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Jane Eyre : 語り手としてのJane Rochesterとその信仰について

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Academic year: 2021

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(1)ルπιttγ θ ―一語 り手 としての Jane Rochester その信仰 につ いて一一. 直. 裕. 野. と. 子. 1. ル ηθ助 密 は愛 に 飢 え た孤 児. Jane Eyreが ,Gatesheadを. 出発 点 と して. Lowood,Thornield,Moor House(MortOnを 含 む )へ と生 活 の 場 を 移. し. て い くが ,そ の い ず れ の土 地 に お いて も自分 を圧 迫 す る もの と戦 い ,そ れ に 打 勝 って 次 の 世 界 へ と旅 立 ち , つ い に. Ferndeanで Rochesterと. の愛 と. 信 仰 に 満 ちた幸 せ な 結 婚生 活 に至 るまで の 成 長 物 語 で あ るが ,そ れ を結 婚 後. 10年 を経 て お よ そ30歳 にな った Jane Rochesterが 回顧 して語 る ,自 伝 の形 を と って い る。 しか し語 り手 」aneが どの よ うな人 物 で あ るか ,そ の正 体 は. ,. 最 終 章 で 語 り手 自身 が次 の よ うに述 べ るまで は ,決 して 明 らか に され る こ と はな い。. I have now been married ten years. I know what it is to live entirely for and with what I Iove best on earthe. l hold myself. supremely blest一 blest beyond what language can express; because l). I am my husband's life as funy as he is rrline.(che 38) 語 り手 の この よ うな 身分 が最 初 か らわ か って しま え ば この 小 説 の面 白 さは ま った く失 わ れ て しま うで あ ろ う。 そ れ が最 後 ま で 明示 され て いな いか ら こそ 読 者 は ,孤 独 な 激 情 に走 りや す い10歳 の少 女 が どの よ うな過 程 を経 て 成 長 し. 1)テ キス トは Everyman's Library版 を用いた。.

(2) Jaη. 9δ. θ正レrθ. て い くのか ,興 味深 くた ど って い くこ とがで きるわ けで あ る。 次 に ,語 り手 Jane Rochesterに は当然 の こ となが ら,言 葉 によ る表現能 力 が備わ って い る こ とを指 摘 してお きた い 。それ は ,幼 い Janeが なぜ 不幸 せ なのか と医 者 に 問われ た とき,的 確 に説明す る こ とがで きなか った こ とに つ いて ,語 り手 自身 が 次 のよ うに述 べ てい ることか らも明 らかで あろ う。 Children can feel,but they cannot analyse their feelings;and if the analysis is partiaHy effected in thought, they know not hO、 press the result of the process in words。. 物 語 の ヒロ イ ン,幼 い. v to ex_. (Ch. 3). Jane若 い Janeが 理解 で きなか った こ とを ,語 り. ane Rochesterは 全経験 の一 部 と して見 て的確 に判 断す ることがで きる 手 」 3). よ う にな って い るが ,そ れ を示 す最 初 の 例 を あげ て み よ う。 乱 暴 を働 い た. JOhnは 叱 られ な くて ,. 手 向 った 自分 だ け が 「 赤 い 部 屋 」. (the red rOOm)に 閉込 め られ 罰 せ られ る の は何 とい って も不 当だ , 家 出す るか 断食 して 死 にた い ,と い う幼 い. Janeの 気 持 が示 され た後 ,語. り手 は 次. の よ うに述 べ る。. What a consternation of soul was rnine that dreary afternoon! HoⅥ アan my brain was in tumult, and an my heart in insurrection!. Yet in what darkness, what dense ignorance, was the mental battle fought!. I could not ans、 ver the ceaseless in、 vard question― ―″λノ. I M7in not say hOW many I thus suffered; now, at the distance of― 一― years, I see it clearly。. 幼い. (ch. 2). Janeに はな ぜ こん な に辛 い 目に あわね ば な らな い の か理 解 で きな い そ. Coral Ann Howells;Lθ υθ , 議じsι θη αηご ルfづsθ η f. g. Jjπ Fθ θ. づ η Gθ ι λづ ι づ θFづ θ θπ. 162. (UniVersity of London:The Athlone Press,1978),p。 若 い Janeと 語 り手 の Janeを 区別 し, 語 り手 の手 法 につ いて 詳述 した次の論文 πθ λ (Thё に多 くを示唆 された。 Lawrence J.Dessner,Tttθ ∬θ り ″あ a/Tγ πι Hague:Mouton,1975),pp.73-79.青 山誠子「『 ジェイ ン・ エ ア』―一 二 人 の ジ ェイ ン」青 山誠子 ,中 岡洋編『 ブ ロ ンテ研究』 (開 文社 出版 ,1983),pp。 37-71..

(3) 直 野 裕 子. 97. の 原 因 が ,語 り手 (年 齢 は明示 され な い )に は よ くわ か って いて ,そ れ を次 の よ うに述 べ る。. I was a discord in Gateshead Han; I was like nobody there; I had nothing in harmony with Mrs. Reed or her children, or her chosen vassalage.. If they did not love me, in fact, as little did I. 10Ve them. They were not bound to regard with affection a thing that could not sympathise with one amongst therrl;a heterogeneous thing,opposed to them in temperament, in capacity,in propensities; a useless thing, incapable of serving their interest, or adding to their pleasure;a noxious thing, cherishing the gerrrls of indignation. at their treatinent,of contempt of their iudgment. I know that had l been a sanguine, brilliant, careless, exacting, handsome, romping child― though equaHy dependent and friendless■ Mrso Reed would. have endured my presence more complacently; her children would have entertained for me more of the cordiality of fellow―. feeling;. the servants would have been less prone to make me the scapegoat of the nursery.(ch。 2). そ して語 り手 の意 図 はどうや ら神 に対す る信仰 を説 くことにあ る ら し く (そ れ は徐 々に明 らかに な っ て い く), そのよ うな 宗教的道徳 の枠組を この 自伝 に もたせ てい る ことは ,第 3章 で女 中 の Bessieの 歌 うバ ラ ッ ドによ って も うかが う ことがで きる。 5連 か らな る このバ ラ ッ ドは Janeの 行末 を 効 果 的 に暗示 して い る。第 1連 と最終連 のみを 引用 してお こ う。 “ ヽ41y feet they are sore, and my lilnbs they are weary;. Long is the way,and the mountains are wild; S9on win the twilight close moonless and dreary Over the path of the poor orphan child..

(4) ル ηθ助 ″. ". ``There is a thought that for strength shOuld avail me,. Though both of shelter and kindred despoiled;. Heaven is a home, and a rest 、 vin not fail me; God is a friend to the poor orphan child。. " (ch。 3). まさに この 自伝 は神 の加 護 を 受 け た 孤 児 の 遍 歴 物 語 といえ よ う。 R.B.. Martinが ル閉θ助'″ を “ a religious. novel"と みているの も当を得 ていると. 4). 思 わ れ る。 キ リス ト教 的道 徳 を説 こ うとす る場合 の 語 り手 は度 々若 い Jane の 過 ちを批 判 し読 者 の 注 意 を促 す 。 そ の 顕 著 な 例 を 二 つ と りあげ て み よ う。 い ず れ も Janeが 大 きな危 機 に遭 遇 した 際 の 語 り手 の 所 見 で あ る。ThOrnldd で の Rochesterに 対 す る 」aneの 愛 に つ いて ,次 の よ うに述 べ る。. My future husband was beconling to me lny whole world;and more than the world: alrnost my hope of heaven.. He stood between me. and every thought of religion, as an eclipse intervenes bet、. man and the broad suno. veen. l could not, in those days, see God for. his creature: of whorrl l had made an idol.(ch. 24) 神 を見 失 って の 人 間 同士 の み の 愛 は否 定 され るべ き もの で ,Rochesterを 偶 像 視 して いた. Janeは. そ の 結 果 Rochesterと 結 婚 で きな くな り,彼 の も と. を去 る とい う最 大 の 試 練 を受 け る こ とにな る。 そ して この 試 練 に 出会 って 初 め て ,Janeは 真 剣 に 神 に 祈 りを 捧 げ るよ うに な る (第 26,27,28章 )。 また次 の 例 は直 接 信 仰 とは 関係 な いが,Rochesterに 対 して も Ste」 Ohnに 対 して も自己 を見 失 う誘 惑 に 陥 りか け た と き の. I was a fool both tilneso. Janeを 厳. し く批 判 して い る。. To have yielded then would have been. an error of principle; to have yielded now would have been an error. Of iudgmento So l think at this hour, when 1 look back to the crisis through the quiet rnediurn of tilne: I、 vas unconscious of fony θ ηι s o/ 4)Robert Bernard Martin, Tλ θAθ θ. (New York:Wo W.Norton&Company,. 's IMθ Pθ rs2α sjθ ηr cttα γ ″ ι θB資 )η ι οι 夕. 1966), pp。. 81-100.. υθls.

(5) 直 at the instant。. (ch。. 野. 裕. 子. ". 35). Rochesterの 場合 に は道 徳 に ,Sto JOhnの 場合 に は理 性 的 判 断 に 背 き そ う に な った とい うの で あ る。 「 序 文 」 を読 む限 り作 者 Charlotte Brontё 自身 も宗 教 的道 徳 的意 図 を も って この 小 説 を書 いた と考 え られ ,そ の 点 を軽 ん じるべ きで はな いが ,こ う した道 徳 的枠 組 を設 定 した か ら こそ , よ り効 果 的 に 情 熱 的 な. Janeの. 内面. を描 く こ とが で きた と も言 え て ,そ の両 者 の葛 藤 が 具体 的 に描 写 され て い る と こ ろが ,こ の 小 説 の 最 大 の 魅 力 にな って い るので は あ るま いか 。 語 り手. Janeは 若 い Janeを. ば しば 若 い. Janeに. この よ うに距 離 を 置 いて 見 るだ け で な く, し 6). 同化 し過去 を生 き生 き と再 体 験 す る。 若 い 」aneの 身 に. 起 こ る様 々な 出来 事 を 読 者 も同 時 に体 験 して い るよ うな 真 に迫 った気 持 が 味 わ え る。 語 り手 は解 説 を最 小 限 に止 め 会 話 を 多用 す るの で ,Jane自 身 の こ とばや様 々な 登 場 人 物 の こ とば. (Jane評 )に. よ つて 読 者 自 らが Janeの 人 物. 像 を つ くる喜 び も味 わ え る。Janeの 内面 描 写 も “I meditated",“ I said in. soliloquy"等 と語 り手 が述 べ る と , あ とは ク ォ ー テ ー シ ョン 0マ ー ク付 きの 直 接 話 法 に よ る独 自 の 形 を と る場合 が多 く,生 々 しい印象 を与 え る。 しか も 自問 自答 の形 が度 々用 い られ劇 的効 果 が あげ られ る。 そ の 顕 著 な 例 を次 に あ げ て み よ う。 ..。. my very conscience and reason turned traitors against me, and. charged me with crirne in resisting hiln. They spoke allnost as “Oh, comply!" it said. -look at his state when “Think of his misery; think of his danger一. loud as Feeling: and that clamoured wildly.. left alone; remember his headlong nature; consider the recklessness fonowing On despair― soothe hiln; save hiln;love hiln; ten hiln you. 5)た. とえ ば次 の よ うに述 べ て い る こ とか らもそ の 意 図 が うか が われ る。 “COnvention_. ality is not moralityo Self― righteousness is not religion. To attack the flrst is. not to assail the last. To pluck the mask fronl the face of the Pharisee, is not to lift an impious hand to the Crown of Thorns." 6)Dessner, pp。. 74-75..

(6) Iθ. ηθ助 ルι. θ. love him and wiH be hiso. “. Who in the world cares for. ノθπ?. Or. who win be iniured by What you doP'' Still indomitable was the reply― “r care for myself.The more solitary, the more lliendless, the more unsustained l am, the more. l win respect myself.. I win keep the law given by God; sanc‐. " (ch。 27) tioned by man. . 。。. Rochesterの もとに止 ま るべ きか ,去 るべ きか ,愛 と道 徳 の相克 に 悩 む. Janeの 内心 が ,良 心 も理性 を も仲間 に加 えた擬人 化 された “Feeling''と の 問答 によ って ドラマ テ ィ ックに展 開 され ,. Janeの 決意 の程 が力強 く訴え ら. れ る。 7). また E.Fo Shannonが 指摘 して い ることで あ るが,語 り手 に と っての現在 で はな く過去 の ことで あ って も現在時制 (も ちろん クォーテ ー シ ョン・ マ ー ク付 きで はな い)を 用 いて描 かれ る場合 が ある。語 り手 は我 を忘 れてその時 点 の Janeに な りき って しま って い るのだ と考 えて よか ろ う。 このよ うな現 在 時制 が用 い られ るの は Janeに とって重 要 な場面 で あ ることは言 うまで も な い。た とえば伯 母 の死 を見 とって Gatesheadか ら 1か 月 ぶ りに Rochester の もと ThOrnieldへ はゃ る気持 を抑 え きれずに帰 る場面 (第 22章 ),愛 の告 自 の直 前 ,エ デ ンの 園 のよ うな美 しい果樹 園を散歩す る Janeが Rochester の葉巻 の匂 に気付 く場面 (第 23章 )な ど,感 情 の高 ま りの瞬間 が とらえ られ て い る。 あ るいは第 11章 の 冒頭. (Lowoodを 去 り ThOrnidd に 向 う 途 中 の宿 で. の場面 ), 第28章 の 冒頭 (ThOrnieldを 去 り荒 野 の只 中 , 道標 の 立 つ 四 辻. Whitcrossに 着 いた場面 )も 現在 時制 で語 られ ,Janeは どの社会 に も所 属 しな い非常 な孤 独 の 中 にあることが示 され , それ と同時 に. Janeの 新 しい. 出発 が示 され る。 この 2例 に つ いて は Eo Fo Shannonが 詳 し く説明 して い 8). るので ,こ こで は第31章 の 冒頭 を とりあげ てみたい。 '',Aん η ι θ π′ んCθ ηι θ θ πη 7)Edgar F.Shannon,Jr。 ,“ The Present Tense inル ηθttγ θ Jθ π ι F′ θ ,X(1956),141-45.. 8)fbjこ ,142-45。.

(7) ゴ θI. 直 野 裕 子. Mortonで 教 師 と して の 第 一 日 目を終 え た 夕 方 , 自分 の 行 動 に つ いて思 いを め ぐらす が ,こ こで も. そ の 新 しい仕 事 と過去 の. Janeは 非 常 に孤 独 で あ る。. “ My home, then, 一when l atlast ind a home,一. is a cottage:...". で 始 ま り,そ の 家 の 造 りや 調 度 品 な どを説 明 した後 ,“ It is evening.… 。Iam. sitting alone on the hearth. This rnorning, the village school opened." と. Janeの 今 あ る外 的状 況 を示 す 。続 いて そ の 日一 日を 振 り返 って み て ,無. 知 な 村 の 子 供 を教 え る 自分 が落 ちぶ れ見放 され た感 じがす る こ とを認 め ざ る を え な い。 が ,そ れ で も子 供 た ちの今 後 の 進 歩 に 喜 びを 見 出す べ きだ と 自 ら に 言 い きか せ る。 そ して 」aneに と って 何 よ り も心 にか か る問題 を ,次 の よ うに 自問 して み る。 n/1eantilYle, let me ask myself one question― 一Which is better?一. To have surrendered to temptation; listened to passion; made no painful eliort― no struggle;一 ―but. snare; fanen asleep on the. to have sunk down in the silken. ■owers covering it; wakened in a. southern clilne, amongst the luxuries of a pleasure villa: to have. been now living in France, 1唖 r. ]Rochester's IYlistress; delirious with his love half my tilne― 一for he would一 一oh, yes, he would have. loved me well for a while.Heご グご love me― no one will ever love me so again.. I shall never more know the sweet homage given to. beauty, youth, and grace― 一for never to any one else shaH I seem. to possess these charmso He was fond and proud of me一. it is. what no man besides will ever be.― ―But where alm l wandering, and what arrl l saying;and,above all,feeling?Whether is it better, I ask, to be a slave in a fool's paradise at Marseilles一 fevered with. delusiVe bliss one hour―surocating with the bitterest tears of. remorse and shame the next一 or to be a village―. schoollnistress,. free and honest, in a breezy mountain nook in the healthy heart of EnglandP(ch。 31).

(8) 2. ル πιttγ θ. Iθ. 要 す るに Rochesterの 情婦 で い るの と今 のよ うに村 の学校教 師 でい る の と どち らがよ いか とい う間で あ るが ,前 者 を選 んだ 場合 の 自分 の状況を つ い長 々 と想像 して しま う。 そ うなれば Rochesterを 忘 れ よ うとい う苦 しい努力 をす る必 要 もな い し,何 よ りも Rochester に愛 され る喜 びを思 わずにはい られな い。Rochesterが 深 く愛 して くれた とい う過去 の事実 は何 ものに もか えがた く,彼 ほど愛 して くれ る者 は三度 とあ るまい と思 うと,今 の我 身を悔 みそ うにな る。そ こで我 にかえ って 「 だが 私 はど こを さ迷 い 歩 い て い る の か ,何 を言 って い るのか ,と りわ け何 を感 じて い るのか」 と 自 らの気 を引締 め「 どち らがよ いか と私 は きいて い るのだ」 とまた 改 めて もう一 度 自問 しな a daVe in a fool's paradise",“delusive bliss"な おすので ある。今 度 は “ ど と事実 で あ るに して もことさ ら自分を貶 め る言葉を使 い ,愛 の喜 びで はな く情婦 と して 味わ うで あろ う「 悔恨」 と「 屈辱」を強調す る。そ して最後 に や っ ともう一 方 の選択肢 ,学 校教 師 と しての現状 を持 出す。そ の 身分 を肯定 す べ く “free",“ honest",“ healthy"と ぃ う形 容詞 が付 け られ るが ,至 極 あ っ さ り した説 明 で終 る。そ して この 間 に対す る答 は次 のよ うな もので あ る。 Yes; I feel now that l was right when l adhered to principle and law, and scorned and crushed the insane promptings of a frenzied moment. God directed me to a correct choice: I thank His provi―. dence for the guidance! (ch. 31). now"は 語 これ は もちろん この 時点 での 」aneが 得 た結 論 で あるが ,こ の “ り手 に とっての現在 で はな いか と錯 覚 しそ うな と ころが あ る。 少 な く と も “I thank His pro宙 dence for the guidance!"に は語 り手 の共感 が大 いに こめ られ て い ることが感 じられ る。 この 時点 の Janeと して は ,正 しい行動 を したのだ と 自分 に納得 させ よ うと して い るので あ るが ,こ の結 論 には感情 面 で は相 当な無理 が あるよ うで あ る。それ は上述 の 自間 の仕方 か らもわか る し,こ の後す ぐ過去形 に変 って 窓外 の景色 を眺 めなが ら次 のよ うに我 知 らず 9). 涙 を流 して しま う ことか らも明 らか で ある。 9)HOWells,p。. 185..

(9) 直. 裕. 野. 子. Iθ. 3. While l looked, I thought rllyself happy,and was surprised to ind myself ere long weeping― 一and whyP For the doonl which had reft. me from adhesion to my master:..。 この 涙 は この 時点 で の. (ch.31). Janeが いか に 厳 しい 自 己抑 制 を 自 らに課. を象 徴 して い る。MOrtonで の. して いた か. Janeは 教 師 と して の 務 め を立 派 に果 た し. ,. 平 穏 な生 活 に感 謝 す る毎 日で あ りな が ら, 夜 半 に は度 々 Rochesterに 会 う 夢 を見 ,日 覚 めて は暗 闇 の 中 で 絶 望 と情 熱 に さいな まれ るので あ る。 そ の 後 財 産 を得 ,敬 愛 す る従 兄 姉 た ち と共 に生 活 し,外 的状 況 に は これ まで に な く 恵 まれ はす るが ,な お も こ う した 厳 しい 自 己抑 制 を続 け る の で あ る。. これ まで. Jane Rochesterが 語 り手 と して 若 い 」aneに 距 離 を 置 いて 批. 判 した り,あ るい は大 い に近 付 いて 同化 した りす る点 に つ いて 述 べ て きた が そ れ はつ ま り. Jane Rochesterが ,. ,. 道 徳 的 判 断 力 を もつ 理 性 的 な 女 性 で あ. るばか りで な く,情 熱 的 な 女 性 で もあ る こ とを示 して い る。Jane Rochester の 内 に あ って は ,神 へ の 信 仰 と人 間 の 内 な る 自然 (nature)と は決 して 対 立 す る もので はな く,矛 盾 な く包 合 され え て い るよ うで あ る。彼 女 の そ う した 内 な る世 界 が どの よ うな もの な の か ,具 体 的 に みて い きた い 。. 2. aneが 信仰 の面 で大 き い わば異 教徒 の世界 に住 んで いた ともいえ る幼 い 」 Lowoodで の Helen Burnsに よ る もので あ る。 しか し Janeは 決 して Helenで はな い し, また Helenと 対極 をなす , 激情 を抑 え る ことので きな い狂 った Berthaで もな い。 Janeは 激 しい情熱 と同時 に な 影響 を受 けたの は. それを抑制す る強 い理性 を持 って いて ,そ の両面 での充足 を求 めてい くので あ る。. Helenが この世 で はな くひた す ら神 の世界 , 死 の世界 に憧 れ夭逝 す る の に 対 して ,Janeは ぁ くま で も生 きる ことに 強 い執着 心 を もつ 。. aneは BrOcklehurstに 地獄 に落 ちないためにはどうすれ ばよい 10歳 の 」.

(10) Iθ. bη θEン rθ ノ. 4. か と尋ね られた とき “I must keep in good health,and not die.''(ch.4) と答 え る。放浪 の末飢 え と寒 さで死 に瀕 した 際 も,や は り生 きよ うとい う本. aneが 次 の 能 が強 く働 く。 St.JOhnの 求婚 を拒絶す る理 由 の一 つ と して 」 よ うに述 べ てい るの も,生 へ の 強 い執着心 の あ らわれ とみな され よ う。 “. . . God did not give me my life to throw away; and to do as. you wish me would,I begin to think,be almost equivalent to com‐ mitting suicide. . . ." (Ch. 35) ヒ “。。. you think too much of the love of human beings." (ch. まラ. 8)と ぃ ぅ. Hdenの 忠 告 に もか か わ らず , Janeは. め よ う とす るの で あ る。 しか し て ,Janeは. あ くま で も人 間 の 愛 を 求. Helenが 次 の よ うに 述 べ る霊 の世 界 に つ い. Helen的 な もの とは違 う形 で は あ るが ,や は りそ の存 在 を信. じ,そ の 力 を信 じるので あ るぎ ``. . . BeSides this earth, and besides the race of men, there is an. invisible world and a kingdorrl of spirits: that world is round us, for it is everywhere; and those spirits watch us, for they are corrl‐. rnissiOned to guard us; and if we were dying in pain and shame, if scorn srnote us on all sides,and hatred crushed us, angels see our tortures, recognise our innocence (if innocent we be: . .. 。 ),. and God waits only the separation of spirit from lesh to crown us with a full reward....',(ch。. Janeに. 8). と って の霊 も, 日に は み え な い が人 間 の まわ りの あ らゆ る と こ ろに. 存 在 して いて ,そ れ が人 間 の 内 な る もの とつ な が りを もち呼 応 す るので あ る。 語 り手 Jane Rochesterは 第 21章 の 冒頭 で 次 の よ うに述 べ て い るが ,こ れ は 自分 の 経 験 か らえ た 神 秘 の 世 界 に対 す る考 え 方 で あ る。. Presentilnents are strange things! and so are sympathies; and so. are signs: and the three combined make one mystery to which.

(11) 直. Iθ. 野 裕 子. humanity has not yet found the key.. 5. I never laughed at presenti‐. ments in my life; because l have had strange ones of my own. Sympathies, I believe, exist: (for instance, between far― long― absent,. distant,. whony estranged relatives; asserting, notwithstanding. their alienation, the unity of the source to. origin)whoSe workings bame mortal. 、 vhich each traces his. ёomprehensione. And signs,. for aught we know,may be butthe sympathies Of Nature with man. (ch。. 21). 「 予 感 」 (今 の 自分 と将 来 の 自分 が つ な が りを もつ )も 「 交 感 」 (人 間 が他 の 人 間 と感 応 しあ う)も 「 前 兆 」 (人 間 と自然 が感応 しあ う)も 人 間 に は理 解 で きな い謎 で あ るが ,人 間 が霊 的存 在 で あ り,宇 宙 の あ らゆ る と こ ろに霊 が 存 在 して い て それ らが つ な が りを もち感 応 しあ うと信 じて い る 」aneに と つて. ,. そ の よ うな謎 ,神 秘 を過 小 評 価 す る こ とはで きな い。 遠 く離 れ た Rochester の. Janeを 呼 ぶ 声 が 聞 こえ た とい う経 験 か ら も,そ れ を信. じて い るの で あ る。. この 独 特 の 経 験 に触 れ る前 に ,自 然 や夢 に つ いて の 考 え を ,具 体 的 に みて い きた い。. 語 り手 」ane Rochesterは 単 に. Janeの 内面 を よ り効 果 的 に 表現 す るた め. の 手 法 と して 自然 描 写 を して い る わ け で はな い。 Janeは Rochesterを 愛 さず に は い られ な くな った と き ,ひ たす らそ れ を抑 え よ う と努 め るが ,そ れ は「 自然 に 対 す る冒涜 だ. (BlaSphemy against nature!)」. (ch。. 17)と 考 え. る。Janeは 内 な る 自然 を大 切 にす る。 この 内 な る 自然 は外 界 の 自然 と霊 的 に つ な が って い るの で あ るか ら. Janeの 内面 が 外 界 の 自然 に反 映 す るの は当. 然 で あ ろ う。 Rochesterと 婚 約 した翌 日,嵐 が 去 って美 しい 6月 の 朝 とな り 芳 しい そ よ風 が吹 いて い るのを Janeは 不 思 議 に は思 わ な い。 “Nature must. 10)Charlotte. Brontё. 自身そ のよ うな体験 を した ことを Gaskell夫 人 に語 って い る。. Jθ ι ′ θB究)π ι Elizabeth Gaskell,Tん θLクツ σ ′ ,ed. by Alan Shelston (Penguin ノ Cttα γ. Books),p.. 401..

(12) ル ηθ助 ″. ゴ θ δ. be gladsome when l was so happy."(ch。. 24)と 述 べ て い るよ うに ,外 界. の 自然 が Janeの 幸 せ な心 に 同調す るので あ る。. Janeと Rochesterの 愛 の告 白を前 に して ,美 しい 自然描写 がな され るが それ は二 人 の 内な る自然 が本質的 に合 って い ることを示 して い る。その告 白 直後 ,天 候 は急変 し,暴 風雨 とな り,二 人 がその根 元で言葉 を交 した 栃 の木 へ 落雷 し, 幹 は真 二つ に裂 ける。 それ らは彼 らのその後 の試 練 を 示 す「 前 兆」 で あ る。 黒 く焼 けただれた栃 の木 は後 の Rochesterの 姿 の「 前 兆」 で あ り,真 二つ に裂 けなが らも根元 が しっか りつ なが って い るのは ,根 本 的に は二 人 は離れ る こ とはな い こ とを象徴 して い るので ある。 荒 野を放浪 す る Janeは 人間社会 とはま った く切離 され , す べ て の も の の母 , 自然 (Nature)に す が り, その懐 に休息を見 出すが , いつ も自然 が. Janeに 対 して優 しいわ けで はな く, 雨や寒 さとな って Janeを 苦 しめ もす る。また Jane自 身 も ThOrnield邸 を出て い くとき, あた りの美 しい 自然 に 目を向 けは しな い。 これか ら先 の放浪 と後 に残 して きた Rochesterの こ とを思 う苦 しみの あま り,自 然を見 る余裕 もな い。 また Janeの 内面 が , その 時点 の外界 とは無 関係 に 自然 の イ メ ー ジ に よ って 表現 され る例 があ る。 結婚式 が中断 され , ほ とん ど花嫁 とな って い た. aneは 急転直下 また孤独 な女 とな る。 通常 の言葉 で は表現 しえないよ うな 」 Janeの 感情 の急変 ,Janeの 荒 涼 と した 孤独 の世界 が , 次 のよ うに真夏 の 雪 とい うあ りえな い 自然現象 によ つて象徴的 に表現 されて い る。. A Christmas frost had come at midsummer;a white December stornl had whirled over 」une; iCe glazed the ripe apples, drifts crushed the blowing roses; on hay― ■eld and corn― ■eld lay a frozen shroud: lanes which last night blushed fun of lowers, to― day were. pathless with untrodden snow; and the woods which twelve hours since waved leafy and fragrant as groves between the tropics,now. 11)青 山誠子,p.63.. ,.

(13) 直. 野. 裕. ゴ θ7. 子. spread,waste,wild and white as pine― forests in wintry Norway。 (ch. 26). 夢 もまた 予感 を起 こ させ る もの で あ り前 兆 を示 す こ とが多 い。. Janeが 結. 婚 式 の二 日前 に みた 二 つ の 夢 は ,Janeに 不 吉 な 予 感 を抱 か せ る。 それ らは. Rochesterと の 別 れ の 前 触 れ , ま た ThOrnleld邸 が 廃 墟 と化 す 前触 れ とな る。 Rochesterの も とを 去 る決心 を した そ の 夜 は「 赤 い部 屋 」 の 夢 を見 る。 幼 い あ の と き と 同 じ光 が みえ るが ,雲 か ら出 て きた の は月 で はな く,真 白 い 人 の 姿 で ,Janeを じ っ と見 て 語 りか け る。. It(a White human forlYl)gazed and gazed on mee. lt spoke to my. spirit: irnlneasurably distant was the tone,yet so near, it whispered. in my heart― “ ヽ4y daughter, ■ee temptation!" (ch. 27). この母親 の呼 びか けは Rochesterの 呼声 同様 ,Janeの 内 な る声 で あ る。. C.A.Howells も述 べ て い るよ うに , ここで は Jane は もう既 に Rochester の もとを去 る決心 を して い るので あ って, こ う した夢 を みて ,Jane自 身 の 意志 によ るので はな く外 な るものの命 令 によ って導 かれ るのだ とみな して は な らな い 。 Janeの 内 な る声 が夢 の 中で母親 の声 とな って あ らわれ たので あ って ,た しかにそれ は Janeの 決心 を一層力 づ け る ものにな ってはい るが。 次に. Janeが. St.」 Ohnの 求 婚 を ま さ に 受 入 れ そ う に な った と き. ,. Rochesterの Janeを 呼 ぶ声 が 聞 こえて くるが ,そ の前後 の Janeの 有様 を い ささか詳 細 にみて みよ う。. Janeは もともと St.JOhnが 自分 を愛 して い るわ けで はな く宣 教 師 の 妻 と しての適 性 を認 めて求婚 した こと,感 情 で はな く理性 に導 かれ る質 の ,自 己の大 きな 目的 のためな ら他 を犠牲 に しうる. St.JOhnの 前 で は,精 神 の 自. 由を失 い 自分を半分殺 さな ければ な らない ことを知 って い る。 Janeは 一 度 12)HOWellS,p.183.. 13)Janeは. St。. 」ohnの 前 で は次のよ うに感 じる。“. I Inust disown half my nature,.

(14) 」 θ助 ″ ルη “ は拒否 した ものの ,神 の栄光 を語 り信仰 の 力 で圧倒 せ んばか りのその真摯 な 求婚 に ,愛 にで はな く義務 に生 き,死 に殉 じよ うと感 じるまでにな り,そ れ が神意 であ る ことが確信 で きれば受入れ よ うと決心 し,次 のよ うに熱心 にた だ正 しい道 が選 べ るよ うに と神 に祈 る。 I sincerely, deeply, fervently longed to do what、 vas right;and only thate “Show. me, show me the path!" I entreated of Heaven。. (ch.. 35). Janeは かつ てなか った程 に興奮 し 胸 が激 しく動悸 を打 つ が , それが突 ,. 然止 ま って「 あ る名状 しがたい感動」 (an inexpressible feeling)が 全 身を つ らぬ く。そ の感動を次 のよ うに説明 してい る。 vas not like an electric shock; but it was quite as The feeling 、 sharp, as strange, as startling: it acted on my senses as if their. utinost activity hitherto had been but torpor; from which they Ⅵア ere now sunlrnoned, and forced to wake.. They rose expectant:. eye and ear waited,while the nesh quivered on my bones.(ch.35). Janeは この 上 な い興 奮状 態 に あ るが ,そ の 感 覚 は 目覚 め ,ま す ます鋭 さを 増 す 。 ま さに そ の と き 」aneを 三 度 呼 ぶ Rochesterの 声 が 聞 こえ る。 それ Janeが 迷 信 深 くな った か ら聞 こえ た の で はな い 。「 そ れ は 自然 の なせ る わ ざだ ,自 然 が呼 び起 こ され て ,そ の 最 上 の 策 を な した のだ一一 奇 跡 を な し は. た の で はな い 」 (``.。 .it is the work of natureo She was roused,and. did― no miracle― but her best."ch。 35)と 確 信 す る。 そ して 神 に 祈 りを 捧げる. Janeは ,次 の よ うに聖 霊 を間近 に感 じるので あ る。 prayed in my way一 a different way to St. John'S, but effec¨. stine half my faculties,wrest my tastes from their original bent,force myself vhich I had no natural vOcation。 " (ch. 34) 、 to the adoption of pursuits for.

(15) 直. 野. 裕. 子. tive in its own fashion. I seemed to penetrate very near a Mighty Spirit; and my soul rushed out in gratitude at His feet.(ch。. 35). また この説明か ら Janeは St.」 ohnと は異 な る信仰 の世界 を も ってい る こ とがわか る。内な る自然に ,外 な る 自然 に ,あ らゆ ると ころに遍在す る霊 の. a Mighty Spirirと して神 を間近 に感 じるの 中心 的存在 と して , つ ま り “ で あ る。 Janeは その翌朝 もう一度 その時経験 した感 動を思 い返 してみ る。. aneを 呼 んだその呼声 は外 か らで はな く,Janeの 内か らの もの,日 覚 めた 内 」 な る 自然 の声 なので あ る。決 して錯 覚 とか幻 覚 な どで はな く,む しろ霊 感 に 近 い もので あ った と改 めて納得 す る。 「 あのす さま じい感 動」(The WOndrous. shock of feeling,che 36)が 魂 のい ま しめを解 き放 ち,魂 を眠 りか ら目覚 め させ ,そ こへ 三度 の呼声 が響 いて きたが ,魂 は恐 れ もせ ず ,わ ず らわ しい 肉体 に拘束 され る こ と もな く,喜 びに満 ちて いたよ うだ った とい うので あ る。 この Janeの 不思議 な 経験 は,Rochesterの それ とも符 合 して いて ,そ の経 験 を彼 は次 のよ うに言 う。``.… perhaps your soul wandered from its cell. to comfort mine;.… "(ch。 37)Janeと Rochesterの 内な る 自然 ,つ ま り お互 に対 して抱 く情熱 が ,そ れぞれ の 肉体 か ら目に見 えな い霊 の世界 に解 き 放 たれ感応 しあ ったのだ といえ よ う。. Janeを 呼 ぶ声 は,自 然 のなせ る最上 の策 で あ り,Janeの 霊 ,Janeの 内 な る自然 の声 , 抑 えに抑 えて いた Rochesterへ の情熱 の表 出で ある。 しか もその声 に応 じるの は決 して神 に背 くことに はな らな い。その声 が き こえた の は ,正 しい道 が選 べ るよ うに神 に祈 った結果 で あ り,そ の とき Janeは 神 を聖霊 と して 間近 に感 じたので あ るか ら。 (Rochesterも 自分 の負傷 を天 罰 と して受入 れ ,過 去 の罪を悔 い ,謙 遜 を学 んだ後 ,神 に耐 え難 い苦痛を訴 え. ,. 思 わず Janeの 名を叫 ぶ と,そ れに答 え る Janeの 声を聞 くので ある。)し たが って ,自 分 の行動 に疑 間を もちつつ ThOrnieldを 去 った ときとは違 っ て ,Janeは Rochesterの もとに帰 ることに何 の不安 も疑 問 も感 じな い。. Janeは Rochesterの もとに帰 って次 のよ うに感 じる。 There was no harassing restraint, no repressing of glee and vivac―.

(16) ル πθ助. IIθ. “. ity with him;for with him l was at perfect ease,because l knew l suited hiln: an l said Or did seemed either to console or revive. him. Delightful consciousness! It brought to life and light my whole nature: in his presence l thoroughly lived; and he lived in rnine. (ch。 37). Janeは Rochesterの 前 で は 自分 を抑 制 す る必 要 はな い。 Janeの. 内な る自. 然 はま るま る生 きか え るの で あ る。 二 人 の 内 な る 自然 は ,次 の 問答 か ら もわ か るよ うに ,ぴ った り合 い ,神 の承 認 の もとに結 婚 す るの で あ る。 ``. . . Jane SuitS me: do l suit herP" “To the inest ibre of lη y nature, sir." “The case being so, we have nothing in the world to. 、 vait for:. we must be married instantly.''(ch.37). Jane Rochesterの 信 仰 の 世 界 は ,「 自然 に従 うわ けに は いか ぬ」 と言 い. ,. 「 少 女 らの 肉 の 欲 望 を抑 え つ け る」 こ とを 神 に仕 え る 自分 の 使 命 と思 い 込 ん で 厳 しい躾 を す る Brockbhurstの 信 仰 の 世 界 と も, 感 情 の 潤 いの な い 理 性 ば か りの 厳 格 な形 式主 義 者 Elizaの 信 仰 の 世 界 と も ,そ して Ste」 ohnの 信 仰 の 世 界 と も異 な る。 これ らの 人 物 の主 張 す る宗 教 は. Janeに. は決 して 受 入. れ られ な い もの で あ る。 Janeに と って は先 に みた よ うに,内 な る自然 と神 と は対 立 す る もの で はな く,内 な る 自然 に 従 う こ と こそ が 神 に よ しと され るの で あ るか ら。理性 と感 情 ,肉 体 と精 神 は各 々対 立 して 存 在 す る もの で はな く. ,. それ らはす べ て 神 に よ つて 人 間 に与 え られ た もの で あ るか ら,そ れ らを す べ 14). て 十分 に働かせ る ことこそが神 の意 にそ う ことだ と考 えて い るよ うで ある。 しか し上述 した人 物 の信 じる宗教 を ,語 り手 Janeは 全面 的 に否定 して し ま って い るわ けで はな いよ うに思 われ る。語 り手 Janeは この 自伝 を締 め く くるにあた って Sto JOhn R市 ersが いかに立派 に宣 教 師 と しての仕 事 を果 た して い るかにつ いて述 べ てい る。それ は Janeの 内 な る 自然を半分殺 して し 14)HOWellS,p.186。.

(17) 直 野 裕 子. 」 JJ. ま ったで あろ う St.JOhnの 性質 も,宣 教 師 と して はそ の 力を最大限 に発揮 し うるもので ある ことを認 め るもので ある。 Janeが 自分 の 内 な る 自然 に従 っ て Rochesterと 結婚 したよ うに,St.JOhnは Janeと は違 った彼 な りの 内 な る自然 に従 って い るのだ と認 めてい るので あ る。 そ ういえ ば Brocklehurst に激 しい敵意を もつ のは幼 い Janeで あ った 。修道 院 の尼 にな るか も しれな ぃ とぃ う Elizaに Janeは 「 あなたに合 って る ことな らいいわ」 とい う. (こ. Janeの 著 しい成長を明示 す る Gatesheadの 場面 での ことばで あ る)。 願望成就 し結婚後 10年 を経 た Jane Rochesterは ,い かな る人間 も,そ れぞ れは. れ の 内な る 自然 に反 す ることな く,そ れにふ さわ しい生 き方 をすればよ いの だ とい う寛容 な態 度を身 につ けた のだ といえ るだ ろ う。. 15)HOWellS,p.186。.

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