九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
GLI2 but not GLI1/GLI3 plays a central role in the induction of malignant phenotype of
gallbladder cancer
一宮, 脩
http://hdl.handle.net/2324/4475016
出版情報:九州大学, 2020, 博士(医学), 課程博士 バージョン:
権利関係:This work is licensed under a Creative Commons Attribution-NonCommercial- NoDerivatives 4.0 International (CC BY-NC-ND 4.0) License.
(別紙様式2)
氏 名 一宮 脩 論 文 名
GLI2 but not GLI1/GLI3 plays a central role in the induction of malignant phenotype of gallbladder cancer 論文調査委員 主 査 九州大学 教授 馬場 英司
副 査 九州大学 教授 中川 尚志 副 査 九州大学 教授 加藤 聖子
論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨
申請者らは以前に胆嚢癌(GBC)ではHedgehog(Hh)シグナルが増強され、癌の悪 性形質誘導に関与していることを報告した。近年、Hhシグナルの治療標的は
Smoothened(SMO)から、その下流の分子に移行してきた。Hhシグナルの3つの転写 因子 glioma-associated oncogene homolog 1(GLI1)、GLI2、GLI3はそれぞれSMO の下流で機能するが、GBCにおけるそれらの生物学的役割は明らかでない。本研究で はGBCの新規治療法開発を目指しGLI1、GLI2、GLI3 の生物学的意義を解析した。そ の結果、GLI1、GLI3ではなくGLI2がGBCの細胞周期を介した増殖能の亢進、上皮間葉 転換を介した浸潤能の亢進に関与することが明らかになった。更なる解析でGLI2がG BCのgemcitabine感受性の亢進に関与する可能性があること、マウスの異種移植モデ ルにおいては線維化の促進に関与することが明らかになった。GBC切除標本66例の免 疫組織化学染色では、GLI2高発現患者でCD3およびCD8陽性腫瘍浸潤リンパ球(TILs)
数が少なく、癌細胞のprogrammed cell death ligand 1(PD-L1)発現が亢進してい ることが明らかになった。これらの結果はGLI1、GLI3ではなくGLI2がGBCにおける増 殖、浸潤、線維化、PD-L1発現、TILs制御に関与し、新たな治療標的となり得ること を示唆している。本研究結果は、治療法の選択肢が少ない難治性GBCの新たな治療法 の開発に大きく貢献するものと考えられる。
以上の成績はこの方面の研究の発展に重要な知見を加えた意義あるものと考えられる。
本論文についての試験はまず論文の研究目的、方法、実験成績などについて説明を求め、
各調査委員より専門的な観点から論文内容及びこれに関連した事項について種々質問を行 ったが概ね適切な回答を得た。なお、本論文は共著者多数であるが、予備調査の結果、
申請者が主導的役割を果たしていることを確認した。
よって調査委員合議の結果、試験は合格と決定した。