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地方都市郊外における内水氾濫解析モデルの適用性の考察について

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Academic year: 2022

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地方都市郊外における内水氾濫解析モデルの適用性の考察について

ニタコンサルタント㈱ 正会員 三好 学

1.はじめに

岡部らは,下水路が整備されておらず,排水路によ り雨水を排水している地区にも適用できる内水氾濫 モデルを構築した.そして平成16年台風23号(以下,

台風 1623 号)による徳島市佐古地区の内水氾濫の再 現を行い,浸水深の解析結果と浸水実績の比較から良 好な再現結果を得た1).さらに,著者らは同モデルを 用いた台風2109号の徳島市昭和地区における検証で も良好な再現結果を得た2).両地区ともに開水路と下 水管路を併用し雨水を排水している徳島市中心部の 市街化地域である.今回台風2315号(平成23年9月 21日)において,徳島市郊外の徳島市川内町鈴江近辺 の浸水実績を調査することができた.川内地区は,畑 地や駐車場,家屋が混在し,開水路のみで雨水を排水 している地区である.川内地区の調査結果と同モデル の解析結果を比較し,下水管路が整備されていない地 方都市郊外における適用性の考察を行う.

2.解析方法

本解析モデルは,二次元不定流モデル(地表面),一 次元開水路不定流モデル(排水路),一次元管水路不 定流モデル(下水路)の3個のサブモデルを図 2のよう に結合することにより構築されている.下水排水路モ デルでは,数値不安定を避けるためスロットモデルを 採用している.また,排水路網,雨水排水用下水路網,

水門・樋門,排水機場など,実在する内水排水関連施 設の効果を考慮することが可能である.

降雨

地表面

排水路 下水路

堤内 堤外 降雨

山地から 排水路上流端

への流入

流入

溢水

マンホール への流入

マンホール から逆流

流入・流出 ポンプによる

強制排水

ポンプによる 強制排水

降雨

地表面

排水路 下水路

堤内 堤外 降雨

山地から 排水路上流端

への流入

流入

溢水

マンホール への流入

マンホール から逆流

流入・流出 ポンプによる

強制排水

ポンプによる 強制排水

図 2 サブモデルの構成

3.解析結果と浸水実績の比較 3.1 浸水深(浸水位)について

解析結果と浸水実績の浸水深を図 3.1に示す.両者 を比較したところ,ある畑地において浸水実績が

0.54mに対し解析結果が0.01mであり,ある駐車場に

おいて浸水実績が0.11mに対し解析結果が0.02mであ った.畑地や駐車場において,浸水実績より解析結果 の水深が小さい傾向がみられた.また,徳島市川内町 鈴江近辺の浸水位は概ね1.2mであった.

1.15m 0.70m 1.17m 0.77m

<畑地> <駐車場>

浸水実績 解析結果 浸水実績 解析結果

浸水位 浸水位

0.11m 0.02m

0.54m0.01m

浸水深 浸水深

図 3.1 浸水位の比較 3.2 浸水範囲について

3.1の調査結果から浸水位を1.2mと想定し,地盤高 から浸水範囲を算定した.解析結果と浸水実績により 想定された浸水範囲を図 3.2-1と図3.2-2に示す.両 者を比較したところ,0.2m 以上の浸水深が発生した 浸水範囲は,浸水実績より解析結果の浸水範囲が狭い 傾向がみられた.

39号線

吉野川橋

えのきせえこがわ 榎瀬江湖川

<解析結果>

図 3.2-1 解析結果の浸水範囲

0.01m以上0.2m未満 0.2m以上0.5m未満 0.5m以上1.0m未満 1.0m以上 浸水深凡例

0.01m以上0.2m未満 0.2m以上0.5m未満 0.5m以上1.0m未満 1.0m以上 浸水深凡例浸水深凡例

39

キーワード 内水氾濫,解析モデル,地方都市,浸水実績,メッシュ細分化,排水機 連絡先 (徳島県徳島市川内町鈴江西38-2 TEL088-665-5550 FAX088-665-0115)

土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月)

‑335‑

Ⅱ‑168

(2)

39号線

吉野川橋

えのきせえこがわ 榎瀬江湖川

<浸水実績>

浸水位を1.2mとした場合

図 3.2-2 浸水実績により想定された浸水範囲

4.適用性の考察

4.1 浸水深(浸水位)の比較から

今回の内水氾濫解析は25mメッシュで行っている.

対象とした徳島市川内町近辺では,25mメッシュ内に,

畑地や駐車場,家屋が混在している.また家屋の浸水 を防ぐため,家屋は畑地や駐車場より一段高い箇所に 立地している.一方,昭和地区では,25mメッシュ内 に高低差は比較的小さく,家屋が密集している.昭和 地区と川内地区の土地利用状況の特徴がよく表れて いる25m区画内の地盤標高3)の比較を図 4.1-1に示す.

同25m 区画内の標高値の最大と最小の差は,昭和地

区が0.09m に対し,川内地区は1.16m と高低差が大

きいことが読み取れる.

<昭和地区> <川内地区>

図 4.1-1 25m 区画内の高低差の比較 (□:25m 区画,■:家屋)

次に,川内地区の同25m区画内の10m4)と5m3)メッ シュで整備された標高値の比較を図 4.1-2 に示す.

10m メッシュで整備された標高値では,25m 区画内 の標高値は全て2.5mであり高低差は無く,局所的な 高低を解析に反映できない.一方,5mメッシュで整 備された標高値では,家屋の存在する箇所は畑地が存 在する箇所の標高値より大きく,局所的な高低が反映

できている.今回の内水氾濫解析は 25m メッシュで 行ったため,地盤標高の局所的な高低を解析に反映で きす,地盤標高の低い箇所の浸水を顕著にできなかっ たと考えられる.

<10mメッシュ> <5mメッシュ>

図 4.1-2 10m と 5m メッシュで整備された標高値 (□:25m 区画,■:家屋)

4.2 浸水範囲の比較から

現状のモデルでは外水位が高い場合の排水機場の 排水能力の減衰を考慮できていない.外水位が高い場 合に排水機場の能力は減衰すると考えられ,今回の内 水氾濫解析では豪雨における排水機場の排水能力を,

浸水実績より過大に評価している可能性がある.これ が,解析結果が浸水実績より浸水範囲が狭い傾向がみ られた要因と考えられる.

川内地区は佐古地区や昭和地区より畑地が多いこ とから,川内地区の排水には比較的畑地の泥土が混入 していると考えられる.排水への泥土の混入により,

排水機場の排水能力を減衰した可能性がある.これが,

佐古地区や昭和地区において良好な再現結果を得る ことができたが,川内地区では解析結果が浸水実績よ り浸水範囲が狭い傾向がみられた要因と考えられる.

5.おわりに

下水管路が整備されていない地方都市郊外におい て,解析結果と浸水実績を比較すると,解析結果の浸 水深が小さく,浸水範囲も狭い傾向がみられた.今後,

メッシュを5mに細分化した解析を行い,解析結果と 浸水実績と比較することにより,同モデルの適用性の 向上を数値的に示したい.

6.参考文献

1) 高橋賢司, 岡部健士:平成16年台風23号による徳島市佐古 地区の内水災害の発生過程,2006年度土木学会四国支部大会 技術研究発表会,Ⅱ-13 P132-133

2) 三好学, 田村隆雄, 安芸浩資:平成21810日豪雨にお ける内水氾濫解析の事例について,2010年度土木学会四国支 部大会技術研究発表会,Ⅱ-16 P131-132

3) 数値地図5mメッシュ(標高) 国土交通省 国土地理院 4) 基盤地図情報10mメッシュ 国土交通省 国土地理院

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0.01m以上0.2m未満 0.2m以上0.5m未満 0.5m以上1.0m未満 1.0m以上 浸水深凡例

0.01m以上0.2m未満 0.2m以上0.5m未満 0.5m以上1.0m未満 1.0m以上 浸水深凡例浸水深凡例

土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月)

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Ⅱ‑168

参照

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