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ボクシングの試合の解析

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Academic year: 2021

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卒業研究論文

ボクシングの試合の解析

学籍番号 09D8101004J 瀬戸芳洋

中央大学理工学部情報工学科 田口研究室 20133

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あらまし

本研究はボクシングの試合の勝因, 敗因の分析を行うことを目的としている. 試合の映 像を基にパンチの手順データを試合経過を見て作成し, 各ラウンドのパンチの総数, 種類 別パンチ数を集計するとともにデータに対して時系列アソシエーション分析を行う. 解析 結果と集計結果より得られる選手の基本的な攻撃パターンと, 攻撃パターンの時間変化を 観察することで, 選手の戦略と特徴の抽出および視覚化を試みる.

キーワード:ボクシング, 手順データ, 時系列アソシエーション分析

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ii

目次

1 はじめに ... 1

2 試合データ ... 2

2.1 構成 ... 2

2.2 対象試合 ... 4

3 アソシエーションルール分析 ... 5

3.1 概要 ... 5

3.2 評価指標 ... 5

3.3 アルゴリズム... 7

3.4 時系列アソシエーション分析 ... 10

4 解析結果 ... 11

4.1 各試合の解析結果 ... 11

4.1.1. 1試合目(レンドール・ムンロー戦) ... 11

4.1.2. 2試合目(マウリシオ・ムニョス戦) ... 17

4.1.3. 3試合目(ラファエル・マルケス戦) ... 22

4.1.4. 4試合目(ノニト・ドネア戦) ... 27

4.2 攻撃パターンの傾向 ... 31

4.3 解析のまとめ... 35

5 おわりに ... 38

5.1 まとめ ... 38

5.2 今後の課題 ... 38

謝辞 ... 39

参考文献 ... 40

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第1章 はじめに

ボクシングは世界的に見ても, 最も有名なスポーツの一つである. 本場アメリカでは賭 けの対象にもされ, 人気選手であれば一試合で数億円を稼ぐこともあるスポーツである.

現在, 日本では8人の選手が世界王者となっているが, 世界のトップ戦線の選手たちと戦 うことのできる選手はまだまだ尐ないのが現状である. 20121013日には西岡利晃選 手が世界的な強豪ノニト・ドネア選手と本場アメリカで戦うという, 日本ボクシング史上最 大ともいえるビッグマッチを実現することができた. しかし, 9R154TKO敗けという 結果に終わってしまった. まだまだ日本のトップ選手と世界のトップ選手の間に存在する 差を痛感する試合であった.

ボクシングは他のスポーツと同様に, フィジカル面では常に新たなトレーニング方法が 考案されている. 一方, 格闘技という性質上, 他のスポーツにおけるスコアブックと呼べる ような試合内容を記録するデータが存在しないことから, 数理的な研究はあまり進められ ていない. それゆえ, 戦略面を考察する際や試合を振り返る時なども選手個々人やトレー ナーの感覚に頼る割合が非常に大きい側面を有している. 試合においてもめまぐるしい攻 守の切り替え, 一瞬一瞬の判断の連続, そういった瞬間的な動作, 決断の連続が多いことか ら, ボクシングは「天才のみが許されるスポーツ」と呼ばれることもある.

そのような特徴を持つボクシングを数理的に解析することができれば, 選手の技能向上 の手助け, ひいては世界トップ戦線に尐しでも近づくための手がかりを知ることができる のではないかと考えられる. 本研究では, 先日引退した西岡利晃選手に着目し, 彼の強さを 数理的に分析することを試みる. 試合映像を基に試合データを作成し, ラウンド毎のパン チ数の集計など基本的な試合の流れを調べるとともに, 時系列アソシエーション分析を行 うことで西岡選手の攻撃パターンの偏りや試合を通しての戦略を分析する.

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2

第2章 試合データ

本章では研究で扱うデータについて説明する. 試合データはDVDなどの試合映像を実際 に観察しながら作成した.

2.1 構成

ボクシングでは, 試合を記録するスコアブックは一般に知られる形では存在しない. こで表2.1に示すようなデータを各試合, ラウンド毎に独自に作成した. 本研究では時系列 アソシエーション分析を行うため, データを試合内容, 攻撃セット, 時系列の3つの要素で 構成する.

2.1 試合データのサンプル 攻撃セット 試合内容 時系列

9001 J 9001

9002 J 9002

9003 LH 9003

9003 S 9004

9004 J 9005

9004 S 9006

9005 RH 9007

9005 J 9008

9005 J 9009

9005 S 9010

9006 LU(B) 9011

9007 J 9012

9008 LH 9013

9009 N_J 9014

9010 S 9015

9011 N_S(hit) 9016

9012 N_S 9017

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3

試合内容の項目は試合中に放たれたパンチの種類を表している. 試合内容で扱われる主 なアイテムを表2.2, アイテムの攻撃成功やボディへの攻撃を表す補助表現を表2.3に示す.

これらのアイテムに加え, 西岡利晃選手の放ったパンチに対しては ”N_” の表現を先頭に 付け加えて選手の区別をすることで, 2選手の試合中の動きを48アイテムで表現する.

2.2 試合内容の主アイテム 記号 パンチの種類

J ジャブ(利き手と逆のパンチ)

S ストレート(利き手のパンチ)

LH 左手のフック LU 左手のアッパー RH 右手のフック RU 右手のアッパー

2.3 補助表現 記号 意味 (B) ボディへ

(hit) 攻撃成功

時系列の項目では出されたパンチに対し, 順番を付けることで試合内容の項目のパンチ の手順を表現している. 時系列の数字は

時系列の数字=ラウンド数×1000+パンチの出された順番

としている. ラウンド数を1000倍することで, 2選手で合わせて最大1000発のパンチの記 録を可能とし, またすべてのラウンドのデータを結合する際に異なるラウンドのパンチを 同じタイミングで放ったと誤認識することを防いでいる.

攻撃セットの項目は一連の流れで行われていると判断した動作を表現するために用いて いる. ワンツーなどのコンビネーション・ブローや, カウンターなどの攻撃の際, 連続する 試合内容のアイテムに対して同じ攻撃セット番号を与えることで試合内容のアイテムが一 連の動作であることを表現している(図2.1, 2.2参照).

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4

攻撃セット 試合内容 時系列

1001 J 1001

1001 S 1002

2.1 ワンツーのときの表現

攻撃セット 試合内容 時系列

1001 J 1001

1002 S 1002

2.2 一連の動作でないときのジャブ, ストレートの表現

2.2 対象試合

今回データの収集を行った試合は, 以下の表の4試合である.

2.4 研究対象の試合

日付 対戦相手 結果

2010104 レンドール・ムンロー 12R 判定勝ち 2011430 マウリシオ・ムニョス 9R TKO勝ち 20111013 ラファエル・マルケス 12R 判定勝ち 20121013 ノニト・ドネア 9R TKO敗け

西岡利晃選手の攻撃パターンにおける普遍的な特徴と, 相手に対応して変化させている 部分, ひいては勝因・敗因を見出すことを研究目的としたことから, 対戦相手のタイプが異 なる試合のデータを収集する.

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第3章 アソシエーションルール分析

3.1 概要

アソシエーションルール分析とは「データベースに潜む興味深いルール(パターン)を 列挙すること」を目的とした分析手法である. このアソシエーション分析が応用される最も 代表的な例は, スーパーマーケットにおけるマーケットバスケット分析である. 顧客が購 入したマーケットバスケット(買い物かご)の中身を分析し, 同時購入される商品の中から 興味深い組み合わせ(例. X ⇒ Y : Xを買うならばYも買っている. )を発見し, 販売促進 につなげていこうというものである. 分析によって得られたルール「X ⇒ Y」は「X なら

Y」と読まれ, Xをルールの前提部, Yを結論部と呼ぶ. ここで, アソシエーションルール

分析の目的は, 次節で紹介する支持度(support), 信頼度(confidence)を利用し, 最小支 持度(minsup)および`最小信頼度(minconf)の条件を満たすルールをすべて列挙するこ とである.

3.2 評価指標

アソシエーション分析ではルールを探索し, 評価をする上で支持度(support)と信頼度

(confidence)の 2 つの値を主に利用する. 以下の式では探索するデータベースの集合を D, その要素数を|D|, アイテム集合をI, 任意のアイテム集合をX, Y ⊆ Iと表記している.

支持度とは, データベースの全トランザクション数|D|に対する, アイテム集合 X ∪ Y を含むトランザクション数の割合であり, 式 (3.1) で与えられる. 以下の式でcount ( X )は データベースDにおいてアイテム集合Xを含むトランザクション数を表す.

support ( X ⇒ Y ) =count ( X ∪ Y )

| D | (3.1)

前提部と結論部のアイテム集合が多くのトランザクションに出現すれば, それらのアイ テム集合の間の関連性が強いと考えるのが支持度の考え方である.

次にアソシエーションルールの信頼度とは, 条件部 X のアイテム集合を含むトランザク ション数に対するX ∪ Yを含むトランザクション数の割合であり, 式 (3.2) で与えられる.

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6

confidence ( X ⇒ Y ) =count ( X ∪ Y )

count ( X ) (3.2)

アソシエーションルール分析の目的は, 最小支持度(minsup)および最小信頼度(minconf)

を与えたとき, 式 (3.3) で与えられた条件を満たすルールをすべて列挙することである.

{ support(X ⇒ Y) ≥ minsup

confidence(X ⇒ Y) ≥ minconf (3.3)

アソシエーションルール分析では支持度, 信頼度以外にもルールを評価する上でlift

convictionという指標が存在する.

liftは信頼度の欠点を補う興味深さの定義として用いられ, 結論のアイテムは前提のアイ テムとは無関係に起こらないという指標である. 前提Xと結論Y2つのアイテム集合を 考えたとき, XYに関する信頼度を前提なしの結論Yについての信頼度で割ったものが値 となる. 次の式 (3.4) に表す.

lift( X ⇒ Y ) = confidence ( X ⇒ Y )

support ( Y ) (3.4)

= count ( X ∪ Y )

count( X ) × 1 support ( Y ) = | D |

count ( X ) × 1

support ( Y ) × count ( X ∪ Y )

| D |

= support ( X ⇒ Y ) support ( X ) × support ( Y )

lift1.0であるとき, 2つの事象XYが互いに独立であることを意味し, 値が1.0より 大きく, かつその値が大きければ大きいほど興味深いルールであると考える.

convictionは得られたルールの結論部の排反事象に着目し, ルールが間違った予測をし

てしまわないかどうかを意味する評価指標である. 前提の支持度と結論以外のサポートの 積を, ルール「前提⇒結論以外」の支持度で割った値であり, 次の式 (3.5) で表される. 提をX, 結論をYとし, 結論以外の事象をY ’ で表記する.

conviction ( X ⇒ Y ) = support ( X ) × support (Y)

support ( X ⇒ Y) (3.5)

=count ( X )

| D | × | D |

count ( X ∪ Y ′) × support ( Y) 1

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= support (Y) confidence ( X ⇒ Y)

= 1 − support ( Y ) 1 − confidence ( X ⇒ Y)

convictionの値が大きければ, 前提Xであるときに結論がYではないということが尐な

くなる. またliftと異なり, 前提と結論を入れ替えると値が変化する評価指標である.

3.3 アルゴリズム

アソシエーションルール分析を行うにはいくつかのアルゴリズムが提案されている. 研究で利用したソフトウェアVisual Mining Studio [2]ではAgrawalらによって提案され

Aprioriと呼ばれるアルゴリズムが採用されている[1]. この節ではAprioriについて説明

する.

最小支持度制約(式 (3.3) )を満たすアイテム集合を頻出アイテム集合と呼ぶ. 特に k 個のアイテムから構成されるアイテム集合を頻出kアイテム集合と呼ぶ. Aprioriの基本戦 略は, 2つのアイテム集合X, YX⊆Yの関係にある場合, 必ずcount(X)≥ count(Y)

の関係が成り立つという性質を利用するところにある. この性質は, アイテム集合のサイ ズが増えるに従って支持度が単調に下がることから, アイテム集合のサイズに対する支持 度の逆単調性と呼ばれる. 例として, アイテム集合の部分集合である { 豆腐, 生姜, 豚肉 } が頻出, すなわち最小支持度の条件を満たしていれば, その部分集合である { 豆腐, 姜 }, { 生姜, 豚肉 } , { 生姜 }なども頻出である.

Apriori では, 小さいアイテム集合から順に幅優先探索によって出現件数(トランザクシ

ョン数)を数えていくが, あるアイテム集合が頻出でなければ, その上位集合(そのアイテ ム集合を含むより大きなアイテム集合)は探索する必要がなく, このことにより解の探索空 間を大幅に減らすことが可能となる. 3.1Aprioriのアルゴリズムを示す. アルゴリズ ムに沿って表3.1に基づいた例題の計算の経過を図3.2に示す.

3.1 商品購入データベース

トランザクション番号 アイテム ( 商品 ) A, B, C, E

B, C, D, A, B, D, F B, D, E A, B, E

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8 Algorithm Aprioriアルゴリズム

1: minsup := 最小支持度;

2: L := { 頻出1アイテム集合 } ; 3: for ( k := 2; Lk− ≠ ∅; k := k+1 ) do

4: Ck :=apriori-gen (Lk− ); { 頻出アイテム集合の候補を作成 } 5: for all トランザクションt∈D do

6: Ct = subset ( Ck, t ); { tに含まれる候補アイテム集合を選択 } 7: for all 候補アイテム集合c∈ Ct do

8: c.count := c.count+1; { 選択された候補アイテム集合の出現数の計算 } 9: end for

10: end for

11: Lk := { c ∈ Ck | c.count≥ minsup } { 頻出kアイテム集合の選択 } 12: end for

3.1 Aprioriアルゴリズム

例題では最小支持度(minsup)= 0.4(件数では2件)としている.

初めにデータベース全行を走査し, 頻出1アイテム集合を求める ( 3.12行目 ). イテム集合 { F } 1件のトランザクションにしか含まれず最小支持度を満たしていない ため, 今後2アイテム以上のルール探索においては, アイテムFを含むアイテム集合を探索 する必要がなくなる.

すでに求められている頻出k-1アイテム集合から頻出kアイテム集合となる可能性のあ る候補集合(以下「候補アイテム集合」と呼ぶ)Ckを作成する(図3.14行目). 候補ア イテム集合としては, 要素数k-1の部分集合がすべて頻出であるもののみ選ばれる. 例とし て, 3.2L からC を作成するにあたり, 候補アイテム集合 { A, B, D } は, その部分集合 { A, B }, { A, D }, { B, D } すべてが頻出であるため候補アイテム集合となるが, { B, D, E }は 候補アイテム集合とならない. なぜならば, その部分集合 { B, D } と { B, E } は頻出であ るが, { D, E } が頻出ではないからである. このようにして, 探索対象とするアイテム集合 を絞り込むことにより効率的な探索が可能となる.

得られた候補アイテム集合について, データベースを全走査し, 各トランザクションに 含まれる候補アイテム集合を選択し(図3.16行目), それらの候補アイテム集合の出現 件数を求める(図3.18行目)ことで候補アイテム集合に対してのサポート値, 信頼度, lift 値, conviction値を求める.

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3.2 Aprioriの流れの例

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3.4 時系列アソシエーション分析

時系列アソシエーション分析は時系列情報を持ったデータに対してアソシエーションル ール分析を行う. 通常のアソシエーションルール分析では, 同時発生の事象に関するルー ルを抽出するが, 時系列アソシエーション分析では事象の発生順序を考慮し, 違う時刻に 発生した事象に関するルールを抽出する. これにより例として, ある商品を購入した顧客 が次に何を購入するかといった購買行動の時間的な変化を明らかにし, リピート購入の起 こりやすい商品等を分析することが可能である.

時系列アソシエーション分析によって得られるルールの例を表3.2に記す. 前提と結論は 時系列事象を, 最後に起こった事象(結論)とそれ以前に起こった事象(前提)に分けたも のである. 例として, "N_J ⇒ N_S ⇒ N_RH" というルールにおいて前提は "N_J

N_S"となり, 結論は "N_RH" となる. これは「西岡利晃選手はジャブ・ストレートと打っ

た後は右のフックを打つ」というルールを表す.

3.2 時系列アソシエーション分析結果のサンプル

前提 結論 サポート 信頼度 リフト ルール数

2-N_J 2-N_RH(hit) 2.264 5.825 1.286 6

2-N_J 2-N_J(hit) 2.264 5.825 1.286 6

2-N_J 2-N_LU 2.642 6.796 1.286 7

2-N_J 2-N_S(hit) 3.774 9.709 1.429 10

2-N_J 2-N_J 4.151 10.680 0.275 11

2-N_J 2-N_RH 6.038 15.534 1.056 16

2-N_J 2-N_S 12.075 31.068 1.470 32

2-N_J 38.868 0.000 0.000 103

2-N_J(hit) 4.528 0.000 0.000 12

2-N_J->2-N_S 2-N_LU 1.509 12.500 2.366 4 2-N_J->2-N_S 2-N_J(hit) 1.887 15.625 3.451 5 2-N_J->2-N_S 2-N_J 2.264 18.750 0.482 6 2-N_J->2-N_S 2-N_RH 4.151 34.375 2.336 11

2-N_LH 2.642 0.000 0.000 7

2-N_LU 2-N_RH 1.509 28.571 1.941 4

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第4章 解析結果

本章では, 前章で紹介した時系列アソシエーション分析を表2.4の各試合データに対して 行う. 分析結果を基に各試合展開の様子と西岡利晃選手の攻撃パターンにおける普遍的な 特徴に対する考察を行う.

4.1 各試合の解析結果

試合の解析は次の手順で行う. 初めに西岡選手と対戦相手, および2選手の合計の3種類 の各ラウンドのパンチ数を集計する. 集計結果を基にパンチ数の推移のグラフを作成し, 試合データを序盤(様子見の段階)と終盤(攻撃の段階)に分割する. これは, 選手の大戦 の様子が, 試合の進行につれて大きく変化する場合の様子が見られるためである.

試合データを分割する際は西岡選手のパンチ数に着目する. 序盤と終盤のそれぞれに対 して時系列アソシエーション分析を行うことで, 西岡利晃選手と対戦相手の攻撃パターン が一試合の中でどのように変化したのかを観察する. 2 選手の攻撃パターンに対する考察, 試合結果, パンチの推移を基に試合展開の考察を行う.

4.1.1. 1 試合目(レンドール・ムンロー戦)

4.1を見ると, 試合全体のパンチ数が6Rから7Rで大きく増加していることが分かる.

よって今回は1から6Rまでを序盤, 7から12Rを終盤と定めた. 両選手の攻撃パターンの 解析結果を表 4.1 から表 4.4 に示す. 時系列アソシエーション分析の最小支持度はすべて 1.0とする. 初めに表4.1, 4.2を基に今回の西岡選手に関する考察を行う.

4.1を見ると, ジャブを前提とした攻撃パターンやジャブそのもののサポート値が高い.

また表4.2に比べてコンビネーション(西岡選手のパンチのみによるルール)の種類が尐な くなっている. このことから西岡選手が自分から攻めつつも慎重に試合を組み立てている と考えられる.

ジャブに着目して表4.1を観察する. 西岡選手のコンビネーション(表4.1の黄色い部分), 8つのうち4つが単発のジャブを前提としており, サポート値も他の4つに比べて非常に 高くなっている. このことからジャブが西岡選手の攻撃の起点となっていることがわかる.

また西岡選手のジャブはルール全体のサポート値が53.811と非常に高い数値を出している だけでなく, 相手の攻撃に対する全てのカウンターにおいて結論となっている(表4.117

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4.1 パンチ数の推移(レンドール・ムンロー戦)

4.1 西岡選手の攻撃パターン(序盤)

行番号 前提 結論 サポート 信頼度 リフト ルール数 前提数 結論数 キー数 1 2-N_J 2-N_S(B)(hit) 2.309 4.292 0.978 10 233 19 433 2 2-N_J 2-N_S(hit) 2.309 4.292 1.549 10 233 12 433 3 2-N_J 2-N_S 10.162 18.884 1.220 44 233 67 433 4 2-N_J 2-N_J 11.085 20.601 0.383 48 233 233 433

5 2-N_J 53.811 0.000 0.000 233 233 0 433

6 2-N_J(hit) 5.312 0.000 0.000 23 23 0 433

7 2-N_J->2-N_J 2-N_J 1.848 16.667 0.310 8 48 233 433 8 2-N_J->2-N_J 2-N_S 3.002 27.083 1.750 13 48 67 433 9 2-N_J->2-N_S 2-N_J 2.079 20.455 0.380 9 44 233 433

10 2-N_RH 1.617 0.000 0.000 7 7 0 433

11 2-N_RU 1.386 0.000 0.000 6 6 0 433

12 2-N_S 2-N_J 3.233 20.896 0.388 14 67 233 433

13 2-N_S 15.473 0.000 0.000 67 67 0 433

14 2-N_S(B) 2.309 0.000 0.000 10 10 0 433

15 2-N_S(B)(hit) 4.388 0.000 0.000 19 19 0 433

16 2-N_S(hit) 2.771 0.000 0.000 12 12 0 433

17 2-J 2-N_J 6.236 16.564 0.308 27 163 233 433

18 2-J->2-J 2-N_J 2.079 18.367 0.341 9 49 233 433

19 2-RH 2-N_J 1.155 11.111 0.206 5 45 233 433

20 2-S 2-N_J 1.155 9.259 0.172 5 54 233 433

0 50 100 150 200 250

1R 2R 3R 4R 5R 6R 7R 8R 9R 10R 11R 12R

パン []

ラウンド数

nishioka munroe total

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4.2 西岡選手の攻撃パターン(終盤)

行番号 前提 結論 サポート 信頼度 リフト ルール数 前提数 結論数 キー数 1 2-N_J 2-N_RH(B) 1.478 3.468 1.173 6 173 12 406 2 2-N_J 2-N_J(hit) 1.478 3.468 0.782 6 173 18 406 3 2-N_J 2-N_S(B)(hit) 1.970 4.624 1.444 8 173 13 406

4 2-N_J 2-N_RH 1.970 4.624 1.173 8 173 16 406

5 2-N_J 2-N_S(hit) 2.709 6.358 1.613 11 173 16 406

6 2-N_J 2-N_S 9.113 21.387 1.497 37 173 58 406

7 2-N_J 2-N_J 10.591 24.855 0.583 43 173 173 406

8 2-N_J 42.611 0.000 0.000 173 173 0 406

9 2-N_J(B) 1.232 0.000 0.000 5 5 0 406

10 2-N_J(hit) 4.433 0.000 0.000 18 18 0 406

11 2-N_J->2-N_J 2-N_S(hit) 1.232 11.628 2.951 5 43 16 406 12 2-N_J->2-N_J 2-N_S(B)(hit) 1.232 11.628 3.631 5 43 13 406 13 2-N_J->2-N_J 2-N_S 2.217 20.930 1.465 9 43 58 406 14 2-N_J->2-N_J 2-N_J 2.463 23.256 0.546 10 43 173 406 15 2-N_J->2-N_S 2-N_RH 1.232 13.514 3.429 5 37 16 406 16 2-N_J->2-N_S 2-N_J 1.232 13.514 0.317 5 37 173 406

17 2-N_LU 2.217 0.000 0.000 9 9 0 406

18 2-N_RH 3.941 0.000 0.000 16 16 0 406

19 2-N_RH(B) 2.956 0.000 0.000 12 12 0 406

20 2-N_RH(B)(hit) 4.680 0.000 0.000 19 19 0 406

21 2-N_RU 1.970 0.000 0.000 8 8 0 406

22 2-N_S 2-N_RU 1.232 8.621 4.375 5 58 8 406

23 2-N_S 2-N_RH 1.724 12.069 3.063 7 58 16 406

24 2-N_S 2-N_S 1.724 12.069 0.845 7 58 58 406

25 2-N_S 2-N_J 2.463 17.241 0.405 10 58 173 406

26 2-N_S 14.286 0.000 0.000 58 58 0 406

27 2-N_S(B) 1.724 0.000 0.000 7 7 0 406

28 2-N_S(B)(hit) 3.202 0.000 0.000 13 13 0 406

29 2-N_S(hit) 3.941 0.000 0.000 16 16 0 406

30 2-N_S->2-N_J 2-N_S 1.232 50.000 3.500 5 10 58 406 31 2-J 2-N_S(B)(hit) 1.232 2.747 0.858 5 182 13 406

32 2-J 2-N_S 1.232 2.747 0.192 5 182 58 406

33 2-J 2-N_J 4.433 9.890 0.232 18 182 173 406

(17)

14

~20行目). このようにジャブが西岡選手の攻撃の中で大きな割合を占めていたことが窺 える.

ジャブという攻撃が全てのパンチの中で最もリスクの尐ない攻撃であることを踏まえる と, 西岡選手が慎重であったということがわかる. 以上より, 序盤の西岡選手はジャブを中 心にコンビネーションでリズムを組み立てつつ, 終盤に比べると慎重に戦っていたと説明 できる.

次に, 西岡選手の終盤の戦略に対する考察を行う. 4.2を観察すると, 西岡選手のコン ビネーションのルール数(表4.1と表4.2の黄色い部分)が8から18へと大きく増加して いる. コンビネーションの結論部に着目すると (hit) の補助表現を有している結論部も増 えている. このことから西岡選手は序盤に比べて, 非常に攻撃的になり, 攻撃の成功率も上 がっていることがわかる.

またhitしているパンチという点で表4.2を見てみると, 序盤にはない “N_RH(B)(hit)”

(ボディへの右フック)が非常に特徴的である. (hit) している場合のルール(表4.220 行目)と (hit) のない場合のルール(表4.219行目)を見比べると, 当たっていない場 合のサポート値よりもhitしている場合のサポート値が高くなっている. このことから

“N_RH(B)(hit)” はムンロー選手には避けにくい, 非常に有効なダメージングブロー(ダメ

ージを与えるパンチ)であったことがわかる. 以上より, 西岡選手はボディへの右フックを 中心とし, コンビネーションでより攻撃的に攻めたてることが終盤の戦略であったと考え られる.

次に対戦相手のムンロー選手に関する考察を行う. 4.3を見ると序盤にも関わらず, 出されたコンビネーションの数が非常に多い. またパンチの内訳に着目すると "LH"(左の フック)のサポート値が6.404, "LH(B)"(ボディへの左のフック)が1.970, "RH"(右のフ

ック)が13.054と西岡選手の同じパンチに比べて非常に高くなっている. したがってムン

ロー選手が接近戦を好み, フック主体で序盤から積極的に攻めてくる選手であることがわ かる.

攻撃のタイミングとしては, 西岡選手のジャブに対するカウンターの種類が多いこと(表

4.328~33行目)から, 西岡選手のジャブに合わせて飛び込んでくることが推察できる.

西岡選手のジャブにタイミングを合わせて接近戦に持ち込み, 接近戦からフック主体で押 し切るのがムンロー選手の序盤の基本戦略であった.

4.4を見ると, 序盤に比べてムンロー選手のコンビネーションの種類が非常に尐なって いる. 序盤は有効なルールの総数が36であったのに対して終盤は27となっている. 特に

"LH" からのコンビネーションが全くなくなっていることから, 目的の接近戦に持ち込め

ていないことがわかる. このことからムンロー選手が終盤に入り, 完全に押されていたこ とが窺える.

また各パンチのサポート値をみても序盤は低めであったジャブのサポート値が非常に増

(18)

15

4.3 ムンロー選手の攻撃パターン(序盤)

行番号 前 提 結論 サポート 信頼度 リフト ルール数 前提数 結論数 キー数

1 2-J 2-LH(B) 1.155 3.067 0.458 5 163 29 433

2 2-J 2-RH 2.309 6.135 0.590 10 163 45 433

3 2-J 2-LH 2.540 6.748 0.696 11 163 42 433

4 2-J 2-S 5.543 14.724 1.181 24 163 54 433

5 2-J 2-J 11.316 30.061 0.799 49 163 163 433

6 2-J 37.644 0.000 0.000 163 163 0 433

7 2-J(hit) 4.850 0.000 0.000 21 21 0 433

8 2-J->2-J 2-J 1.386 12.245 0.325 6 49 163 433

9 2-J->2-J 2-S 2.079 18.367 1.473 9 49 54 433

10 2-LH 2-LH(B) 1.155 11.905 1.778 5 42 29 433

11 2-LH 2-RH 1.155 11.905 1.146 5 42 45 433

12 2-LH 2-LH 2.540 26.190 2.700 11 42 42 433

13 2-LH 9.700 0.000 0.000 42 42 0 433

14 2-LH(B) 2-S 1.155 17.241 1.383 5 29 54 433

15 2-LH(B) 2-LH 1.155 17.241 1.778 5 29 42 433

16 2-LH(B) 6.697 0.000 0.000 29 29 0 433

17 2-LU 1.617 0.000 0.000 7 7 0 433

18 2-RH 2-LH 1.848 17.778 1.833 8 45 42 433

19 2-RH 2-S 3.233 31.111 2.495 14 45 54 433

20 2-RH 10.393 0.000 0.000 45 45 0 433

21 2-RH(B) 2-LH(B) 1.155 55.556 8.295 5 9 29 433

22 2-RH(B) 2.079 0.000 0.000 9 9 0 433

23 2-RU 3.233 0.000 0.000 14 14 0 433

24 2-S 2-RU 1.386 11.111 3.437 6 54 14 433

25 2-S 2-RH 1.386 11.111 1.069 6 54 45 433

26 2-S 2-LH 1.848 14.815 1.527 8 54 42 433

27 2-S 12.471 0.000 0.000 54 54 0 433

28 2-N_J 2-LH 1.155 2.146 0.221 5 233 42 433

29 2-N_J 2-RH 1.386 2.575 0.248 6 233 45 433

30 2-N_J 2-S 1.617 3.004 0.241 7 233 54 433

31 2-N_J 2-J(hit) 3.464 6.438 1.327 15 233 21 433

32 2-N_J 2-J 10.162 18.884 0.502 44 233 163 433

33 2-N_J->2-J 2-J 2.540 25.000 0.664 11 44 163 433

(19)

16

34 2-N_J->2-N_S 2-J 1.155 11.364 0.302 5 44 163 433

35 2-N_S 2-RH 1.617 10.448 1.005 7 67 45 433

4.4 ムンロー選手の攻撃パターン(終盤)

行番号 前提 結論 サポート 信頼度 リフト ルール数 前提数 結論数 キー数

1 2-J 2-LH 2.463 5.495 0.858 10 182 26 406

2 2-J 2-RH 2.956 6.593 0.505 12 182 53 406

3 2-J 2-S 8.128 18.132 1.187 33 182 62 406

4 2-J 2-J 15.025 33.516 0.748 61 182 182 406

5 2-J 44.828 0.000 0.000 182 182 0 406

6 2-J(B) 1.478 0.000 0.000 6 6 0 406

7 2-J(hit) 2-J 1.232 31.250 0.697 5 16 182 406

8 2-J(hit) 3.941 0.000 0.000 16 16 0 406

9 2-J->2-J 2-J 3.448 22.951 0.512 14 61 182 406

10 2-J->2-J 2-S 4.187 27.869 1.825 17 61 62 406

11 2-LH 6.404 0.000 0.000 26 26 0 406

12 2-LH(B) 1.970 0.000 0.000 8 8 0 406

13 2-LU 2.463 0.000 0.000 10 10 0 406

14 2-RH 2-LH 1.724 13.208 2.062 7 53 26 406

15 2-RH 2-S 2.463 18.868 1.236 10 53 62 406

16 2-RH 13.054 0.000 0.000 53 53 0 406

17 2-RH(B) 1.724 0.000 0.000 7 7 0 406

18 2-RU 3.448 0.000 0.000 14 14 0 406

19 2-S 15.271 0.000 0.000 62 62 0 406

20 2-N_J 2-LH 1.232 2.890 0.451 5 173 26 406

21 2-N_J 2-S 1.478 3.468 0.227 6 173 62 406

22 2-N_J 2-J(hit) 1.970 4.624 1.173 8 173 16 406

23 2-N_J 2-RH 1.970 4.624 0.354 8 173 53 406

24 2-N_J 2-J 9.360 21.965 0.490 38 173 182 406

25 2-N_J->2-J 2-J 1.724 18.421 0.411 7 38 182 406

26 2-N_S 2-RH 2.217 15.517 1.189 9 58 53 406

27 2-N_J->2-N_S 2-RH 1.232 13.514 1.035 5 37 53 406

(20)

17

大していることがわかる(表4.45行目). 試合結果を踏まえると, このサポート値の増 加は西岡選手の攻撃が激しくなったがゆえのものだと思われる. 务勢を立て直そうとして, リスクの尐ないジャブを出したがゆえの結果であると考えられる.

以上の選手に関する考察, パンチ数の推移を総合し, 今回の試合展開に対する考察を以 下にまとめる. 序盤, ムンロー選手は自分のリズムで試合を運ぶことを目的に, 左右のフッ クを中心に積極的に接近戦を仕掛けている. 西岡選手はジャブを中心に積極的に応戦しつ つも一定の慎重さを保った戦い方を選択している.

終盤に入ると西岡選手が試合の過程で掴んだ ”N_RH(B)” をダメージングブローとし, 積極的に連打を仕掛けて自分のリズムで試合を運んでいる. ムンロー選手は西岡選手の攻 撃に押され, 攻撃パターンを減らす結果となり, 試合は判定3 - 0で西岡選手の勝利となっ た. ボディへの右フックという有効打を見つけ, それを軸に攻撃を激しくしていったこと が西岡選手の勝因であったと思われる.

4.1.2. 2 試合目(マウリシオ・ムニョス戦)

4.2より西岡選手のパンチ数が増える7R以降を終盤とし, 1~6Rを序盤と定める.

4.5~表 4.8 に両選手の時系列アソシエーション分析の結果を示す. 時系列アソシエーショ

ン分析の最小支持度は1.0とした. 初めに西岡選手に関する考察を述べる.

4.5 を見てみると, ムンロー戦の序盤(表 4.1)の様子に比べ, ルールの種類が非常に 尐ない. 各パンチのサポート値に着目すると, 最大でジャブの 38.303, 次いで左のアッパ

ーの5.046 と全体的に低い結果となっている. またhitしているパンチも ”N_S(B)”(ボデ

ィへのストレート)と ”N_LU”(左のアッパー)の結論部のない2つのルールのみしか得

4.2 パンチ数の推移(マウリシオ・ムニョス戦)

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180

1R 2R 3R 4R 5R 6R 7R 8R 9R

パン []

ラウンド数

nishioka munoz total

(21)

18

4.5 西岡選手の攻撃パターン(序盤)

行番号 前提 結論 サポート 信頼度 リフト ルール数 前提数 結論数 キー数

1 2-N_J 2-N_LU 1.147 2.994 0.593 5 167 22 436

2 2-N_J 2-N_S 2.294 5.988 1.243 10 167 21 436

3 2-N_J 2-N_J 3.440 8.982 0.235 15 167 167 436

4 2-N_J 38.303 0.000 0.000 167 167 0 436

5 2-N_LU 5.046 0.000 0.000 22 22 0 436

6 2-N_LU(B)(hit) 1.606 0.000 0.000 7 7 0 436

7 2-N_LU(hit) 2.752 0.000 0.000 12 12 0 436

8 2-N_RH 4.128 0.000 0.000 18 18 0 436

9 2-N_S 4.817 0.000 0.000 21 21 0 436

10 2-N_S(B) 1.606 0.000 0.000 7 7 0 436

11 2-N_S(B)(hit) 2.982 0.000 0.000 13 13 0 436

12 2-J 2-N_J 1.606 4.698 0.123 7 149 167 436

13 2-S 2-N_J 1.606 10.448 0.273 7 67 167 436

られていない. このことから, 西岡選手があまり積極的に攻撃を仕掛けていないことがわ かる.

コンビネーションの中で最大のサポート値が3.440(表4.53行目)という結果も攻撃 性が低いという観点か特徴的である. これらを総合すると, 西岡選手は今回の序盤ではジ ャブを中心にストレート(ボディ), 左のアッパーなどの単発の攻撃で相手の様子を見るこ とを基本戦略としていたことが窺える.

終盤に入ると図 4.2 のグラフから見てとれるように西岡選手の攻撃の回数が非常に増大 する. その結果は表 4.6の結果にも表われている. 序盤の有効なルール数が13であったの に対し, 終盤では25と増えており, 西岡選手が終盤に入って攻撃的になったとわかる.

“N_S(hit)” 単体に着目して表4.5と表4.6を見比べる. “N_S(hit)” 序盤では有効なルー

ルとして抽出されていないが, 終盤に入ると(hit)のついているパンチの中では最も高いサ ポート値を出すようになっている. またhit しているルールの中でも ”N_S(hit)” を結論と しているルールのサポート値, 信頼度が比較的高い結果となっている. したがってストレ ートが終盤においてムニョス選手に対する有効なパンチであった.

またストレートの使い方という点に着目すると, ”N_J” からのコンビネーション(表4.6 3, 5行目), 相手の ”J” (ジャブ)に合わせたカウンター(表4.622行目)のサポー ト値, 信頼度が特に高くなっている. このことから, この2つ攻撃パターンが終盤において 特に有効な攻撃パターンであったことがわかる. 左のストレートを軸にカウンター, ワン ツーで攻め立てるのが西岡選手の終盤の基本戦略だったと思われる.

図 3.2 Apriori の流れの例

参照

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