAI の歩行獲得に対する カットオフ値は一定の判別能力を有するため,術前 に 歩 行 獲 得 を 判 別 す る 際 の 臨 床 判 断 に 活 用 す る こ と が で き る と 考 え る . す な わ ち , 検 査 前 確 率 が 中 等 度 で あ る 場 合 ,年 齢 が 後 期 高 齢 者 よ り 若 く( 年 齢 が 74 歳以下),術前の活動性 が 中等度以上(改訂版 SR-FAI が 26 点以上)の TKA 適用患者は,標準的なリハビリテーショ ン介 入 を 実 施 す る こ と に よ っ て , 術 後 14 日以内に T 字杖歩行を獲得できる可能性は高い と 考 え る . 歩 行 獲 得 群 の 術 後 2 週の術側膝伸展 ROM と疼痛は,術前機能と比較して有意に改善し て い た . 日 常 生 活 で は ,83~105°の膝関節屈曲角度が必要とされており 44), 床 上 動 作 な ど を 行 う 和 式 の 生 活 様 式 に お い て は ,よ り 深 い 屈 曲 角 度 が 必 要 に な る .ま た ,TKA 後は術 後 早 期 よ り continuous passive motion(CPM)を用いた ROM 運動が行われており,術
後 の 膝 関 節 屈 曲 角 度 に つ い て の 検 討 が 積 極 的 に 行 わ れ て い る 45).一 方 ,歩 行 中 の 膝 関 節 の 正 常 な 運 動 範 囲 は 0~70°であり,膝伸展 ROM が制限されると,立脚中期から立脚後期 の 前 方 へ の 推 進 力 が 低 下 し て ,歩 行 能 力 が 低 下 す る こ と が 指 摘 さ れ て い る 46).本 研 究 で は ア ウ ト カ ム を 歩 行 獲 得 と し た た め , 膝 伸 展 ROM に有意な差が認められたと考える .これ ら の こ と か ら ,TKA 後の歩行獲得を目的とした早期リハビリテーションでは ,膝伸展 ROM の 改 善 と 疼 痛 軽 減 に 着 目 す べ き で あ る と 考 え る . 歩 行 獲 得 群 と 歩 行 遅 延 群 の 術 後 2 週 の 術側 膝伸 展 筋力 ・術 側 膝屈 曲筋 力 ・術 側膝 屈曲 ROM・5mMWS は,術前機能と比較して有意 に低下していた.藤吉ら 24)は ,TKA 後 1 週 の 術 側 膝 伸 展 筋 力・術 側 膝 屈 曲 筋 力・術 側 膝 伸 展 ROM・術側膝屈曲 ROM は術前機能より 有 意 に 低 下 し て い た と 報 告 し て い る . 飛 永 ら 25)は ,TKA 適用患者の術前と術後 1 ヵ月の 膝 伸 展 筋 力・TUG を比較した結果,有意な差は認められなかったが,術後 3 ヵ月の膝伸展 筋 力 ・TUG は術前機能と比較して有意に改善していたと報告している.また, 中村ら 26) は,TKA 適用患者の術前と術後 6 ヵ月の下肢筋力・疼痛・10m 歩行時間・TUG を比較した 結 果 ,術 後 6 か月の機能は有意に改善していたと報告している.本研究においても術後 14 日 と い う 短 期 間 で は , 両 群 の 術 側 膝 伸 展 筋 力 ・ 術 側 膝 屈 曲 筋 力 ・ 術 側 膝 屈 曲 ROM・歩行 速 度 は ,術 前 機 能 ま で 回 復 し て い な い こ と が 明 ら か に な っ た .し た が っ て ,TKA 適用患者 の 膝 関 節 筋 力 ・ 膝 屈 曲 ROM・歩行速度を改善させるためには,退院後のリハビリテーシ ョ ン が 重 要 に な る と 考 え る . 本 研 究 の 限 界 と し て , 膝 OA の発症から手術までの期間や保存療法 の実施期間を調査し て い な い こ と , リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン 以 外 の 術 後 治 療 の 方 針 ( 対 象 者 の 服 薬 状 況 や 検 査 の 時 期 な ど ) を 統 一 す る こ と は で き な か っ た こ と が 挙 げ ら れ る . そ の た め , そ れ ら の 影 響 に つ い て ま で 言 及 す る こ と は で き な い .
第 5 節 結論 本 研 究 の 結 果 よ り ,歩 行 獲 得 群 と 歩 行 遅 延 群 の 術 後 2 週の術側膝伸展筋力・術側膝屈曲 筋 力 ・ 術 側 膝 屈 曲 ROM・5mMWS は,術前機能と比較して有意に 低値を示したが,歩行 獲 得 群 の 術 後2 週の術側膝伸展 ROM と疼痛は,術前機能と比較して有意に 高値を示した. す な わ ち , 歩 行 獲 得 が 順 調 に 進 む 症 例 は , 術 後 14 日目までに術側膝伸展 ROM が改善し, 疼 痛 が 軽 減 す る こ と が 明 ら か に な っ た .以 上 の こ と か ら ,TKA 後の歩行獲得を目的とした 早 期 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン で は , 膝 伸 展 ROM の改善と疼痛軽減に着目すべきである .
第
2 章
MIS 法による TKA 適用患者の入院期間
に影響を及ぼす機能的因子の検討
第 1 節 背景 第 1 章では,TKA 適用患者を対象に,歩行獲得に対する術後早期の機能回復の違いにつ い て 検 討 し た .そ の 結 果 ,歩行獲得群と歩行遅延群の術後2 週の術側膝関節筋力と術側膝屈 曲 ROM は,術前機能と比較して有意に低値を示したが,歩行獲得群の術後 2 週の術側膝 伸 展 ROM と疼痛は,術前機能と比較して有意に 高値を示した.すなわち,歩行獲得が順 調 に 進 む 症 例 は ,術 後 14 日目までに術側膝伸展 ROM が改善し,疼痛が軽減することが明 ら か に な っ た .以 上 の こ と か ら ,TKA 後の歩行獲得を目的とした早期リハビリテーション で は , 膝 伸 展 ROM の改善と疼痛軽減に着目すべきであることが示された.
近 年 ,TKA では MIS 法が行われるようになり,MIS 法による TKA 後は早期の運動を 獲 得することによって,安静による合併症の減少や廃用性障害の発生を防止できるという利 点が報告されている 47).第 1 章の研究では MIS 法による TKA が約 96%であり,我が国に お い て も 多 く 実 施 さ れ て い る こ と が 示 唆 さ れ た . 加 え て ,MIS 法による TKA は従来法と 比較して,術後の疼痛軽減や関節機能の早期回復が認められるため,入院期間の短縮に有効で あることが報告されている27-29).本邦における TKA 適用患者の入院期間には,医療保険制度や 社会的背景が影響すると推察されている31).また,眞田ら48)は,TKA 適用患者の入院期間と術 前機能(膝伸展ROM・膝屈曲 ROM・疼痛・TUG)との関係を検討した結果,有意な関係は 認められなかったと報告している.さらに,石原ら 49)は,TKA 適用患者の入院期間に影響 を及ぼす因子を明らかにするために,術前の膝伸展 ROM・膝屈曲 ROM・下肢伸展挙上筋 力・T 字杖歩行獲得日数を説明変数とした多変量解析を行った結果,T 字杖歩行獲得日数の みが抽出され,術前の身体機能(膝伸展 ROM・膝屈曲 ROM・下肢伸展挙上筋力)は抽出 されなかったと報告している.社会的要因や術前機能は,術後のリハビリテーション 介入に よる改善が不可能な因子であるため,術後早期のリハビリテーション介入に反映させること はできない.術後早期のリハビリテーション介入に反映させるためには,理学療法士が介入 可能な術後早期の機能回復と入院期間との関係を検討することによって,早期リハビリテー ションにおいて着目すべき機能を明らかにする 必要があると考える. 本 研 究 で は ,MIS 法による TKA 適用患者の入院期間に影響を及ぼす機能的因子につい て 検 討 し , 入 院 期 間 短 縮 を 目 的 と し た 早 期 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン に お い て 着 目 す べ き 機 能 を 明 ら か に す る こ と を 目 的 と し た .
第 2 節 方法 第 1 項 対象 協 力 が 得 ら れ た 4 施設において,2013 年 7 月~2015 年 12 月までの間にパスを使用し た 膝 OA 患者 193 名を対象とした .選択基準は年齢が 50~90 歳,KL 分類 Grade 3 ある いはGrade 4 とし,除外基準は従来法による TKA,反対側の手術歴,両側同時施行,FTA<180° とした.すわなち,本研究の分析対象は,MIS 法による片側 TKA を施行した内側型膝 OA 患 者 123 名(男性 22 名,女性 101 名,年齢 75.5±6.6 歳)であった(図 1). 本 研 究 は 吉 備 国 際 大 学 倫 理 審 査 委 員 会 か ら 承 認( 受 理 番 号 14-31)され,対象者には事 前 に 本 研 究 の 目 的 と 内 容 に 関 す る 説 明 を 行 い , 同 意 を 得 た . 図 1:対象者選定のフローチャート 第 2 項 方法 研 究 デ ザ イ ン は ,前 向 き コ ホ ー ト 研 究 で あ る .協 力 が 得 ら れ た 4 施設では,術後 1 日目 か ら リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン を 開 始 し て お り , 病 室 で は 状 態 に 応 じ て 1 日 20~40 分,リハビ リ テ ー シ ョ ン 室 で は 原 則 1 日 40 分のリハビリテーションを実施した .また,術側膝関節 を 中 心 と し た 筋 力 増 強 運 動 や ROM 運動,歩行練習や ADL 練習といった標準的なリハビリ
テ ー シ ョ ン 介 入 34)が 実 施 さ れ て お り ,そ の 他 の 特 殊 手 技 を 用 い た 介 入 は 行 わ れ て い な い こ と を 確 認 し た . 協 力 施 設 に お け る 術 後 の リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン ス ケ ジ ュ ー ル と 介 入 内 容 を 表 1 に示す. 表 1:パスで設定されている術後リハビリテーションスケジュール 術 後 1 日目 病 室 に て リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン 開 始 起 居 ・ 起 立 ・ 移 乗 動 作 練 習 開 始 関 節 可 動 域 運 動 ・ 筋 力 増 強 運 動 開 始 術 後 2~3 日目 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン 室 に て リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン 開 始 歩 行 練 習 開 始 ( 平 行 棒 ・ 歩 行 器 使 用 →T 字杖) 術 後 7~14 日目 応 用 歩 行 練 習 開 始 ( 階 段 昇 降 や 屋 外 歩 行 な ど ) 床 上 動 作 練 習 開 始 術 後 14~21 日目 退院(退院指導 ) 測 定 時 期 は , 術 前 入 院 時 と 術 後 14 日目とした.ベースライン調査として,術前入院時 に 基 本 属 性 で あ る 性 別 ・ 年 齢 ・BMI,医学的属性である運動習慣・ KL 分類・FTA・障害 側・FIM,身体機能である術側・非術側の下肢筋力(膝伸展筋力・膝屈曲筋力)41)・術側・ 非術側関節可動域(膝伸展 ROM・膝屈曲 ROM)・疼痛,歩行能力である 5mMWS の調査・ 測 定 を 行 っ た . ま た , 追 跡 調 査 と し て , 術 後 14 日目の身体機能と歩行能力 ,歩行自立日 数 の 測 定 を 行 っ た . 運動習慣に関しては,週 2 回以上,1 回 30 分以上の運動(ウォーキング,筋力トレーニ ン グ , ス ト レ ッ チ ) を 1 年以上継続している者を運動習慣あり,それ以外を運動習慣 なし とし,障害側については両側性膝 OA あるいは片側性膝 OA に判別した.筋力は,HHD を使 用 し ,等 尺 性 最 大 筋 力 を 測 定 し た .測 定 肢 位 は 両 腕 を 前 胸 部 で 組 み ,膝 関 節 は 90°屈曲位, 非 測 定 側 の 足 底 の み 台 に 接 地 し た 端 座 位 と し た . 筋 出 力 を 受 け る HHD のセンサー部の位 置 は , 膝 伸 展 筋 力 で は 下 腿 遠 位 前 面 , 膝 屈 曲 筋 力 で は 下 腿 遠 位 後 面 と し た . 測 定 に は 固 定 用 ベ ル ト を 併 用 し , 膝 伸 展 筋 力 で は ベ ッ ド 脚 に ベ ル ト を 固 定 し , 膝 屈 曲 筋 力 で は 検 者 の 下 腿 部 に ベ ル ト を 固 定 し た . ま た , ア ー ム 長 と し て , 膝 関 節 外 側 裂 隙 か ら セ ン サ ー の中心部 までの距離を測定した.測定は休憩時間を設けて 2 回繰り返し行い,センサー部の出力の最 大値(N)とアーム長(m)の積を対象者の体重(kg)で除したトルク体重比(Nm/kg)の平均値
を 算 出 し た .ROM は,日本整形外科学会および日本リハビリテーション医学会が推奨す る 方 法 に 準 じ ,ゴ ニ オ メ ー タ ー を 用 い て 5°単位で測定した.疼痛については NRS を使用 し て ,術 側 膝 関 節 の 安 静 時 痛 を 評 価 し た .5mMWS の測定は,室内に設けられた 11m の直 線 歩 行 路 を 用 い , 歩 行 路 の 両 端 の 3m を予備路とした.対象者の下肢が, スタートライン を横切った時点からゴールラインを横切った時点までの所要時間を測定し,5mMWS(m/秒) を 算 出 し た . 本 研 究 に お け る 歩 行 自 立 日 数 の 定 義 は ,T 字杖歩行が自立するまでに要した 日 数 と し た . そ の 判 定 基 準 は , ①2 名の理学療法士が歩行観察を行い, T 字杖歩行が安定 して 50m 以上可能であると主観的に判断した場合,②対象者自身が T 字杖歩行に自信があ る場合,③TUG が 13.5 秒未満になった場合 36)と し ,3 条件をすべて満たすまでに要した 術 後 日 数 を 歩 行 自 立 日 数 と し た . 入 院 期 間 は , 手 術 翌 日 か ら 退 院 日 ま で の 術 後 入 院 日 数 と し , 退 院 基 準 は 応 用 歩 行 (T 字杖使用)が安定して可能であり,床上動作や入浴動作の獲 得 を 達 成 し た 場 合 と し た . 第 3 項 統計解析 入 院 期 間 に 影 響 を 及 ぼ す 機 能 的 因 子 を 抽 出 す る た め に , 術 後 入 院 日 数 を ア ウ ト カ ム と し た 重 回 帰 分 析 を 行 っ た .重 回 帰 分 析 で は ,術 前 と 術 後 2 週の身体機能・歩行能力の変化量, 歩 行 自 立 日 数 を 説 明 変 数 と し て ス テ ッ プ ワ イ ズ 法 に よ り 変 数 選 択 を 行 い , 基 本 属 性 と 医 学 的 属 性 を 交 絡 因 子 と し て 強 制 投 入 し て 調 整 を 行 っ た . そ の 際 , 身 体 機 能 ・ 歩 行 能 力 の 変 化 量 に つ い て は ,術 前 機 能 よ り 術 後 2 週の機能が改善している場合はプラス,術前機能より 術 後 2 週の機能が劣っている場合はマイナスになるように算出した .また,医学的属性で あ る KL 分類は Grade 4 を「1」,Grade 3 を「0」とした.なお,説明変数の選択につい て は , 先 行 研 究 50),51)に 従 い , 事 前 に ス ク リ ー ニ ン グ を 行 い , 有 意 水 準 が 0.20 を下回る説 明 変 数 の み 重 回 帰 モ デ ル に 投 入 し た . 統 計 ソ フ ト は SPSS Statistics 22 を使用し,有意水 準 は 5%とした. 第 3 節 結果 本 研 究 対 象 者 の 基 本 属 性 と 医 学 的 属 性 を 表 2,術前と術後 2 週の身体機能・歩行能力と 歩 行 自 立 日 数 を 表 3 に示す.
表 2:術前の基本属性と医学的属性(n=123) 基 本 属 性 性 別 男 性 :22 名 女 性 :101 名 年 齢 (歳 ) 75.5 ± 6.6 BMI(kg/m2) 25.4 ± 3.7 医 学 的 属 性 運 動 習 慣 有 :39 名 無 :84 名 KL 分類 Grade 4:72 名 Grade 3:51 名 FTA(度) 186.8 ± 5.1 障 害 側 両 側 性 :80 名 片 側 性 :43 名 FIM(点) 120.8 ± 4.4 数 値 は平 均 ±標 準 偏 差 を示 す.
BMI: body mass index, KL 分 類 : Kellgrem-Lawrence 分 類 FTA: femorotibial angle, FIM: functional independence measure
表 3:術前機能・術後機能と歩行自立日数(n=123) 術 前 術 後 2 週 術 側 膝 伸 展 筋 力 (Nm/kg) 0.81 ± 0.34 0.49 ± 0.23 非 術 側 膝 伸 展 筋 力 (Nm/kg) 0.92 ± 0.36 0.83 ± 0.31 術 側 膝 屈 曲 筋 力 (Nm/kg) 0.43 ± 0.20 0.30 ± 0.14 非 術 側 膝 屈 曲 筋 力 (Nm/kg) 0.49 ± 0.22 0.46 ± 0.20 術 側 膝 伸 展 ROM(度) -9.2 ± 8.2 -6.7 ± 6.4 非 術 側 膝 伸 展 ROM(度) -6.3 ± 7.3 -5.0 ± 6.2 術 側 膝 屈 曲 ROM(度) 121.9 ± 17.2 112.2 ± 16.2 非 術 側 膝 屈 曲 ROM(度) 129.9 ± 14.2 129.7 ± 13.4 NRS(点) 2.2 ± 2.7 1.7 ± 1.8 5mMWS(m/秒) 1.00 ± 0.33 0.89 ± 0.29 歩 行 自 立 日 数 ( 日 ) 13.8 ± 4.3
数 値 は 平 均 ±標 準 偏 差 を 示 す .ROM: range of motion, NRS: numerical rating scale
単 変 量 解 析 に よ っ て 抽 出 さ れ た 説 明 変 数 は 術 側 膝 伸 展 筋 力 変 化 量 , 術 側 膝 屈 曲 筋 力 変 化 量 ,術 側 膝 伸 展 ROM 変化量,非術側膝伸展 ROM 変化量,術側膝屈曲 ROM 変化量,NRS 変 化 量 ,5mMWS 変化量と歩行自立日数であった( p<0.20).これらの因子を投入した重 回 帰 分 析 の 結 果(p<0.001,R=0.540,R2=0.291),入院期間に影響を及ぼす機能的因子 は ,歩 行 自 立 日 数(p<0.001,β=0.540)であった.次に,交絡因子を投入し て重回帰分 析を行った結果(p<0.001,R=0.730,R2=0.533),歩行自立日数(p<0.001,β=0.495), 5mMWS 変化量(p=0.008,β=-0.285)が抽出された(表 4).本研究対象者の歩行自立 日 数 の 平 均 は 13.8±4.3 日,5mMWS 変化量の平均は-0.15±0.30m/秒であり,術後 2 週の 5mMWS は術前機能を上回っていなかった.また,交絡因子では KL 分類(p=0.021,β =0.251)が抽出され,本研究対象者の KL 分類は Grade 4 が 58.5%,Grade 3 が 41.5%で あ っ た . 本 研 究 の 結 果 よ り , 歩 行 自 立 日 数 と 歩 行 速 度 は 入 院 期 間 に 影 響 を 及 ぼ す 機 能 的 因 子 で あ り , 交 絡 因 子 の 影 響 か ら も 独 立 し て い た .
表 4:入院期間に影響を及ぼす因子 独 立 変 数 β p 値 95%信頼区間 交 絡 因 子 投 入 前 定 数 ― <0.001 11.209 ~ 16.448 歩 行 自 立 日 数 0.540 <0.001 0.376 ~ 0.747 交 絡 因 子 投 入 後 定 数 ― 0.120 -88.938 ~ 10.515 歩 行 自 立 日 数 0.495 <0.001 0.300 ~ 0.740 5mMWS 変化量 -0.285 0.008 -0.126 ~ -0.020 KL 分類 0.251 0.021 0.362 ~ 4.171 性 別 -0.120 0.248 -3.893 ~ 1.029 年 齢 0.173 0.093 -0.020 ~ 0.245 BMI 0.104 0.383 -0.154 ~ 0.395 運 動 習 慣 -0.070 0.496 -2.789 ~ 1.368 FTA 0.105 0.313 -0.089 ~ 0.273 障 害 側 0.014 0.892 -2.011 ~ 2.304 FIM 0.163 0.134 -0.061 ~ 0.441 交 絡 因 子 投 入 前 :R=0.540, R2=0.291, ANOVA:p<0.001 交 絡 因 子 投 入 後 :R=0.730, R2=0.533, ANOVA:p<0.001
β: 標 準 偏 回 帰 係 数 , 5mMWS: 5m maximum walking speed, KL 分 類 : Kellgrem-Lawrence 分 類
第 4 節 考察 TKA 後の入院期間については,医療保険制度の違いなどの社会的要因や生活習慣の違いな どの文化的要因の影響を受けるため,各国によって様々であることが報告されている 52).ま た,Husted ら 53)は ,TKA 後の入院期間について調査した結果,2000 年には 10~11 日で あったが,2009 年には 4 日に短縮したと報告しており,近年欧米では TKA の入院期間は 術 後 3~4 日が一般的になっている54). 我 が 国 に おいても,TKA 後の入院期間は短縮して おり,近年は入院期間を術後 2~3 週に設定しているパスが多い55),56).本邦における入院期 間に関する先行研究では,社会的要因が影響すると推察されていること 31),術 前 の 身 体 機 能 や 歩 行 能 力 が 予 測 因 子 に は な ら な い こ と が 報 告 さ れ て い る が 48),49), 術 後 早 期 の 機 能 回 復 と 入 院 期 間 と の 関 係 に つ い て は 明 ら か に な っ て い な い . そ の た め , 本 研 究 で は 入 院 期 間 を ア ウ ト カ ム ,術 前 か ら 術 後 2 週の身体機能・歩行能力の変化量と歩行自立日数を説明変数と した重回帰分析を行った.そ の 結 果 ,膝 関 節 筋 力 や ROM などの身体機能の変化量は抽出さ れ な か っ た が ,歩 行 能 力 で あ る 5mMWS の変化量と歩行自立日数は 有意な変数として抽出 さ れ た . す な わ ち , 術 前 か ら 術 後 14 日目までの歩行速度の回復が早く,早期に T 字杖歩 行 が 獲 得 で き る 症 例 は ,入 院 期 間 が 短 期 化 す る こ と が 明 ら か に な っ た .こ れ ら の こ と か ら , MIS 法による TKA 適用患者の入院期間短縮を目的とした早期リハビリテーションでは, 歩 行 速 度 の 回 復 と 早 期 の 歩 行 獲 得 に 着 目 す べ き で あ る と 考 え る . Munin ら 57)は , 術 後 3 日目からリハビリテーション介入を開始した群は,術後 7 日目 か ら リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン 介 入 を 開 始 した群と比較して,入院期間が有意に短縮したと報告 している.また,Labraca ら 58)は,術 後 24 時間以内にリハビリテーション介入を開始し た 群 ( 早 期 介 入 群 ) は 術 後 48~72 時間の間にリハビリテーション介入を開始した群(コ ン ト ロ ー ル 群 ) と 比 較 し て 入 院 期 間 が 有 意 に 短 か っ た と 報 告 し て い る . 先 行 研 究 で は , 術 後早期のリハビリテーション介入が入院期間の短縮に効果的であることが指摘されている. 我 が 国 で は , 近 年 の 診 療 報 酬 改 定 に お い て , 疾 患 別 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン の 日 数 制 限 や 初 期 加 算 を 定 め て ,早 期 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン の 実 施 を 推 奨 し て お り ,TKA では早期離床の促進 を 目 的 と し て ,術 後 1 日目からリハビリテーションを開始することが一般的となっている. そ の た め ,術 後 1 日目からリハビリテーション介入を開始する施設において,入院期間に 影 響 を 及 ぼ す 機 能 的 因 子 を 明 ら か に す る 必 要 が あ る .本 研 究 で は ,術 後 1 日目からリハビ リ テ ー シ ョ ン を 実 施 す る 施 設 に お い て , 入 院 期 間 に 影 響 を 及 ぼ す 機 能 的 因 子 に つ い て 検 討
を 行 っ た .そ の 結 果 ,理学療法士が介入可能な歩行速度の回復と早期の歩行獲得が,入 院 期 間 に 影 響 を 及 ぼ す 機 能 的 因 子 で あ る こ と が 明 ら か に な っ た .本 研 究 結 果 は ,TKA 後早期の リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン 介 入 を 検 討 す る う え で の 一 助 に な る と 考 え る . 本 研 究 の 限 界 と し て , 膝 OA の発症から手術までの期間や保存療法 の実施期間を調査し て い な い た め , そ れ ら の 影 響 に つ い て は 不 明 で あ る こ と が 挙 げ ら れ る . ま た , 本 研 究 は 多 施 設 共 同 研 究 で あ る た め , リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン 以 外 の 術 後 治 療 の 方 針 ( 対 象 者 の 服 薬 状 況 や 検 査 の 時 期 な ど ) を 統 一 す る こ と は 不 可 能 で あ っ た . 第 5 節 結論 本 研 究 の 結 果 よ り , 歩 行 速 度 の 変 化 量 と 歩 行 自 立 日 数 は 入 院 期 間 に 影 響 を 及 ぼ す 機 能 的 因 子 で あ り , 交 絡 因 子 の 影 響 か ら も 独 立 し て い た . 一 方 , 膝 関 節 筋 力 や ROM などの身体 機 能 の 変 化 量 は ,入 院 期 間 に 影 響 を 及 ぼ す 機 能 的 因 子 と し て 抽 出 さ れ な か っ た .す な わ ち , 術 前 か ら 術 後 14 日目までの歩行速度の回復が早く,早期に T 字杖歩行が獲得できる症例 は , 入 院 期 間 が 短 期 化 す る こ と が 明 ら か に な っ た . 以 上 の こ と か ら ,MIS 法による TKA 適 用 患 者 の 入 院 期 間 短 縮 を 目 的 と し た 早 期 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン で は , 歩 行 速 度 の 回 復 と 早 期 の 歩 行 獲 得 に 着 目 す べ き で あ る .
第
3 章 総合考察
TKA 後の早期リハビリテーションでは,術側膝関節を中心とした筋力増強運動や ROM 運 動 , 歩 行 練 習 や ADL 練習が標準的な介入 34)と し て 実 施 さ れ て い る . 本 研 究 で は , 標 準 的 な リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン 介 入 を 実 施 し て い る TKA 適用患者を一定期間追跡調査し, 術後 早 期 の 機 能 回 復 と 歩 行 獲 得 ・ 入 院 期 間 と の 関 係 に 焦 点 を 当 て て 検 討 し た . 第1 章の結果より,歩行獲得群と歩行遅延群の術後 2 週の術側膝関節筋力・術側膝屈曲 ROM は,術前機能と比較して有意に低値を示したが,歩行獲得群の術後 2 週の術側膝伸展 ROM と疼痛は,術前機能と比較して有意に高値を示した.すなわち,歩行獲得が順調に進む症例 は,術後14 日目までに術側膝伸展 ROM が改善し,疼痛が軽減することが明らかになった.ま た,第1 章における歩行自立日数は平均 14.3 日であったことから,歩行獲得が可能となった 時 点 に お い て も , 術 後 14 日という短期間 では,術側膝関節筋力と術側膝屈曲 ROM は術前 機能まで回復しないことが明らかになった.TKA 後の早期リハビリテーションでは,膝伸展筋 力の増強16)や膝屈曲ROM の改善17),45)に着目した介入が実施されている.一 方 で ,TKA 後の 炎 症 に 関 す る 先 行 研 究 で は ,C 反応性蛋白(C-reactive protein:CRP)は術後 4 日目に最 も 高 く な り , 術 後 3 週目まで炎症反応が認められ ること が報 告され てい る 59). そ の た め , 術 後 3 週目までは疼痛や腫脹・熱感などの手術侵襲による炎症症状の改善を重視すべきで あ り , 炎 症 症 状 を 助 長 す る 危 険 が あ る 強 制 的 な 膝 屈 曲 ROM 運動や負荷の強い筋力増強運 動 は 避 け る べ き で あ る と 考 え る .以 上 の こ と か ら ,TKA 後の膝 OA 患者の歩行獲得を促進 さ せ る た め に は , 炎 症 症 状 の 改 善 に よ る 疼 痛 軽 減 と 膝 伸 展 ROM の改善に着目すべきであ り , こ れ ら の こ と を 理 学 療 法 評 価 と 治 療 に 反 映 す べ き で あ る と 考 え る . 第 2 章の結果より,MIS 法による TKA 適用患者の入院期間に影響を及ぼす機能的因子 と し て , 膝 関 節 筋 力 や ROM などの身体機能の変化量は抽出されなかったが,歩行速度の 変 化 量 と 歩 行 自 立 日 数 は 有 意 な 変 数 と し て 抽 出 さ れ た . 我 が 国 で は , 入 院 期 間 に 影 響 を 及 ぼ す 因 子 と し て ,社 会 的 要 因 が 影 響 す る と 推 察 さ れ て お り 31),術前機能から入院期間を予測 することはできなかったという報告 48),49)がされている.社 会 的 要 因 や 術 前 機 能 は ,術 後 の リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン に よ る 改 善 が 不 可 能 な 因 子 で あ る た め , 術 後 の リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン 介 入 に 反 映 さ せ る こ と は で き な い . 一 方 , 本 研 究 で は , 理 学 療 法 士 が 介 入 可 能 な 歩 行 能 力 の 変 化 が 入 院 期 間 に 影 響 を 及 ぼ す こ と を 明 ら か に し た た め , 歩 行 能 力 の 早 期 改 善 に 主 眼 を 置 い た 介 入 研 究 を 実 施 し て 効 果 を 検 証 す る こ と に よ っ て , リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン 介 入 に 反 映 さ せる こ と が で き る と 考 え る . 以 上 の こ と か ら , 本 研 究 結 果 は , 歩 行 能 力 の 早 期 改 善 に 主 眼 を 置 い た 活 動 性 を 高 め る 介 入 を 積 極 的 に 実 施 す る こ と に よ っ て ,MIS 法による TKA 適用患 者 の 入 院 期 間 短 縮 に 繋 が る 可 能 性 を 見 出 し た と 考 え る .
本 研 究 は ,TKA 後の早期リハビリテーションにおいて,着目すべき機能を明らかにする こ と が で き た た め , 理 学 療 法 学 の 発 展 に 寄 与 す る と 考 え る .
終 章 結 論(総 合)
本 研 究 で は ,TKA 後の機能回復と歩行獲得・入院期間との関係について検討し,早期リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン に お い て 着 目 す べ き 機 能 を 明 ら か に す る こ と を 目 的 と し た . 第1 章では,TKA 後の歩行獲得に対する術後早期の機能回復の違いについて検討し た結 果 ,歩 行 獲 得 群 と 歩 行 遅 延 群 の 術 後 2 週の術側膝伸展筋力・術側膝屈曲筋力・術側膝屈曲 ROM・5mMWS は,術前機能と比較して有意に低値を示した が,歩行獲得群の術後 2 週の 術 側 膝 伸 展 ROM と疼痛は,術前機能と比較して有意に 高値を示した.すなわち,歩行獲 得 が 順 調 に 進 む 症 例 は ,術 後 14 日目までに術側膝伸展 ROM が改善し,疼痛が軽減するこ と が 明 ら か に な っ た .以 上 の こ と か ら ,TKA 後の歩行獲得を目的とした早期リハビリテー シ ョ ン で は , 膝 伸 展 ROM の改善と疼痛軽減に着目すべきである . 第 2 章では,MIS 法による TKA 適用患者の入院期間に 影響を及ぼす機能的因子につい て 検 討 し た 結 果 , 歩 行 速 度 の 変 化 量 と 歩 行 自 立 日 数 は 入 院 期 間 に 影 響 を 及 ぼ す 機 能 的 因 子 で あ り , 交 絡 因 子 の 影 響 か ら も 独 立 し て い た . 一 方 , 膝 関 節 筋 力 や ROM などの身体機能 の 変 化 量 は , 入 院 期 間 に 影 響 を 及 ぼ す 機 能 的 因 子 と し て 抽 出 さ れ な か っ た . す な わ ち , 術 前から術後 2 週までの歩行速度の回復が早く,早期に T 字杖歩行が獲得できる症例は,入 院 期 間 が 短 期 化 す る こ と が 明 ら か に な っ た . 以 上 の こ と か ら ,MIS 法による TKA 適用患 者 の 入 院 期 間 短 縮 を 目 的 と し た 早 期 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン で は , 歩 行 速 度 の 回 復 と 早 期 の 歩 行 獲 得 に 着 目 す べ き で あ る . 第 3 章では,第 1 章と第 2 章の結果を基に, TKA 後の早期リハビリテーション に対す る 臨 床 提 言 を 述 べ た .TKA 後の膝 OA 患者の歩行獲得を促進させるためには,炎症症状の 改善による疼痛軽減と膝伸展 ROM の改善に着目すべきであり,これらのことを理学療法評価 と治療に反映すべきである.ま た ,本 研 究 結 果 は 歩 行 能 力 の 早 期 改 善 に 主 眼 を 置 い た 活 動 性 を 高 め る 介 入 を 積 極 的 に 実 施 す る こ と に よ っ て ,MIS 法による TKA 適用患者の入院期間 短 縮 に 繋 が る 可 能 性 を 見 出 し た .謝 辞
本 研 究 の 調 査 ・ 測 定 に ご 協 力 い た だ き ま し た 患 者 様 , 協 力 施 設 の 理 学 療 法 士 の 皆 様 に 心 か ら 感 謝 申 し 上 げ ま す . ま た , 大 学 院 に お い て , ご 指 導 い た だ き ま し た 吉 備 国 際 大 学 大 学 院 保 健 科 学 研 究 科 河 村 顕 治 教 授 に 心 か ら 感 謝 の 意 を 表 し ま す . そ し て , 多 施 設 共 同 研 究 に 共 に 取 り 組 み ,ご 指 導 い た だ き ま し た 国 際 協 力 機 構 グ ア テ マ ラ 事 務 所 玉 利 光 太 郎 先 生 , 広 島 国 際 大 学 内 田 茂 博 先 生 , 山 口 コ ・ メ デ ィ カ ル 学 院 伊 藤 秀 幸 先 生 , 川 崎 リ ハ ビ リテ ーション学院 田中繁治先生,放射線第一病院 森川真也先生に深く感謝いたします. 最後に,今まで支え続けてくれた家族に心から感謝いたします.学位論文 の基礎 とな る原著
1.天野徹哉,玉利光太郎,内田茂博,伊藤秀幸,田中繁治,森川真也,河村顕治(2016)人 工 膝 関 節 全 置 換 術 適 用 患 者 の バ リ ア ン ス 発 生 に 対 す る 背 景 因 子 と 術 後 早 期 の 機 能 回 復 の 違 い .Jpn J Rehabil Med 53:723-731
2.Tetsuya Amano, Kotaro Tamari, Shigeharu Tanaka, Shigehiro Uchida, Hideyuki Ito, Shinya Morikawa, Kenji Kawamura (2016) Factors for Assessing the Effectiveness of Early Rehabilitation after Minimally Invasive Total Knee Arthroplasty: A Prospective Cohort Study. PLOS ONE 11: e0159172. doi:10.1371/journal.pone.0159172
参 考文 献
1)田井中幸司,瀧澤 毅(2015)在宅高齢 女性の身体的健康寿命 と運動機能.日本運動 生 理 学 雑 誌 22:61-69
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