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2178 網 第1表 岡 臨 床 経 過 日数 と組 織 診 断 との関 係 忠 戸 川 淳 志 体,尿 細 管,間 質,中 小動 脈,細 小 動 脈 に分 け,そ れ ぞ れ の障 害 度 を更 に0,1,2,3 の4つ に分 けて 血圧,腎 血 漿流 量,糸 球 体 濾 過値,フ エ ノ ール

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慢 性 腎 炎 の 腎 生 検 像 と 機 能 に つ い て

岡山大学医学部第一 内科教室(主 任:小 坂淳夫教授)

〔昭和35年12月19日 受 稿 〕 緒 言 糸球 体 腎 炎 の 腎機 能 は病 期 に よ り,ま た病 型 に よ り著 しい 差位 を示 す が そ の 際 の機 能 状 態 の把 握 が 予 後 の判 定 に さ らに治 療 の適 切 化に 極 め て大 切 で あ る. 然 し臨 床 的 に 慢性 腎 炎 と診 断 され た もの が果 して組 織学 的 に 如何 な る像 を 呈 して い るか を 検討 す る こと は 腎機 能 と形 態学 的 変 化 との間 に 極 め て興 味 あ る こ とと思 わ れ る.著 者 は こ の点 に 関 してVan Slyke 等 によ つ て創 め られ た 腎 ク リア ラ ンス法 とIversen 及 びBrunn等 に よ る腎 生 検法 を 併 用 す る こ とに よ り機能 及 び形 態 学 的変 化の 両 方 か ら臨 床 的 に慢 性 腎 炎 と診定 され た 自験 例 に検 討 を加 え た 結果,興 味 あ る成績 をえ た の で報 告 す る. 被 検 材 料 並 び に 検 査 方 法 岡 山大 学 医学 部第 一 内科 に入 院 中の 臨床 経 過 並 び に臨床 検 査 成 績 か ら慢 性 腎 炎 と診断 され た18例 で あ つ た . 腎生 検 はVim-Silvermann針 を 用 い,腎 孟 撮 影 で 腎下 極 と腰 椎 及 び 第12肋 骨 との 関 係 を計 測 した 後 Brun法 に よ り右 腎 よ り主 と して 左 腎 の穿 刺 を行 つ た.腎 ク リア ラ ン ス法 はP. Foa & N. Foa法 に よ るpara-amino馬 尿 酸 ソー ダ 及 びthio-硫 酸 ソー ダ併 用法 を用 い 実 施 した. 成 績 A.症 例 症 例1  藤 ○敏 ○  25才  男子 主 訴:頭 痛,全 身 倦 怠 感,蛋 白尿 現 病 歴:若 い 頃 よ り扁桃 腺 炎 に しば しば 罹 患 し て いた.そ の 頃 は別 に腎 炎 と して の 症 状 はな か つ た. ところ が 腎 生検 前6ケ 月 に風 邪 を 引 きそれ が 治 つ た 頃,四 肢 の 浮腫 ・尿 蛋 白 陽性 ・全 身 倦 怠感 が あ り急 性 腎 炎 の 臨 床症 状 を もつ て発 病 し入 院 した.入 院後 浮 腫 は2∼3田 で 軽 快 したが 尿 蛋 白 の陽 性 及 び血 圧 の 上昇 は軽 快 せず 現 在 ま で続 い て い る.腎 機 能成 績 で は血 圧 の 上昇 ・フエ ノール ズ ル ホ フ タ レイ ン試験 (15分 値)18.5%,糸 球体 濾 過 値74cc/分 腎 血 漿流 量287cc/分,著 明な 蛋 白 尿 の 出現,顕 微 鏡 的血 尿 を 認 めた,特 に組 織 所見 で は半 ケ年 後 の生 検 像 であ るが,細 小動 脈 の 硬 化を 中等度 に認 め,高 度 の糸 球 体 係 蹄 内 皮 の増 殖,中 等 度 の線 維 化 乃至 硝 子様 化, 尿 細 管 の著 明 な萎 縮変 性,硝 子 様 円柱,間 質 に於 け る 中等 度 の線 維 性増 殖,細 胞 浸 潤 を 認め 短期 間 に 典 型 的 な 慢性 腎 炎 の像 を 示 した. 症 例2  井 ○真 ○ 男  12才  男子 主 訴:蛋 白尿,全 身倦 怠 感 現病 歴:昭 和30年 風邪 を 引 き浮腫 ・高血 圧 は認 めな か つた が,尿 検 査 で蛋 白(+)の た め腎 炎 と診 断, 2週 間 治 療 し,尿 蛋 白陰 性 となつ た.そ の後 は 自覚症 状な く経過 した,昭 和33年3月 再 び 風邪 を 引 き尿 検査 で 蛋 白(+)と 云 わ れ た ので 治療 し, 1ケ 月後 に は(-)と な つ た.昭 和34年1月 また 風 邪を ひ き蛋 白尿 を 指 摘 され 治療 した.以 来 尿 蛋 白は 安静 に して い る と陰 性 とな るが学 校 に行 つ て帰 つ た時 とか, 運 動 後 陽性 とな り,自 覚 症 状 は軽 い 全 身倦 怠 感以 外 殆 ん ど な い.腎 機 能 検 査 成 績 に 於 いて は,血 圧 130/80mmHgで 軽度 上 昇,フ エ ノ ール ズ ホ フ タ レ イ ン試 験(15分 値) 37.5%,糸 球 体濾 過 値140.4cc/分, 腎血 漿 流 量395.8cc/分,尿 蛋 白弱 陽 性,顕 微 鏡 的 血 尿 を 認 め た.腎 生 検 所見 で は血 管 には 変 化な く, 糸球 体 係蹄 内 皮 の増 殖 は 中等 度 に あ るが線 維 化は認 め られず,尿 細 管 の萎 縮変 性 は 中等 度 で あ るが 間質 の変 化 は殆 ん ど認 め な かつ た.従 つ て 組織 学 的 に は 長 い 臨床 経 過 に も拘 らず亜 急 性 腎炎 の 組織 像 を 示 し た. B.臨 床 経 過 日数 と腎 生検 像 第1表 の ご と く亜 急性 腎 炎 で は3例 中1例 は4ケ 月で あつ た が他 の1例 は発 病 が不 明 で 腎生 検 に よ り 診 断 のつ い た もので あ り,他 の1例 は2年 以上 の経

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第1表  臨 床 経 過 日数 と組 織 診 断 との関 係 過 を もつ て い な が ら組織 学 的 に は亜 急性 腎 炎 の像 を 呈 して い た.次 に 亜 慢 性 腎炎 は5∼6ケ 月の 間 が大 多 数 で あ るが少 数 例 に1年 以 上 とい うの が あつ た. 慢 性 腎 炎 で は6例 中3例 が1年 以 上 を 占 め発 病 よ り の 経過 日数 不 明 の もの1例 で 経過 日数 が半 年 か ら. 1 年 の短 期 間 で 慢 性腎 炎 の像 を 呈 した もの を2例 認 め た.次 に慢 性 腎 炎 よ り続 発 性 萎縮 腎 の状 態 にな る と 3例 が3例 と も2年 以 上 の経 過 日数 を呈 して い た. 次 に 生検 診 断 を 基準 と して 亜 急 性 腎炎,亜 慢性 腎 炎, 慢 性 腎炎,続 発 性 萎縮 腎 の4群 に分 けて 自覚症 状 及 び検 査 成 績 を見 る と第2表 の如 く従来 云 わ れ てい る

第2表  自覚症 及び検査成績

〓 亜急 性腎 炎  〓 慢 性 賢 炎 〓 亜慢 性腎炎  〓 続 発 性萎縮賢

如 く症状の進行す るにつれて 自覚症状も強 く又検査

成績で も強い変化を認めた.

C.各 種検査所見との関連に就いて

各組織の障害度 と各 機 能 を比 較 するために糸球

体,尿 細 管,間 質,中 小動 脈,細 小 動 脈 に分 け,そ れ ぞ れ の障 害 度 を更 に0゜, 1゜, 2゜, 3゜の4つ に分 けて 血圧,腎 血 漿流 量,糸 球 体 濾 過値,フ エ ノ ール ズル ホ フ タ レイ ン,血 中残 余 窒 素,蛋 白尿 との 関係 を検 討 した. 1)血 圧 との関 係(第1図) 亜 急 性 腎 炎,亜 慢 性 腎 炎 は 一 般 に 最 高 血 圧 150mmHg以 下 を 示 し,各 組織 の障 害度 も1゜ か2゜ を 示 す もの が多 い に 比 し血 圧150mmHg以 上 を示 す6例 は6例 と も慢 性 腎炎 及 び続 発 性 萎縮 腎 で糸 球 体 の 変 化,尿 細管 の変 化,間 質 の変 化 が 強 い ものに 分 布 してい るが,細 小動 脈,中 小 動 脈 の変 化は以 上 の 組織 変 化 に比 し軽 い. 2)糸 球 体 濾過 値GFRと の関 係(第2図) 亜 急性 腎 炎,亜 慢 性 腎炎 が100cc/min以 上 で殆 ん ど正 常 値を 呈 して い る反面,慢 性 腎炎,続 発 性萎 縮 腎 にな る と可 成 り低 下 して 来 て い る.組 織 障 害度 と の関 係 で はGFRが100cc/min,以 下 に低 下 す る と 障 害 度2゜, 3゜を呈 す る,慢 性 腎 炎,続 発 性 萎縮 腎 の6例 を除 い た 残 りで は障 害 度1゜, 2゜の変 化 を示 して い なが ら機能 は 正 常 で あ る もの が多 い.尿 細 管,間 質 に於 いて もほ ぼ 同様 で あ る. 3)腎 血 漿流 量RPFと の関係(第3図) RPF 450cc/min以 下 は亜 急性 腎炎3例 中1例, 亜 慢 性 腎炎6例 中2例 で あ る に比 し慢 性 腎炎6例 中 5例,続 発 性 萎縮 腎 は3例 全部 が450cc/min以 下 で あ つ た. RPFと 組 織 障 害度 との 関 係 は各 部分 の 変 化2゜, 3゜ と高度 にな る に つ れ減 少 す るも のが多 く特 に3゜ を 示 す3例 は 全 例300cc/min以 下 で あ つ た.特 に血 管 の動 脈 硬 化 とは関 係 が深 く,障 害度 の強 くな る につ れ 低下 す る ものが多 いが,然 し組 織 障 害 度 が軽 度 な1゜ に も拘 らずRPFの 減 少 す る も の が少 数例 で あ るの が見 られ た. 4)フ エ ノール ズ ホ フ タ レイ ン試験(15分 値) PSPと の 関 係(第4図) PSP 15分 値25%以 上 を 示 す も の が多 く, 25%以 下 を 示す5例 中3例 は続 発 性 萎縮 腎 で あつ た.糸 球 体,尿 細 管,中 小 動 脈,細 小 動 脈 の諸 変 化が 高度 に な るにつ れ, PSPの 減 少 を み て い るが,特 に 間質 の 変 化 と相 関性 が 強 かつ た. 5)血 液残 余 窒 素NPNと の関 係(第5図) NPN 40mg/dl以 上 は亜 急 性 腎炎3例 中2例,亜 慢 性 腎炎6例 中2例,慢 性 腎 炎6例 中4例,続 発 性 萎 縮 腎 は全 例 で あつ た.腎 組 織 障 害度 との 関係 を比 較 して み ると,特 定 の組 織 変 化 とは 関係 な い が,組

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第1図  血 圧 と 腎 組 織 障 害 度 ● 亜 急 性 賢 炎  △ 慢 性 賢 炎 ○ 亜 慢 性 賢 炎  × 続 発性 萎縮 賢 第2図  糸 球 体 濾 過 値 と 腎 組 織 障 害 度 ● 亜 急性 腎 炎  △ 慢 性 腎炎 ○ 亜 慢 性 腎 炎  × 続 発 性萎 縮 腎 第3図  腎 血 漿 流 量 と 腎 組 織 障 害 度

● 亜急性 腎炎 

△ 慢性 腎炎

○ 亜慢性 腎炎 

× 続発性萎縮腎

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第4図  PSPと 腎 組 織 障 害 度

● 亜急性腎炎 

△ 慢性腎炎

○ 亜慢性腎炎 

× 続発性萎縮腎

第5図  血 中 残 余 窒 素 と 腎 組 織 障 害 度 ● 亜 急 性 腎 炎  △ 慢 性 腎 炎. ○ 亜 慢 性 賢炎  × 続 発性 萎縮 賢 第6図  蛋 白 尿 と 腎 組 織 障 害 度

● 亜 急 性 腎 炎  △ 慢 性 賢 炎

○ 亜 慢性 腎 炎  × 続 発性萎縮腎

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織 障 害 度 の程 度 が 強 くな る につ れ,又 病 期 が 進 行 す る につ れ多 少NPNが 上 昇す る もの が多 い . 6)蛋 白尿 との 関 係(第6図) 慢 性 腎炎 の 蛋 白尿 は エ ス バ ツハ0∼0.5‰ の間 の もの が大 部分 で,亜 急 性 腎 炎 は3例 と も痕 跡 程 度 に, 慢性 腎 炎 は4例 が0.5‰ 程 度 で, 2例 痕跡 程 度 で あ つ た .一 方 慢 性 腎炎 は半 数1.0‰ 以上 に,続 発 性萎 縮 腎 は3例 中2例 が1.0‰ 以 上 で1‰ 以上 を 示 す5 例 は各 組 織 の 障害 度2゜ ∼3゜で,特 に糸 球 体,尿 細 管 の 変 化3゜ を示 す3例 は全 例1.0‰ 以 上 で あ つ た. 総 括 並 び に 考 按 症 例1, 2及 び第1表 で見 られ る如 く臨 床経 過 日 数 と腎 生検 に よ る組 織 学 的 所 見 とが肝 炎 と同様 に腎 炎 に於 て も少 数 例 で は あ るが 一致 しな い もの が見 ら れ 亦 潜在 性 腎 炎 が 可成 りの 例 に見 られ,組 織 学 的 診 断 は 発病 よ りの 期間 の みに よ らない こ とを 知つ た. 佐 々 も可 成 りの 率 に慢 性 潜 在 性 腎炎 が あ るこ とを の べ て い る.生 検 に よ り組 織 学 的診 断 を 基準 と して 分 類 した4群 の 自覚症 状 及 び 一般 検査 成 績 は 第2表 の 如 く,病 期,病 型 の進 行 す るにつ れ 悪 化す る こ とは 従 来多 くの 研究 者 に よ り報告 され て い た と 同様 で あ つ た.次 に 各組 織 障 害 度 と各 機能 との 関係 につ いて 検討 す る と. 1)血 圧 との 関 係 木下 は腎 炎 に 於 て は 糸 球 体 で2゜ 以 上 の場 合,尿 細 管 で1゜ 以 上 の もの に最 高 血 圧 の上 昇 が著 し く, 糸 球 体及 び尿 細 管 の障 害 度 と最 高血 圧 とが可 成 密接 な関係 を示 し,最 低 血 圧 につ い ては い ず れ の部 分組 織 に於 て も正 常 の場 合 と障害 され た 場 合 との 問 に殆 ん ど差 を 見 な か つ た との べ てい る.著 者 の場 合 で は, 血 圧 の 高 い もの は各 組 織 の障 害 度 も強 く,そ の もの の大 多 数 は慢 性 腎 炎 及 び続 発 性 萎 縮 腎 で あつ た点 よ り,経 過1年 以 上 の もの で血 圧 の 最高 及 び最 低 値 の 高 い もの は 各組 織 障害 度 に も高 度 の変 化が あ り,従 来 報 告 され てい る如 く,急 性 腎炎 後 長 く高 血圧 の続 くもの は進 行 性 傾 向 を持 ち予 後不 良 な 事 が わ か る. 2)GFRと の 関 係 一般 にGFRは 急性 期 の軽 症 な もの また は回 復 期 の ものに 於 て は 変 化 し な い.慢 性 腎 炎 に な る と, GFRは 一 時 的 に は改 善 され た 如 き 所見 を有 す るが やが て 除 々に減 少 しは じめ,重 症 とな る とそ の減 少 度 は 著 しい.末 期 に 陥 ると高 度 の 減少 が 見 られ,大 部 分 は10%以 下 にな る と 云 われ て い る. Fiechberg は亜 慢 性 腎 炎 は 臨 床 的 には 慢性 腎炎 の 潜 在 型に 当 る もので,従 つて 腎 機能 は 殆 ん ど正常 を示 す もの が多 い.こ の亜 慢 性 腎炎 の時期 には障 害 され た糸 球体 の 数 が 少 く,若 しそれ らの少 数 例 が完 全 に硬 化 して も 他 の 糸球 体 によ つて 機能 が代 償 され 蛋 白尿 も少 い と 述 べ,上 田はGFRと 糸 球 体 の組 織 学的 変 化 の程 度 との 間を 比 較 し慢 性 腎 炎5例 中3例 は2゜∼3゜ の変 化 を示 して い るに拘 らずGFRが 正常 限 界 内 を示 し 組織 所 見 の 異常 がGFRの 変化 よ り強い 傾 向 にあ る と述 べ てい る.木下 は亜 急性 腎 炎 ではGFRは 正 常値 を 示 し,亜 慢 性腎 炎 で はGFRの 著 しい 減少 は糸球 体,間 質で は 中等 度 の,細 小動 脈 で は 軽度 の障害 で 見 られ たが,尿 細 管 の 障害 度 とは一 定 の 関係 を見 な か つ た.慢 性 腎炎 で は 障害 の進 む に従 つ て減 少 も大 とな り,細 動 脈 で は既 に早 期 の障 害 で 著 しい減少 を 示 して い る.著 者 の 場 合 も従 来云 われ て い る如 く, 血 管,糸 球 体 に於 て 同 様 の所見 を示 し糸球 体 障害 度 1゜, 2゜を 示 し て い な が らGFRは 正 常値 の範囲 内 に あ るもの が多 い.然 し病 期 が進 行 し障害 度 が強 く な るに つれ 減 少を 示 す に至 る. 3)RPFと の 関係 木 下 は糸球 体,尿 細 管,間 質 共 に障 害 度1゜ の 場 合 に減 少 を示 す もの とそ うでな い もの と相 半す るが, 2゜以上 では 殆 ん ど 全 例 に 減 少 し,細 動脈 の場 合 に は障 害 の極 め て 初期 よ り減少 し,障 害 の強 くな るに つ れ 減少 は 高度 とな る.更 に 亜 急 性 腎 炎 で はRPF が減少 し,亜 慢 性 腎 炎 で は著 しい減 少 を み,糸 球体, 間 質 の 中等 度 の障 害 が見 られ た が,尿 細管 との一 定 の関 係 は見 な か つた.慢 性 腎炎 にお い て糸 球体,間 質 です で に 軽 い障 害 を示 す もので は半 数が著 しい 減 少 を 示 した と云 つ てい る.又 上 田 ・大 島, Earleは 慢 性 腎炎 で 進 行 期 の場 合 は殆 ん ど全 例 にRPFが 減 少 す る と述べ て い る.著 者 の例 で は木 下 と若 干 異 つ て い る.然 し病 期 の進 行 す る につ れ,障 害度 が 大 な る程RPFが 減少 し,間 質 と血 管 の問 に最 もよ く関 係 が 見 られ た. 4) PSPと の関 係 PSPの 排 泄15分 値 は尿 細 管 機 能 を あ らわ す もの で あ つて, PSP排 泄 値 は 比 較 的 早 期 の 腎障 害 を見 出 し得 る とW. Goldringは 述べ て い る,一方大 島 は RPF 50%近 く低 下 した 場 合 初 めてPSP 15分 値が 正 常値 以 下 に な る と 云 つて い る.木 下 はPSP排 泄 の 著 しい 減少 は腎 炎 に於 て は糸 球 体,尿 細 管,間 質 で は概 ね 高度 の障 害 とな つ て み られ た と云 つ て お り, 細 動 脈 で は障 害 の 早 期 よ り著 明な 減少 を見 た と述 べ て い る.著 者 の例 で もそれ と一 致 し病 期 が進 行 し障

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害 の 強 く成 る につ れPSPは 減少 して い る. 5)NPNと の関 係 木 下 はNPNの 可 成 著 し い 増 加 は 糸球 体,尿 細 管,間 質 の 高度 な障 害 を 示す が,細 動 脈 で は比 較 的 軽 度 の 障 害 の場 合で も見 られ,ま た亜 急性 腎 炎 で は 増 加 し,亜 慢 性 腎炎 で はNPNの 増 加 と各 部 位 の障 害 度 との 間 に一 定 の 関 係 は見 られ ず,慢 性 腎 炎 で は NPNは 糸 球 体 の 障害 の 進 む も の に増 加す る もの が 多 い と述 べて い るが,著 者 の 例 で は亜 急 性 腎 炎 に於 て 若 干 の 増加 を 示 す も の が 多 く,亜 慢 性 腎 炎 で は 40mg/dl以 下 が多 くな り,慢 性 腎炎 にな るにつれ 40mg/dl以 上 が多 く,各 組 織 の障 害 度 も増 加 して い る. 6)蛋 白尿 との 関係 上 田 は生 検 法 に よ る腎 組 織所 見 と排 泄 蛋 白量 との 間 に は直 接 な 関 係 が見 られ な い ことが 多 くの研 究 者 に よつ て 述 べ られ てい る と云 つ てお り,木 下 も蛋 白 排 泄量 と各 部 分障 害 度 との間 に一 定 の平 行 関係 を見 出 し得 な か つ た と云 つ て い る.著 者 の例 で もあ ま り 一 定 の 関 係 を見 出 し得 な いが,然 し慢 性 腎 炎 及 び続 発 性 萎 縮 腎 で障 害 度 が 強 い3゜ で は可 成 りの 蛋 白が 見 られ た. 結 語 臨 床経 過 並 び に 臨床 検 査 成 績 か ら慢 性 腎炎 と診 断 され た18例 につ い て腎 生 検 を行 い その組 織 変 化 を 検 討 し,臨 床 検 査 で あ らわ れ た 腎 機能 と組 織障 害 度 と の 関係 を 考 察 し次 の結 果 を 得 た. 1)慢 性 腎 炎 と診 断 され た場 合 は 組織 学 的 に亜急 性 腎 炎 よ り萎 縮 腎 に 至 る色 々な病 期 が含 まれて い る. 2)病 歴 乃 至 は 臨床 経過 と組 織 像 との 間 に は くい 違 いを 示 す 場 合 が あ る. 3)腎 ク リア ラ ンス法 で は糸 球体 濾 過 値 が最 もよ く組 織 変化 と相 関性 を 持 つ てい る. 4)腎 血漿 流量 は糸球 体,尿 細 管,間 質 の変化 の 高度 な もの に低 下 例 が多 く,血 管 の硬 化度 と も関 係 が見 られ た. 5)フ エ ノール ズ ル ホ フ タ レイ ン排 泄15分 値 の低 下 は間 質 との変 化 が特 に強 か つた. 6)血 液残 余 窒 素 は特 定 の組 織 変 化 とは 関係 な い が,組 織 の障 害 度が 強 くな り,続 発性 萎縮 腎 と病 期 が 進 行 す るに つれ 多少NPNが 上 昇 す る も の が多 い. 7)亜 急 性 腎 炎,亜 慢 性 腎 炎 の 蛋 白 尿 は0∼ 0.5‰ 迄 の ものが 多 い が,慢 性 腎 炎,続 発 性 萎縮 腎 と組 織 障 害度 が 強 くな るにつ れ1.0‰ 以 上 を示 す も のが 多 くな り糸 球 体,尿 細 管 の変 化 とよ く相 関 した. (本論文 の 要 旨 は 日本環 循 器 学会 中国 ・四 国地 方 学 会 第3回 総 会 に おい て 発表 した)

1) Mailer E., Mc Intosh. J. E. and Van Slyke,

D. D.: J. Clin. Invest, 6, 427 (1929).

2) Iversen P. and Brun C.:

Am. J. Med. 11,

324 (1951).

3) 桂 重 鴻,木 下 康 民:綜 合 臨 床4, 1497(1955). 4) 佐 々 廉 平:日 本 臨 床14, 1186(1956). 5) 木 下 康 民:呼 吸 と 循 環54, 213(1957),

6) Fishberg, A. M.: Hypertension and Nephritis

5ed. Lea & Febiger, New York 613 (1959).

7) 上 田 泰:日 本 臨 床14(11) 34(1956).

8) 木 下 康 民:最 新 医 学11(12) 241(1956)

9) 上 田 泰:腎 臓 病(医 学 シ ン ポ ジ ウ ム 第10輯)診 断 と 治 療 社(昭31).

10) Earle, D. P.: Am. J. Med. 9, 28 (1950).

11) 大 島 研 三:綜 合 臨 床4(9) 71(昭30). 12) 矢 島 権 八:目 本 臨 床14(11) 11(1956), 13) 大 島 研 三 他:最 新 医 学7(6) 58(昭27). 14) Galdring, W.: J. A. M. A.(日), 17(4) 161 (1954). 15) 大 島 研 三:医 学 の あ ゆ み14(4)231(昭27). 16) 上 田 泰:日 本 臨 床16(5) 60(1958).

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網 岡 ・ 戸 川 論 文 附 図 写 真1  症 例1  藤 ○  25j〓 腎 生 検 像 H. E染 色(弱) 糸球 体 系蹄 内 皮 の 増 殖 著明 で 中 等 度 の線 維 化 乃 至硝 子 様化 著明 な尿 細 管 の萎 縮 変性,腔 内 には 硝 子 様 円 柱が あ り,間 質 に 於 い て は細 胞 浸 潤 線 維化 著 し く,動 脈に 於 いては 細 小 動 脈 の 硬 化 中等 度 で 組織 学 的 に 慢 性 腎 炎 の像 を示す. 写 真3  症 例2  井 ○  12才 〓 腎 生 検 像 H. E染 色(弱) 糸球 体 係 蹄 内皮 は 中 等度 の増 殖 が あ りボ ー マ ン氏 嚢腔 内 には 蛋 白様 浸 出 物 を認 め るが 係 蹄 の 線維 化は まだ認 め ない.尿 細 管 で は 萎縮 変性 を 認 め 管腔 は 拡 大 してい る.間 質 の増 殖 並 び に血 管 の 変化 は ほ とん ど認 め られ な い.亜 急性 腎 炎 の 像 で あ る. 写真2 腎生 検 像 H. E染 色 写 真1の 強 拡 大 で糸 球 体 係蹄 内 皮 の増 殖 線維 化 乃 至 硝 子 様化,周 囲 の 細 胞浸 潤 を示 す. 写 真4 腎 生 検 像 H. E染 色 写真3の 強 拡大

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