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早稲田大学大学院法学研究科

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早稲田大学大学院法学研究科

2015

年6月

博士学位申請論文審査報告書

論文題目 EU性差別禁止法の展開

―実質的平等法理生成の意義と課題―

申請者氏名 黒岩 容子

主査 早稲田大学教授 博士(法学) (早稲田大学) 浅倉 むつ子 早稲田大学教授 博士(法学) (早稲田大学) 石田 眞 早稲田大学教授 博士(法学) (北海道大学) 菊池 馨実

早稲田大学教授 島田 陽一

早稲田大学教授 竹内 寿

早稲田大学教授 博士(法学) (東京大学) 中村 民雄

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黒岩容子氏 博士学位申請論文審査報告書

弁護士・黒岩容子氏は、早稲田大学学位規則第7条第1項に基づき、2015年2月2 日に、論文「EU性差別禁止法の展開―実質的平等法理生成の意義と課題-」を早稲田 大学大学院法学研究科に提出し、博士(法学)(早稲田大学)の学位を申請した。当審 査委員会は、上記研究科の委嘱を受けてこの論文を審査してきたが、2015年6月16 日に審査を終了したので、ここにその結果を報告する。

一 本論文の目的・問題意識ならびに構成

1 本論文の目的・問題意識

本論文の目的は、性差別禁止をめぐるEUの法令・判例・学説の展開過程を、形式 的平等から実質的平等へという視座のもとに整理しつつ、EU法における実質的平等法 理の内容を明らかにし、それを通じて、現代における性差別/性平等に関する規範内 容と理論枠組みを考察しようというものである。

伝統的な法律論は、平等とは「等しいものを等しく、等しからざるものは等しから ざるように」という取扱い、すなわち「形式的平等」を意味するものと理解してきた。

これは、男女を別異に取扱うことを禁止して、セックス・ブラインドな同一取扱いを めざすものである。しかしこの形式的平等法理は、性に基づく偏見や男女のステレオ タイプ的取扱いを是正する上では重要な役割を果たしてきたものの、雇用慣行等から 発生する構造的な差別には有効に対応することができず、実務的にも理論的にも大き な限界に直面してきた。その桎梏の中から、形式的平等法理がもたらす限界を乗り越 えるための諸法理が、次第に、判例や立法を通じて生成されてきた。EUにおける新た な諸法理を、筆者は「実質的平等法理」と位置づけ、その内容を判例等の分析を通じ て実証的に明らかにしている。性差別禁止法理が形式的平等を超える内容を含意すべ きであるとすれば、EU法における実質的平等の規範内容とそれを支える理論枠組みの 考察は、日本にも重要な示唆を与えるに違いない。これが、本論文の問題意識である。

以上のような問題意識に基づく研究対象をEU法に求めたのは、EUが、性差別に関 する形式的平等法理の限界に直面し、そこから実質的平等法理に該当するさまざまな 具体的な諸法理を生成し展開してきた歴史をもつからであり、また、EUの性差別禁止 立法が、国際的にみても最も発展した段階にある法として評価されうるからである。

2 本論文の構成

本論文は、上記1で述べた目的・問題意識・研究対象について言及する「序論」に 引き続き、第1章から第6章ならびに「総括」によって構成されている。第1章はEU 性差別禁止立法全般の歴史を概観しており、第2章は、形式的平等法理の展開とその

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限界を描き出している。第3章から第5章は、実質的平等を実現する諸法理の生成と 展開を論じており、具体的には、間接性差別禁止法理(第3章)、妊娠出産差別禁止法 理(第4章)、ポジティブ・アクションをめぐる法理(第5章)が分析対象になってい る。第6章は、近時のEU判例法理が、実質的平等を追求すべき局面においても次第 に形式的平等へと回帰している状況を描き出し、それを批判する学説を紹介する。そ のうえで「総括」において、実質的平等をめざす諸法理の意義と残された課題が論じ られている。

二 本論文の内容

第1章「EU性差別禁止立法の歴史とその特徴」は、第2章以下で行われるEU性差 別禁止法理の生成・展開の具体的分析の前提として、差別禁止立法の歴史的展開を概 観する章である。

本章では、EEC設立時の条約(EC条約119条)が「男女同一労働同一賃金原則」を 公正経済競争の観点から規定し、1970年代半ば以降には、賃金・労働条件一般さらに 社会保障給付の男女平等を実現する各種の指令が採択されてきたこと、1993年に経済 共同体ECからEUへと改変が行われ、EU基本条約(EU条約・EU運営条約)の改正、

EU基本権憲章の公布とともに、性差別に加えて人種・民族的出身・宗教・信条・障碍・

年齢・性的指向などによる差別を禁止する政策が次々と打ち出されていったことなど、

EUの差別禁止立法の歴史的経緯が明らかにされている。

第2章「形式的平等法理の展開とその限界」は、EU性差別禁止法における形式的平 等法理を形成してきた二つの領域、すなわち「男女同一賃金」および「直接性差別禁 止」という領域の立法と裁判例をとりあげて、形式的平等法理の生成・発展の経緯を たどりつつ、同時に、その法理がいかなる限界性に直面したのかを分析している。

上記二つの領域における裁判例は、EU性差別禁止法の基軸となる法理を形成し、

1970年代以降には、男女同一取扱いを徹底し、かつ、その適用除外範囲を厳しく限定 するという規範内容を具体化していった。同時に、裁判のなかで確立された形式的平 等法理は、男女の職域分離という実態のなかで、他の性別の比較対象者を選定する困 難性に直面し、また、レベルダウンを通じて男女格差を解消する手法を許容するとい うような限界性を露わにすることになった。EU司法裁判所はまた、厳格な形式的平等 法理と正当性のある男女別取扱いとの相克に直面して、その解決をはかるために、こ れら二つの領域に「比較可能性モデル」を導入し、性差別審査の前提として男女が比 較可能であることを要件とするようになったのである。

第3章「間接性差別禁止法理の生成および展開―性差別として禁止する類型(性差 別概念)の拡大Ⅰ―」から第5章に至る3つの章は、第2章で指摘された形式的平等 法理の限界性に直面したEU司法裁判所が、その限界性を超える内容をもつ法理(「実

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質的平等法理」)を、3つの領域にわたって生成・展開してゆく経緯を分析している。

第3章は、その第一の領域である間接性差別禁止法理をとりあげ、その意義と課題を 明らかにする。

間接性差別禁止法理は、直接的には性別とは無関係な基準による取扱いであっても、

それが一方の性別の者に不利益な効果をもたらす場合には、客観的な正当性の反証が なされないかぎり違法評価を受ける、とする法理であり、差別的効果を生み出す性中 立的な諸制度を排除する可能性をもつ。判例によって確立されたのち、間接性差別禁 止規定は、2006年男女平等統合指令2条2項b号に具体化された。

本章は、間接性差別禁止法理を、男女別取扱いを男女格差という結果から推定する 直接性差別の立証軽減ルールとしてではなく、差別概念を「男女平等への障壁が存す ること」にまで拡大したものである、と位置づけている。本章によれば、間接性差別 禁止法理の最大の特色は、現実の雇用制度から構造的に生じる差別への有効な対抗手 段を提供したところに見いだしうる。この法理は、平等への障壁が排除されていない 状態を差別とみなすものであるため、制度を導入し、運用する者に、当該制度から性 差別的効果が生じるか否かを点検させ、是正させるという機能を果たす。これは、性 差別の防止・是正に向けた積極的な機能である。

第4章「妊娠・出産に関する性差別禁止法理の生成および展開―性差別として禁止 する類型(性差別概念)の拡大Ⅱ-」では、実質的平等法理の第2の領域として、妊 娠・出産に関する差別禁止法理をとりあげ、その意義と課題を明らかにする。

妊娠・出産は、女性に固有の身体的現象であるから、性差別を男女比較の視点から のみとらえる形式的平等法理に照らせば、かかる事由による差別は性差別の範疇には 入らないことになる。しかし、本章によれば、EUの判例法理は、性差別概念の解釈を 広げて、妊娠・出産という領域において、就労能力の低下をカバーし休暇を付与する ことを保障するために、「女性固有のニーズへの特別な配慮・保障の不提供」という直 接的性差別の類型を作り上げた。これは男女の比較に基づくものではないことから、

他の性別との比較に依拠しない新たな性差別類型の創出として位置づけられうる。

第5章「ポジティブ・アクションに関する法理の生成および展開―性平等の積極的 な実現とその手段的限界-」では、実質的平等法理の第3の領域として、ポジティブ・

アクションをとりあげ、形式的平等に反するような一方の性別に対する優遇措置につ いて、EU法がどのように位置づけてきたのかを考察している。

1976年男女平等待遇指令は、ポジティブ・アクションを性平等の例外として消極的 に位置づけていたが、1990年代以降、EUは、これを性平等の実現手段として、より 積極的に許容してきた。ただし、ポジティブ・アクションは一方の性別の優遇措置で あり、他の性別の者に対する逆差別としての問題を必然的に内包するために、EUの判 例法理は、その許容範囲を基本的に厳しく画してきた。本章では、一方の性別を優遇

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する措置は必ずしも性平等にとって有効ではなく、差別発生の構造的な変革の課題が 放置されたままとなる危険性についても言及している。

第6章「EU性差別禁止法をめぐる近年の動向」は、実質的平等法理の展開にもか かわらず2000年代半ば以降にみられる形式的平等法理への回帰を示す判例動向を、批 判的に分析して、これらを克服しようとする理論的な取組みについて紹介している。

「形式的平等法理への回帰」とみる判例動向とは、性差別事件の審理を開始する以 前に、男女が比較可能な状態かどうかを問題にして、差別審査の土俵にのせることの 是非を決定するという「比較可能性モデル」の拡大傾向であり、これが、形式的平等 法理の領域である直接性差別のみならず、実質的平等法理の領域にある間接性差別法 理にも波及してきたことをいう。本章では、このような回帰傾向の原因について、EU 法が、差別禁止の例外を明文規定以外にはいっさい認めないという厳格な規制をする 一方で、社会保障領域では構成国の男女別処遇立法につき緩やかな規制をせざるをえ ないという事情があったことなど、複数の要因を示しつつ、その根本には、実質的平 等法理の意味や法的根拠が体系的にはなお不明確であるところに原因がある、と指摘 する。そして、実質的平等の規範的内容をより明確にしようとする学説のなかから、

とりわけ、サンドラ・フレッドマンが提唱する「多面的平等概念」を詳細に紹介する。

フレッドマンは、平等の目的は、①特定集団の構成員が不利益を受ける社会構造の変 革、②すべての者の平等な尊厳と価値、③差異への配慮、④社会的排除の解消と各人 の参加、という4点に整理できるとして、差別に対する多角的アプローチを採用して いる。

「総括」では、これまで分析されてきたEU性差別禁止法における実質的平等法理 の生成と展開について、再度、整理し、それをふまえて、EU法の問題点と残された課 題を明らかにしている。

実質的平等法理はEU性差別禁止法の最大の特徴であり、その意義は、経済目的の みならず、人権保障としての性差別禁止や差別構造の変革を意識的に進めて、形式的 平等保障を超える規範内容を生成し、発展させてきたところにある。実質的平等とい う概念に託してEUが明らかにしてきた内容は、フレッドマンがいう「多面的平等概 念」の具体化というべきものであり、以下のように整理できる。すなわち、間接性差 別禁止法理は、一方の性に不利益な効果を与える性平等の障壁となっているものを差 別としたが、これはフレッドマンがいう平等の第一の目的、すなわち、差別の発生構 造に踏み込んだ是正・変革の必要性を示す。妊娠・出産に関する性差別禁止法理は、

女性固有のニーズへの配慮不提供を差別としたが、これは、フレッドマンが述べる平 等の第三の目的、すなわち、男女の差異への配慮・多様性の尊重を平等内容としてと らえたものである。さらにポジティブ・アクションは、フレッドマンが述べる平等の 第四の目的、すなわち、雇用への参加の機会の保障が考慮されたものである。

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判例法理上はなお曖昧であったEU法における実質的平等の内容は、フレッドマン による多面的平等概念の考察を深めることによって、より体系的に把握され、このこ とが、現代の性平等法のあるべき規範内容と理論枠組みにつながるのではないか。こ れが、本論文の結論である。

三 本論文の評価

本論文は、労働法の分野から、現代の性差別禁止法理の規範内容とそれを支える理 論枠組みを探究するという問題意識をもって、形式的平等から実質的平等へという視 座の下に、EUの法令、判例、学説の展開過程を実証的に分析し、整理した、堅実な労 作である。

男女雇用機会均等法(均等法)制定30年が経過した現在、日本では、あからさまで 意図的な性差別は姿を消しつつあるものの、社会や職場において男女間に事実上の不 均衡をもたらす慣行は根強く残っており、これらから生ずる構造的差別の是正に関心 が集中している。また近年では、雇用差別禁止法理の射程は、年齢や障碍など、性別 以外の事由にまで拡大しており、立法化も徐々に進んでいる。均等法は、性別以外の 事由による差別禁止立法のモデルとなってきたものの、均等法が禁止している「差別」

の捉え方は必ずしも明確ではなく、論者の間で共通認識が形成されているわけでもな い。性別に関わって登場した間接差別概念や、障碍に関わって登場した合理的配慮義 務についても、理論的な検討は不十分なままである。このような状況において、本論 文が目的とする性差別に関する法規範の内容と理論枠組みの考察は、まさに時機を得 た重要な労働法上の研究課題である。

また、本論文はEU法を研究対象にしているが、それには十分な合理性が認められ る。EUは、形式的平等法理の限界に直面するなかで実質的平等法理に該当する各種の 具体的な諸法理を生成し展開してきた歴史をもつからであり、また、EUの性差別禁止 法は、もっとも発展した段階にある立法として評価されているからでもある。

これらを前提としたうえで、本論文のとくに優れている点を、以下、3点にわたり 指摘しておきたい。第一に、本論文は、EUの性差別禁止に関連する法規範の定立と改 廃、EU司法裁判所による解釈と運用の展開を、歴史的な流れのなかで包括的に分析の 対象としてとりあげている。これまでにも略述的な先行研究は存在するが、本論文は、

EC成立時から今日までの長期にわたり、130件を超える関連のEU司法裁判所の判例 を丹念にかつ正確に読み解き、整理しながら、形式的平等の限界と実質的平等の生成・

展開という明確な分析視点の下に、EU法における性差別禁止法理を描き出す作業を行 っている。この着実で誠実な研究手法は、本論文の何よりも優れた特色であり、信頼 性の高い研究として評価されるところである。

第二に、本論文は、間接性差別禁止法理、妊娠・出産直接差別禁止法理、ポジティ ブ・アクションをめぐる法理を、実質的平等法理として位置づけ、相互関連性を念頭 におきつつ、差別禁止法理における意義と課題を析出するという、きわめて独創的な 視点を提示している。本論文は、間接性差別禁止法理と妊娠・出産直接性差別禁止法

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理を、形式的平等法理における性差別概念を拡大した法理として位置づけ、これらに よって「男女平等への障壁の存在」や「女性固有のニーズに対する配慮の不提供」が 性差別として新たに概念化されたとする。さらに、一方の性別に対する優遇措置を性 平等の実現手段と位置づけた法理として、ポジティブ・アクションを評価し、これら が相俟って実質的平等法理を形成していることを明らかにした。これら三つの法理は、

従来は法規ごとにまた差別事象ごとに、理論的関連づけがないままに研究されてきた が、本論文によって初めて、実質的平等法理の構成要素として具体的な位置づけが与 えられた。このような分析視点は本論文独自のものであり、学術的にも高い評価を得 られるであろう。

第三に、本論文は、平等に関する基礎理論を組み立てることに挑戦し、サンドラ・

フレッドマンの学説をもとに、実質的平等法理を体系化しようとしている(第6章、

総括)。一方の性に不利益な効果を与える性平等の障壁を差別とする間接性差別禁止法 理は、フレッドマンがいう平等の第一の目的、すなわち差別の発生構造に踏み込んだ 是正・変革の必要性を示すものである。女性固有のニーズへの配慮不提供を差別とす る妊娠・出産に関する差別禁止法理は、フレッドマンが述べる平等の第三の目的、す なわち、男女の差異への配慮・多様性の尊重を平等内容ととらえたものである。ポジ ティブ・アクションは、フレッドマンが述べる平等の第四の目的、すなわち、雇用へ の参加の機会の保障が考慮されたものであり、あるべき平等法は、これらの目的を達 成する内容をそなえたものでなければならない。平等に関するこのような基礎理論的 素描は、今後、性差別以外の差別禁止法理としても汎用性が高いものとして精緻化す ることが期待され、今後の平等法制一般の議論に貢献する新境地開拓の可能性をみせ ている。このような学的挑戦の姿勢は、間違いなく、本論文の価値を高める特色であ るといってよい。

もっとも、本論文に対してはいくつかの問題点も指摘しなければならない。本論文 には、論証の不十分性が散見される。一例をあげれば、近時のEU司法裁判所の形式 的アプローチへの回帰の要因として、筆者は、第6章で3つの要因をとりまとめてい るが、総括では、それらとは別に、EU司法裁判所が消極司法に転じたことを掲げてい る。これらの記述には揺れがみられ、推敲の不十分性が浮き彫りになる。さらに第6 章で示された上記3つの要因は、重畳的に指摘しうることがらではあるが、個々の要 因の分析は不十分であり、より説得力のある論証を重ねる必要がある。また、本論文 が主題にする「形式的平等法理」と「実質的平等法理」は、いずれも定義自体があい まいであり、判例の変遷動向としては確認できても、それらが「法理」といえるほど の体系的内実を備えたものであるかどうかは疑問といわねばならない。加えて、本論 文は、性平等のためのあるべき法規範とそれを支える理論枠組みの考察を目的として 掲げているにもかかわらず、EU法を対象とした考察を日本の状況にいかに応用するの かという部分については、ほとんど分析がないため、物足りない印象がある。最後に、

フレッドマンがいう平等の第二の目的との関わりでは、尊厳を基軸とするハラスメン ト法理もまた、実質的平等法理の一環として分析対象とすべきであった。

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とはいえ、以上の批判は、本論文の一定の欠落を示すものではあっても、論文自体 の本質的な意義を損なうものではなく、筆者には、上記に指摘したことを十分に理解 して、今後の研究をさらに深めていくことを期待したい。

以上により、本論文は、博士論文に十分値する優れた業績であると評価できる。

四 結論

以上の審査の結果、後記の審査員は、全員一致をもって、本論文の執筆者が博士(法 学)(早稲田大学)の学位を受けるに値するものと認める。

2015年6月16日

審査員

主査 早稲田大学教授 浅倉むつ子(労働法)

早稲田大学教授 石田 眞 (労働法)

早稲田大学教授 菊池馨実(社会保障法)

早稲田大学教授 島田陽一(労働法)

早稲田大学教授 竹内 寿(労働法)

早稲田大学教授 中村民雄(EU法)

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