随伴関手定理
alg-d
http://alg-d.com/math/kan_extension/
2021 年 6 月 15 日
左随伴関手は余極限と交換するのであった.では逆に,余極限と交換する関手は左随伴 になるのだろうか? ある条件の下であればこれが成り立つ,という定理が随伴関手定理で ある.これを理解する上で重要なのが「随伴はKan拡張である」という事実(定理2)で ある.
定義. F: C →D,E: C →U を関手として左Kan拡張F†E が存在するとする.F†E が任意の関手H: U →V と交換するとき,F†E は絶対左Kan拡張であるという.
定義から明らかに次が成り立つ.
命題 1. F: C →D,E: C →U,L: D →U を関手,η: E ⇒L◦F を自然変換とする.
D
Cη =⇒ U
F
E L
このとき⟨L, η⟩がF に沿ったE の絶対左Kan拡張である
⇐⇒任意の圏V と関手K: D → V,H: U → V,自然変換θ: HE ⇒ KF に対して,
ある自然変換τ: HL⇒K が一意に存在して,次の等式が成り立つ.
D V
C U
F
E K
H
⇒= L η τ =⇒
=
D V
C U
F
E K
⇒= H θ
定理 2. F: C →Dを関手とするとき以下の条件は同値である.
(1) F は右随伴を持つ.
(2) F に沿ったidC の絶対左Kan拡張⟨F†idC, η⟩が存在する.
(3) F に沿ったidC の左Kan拡張⟨F†idC, η⟩が存在し,F が左Kan拡張F†idC と交 換する.
D
C C D
η =⇒
F
idC
F†idC
=⇒id
F◦(F†idC)
F
=
D
C C D
=⇒F η
F
idC
F◦(F†idC)∼=F†F
F
またこのときF ⊣F†idC でありηがそのunitである.
証明. (1 =⇒ 2) F ⊣G: C →Dを随伴として,その unitをη,counitをεとする.任 意の圏X と関手K:C →X,H: D→X,自然変換θ: K ⇒HF を取る.
τ :=
D D X
C C
=⇒
θ F
idC
idD
G
=⇒
ε
H
K
と定義すれば
D X
C C
F
idC G H
K
=⇒
η τ =⇒
=
D D X
C C C
F
idC G idD
F H
idC K
=⇒
η ε =⇒ θ =⇒ =
D X
C C
F
H
idC
⇒= K θ
である.逆にτ が
D X
C C
F
idC
G H
η K
=⇒
τ =⇒
=
D X
C C
F
H
idC
K θ =⇒
を満たせば
D X
C
G H
K τ =⇒
=
D D X
C C
F
idC G H
η K
=⇒
τ =⇒
idD
G ε =⇒
=
D D X
C C
θ =⇒
F
idC idD
G ε =⇒
H
K
となるから,このようなτ は一意である.故に⟨F†idC, η⟩は絶対左Kan拡張である.
(2 =⇒ 3) 明らか.
(3 =⇒ 1) G:=F†idC と置く.絶対性から左Kan拡張F†F =F ◦(F†idC) =F Gも 存在する.F†F の普遍性によりε: F G ⇒idD が一意に存在してεF ◦F η = idF が成り 立つ.
D D
C C
F
idC G idD
F
=⇒
η ε =⇒
=
D D
C C
F
idD
idC idF F
=⇒
故に後はGε◦ηG = idGを示せばよい.その為には,左Kan拡張⟨G, η⟩の普遍性から
D D
C C C
F
idC G idD
F
=⇒
η ε =⇒ G
idC
=⇒η =
D D
C C C
F
idC G idD
=⇒
η
G
idC
=⇒idG
を示せばよいが,それは明らか.
この定理の具体例として,終対象を考えると次の系を得る.
系 3. 圏C が終対象1を持つ⇐⇒colim(idC)が存在する.
また,このときcolim(idC)∼= 1が成り立つ.
証明. 終対象1とは対角関手∆ : C →C0 ∼=1の右随伴である.
1
C =⇒ C
∆
idC
1
(=⇒) 終対象1,即ち∆の右随伴が存在するから,定理2により左Kan拡張∆†idC が 存在する.ところで∆† ∼= colimだったからcolim(idC)が存在することが分かり,また colim(idC)∼= 1も分かる.
(⇐=) 定理2により∆が∆†idC ∼= colim(idC)と交換することを示せばよいが,それ は明らか.
∆† ∼= colimが絶対左Kan拡張であることから,次の命題が分かる.
命題 4. J が終対象1を持てば,関手F: J →C の余極限は存在しcolimF ∼=F(1). 証明. 系3で見た通り∆†idJ = 1であり,これは絶対左Kan拡張である.
1
J =⇒ J C
∆
idI
1
F
1
J =⇒ C
∆
F F(1)
よってcolimF ∼= ∆†F ∼=F ◦(∆†idJ)∼=F(1)である.
命題 5. P ∈Cbが表現可能⇐⇒コンマ圏y↓P が終対象を持つ.
証明. (=⇒) P = y(c)とする.y↓P = y↓y(c) ={⟨d, θ⟩ |d ∈C, θ: y(d)⇒y(c)}で,
yは忠実充満なのでy↓P ∼= idC ↓cが分かる.よって終対象idc: c→cが存在する.
(⇐=) コンマ圏y↓P が終対象⟨c, θ⟩を持つとすれば,各点左Kan拡張y†y ∼= id と命 題4によりP ∼= colim(y↓P →C −→y C)b ∼=y(c)である.
終対象におけるこの性質を一般化したものが終関手である(例9も参照). 定義. 関手K: I →J が終関手(final functor*1)
⇐⇒C を圏,F: J →C を関手とする.もし余極限colimF K が存在すればcolimF も 存在し,普遍性から得られる射colimF K →colimF が同型を与える.
補題 6. F: C →D,E: C →U で,左Kan拡張⟨F†E, η⟩が存在すると仮定する.
D
C U
η =⇒
F
E F†E
*1cofinal functorと呼ぶ場合もある.
このときG: D→Bに対して
左Kan拡張⟨(GF)†E, σ⟩が存在する⇐⇒左Kan拡張⟨G†(F†E), τ⟩が存在する.
B
D
C U
=====⇒
σ F
E G
(GF)†E
B
D
C =⇒=⇒ητ U
F
E F†E G
G†(F†E)
更に,これらが存在するとき(GF)†E =G†(F†E),σ =τF ◦ηである.
証明. (=⇒) 左 Kan 拡張 ⟨(GF)†E, σ⟩ が存在するとする.⟨F†E, η⟩ の普遍性により τ: F†E ⇒(GF)†E◦Gが存在して,σ =τF ◦ηとなる.
B
D
C =====⇒ =⇒=⇒ητ U
F σ
E F†E G
(GF)†E
⟨(GF)†E, τ⟩ がG に沿った F†E の左 Kan拡張であることを示せばよい.任意の関手 S: B→U とθ: F†E ⇒SGを取る.
B
D
C =====⇒ =⇒=⇒ητ U
F σ
E
G S
=⇒
θ ρ
(GF)†E の普遍性から,ρ: (GF)†E ⇒ S が一意に存在してρGF ◦σ = θF ◦η となる.
σ =τF ◦η だったからρGF ◦τF ◦η =θF ◦ηである.よって左Kan拡張F†E の普遍性 からρG◦τ =θとなる.従って⟨(GF)†E, τ⟩がGに沿ったF†Eの左Kan拡張である.
(⇐=) 左Kan拡張⟨G†(F†E), τ⟩が存在するとする.⟨G†(F†E), τF ◦η⟩がGF に沿っ たE の左Kan拡張であることを示せばよい.任意の関手S: B → U とθ: E ⇒ SGF を取る.
B
D
C U
=⇒η=⇒τ
F
E
G S
=⇒
θ ρ
µ
F†E の普遍性から µ: F†E ⇒ SG が一意に存在して µF ◦ η = θ となる.よって G†(F†E)の普遍性からρ: G†(F†E) ⇒S が一意に存在してρG◦τ =µとなる.このと きρGF ◦(τF ◦η) =θ である.従って⟨G†(F†E), τF ◦η⟩がGF に沿ったE の左Kan拡 張である.
命題 7. 右随伴関手は終関手である.(よって右随伴の例として終対象を考えれば命題4 が得られる.)
証明. L ⊣ K: J → I を随伴,F: J → C を関手とする.F K の余極限⟨colimF K, µ⟩ が存在したとすると,この⟨colimF K, µ⟩は∆に沿ったF K の左Kan拡張である.一 方K ∼= L†idC は絶対左 Kan拡張であるから,次の図式全体は ∆ = ∆◦L に沿った F =F ◦idC の左Kan拡張を与える(補題6).
1
I
J µη =⇒=⇒ J C
L
idJ K
F
∆
colimF K
それはcolimF であったから,普遍性から得られる射colimF K → colimF が同型とな ることが分かる.
終関手は圏の連結性を使って特徴付けることができる(命題8). 定義. Cを圏,a, b∈C を対象とする.aとbを結ぶzigzagとは
a →c0 ←c1 → · · · ←cn−1 →cn ←b
の形の図式のことをいう.
定義. 圏Cが連結⇐⇒C ≠ 0で,任意の対象a, b∈C を結ぶzigzagが存在する.
命題 8. 関手K: I →J が終関手⇐⇒任意のj ∈J に対してj↓K が連結.
証明. (=⇒) j ∈ J とする.F := HomJ(j,−) : J →Setと定義すると,今 K が終関手 だからcolimF K ∼= colimF である.colimF ∼= 1となる.
...
) a ∈Setについて自然に
HomSet(colimF, a)∼= HomSetJ(F,∆a)∼= ∆a(j) =a ∼= HomSet(1, a) だから米田の補題によりcolimF ∼= 1である.
よって,colimF K ∼=`
i∈IF Ki
/∼だから,あるi∈Iに対してF Ki̸=∅でなけれ ばならない.即ちHomJ(j, Ki)̸=∅だからj↓K ̸=0が分かる.
また,colimF K ∼= colimF ∼= 1となるためには任意のf ∈F Ki0,g ∈ F Ki1 に対し てf ∼gとならなければならない.よってj ↓K が連結となることが分かる.
(⇐=)Cを圏,F: J →Cを関手としてF Kの余極限⟨colimF K, µ⟩が存在するとする.
i∈Iに対してµi: F Ki→colimF KはCの射である.j ∈Jを取る.j↓K ̸=0だから,
ある対象⟨i, f⟩ ∈j↓Kが存在する.このiとf を使ってτj :=µi◦F f: F j →colimF K と定める.
i j f Ki F j F f F Ki µi colimF K このτj はwell-definedである.
...
) ⟨i, f⟩,⟨i′, f′⟩ ∈j ↓K に対して µi ◦F f = µi′ ◦F f′ を示せばよい.j ↓K が連 結だからzigzag ⟨i, f⟩ → ⟨i0, f0⟩ ← ⟨i1, f1⟩ → · · · → ⟨in, fn⟩ ← ⟨i′, f′⟩が存在する.
このとき次の図式は可換である.
i Ki F Ki
i0 Ki0 F Ki0
i1 Ki1 F Ki1
j F j colimF K
... ... ...
in Kin F Kin
i′ Ki′ F Ki′
f f0
f1
fn
f′
F f F f0
F f1
F fn
F f′
µi
µi0
µi1
µin
µi′
故にµi◦F f =µi′◦F f′ である.
このτj は自然変換τ: F ⇒∆(colimF K)を定める.
...
) s: j →j′とする.⟨i, f⟩ ∈j↓K,⟨i′, f′⟩ ∈j′↓Kを任意に取ればτj =µi◦F f, τj′ =µi′ ◦F f′ となる.
i j Ki F j F Ki
colimF K
j′ F j′
i′ Ki′ F Ki′
f
f′
F f
F f′
µi
µi′
s F s
このときwell-definedの証明と同様に連結性からµi◦F f =µi′ ◦F f′◦F sとなるこ とが分かる.故にτ は自然変換である.
この τ が F から ∆への普遍射を与えることを示せばよい.その為に a ∈ C を対象,
θ: F ⇒ ∆a を自然変換とする.このときθK: F K ⇒ ∆a は自然変換である.故に余 極限 ⟨colimF K, µ⟩ の普遍性から射 h: colimF K → a が存在して,i ∈ I に対して
h◦µi =θKi となる.
i F Ki
colimF K i′ F Ki′
a
t
µi
F t
µi′
θKi
θKi′
h
よってτ の定義とθj の自然性からh◦τj =h◦µi◦F f =θKi◦F f =θj が分かる.
i j Ki F j F Ki
colimF K a
f F f
µi
θj
θKi
h
またcolimF K の普遍性からhの一意性も分かり,τ はF から∆への普遍射である.
例 9. 圏C の対象c∈Cに対して関手K: 1→CをK(∗) :=cにより定めると c∈C が終対象⇐⇒K が終関手
証明. (=⇒)a ∈Cを終対象とすると,任意のa∈C に対してa↓K =1が連結だから命 題8によりK は終関手である.
(⇐=)K を終関手とする.任意の対象a ∈Cに対して,Kの定義よりa↓K は離散圏で ありa↓K = HomC(a, c)となる.K が終関手だからa↓K は連結なのでHomC(a, c) = 1 しかあり得ない.よってaからcへの射は唯一つであり,cは終対象である.
さて,いよいよ本題の随伴関手定理を示していく.
定理10(General Adjoint Functor Theorem). C, Dを圏,Cは余完備で関手F: C →D は余連続であるとする.更に,任意のd∈Dに対してある集合S ⊂ Ob(F ↓d)が存在し て次を満たすとする(この条件を解集合条件(solution set condition)と呼ぶ).
任意の⟨c, f⟩ ∈F ↓dに対してある⟨s, k⟩ ∈S と射⟨c, f⟩ → ⟨s, k⟩が存在する
F s
F c d
F s′
k f
k′
このときF は右随伴を持つ.
証明. 各d∈Dに対してcolim(F ↓d−→P0 C)が存在することを示せばよい.
...
) 余極限colim(F ↓d −→P0 C) = colim(F ↓d −→P0 C −−→idC C)が存在したとする.
1 D
F ↓d C C
⇒ = F idC
d
P0
このとき各点左Kan拡張F†idC が存在する.今F が余連続だから,F は各点左Kan 拡張F†idC と交換する.従って定理2によりF は右随伴を持つ.
d ∈ Dとする.解集合条件を満たす集合S ⊂ Ob(F ↓d)を取り,S ⊂F ↓dを充満部 分圏とみなす.K: S →F ↓dを包含関手とすれば,S がsmallでCは余完備だから,余 極限colim(S −→K F ↓d−→P0 C)が存在する.従って,後はK が終関手であることを示せ ばcolim(F ↓d−→P0 C)の存在が分かる.
⟨c, f⟩ ∈F↓dとする.⟨c, f⟩ ↓K が連結であることを示せばよい.まず,解集合条件か ら明らかに⟨c, f⟩ ↓K ̸=0である.次に⟨⟨s0, k0⟩, g0⟩,⟨⟨s1, k1⟩, g1⟩ ∈ ⟨c, f⟩ ↓K とする.
即ちg0: ⟨c, f⟩ → ⟨s0, k0⟩,g1: ⟨c, f⟩ → ⟨s1, k1⟩である.
s0 c
s1
g0
g1
F s0
F c d
F s1
F g0
k0
f
F g1
k1
C が余完備だから,左の図式のpushout c′ が存在する.またF が余連続だから,F c′ も
pushoutである.
s0
c c′
s1 g0
g1
F s0
F c F c′ d
F s1 F g0
k0
F g1
k1
よってpushoutの普遍性により,射F c′ →dが一意に伸びる.
F s0
F c F c′ d
F s1 F g0
k0
F g1
k1
解集合条件により,この射F c′ →dはある⟨s2, k2⟩ ∈S を使ってF c′ →F s2 −→k2 dと書 ける.
F s0
F c F c′ F s2 d
F s1 F g0
k0 k2
F g1
k1
このとき次の図式を得る.
s0
c s2
s1
g0
g1
F s0
F c F s2 d
F s1
F g0
k0
F g1
k1
k2
この図式は可換である.故に⟨c, f⟩ ↓K が連結であることが分かる.
補 題 11. C, D, U を 圏 で U は well-copowered か つ 余 完 備 と す る .F: C → D, S, T: C →U を関手,φ: S ⇒ T をエピな自然変換とする.このときKan拡張F†S が
存在するならばF†T も存在する.
D
C U
η =⇒ ⇒ φ F
S T F†S
証明. d∈Dに対してcolim(F ↓d−→P0 C −→T U)が存在することを示せばよい.
各点Kan拡張によりF†S(d)∼= colim(F ↓d −→P0 C −→S U)である.⟨c, f⟩ ∈F ↓dに対 して,標準的な射をσ⟨c,f⟩: Sc→ F†S(d)と書く.これと自然変換φ: S ⇒ T を合わせ て,次の可換図式を得る.
F†S(d)
Scj T cj σ⟨cj ,fj⟩
φcj
F†S(d)
Sci T ci
σ⟨ci,fi⟩
φci id
今U は余完備だから,次の図式のようにpushoutを取ることができる.また,pushout の普遍性から点線の射が延びる.
F†S(d) uj
Scj T cj
mj
φcj
F†S(d) ui
Sci T ci
mi
φci id
仮定からφci はエピ射で,エピ射のpushoutはエピ射だから,miもエピ射である.U が
well-copoweredかつ余完備だから,miたちの余極限vを取ることができる.
F†S(d) uj
Scj T cj φcj
F†S(d) ui
Sci φci T ci
v
v = colim(F ↓d −→P0 C −→T U)であることを示そう.その為に任意のθ: T P0 ⇒∆w を 取る.
F†S(d) uj
Scj T cj
φcj
F†S(d) ui
Sci φci T ci
v
w
θ⟨cj ,fj⟩
θ⟨ci,fi⟩
このとき θ ◦φ: SP0 ⇒ ∆w が得られるから,普遍性により F†S(d) → wが一意に延 びる.よって pushoutの普遍性からui → wが一意に延びる.よって v の普遍性から v→wが一意に延びる.以上によりv∼= colim(F ↓d−→P0 C −→T U)である.
定理12(Special Adjoint Functor Theorem). C, Dが圏で,Cは余完備,well-copowered で,small generating set Sを持つとする.このとき関手F: C →Dに対して
F が余連続⇐⇒F が右随伴を持つ.
証明. (⇐=) 明らか.
(=⇒) Kan拡張F†idC が存在することを示せばよい.
generating set S ⊂ C を充満部分圏とみなし,K: S → C を包含関手とする.S が smallでC が余完備だからKan拡張K†K,(F K)†K が存在する.
D
C
S C
=====⇒ =⇒η K
K K†K F
(F K)†K
故 に 補 題 6 よ り F†(K†K) も 存 在 し て ,F†(K†K) ∼= (F K)†K が 成 り 立 つ .ま た idC: C →Cを考えれば,Kan拡張の普遍性によりφ: K†K ⇒idC が一意に取れる.
C
S η =⇒ C
K
K K†K
idC
φ =
C
S C
=⇒
idK K
K idC
φはエピ射である.
...
) c∈ C に対してφc: K†K(c) →cがエピ射であることを示せばよい.各点Kan 拡張の構成を思い出せば,φc はK†K(c)∼= colim(K ↓c→S →C) = colim
⟨c,f⟩∈K↓ccの 普遍性から定まる射である.
cj
c
ck fj
fk
cj
K†K(c) c ck
fj
fk
φc
u, v: c→ dを射で,u ̸=v とする.Sがgenerating setだったから,あるs ∈ Sと
g: s→cが存在してu◦g̸=v◦gとなる.このとき⟨s, g⟩ ∈K↓cである.
cj
K†K(c) c d
ck
fj
fk
φc u
v
よってu◦φc ̸=v◦φc でなければならない.故にφc はエピ射である.
D
C C
η =⇒ ⇒ φ F
K†K idC
F†(K†K)
よって補題11によりF†idC が存在する.
双対的に,以下の定理も成り立つ.(証明は同様である.)
定理 13. G: D →C を関手とするとき以下の条件は同値である.
(1) Gは左随伴を持つ.
(2) Gに沿ったidDの右Kan拡張⟨G‡idD, ε⟩が存在し,任意の関手K: D→X が右 Kan拡張G‡idD と交換する.
C
D D X
ε
=⇒
G
idD G‡idD
id
⇒ =
K◦(G‡idD)
K
=
C
D D X
=⇒
G
idD
G‡K
K
(3) Gに沿ったidD の右Kan拡張 ⟨G‡idD, ε⟩が存在し,Gが右 Kan拡張 G‡idD と 交換する.
またこのときG‡idD ⊣Gでありεがそのcounitである.
定理 14 (General Adjoint Functor Theorem). C, Dを圏,Dは完備で関手G: D→C は連続であるとする.更に,任意のc ∈C に対してある集合S ⊂ Ob(c↓G)が存在して 次を満たすとする.(この条件を解集合条件と呼ぶ)
任意の⟨d, f⟩ ∈c↓Gに対してある⟨s, k⟩ ∈S と射⟨s, k⟩ → ⟨d, f⟩が存在する Gs
c Gd
Gs′
k f
k′
このときGは右随伴を持つ.
定理 15(Special Adjoint Functor Theorem). C, Dが圏で,Dは完備,wellpoweredで,
small cogenerating setS を持つとする.このとき関手G: D→C に対して Gが連続⇐⇒Gが左随伴を持つ.
また,関手の表現可能性について次の定理が分かる.
定理 16. Dを完備な圏,G: D→Setを連続な関手で解集合条件を満たすとする.この ときGは表現可能関手である.
証明. General Adjoint Functor TheoremによりGは左随伴関手F: Set→D を持つ.
このときd ∈ Dと1 ∈ Setに対して HomD(F(1),−) ∼= HomSet(1, G−) ∼= G である.
故にGは表現可能関手である.
定理 17. D を完備,wellpoweredな圏で,small cogenerating set S を持つとする.こ のとき関手G: D →Setに対して以下は同値である.
(1) Gが連続である.
(2) Gが左随伴を持つ.
(3) Gが表現可能関手である.
証明. 1 ⇐⇒ 2はSpecial Adjoint Functor Theoremである.
(2 =⇒ 3) Gの左随伴関手をF: Set→Dとすれば1∈Setに対して HomD(F(1),−)∼= HomSet(1, G−)∼=G
である.故にGは表現可能関手である.
(3 =⇒ 1) 表現可能関手HomD(d,−)は連続だから明らか.
定理 18. C を余完備な圏,Dを圏とする.A ⊂Cを小さい稠密部分圏とするとき 関手F: C →Dが余連続⇐⇒F が右随伴を持つ.
証明. (⇐=) 明らか.
(=⇒) Kan 拡張F†idC が存在することを示せばよい.包含関手K: A → C が稠密だ からK†K ∼= idC である.またAが小圏でC が余完備だから(F K)†K も存在する.
D
C
A =====⇒ =⇒idK C
K
K idC
F
(F K)†K
故に補題6よりF†idC も存在する.