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JAIST Repository: 架橋ゴム中に分散した低分子化合物の延伸過程における配向挙動

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(1)

Japan Advanced Institute of Science and Technology

JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/

Title

架橋ゴム中に分散した低分子化合物の延伸過程におけ

る配向挙動

Author(s)

木山, あゆみ; 信川, 省吾; 山口政之

Citation

成形加工, 27(7): 305-309

Issue Date

2015-07

Type

Journal Article

Text version

author

URL

http://hdl.handle.net/10119/14759

Rights

Copyright (C) 2015 プラスチック成形加工学会. 木山

あゆみ, 信川省吾, 山口政之, 成形加工, 27(7),

2015, 305-309.

Description

(2)

Orientation behavior of low-mass compounds in cross-linked rubber during stretching

Kiyama, Ayumi*1/Nobukawa, Shogo*1/Yamaguchi, Masayuki*1

The orientation dynamics of low-mass compounds (LMCs) in cross-linked rubber during uniaxial

stretching were studied. Small amounts of LMCs such as 4-cyano-4'-pentylbiphenyl (5CB) and

styrene-based tackifier (TF) were added into polybutadiene rubber (BR). The rubber sheets were

uniaxially stretched by a tensile machine equipped with an optical system to measure both the retardation

and the stress-strain curve simultaneously. It is found that the orientation of LMC molecules does not

relax even after the cessation of stretching. The results demonstrate that orientation relaxation of LMC

molecules hardly occurs because of the Nematic interaction, i.e., internal orientation correlation. The

stress-optical coefficient CR is enhanced by the addition of 5CB, whereas the TF addition decreases the

birefringence. The results demonstrate that both 5CB and TF-molecules are oriented to the stretching

direction with BR chains.

(3)

1 架 橋 ゴ ム 中 に 分 散 し た 低 分 子 化 合 物 の 延 伸 過 程 に お け る 配 向 挙 動 木 山 あ ゆ み * 1 ・ 信 川 省 吾 * 1 ・ 山 口 政 之 * 1 1 . 緒 言 高 分 子 中 に こ れ と 相 溶 す る 低 分 子 化 合 物 を ゲ ス ト 分 子 と し て 添 加 し 、 ゴ ム 状 領 域 で 延 伸 を 行 う と マ ト リ ク ス 高 分 子 の 変 形 に 追 随 し て ゲ ス ト 分 子 が 配 向 す る こ と が あ る 。 こ の よ う な 分 子 間 の 配 向 相 関 は「 ネ マ チ ッ ク 相 互 作 用 」と 呼 ば れ て い る 。 ネ マ チ ッ ク 相 互 作 用 は 、 も と も と 分 子 量 分 布 の 広 い 高 分 子 液 体 に お い て 、 低 分 子 量 成 分 の 配 向 緩 和 の 特 性 時 間 が 高 分 子 量 成 分 に よ っ て 長 く な る 現 象 か ら 見 出 さ れ た 1 ) ~ 3 ) 。 そ の 後 、 こ の 配 向 相 関 は 分 子 レ ベ ル で 混 合 し て い る ポ リ マ ー ブ レ ン ド 4 ) ~ 5 ) や 高 分 子 / 低 分 子 ブ レ ン ド 6 ) ~ 1 6 ) に お い て も 観 測 さ れ る こ と が 明 ら か に さ れ た 。 な お 、 分 子 レ ベ ル で の 混 合 が 生 じ ず に 相 分 離 し て い る 場 合 、 異 種 分 子 間 の 配 向 相 関 は 観 測 さ れ な い 1 5 ) ネ マ チ ッ ク 相 互 作 用 に よ る 低 分 子 化 合 物 の 協 同 的 な 配 向 を 利 用 す る こ と で 、 位 相 差 フ ィ ル ム な ど の 設 計 が 容 易 に な る 1 0 ) ~ 1 6 ) 。 ま た 、 低 分 子 化 合 物 ブ レ ン ド は 、 ポ リ マ ー ブ レ ン ド に 比 べ 混 合 に よ る エ ン ト ロ ピ ー 変 化 が 大 き い た め 、 数 多 く の 化 合 物 が 相 溶 す る 。 そ の た め 、 適 切 な 添 加 剤 を 選 ぶ こ と で 複 屈 折 な ど の 機 能 を 付 加 す る こ と が 可 能 と な る 。 一 般 的 に 、 位 相 差 フ ィ ル ム を 工 業 的 に 製 造 す る 際 に は 、 あ ら か じ め 溶 液 キ ャ ス ト 法 な ど に よ り 作 製 し た 高 分 子 フ ィ ル ム を 加 熱 延 伸 し た 後 、 急 冷 固 化 す る 。 低 分 子 化 合 物 を 添 加 し た フ ィ ル ム の 場

(4)

2 合 、 低 分 子 化 合 物 が マ ト リ ク ス 高 分 子 に 追 随 し て 配 向 す る こ と で 複 屈 折 が 変 化 す る 。 得 ら れ る 複 屈 折 は 高 分 子 お よ び 低 分 子 化 合 物 に よ る 複 屈 折 の 和 form B A

n

n

n

n

=

+

+

form B B B A A A

n

F

+

n

F

+

n

=

f

0

f

0 ( 1 ) で 表 わ す こ と が で き る ( ( 1 ) 式 )。 こ こ で 、 ∆ n i と f i は i 成 分 の 配 向 複 屈 折 お よ び 体 積 分 率 を 表 す 。∆ n f o r m は 形 態 複 屈 折 を 表 す が 、 相 溶 系 の 場 合 に は 無 視 す る こ と が で き る 。 ま た 、 配 向 複 屈 折 は 固 有 複 屈 折 ∆ n 0 と H e r m a n s に よ り 定 義 さ れ た 配 向 関 数 F に よ っ て 表 わ す こ と が で き る 。 し た が っ て 、 一 種 類 の 高 分 子 化 合 物 で は 実 現 の 難 し い 複 屈 折 特 性 を 示 す 位 相 差 フ ィ ル ム を 、 低 分 子 化 合 物 の 添 加 に よ り 得 る こ と が で き る 。 例 え ば 、 複 屈 折 の 絶 対 値 が 波 長 と 共 に 増 加 す る 逆 分 散 性 フ ィ ル ム の 設 計 が 可 能 に な る 1 0 ) ~ 1 6 ) 。こ の よ う な フ ィ ル ム の 製 造 で は 、 加 熱 延 伸 過 程 に お け る 低 分 子 化 合 物 の 配 向 を 制 御 す る こ と が 極 め て 重 要 で あ る 。 し か し な が ら 、 ど の よ う な 系 で ネ マ チ ッ ク 相 互 作 用 が 強 く 確 認 さ れ る の か な ど 、 ネ マ チ ッ ク 相 互 作 用 の 本 質 に 関 し て は 十 分 に 理 解 さ れ て い な い 。 ま た 、 位 相 差 フ ィ ル ム の よ う に T g の 高 い 熱 可 塑 性 樹 脂 を マ ト リ ク ス と し て い る 場 合 、 延 伸 時 の 配 向 緩 和 や 冷 却 時 の 緩 和 挙 動 を 制 御 す る 必 要 が あ る 。 し か し な が ら 、 マ ト リ ク ス 高 分 子 中 で の 低 分 子 化 合 物 の 配 向 緩 和 挙 動 は ほ と ん ど 解 明 さ れ て お ら ず 、 定 量 的 な 評 価 を 行 う こ と は 難 し い 。 そ の た め 、 延 伸 フ ィ ル ム の 調 製 条 件 は 試 行 錯 誤 に よ り 決 定 し て い る の が 現 状 で あ る 。

(5)

3 そ こ で 本 研 究 で は 、 応 力 の 緩 和 が 生 じ な い 架 橋 ゴ ム を マ ト リ ク ス 高 分 子 と す る こ と で 、 低 分 子 化 合 物 の 配 向 に つ い て 議 論 し た 。 架 橋 ゴ ム の ガ ラ ス 転 移 温 度 ( T g ) は 室 温 よ り 低 い た め 、 室 温 で 延 伸 を 行 う こ と が 可 能 で あ る 。 さ ら に 、 一 軸 延 伸 中 の 配 向 複 屈 折 と 応 力 の 同 時 測 定 を 行 い 、 低 分 子 化 合 物 の 配 向 挙 動 を 調 べ た 。 応 力 は マ ト リ ク ス 高 分 子 鎖 の 配 向 に よ り 決 定 づ け ら れ 、 複 屈 折 は 両 成 分 の 配 向 に 由 来 す る た め 、 本 測 定 に よ り 各 々 の 成 分 の 配 向 状 態 を 評 価 で き る 。 さ ら に 、 延 伸 後 に ひ ず み を 一 定 に 保 っ た 際 の 応 力 と 複 屈 折 を 同 時 に 測 定 す る こ と に よ り 、 低 分 子 化 合 物 の 配 向 緩 和 挙 動 を 調 べ た 。 2 . 実 験 1 , 4 - シ ス ブ タ ジ エ ン ゴ ム ( B R , c i s - c o n t e n t 9 4 . 8 % , M n = 3 3 0 , 0 0 0 ) に 低 分 子 添 加 剤 ( L M C ) と し て ス チ レ ン 系 タ ッ キ フ ァ イ ヤ ー ( T F ) 、 4 - シ ア ノ - 4 ’ - ペ ン チ ル ビ フ ェ ニ ル ( 5 C B ) を そ れ ぞ れ 5 . 0 w t % 加 え た 。 L M C の 構 造 を 図 1 に 示 す 。 5 C B は 棒 状 の 分 子 構 造 で あ る た め 、 分 子 長 軸 方 向 に 分 極 率 異 方 性 が 大 き い 7 ) , 8 ) 。 一 方 、 T F は ス チ レ ン ( 4 1 . 5 % ) 、 α - メ チ ル ス チ レ ン ( 5 3 . 2 % ) 、 1 - メ チ ル エ チ ル ベ ン ゼ ン ( 5 . 3 % ) か ら 成 る 非 晶 性 オ リ ゴ マ ー ( M n = 6 8 0 、 ポ リ ス チ レ ン 換 算 ) で あ り 1 7 ) 、 分 子 鎖 に 対 し て 垂 直 方 向 に 分 極 率 異 方 性 が 大 き い 。 B R 、 L M C お よ び 架 橋 剤 ( ジ イ ソ プ ロ ピ ル ベ ン ゼ ン ヒ ド ロ パ ー オ キ サ イ ド ) 1 . 0 w t % を 、 3 0 c c の イ ン タ ー ナ ル ミ キ サ ー ( 東 洋 精 機 製 作 所 製 、 ラ ボ プ ラ ス ト ミ ル 1 0 M - 1 0 0 ) に 投 入 し 、 室 温 ( 2 5 o C ) で 3 分 間 混 合 し た 。 そ の 後 、 圧 縮 成 形 機 ( テ ス タ ー 産 業 製 、 圧 縮 試 験 機 ) に よ り 1 6 0 o C で 5 分 間 加 圧 す る こ と で 架 橋 反 応 を 行 っ た 。 圧 縮 成 形 後 、 冷 却 プ レ ス 機

(6)

4 ( 東 京 ガ ラ ス 器 械 製 、 低 温 恒 温 水 槽 F C W - 1 0 ) で 2 5 o C 、 3 分 間 冷 却 し 、 厚 み 約 3 0 0 µ m の フ ィ ル ム を 得 た 。 作 製 し た 試 料 に つ い て 、 マ ト リ ク ス 高 分 子 と L M C の 相 溶 性 を 確 認 し た 。 強 制 振 動 型 固 体 粘 弾 性 測 定 装 置 ( U B M 製 、 R h e o g e l E - 4 0 0 0 ) に 引 張 型 冶 具 を 取 り 付 け 、 温 度 範 囲 - 1 5 0 か ら 8 0 o C 、 周 波 数 1 0 H z 、 昇 温 速 度 2 o C / m i n の 条 件 で 動 的 粘 弾 性 の 温 度 依 存 性 を 測 定 し た 。 試 験 片 の 長 さ は 1 0 m m 、 幅 は 5 m m 、 厚 み は 0 . 3 m m で あ る 。 ま た 、 示 差 走 査 熱 量 測 定 装 置 ( M E T T L E R T O L E D O 製 D S C 8 2 2 e ) を 用 い て 熱 特 性 を 測 定 し た 。4 0 µ l ア ル ミ ニ ウ ム パ ン に 約 1 0 m g の サ ン プ ル を 装 填 し 、 窒 素 雰 囲 気 下 で 測 定 し た 。温 度 領 域 は - 2 0 か ら - 1 4 0 o C と し 、 降 温 速 度 は 1 0 o C / m i n と し た 。 応 力 - 複 屈 折 同 時 測 定 装 置 を 図 2 に 示 す 。 一 軸 延 伸 装 置 ( U B M 製 、 S 1 0 0 0 - D V E 3 ) に 引 張 型 冶 具 を 取 り 付 け 、 室 温 ( 2 5 o C ) で 一 軸 延 伸 を 行 う と 同 時 に 、 ヘ リ ウ ム ネ オ ン レ ー ザ ー ( 波 長 6 3 2 . 8 n m )を 用 い 、強 度 法 に よ り 複 屈 折 を 測 定 し た 1 7 ) 試 験 片 の 初 期 長 は 1 0 m m 、 幅 は 1 0 m m 、 延 伸 速 度 は 0 . 0 1 m m / s と し 、延 伸 比 は 1 . 2 と し た 。延 伸 前 の 試 料 の 透 過 光 強 度 を I 0 、 延 伸 後 ( ま た は 延 伸 中 ) の 透 過 光 強 度 を I と す る と 、 位 相 差 δは 式 ( 2 ) で 表 さ れ る 。 複 屈 折 は レ ー ザ ー の 波 長 を λ、 フ ィ ル ム の 厚 み を d と す る と 、 式 ( 3 ) か ら 求 め ら れ る 。

=

2

sin

2

δ

A

I

I

( 2 )

d

n

π

δλ

2

=

( 3 )

(7)

5 3 . 結 果 お よ び 考 察 図 3 に B R の 動 的 引 張 弾 性 率 の 温 度 依 存 性 を 示 す 。 ガ ラ ス 転 移 温 度 以 降 に ゴ ム 状 平 坦 部 が み ら れ 、 室 温 で は 理 想 的 な 架 橋 ゴ ム と し て 振 る 舞 う こ と が わ か る 。 こ れ は L M C を 添 加 し た 系 に お い て も 同 様 で あ る 。 図 4 に B R / L M C ブ レ ン ド の 損 失 正 接 ( E/ E ' = t a nδ ) を 示 す 。 B R と 同 様 に 単 一 の ピ ー ク が 観 測 さ れ る 。 得 ら れ た フ ィ ル ム が 透 明 で あ る こ と か ら も 、 B R と L M C は 相 溶 し て い る と 考 え ら れ る 。 各 試 料 の D S C 降 温 曲 線 を 図 5 に 示 す 。L M C を 添 加 し て も 、 ガ ラ ス 転 移 温 度 ( T g ) は ほ と ん ど 変 化 し な か っ た 。 T g と 結 晶 化 温 度 T c の 比 較 を 表 1 に 示 す 。 低 分 子 添 加 剤 の 添 加 に よ り 、 T c は 低 下 し た 。 本 結 果 は 、 B R と 低 分 子 化 合 物 が 相 溶 し て い る こ と を 示 唆 し て い る 。 一 軸 延 伸 過 程 に お け る 応 力 と 複 屈 折 の 変 化 を 図 6 に 示 す 。 B R 、 B R / L M C ブ レ ン ド 共 に 、 本 ひ ず み 領 域 に お い て 応 力 は ひ ず み に 比 例 し て 増 加 す る 。ま た 、延 伸 後 に 応 力 を 解 放 す る と 、 ほ ぼ 元 の 長 さ に 戻 る こ と を 確 認 し て い る 。 す な わ ち 、 い ず れ の 試 料 も 理 想 的 な 架 橋 ゴ ム と し て 振 る 舞 っ て い る こ と が わ か る 。 ま た 、 複 屈 折 も 応 力 と 同 様 に ひ ず み に 比 例 し て 増 加 し て い る こ と か ら 、 い ず れ の 低 分 子 も 延 伸 中 に B R と 同 時 に 配 向 す る こ と が 判 明 し た 。 さ ら に 、 ひ ず み が 0 . 2 に 到 達 し た 後 、 そ の ひ ず み を 維 持 し た ま ま 2 0 0 秒 間 放 置 す る こ と で 応 力 と 複 屈 折 の 時 間 変 化 を 調 べ た 。 図 7 に 示 す よ う に 、 測 定 時 間 範 囲 に お い て 、 す べ て の サ ン プ ル で 応 力 は 一 定 で あ り 、 応 力 緩 和 は 生 じ な か っ た 。 本 結 果 も 試 料 が 理 想 的 な 架 橋 ゴ ム と し て 振 る 舞 っ て い る こ と を 示 し て い る 。 さ ら に 、 複 屈 折 も 一 定 の 値 を 維 持 し て お り 、

(8)

6 時 間 経 過 に よ る 変 化 は 生 じ な か っ た 。 低 分 子 化 合 物 が 添 加 さ れ た 系 で 本 現 象 が 確 認 さ れ た こ と は 注 目 す べ き で あ り 、 低 分 子 化 合 物 の 配 向 が 架 橋 ゴ ム 中 で 固 定 さ れ 、 緩 和 し な い こ と を 示 唆 し て い る 。 な お 、 応 力 を 取 り 除 く と 複 屈 折 も 0 と な る 。 す な わ ち 、 低 分 子 化 合 物 は そ れ 自 身 の 配 向 緩 和 時 間 が 極 め て 短 い に も 関 わ ら ず 、 配 向 し た 高 分 子 網 目 中 で は 全 く 緩 和 す る こ と な く 、 マ ト リ ク ス 高 分 子 鎖 に 完 全 に 追 随 し て 配 向 お よ び 緩 和 す る こ と が 明 ら か に な っ た 。 配 向 し た 高 分 子 鎖 か ら 低 分 子 化 合 物 が 受 け る ト ポ ロ ジ ー 的 な 相 互 作 用 が 十 分 に 強 く 、 ブ ラ ウ ン 運 動 に よ る 配 向 緩 和 を 阻 害 す る た め に 本 現 象 が 生 じ る と 推 定 さ れ る 。 低 分 子 化 合 物 を 添 加 し て 位 相 差 フ ィ ル ム を 設 計 す る 場 合 、 加 熱 延 伸 や そ の 後 の 冷 却 過 程 で 、 あ る 程 度 の 配 向 緩 和 は 生 じ る こ と に な る 。 高 分 子 鎖 さ ら に は 低 分 子 化 合 物 の 配 向 緩 和 は 位 相 差 に 直 接 影 響 を 及 ぼ す た め に 、 そ の 制 御 は 重 要 な 技 術 要 素 と な る 。 本 実 験 結 果 は 、 低 分 子 化 合 物 を 添 加 し た 系 で 位 相 差 フ ィ ル ム を 調 製 す る 場 合 、 高 分 子 鎖 の 配 向 、 す な わ ち 応 力 の 大 き さ を 制 御 す る だ け で 低 分 子 の 配 向 状 態 が 操 作 で き る こ と を 示 し て い る 。 な お 、 相 溶 系 の 低 分 子 化 合 物 を 添 加 す る と 、 可 塑 化 効 果 に よ り 系 の 緩 和 時 間 が 短 く な る 。 そ の た め 、 低 分 子 を 添 加 し て い な い 系 と 比 較 す る と 、 配 向 緩 和 は 迅 速 に 生 じ る こ と に な る 。 フ ィ ル ム 製 造 の 条 件 設 計 に は こ の よ う な 点 も 配 慮 す る こ と が 必 要 で あ る 。 さ て 、 そ れ ぞ れ の 系 に お い て 応 力 ( σ ) と 複 屈 折 ( ∆ n ) は ひ ず み に 比 例 し て お り 、 以 下 の 式 で 表 さ れ る 応 力 光 学 則 が 成 り 立 つ 。 こ こ で 、 C R は ゴ ム 状 領 域 に お け る 応 力 光 学 係 数 で あ り 、 単 一 高 分 子 の 場 合 に は 分 子 量 や 架 橋 の 有 無 に は 依 存 せ

(9)

7 ず に 化 学 構 造 の み で 決 ま る 物 質 固 有 の 値 で あ る 。

σ

R

C

n

=

( 4 ) 図 8 に 低 分 子 化 合 物 を 添 加 し た 系 の ゴ ム 状 領 域 に お け る 応 力 光 学 係 数 ( C R ) を 示 す 。5 C B を 添 加 し た 系 で は 応 力 光 学 係 数 は 増 加 し 、 T F を 加 え た 系 で は 低 下 し た 。 こ の 結 果 と 合 わ せ て 、主 軸 方 向 に 分 極 率 異 方 性 の 大 き い 5 C B は 正 の 固 有 複 屈 折 、 側 鎖 方 向 に 分 極 率 異 方 性 の 大 き い T F は 負 の 固 有 複 屈 折 を 示 す こ と を 考 慮 す る と 、 各 添 加 剤 は 分 子 の 主 軸 と 平 行 に 配 向 し て い る と 考 え ら れ る 。 4 . 結 言 低 分 子 化 合 物 と 高 分 子 鎖 の ネ マ チ ッ ク 相 互 作 用 を 調 べ る た め 、 架 橋 ゴ ム 中 に 低 分 子 化 合 物 を 添 加 し 、 延 伸 過 程 お よ び 延 伸 停 止 後 の 応 力 と 複 屈 折 を 測 定 し た 。 架 橋 ゴ ム 中 に お い て 、 低 分 子 は 高 分 子 鎖 と 協 同 的 に 配 向 す る 。 ま た 、 延 伸 後 ひ ず み を 一 定 に 保 っ た 場 合 に お い て も 、 配 向 緩 和 は 観 測 さ れ な か っ た 。 5 C B を 添 加 し た 系 で は 応 力 光 学 係 数 は 増 加 し 、 T F を 加 え た 系 で は 低 下 し た 。 す な わ ち 、 低 分 子 化 合 物 の 選 択 に よ り 、 複 屈 折 の 制 御 が 可 能 と な る 。 参 考 文 献 1 . D o i , M . , P e a r s o n , D . , K o r n f i e l d , J . a n d F u l l e r , G . : M a c r o m o l e c u l e s , 2 2 , 1 4 8 8 ( 1 9 8 9 ) 2 . W a t a n a b e , H . , K o t a k a , T . a n d T i r r e l l , M . : M a c r o m o l e c u l e s , 2 4 , 2 0 1 ( 1 9 9 1 )

(10)

8 3 . D o i , M . a n d W a t a n a b e , H . : M a c r o m o l e c u l e s , 2 4 , 7 4 0 ( 1 9 9 1 ) 4 . T a s s i n , J . F . , B a s c h w i t z , A . , M o i s e , J . Y . a n d M o n n e r i e , L . : M a c r o m o l e c u l e s , 2 3 , 1 8 7 9 ( 1 9 9 0 ) 5 . Z a w a d a , J . A . , F u l l e r , G . G . , C o l b y , R . H . , F e t t e r s , L . J . a n d R o o v e r s , J . : M a c r o m o l e c u l e s , 2 7 , 6 8 5 1 ( 1 9 9 4 ) 6 . U r a k a w a , O . , O h t a , E . , H o r i , H . , A d a c h i , K . , : J . P o l y m . S c i . P o l y m . P h y s . , 4 4 , 9 6 7 ( 2 0 0 6 ) 7 . N o b u k a w a , S . , U r a k a w a , O . , S h i k a t a , T . a n d I n o u e , T . : M a c r o m o l e c u l e s , 4 3 , 6 0 9 9 ( 2 0 1 0 ) 8 . N o b u k a w a , S . , U r a k a w a , O . , S h i k a t a , T . a n d I n o u e , T . : M a c r o m o l e c u l e s , 4 4 , 8 3 2 4 ( 2 0 1 1 ) 9 . M i y a g a w a , A . , K o r k i a t i t h a w e e c h a i , S . , N o b u k a w a , S . a n d Y a m a g u c h i , M . : I n d . E n g . C h e m . R e s . , 5 2 , 5 0 4 8 ( 2 0 1 3 ) 1 0 . Y a m a g u c h i , M . , O k a d a , K . , A b d M a n a f , M . E . , S h i r o y a m a , Y . , I w a s a k i , T . a n d O k a m o t o K . : M a c r o m o l e c u l e s , 4 2 , 9 0 3 4 ( 2 0 0 9 ) 1 1 . M a n a f , M . E . A . , T s u j i , M . , S h i r o y a m a , Y . a n d Y a m a g u c h i , M . : M a c r o m o l e c u l e s , 4 4 , 3 9 4 2 ( 2 0 1 2 ) 1 2 . Y a m a g u c h i , M . , M a n a f , M . E . A . , S o n g s u r a n g , K . a n d N o b u k a w a , S . : C e l l u l o s e , 1 9 , 6 0 1 ( 2 0 1 2 ) 1 3 . M a n a f , M . E . A . , M i y a g a w a , A . , N o b u k a w a , S . , A o k i , Y . a n d Y a m a g u c h i , M . : O p t . M a t e r i a l s , 3 5 , 1 4 4 3 ( 2 0 1 3 ) 1 4 . S o n g s u r a n g , K . , M o h d E d e e r o z e y , A . M . , M i y a g a w a , A . , P h u l k e r d , P . , N o b u k a w a , S . a n d Y a m a g u c h i , M . : C e l l u l o s e , 2 0 , 8 3 ( 2 0 1 3 ) 1 5 . Y a m a g u c h i , M . , L e e , S . , M o h d E d e e r o z e y , A . M . , T s u j i , M . a n d Y o k o h a r a T . : E u r . P o l y m . J . , 4 6 , 2 2 6 9 ( 2 0 1 0 )

(11)

9

1 6 . Y a m a g u c h i , M . , I w a s a k i , T . , O k a d a , K . a n d O k a m o t o , K . :

A c t a M a t e r i a l i a , 5 7 , 8 2 3 ( 2 0 0 9 )

1 7 . D o a n , V . A . , N o b u k a w a , S . , O h t s u b o , S . , T a d a , T . a n d Y a m a g u c h i , M . : J . M a t e r . S c i . , 4 8 , 2 0 4 6 ( 2 0 1 3 )

(12)

木山あゆみ

*1

・信川省吾

*1

・山口政之

*1

(

o

C)

Cross-linked

BR

BR/5CB

BR/TF

T

g

-101

-101

-103

T

c

-52

-59

-55

(13)

木山あゆみ

*1

・信川省吾

*1

・山口政之

*1

CN

CH

3

(CH

2

)

4

m

n

5CB

TF

Fig. 1 Chemical structures of 4-cyano-4'-pentylbiphenyl (5CB)

and styrene-based tackifier (TF)

(14)

木山あゆみ

*1

・信川省吾

*1

・山口政之

*1

Fig. 2 Schematic illustration of the simultaneous measurements

of birefringence and tensile stress

Polarizer

Analyzer

45°

45°

Laser

λ = 632.8 nm

Tensile machine

Detector

PC

(15)

木山あゆみ

*1

・信川省吾

*1

・山口政之

*1

-2

0

2

4

6

8

10

-4

-2

0

2

4

6

8

-120

-80

-40

0

40

80

lo

g

[

E'

(Pa

)]

,

lo

g

[

E'

' (Pa

)]

log [

tan

δ

]

Temperature (

o

C)

E'

E''

tan δ

10 Hz

Fig. 3 Temperature dependence of tensile modulus for

cross-linked BR at 10 Hz

(16)

木山あゆみ

*1

・信川省吾

*1

・山口政之

*1

-3

-2

-1

0

1

-120

-100

-80

-60

-40

BR/5CB

BR/TF

log [

tan

δ]

Temperature (

o

C)

10 Hz

Fig. 4 Temperature dependence of loss tangent for BR/LMC

at 10 Hz

(17)

木山あゆみ

*1

・信川省吾

*1

・山口政之

*1

-140 -120 -100

-80

-60

-40

-20

Cross-linked BR

BR/5CB

BR/TF

Temperature (

o

C)

H

e

a

t Fl

o

w

10

o

C/min

(18)

木山あゆみ

*1

・信川省吾

*1

・山口政之

*1

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0

0.05

0.10

0.15

0.20

Cross-linked BR

BR/5CB

BR/TF

St

re

s

s

σ

(M

Pa

)

Strain

0.001 s

-1

(a)

0

5

10

15

20

25

30

0

0.05

0.10

0.15

0.20

Cross-linked BR

BR/5CB

BR/TF

Bi

re

fri

n

g

e

n

c

e

n

x 1

0

4

Strain

0.001 s

-1

(b)

Fig. 6 Growth curves of (a) tensile stress

σ

and (b) orientation

birefringence

n for BR and BR/LMC. The applied

(19)

木山あゆみ

*1

・信川省吾

*1

・山口政之

*1

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0

20

40

60

80

100

Cross-linked BR

BR/5CB

BR/TF

St

re

s

s

σ

(M

Pa

)

Time (s)

(a)

Strain 0.2

0

5

10

15

20

25

30

0

20

40

60

80

100

Cross-linked BR

BR/5CB

BR/TF

Bi

re

fri

n

g

e

n

c

e

n

x 1

0

4

Time (s)

(b)

Strain 0.2

Fig. 7 Relaxation behaviors of (a) stress and (b) birefringence.

The strain was kept at 0.2 for 100 s

(20)

木山あゆみ

*1

・信川省吾

*1

・山口政之

*1

0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

Cross-linked

BR

BR/5CB

BR/TF

C

R

(G

Pa

-1

)

3.2

3.0

3.7

Fig. 8 Stress-optical coefficient C

R

for BR and BR containing

Fig. 1 Chemical structures of 4-cyano-4'-pentylbiphenyl (5CB)              and styrene-based tackifier (TF)
Fig. 2 Schematic illustration of the simultaneous measurements              of birefringence and tensile stress
Fig. 3 Temperature dependence of tensile modulus for              cross-linked BR at 10 Hz
Fig. 4 Temperature dependence of loss tangent for BR/LMC              at 10 Hz
+5

参照

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