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オスラー病(遺伝性出血性末梢血管拡張症)の鼻出血

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1. 歴 遺伝性出血性末梢血管拡張症を最初に報告したの は Sutton1)とみなされている。1864 年に彼が鼻出 血,末梢血管拡張,消化管内出血のあった 1 症例を 報告しているが,孤児であったため家族歴は不明で ある。翌年 Babington2)が 5 世代続く鼻出血家系の 報告をしている。そのあと,Legg3)(1876),Chiari (1887),Chauffadin(1896)が本疾患と思われる症 例の報告をしているが,血友病としての報告であっ た。 Rendu4)(1896)は 52 歳男性の症例報告を行い,12 歳から続く反復性鼻出血,顔面と足の末梢血管拡張 の存在を記し,鼻の血管異常が鼻出血の原因と推定 している。父親には下血の既往と顔面の血管拡張が あり,母と兄弟に鼻出血があった。Osler5)(1901) は遺伝性の鼻出血例を 3 例報告した。この中で内臓 疾患の存在に触れている。Weber6)(1907)は爪下の 血管病変がある症例のシリーズを報告し,後に本疾 患の特徴とされる 3 徴を記載している。その後,Os-lerは続編として詳細な検討をした論文を発表して おり,さらに Osler のレジデントであった Hanes7) (1909)が論文中で本疾患を遺伝性出血性末梢血管

拡 張 症(hereditary hemorrhagic telangiectasia: HHT)と命名した。 わが国での最初の報告は正木(1934)によるもの であるが,皮膚症状から疑ったもので記載に乏し く,確定例は大久保(1942)8)の 2 症例を待たねば ならなかった。耳鼻咽喉科領域での最初の報告は山 中(1961)9)である。 2. 原 本疾患が常染色体性優性遺伝をすることは知られ ていたが,1994 年に McDonald ら10)は連鎖解析法 を用いて染色体 9q34―33 の領域に病因遺伝子が存 在することを明らかにした。同年,McAllister ら11) はこの領域に存在するエンドグリン遺伝子に注目 し,遺伝子解析の結果,エンドグリン遺伝子の変異 を同定した。翌年には Johnson ら12)と Vincent ら13)

オスラー病(遺伝性出血性末梢血管拡張症)の鼻出血

―基礎と臨床―

いち むら けい いち

オスラー病(遺伝性出血性末梢血管拡張症)は常染色体性優性遺伝をする全身の粘膜,皮膚,内臓, 中枢神経などの血管奇形病変である。罹患頻度は以前に考えられていたほど稀ではなく,5∼8 千人に 1 人といわれる。オスラー病の多くは第 9 染色体での endoglin 遺伝子変異による 1 型と,第 12 染色体の ALK―1 遺伝子変異による 2 型とに分かれる。鼻出血の程度は様々で,軽症例が多く,入院や輸血を必 要とする例は 1/3 といわれる。Cura ao criteria として 4 項目が診断基準に採用されており,3 項目以上 該当で確定診断になる。 従来さまざまな治療法が提案されてきたが,症状の程度は患者毎に異なるので治療法は一律には選択 できない。レーザー治療は有効期間が短いが,操作が容易なので,数ヵ月毎に反復することとし,軽症 例や皮膚置換術後の血管拡張に用いる。鼻粘膜皮膚置換術は鼻腔前半部の粘膜を移植皮膚で置換する方 法で,鼻腔全部を置換するわけではないので,出血は完全には停止しないが,出血部位の多くを占める 前部が置換されるので,出血頻度・程度は激減し,施行価値のある手術である。さらに重症例では外鼻 孔閉鎖術が適応となる。 キーワード:遺伝性出血性末梢血管拡張症,鼻出血,鼻粘膜皮膚置換術,外鼻孔閉鎖術,レーザー焼灼 自治医科大学医学部耳鼻咽喉科学教室

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が別の病因遺伝子が染色体 12q に存在することを 示 し,さ ら に Johnson ら14)は 1996 年 に activin re-ceptor―like kinase(ALK)―1 遺伝子がこの領域内に 位置することを明らかにし,遺伝子解析の結果この 遺伝子の変異を同定した。遺伝子変異の差からオス ラー病は大きく 1 型と 2 型に分かれ,第 9 染色体 (9q33―34)における endoglin 遺伝子変異によるも のを 1 型,第 12 染色 体(12q13)の ALK―1 遺 伝 子 変異を 2 型としている(表 1)。この他に 4 つの型 が発見されているが,ごく少数である。オスラー病 患者はそれぞれタイプごとにその遺伝子を半分だけ 発現している hetero 接合であり,homo 接合では致 死的とみなされる15) 新しい血管の生成には間葉系細胞が血管内皮細胞 に分化し,新たに血管が構築される血管形成 vascu-logenesisと既存の血管由来の内皮細胞が増殖・遊 走して新たな血管が形成される血管新生 angiogene-sisの 2 様式がある。後者である血管新生の過程は, ①内皮細胞間の接着解除,基底膜,間質マトリック スの分解,②内皮細胞遊走,③内皮細胞増殖,④内 皮細胞非活性化,新たな基底膜を伴う管腔形成,の 4段階をとる。このなかで TGFβ は内皮細胞と平滑 筋細胞の相互作用を制御し,④の段階に作用し,内 皮細胞機能を抑制することにより血管新生の収束に 作用して,過度の血管新生を防ぐと考えられてい る。ただし条件によっては血管新生を促進する作用 もある。 TGFβ システムは血管の形成に直接関与するの で,この異常は血管奇形を生じさせることが推測で きる。TGFβ がⅠ型とⅡ型の受容体に結合すると, まずⅡ型受容体がⅠ型受容体をリン酸化し,次いで Ⅰ型受容体が Smad というリガンド活性修飾蛋白を リン酸化し,リン酸化された Smad が核内に移行し 種々の遺伝子発現を制御する。血管においてはⅠ型 受容体として ALK―1 と ALK―5 が相補的な役割を果 たしており,両者のバランスが崩れると内皮細胞の 正常な機能が期待できなくなる。endoglin は約 180 kDのホモ 2 量体の膜糖蛋白で,血管内皮細胞,マ クロファージ,リンパ性白血病細胞のみに発現する と さ れ る が,Ⅰ 型,Ⅱ 型 の TGFβ 受容体に TGFβ のリガンドを提示するⅢ型あるいは付加受容体の一 つである。TGFβ1,3 に高い親和性を有する。ALK― 1はⅠ型 TGFβ 受容体ファミリーに属し,血管内皮 細胞に高レベルに発現し,TGFβ1 と結合するとい われてきたが,最近では同じ TGFβ ファミリーで

ある BMP(bone morphogenetic protein)―9 の受容

体と考えられるようになった16)。リガンドに対する

内皮細胞上の受容体を形成し,初期血管を動脈と静 脈に分化する過程で重要な働きを有する ALK―1 が 活性化すると内皮細胞は基底膜を形成し,静止期に 入る。

endoglinあるいは ALK―1 の機能障害は ALK―1 に よる ALK―5 系の抑制を除去することにより,ALK― 5シグナル優位な状態となり,内皮細胞,平滑筋細 胞の分化増殖に影響を及ぼし,血管病変が発生する ものと推測される。HHT では今までに endoglin 遺 伝子に 328 の変異が,ALK―1 遺伝子に 271 の変異 が報告されている(HHT Mutation Database http: //hhtmutation.org/ 2008.9 現在)。 それぞれの 受 容 体 の 異 常 が ど の よ う な 機 序 で HHTの発症に至るかについては詳細な解析はまだ 成されていないが,おそらく正常型分子の量的不足 によるハプロ不全(片方の遺伝子の発現異常)とそ れに伴う機能蛋白の低下で血管異常が惹起されるも 表 1 オスラー病の原因候補遺伝子 型 部位名称 染色体 遺伝子

Ⅰ OWR1 9q33―34.1 endoglin(type III TGFβ 受容体) Ⅱ OWR2 12q11―14 ALK1(type I TGFβ 受容体) Ⅲ 5q31.3―32

Ⅳ 7p14

HHT+juvenile polyposis coli 18q21.1 MADH4 or SMAD4 HHT II+primary pulmonary 2q33 BMPR II

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のとみなされている。 3. 頻 本疾患は欧米においては少ないものの稀ではな く,我が国ではきわめて稀とみなされてきた。出現 頻度は長らく 10 万人に 1∼2 人とされてきたが,近 年の疫学調査によると 1 万人に 1∼2 人であり,そ う稀なものではなく,人種差や地域差もそれほどな いことがわかってきた17∼19)(表 2)。我が国でも秋 田県でのデータが示されており,5∼8 千人に 1 人 となっている20)。発症形態(表現型 phenotype)は, 同じ家族でも,患者毎に異なる。 4. 病理所見 病理組織学的には,毛細血管拡張,細静脈の拡 張,小動脈筋層の不完全発育,細静脈内皮細胞菲薄 化,リ ン パ 球 血 管 周 囲 浸 潤 な ど が 指 摘 さ れ て い る21)。Braverman21)(1990)は皮膚における病変の進 行仮説を提出した(図 1)。これによればまず細静 脈の拡張が起こり,血管周囲へのリンパ球浸潤を伴 う。次に,細静脈とその分枝が著しく拡張し,延長 しとぐろを巻いてくる。それに連続する細動脈も拡 張し,毛細管は消失し,動静脈奇形が作られる。血 管周囲のリンパ球浸潤は存続する。血管壁の弾性繊 維が疎になるが,基底膜,平滑筋,内皮は正常のま まである。この仮説は広く受け入れられてきている が,まだ実際に証明されてはいない。 血管奇形として細血管拡張,動静脈奇形(arte-riovenous malformation:AVM),動 脈 瘤 の 3 つ の 型を取る。このうち,AVM はさらに,動静脈瘻(ar-teriovenous fistula:AVF=fistulous type AVM),小 さ な nidus type の 動 静 脈 奇 形(small nidus type AVM),非常に小さな動静脈奇形(micro AVM)の

3タイプに分かれる。

5. 病変部位

耳鼻咽喉科医にとっては本症が難治な鼻出血の原 表 2 オスラー病患者の罹患頻度

1/1331 Antilles, Holland (Westermann et al, 2003)

1/2351 French Department of Ain (Plauchu & Bideau 1984) 1/3375 French Department of Ain (Bideau et al, 1989) 1/2300 Jura Valley, France (Bideau et al, 1992) 1/5062 Jura Valley, France (Bideau et al, 1989) 1/4287 Deux―Sèvres,France (Bideau et al, 1989) 1/3500 Island of Funen,Denmark (Vase & Grove, 1986) 1/5155 Leeward Islands (Jessurun et al, 1993)

1/5000―8000 秋田 (Dakeishi et al, 2002)

1/6400 County of Fyn, Denmark (Kjeldsen et al, 1999) 1/16,500 Vermont,US (Guttmacher et al, 1994)

1/39,216 Northern England (Porteus et al, 1992)

図 1 オスラー病における血管異形成の進行 a:正常血管構造

b:毛細血管網の減少,血管拡張 c:渦巻き状の動静脈シャント形成

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因として認識されるだけだが,実は全身の血管の病 変であり,予後を規定するのは脳や肺の AVM であ る。これらを含めた全身病変の出現頻度を表 3 に示 す。 血管壁異常のため微細な刺激で出血が起こりやす く,止血機序も働きにくいため,鼻出血が頻回に起 こり,重症化する。刺激の加わりやすい鼻腔前方粘 膜,特にキーゼルバッハ部位が最も多い出血部位で あり,次いで下鼻甲介前端となる22)。Mahoney & Shapshay23)は 鼻 の 血 管 病 変 を 肉 眼 所 見 か ら 分 類 し,孤立性点状血管拡張を 1 型,びまん性連結血管 を 2 型,孤立性動静脈奇形を 3 型とし,1 型が 52.5 %,2 型が 35%,3 型が 12.5% を占めることを示し た。筆者の経験からはこれらの病変は一患者におい ても混在するので,最も目立つ部位,あるいは出血 頻度の多い部位の病変で分類するのが妥当かと思わ れる。またこれ以外に連結型動静脈奇形らしい例も みられるので新たに 4 型として追加し,具体例を図 示する(図 2)。 口腔の血管拡張の形態としては分枝状と丘疹状が あり,前者は口蓋で,後者は口唇でみられやすい (図 3)。口腔の血管拡張の出現率は 58∼79% で24) 鼻腔と比べやや遅れ,20∼30 歳を過ぎてから明ら かになることが多い。程度はさまざまであり,加齢 に伴い増加,増大する。部位は舌,口蓋,口唇,頬 粘膜の順に多いが,どの部位でも起こりうる。 消化管病変は胃に最も多く(89%),十二指腸(60 %),食道(16%),大腸の順になる。血管拡張病変 は小さく扁平であり,多発性に存在する。周囲には 白色のハローがみられることもある。その形態は大 結節病変,扁平蜘蛛状病変(口腔病変や皮膚病変類 似),針状紫紅病変に分類される。経時変化はあま り報告されていないが,発赤斑から融合して地図状 発赤斑となり,やがて隆起病変となった報告があ る。出血の発現は 50 歳以上になってからが多く, 加齢とともに増悪する。出血は吐血・下血の形をと りにくく,常時少量出血する。 皮膚病変は,顔面では頬部,鼻唇溝,鼻翼に多 く,耳介にもみられる。体幹,四肢,手,指,爪甲 下などにも認められる。初期には点状,線状あるい は網状の毛細血管拡張であるが,次第に隆起し丘疹 状となり,紫紅色の血管腫様になる。非拍動性で圧 迫により色が消褪する。 オスラー病患者の 50% に,肺,脳,肝臓の少な くとも一つに病変があるとされる。 肺では病変は AVM であるが,本疾患患者の約 30 %に認められ,逆に肺の動静脈瘻があれば,その 80∼90% がオスラー病と考えられている。White ら25)は血管構造が単純な simple type(80∼90%) と 2 つ 以 上 の 動 脈 が AVM に 注 ぐ complex type (10∼20%)に分けた。肺の下葉に病変があること が多い。多発例が 30% にみられる。 脳の血管奇形は,HHT 患者の 10∼20% に認めら れ,多発性で皮質中心に病変があり,動静脈瘻と, nidusと呼ばれる異常血管構造が介在するタイプに 分かれる。後者の場合,大きさが 1cm 以下のもの を micro AVM と呼び,出血する可能性は少なく, また MR 検査で検出できない場合もある。逆に 1cm 以上の病変(nidus type AVM)は,出血する可能 性が高く,MR 検査で必ず検出可能である。病変の 割 合 は AVF が 30%,micro AVM が 40%,nidus type AVMが 30% という26)。肺病変と同じく,ある 表 3 鼻出血以外の症状発現頻度 臓器 病変 頻度 症状 診断法 皮膚 毛細管拡張 50―80% 出血 視診 口腔 毛細管拡張 58―79 出血 視診 肺 AVM 15―30 チアノーゼ,脳膿瘍 動脈血ガス,POM 脳梗塞,片頭痛 超音波検査,CT 肝 AVM 8―31 CT,血管造影 消化管 AVM,毛細管拡張 11―44 出血 内視鏡 脳 AVM,AVF 5―22 頭痛,くも膜下出血 MRI,MRA 脊髄 AVM 1 MRI,MRA

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時点で脳病変がなければ,新たたな出現はないと考 えられている。 6. 表現型と遺伝子異常の関係 肺 AVM の発現率は HHT の 1 型では 30∼75% で あるのに,2 型では 0∼48% と差がある27∼30)。また 遺伝子変異のタイプではミスセンスで 42% なのに ナンセンスでは 5% と明らかに肺 AVM の率に違い がある。脳血管奇形は 1 型で 2∼20%,2 型で 0∼4 %に出現する。型別の症状出現頻度の差を表 4 に示 す。 一般に 1 型では肺 AVM や脳 AVM の発現率が高 く,症状発現が早い。2 型は浸透率が低く,軽症 で,発症も遅いが肝 AVM の発症率が高い。また地 理的には北米,北欧,わが国では 1 型が多く,地中 海諸国では 2 型が多いという。 7. 症 1) 鼻出血 初発症状が鼻出血であるものが 80% であり,平 均発症年齢は 12 歳であるが,筆者の経験ではわが 国ではやや遅い傾向にある。反復性鼻出血が 96% にみられ,20 歳以前からの鼻出血は半数以上であ る。平均出血頻度は月に 18 回で,平均出血時間が 7.5分という31)。入院や輸血を必要としない程度の 軽症例が多いが,それらの必要例は 1/3 といわれ る。情動ストレス,前屈み,運動,飲酒などが鼻出 血の誘因となる32)。小児期の症例は内臓病変や皮膚 病変がみられないため診断基準を満たさない場合が 多いが,親がオスラー病の場合,50% の率で発症 するだけにきちんとチェックすべきである。小児期 での鼻出血は成人に比べはるかに軽症である。加齢 とともに頻度も程度も悪化する。 2) 消化管出血 通常は無症状であるが,消化管からは常時少量出 血するので,全身倦怠が出て,検査で高度の慢性貧 血がみつかることがある。ときに吐血や下血もあ る。 3) 内臓の血管奇形 肺 AVM では症状のないこともあるが,右左シャ ントにより著しい低酸素血症が起こり,その結果, 全身倦怠,呼吸困難,チアノーゼ,喀血,血胸など が起こりうる。肺血流量の 25% 以下のシャント流 量なら症状の出るのは半数という。肺高血圧症や多 血症もみられる。初発症状は通常,脳虚血発作や脳 膿瘍症状であり,20∼30 代で症状が出現すること が多い。未治療例の致死率は 4∼22% であるが,重 症例では 40% にのぼるという33) 肝 の 動 静 脈 奇 形 は CT で み る と 74% に み つ か る34)が,無症状の場合が多い。肝動脈―肝静脈間の AVMでは右左シャントが生じ,疲労,呼吸苦,心 不全が起こる。肝静脈―門脈間 AVM で は 肝 性 脳 症,消化管出血が,肝動脈―門脈間 AVM では門脈 圧亢進,食道静脈瘤が起こる。 脳症状として重要なのは,脳出血と脳梗塞であ り,前者は脳動静脈奇形が原因で起こり,後者は肺 表 4 遺伝子型と表現型との差異 型 HHT1 HHT2 その他 例数 39 16 18 初発年齢(y) 13.3 21.5 21.6 年齢(y) 52.6 57.2 男女 18/21 12/4 4/14 Grade 3鼻出血(%) 40.5 25.0 44.4 肺 AVM(%) 46.1 12.5 1.1 脳 AVM(%) 2.0 4.3 0 消化管出血(%) 56.4 18.8 16.6 (Kjeldsen et al, 2005) 型 HHT1 HHT2 その他 例数 380 128 76 年齢(y) 48.4 51.2 53.7 男女 161/219 53/75 28/48 肺 AVM(%) 48.7 5.3 45.0 脳 AVM(%) 14.6 1.3 9.5 肝 AVM(%) 7.6 40.6 21.2 消化管出血(%) 71.8 65.5 68.8 (Letteboer TG et al, 2006) 型 HHT1 HHT2 例数 93 250 鼻出血(%) 96.8 89.2 肺 AVM(%) 54.0 12.8 脳 AVM(%) 9.1 4.0 肝 AVM(%) 43.5 57.6 (Lesca et al, 2007)

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AVMからの塞栓症のために起こる。また,脳膿瘍 も後者で起こることがある。脳の血管奇形からは脳 虚血,けいれんも起こり,頭痛も多い症状である。 8. 診断基準 Cura ao criteria35) (HHT 国際財団科学部門が 1998 年に作成したもの)が診断基準に採用されている (表 5)。4 項目中 3 項目以上の該当で確定診断にな る。2 項目だと疑いとなる。 9. 診断法,病状評価 肺 AVM のスクリーニング診断としては,超音波 検査でシャントの存在を確認したり,CT 検査で直 接病変を検出したりする。CT 撮影の際,肺は周囲 に空気がありコントラストが大きいため造影剤は不 要である。脳や脊髄病変に対しては MR 検査を行 う。肝 AVM の 同 定 に は CT や 超 音 波 が 用 い ら れ る。 消化管出血の原因になる血管病変には突出や陥没 がないため,バリウム検査では検出困難であり,内 視鏡検査をしなければ発見できない。その上,内視 鏡検査を行っても本疾患を念頭に置かないと無視さ れることもあり,要注意である。 鼻出血の重症度については Rebeiz らをはじめと して従来 4 つの案36∼39)が提出されていたが,最近

Al―Dean & Bachmann―Harildstad40)がオスラー病に 関する論文を近頃出している医師 22 名(筆者も含 め)にアンケート調査を行い,その成果をもとに新 たな評価尺度を提案している。癌における TNM 分 類にならい,出血の程度(I:intensity),出血頻度 (F:frequency),輸 血(T:transfusion)の 各 項 目 をスコア化して,たとえば I5F3T1のように表現する ものである(表 6)。多項目評価であるので,単純 に重症,軽症というようには分類できないハンディ はあるが,今後の臨床研究の際に有用である。既述 した鼻血管病変の分類と出血の重症度の関係につい てこの分類を提唱した Mahoney & Shapshay41)が調 べている(表 7)(ただしここでの重症度は Rebeiz らのもの36)を採用)が,1 型に軽症例が多く,2 型 に重症例が多い傾向はあるが,さまざまであった。 10. 治療方針 1) 鼻出血治療 鼻出血は何らかの刺激により,血管壁とそれを包 む結合組織,粘膜表面が傷害されて血液が血管外に 噴出することにより生じる。本疾患においては血管 壁の脆弱性が基盤にあり,そこに刺激が加わること が原因となるので,出血防止法としては,①血管そ のものを改良する,②血管周囲の結合組織を丈夫に する,③粘膜,血管への刺激を減らす,④出血して もすぐ止血できるようにする,といった手段が考え られる。 従来さまざまな治療法が提案されてきたが,それ は侵襲が少なくて決定的な効果を有するものがない 状況を反映したものである。従来の治療法に,今後 考えられる方法も加えた上で,出血防止法との関係 でまとめてみると表 8 のようになる。遺伝子治療が 可能になり,血管が正常化するのが最も理想的であ るので,その進歩を待つ必要があるが,当面はこれ 表 5 オスラー病の診断基準 Cura ao criteria 鼻出血(自発性,再発性) 多発性末梢血管拡張(口唇,咽頭,指,鼻など) 内臓病変(消化管の血管拡張,肺,肝,脳,脊髄の AVM) 家族歴(1 親等に存在) 3つ揃えば確定 2つでは疑い 表 6 鼻出血評価尺度 出血程度(I) 出血頻度(F) 輸血(T) 0 なし 0 なし 0 なし 1 ハンカチに少し染みる 1 1―5 回 1 1回 2 ハンカチがグショグショ 2 6―10 回 2 2回以上 3 タオルがグショグショ 3 11―29 回 4 ボウルが必要 4 毎日 (最近 4 週間での評価)

(Al―Dean & Bachmann―Harildstad, 2008)

表 7 鼻の血管病変と鼻出血重症度(%) Type 軽症 中等症 重症 1 孤立性点状血管拡張 48 33 19 2 びまん性連結血管 14 50 36 3 孤立性動静脈奇形 20 60 20

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らの治療法をどう組み合わせていくかが焦点となろ う。従来の報告を総合すると,輸血が頻回に必要な 重症例には外鼻孔閉鎖術が適応となり,中等症では 鼻粘膜皮膚置換術,軽症例ではレーザーなどによる 焼灼や外鼻孔への軟膏塗布で対応しながら,ホルモ ン療法などの保存処置を加えていくということにな ろう。 (1)保存療法 ホルモン療法は HHT を全身疾患と捉える以上, 治療の基本と考えるべきである。エストロゲンは線 毛円柱上皮を扁平上皮に変える作用を有する。これ により血管周囲のカバーが強固になり,受傷しにく くなると考えられている42)。本疾患の患者 12 名に 軟膏で鼻内に塗布してもらい,長期観察を行ったと ころ,上記仮説がヒトでも証明された43)。塗布を止 めると上皮の変化は回復している。二重盲験で行っ た比較試験は 1 報告44)しかないが,それによると有 用性はみいだされていない。最近の報告はエストロ ゲン−プロゲストロン併用がほとんどで,それによ れば高い有効性が報告されている45)。しかし,心筋 梗塞,血栓症,(男性なら)女性化をはじめとする 副作用があり,使い方に工夫がいる。ホルモン療法 を受ける患者は必ず内科的,(女性なら)婦人科的 チェックを定期的に受けるべきである。副作用軽減 のために軟膏による局所使用も試みられている44) 逆に抗エストロゲン薬であるタモキシフェンが有効 であるというデータが出てきた。最初は乳癌治療中 に出血が減少したことからの症例報告46)であった が,プラセボとの対照試験で血管拡張の程度が減弱 したり,輸血の必要性がなくなったりといった有効 性が示されている46)。ここでは卵巣嚢腫の出現の副 作用が 1 例みられたが,副作用の発現の検証が今後 進めば一つの有用な手段になる可能性がある。 トラネキサム酸内服あるいは局所使用が有効であ るとする報告が最近海外で,特に地中海諸国から増 加している47∼49)。Fernandez―L ら49)はトラネキサム 酸が血管内皮細胞の ALK―1 と endoglin の発現を刺 激し,同時に ALK―1/endoglin 回路の活性を高め, 内皮細胞機能を改善することを in vitro で証明して いる。当初は高用量内服であったが,1 日 1∼2g と 通常用量でもよい結果が出ており,副作用もみられ ない点がよい。 (2)焼灼療法 電気凝固は一般にはかなり行われているものの, 効果はほとんどなく,鼻中隔穿孔を作るので薦めら れる治療法でないことはほぼ通念になっている。レ ーザー,超音波メス(ハーモニックⓇ・スカルペル), アルゴン・プラズマ凝固装置などによる焼灼療法は 比較的手軽にできる上に,合併症がほとんどないの で一般に使用されている。わが国での症例報告では その治療にレーザーを用いているものが最も多い。 残念ながら重症例には効果は低く,軽症から一部の 中等症に限って使用すべきである41)。Mahoney & Shapshay41)は既に述べたように鼻の血管病変を 3 群に分類し,治療効果との関係を調べているが, Nd:YAG レーザーの有効度は 1 型で極めて高く, 6ヵ月以上制御できるが,2 型ではほとんど無効で あり,3 型では一旦は著効を示すものの,最終的に は鼻粘膜皮膚置換術が必要になったと述べている。 焼灼部分は瘢痕化するが,それ以外の部分からまた 血管拡張が著明となってくるので永続性はないが, 操作が容易なので,数ヵ月毎に反復するのがよい。 表 8 オスラー病の治療法の分類 ① 血管そのものを改良する 遺伝子治療,トラネキサム酸(?) ② 病的血管を破壊する レーザー,アルゴンプラズマ凝固,超音波メス,電気凝固 ③ 血流を低下させる 動脈結紮,選択的動脈塞栓,鼻腔内パック ④ 血管周囲の結合組織を丈夫にする ホルモン療法,鼻粘膜皮膚置換術 ⑤ 血管への刺激をなくする,あるいは最小限にする 外鼻孔閉鎖術,軟膏塗布,鼻粘膜皮膚置換術 ⑥ 出血してもすぐ止血できるようにする トラネキサム酸

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皮膚置換術を行った例の置換皮膚周囲の血管拡張に 用いることもできる。問題点は反復することによる 軟骨への影響である。この点アルゴン・プラズマ凝 固(図 4)は深部到達距離が 1∼2mm と浅く,安心 である41)。レーザーや超音波メスなども電気凝固に 比べれば鼻中隔穿孔を起こす危険は低い。レーザー の中でも進達度の最も大きい Nd:YAG レーザーで も鼻中隔穿孔率は 1%23)というが,現実にはレーザ ー治療の反復で鼻中隔穿孔を起こした症例が筆者の ところによく紹介される。ついつい,焼きすぎてし まうのだろう。最近市場から撤退はしてしまった が,KTP レーザーで低出力 defocus に行うのが最 も安全である。 (3)血管塞栓・結紮 血管塞栓術は大量出血時にこれで止めたという報 告もあり,短期的効果はあるようである。しかし, 長期的に制御し得なくなって紹介されてくる例が多 い。こうした例ではかえって他の血管の拡張を招く ので,手術時に出血が多くなる傾向があった。同様 に栄養血管の太い部分での結紮療法もかつては試み られたが,現在ではその価値は否定されている。 (4)鼻粘膜皮膚置換術 鼻粘膜皮膚置換術は鼻腔前半部の粘膜を移植皮膚 で置換する方法で,血管を厚い皮膚で保護するため 病的血管が刺激を受けにくくなることにより出血を 防止する。鼻腔全部を置換するわけではないので, 出血は完全に停止することはないが,出血部位の多 くを占める前方部分が置換されるので,出血頻度は 激減する。長期的にみれば再び出血頻度は少しずつ 多くなってくるものの,少なくとも一定期間は出血 の恐怖から逃れられる点で施行価値のある手術であ る50,51) 鼻粘膜皮膚置換術の概略とコツを示す。 A. 粘膜切除 局所麻酔でも可能であるが,筆者は全身麻酔下に 行っている。アドレナリン 40 万倍希釈液を浸潤さ せた後,コロラドニードルⓇを用い,鼻翼から鼻腔 底にまわりこむ皮膚切開を置く。本器を用いると出 血が少なくてすむ。眼角動脈は結紮切断を要する。 鼻翼を外上方翻転すると良好な鼻腔内の視野を得 る。両側を同時に行うときはこれを両側で置いても よいし,歯齦部切開で facial degloving 法で外鼻錐 体を上方に翻転させて視野を得てもよい。筆者は 2000年以来一度に両側を行うようにしている。当 初は両側の鼻翼部切開部に瘢痕ができることを懸念 して,degloving 法を数例に用いたが,後に鼻翼切 開の瘢痕はほとんど目立たないことが判明したので 両側鼻翼切開としている。最近では本手技を内視鏡 下に行い,鼻翼切開を置くことを回避しようという 試みもある52)が,筆者の症例はほとんどが重症例で あるので,術中出血が多いものには適用できないだ ろうと考え,試してはいない。 鼻中隔の皮膚粘膜移行部に切開を置き,そこから 剥離子あるいはメスを用いて粘膜剥離を開始する。 剥離の層は鼻中隔矯正術で行う軟骨膜下剥離ではな く,粘膜・軟骨膜間で剥離することにより,鼻中隔 穿孔の発生を防止する。剥離範囲の後方限界は中鼻 甲介前端相当部とする。剥離の難しい例では鋭匙で 粘膜表面を掻爬するのみでもよい。近年マイクロデ ブリッダーを用いた手術法も報告されており,限ら れた症例ながら有用性が報告されている53)ので,こ れで粘膜掻爬することを試みてはみたが,剥離より 優れているという感触はなかった。下方鼻中隔骨部 と鼻腔底においては骨膜粘膜間を剥離するのは困難 であり,ここでは鋭匙による掻爬とする。さらに下 鼻甲介前部粘膜を下甲介剪刀で広範囲に切除する。 術中の出血に対してはエピネフリンが通常例のよう には有効ではないので,カルトスタットを頻用して いる。かなりの出血でもこれを用いて圧迫すると止 血可能である。これを用いる前に 1,000ml も出血し た例があったが,これを用いるようになって,鼻周 囲の皮膚血管拡張の強いような症例でも 300ml 以 下で済んでいる。度重なる焼灼のために鼻中隔穿孔 を起こしている例では,穿孔が小さいときは両側同 時に行っても構わないが,ある程度大きい場合には 移植皮膚が低栄養のために脱落することがあるの で,片側ずつ行う方がよい。 B. 皮膚置換 移植皮膚は通常大腿前部から中間層採取する。粘 膜欠損部を覆うためには片側で 6×3.5cm 程度の大 きさが必要である。これを先の操作で露出した鼻中 隔軟骨膜上にかぶせ,鼻腔底,下鼻甲介の方に伸ば し広げる。鼻中隔側の植皮については,以前は最上 部の粘膜を残して,そこで移植皮膚と縫合していた が,この残存部粘膜が術後に起こる出血の最も多い 部位であった。そこで,これを防止するために最近 では植皮片を鼻弁部で折り返し,鼻堤部の皮膚と縫 合するようにしている。鼻弁狭窄による鼻閉の招来

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を懸念したものの,問題は起こっていないのでこの 方式を続ける予定である。鼻堤,鼻中隔,鼻底,下 鼻甲介とほぼ全周性にかぶせた皮膚の前方で鼻前庭 皮膚と縫合する(図 5)。後方での縫合は困難であ り,フィブリン糊で固定する。 移植する皮膚の厚さについては,中間層皮膚弁が よいとされる。しかし,中間層植皮の厚さも報告に より様々である。本法の考案者の Saunders の文献 においても,厚さは報告の度に異なっており,初期 の 0.02∼0.025 インチ54)から 0.0255),0.018∼0.0256) さらに後期の 0.014 インチ57)と次第に薄くなってい る。皮膚が厚ければ出血は起こりにくくなるが,鼻 腔断面積が減少するために鼻閉が起こる。最近では 平均的中間層である 0.015 インチを採用している。 移植皮膚の固定は種々試したが,最近では皮膚上 に 1 枚の折り返したベスキチン膜を置き,その中の 空間にメローセルを詰めて圧迫する方法をとってい る。1 週間ほど留置しておく。手術時間は数例見学 すれば両側行って 2∼3 時間で施行できるようにな る。 C. 術後処理 術後,皮膚には自浄作用がなく,痂皮が付着する ので定期的に清掃する必要がある。皮膚部操作では 出血は起こらないが,後方の粘膜部にまで付着した 場合,粗暴な操作をすると出血するので注意した い。数ヵ月を過ぎれば患者自身で入口部の痂皮の除 去はできるようになる。術前後の鼻腔前部の差異(図 6)と,術後の植皮部と後方の粘膜との移行部の状 態(図 7)を示す。 術後比較的早期に起こる出血原因としては,①置 換していない鼻腔後半からの出血,②前上方粘膜を 縫しろ用に残した場合はその部の粘膜からの出血 (図 8),③移植皮膚が生着しないで脱落し,その露 出部からの出血,がある。また,経過が長くなる と,これらに加えて,④一旦生着した移植皮膚が縮 小し,一度は覆われたものの再露出した粘膜面から の出血,⑤深部の血管が再生し,移植した皮膚表面 に達し,そこからの出血がありうる。 筆者の 30 例の経験からは,鼻粘膜皮膚置換術は 出血頻度の多い例でかなりの長期的制御が可能であ ると結論された。 ただし,①術中出血の多い例,②鼻周囲皮膚血管 拡張の著しい例,では,鼻粘膜皮膚置換術のみでは 対処できない例もあった。こうした重症例では外鼻 孔閉鎖術58∼60)が適応となる。 (5)外鼻孔閉鎖術 本法は外鼻孔を閉鎖することにより空気通過によ る刺激をなくして,出血を惹起させる要素を最小限 にすることによって出血から解放されることを願う 手術である。本手術により気流が停止すると出血は 起こらなくなるので,気流刺激も出血の要因となっ ていることが推測される。しかし,鼻腔を閉鎖する ことは鼻の機能を消失させることにもなるので,安 易に行われるべき手術ではない。出血の恐怖,貧血 による行動制限など患者の QOL を落としている状 況を改善することと,鼻機能の低下による損失とを 総合的に判定し,患者がそれを希望する場合に施行 する。 手術の実際を記す。 鼻前庭に全周性に切開を加える。コロラドニード ルⓇを用いると出血は抑えられる。その切開線から 前方,および後方に剥離を進め,それぞれ遊離縁を 縫合していく。後ろでは水平方向に直線になるよう に吸収糸 4―0 で 6 針位縫合し,前方ではこれと垂直 になるように 6 針位縫合する。軟骨の復元力が強い のでさらに外側から大鼻翼軟骨外側脚に針をかけ, 鼻唇溝脇の皮膚と縫縮し鼻前庭縫合部を減張する。 この際は 3―0 ナイロン糸を用いる。場合により両大 鼻翼軟骨外側脚と鼻中隔と貫通する縫合をして減張 させる。この軟骨を貫く縫縮で術後に軟骨の反発力 のために糸が皮下にまで食い込むこともあるので, 皮膚に当たる部分にはシリコン板などを敷いておく とよい。ただしあまり厚い材料を用いたり,5 日以 上置いたりすると同部皮膚が壊死を起こすことがあ るので注意したい。 本法で対応しないと出血コントロールが大変なた めに本法を薦めても,それに同意されない患者も存 在する。しかし,術前後の QOL 評価で改善のみら れたのは,レーザー,鼻粘膜皮膚置換,外鼻孔閉鎖 のうち外鼻孔閉鎖のみで あ っ た と い う 報 告 が あ る61)。もし術後に出血した場合にどう止血するかが 心配になるが,完全閉鎖できると術後には出血が皆 無になるので杞憂であることが多い。中には術後に わずかな隙間が生じてしまう例もあるが,外鼻を形 成する軟骨の復元力が強いせいで,その場合は再手 術で対応する。また,筆者は哆開防止に先のように 減張縫合を加えている(図 9)。哆開した例につい ては出血があったが,多量ではなく,自然停止して

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b)2 型:びまん性連結血管 a)1 型:孤立性 点状血管拡張 d)4 型:連 結 型動静 脈 奇 形 c)3 型:孤立性動静脈奇形 図 2 鼻粘膜血管病変の分類 a)口蓋と舌の血管拡張 b)舌と口唇の血管拡張 図 3 口腔粘膜での血管拡張像 口蓋では分枝状を,口唇では丘疹状をとりやすい。舌では両型ともみられる 図 5 植皮片の鼻腔内挿入と縫合 鼻翼を翻転し,移植皮膚を鼻腔内に挿入し,前方を縫 合している 図 4 アルゴンプラズマ凝固

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a)術前 b)術後 1 ヵ月 図 6 術前後の比較 32歳女性症例 図 7 移植皮膚と粘膜の移行部 71歳男性術後 3 年(74 歳時) 矢印が境界部 a)43 歳男性術後 7 年(50 歳時) b)68 歳男性術後 7 年(75 歳時) 図 8 縫い代様残存粘膜の血管拡張 いずれも鼻中隔前方最上部に血管拡張像あり そこから時々出血 a)58 歳男性 術後 4 ヵ月 b)59 歳女性 術後 1 ヵ月 図 9 外鼻孔閉鎖術後の外鼻 減張縫合した鼻翼皮膚に炎症残存

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いる。またわずかな隙間であるなら,再手術を行わ ずにステリストリップで外鼻孔を塞ぐように貼って おくだけでも有効である。筆者の症例で外鼻孔閉鎖 術を行ったのは 8 例になるが,1 例の鬱病合併者で 口呼吸に対して一時的に精神的問題が出たものの, この症例を含め全例が,手術施行に満足している。 2) 全身の他部位の治療 脳の AVM の治療方法には,外科的摘出術,血管 内治療,定位放射線治療がある。HHT の患者では 多発例も多く,この場合には,すべて外科的に切除 することは非現実的であるし,micro AVM の場合 は出血率が低いと考えられており,注意深い経過観 察がされることが多い。肺 AVM では栄養血管の太 さが 3mm 以上あると治療適応があるとされてい る62)。以前は外科的治療も行われていたが,現在は 血管内治療が行われている。栄養血管の太さが 10 mm以上ある大きな AVF の場合には,コイルの逸 脱などの合併症の可能性が高くなるため,外科的治 療が選択されることもあり,最近は内視鏡下で低侵 襲手術が行われる。肺 AVM があれば,歯の治療, 外傷,外科治療を行う場合に抗菌薬の投与を必要と する。また,点滴を行うときには,空気塞栓症を起 こす可能性があるので空気が入らないように細心の 注意が必要である。 11. 予 HHTの 10% の 患 者 が,AVF・AVM の た め に, 脳出血・脳梗塞や脳膿瘍を起こし,若年で死亡した り,大きな障害を持ったりすることになる63)。症状 出現前に診断されると,病変によっては予防的治療 が可能になるので,予防可能な病変の検出が可能で あることを,医師はきちんと説明すべきである。

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Summary

ISSUES OFEPISTAXES INCASES OF

HEREDITARYHEMORRHAGICTELANGIECTASIA

Keiichi Ichimura, MD

Department of Otolaryngology―Head and Neck Surgery,

Jichi Medical University School of Medicine

Hereditary hemorrhagic telangiectasia(HHT)is an autosomal dominant inherited disorder affecting blood vessels of the skin, mucous membrane and viscera. Epidemiologic studies have revealed a wide range of in-cidences, with agreement in Europe and Japan at rates

between 1:5000 and 1:8000. Mutations in at least five genes can cause HHT, with the two major disease genes on chromosome 9(endoglin)and chromosome 12(ALK―1)responsible for HHT.

HHT patients vary greatly in course and severity of epistaxes. Most patients have self―limiting nasal bleed-ing and do not require hospitalization, but about one― third have severe hemorrhage necessitating admission and treatment. Clinical diagnosis of HHT is made ac-cording to the four Cura ao criteria.

A variety of treatment strategies have been employed. These include LASER coagulation, hormonal therapy, embolization, nasal dermoplasty(ND)and nostril clo-sure. It is difficult to make specific treatment recom-mendations for a disease that may have a wide spec-trum of clinical manifestations including minimal to life― threatening degrees of epistaxis. The LASER has been used as first line therapy or as additional therapy after more conventional therapies have failed. Our study demonstrated ND to be an effective procedure for HHT patients with moderate or severe nasal bleeding. The nasal mucosa of the anterior part of the septum, nasal floor and the lateral wall are removed. A split skin graft is usually used to cover the denuded area. ND can of-fer patients reduced frequency of bleeding. In severe and intractable cases, modified Young’s procedure (nos-tril closure)has been shown to be most effective.

Key words:hereditary hemorrhagic telangiectasia,

epistaxis, nasal dermoplasty, nostril closure, LASER coagulation

図 1 オスラー病における血管異形成の進行 a:正常血管構造
表 7 鼻の血管病変と鼻出血重症度(%)

参照

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