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泥水加圧切 羽の安定 に関 す る実験 的研 究

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U.D.C, 624.131.5.001.57:624.191.3

泥水加圧切 羽の安定 に関 す る実験 的研 究

西松建 設綾織 VOL.2

斉 藤 顕 次 *

要 約

粘土泥水による砂地鮭の切羽の静的安定について,二次元模J宅i‑3シール ド切羽装置を用いて,模型実 験を行った。その結果,粘土泥水では,泥水の圧力よりも泥水の濃度か,砂地盤の切羽の安定にとっ て,重要な要素であることが明らかになった,

目 次

§

1.は じめ に

§

2.実験装 置

§

3.実験材料

§

4.実験方法

§

5.実験結果 及び検討

§

6.ま とめ

§

7.溢 わ t)に

§ 1 .は じめに

泥 水加 圧 シー ル ドにおいて,粘土泥水に よる砂 地盤 の 切 羽 の安 定 は,地 山に泥水が浸透す るこ とに よる浸透 壁 の形成 と,泥水圧 に よってはか られ る と考 えて い る。

実 際の シ‑ ル ド切 羽 は,連続切 削 に よ り,つ ぎつ ぎと 新 しい切 羽が現 われ る動 的 な状態 であ るが,本報文 は, 切 羽 の静 的 な状 態 において,砂地盤 の切 羽の安 定 に対す る粘 土泥水の作用 を,二次元模 型 シー ル ド切 羽装 置に よ って調べ,上記 の考 え方 につ いて検討 を行 な った もの で あ る。

*技術研究所係長 図‑ 1 実験装 置

(2)

西松建設 技報 VOL.2

§ 2 .実験装置

実験装置は,図‑ 1に示す よ うに,模型地盤槽 ・泥水 加圧槽 及び模型 シール ド部 よ り構成 されている, ア ク ル樹脂製の二次元模型であ るO

模型地盤槽 と模型 シ‑ル ド部前面 との間に, 中央に径 20mmの開孔 を有 し, ス ピン ドルの回転 に よって, この穴 の開閉が で きるようになっているア ク リル樹脂製の長方 形の隔壁板があ る。 この隔壁板 は,‑ ン ドルの回転に よ って後退 し,模 型地盤の切羽 を露 出す るこ とが で きる。

隔壁板 を後退 させ て,泥水加圧槽 に満 たされた泥水に よる,模型 シール ド部切羽の 自立,崩壊 な どの作用 を観 察す るこ とが で きる。

§ 3 .実験材料

3‑ 1 粘土泥水 しがらき

粘土泥水は信楽産粘土 を用 いて作饗 した。信楽産粘土 は土粒子の比重2.61,0,074‑0.005mmの シル ト分44%, 0.005mm以下の粘土分56%,0.001mm以下の コロイ ド分34

%である。

信楽産粘 土 を用 いた泥水の重量濃度n (% ) と単位体 積重量7,(tf/Iが)の関係 を図

‑2

に示すO

10 20 /氷室登濃度 n(㌔ )

‑2

信楽粘土

水の濃度nと単位体積重量 γの関係

3‑ 2 秒地盤

模型砂地盤は,標準砂 を用いて作製 した。標準砂 は土 粒子の比重2.65,10%粒径 (DIO)0.164mmであ る。

標準砂 を用いた模型地盤の乾燥単位体積重 量7,a(tf/m・) と間隙比eの関係 を図

‑3

に示す。

I,∴」.二二

150 155 16()

横 型地盤 乾 燥 単位体 碩重 畳 γd (tf'm )

‑3 標

準砂模型地盤の単位体積重量γ。と間隊比eの関係

§ 4. 実験方法

模型地盤糟 に,所要 の単位体積重量になるように標準 砂 を詰め,下部の浸透 水注入口よ り水 を送 り,飽和状態 の地盤 を作製 した。 この とき,砂層10cmごとに標識用砂 を薄 く散布 し,模 型地盤に水平の縞 目を付けた。標準砂 は, シ‑ル ド底面か ら50cmの所 まで詰め,水位は模型地 盤面上5cmの所 に保 ってお く。標準砂 を詰め る とき,隔 壁板は,所定の位置に設置 し,隔壁板の中央の穴 を閉 じ てお く。

模型地盤作製後

,泥

水加圧糟の水 を排除 しなが ら,所 定濃度の粘土泥水 を,十分 な高 さ (70‑80cm)まで満 し ス ピン ドル を回 して,隔壁板の穴 を開 き,泥水圧 を切羽 に作用 させ てか ら,‑ ン ドル を回 して,隔壁板 を静かに 後退 させ たO

隔壁板 を十分後退 させ たの ち,泥水加圧糟下部 の排水 口を開いて泥水位 を下げ,切羽に作用す る泥水圧 を低下 させ て,切羽 の崩壊状態 を観察 した。泥水位 を下 げ る速 度は毎分1cmであるO

隻5 .実験結果及び検討

5‑ 1 切 羽の安定状態 と崩壊状態

泥水濃度 と泥水位の関係に応 じて,切羽は

図‑4

の安 定状態 と

図‑5

の崩壊状態 を示す。

図‑ 5に示す崩壊砂 の堆積投影面積Sと泥水位Hcの関 係 を,実験に よ り求め ると図‑ 6‑12の ようにな り, 明 らかに

,

SとHcの関係 にこっの聖があるこ とが認め られ る。

(3)

西松礎 設技報VOL.2

∵、 こ 如 ウ ノ 、 J 、 . / A Y t‑ ′ ◆

◆ ′ ■ ● ′

.

′ ●

Hc:水位, Hzt:静水位 Hs:地盤蔑 図‑ 4 切 羽安 定状態

I;/;、要V,/13f:

7

r

Hsi‑40cm

H z t .

7 4

l.I1

10cm

緋 嚢砂堆 積 投 影 面 積S 図

‑5

切 羽 崩壊状態

70605040

(uJu)oH

は十

7]H/

20

.i:I,・

o

00

∴、

70

mC5

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 脚 褒砂旭絹枝軍手面S (cm')

‑6

γd‑1.50tf/mlのHc〜 Sの関係

寒 :犠望板後 退時 の水に n'I定木漫遊濃度

/ ∩ = 2 5 ' ら / n = 8 8 % %

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 嫡ヱ宏砂推考郎xrLZS (cm')

‑7

γd‑1.51tf/m3のHc〜 Sの関係

n'L尼水 盈′梁茂

㊨‑一・‑ ..

0 20 40 60 8O 100 i20 140 160 砂 場根絶 賢さ薗亨承S (仰7)

図‑8

γd‑1.52tf/miのHc

〜S

の関係

1+ ●芦糸望絶 退時の泥水泣

言 、‑

n''転相 恩 遇 筏

o

8O ICO 120 140 160 180 i紗絵絹 投孝義S (cmB)

図19

γd‑1.54tf/m‑のHc〜 Sの関係

(4)

西松建 設 技報 vOL.?

(LOU)0.]gLl

t't.隔望頒後退時のI,覆水位 n.1尼水蕊盤,整序

/n=600

0 20 J40 60 80 100 120140160 180 砂 惟 硝 投 影 面考慮S (∽7)

図‑70 γd‑1.57tf/m〜の

Hc

〜 Sの関係 獲:隔壁板後退時の泥7K位

n'lFc水窓盈濃厚

崩i要砂場精根買主面責承S (cnP)

‑l

l γd‑1.58tf/m‑の

Hc〜S

の関係

㊨:隠望板後退時のI尼水位

n'泥7K重恩I,6度

この二つの型 を模式的に示 した ものが図

‑7 3

であるO

U

\ノ jZI

崩壊推碑面積 S 図

‑1 3 Hc〜S

の関係模式図

国中の

ABE

の行程は,切羽 を押 えている隔壁板の後 追,泥水位 の低下 に よって も切羽は崩壊せ ずに,安定状 態 を維持す ることがで き,泥水位がB点に下が った時点 で,初めて,急激に切 羽が崩壊す ることを意味す るO(図

‑ 4)

また

,ACDE

の行程は,隔壁板 の後退 とともに,切 羽の崩壊か生 じるが,完全後退時には,一応,小康状態 を保 ってお り,泥水位 の低下 に よる切羽の崩壊が あま り 見 られず,泥水位がD点に下が った時点で,急激に切羽 か崩壊す ることを意味 している。(図

‑5)

従 って

,ABE

の行程 をた どる場合 を,切 羽の安定 を はか るこ とのできる場合, ACDEの行程 をた どる場合

㊥ :切 羽の安定状態

0

10 20 30 泥水の重恩濃度 n (%)

図‑14 切羽の安定分類図 (その 1)

(5)

西松建 設技韓 vOL.2

1.0 1.1 1.2 1.3 泥水の単位体積重量 γ(tf/m')

‑1

5 切 羽の安定分類図 (その

2)

を切 羽の安定 をはか るこ とので きない場合 と判定す るo 実験結果 を, この判定基準に基づ いて分類 し,模型地 盤の乾燥単位体積重量γdと泥水の重量濃度nの関係図に 示す と,図‑14の ようにな U,模型地盤の間隊比eと泥 水の単位体積重量 γの関係 図に示す と,図

‑1 5

の ように

なる。

これ らの図に よる と,切 羽の安定 をはか るこ とので き る領域

, そ うでない領城が明 らかに存在す る。

5‑2

切羽の安定状態 におけ る泥水圧 と泥水濃度 図

‑1 3

に示す

B

点の泥水位は,切 羽の安 定状態におけ る量小泥水位Hcminである。 この泥水位 を推定 して,切 羽の安定 を保つ こ とがで きる最小泥水庄 p‑ ‖nを求め るo

B

点の泥水位の推定値 を

図‑1 6‑1 9

に示すO

この敢小泥水位Hcminよ り, 切羽安定時の最小泥 水庄

pぐmnを計算 した ものが表

‑ 1

である。

表‑ 1の計算結果 よ り,

型地盤の間隙比 e,泥水の 単位体積重量 γ及び敢小安定泥水庄比 (鼓小安宝泥水庄

/

静水圧 ) 告 の相互関係 を図示す る・と図

‑2 0

の よ う

n

になるo

000753(20)OHHT

00

705030

(5)U[

∩‑15% Hcmm‑38cm

20 40

6 0 8 0 1 0 0 1 2 0

脚 要砂椎根面碑

S ( c m J )

∩‑25% Hc,nm‑33cm

/

0

20 40 60 80 100 120 楓璃砂推根面棟S(が)

図‑1

6 γd‑1.50tf/m.の安定最小泥水位の推定

0

20 40 60 80 100 120

崩嬢 砂 椎 根 面頒 S(cm)

‑1

7 γd‑1.54tf/miの安 定最小泥水位の推定

705030(U,3)Uーコ

0 20 40 60 80 100 120

崩壊 砂 推 頬 面碩S(cTn')

図‑18 γd‑1.58tf/mrの安定最小泥水位の推定

(6)

西松建 設技報VOL.2

7030(LW)OH

20 40 6O 80 100 120

卿 変砂場根面稚 S (cm')

∩‑30%

Hc ,M =37cm

0 20 40 60 80 100 120 崩増砂椎根面頒S(a,n')

図‑19 γd‑1.60tf/mコの安定最小泥水位の推定 図

‑2 0

に示すA線は,切羽の安定領域境 界におけ る最 小安定泥水庄比 を表す もので,模 型地盤の間隙比が大 き くなるにつれて最小安定泥水圧が,低下す ることを示 し ている。 また,泥水の単位体積重量が大 き くなるにつれ て,最小安定泥水圧比が低下す るこ とも示 している。

切羽の安定領域 におけ る,模 型砂地盤の間隊比の増加

に ともな う最小安定泥水比の低下は,粘土泥水が,砂地 盤に浸透す るこ とに よって生 じるもの と考 えられ る。す なわち,地盤が緩 くなるほ ど泥水の浸透が進み,高濃度 の泥水の浸透 に よ り,低 い泥水圧 で切羽が安定す るこ と を意味 している。

秦‑ 1 最小安定泥水圧 の計算

模型砂地盤γd e 静水圧ptk/cw.) 粘 土 泥 水 γ Hc最小安定泥水庄min(cm)削 、泥水 圧pebn安定/cd)削 、泥水年比pe/mp安定'l:

1 1.5げ0 0.′mt 767 45 15% 1.102 38 41.88 0.93 2 1.50 0,767 45 25 1.182 33 39.01 0.87 3 1.54 0.721 45 10 1.066 40 42.64 0.95 4 1.58 0.677 45 12 1.081 40 43.24 0.96 5 1.60 0.656 45 10 1.066 41 43.71 0.97 6 1.60 0.656 45 30 1.227 37 45.40 1.01

また,安 定領域 において,最小安定泥水庄比が1.0以下, す なわち,静水圧 よ りも低 し、、泥水圧 で,切 羽 を安定す るこ とが で きるのは,切羽が静的状態のため,泥水の浸透が 十分に進むためであるO

‑2 0

B

点は,地盤 の間隊に比較 して,泥水の濃度 が高 く,地盤への浸透が あま り進 まず,切羽の安定 をは か るこ とが で きる最小安定泥水圧が,静水圧 よ りも大 き

くなっているこ とを示 している。

切羽の安定 には,泥水の浸透が, きわめて重要 な要素 であ る。泥水の浸透 と浸透 した泥水の濃度に応 じて,形 成 され る泥水の浸透壁に よ り,切 羽の安定がはか られ る か どうかの判断は図‑14,図‑15の切 羽の安定分類図,

削 、安定 泥票 ㌣

\ ・ o \

‑2

0 γ〜 e〜 ‑の関係 Plぐ

(7)

rltl/IiulLll(紬 vOL.2

又は図

‑2 0

に よって行 な うこ とか で きる。

模型砂地盤 の

状 を表す義 を̀、F

s

'',粘土泥水 中の粘土 含有率 を

" α

'.として,

秦‑ 1

よ り

Fs

,α を求 め る と表 ‑

2の よ うにな る。

=

=

. Fs‑D

ox蕊

DIO:10%径 (cm) e :地盤 の間櫛 比

γ".:水の単位体積重量 (tf/ml) Gs:土粒子 の比重

γ :泥 水の単位体積重量 (tf/mi) P :0.005mm以下 の粘土分 (% ) 表‑ 2 Fs,αの計算

型砂地盤 粘土泥水

DlO(em) e Fs G, P(%)γtf紳 )α(%)

1 0.01640∴767 0.687×10‑4 2.61 56 1.102 8.38 2 0.767 0.687×10ー4 1.182 14.00 3 0.721 0.586×10ー4 1.066 5,63 4 0,677 0.498XlOJ4 1.081 6.79 5 0.656 0.459×10〜4 1.066 5.62 6 0.656 0.459×10‑4 1.277 16,79

‑2

Fs

α

の関係 を図示す る と,図

‑21

の砂地盤 と粘 土泥水の状態 を一般化 した形での,切 羽 の安 定分敢 図 (その3)が得 られ る。

8 10 12 14 16 18 α(%)

0 2 4 6

‑21

切 羽 の安 定分類図 (その

3)

§ 6 .まとめ

本実験 の結果,切 羽 の静的安 定 につ いて,次の事 が 明 らかにな った。

(1) 砂地盤 の切 羽 の安 定 には, 泥水圧 よ りも

,

泥水の浸 透 と浸透す る泥水の濃度が,重要 な要素 であ り, これに

よって,切 羽に泥水の浸透 壁

か形

成 され る。

(2)標準砂 に よる砂地盤 と,浸透 す る信楽粘 土泥水 との 関係 にお いて, 浸透 壁の形成に よって,切 羽 の安定 を はか るこ との で きる領域 が存在す る。

(3)切 羽の安定 領域 では,標準砂地盤の静水圧 よ りも低 い粘土泥 水圧 で,切 羽の安 定 をはか るこ とが で きるo (4)切 羽 の安 定領域 で も高濃度の泥水の場 合, 浸透 壁の 形成が不 十分 とな り,切 羽の安 定 をはか るための泥水 圧が,砂地盤 の静水圧 よ りも大 き くな るこ とが あるO

§ 7 .おわ りに

本実験 に よ O,粘土泥水に よる浸透壁の形成に よって 生 じる,砂地盤 に対す る静的状態の切 羽の安 定 につ いて 有益 な知 見 を得 るこ とが で きた。 この浸透 壁の形成状態

,安 定泥水圧 の定量的 な検討 が,今後の研究課題 であ る。

本報文 は, 昭和46年 10月か ら昭和48年9月に わた って 実施 した,泥水加 圧 シ‑ ル ド切 羽 の安 定に関す る一連の

型実験 に よって,得 られ た実験結果 を検討 した もので 実験 に協 力 され た関係者 各位 に深 く感謝す る。

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