理学 療 法 学 第41巻 第1号 21
〜
27頁 (2014年 )短 報
脳 卒 中
患者
に
お
け
る
早
期
リ
ハ
ビ リ テ
ーシ
ョ
ン
実施状
況
と
リ
ハ
ビ リ
テ
ー
シ
ョ
ン
提供
体
制
と
の
関連
性
*一
入 院曜
日
を
考
慮 した分 析
で
の
検
討
松 本 大 輔
1
)
#近 藤 克 則
2
)
白 石 成 明
3
)
杉 山 統 哉
4
)
鄭
丞 媛
5
)
要旨
【
目的】
早期
リハ ビリ テー
シ ョ ン(
以 下,
リハ) 実 施
に はリハ提 供 体 制
が 関連
し,
特
に週 末
や休
日で リハ提 供
体
制
が不
足す
る と考
え
ら れ る。
本
研究
の 目 的 は,
急 性 期
脳卒
中患 者
に お け る 早期
リハ実 施
と リハ提 供
体 制 との 関 連 性 を,
入 院 曜 日 を 考 慮 した 分 析 に よ りあ き らか に す るこ とで あ る。
【
方 法】
目 本 リハ ビリテー
ショ ン・
デー
タベー
ス協 議 会
の登録 患 者
で,
急 性 期
脳卒
中患
者
4713
名
のう
ち,
選 択基
準
を満
た し た8
病
院2,
307
名
を 対象
と し た。
入 院 曜 日 を祝
日の ない週の平 日(
月〜
木
曜)
,
祝
日のあ る 週の平 日,
金
曜 日,
土・
日 曜 日,
祝 日の5
群 に 分 け,
比 較 し た。
入 院3
病 日 以 内の早 期 リハ 実 施 と 入 院 曜 日,
リハ 専 門 医の 関与
,
リ
ハ ス タッ フ充 実 施 設 (
病 床 数
とPT
・
OT ・
ST
合 計 数
の比 が
5
対
1
以
上)
との関 連 性 を
ロジステ ィッ ク回帰 分析
に より分 析 し
た。【
結 果 】 早 期
リハ実 施 割 合
は,
平 日
より も金
,
土・
日
,
祝
日で有 意
に低 く
,
コ ンサル タ ン ト医
リハ専 門 医
お よび認 定 臨 床 医
に対
し 主治 医
リハ専
門医
で オ ッ ズ比
9.
99
倍
,
リハ ス タッ フ 不足 施 設
に対
し リハ ス タッフ充 実 施設
で2.
30
倍 有 意
に高
かっ た(
p
く0.
05
)
。【
結 論
】
急 性 期
に お け る効
果的 な
リハ提 供 体 制
とし
て,
リハ専 門 医 が 主 治 医
とし
て関与 す
ること と リハ ス タッ フ の充 実
が必 要
であ
る可
能性
が 示唆
さ れ た。
キー
ワー
ド脳
卒
中,
早 期
リハ,
リハ提
供体
制 は じ め に 我 が 国の要 介 護の原 因 は,
脳 血 管 疾 患 が24
ユ % で もっ とも多 く
,
医療 費
は1
兆
7
千億 円
を超
え る とも
いわ れて い るD2
>、
脳 卒 中
患者
に対 す
る リハ ビ リテー
ショ ン(
以 下,
リハ)
を実 施
し,
良好
な機 能
回復
,
早 期
の在
宅・
社
*Association between Very Early Initiation of Rehabilitation and
Rehabiiitation Provision System for Sしroke Patients:Analysis
According t〔〕Day of Admission
l> 畿央 大学 健 康 科 学 部 理学 療 法 学科
〔〒635
−
0832 奈 良県北 葛 城 郡 広 陵 陶 馬 見 巾4−
2−
2>Daisuke Matsumoto
,
PT,
MS:Department of Physica且Therapy,
Facutty o正Heatth Science
,
Kio University2〕日本福祉 大学健康社 会研 究セ ン タ
ー
Katsunori KondQ
.
MD,
PhD:Center for WeLl・
being and Society,
Nihon Fukushi University
3〕H本福祉 大学健 康科 学部リハ ビリ テ
ー
ショ ン学科Nariaki Shiraishi
,
PT,
MS:Department of Rehabiiitation.
FacuLtyof Heatth Sciences
,
Nihon Fukushi UniverSity4)独 立 行 政 法 人 労 働 者 健 康 福 祉 機 構 中 部 労 災 病 院 中 央リハ ビリ テ
ー
ション部
Motoya
Sugiyama
.
PT,
MS:Departnient of Rehabilitation,
Cbubu
Resai
Hospitai5
) 国立長寿 医療 研 究センター
老 年社 会科 学 研 究 部
Seungwon
Jeong
.
PhD
;Department olSocial
Science
,
Nationai
Center
for
Geriatrics
andGerontology
# E
.
mail:dJnatsumoto@kio.
ac.
jp
(受 付囗 2013年10月15H / 受 理日 2013年12月25日)
会 復 帰
,
在 院
日数
の短 縮
につ なげ
るこ と は重 要
であ り
,
リハ の
果
たす役 割
は大
きい といえ る。
脳 卒 中
患者
へ の発
症 後
24
一
48
時 間 以 内の超早
期リハ(
Very
Early
Initi
−
ation of rehabilitation :
VEI
)
は患 者
の良 好 な予 後
につな
が る と
複 数
の ガ イ ドライン で推 奨
さ れてい る 3)4)。 しか し,
特
に早 期 離 床
につ い て は否 定 的
な意 見 も散 見
さ れ,
Cochrane
Review
でさ
らな
るエ ビ デ ンスが 必 要
と言及
さ れてい る 5)。
我 が 国で は
,
脳卒
中 治療
ガ イ ドライン20096
)におい て,
廃 用 症候
群 を予 防
し,
早 期
のADL
向
上 と社 会 復 帰
を 図 る た め に,
十分
な リス ク管
理のも
と にでき
る だけ発
症後 早 期
か ら積 極 的
なリハ ビリ テー
シ ョ ンを行 う
こ とが強 く勧
め ら れている。 とこ ろが,
日本
で は早 期
リハ実 施
の普 及
が不 十 分
との指 摘
は多 く
7),
普 及
のた め には早 期
リハ の実 施に関 わる要因 等
につ い てあ き らか にす
る必要
が あ る。
早
期 リハ の実 施
に関
連す
る要 因
と して,
まず
,
患 者
要 因 と し て 疾 患 や 重 症 度等
が挙 げ
られ る。
近藤
ら8) は 入 院 初 日 か らの座 位 を 実 施 した 群 は し な かっ た 群 と比較
し,
再発
・
症 状 進 行
は み ら れず
,
重 症 度
,
病 型
,
病 巣
部位 等
で層 別 化
しても再 発
・
進 行
は増 え
ていな
かった
こ欠 損
324
例 図1 対 象の選択プロ セ ス とを報 告 し
,
条件
下 での早 期
リハ実 施
の安 全 性 を
示 し て い る。
つま り
,
患 者 要
因以外
の要
因を検 討 す
る必 要 が あ る。患 者 要
因 以外
にリハ専
門 医 およ び リハ ス タッ フ の 人員 な ど
の施 設 要
因 が挙 げ
ら れ,
現行
の制 度
で は,
医師
の 指 示 が ない と リハ を 進 め ること がで き ないた め,
医 師の リハ処 方
の早
さ が早 期
リハ実 施
に関 連 す
る可 能 性
が高
い。
ま た,
Hasegawa
ら9〕は,
平H
人 院 患 者 は 脳 卒 中 ユニ ッ トに 入 院 期 冏 中の リハ実 施Il
数 が 多 く,
機 能 予 後 が良
好であっ たの に 対 し,
週 末 や 祝 日 入 院 患 者 は早
期 リ ハ実 施
の 日数
が少
ない た め,
退 院 時の自
立度
が低
かっ た と してい る。
これ は 週 末の リハ 提 供 体 制 不 足 に よ り,
早 期 リハ実 施
が 妨げ
ら れ た と考
え ら れ る。
さ ら に,
近年
で はMatsui
ら10 )はDPC
デー
タ を用
い,
患者
の重 症度
や 医 療 行 為 を 調 整 して も 入 院3
病 日 以 内の早
期リハ 実 施で は病
状 を 悪化 す
ること なく機 能
回復
に よい影 響
を与
え る一
方
で,
金
曜 日 入 院 は 退 院 時の自
立 度 に 悪影 響
を 及 ぼ す こと を 報 告 し てい る。
これ らの報 告 か ら,
入 院 曜 囗 問(
平
日 と 週末
・
祝
日間
)
で リハ を提 供
で き る体 制
に 差 が あ る こ と を 示 し,
急 性 期 病 院の早
期 リハ 実 施 に は 患 者 要 因 より
も 施 設 要 因へ の対 応 が 必 須であ る と考
え ら れ る。
そこで
,
本研 究
では 日本
リハ ビリテー
ショ ン・
デー
タベ
ー
ス協
議 会(
Japan
Association
ofRehabilitation
Data−
base
;以 下,
JARD
>
lD に 提 供 さ れ た 多 施 設 か らの登 録 デー
タを 用い て,
急 性 期
脳卒
中患 者
に お ける早期
リハ実
施
と 関連 す
る 要 因 を,
人院 曜
日を考 慮
し たう え
で,
おも
に リハ 提 供 体 制 に 着 目 して分 析 を 行い,
効 果 的 な リハ 提供 体 制 を検 討 す
ること を日的
と し た。対 象
と 方 法対 象
は,
JARD
の登 録 患 者
デー
タ で,一
般 病 棟 脳 卒 中
患 者
4
,
713
名
のう
ち,
選 択
基準
を満
た し,
欠 損値
や 異常
f
直を
示す も
のは除 外
し た8
病 院
2.
307
名
(男性
1,
447
名
,
女性
860
名
:年
齢71,
7
±8,
0
歳 )
とした、
選択 基 準
は「直
接
入 院⊥
「
年
齢55
歳
以 上84
歳
以 下・
性
別 記載
あ り」
,
「
入 院 時 発 症後 病
日7
日 以内 」
,
「在
院 円数
8
日 以 上60H
以 下 」.
「1
施 設で50
名 以 ヒの患 者 登 録 施 設 」 と し た (図1
)
。
「直接 入 院 」
と は,
他
の医 療 機 関
か らの転 入 院
では なく
,
手 術 を 含 む 急 性 期 治 療 か ら 行 っ た 場 合の入 院 と し た。
「発 症 後 入 院 病 日7H
以 内 」 と し たのは,
発 症 か ら 入 院 まで に あ まり
に 時 間のたっ ている もの には,
軽 度であっ た ものや,
転 院 して き たも
のな ど,
例外
的 なも
のが多 く
含 ま れ る た め 対象
か ら 除 外 した、
、
ま た,
「在 院 凵 数8
目 以 上60
日 以 下」
と し たの は,
あ まり早
い時
期 に 退 院 し た もの は,
重度
で死 亡 し た もの,
特 別
な 理 由 です
ぐ に転
院す
る場
合 な どリハ 以 外の要 因 が 大 きいと 考 え ら れ る か らであ る。
ま た,
在
院H
数 が 長 期化
す る もの は,
合 併 症 な どの治療
に 時 問 が か かっ て し まっ た場 合
な ど が考 え
ら れ る。
これ ら は特 殊 な 状 況 で外
れ値
とな るロf
能性
が高 く
な る た め,
対 象
か ら 除 外 した。
評
価
項 目 は,
患 者
要 因 と して,
患 者 情 報
は脳卒 中病 型
分 類 と 自 立 度の評 価 と して先 行 研 究 9)IO }に し た がい,
入 院 時
modifiedRankin
Scale
(
以 下,
mRS)
を 用い た。
施 設 要 因 と し て
,
リハ専
門 医の 関与
の仕 方
につ い て,
石 田 ら12 )の報 告 を 参 考 に,
主 治 医,
コ ンサル タン ト医の 関わ り方
の違
い と,
リハ専
門医
,
リハ認 定
臨床 医
,
非リ ハ専 門 医
・
非 認 定 臨床 医
の違
いを組
み合
わ せ た指標
を用
いた。
な お,
主 治
医で リハ認 定 臨床 医
が お らず
,
コ ンサ ル タン ト医
で は リハ認定 臨 床
医 がごく少 数
い たため,
リ ハ専
門 医 に含 め,
主 治 医 リハ 専 門 医.
主 治
医非
リハ専
門 医・
非 認 定 臨 床 医,
コ ンサル タン ト医 リハ専
門 医 および認
定 臨 床 医,
その他の4
群に分 けた。 リハ ス タッ フ の充
実 度 を病 床 数
と理 学 療 法
十(
PT
)
・
作 業 療 法
士(
OT
)
・
脳卒中 患者に お け る早期 リハ 実 施 と リハ 提 供体制 との関 連 性
23
表
1
入院 曜
日 間 で の各
項
目 の 比較
(
n≡2
β
07
)
祝日の ない週の平日 祝日のあ る 週の平口 金 曜口(
n=
1
,
076
)
(
n=
234
)
(
n=
359
)
土・
囗 曜 日(
n=
560
)
祝囗(
n=
78
)
P 年 齢 (歳 ) 性 別 男性/女性 (%) 脳 卒 中 病型 大 分類 脳 梗 塞(
%)
脳 出血 (%) く も膜下出 血 (%) その他 (%) 入 院 時mRS4
,
5 (%) 主 治 医の診療 科 (リハ 科 ) リハ 医の関 与 (%) 主 治 医 (リハ 専 門 医 ) 卞治 医 (非 専 門 医・
非 臨床 認 定 医 ) コ ンサルタント医 (リハ 専 門 医・
臨床 認定 医 ) その他 リハ ス タッ フ充 実 施 設(
%)
入 院3
日以内のリハ 開始(
%)
7L8 ± 7.
963
ユ/369
70
.
825
.
7221.
370
.
510.
8
8
,
84
.
6
66
,
020
.
630
,
178
.
3* * 71.
5 ± 8.
062
,
0
/38
.
0
66
.
228
.
63.
81
.
366
.
211
.
5
8
.
47
.
0
64
.
020
.
631
.
6659
72.
1 ± 7.
9 71.
4± 8.
2 72.
0
±8
.
O
n.
s63
.
2/36
.
8
62
.
5
/37
.
5
59
.
〔}〆41
.
O
n.
sO
.
041
69
、
425
.
63
.
31
.
769.
811.
1
9
.
o3
.
1
68
.
219
.
730
.
128
.
0**64
.
6
* *3Ll
*
*
3
.
Ol
.
373
.
lI2.
1
10
.
75
.
3
63
.
820
.
233
.
659
ユ* *80
.
8
* 14.
1*
2
.
62
.
668814.
1
10
.
84
.
1
64
.
82e
.
332
.
160
.
3 n,
Sn,
Sn、
S n.
s < 0.
001 *P <0
.
05
;* *P <0ρ1言 語 聴 覚 士 (
ST
)
の合 計 数
の比 率 を
用い て,
病 床 数 対
リハ ス タッ フが5
対1
以 上 を リハ ス タッフ充 実 施 設 と し て 充 実 群 と不
足 群の2
群
に 分 け た。
ま た,
入 院曜
日 を 祝 日のない週の平
日(
月
〜
木 曜
)
,
祝
日 の あ る 週の(
祝
日 で ない)
平 日,
金
曜H ,
土・
日曜 日,
祝 日での5
群 に 分け
た。早 期
リハ実 施
につ い て,
Langhorne
ら 】2)に よ る とStroke
Unit
の2
/3
が3
病
日 以内
に リハを
開始
し良 好
な帰
結 につ な がっ たと報 告 し てい る。
ま たMatsui
ら 9) は我
が 国のデー
タを 用いて,
同様
の 結 果 を 示 してい ること
か ら,
そ れ らを参 考
に,
本 研 究
で は3
病
日以内
の リハ 開 始 を 早期
リハ と定 義
した。
統 計
分析
は統 計
ソ フ トSPSS20.
OJ
を 用い,
曜 日間での早 期
リハ実 施 等
の各 項
目の比較 を
X2
検 定
,一
元 配置
分散
分析 後
に多 重
比較 検 定
に はBOIlferroni
法 を 用い た。
ま
た,
曜
日間お よ び リハ専
門 医の関与
・
リハ ス タ ッ フ充実 施 設 問
で の早 期
リハ実 施 割 合
比較
で は,X2
検 定
で 調整 済
み残 差
を用
い た残 差 分析 を行
っ た。
早期
リハ実 施
に関
連す
る要 因
を検 討 す
る た め に,
目的 変 数
を3
病
日 以内
の早 期
リハ実 施
とし
,
各 項 目 を 強 制 投 入
し たロ ジス テ ィッ ク回帰 分析 を
用いた。 カテゴ リー
デー
タの参
照 値 は脳 卒 中病 型 分 類
で は脳 梗 塞
,
曜 日で は祝
日の ない平
H ,
リハ専 門 医
の関 与
で はコ ンサル タン ト医 リハ専
門 医 お よび 認定 臨床
医と した。
有 意 水 準 は5
% 未 満 と した。
本 研
究
に用いたデー
タ は匿 名化 処
理 をし,
個
人情 報
を含
ま ない デー
タ であ
る。ま
た,
日本
リハ医 学会 研 究 倫
理審 査 会
で,
日常 臨 床
か ら得
ら れ た デー
タ で あ り,
リハ医
療の向
上 を 目 指 す もの で あ り,
疫 学 調 査の倫 理指 針
に照 ら して倫
理 上の問
題 が ないと確 認
さ れてい る。結
果
1
.
記
述統 計
分 析 対
象
は 入 院 曜 日 が 祝 日の ない 週の平
日1,
076
名
,
祝 日のあ る 週の平 口234
名,
金 曜 日359
名
,
土・
日曜
日560
名
,
祝 日 入 院78
名
であっ た。
入院 曜
日 に おけ
る早
期
リハ 実施
の割
合 を 比較
し た結 果
,3
病
日 以内
の リハ実
施の 割 合 が,
祝 日の ない 週の平 日78
.
3
%,
祝 日のある週 の平
日65.
9
%.
金曜
日28.
0
%,
土・
日曜
日59
,
1
%,
祝 日
60,
3
% で金
曜 日,
土・
日 曜 日 で有
意 に低
かっ た(
p く0.
01
) (
表1)
。
脳 卒 中 病 型では,
入 院曜
日間
に有
意 差 が 認 め ら れ,
祝 日 で脳 梗
塞 が多 く
,
脳 出
血 が少 な く
,
土・
日 曜 日 で は 脳 梗 塞 が 少 な く,
脳 出 血 が多
かっ た(
p 〈0.
05
)
(表1
)
。
その他の 項 目 は 入 院 曜 日 間で有 意 差 は認
め ら れ な かっ た(
表
1
)
。
リハ
専
門 医の関 与 に お け る早
期 リハ実 施 割 合
に おい て,
主 治 医 リハ専
門 医で は曜
日間
に有 意
差 は なく
,
コ ン サル タン ト医
リハ専 門 医
お よ び認 定 臨 床 医
,
そ
の他
の医
師 で は,
金曜
日の早 期
リハ実 施 割 合
は16
.
8
%,
20
,
6
% と 有 意に低 かっ た(
p
く0
,
01
) (
表
2
)
。 ま た,
主治
医 リハ 専 門 医 はす
べ ての曜
日で有 意
に高 く
,
主治 医
リハ非 専 門
医・
非 認定 臨
床 医 は 祝 日のない平
日,
金曜
日,
祝
日で有
表
2
リハ
専 門 医
の関 与
に おけ
る入 院
3
病
日 以内
の リハ開 始
の割 合
主 治 医リハ専門 医 主 治医非 専門医・
非 臨 床 認定医 コ ンサル タン ト医 その 他 リハ 専 門 医・
認 定 臨床医 祝囗のない 週の平 日 祝 口のある週の平 日 金 曜 日 土・
凵曜凵 祝 日96
.
5
嬲100
耕86
.
2
嬲90
.
6
嬲100
麟97
.
7
* *・
ua75
.
077
.
8
##82
.
1100
##73
.
3
* *・
##62
.
816
.
8
* *・
##528
嬲442
80
* *56
.
520
.
6
* *53
.
2
*66
.
7
¥一
位 :% 曜日間:*P
く0
.
05
:* *P
<0
.
Ol
リハ 専門 医 の 関与間 :#P
〈0
,
05
;蠏P
<0
,
01
表
3
リハ ス タッフ充 実 施 設 に お け る 入 院
3
病 日以 内の リハ
開始
の割
合 充 実 施 設 不 足施 設祝
日 の ない週の平日 祝囗の ある 週の平日 金 曜 日 土・
日 曜 日 祝凵87
.
4
* *淵80
,
8
裡67.
7
* *・
##76
.
4
## 76.
0
#74
.
4
**58
.
711
.
7
* *50
.
3
*
*
52ユ医
・
非 認 定
臨床 医
より
も リハ専
門医
が 主 治 医であ ること が有
意に関
連 してい た、
ま た,
リハ ス タッフ充 実 施 設で は そう
でない施 設
より
も早 期
リハ 実 施の割
合 が 高 ま る 要因
であ
る こと が示 唆
さ れ た。
単 位:% 曜日間:*P
<O
.
05
;聯P
く0
.
Q1
リハスタッフ充 実 施 設 間:やく 0,
05;耕P く0.
Ol 意 に高
かっ た。
ま たコ ンサル タン ト医
リハ専 門 医
お よ び 認定 臨床
医 は 祝 日のない平 日,
金 曜 日,
土 日 で有意
に低
かっ た(
p
<O
.
Ol
) (
表
2
)
。
リハ ス タッ フ
充 実 施 設
に おけ
る早 期
リハ実 施 割 合
に お い て は,
充 実 施 設・
不
足 施 設 と も に金
曜 日 で 有 意 に 低 かっ た(
p
く0
.
01
) (
表
3
)
。
ま た,
どの曜 日におい て も充 実 施 設
で高
かっ た、
(
p <0.
05
)
(
表
3
)
。
2
、
ロ ジス テ ィック回 帰 分 析3
病
日 以内
の リハ開 始
に有
意 に関
連す
る項
目 と し て,
患者 要 因
に は有
意 差 は 認 め ら れず
,
患 者 要 因 を 調整
し て も,
入 院 曜 日 は 平 日 以 外で少 な く な り,
リハ ス タッ フ不足 施 設
と 比べ充 実 施 設 (
オッズ比≡2.
30
)
,
コ ンサル タ ン ト医
リハ専
門医
お よ び 認 定 臨 床 医 と 比べ 主 治 医 リハ専
門 医 (
オッズ 比=
9
.
99
)
,
主治 医非
リハ専
門医
・
非 認 定臨床 医 (
オッ ズ比
‘
3
.
40
)
が高
める要 因
であ
っ た(
表
4
)
。
考 察本研 究
の結 果
,
3
病
日 以 内の早
期 リハ 実 施の割 合 には入 院 曜 日 間
に おい て差 があ り
,
金曜
囗の入 院 の 際 に はも
っ とも実 施 割 合
が低
かっ た。
さ らに,
早
期 リハ 実 施 と リハ専 門 医
の関 与
につ い て,
コ ンサ
ルタン ト医
リハ専 門
医 お よ び 認定 臨 床 医
より も
主治 医
が,
ま
た リハ非 専 門
1
.
入 院 曜 日 間
にお け
る早 期 リ
ハ実 施
と リハ専 門 医
の関
与との 関
連 性
基 本 属
性
に おいて,
祝
日で脳梗 塞
が多
か っ た理由
とし て,65
歳 以 上の男 性 で は「
週 は じ め」 (
月曜
R ,
火 曜
日)
に おい て 全 脳 卒 中 お よ び 脳 梗 塞の 発 症 率 が 高 か っ た と14 )報 告
さ れ てい ること か ら,
祝 日 は 月 曜 日 が多
かっ た た めであ る と 考 え ら れ る。 し か し,
その 他の 項 日で は 入 院 曜 日 聞で有
意 な差
は認め られ なか っ た ことか ら,
曜
日 間 に お け る患
者 要 因 に は 大 き な差
が な かっ た と考 え
ら れ る。
今 回の結 果では
,
リハ 専 門 医,
リハ 非 専 門 医・
非
認定
臨床
医 に か か わ ら ず,
主 治 医である とコ ンサル タ ン ト医 リハ専
門 医 お よ び 認定 臨 床
医と
比べ,
有 意
に早 期
リハ実
施 割 合 が 高 かっ た。
さ ら に リハ 専 門 医であ ると曜 日 間の 差 が 認 め ら れ ず,
リハ 非専
門 医・
非 認定 臨 床
医よ りも
オッズ 比 が高
かっ た。
特
に金 曜
日,
⊥・
口,
祝
囗で早期
リハ 実 施 割 合 が 低い こ とか ら,
医 師 か らの 処方
が 遅れ た 可 能 性 が ある。
また,
コンサル タ ン ト医
リハ専 門 医
お よ び 認定 臨床
医 につ い て は,
主 治 医
から
リハ の処 方 を依 頼
さ れるまで さ らに時 問が か か る ことが考
え られ る。
石
田 ら12)はリハ専
門 医の関与
が早期
リハ,
リハ 訓練
量増
大 につ な が り,
患 者
のADL
改 善
.
自宅 復 帰
に影 響 す
る こ と を 報 告 してお り,
本 研 究の結 果 を支 持 す
るも
の であ
る。
リハ専
門 医と非 専 門 医の 早期
リハ実 施
の違
い につ い て は リハ の重
要性
の理斛
や重 症 例
へ の対 応 な
ども関 連
し ている と 考 え ら れ る。
つ ま り,
リハ専
門医
・
認 定 臨 床 医
であっ て も,
コ ン サ ル タ ン ト医
であると 早 期リハ 実 施 が 遅 れ ることを示 し
,
リハ専 門 医
がコ ンサル タン ト医
と し て 関 わる体 制
は,
早 期
リハ実 施
という視 点
におい ては,
効
果 的で はな
い といえ
る。本研 究
で は,
早 期 リハ 実 施 に おいて,
まず
は,
主 治 医
とし
て関
わ ること が 重要
で.
さ脳 卒 中 患 者 に お け る 早 期 リハ 実 施 と リハ提 供体制 との関 連 性
25
表
4
入 院
3
病
日以 内
の早 期
リハ実 施 を 目的変 数
と した
ロ ジス ティッ ク 回帰 分 析
の結 果
有 意 に 選 択 さ れ た 項 目 回帰 係数 オッズ 比 オッズ 比の95
%信頼 区間 曜目 平 日 (祝 日+)/’
平 日 (祝 日一
) 金 曜日/平日 (祝日一
) 十・
i
」曜1
−
[/ 平LI
(祝日一
) 祝 日 /平 日 (祝日一
) 施 設 要 因 主治 医 リハ 専 門医/コ ンサルタン ト医 主 治 医 非 リハ 専 門 医 非 認 定 臨 床 医/コ ンサルタン ト医 その他 〆コ ンサルタン ト医 リハ 充 実 施 設〆リハ 不 足 施 設一
〇.
63
−
2
.
59
−
1
,
06
−
1
.
01
2
.
301
,
220
.
380
.
830.
530
.
080
.
350
.
36
9
.
993
.
401
.
462
.
30 下限0,
380
.
050
.
270
.
21
5221
,
721
.
141
.
7q
上 限0.
740
.
100
.
440
.
62
19
.
096
.
721
.
873
.
04
説 明 変 数:患 者 要 因 (年 齢,
性 別,
脳 卒 中 病 型,
mRS )と 上記 を同 峙に強 制 投 入 ら に主治
医 が リハ専
門医
であ
る場 合
に早 期
リハ の実 施 割
合
が高 ま
る ことを示 す
こ とができ
た。
主 治
医 が リハ科
医 で あ るのが10.
8 〜14.
1
% で,
リハ専
門 医 は8
.
4
一
10
.
8
% と低
かっ た。
平
成22
年
必要 医 師 数
の実 態 調 査
15)では救 急 科
や産 科
より も
リハ科
の医 師が
不 足
しているこ と を示
している こ と か ら,
早 期
リハ にお い ても
,
リハ科 医 師
の みな
らず
,
急 性 期
で は主治 医
とな
る脳 外 科
,
神 経 内科 な
どの他 診 療 科
で のリハ専 門 医
の充
実
が急 務
であ
る と考
え ら れ る。2.
入 院 曜
日 間 に お け る 早期
リハ実 施
と リハ ス タッフ充実 と
の関連 性
リハ ス タ ッ フ数において は
,
施 設の病 床 に 対 応で き る人 員
が必 要
であ り
,
今
回,
リハ スタッ フ充 実
の指 標 と
し て,
病 床 あ
たり
の リハ ス タ ッ フ数 (
5
対
1
) を用
いた
。
その結 果
,
リハ ス タッ フ充 実 施 設
は,
どの曜
日に お い ても不 足 施 設
より有 意
に早 期
リハ実 施 割 合
が有 意
に高 く
,
リハ専 門医
の関与
と独
立し
て関連
して有 意
に好 影 響 を与
え
てい た。
特
に急 性 期 病 院
で は土・
日,
祝
で リハ を 実施
し てい る施 設
は少
なく
,
医師
か ら の処 方
が あっ ても
土・
日,
祝
に は実 施
できな
かっ た 可能性
があ
る が,
本研 究
の結 果
で は,
リハ専
門医
がい なく
ても
,
リハ ス タッ フ を充
実 さ
せ る ことで早期
リハ実 施
につな
がる ことを
示唆
し て い る。ま
た,
Matsui
ら lo) の報 告
で は2007
年
の急 性 期
病 院
の早期
リハ実 施 割 合
が74
.
2
% であ り,
平 均
リハ単 位
数 が
L54
±1
,
09
単 位
であ
った
。そ
の結 果
から も急 性 期
病 院
の リハ ス タッ フが 充 実 し
ていな
い こと や365
日体 制
で ない こと が多
い ため,
1
患者
1
単 位
20
分 程 度
に なっ てい る現 状
があ
る と考 え
られ
る。Kwakkel
ら
161 の報 告
で は 訓練
量 とADL
の改 善
に関 連 性
があ
る こ と を示 し
て い ること か ら,
早 期
で の訓練
量 を十 分確 保
でき
る体 制
が 必要
であ り
,
リハ ス タッ フ の充 実 も急 務
であ
ると考 え
ら れ る。そ
の他
の要 因
とし
て,
今
回の結 果
で は多 重 共 線 性
は問 題 な かっ た が,
リハ専
門 医 がい る 施 設 に リハ ス タッ フが多
い こ とが関
連 し てい るこ とが影 響
し た と考
え ら れ る。
さ ら に,
リハ ス タッフだけ
でな く
,
看 護 師
・
介 護
士等
の関
わり も関 連
してい る と考
え られ る。3
.
本 研 究
の意義
と限 界
本 研 究
の意 義
は,
3
病
日 以内
の早期
リハ に は リハ専
門医
が主 治 医
と して関 わ
ること と
,
リハ ス タッフが充 実
し てい る こと に関 連 が
みられ た
ことを示
した
こと
であ
る。
今
ま での報告
で早 期
リハ の有 用 性
につ い て はあ
き らか に なっ てい る もの の,
施 設 要 因
につ いて は 十分 検 討
さ れて い な かっ た が,
各
施 設
で実 践
して いく
にあ
たっ て,
具 体
的 な質
的・
量的 指 標
であ
き らかに したこ とが本 研 究
の強
み で あ る。
ま た,
今
回の結 果 は診
療
報
酬改 訂
につ な が る基礎 資 料 と
な ると考 え
られ る。
また
,
一
般 的 に リハ 医 学 で はRandomized
Control
Trial
(
以 下,
RCT
)
が行
い に く く,RCT
に よ る方 法
以外
の方 法
と して,
大 規模
デー
タベー
スによる「
よく
デザ インさ れ た 比較 研 究 」
はエ ビデンス レベ ルが高
い 17)と い わ れ てい る。
さ ら に,
野
口 ら に よ る と,
入 院 曜 日
は直
接
入 院症
例 に おいて,
疾 患
がラ ンダム に起こ る と考
え ら れ るの で,
医 療
の質
を評 価 す
る際
の バイア ス を取 り除 く
た めの操 作
変 数 と し て 用い ら れ る,
と して い る18)こ と から も
,
入 院 曜
日を
調整 変 数
と して用いたこ とで,
本 研
究の知 見の 妥当性
は高
い と考
え るこ とができ
る。本
研究
の限界
と し て,
現
在
のJARD
で登録
さ れ たデー
タのみであ り,
リハ に積
極 的 な リハ専
門医 等
が 主 と して デー
タ提
供 し ている 可能性
が高
い。
ま た今 回
の対 象
の急
性 期 施 設
に国
立病
院 や大
学病
院 な ど施 設
が含
ま れてお らず
,
rt−PA
の投 与
や 開 頭 ク リッピング 術等
の手 術
や投 薬
状
況 につ い て は調 整
で き てい ない た め,一
般 化 す
るう え
で は 注 意 が 必要
で あ る。
結
論
今
回,
日 本 リハ ビリテー
ショ ン・
デー
タベー
ス協議
会 の登録 患 者
で,
多
施
設 共 同デー
タ を 用いた 分析
に よっ て,
週 末 や 祝H ,
休H
に は 入 院3
病H
以 内の早 期 リハ の実 施 割 合
が低
下 し,
主治 医
と して リハ専 門 医
が関
わ るこ と,
お よ びリハ ス タッフが充 実
して い る こと が関 連
して い る ことが示 唆
さ れた。早 期
リハ の普 及
のため に は,一
定 条 件 を満
た し た施 設
,
主 治 医
と して リハ専 門 医
の関
与
,
病床
あた りの リハ ス タッ フ数 確保
や365
日体
制 など をエ ビデ ン ス に基づい た診療 報 酬 要 件
とし て検 討 す
る必要 が あ
る と考 え られ
る。謝
辞
;本 研 究
は厚
生労
働
科
学 研
究費
助成 金 (
H19一
長寿
一
一
般
一
〇28
)
な ら び に老
人保 健 健 康 増
進等 事 業
,
平
成25
年 度
日本
理学 療 法
士協 会 研 究 助 成
を受 け
て行
っ た、,
ま た,
日本
リハ ビ リ テー
ショ ン・
デー
タベー
ス協 議 会
により開発 さ
れ たリハ ビ リテー
ショ ン患 者
デー
タベー
ス の デー
タを用
い た もの です
。記
し て感 謝
します
。 なお本 報
告
の内 容
・
結 論
は協 議 会
の見 解
で はな く
,
発 表 者
の見 解
です
。
文
献
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