早稲田大学法学部教授の意見
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(2) 早法六九巻一号︵﹄九九三︶. 二 個々の意見照会項目に対する意見 ︵1︶ 取得事由︵二︶. 九二. 通決議でよいと思われるが︑相対取引による買い付けの場. 合には︑濫用の危険を考慮して特別決議を要するものとす. に加えて︑二2︵3︶の﹁自己株式の取得を承認する株主総. は︑その具体的基準が不明確かつ漢然としているだけに︑. つ急迫な損害を回避するため必要がある場合﹂︵二2︵1︶︶. なお︑このほかに﹁問題点﹂が例示する︑﹁会社の重大か. べきである︵四3︵注︶参照︶︒. 会の決議がある場合﹂を追加するにとどめるべきである︒. 会社経営者による濫用の危険が大きく︑運用いかんでは自. 前述したように︑現行法が例外的に取得を許容する場合. しかし︑総会の承認決議さえあれば事由のいかんを問わな. があるので賛成できない︒また﹁従業員に株式を提供する. 己株式取得の原則禁止という事前規制を骨抜きにする危険. 目的を有する場合﹂︵二2︵2︶︶は︑二2︵3︶が許容されれ. いことになる︒この場合においても︑取得事由の具体的合. 理性や弊害の有無は当然問題とされなければならないと考. ば︑特にこれを明定する必要はない︒. いということであれば︑実質的に原則自由の立場と大差な. えられるので︑取得を承認する株主総会においては︑事前. 現行商法一二〇条が許容する例外を除く︑二2︵3︶の新. ︵2︶. 定させるのは困難な場合が少なくないであろうし︑また取 得事由の完全な開示が保障されるなら︑取得事由を一定の. わず︵三2︵注︶2参照︒︶︑会社が既に取得保有している自. 定すべきである︵三1︶︒. 取得の財源規制及び数量規制︵三︶. 要である︒その上で︑取得方法︑取得株式数および取得価. たな例外の場合の自己株式取得の財源は配当可能利益に限. に取得事由や取得先を含む十分な開示を要求することが必. ︵注︶2参照︶︒売却価額まで株式取得前に決議をもって決. 額を決議することを要するものとすべきである︵二︵3︶. 事由がある場合に限定することは必ずしも必要ないと考え. とすることが適当と考える︵三2︶︒既述のように︑株主総. 己株式の数と合わせて︑発行済株式総数の二〇分の一以下. 由の一つとして新たに追加したものにすぎず︑他の許容事. 会の決議による自己株式取得は︑現行規制の例外的許容事. 取得後保有する自己株式の数は︑取得事由のいかんを問. られる︵二2︵3︶︵注︶3参照︶︒株主総会による承認は個別. る︒. 的な承認とし︑包括的な承認は認められないとすべきであ. 自己株式取得を承認する株主総会決議は︑原則として普.
(3) 由にもとづいて保有される自己株式と別異に取り扱う理由. ︵5︶ 取得後の自己株式の処分の方法︵六︶. に有利な価格をもってする相対取引による売却﹂について. 六1︑2︑3の処分方法のすべてを認めてよい︒ ただし︑六3の﹁事前の株主総会の承認を得た上での特. は︑新株の有利発行の規制にならって︑この株主総会の承. が認められないからである︒ ︵3︶. 認決議も︑その理由の開示を条件とした上で︑特別決議に. 取得の方法︵四︶. 公開の取引市場を持たない株式会社の場合には︑自己株. 特に限定する必要はないと思われる︒. ︵6︶ 保有する自己株式の地位︵七︶. 3︵注︶︶︒. よるものとすべきである︵商二八O条ノニ第二項参照︒六. ついても︑濫用防止の手当てがなされるのであれば︵たと. 式取得に相対取引を認めるほかはなく︑また上場会社等に. 取得する場合には︑特別決議を要求する︵前掲二︵1︶の意. えば︑株主総会の決議により相対取引によって自己株式を. 保有する自己株式については︑議決権のみならず利益配. ︵7︶. 保有する自己株式の計算上の処理および開示︵八︶. は解釈に委ねることで足りよう︒. 当請求権がないことをも明定すべきである︒その他の権利. 見参照︶ほか︑開示内容を特に充実させる等︶︑相対取引を. 取得後の 自 己 株 式 の 取 扱 い ︵ 五 ︶. 全面的に禁止するまでの必要はないと考える︒ ︵4︶. 取得した自己株式を保有するか︑消却するかは︑会社の. わず︑すべてを﹁相当の時期﹂に処分しなければならない. ただし︑保有される自己株式は︑取得事由のいかんを問. 妥当である︒また︑自己株式を取得したときは︑その評価. 現行通り︑貸借対照表の流動資産の部に記載させることが. なければならないと考えるので︵前掲二︵4︶の意見参照︶︑. 保有するすべての自己株式は︑﹁相当の時期﹂に処分され. ものとすべきである︵商一二一条参照︒五3は︑︼定数を. てるとすることに賛成である︵入1︶︒. 額と同額の︑配当に用いることができない準備金を積み立. 任意とする︵五1︶︒. 超過する部分だけを相当の時期に処分しなければならない. 九三. 保有する自己株式の売買の損益は︑明瞭性または重要性. とするが︑区別する必要はない︒︶︒現行規制の立場を維持. する以上︑長期の保有を認めるべきでないと考える︒. ﹁自己株式の取得及び保有規制に関する問題点﹂ に対する早稲田大学法学部教授の意見.
(4) 早法六九巻︸号︵一九九三︶. の観点から︑損益計算書の特別損益の部に別項を設けて記 載させることが適当である︵八2︶︒ る︒. 九四. 役の責任は過失責任とし︑ 立証責任の転換を図るべきであ. ﹁相当の時期﹂に処分すべき自己株式の処分を怠った場. ︵10︶. 額︑ならびに期末現在において保有する自己株式の種類︑. 合には︑取締役に過料の制裁を課す現行の立場︵商四九八. 自己株式取得に違反した場合の制裁︵十一︶. 数︑取得価額および発行済株式総数の中に占める割合︑当. 当該営業年度中に取得した自己株式の取得の事由︑種類︑. 該営業年度中に譲渡した自己株式の種類︑数および譲渡価. 条一項二一号︶で足りよう︒. 以上. 数および発行済株式総数の中に占める割合については︑こ. ︵n︶. 株式の消却︵十二︶. は処分先については︑これを附属明細書に記載するものと. 現行規定を改める必要はないと考える︒. れらを営業報告書に記載し︵八3︶︑自己株式の取得先また. すべきである︵八3︵注︶3参照︶︒監査役の監査報告書に. も営業報告書の記載事項に対応する記載を要求すべきであ. 自己株式取得規制の違反の効果︵九︶. る︵八3︵注︶4参照︶︒. ︵8︶. 自己株式取得規制の違反の場合︑相手方が悪意のときに. 手方は善意︑悪意を問わず会社の自己株式取得行為の蝦疵. 限り︑会社は自己株式取得行為の無効を主張し得るが︑相. 自己株式の取得に関する取締役の会社に対する責. を主張し得ないとする意見︵九1︶に︑賛成である︒. ︵9︶ 任︵十︶. 自己株式の取得に関して会社に損害が生じた場合の取締.
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