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フィルダムの水理的破壊現象に関する研究

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愛知工業大学研究報告 第37号 B平成 14年

123

フィルダムの水理的破壊現象に関する研究

Hydraulic Fracturing in Earth and Rock-fill Dams

荻 田 真 実 ¥ 奥 村 哲 夫 什P 成田国朝什,大根義男什

Shi

iOGITA, Tetsuo OKUMURA, Kunitomo NARITAヲ YoshioOHNE

Abstract: This paper conc巴rnsthe mechanism of hydraulic fracturing caus巴dby r巴S巴rvolTwat巴r

pressure in巴arthand rock-fill dams目Afew new t巴std巴vicesand t巴stingproc巴dureswere proposed for

laboratory element t巴stsin order to reproduce seepage fracture in soil mass, and the relationship

betw巴巴nconditions of hydraulic fracturing and those of compaction and stress states in embankments

was investigated by varying several factors. FEM stress-strain analysis was also conduct巴dfor

rock-fill dams with a centrally located core to und巴rstandbehavior of stress transmission and arching action in th巴corezoneヲwhichshould be main factors associat巴dwith hydraulic fracturing. 上 は じ め に フ ィ ル ダ ム に お け る 水 理 的 破 壊 現 象 ( Hydraulic Fracturing、以下E官)とは、堤体内の拘束応力が不同沈下 やアーチ作用によって局部的に低下し、貯水圧の作用に伴 い亀裂が発生したり、土粒子の流亡(浸透破壊)が生じ、 これが逐次伝播e拡大してダムの機能損失や堤体の崩壊に 至る現象である。 E王Fは 1976年に発生した Tetonダム (USA)事故の主要な崩壊原因とされており、この事故を契 機にHFに対する関心が高まり、多くの機関で精力的に研 究が進められてきた。しかし、 HFの発生機構は極めて複 雑であり、関連する要因や影響因子の分析も未だ十分に行 われていないため、現象の解明や予測手法の確立ヘ向けて 更なる研究成果の蓄積が期待されている状況である。 本研究は、フィルダムのHF現象に及ぼす各種要因の影 響を実験と解析の両面から調べ、 HF発生機構の解明を目 指すものである。まず実験では、 HFに関する実験手法の 確立を主眼に置きながら、試料の締固め状態や拘束応力の 条件を種々変化させた実験を行い、これらの要因とHFの 発生条件との関連性を調べる。次に、中心コア型ロックフ ィルダムを対象としてFEM応力。変形解析を行い、堤体 内の応力伝達やアーチ作用に伴う拘束圧低下に及ぼす諸 要因の影響を明らかにする。具体的には以下の項目に的を 絞って考察を加える。 1) HFを再現するための室内実験装置の開発及び実験方法 の確立 T 愛知工業大学大学院建設システム工学専攻 什愛知工業大学土木工学科(豊田町 2)室内浸透実験における水理的破壊の発生条件と諸要因 との関連性の検討 3)コア内およびコアトレンチ内の応力・変形挙動に及ぼす 各種要因の影響

2

.

実験額要 2 • 1 有効鉛直応力

(

σ

.

.

)一定下の実験(TEST1) この実験は締固め状態を変化させて行い、締固め状態の 違いがHFの発生に及ぼす影響について調べた。 実験装置の概略を図 1に示す。供試体に作用させる鉛 直応力σvはベロブラムシリンダーにより載荷板を介して 作用させ、ロードセル(荷重変換器)により測定している。 間隙水圧uはコンプレッサーで給水側タンクおよび、排水 側圧力容器を加圧して作用させ、給排水側に設置した水圧 計で測定し、その平均値で定義する。動水勾配1は給水側 水圧を上昇、排水側水圧を減少して作用させるが、この給 排水の水圧の変化量を等しくすることよってσv'及び'Uは 実験中一定で iのみが変化するとした。また、浸透流量は 流量測定容器を介してロードセルを用いて測定している。 モールド内の供試体の概略を図-2に示す。実験モール ドは、内径φ=200mm、高さh=254mmであり、供試体(φ =200X 120h)の中央部から通水し、外周に設置したフィル 夕方向に浸透させてHFを発生する構造である。供試体は、 含水比を調節した試料を所定の密度で 1層を高さ 20mm として計6層に突固めて作製した。供試体の外周は突固め 後、浸透路長分だけ削り出し砕石をフィルタ材として詰め 込んだ。砕石の粒度は、排水側でパイピング破壊が発生し

(2)

た場合に試料の流失に抵抗しない程度とした。なお、供試 体の上下には不透水層としてベントナイト混合材を配置 して浸透領域を限定している。実験手順は供試体の飽和・ 圧密の後、有効鉛直応力 σv'を一定に保ちながら動水勾配1 を段階的に増加させ浸透流量の変化を調べる。そして、流 量に急増が見られたら E却の発生として実験を終了する。 動水勾配は 1ステップ 4時間を基準として変化させた。 圧 力 容 器 ¥ 流量測定容器J 関

-1

実験装置事豊富各

(

T

E

S

T1) 載荷板 φ200 圏一2 モールド肉の供試体の調路圏 実験には、最大粒径が 2mmとなるように粒度調節をし た統一分類でシルトに属する試料を用いた。表 1に試料 の物理的性質、図-3に粒径加積曲線、図-4に締囲め曲 線及び実験点を示す。表 2の実験条件に示すように実験 は有効鉛直応力、浸透路長、締固め度、初期飽和度を変化 させて行った。 表-1 試料の鞠理的性置 土質名称 シルト(局液性限界) 土粒子密度 ρ s (g/cm3) 2.606 最大乾燥密度 ρdmax(g/cm3) 1.280 最適含水比 W opt (%) 33目4 最大粒径 dmax (mm) 2.0 ( 〉ミR

1

"

ト ノ

R 回 醐 車 両

R

自 ? 習 100 90 一 4一ドl試寸料111111 ーー・フィルヲ材 / 80 70 60

l

粘シ砂JL土レトし。ーi 4i433.75拍目

I

ν

50 40 30 / 20

8

a

o

1

0.01 0.1 1.0 粒径 d(mm) 盟-3 粒謹加輯樹鰻

(

T

E

S

T1) 1.35 h' 1.30 E 0 1ゐ1.25 Q, 1.20 魁 襲1.15 掛1.10 +A lwopt=334 出 1.05. ~O 25 30 35 40 45 50 含水比w(%) 圏

-4

輔固め曲輯

(

T

E

S

T1) 義

-2

実験条件(T

E

S

T1) I 1 実験 No 3 ! 4 ! 5 ! 6 実験点 A 乾燥密度 P d (g!cm') 1.083 締固め度 D値(目) 85 初期飽和度 Sro (百) 40.0 含水比 w (目) 21.6 s 10 7 白 1.152 90 44.6 鉛直応力 σ, ,I(Pa) 294.31 343.41 392.41 490.51 392.41 392.41 490.5 間隙水圧 u (kPa) 196.2 有効鉛直応力 σ(kPa) 98.1 ! 147.2! 196.2[294.3 196.2 294.3 浸透路長 L (cm) 3.3 4.8 実験 No 日 日 10 11 12 I 13 実験点 B C D E F ! G 乾燥密度 ρd (g!cm') 1.152 1.216 1.344 1.216 締固め度 DI直(弘) 90 95 105 95 初期飽和度 Sro (目) 44.6 I 49.2 I 59.9 含水比 w (目) 21.6 26.41 31.2 1 38.6 鉛直応力 σ, (kPa) 490.5 間隙7)<圧 u (kPa) 196.2 有効鉛直応力 σ(kPa) 294.3 浸透路長 L (cm) 3.3

2

• 2

動水勾寵(i )一定下の実験

(

T

E

S

T

2

)

この実験は、コアアパットメント部での不同沈下により 大きなせん断変形が生じ、応力状態が変化してHFが発生 する場合と地震力がHFに及ぼす影響を調べるため行った。 実験装置の概略を図-5に示す。三軸試験装置に改良を 加え、円筒供試体(φ=150mm.h=300mm)に軸応力 σ1、側 方応力 σ3および背圧B.P.を作用させながら、透水試験を 実施出来るようにした。浸透流量の測定方法は 2.1の実験

(3)

フィルダムの水理的破壊現象に関する研究 125 装置と同様である。 供試体の概略を図-6に示す。供試体は、含水比を調節 した試料を所定の密度で1層を30mmとして10層に分け てモールド内に突固め作製した。突田め後、モールドから 脱型して供試体中央部両端を浸透路長まで削り、ゴムスリ ーブを被せた後に砕石をフィルタ材として詰め込んだ。浸 透実験はフィルタの片端より給水し、供試体内部を通り他 端から排水して行った。実験手順は供試体の飽和@圧密後、 等方応力状態から開始し、浸透流量が一定となったら側方 応力σ3を段階的に減じてせん断変形させる。そして、浸 透流量が急増したら

HF

が発生したと見なし、軸変位量が 著しく大きくなったら供試体がせん断破壊したと見なし て実験を終了する。この時点の応力状態と三軸圧縮試験の 結果を比較し、浸透力と破壊の関係を調べる。また、繰返 し載荷はσ3二160kPaか ら 載 荷 回 数 n=30回、振動数 f=O.3Hzで行い、浸透流量を測定する。この繰返し載荷と 流量測定を2度行った後、 σ3を減少させた。 圏一

5

実験装置の概略国

(

T

E

S

T

2

)

-6

三軸供試体の欄圏各国

(

T

E

S

T

2

)

実験には、最大粒径が2mmとなるように粒度調節をし た統一分類でシルト質砂に属する試料を用いた。表-3に 試料の物理的性質、図 7に粒径加積曲線、図 8に締固 め曲線及び実験点を示す。実験は、表 4の実験条件に示 すように繰返し載荷以外は同条件で載荷を行わないもの、 行ったものの2ケースを行った。 表-3 試料の鞠理的性重量

(

T

E

S

T

2

)

土質名称 シルト質砂 土粒子密度 ρ s (g/cm3) 最大乾燥密度 ρdmax(g/ cm3) 最適含水比 Wopt 最大粒径 dmax 100 90

2

E

即 時 70 (~ 60

50

i

40 摺 30 姻 20 10 ベト試料

7B2

6目 日〆i

u

(%) (mm)

ν

w

2.639 1.982 10.3 2.0 IJ 1 1

&

0

0

1

0.01 0.1 1.0 供 試 体 条 ( 牛 粒径d(mm) 圏一

7

粒種加轍曲鯨

(

T

E

S

T

2

)

2.00 1.95 E 1.90 口

1.85

1

.

80 悩1.75 随 1.70

1.65

γ

-

ρ

-

「伽J-1叩 V昨cm ーァト~\ I')}舟

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.

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司伊

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。 ~WC!Pt~1?3見 1.60 1.55

o

2 4 6 8 10 14 16 18 20 含水比w(%) 圏

-8

輔固め歯車豪

(

T

E

S

T

2

)

-4

実験条件

(

T

E

S

T

2

)

実験No. ① 乾燥密度 ρ d (g/cm3) 1.823 締国め度 D値(%) 92 含水比 W (弘) 5.1 飽和度 Sr (目) 30.6 E 』 1I ② 軸応力 σ1 (kPa) 200の一定 E E 10 応 側方応力 σ3 (kPa) 200から段階的に減少 力 間隙水庄 (kPa) 100の一定 u j蔓 動水勾配 10 透 振動数 f (Hz)

-

-

-

-

司。3 条 件 繰返し応力 4σ1 (kPa)

-

-

-

-

-

土40.0 載荷回数 n 回 三 三 記 30

(4)

3. 実験結果と考察署 3・1 有効鉛直応力(σイ)一定下の実験(TEST1) 3・1・1 醸壊点の定義 図 9は代表ケースの動水勾配iと浸透流量

Q

の関係で ある。ここで、放射流による浸透実験あるため透水係数k および動水勾配iは k = O.366

_

g

_

10

2

:

(

Dh -¥f1 ) 1 2 Q I n { b I 2πkD(f2 -f1)"'l f1

J

ここに、 h:供試体中心と外周の水頭差(cm) D:供試体高さ(cm) Q:浸透流量(cm3/sec) n・供試体内径(cm) rz.供試体外径(cm) により求められる。 図より、 i=1000までは、 iの増加に伴ってQが比例的に 増大しているが、i=1130付近でそれまでの直線関係からは ずれ流量が急激に上昇していることが分かる。そして流量 の急増後、多量の土粒子の流失によるにごりを伴った。こ の現象は多少の違いはあるが、いずれの実験においても見 られた。したがって、この実験ではこのように流量が急激 に増加した,煮をHF発生点とし、その時点の動水勾配を破 壊時の動水勾配旺として以後のデータ整理を行った。 100 実oj直験=N1o 051 0 弘 2 そ 80トlhσ'==529949%3kPa HF発生点 ご

ε

う 60

酬 40 甘 さ 畑 町[t{ 20

o

d

里 400 600 800 1 000 動水勾配i 200 1200 圏-9 動水勾寵 iと漫還流麗Qの関穣(代表ケース) 3・1• 2 盟運蕗畏の膨響 供試体は図 2に示す様に外周に砕石を詰め込んである ため、供試体と砕石との剛性差が鉛直応力の伝達に及ぼす 影響が問題となる。そこで実験点A,Bで浸透路長 Lのみ を変化させ実験を行い破壊時の動水勾配立に及ぼす影響に ついて調べた。 図-10はLとlfの関係である。(轡)の点を除けば、 Lを 変化させてもほぼ同一のlfで破壊に至っている。(⑭)を実 験誤差とすると、 Lによるlfへの影響はほとんと、なく、供 試体部への応力{云達はスムーズに行われていることが分 かる。また、実験では給水側水圧を上昇、排水側水圧を減 少して、その圧力差より損失水頭を与えている。そのため に浸透路長が短いほど高い動水勾配まで実験が可能とな る。以上のことから、締固め状態を変化させた実験は浸透 路長を33mm一定にして実験を行った。 800 n U ハ U n u n u n u n U R U 凋 斗 n t k 居 間 豆 町 荷

G

世蝉援 A .IA @ @ ($) @σ.-=196,2kPa, D値85%(実験点A) &σ.-=296.3kPa, D値90%(実験点B)

6 8 2 4 浸透路長し(cm) 圏-1 0 浸透路長 Lの蕗響 3・1・3 有効鉛直応力の彰響 図 11は有効鉛直応力σvpを変化させて行った実験結果 である。図よりσv'の増大に伴って破壊時の動水勾配主も 大きくなり、両対数で整理するとσv'とlfとが直線関係と なる。この結果は試料および、実験条件は異なっているが、 高応力下であっても同図に示した村瀬ら 1)の低応力下にお ける実験結果と同様の傾向となった。このことから、この 実験方法によって高応力下での実験が可能だと言える。 1000 500E-"本実験結果 ρ

=1.083 D値=85 シルト - 串 島 唱 「 よ土 国 府 100 耗 椅 G

10 樫 h u F } 3 E U d 河 町 喧 瀬戸=川 村 ρ 凶シ

ι L

n u F h u P-O $)' D 5 11 5 1 0 50 1 00 50α000 有効鉛直応力

σ

v'(kPa) 圏一11 有効鉛置応力

u

J

の影響 3・1・4 締圏め度の艶響 図 12は同一含水比(w=21.6%)で締固め度

D

値を変化 させて行った実験の結果である。D値の増加に伴い破壊時 の動水勾配irが直線的に増大することが分かる。これは

D

値を高くすると間隙が小さくなるために粒子聞の接触摩 擦、ダイレイタンシーによって粒子の移動が起こりにくく

(5)

フィルダムの水理的破壊現象に関する研究 なるためである。このことから、同一含水比であってもD 値を大きくすることにより、 HFに対する抵抗性が大きく なると言える。 1500 a a p p k K 3 5 4 0 9 % Q d 内 LRO A 斗 一 -ei -J ' ' 2 一 、 - 、 = 口 O W 円J 搾Z &1000 耗 福 音 G

500 樫 @

0

Q

1

80 90 100 締匝め度D値=Pd/ρ d m副(%) 110 国一12 鱒闇め鹿D髄の影響 3 • 1 • 5 初期臨租産の彰響 図-13は同ーの締固め度 D 値(=95%)で初期飽和度 Sro を変化させて行った実験の結果である。 Sroの増加に伴い 破壊時の動水勾配万も増大している。これは乾燥側の締固 めでは飽和化によるサクション消失により粒子構造が大 きく変化し、 HFに対する抵抗性が低下するためである。 1500 rt.J 医E

Z

1000 G 監 部 援 σ"=490.5kPa σ , =294.3kPa ρ=1.216g/ cm3 01直=95% 500 n司 -0 40 50 60 70 80 90 100 初期飽和度 Sro(%) 圏一13 初期飽和産 Sr0の影響 3・1・6 コーン貫入実験 この実験は、供試体の飽和による強度低下について調べ るために行った。実験は浸透実験と同条件で突固めた供試 体に対して作製直後および飽和後の 50mm貫入時の貫入 抵抗(1/4-in2,先端角 300 ,φ=13.9mm)を調べた。また、こ の貫入実験と浸透実験との関連性についても検討した。実 験手順は、モールド内に一層を 30mmとして計4層にわ けで突囲め供試体(φ=100mm、h=120mm)を作製し、コ ーンの貫入速度を 1mm/sec一定に保ちながら貫入量およ び貫入抵抗を測定した。供試体の飽和は供試体を数日間モ ールドご、と水浸して行った。 図 14は初期飽和度 S凶と貫入抵抗の関係である。 Sro 127 の低い方が締固め直後の貫入抵抗は大きいが、飽和後、貫 入抵抗が大きく減少してしまい、 Sroが低いほど貫入抵抗 も小さくなった。このことから乾燥側で締固めた場合、飽 和化による強度低下が大きいことが分かる。 図-15は貫入抵抗と破壊時の動水勾配 lfとの関係であ る。図より貫入抵抗の増加に伴いlfも直線的に大きくなる ことが分かる。これによりコーン貫入誌験によってlfに対 する抵抗性を概略推測できると考えられる。 6000 n u n u n u n u n u n u n u n u n u n u n u n u n u n u n U F O A E m d n 4 4 1

( E 4

)

垢単ベ似 00・40 50 60 70 80 90 100 初期飽和度 Sro(%) 盟-14 靭顕錨翻麗Sr。と貫入揖坑の関犠 1500 .よど 僅 尽 耗 1000 蔽 G 密

500 @初期飽和度 Sro A締固め度D値 G A 00 500 1000 貫入抵抗 (kPa/cm2) 圏一15 貫入揺抗と破壊時の動水勾寵ifの関保 3 • 2 動水勾配(i)一定下の実験(TEST2) 3・2・1鰻返し載謂による野響(実験方法1) 図-16は漫透流量

Q

と側方応力σ3'の関係である。実験 No.②については03'=60kPa以降、繰返し載荷後の

Q

が 示してある。

Q

は両者に大きな違いはなく、繰返し載荷は Qに影響しておらず、またQの急増も見られなかった。 図-17は軸変位量Sと03'の関係である。載荷を行わな い場合は側方応力 σぷ=20kPaで、載荷を行った場合は0 3'=30kPaで Sが急増しており、また破壊時のモール円も 破壊規準線を超える応力状態、であり、せん断破壊に至って いることが分かる。したがって、この方法ではせん断変形 に伴うHFの発生を確認することが困難であった。そこで、 次の実験では軸差応力よりせん断破壊しないよう次に述 べるように実験方法に改良を加え実験を行った。

(6)

8 @ 実 験N 0 2繰返し載荷なし) ( 己 ~ ,;.実験No 繰返し載荷あり) E 6 円'-. @ @

ε

@ ) にJ A 4弘 @ σ a

.

.

.

企 A 日 制 晶¥載荷中に変位急増刷断破壊) 判 さ 制 2 日似 0 0 20 40 60 側方応力 σ3'(kPa) 圏 -1 6 側方蕗力引と盟運諸畳留の関保 ﹁ luH ワ 一なあ 一荷荷 寸 載 毅 一 l u l u -返 返 ﹁ 繰 繰 一 む 叡 一験験 ﹁実実 一 @Aa R u n U R U -t l n u 小│出溢 ( E E ) の @ 車 瞳 ι 富 血 @ 傘 @ A 皐 量 -車 企 企 且 戸 同 式 首 衣 ¥ ¥ 1 1 ¥ 増 峨 h r I 1 5 V 一 一 日 明 一変惟 ト L n u 目 制 1

十~\\ -0.5

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5

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20 40 60 側方応力 σピ(kPa) 80 100 園 -1 7 側方応力 σ3と軸霊位量 5の関保 3・20 2 改良実験(実験方法的 実験方法 2では図 -18に示すように供試体(φ=150mm、 h=180mm)中央部から給水を行い、両端方向へ通水できる ようにした。これは、給水側水圧によって供試体にクラッ クを発生させることを目的としている。また、浸透路長 L を短くして浸透破壊が生じ易い状況を再現した。供試体は D 値を 80%まで低下させ w=10.3%の最適含水上ヒ(実験点

B

)

で作製した。実験手順は、供試体の飽和後、軸圧縮力σ I二200kPa,側方応力 σ3=100kPaを載荷し、流量と軸変位 が一定になった時点で実験を開始する。そして、せん断破 壊に至らないように側方応力 σ3をσ3=01/2一定に保ちな がら拘束応力を段階的に減少させる。動水勾配 i=15は一 定、拘束応力は1ステップを 2時間として変化させた。 圏一18 改良を行った三軸供嵩体の擁時園 図← 19は、拘束応力 σ1,σ3および浸透流量 Qの経時変 化である。

o

1 =lO.OkPa,σs=5.0kPaとなった時、

Q

が急

増し破壊したことが分かる。これは、供試体に作用する間 隙水圧が側方応力 σ3より大きくなり浸透力により破壊に 至ったと考えられる。また、図 20に示す破壊時のモール 円を見ると、破壊時には

σ

ぷが引張応力になっており

HF

の発生には試料の粘着力が関係していると考えられる。 5 200

巨亙函

一軸圧縮力 σ1 -ー恒IJ方応力σ3 ( 巳 一 E ¥ 円E U ) @ 流量急増点一一一品 (HF発生点) 喧 ⑤ 園 園 園 ト . / , 破 壇 点 姻 昨 ー--..σ,=10.0kPa σ3=5.0kPa σ1=200kPa 150 ~ よ4 ) ~3=10叫 p , b 100ミf -i三 十咲 50軍 圏 企 企 A A a A a R 目 ド h ド

σ

酬 恨 制 限 耐 州 日 σJ=50印a ¥ a 1=50kPa σJ=2SkPa ¥¥ 50' 01'0' '150' '200' '250' '30s 経過時間T(min) 菌-19 拘束蕗力

σ

および新朗読盤Qの経時変化

団 一

,ー町、、 国一20 融壊時のモール円 4,解析概聾 解析にはFEM非線形逐次盛立て解析プログラムを使用 した。解析モデルは中心コア型ロックフィルダムで、図-21(a)に示すように左右対称形と考え、堤高 60.0m,底面長 125.0m,天端幅 5.0mの半断面とした。解析は、 (a)図のモ デルをロックフィルダムの基本形状としてコア勾配およ び、コアとロックの剛性差 (ER!'Ec)を変化させたものと、 図 21(b)に示すコアトレンチを基本形状としてトレンチ 深さおよび、勾配を変化させ(a)図に接続したものについて 行う。表 5に解析堤体の材料特性、表 6に解析ケース を示す。 嚢-5 解析堤体の材料特性

)j

d -n 4 -m

m

ノ / 一 ノ / 一 、 / M 円 一 M 刊 一 レ R H - B K -。 ( { (

ν

Y

c -φ 一 量 一 一 ヒ 一 重 一 一 角

4

積 一 一 擦 に 一 体 一 力 一 摩 ア 一 位 一 着 一 部 ポ 一 単 一 粘 丙

(7)

フィルダムの水理的破壊現象に関する研究 129 表-6 解析ケース 基準casel 比較case コア勾配

1:0.2 1:0.1 . 1:0.4 ER/Ec 5 11,10,20,30,40 トレンチ勾配│ 1 :0.2 鉛直,1・0.4 (a)5 岡 掘削深さ 30 10. 20 罷覇軍コア部(Ecニ20MPa) 仁コロック部(ER=100MPa) 菌-21 解析モデル 5.解析結果と考察 (b) (単位m) 5. 1 コア勾配および醐性差が蕗力分布に墨

i

ます覇革審 国一22は鉛直応力σyを土かぶり圧7・hで除した値を 土かぶり圧比 (=σ

rhX

100%)とし基盤面上での分布 を調べたものである。コア部における士かぶり圧は100% よりも低い値を示し、コアに隣接したロック部分が 100% を超える値を示している。これは、コア部が負担すべき鉛 直応力の一部を隣接ロック部が負担しているためであり、 この傾向はコア勾配が急なほど顕著に見られる。コアが急 勾配なほど境界面においてロック部とコア部との摩擦が 大きくなり、コアの沈下が抑制されて土かぶり圧の伝達が 阻害されるからである。 200 ..<::. ト 150

"

b 封 100 回

ー~ IJ守 午ミ +l

園- 2 2 I ER/Ec

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22

断面中心線からの距離(m) 150 基盤面上での土かぶり正比(コア勾配) 図-23はコア勾配1:0.2について、コア内における士か ぶり圧比を標高ごとに調べたものである。土かぶり圧比は コア中心線上では標高に関わらず70%程度一定であり、ロ ック部との境界面に近づくのに伴い減少している。この要 因として中心線上の士かぶり伝達はコア幅の影響が小さ いが、狭いと境界部で土かぶりの伝達が阻害される率が高 くなることが考えられる。 140 話ぞ

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20 土かぶり臣比と寵高の関罷(コア勾寵) 図-24は各剛性差における基盤面上の土かぶり圧比を 堤体中心線との交点(A点)および境界ロック部

(

B

,的に ついて調べたものである。図より、土かぶり圧比は、剛性 差が大きくなるのに伴いB点では増加し、A点においては 減少していることが分かる。これは、コア部の剛性が小さ いとコア部のみが変形しロック部の土かぶり圧が伝達さ れにくいからである。

A

点では

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5

で急激に士かぶり 圧比が減少しており、 A点ではアーチ作用による影響が大 きく B 点では剛性差が大きくなるのに伴い士かぶり圧比 も増大しており、境界面の摩擦による影響が大きいと考え られる。以上からコア勾配を緩勾配とし、ロックとコアの 剛性差を小さくすることにより鉛直応力の低下が抑えら れるため、 HFに対する危険性が低くなることが分かる。 180

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司 . , 々 〆 4 侭司 刊 圏一2 4 10 20 30 40 50 剛性差ER/Ec 基盤面の各点における土かぶり圧比 (ER/Ec)

5

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2

コアトレンチの形状が蕗力分布に麗!ます膨響 図-25はコアとトレンチ接続部における土かぶり圧比 である。トレンチ突角部において土かぶり圧比が高い値と なり、接続部で低い値となっていることが分かる。これは、 突角部で土かぶり圧を受け持つことによるアーチングが

(8)

発生しているためである。また、土かぶり圧比の減少はト レンチ勾配。が急なほど顕著に見られる。これはトレンチ を急勾配とすることにより床堀幅 Bが狭くなるため、より アーチングが助長されるからである。 図-26は各トレンチ勾配。の掘削斜面上での土かぶり 圧比を調べたものである。勾配が君、なほど土かぶり圧比が 低い債となっている。また、いずれの勾配においても深さ で多少の差が見られるものの大きな変化が無く、掘削斜面 上において一様に土かぶり圧の低下が起こっていること が分かる。この要因として掘削斜面が摩擦により土かぶり 圧を受け持つことが考えられる。 200 ( 遥 )ミ

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A吋ニ鉛直(日SB1:0.2(11m) │コア勾配1:0.2│ 」こ 溺 =1:0.4(B=17m) ド 150 ~ b 封 100 出 ー ー、『 , 刀,、, 50 手 〆ミ

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トレンチ接合部での土かぶり13:比(勾寵)

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r'h (%) 図-26トレンチ掘削箇上の土かぶり圧比(勾配) 図-27は図中に示すトレンチ突角部

(

B

点)、コア内(A点) および、トレンチ内

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C

D

点)について掘削深さ

D

と土かぶり 圧比の関係を示したものである。 B点ではトレンチを掘削 すると士かぶり圧比は急増するがその後は深さに関係な くほぼ一定であり、深さによる影響はほとんど無いと考え られる。しかし、 C,D点では掘削が深くなるのに伴い土か ぶり圧比が低下した。これは、トレンチ内では基礎地盤と の摩擦のため鉛直応力の伝達が阻害されるためである。ま た、 A点の土かぶり圧比はほとんど変化しておらず、この ことからも土かぶり圧比の低下には摩擦による要因が大 きいことが分かる。これより、トレンチを深く掘削すると トレンチ底部では基礎地盤との摩擦により土かぶり圧が 伝達されず鉛直応力不足が発生すると考えられる。以上の ことから、コアトレンチを緩勾配とすることにより鉛直応 力の低下が抑えられ、拘束圧不足によるHFの発生の抵抗 性が高くなり、また、レンチ掘削深さついては、遮水効果 だけでなく E宮に対する抵抗性についても考慮を行う必要 があることが分かる。 100

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トレンチなし 10 20 30 トレンチの掘削深さ D(m) 闇- 2 7 調印j課さによる彰響 6. まとめ 実験結果、解析結果をまとめると以下のことが言える。 1)有効鉛直応力と破壊時の動水勾配との関係は両対数で 直線関係となり、高応力下であっても、従来の実験方法 と同様の傾向となることが分かつた。 (TEST1) 2)湿潤側で締固めることによって飽和化によるサクショ ンの損失に伴う粒子構造の変化が小さく HFに対する 抵抗力を大きくすることが出来る。 (TESTl) 3) HFが引張領域で発生しており、 HFに対する抵抗性を 考えるためには土の引張り強度に対しでも検討が必要 であることが分かつた。 (TEST2) 4)コア部が緩勾配で、ロック部との剛性差が小さいほど、 コア内の鉛直応力の低下(拘束圧不足)が抑制できるこ とことが分かつた。 (FEM解析) 5)コアトレンチの掘削は、コアトレンチに十分な勾配を持 たせることでアーチ作用の発生を防止できること、トレ ンチ深さは遮水効果と応力低下によるHFの危険性の両 面から検討が必要であることが分かつた。 (FEM解析) 参考文献 1)村瀬ら:土質コアを有するロックフィルダムの水理的破 壊現象に関する研究,夕、ム工学,No.23,pp.16-28(1996)ー 2) 荻田ら:フィルダムの水理的破壊に関する基礎実験,土木学 会中部支部平成12年度研究発表会,pp.291-292(2001) 3) 大根ら:フィルダムの設計および施工,技報堂(1973) (受理平成

1

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