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エンボス法による有機修飾シリカガラスの光回路に 関する研究

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Academic year: 2021

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エンボス法による有機修飾シリカガラスの光回路に 関する研究

著者 蓮井 健二郎

雑誌名 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告

26

ページ 112‑114

発行年 2005‑03‑11

出版者 静岡大学大学院電子科学研究科

URL http://hdl.handle.net/10297/1331

(2)

氏名 。(本

)  

  

  

健 二 良5(兵庫県) 学位 の種 類

  

  

  (工

 

)

学位 記番 与

  

工博 甲第

  254  

学位授与の日付

  

平成 16年 3月 24日 学位授与の要件

  

学位規程第5条第 1項 該当 研究科専攻の名称

  

電子科学研究科

 

電子応用工学

学位論文題目

  

エンボス法による有機修飾 シリカガラスの光回路に関する 研究

辞 審査委員

 

原 茂 信

 

教 授 藤 本

教 授 岡 村 静 致

 

教 授 岡 本 尚 道

光 フ ァイバ 通信 技 術 の発 達 に よ り、高 度 情 報 化 が急 速 に進行 して い る。更 な る発 展 と普 及 には Π硼頭Fiber To The HoIIle)に よる宅 内LAN(LocJ Area Network)や自動 車 内光LAN等が必 要 とな り、

こ こで用 い られ る光 デバ イスの低 コス ト化 が重 要 な課題 となる。 そ こで、エ ンボス転 写技術 な どが 適用で きる有機高分子材料は、従来のシリカ系 ガラス等 に比べてデバイス作製の低 コス ト化の可能 性があ り期待 されている。 しか し、これ ら高分子材料 には、光学的異方性、耐熱性や耐久性の問題 がある。

近年、ブル…ゲル法による有機修飾シリカガラスは、有機物 と無機物の長所 を兼ね備 えた材料 とし て注 目を浴びている。本研究では、これまで光回路用途への検討がなされていない有機修飾 シリカ ガラスの 1つ である、フェニルーメチルシルセスキオキサ ン2成分系材料 を用いて、エ ンボス成形 による導波路型光デバイスの作製 を目指 し、材料の合成法、スラブ型導波路の光学的特性 とそれ ら の安定性、熱エ ンボス法 を用いた転写技術、作製 されたグレーテイングを用いた材料の光学的評価 について記 した ものである。

さまざまな組成の膜構造の作製条件依存性 を、赤外分光吸収 を用いて調べた。成膜直後の膜は、

通信波長域で光学損失 を引起 こす水酸基やシラノール基 を多 く含むが、170℃1時間の熱処理で、

これ らが重縮合 により、ほぼ除去 され、シロキサ ン結合ネッ トワークが成長 した。 これ ら膜の水 に 対する接触角測定から、触媒濃度や還流処理、膜組成に関係 な く、130℃以上で熱処理 された膜は、

89° 以上の接触角を持ち、疎水性であることを示 した。また、この疎水性 により170℃と比較的低温 で膜の無水化が達成 された。

H2‑

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該材料からなるスラブ型導波路 を初めて作製 し、基礎特性 とその安定性 を評価 した。屈折率は、膜 中のフェニル量の増加 と共に線形に上昇 し、これまでに報告 された高分子材料 より広い屈折率範囲

(波0.63μmで1.46〜1.56)でlx10‐3以下の低い複屈折 を持つことが明 らか となった。また、屈折率の 組成線形回帰直線の勾配が1.05x103Ph。1% 1であ り、膜組成の制御が±0.5%以下であつたので、土

0.5x10 3と精密な屈折率制御 を示 した。一般的なコアとクラッド間の比屈折率差(Dn=0.3%)が、約5

%の組成比の違いで達成 されることが判明 した。このように化学構造が似たコアとクラッドが適用で き、安定性 を有する導波路の可能性が示 された。屈折率は、200℃、500時 間の熱処理や、90℃95%

RHの条件下で780時 間放置後 も顕著な違いが無 く、安定性 を確認 し、低複屈折 と熱安定性 を有する 導波路 を初めて実現 した。

バルク試料の分光吸収か ら、通信波長である0.6〜0。8μm、1.31μm、1・55μm帯で透過窓を有 し、波 0.65、 1.31、1.55μmでの光学損失が、それぞれ、0.1、0.4、0。6dB/cmと低い値 を示 し、光回路への 適合性 を示 した。スピンコーティングの本質的な欠陥であるス トライエーシヨン(放射状凹凸模様)の 抑制法 として、平滑面を有するモール ドを用いた熱エンボスによる平坦化 を提案 した。これによリス

トライエーシ ョンが抑制 され、波長0.63μmで伝搬損失力わ。10dB/cmの低伝搬損失 を示 した。この値 は、これまで報告 された有機修飾シリカ導波路で最小であつた。

熱エンボスプロセスにおいて、プロセス温度を制御することで、これまでで最短の12分で、サブミ クロン周期で2.6と高いアスペク ト比のパ ターンが形成 されることを実証 した。 この熱エ ンボスによ る、転写パ ターンには、残留応力がなかった。転写パ ターンは、80℃での加圧では、深 さ力洵.4μm、

平均膜厚力洵。mのグレーティングが転写 されるのに対 し、150℃での加圧では、膜の表面硬度が高 くな り、深 さ0。m、平均膜厚が2。mの表面 レリーフグレーティングが形成 されることを示 した。

これらグレーティングの寸法は250℃120時間の加熱後 も顕著な変化が無 く、また、表面 レリーフグ レーティングが、空気中300℃の環境で も光結合器 として機能することを確認 した。このように短時 間で比較的低温の熱エンボスによって転写 されたパ ターンの熱的安定性 を初めて実証 し、低 コス トの エ ンボスによる耐熱光導波路素子実現の可能性 を示 した。

エンボス法によって作製された表面 レリーフグレーティングを入出力光結合器 とした熱サイクル中 でのモー ドライン法により、該材料か らなるスラブ型光導波路の屈折率の温度依存性 を室温か ら150

℃の間で測定 した。結果、膜の屈折率は温度上昇 と共に線形に減少 し、可逆的であった。この温度範 囲での熱光学 (TO;nerlnoopttc)係 数は組成や偏波に依存せず、.2x104℃4で あり、絶対値が、シリカ 系ガラス より1桁大 きく、有機高分子の値 と同等であることを初めて見出 した。 この熱サイクルを 9回繰 り返 した後 もTo定数に顕著な違いが無 く、試料 を150℃で最長700時 間加熱 しても屈折率に変 化は無かった。これ らの結果か ら、該膜が、偏波無依存で且つ大 きなTO係数を有 し、TOスイッチ で用い られる繰 り返 し熱サイクルや長期加熱で もその特性が安定であることか ら、Toデバイスに適

していることを見出 した。

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有機修飾シリカガラスは、有機物 と無機物の長所 を兼ね備えた材料 として、またエンボス成形によ る光デバイス作製の可能性の点から注 目を浴びている。本論文は、フェニルーメチルシルセスキオキ サ ン2成分系材料 を用いて、エ ンボス成形による光回路の作製 を目指 し、材料の合成法、スラブ型 導波路お よび回折格子の作製 と特性評価 について研究 したものである。

1章では、研究の背景、目的、お よび本論文の構成 と概要を述べている。

2章では、ゾルグル法による薄膜作製において、膜組成の作製条件依存性を調べている。130℃ 1時 間の加熱で、シロキサン結合ネットワークが成長 し飽和することが示 されている。また膜が疎水 性 になることにより、170℃と比較的低温で膜の無水化が達成 されている。

3章では、スラブ型導波路 を作製 し、特性 を評価 している。屈折率は、膜中のフェニル量の増 加 と共に線形に上昇 し、波長0。6印皿 で1.46〜 1.56の大 きな変化 を示 し、かつlx103以 下の低複屈折性 が明らかにされている。低複屈折であ りなが ら、高温熱処理や高湿度環境下においても屈折率に顕著 な変化が無 く、その安定性が示 されている。次に、熱エンボス装置を作製 している。膜作製のスピン コーティング時に発生する表面の放射状縞模様 を抑えるために、平滑面を有する型を用いて導波路表 面の熱エ ンボスを行 っている。この結果、波長0.6珈皿 で0。10dB/cmと 、伝搬損失 を大幅に低減 した 結果が得 られている。

4章では、熱エ ンボスによリサブミクロン周期の回折格子 を作製 している。エンボスプロセス 温度 を制御することで、12分の短時間で、サブミクロン周期のパ ターンが形成されることを示 してい る。作製 された回折格子の寸法は高温加熱後 も顕著な変化が無 く、また300℃の高温中 においても光 結合器 として機能することを確認 している。

5章では、作製 された回折格子 を導波路の入出力光結合器 として、屈折率の温度依存性 を測定 している。屈折率は、室温か ら150℃の間で温度 と共に線形に減少 し、熱サイクルにおいて可逆的で ある。熱光学定数は組成や偏波に依存せず、有機高分子の値 と同程度であることを見出 している。熱 サイクルを繰返 し後 も大 きな熱光学定数に顕著な変化が無 く、熱光学光スイッチに適 した材料である

ことが明 らかにされている。

本研究の薄膜は、高温・高湿度環境に耐性があること、低複屈折であること、大 きな負の熱光学定 数をもつこと、残留応力が少ないこと、サブミクロンの微細構造の熱エンボスが可能であること等の 特長を持つことが分か り、偏波無依存の高性能かつ低 コス ト光デバイスヘの適用が期待 される。以上 の成果は、博士(工)の学位 を与えるに相応 しい もの と認め られる。

H4‑

参照

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