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熊 本 万 里 子

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Academic year: 2021

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中学校クラス集団における非行予防プログラムの 作成および教育効果の検討

学校教育専攻 人間形成基礎コース

熊 本 万 里 子

指 導 教 官 山 崎 勝 之

キーグ

‑FJ

や学校、

#lj

予身、テ〉レンマ主婦、家り

! ! ! 1

芳コン井口一ノル はじめに

近年少年による凶悪犯罪が連続して起こり、

少 年 非 行 は 社 会 問 題 に ま で 発 展 し 、 少 年 法 の 改 正を行うまでに至った。実際、凶悪犯で検挙さ れ た 少 年 の 数 は 、 平 成 9年度に急増し、その後 もある水準以上の状態を保持しているo 一方、

学校現場においても、2000年度には小・中学校、

高 等 学 校 内 で 起 き た 校 内 暴 力 が 最 多 と な り 、 生 徒 の 問 題 行 動 が 注 目 さ れ て い る 。 特 に 、 中 学 校 3年 生 で の 発 生 件 数 が 最 も 多 く 、 中 学 校 に お い て問題視されている。これらの非行の背景には、

仲 間 、 家 庭 、 地 域 な ど の 外 的 要 因 と 性 格 等 の 内 的 要 因 が 考 え ら れ る 。 そ こ で 本 研 究 で は 、 こ れ ら非行の背景にある要因を十分理解し、中学校 のクラス集団に対して実施することができる非 行予防プログラムの作成を試みた。

プログラムの作成においては、目標設定を階 層的に行った。大目標を非行予防とし、この目 標 を 達 成 す る た め に 構 成 目 標 と し て 、 認 知 面 で

自己中心性の改善、原因帰属の改善、感情面で 怒 り 感 情 の コ ン ト ロ ー ル 、 行 動 面 で 主 張 的 行 動 の獲得を設定した。さらに、プログラムの直接 目標となる操作目標をそれぞれに認知的共感力 (他者の視点・役割取り)の向上、自分自身へ の原因帰属力の向上、種々の感情統制技法の習 得、非行の誘いへの主張的拒否スキルの習得と した。これらの目標を達成するための方法を各 構成目標ごとに設定した。

研 究 1 目的

中 学 生 の ク ラ ス 集 団 を 対 象 と し た 非 行 予 防 プ ログラムの一部である導入部分および構成目標 に お け る 認 知 面 の 具 体 的 細 案 を 作 成 し 、 プ ロ グ ラム実施前評価および後評価について統制クラ ス と 比 較 す る こ と に よ り 教 育 効 果 の 検 討 を 行

方法

協力生徒 佐 賀 県 内 の 公 立 中 学 校l年 生67名。 うち、教育クラス35名(男子18名 、 女 子17名)、 統制クラス32名(男子17名、女子15名)であった。

実施期間 2001年 1月中旬 '"'‑"2月上旬 具 体 的 実 施 方 法 と 測 定 尺 度

導 入 部 分 に お い て 、 学 級 内 の リ レ ー シ ョ ン づ くりおよび非行の現状等についての基礎的知識 の伝達を行った。構成目標の認知面については、

デ ィ レ ン マ 討 論 法 を 取 り 入 れ 、 デ ィ レ ン マ 資 料 をもとにグループディスカッションを行った。

大 目 標 に 関 わ る 非 行 傾 向 を 測 定 す る た め に 非 行 質 問 紙 を 作 成 し 実 施 し た 。 こ の 質 問 紙 に お け る信頼性については、今回のデータをもとに確 認 さ れ た 。 ま た 、 認 知 的 共 感 性 の 測 定 に 関 し て は12項 目 の 質 問 紙 を 作 成 し 、 得 ら れ た デ ー タ を もとに因子分析を行った結果6項目が抽出され た。この6項 目 を も っ て 認 知 的 共 感 性 尺 度 と し た。また、認知的共感性尺度の信頼性は確認さ れ た 。 さ ら に 仲 間 評 定 に よ っ て 認 知 的 共 感 力 お

(2)

よび自分への原因帰属力の測定を行った。これ らをプログラムの実施前および実施後に行い、

統 制 ク ラ ス と 比 較 す る こ と に よ っ て 教 育 効 果 の 検討を行った。

結 果 お よ び 考 察

前評価値と後評価値の差(変化値)を対象に、

前 評 価 値 を 統 制 変 数 と し た ク ラ ス × 性 の2要因 の共分散分析を行った結果、大目標の非行傾向 については教育効果は見られなかった。しかし、

認 知 的 共 感 性 尺 度 で は 、 教 育 ク ラ ス 全 体 の 教 育 効 果 、 共 感 性 仲 間 評 定 お よ び 原 因 帰 属 仲 間 評 定 においては男子の教育効果が確認された。この 結 果 か ら 、 認 知 面 の 方 法 で あ る デ ィ レ ン マ 討 論 法の効果および有効性が確認された。

研 究 2 目的

中学校クラス集団を対象にした総合的な非行 予防プログラムの実施細案を作成し、実践を行 うD また、プログラムの実施前後およびフォロ ーアップ評価を行い、プログラムの教育効果お

よび教育効果の持続性の検討を行う。

方法

協力生徒 佐 賀 県 内 の 公 立 中 学 校l年 生65名。 うち、教育クラス33名(男子19名、女子14名)、

統制クラス32名(男子19名、女子13名)であった。

実施期間 2001 年 6 月上旬 ~7 月中旬

具 体 的 実 施 方 法 と 測 定 尺 度

研 究 1の導入部分と構成目標の認知面に、構 成 目 標 の 感 情 面 、 行 動 面 の 内 容 を 加 え 、 プ ロ グ ラ ム を 総 合 的 に 実 施 し た 。 感 情 面 で は5つ の 怒 り 感 情 コ ン ト ロ ー ル 法 を 活 用 す る こ と に よ っ て、怒り感情のコントロールを図ろうとした。

行 動 面 で は 、 非 行 へ の 悪 い 誘 い を ア サ ー テ ィ ブ .メッセージで断るスキルをロール・プレイン グを通して身につけさせようとした。

怒 り 感 情 に つ い て は 中 学 生 用 攻 撃 性 尺 度 ( 嶋 田ら、 1998)お よ び 仲 間 評 定 を 行 っ た 。 行 動 面 においては、仲間評定のみを行った。その他の 尺度は研究 1と同じものを用いた。これらの評 価をプログラムの実施前および実施後に行い、

プログラムの教育効果を検討した。また、プロ グラム終了後、約 2ヵ月後にフォローアップ評 価 を 行 い 、 プ ロ グ ラ ム の 教 育 効 果 の 持 続 性 の 検 討を行った。

結果および考察

前評価値と後評価値の差(変化値)を対象に、

前評価値を統制変数とした時期×クラス×性の 3要 因 の 共 分 散 分 析 を 行 っ た 結 果 、 認 知 面 の 共 感性仲間評定において女子に教育効果が確認さ れ た 。 ま た 、 感 情 面 の 怒 り 感 情 仲 間 評 定 に お い て男子に実施後の教育効果が確認され、女子に はフォローアップ時で教育効果が確認された。

大目標に関わる非行傾向および構成目標の行動 面 で は 教 育 効 果 は 確 認 さ れ な っ た 。 ま た 、 教 育 効果の持続性はすべてにおいて確認されなかっ た。この研究により構成目標の認知面および感 情 面 に 関 す る 方 法 の 効 果 と 有 効 性 が 示 唆 さ れ た。

総 合 考 察 お よ び 今 後 の 課 題

総 合 的 プ ロ グ ラ ム の 実 施 に お い て 、 構 成 目 標 の一部で教育効果が確認されたが、大目標に関 しては教育効果、持続性は確認されなかった。

そ こ で 、 効 果 を 高 め る た め に は 、 ス キ ル 面 の 定 着とその般化が今後の課題として挙げられるG

しかし、本プログラムは包括的な内容構成を持 ち、さらに技法の多様性を極めており、新しい 教 育 方 法 と し て 多 く の 可 能 性 を 持 っ て い る と 考 える。今後この種のプログラムを学校カリキュ ラムに適切に位置づけ、計画的に実施すること によって非行予防への効果が期待される。

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