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Microsoft Word - m2-6-4-pharmacokinetics-written-summary_ver 1.9_類縁物質おきかえ-1…

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目次 2.6.4 薬物動態試験の概要文 ...8 2.6.4.1 まとめ ...8 2.6.4.1.1 Org 25969 の薬物動態 ...8 2.6.4.1.2 Org 25969 がロクロニウムの薬物動態特性に及ぼす影響... 11 2.6.4.1.3 Org 48302 の薬物動態 ...12 2.6.4.2 分析法 ...16 2.6.4.2.1 ラット血漿中の Org 25969 を測定する液体クロマトグラフィー-タンデム質量 分析法のバリデーション【NL0027301,4.2.2.1.1】 ...18 2.6.4.2.2 ラット EDTA 血漿及び血清中の Org 25969 を測定する LC-MS 法のバリデーショ ン【INT00005927,4.2.2.1.2】...18 2.6.4.2.3 ラット EDTA 血漿中の Org 48302 を測定する LC-MS 法のバリデーション 【INT00006131,4.2.2.1.3】 ...18 2.6.4.2.4 ウサギ血漿中の Org 25969 を測定する液体クロマトグラフィー-タンデム質量 分析法のバリデーション【NL0043948,4.2.2.1.4】 ...19 2.6.4.2.5 イヌ血漿中の Org 25969 を測定する液体クロマトグラフィー-タンデム質量分 析法のバリデーション【NL0026185,4.2.2.1.5】...19 2.6.4.2.6 イヌ EDTA 血漿 中の Org 25969 を 測定 する LC-MS 法のバリ デーション 【INT00011930,4.2.2.1.6】...19 2.6.4.2.7 イヌ血漿中のロクロニウムの濃度を測定する液体クロマトグラフィー-タンデ ム質量分析法のバリデーション(Org 25969 によるロクロニウム濃度測定への干渉 の評価を含む)【NL0034322,4.2.2.1.7】【INT00018080,4.2.2.1.8】...20 2.6.4.2.8 ネコ血漿中の Org 25969 及びロクロニウムを測定する液体クロマトグラフィー -タンデム質量分析法のバリデーション【NL0035463,4.2.2.1.9】 ...20

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2.6.4.3 吸収...21 2.6.4.3.1 Wistar ラットにおける Org 25969 及び Org 48302 単回静脈内投与時の薬物動態

【INT00007462,4.2.2.2.1】...25 2.6.4.3.2 Wistar ラットにおける単回静脈内投与時の薬物動態([14C]-Org 25969 の薬物動 態並びに Org 25969 の存在下又は非存在下における[3H]-ロクロニウムの薬物動 態)【NL0056358,4.2.2.5.1】...27 2.6.4.3.3 Wistar ラットにおける Org 25969 単回及び 2 週間反復静脈内投与時の薬物動態 【NL0028244,4.2.3.2.1】...28 2.6.4.3.4 Wistar ラットにおける Org 25969 単回及び 4 週間反復静脈内投与時の薬物動態 【NL0043521,4.2.3.2.3】...29 2.6.4.3.5 幼若 Wistar ラットにおける Org 25969 単回及び 2 週間反復皮下投与時の薬物動 態【INT00029851,4.2.3.5.4.3】 ...30 2.6.4.3.6 幼若 Wistar ラットにおける Org 25969 単回皮下投与及び反復投与(2 週間皮下 +2 週間静脈内)時の薬物動態【INT00038389,4.2.3.5.4.4】 ...31 2.6.4.3.7 麻酔下モルモットにおける静脈内持続投与時のロクロニウムの薬物動態試験 【INT00008139,4.2.1.1.1】...32 2.6.4.3.8 妊娠 NZW ウサギにおける Org 25969 反復静脈内投与時の薬物動態【NL0043447, 4.2.3.5.2.2】 ...33 2.6.4.3.9 ビーグル犬における Org 25969 及びロクロニウム単回静脈内投与時の薬物動態 【NL0034953,4.2.3.1.9】...34 2.6.4.3.10 ビーグル犬における Org 25969 及びロクロニウム単回静脈内投与時の薬物動態 【INT00035242,4.2.3.1.10】...35 2.6.4.3.11 ビーグル犬における[14C]-Org 25969 単回静脈内投与時の薬物動態及び[3H]-ロ クロニウム単回静脈内投与時の薬物動態に対する Org 25969 の影響【NL0055283, 4.2.2.5.2】 ...37 2.6.4.3.12 ビーグル犬における Org 25969 単回及び 2 週間反復静脈内投与後の薬物動態 【NL0026533,4.2.3.2.5】...38 2.6.4.3.13 ビーグル犬における Org 25969 単回及び 3 週間反復静脈内投与後の薬物動態 【INT00025068,4.2.2.2.2】...39 2.6.4.3.14 ネコにおける Org 25969 及びロクロニウム単回静脈内投与時の薬物動態 【NL0037029,4.2.3.1.11】 ...40

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2.6.4.4 分布...41 2.6.4.4.1 In vitro 分布試験 ...41 2.6.4.4.1.1 ラット,ウサギ,ネコ,イヌ及びヒトにおける in vitro での血漿タンパク結 合【NL0046285,4.2.2.3.1】...41 2.6.4.4.1.2 ラット,ウサギ,ネコ,イヌ及びヒトにおける in vitro での赤血球結合 【NL0047787,4.2.2.3.2】 ...43 2.6.4.4.1.3 In vitro におけるラット肝細胞への取り込み【NL0053972,4.2.2.3.3】...44 2.6.4.4.2 In vivo 分布試験 ...46 2.6.4.4.2.1 ラット組織分布【NL0056358,4.2.2.5.1】...46 2.6.4.4.2.2 雄性ラットを用いた骨への分布に関する試験【INT00010275,4.2.2.3.4】 ..51 2.6.4.4.2.3 ラットにおける単回及び反復投与後の骨及び歯への分布に関する試験 【INT00033724,4.2.2.3.5】 ...53 2.6.4.4.2.4 ラット骨のミクロオートラジオグラフィー試験【INT00029186,4.2.2.3.6】 ...54 2.6.4.4.2.5 ラット単回投与胎盤通過試験【NL0052819,4.2.2.3.7】 ...56 2.6.4.4.2.6 ラット単回及び反復投与胎盤通過及び胎児組織分布試験 【INT00025872,4.2.2.3.8】 ...57 2.6.4.4.2.7 ラット胎児全身オートラジオグラフィー試験【INT00013814,4.2.2.3.9】 ..58 2.6.4.4.2.8 ウサギ単回投与胎盤通過試験【NL0054636,4.2.2.3.10】 ...62 2.6.4.5 代謝(動物種間の比較)...63 2.6.4.5.1 In vitro におけるラット肝細胞への取り込みと代謝【NL0053972,4.2.2.3.3】 ....63 2.6.4.5.2 In vivo における Wistar ラットの代謝分析及び代謝物同定【NL0056358,4.2.2.5.1】 ...63 2.6.4.5.3 ラット羊水中の代謝分析【INT00013814,4.2.2.3.9】 ...68 2.6.4.5.4 In vivo におけるビーグル犬の代謝分析及び代謝物同定【NL0055283,4.2.2.5.2】 ...69 2.6.4.6 排泄...73 2.6.4.6.1 雄性及び雌性 Wistar ラットに[14C]-Org 25969 又は[3H]-ロクロニウムを単回静脈 内投与,あるいは[3H]-ロクロニウム投与後に Org 25969 を投与したときの排泄 試験【NL0056358,4.2.2.5.2】...74 2.6.4.6.2 雄性及び雌性ビーグル犬に[14C]-Org 25969 を単独投与又は[3H]-ロクロニウムを 単独投与,あるいは[3H]-ロクロニウム投与後に Org 25969 を投与したときの排

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2.6.4.7 薬物動態学的薬物相互作用 ...79 2.6.4.7.1 代謝による薬物間相互作用 ...79 2.6.4.7.2 包接による薬物間相互作用 ...81 2.6.4.8 その他の薬物動態試験 ...81 2.6.4.9 考察及び結論 ...82 2.6.4.10 図表...86 2.6.4.11 参考文献一覧...87

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略号一覧

略語 英語 日本語

AUC area under the plasma concentration-time curve 血漿中濃度-時間曲線下面積 AUCinf area under the plasma concentration-time curve

from 0 to infinity

投与後無限大時間までの血漿中濃度-時間曲 線下面積

AUCt-t' area under the plasma concentration-time curve

during specific post-dose time from t to t' (time range in h or min)

投与後の時間t から t'までの血漿中濃度-時間 曲線下面積(t,t'は分又は時間)

AUClast area under the plasma concentration-time curve

from zero to the last measurable concentration

投与から定量可能な最終測定時点までの血漿 中濃度-時間曲線下面積

CL clearance クリアランス

Cmax highest concentration observed in plasma 最高血漿中濃度

CYP Cytochrome P450 チトクロームP450 C0 extrapolated initial drug concentration upon

intravenous dosing

外挿により求めた静脈内投与時の血漿中薬物 初濃度

eq equivalents of radioactivity 放射能の薬物等量 GFR glomerular filtration rate 糸球体濾過速度

GLP Good Laboratory Practice 医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施基 準

HP-β-CD hydroxypropyl-β-cyclodextrin ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン HPLC High-performance liquid chromatography 高速液体クロマトグラフィー

HPLC-MS High-performance liquid chromatography assay with mass spectrometric detection

高速液体クロマトグラフィー質量分析

λZ terminal elimination constant 終末相における消失速度定数

Me-β-CD methyl-β-CD メチル-β-シクロデキストリン MRM multiple reaction monitoring 多チャンネル選択反応モニタリング M1,M2,M3,... Radiometabolite 1, 2, 3 etc. 代謝分析で分離された放射性成分 NAUC0-t dose-normalized area under the plasma

concentration-time curve (time range in h or min)

投与量で規格化した,投与から投与後の時間t までの血漿中濃度-時間曲線下面積(t は分又 は時間)

NC0 dose-normalized extrapolated initial drug

concentration upon intravenous dosing

投与量で規格化した,外挿により求めた静脈 内投与時の血漿中薬物初濃度

NZW New Zealand White (rabbit strain) ニュージーランド白色(ウサギ系統)

TK toxicokinetics トキシコキネティクス

tmax time at which maximal concentration is reached 最高血漿中濃度到達時間

t1/2 half life 半減期

V volume of distribution (not specified) 分布容積

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定義一覧 Org 48302 Org 25969 の類縁物質である γ-シクロデキストリン誘導体 類縁物質E* Org 25969 の類縁物質( 体)であるγ-シクロデキストリン誘導体 類縁物質I* Org 25969 の類縁物質( 体)であるγ-シクロデキストリン誘導体 Org 26265 HPLC-MS 分析時に用いた内標準物質 Org 9273 HPLC-MS 分析時に用いた内標準物質

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2.6.4 薬物動態試験の概要文 2.6.4.1 まとめ Org 25969 はロクロニウムとベクロニウムによる筋弛緩作用に拮抗する選択的筋弛緩薬結合薬 である.実施した薬物動態試験を表 2.6.4-1に示す. Org 25969 に関する非臨床薬物動態データの大半は,種々の動物種を用いた毒性又は薬理試験と 併せて収集した.これら非臨床安全性試験で使用した主なげっ歯類及び非げっ歯類は,ラット及 びイヌであった.また,胚・胎児発生に関する生殖発生毒性試験はラット及びウサギを用いて実 施したため,トキシコキネティクス(以下,TK という),血漿タンパク結合及び赤血球結合,並 びに胎盤通過もこれらの動物種を用いて検討した.ロクロニウム存在下及び非存在下での単回投 与毒性試験にはネコを使用したため,この試験では Org 25969 及びロクロニウムの曝露データを 測定した.モルモットにおける薬理試験を補足するため,本動物種における血漿中ロクロニウム 濃度も測定した. 2.6.4.1.1 Org 25969 の薬物動態 2.6.4.1.1.1 吸収 Org 25969 の血漿中濃度を,ラット,モルモット,ウサギ,イヌ及びネコで検討した.個々の試 験では,わずかな性差や曝露量の用量比例性からの微小なずれが認められている場合もあるが, これらは特定の動物種について一貫して観察されるものではなく,いずれの動物種の試験でも, 全身曝露量は用量の増加に伴い直線的に増加し,雌雄動物間で大きな性差はないと考えられた. 雌雄ラットに120,500 又は 2000 mg/kg の Org 25969 を単回静脈内投与したとき,血漿中半減期 は0.3~0.7 時間と短かった.また,雌雄ラットに 8 mg/kg の[14C]-Org 25969 を単回静脈内投与した とき,血漿中放射能のクリアランスはラットの肝及び腎血漿流量より低く,糸球体濾過速度(GFR) より高かった.雌雄ラットに1.84,7.36 又は 27.6 mg/kg の Org 25969 を 2 週間反復静脈内投与し たとき,並びに,30,120 又は 500 mg/kg で 4 週間反復静脈内投与したとき,単回投与と反復投与 の間で曝露量に大きな差は認められなかった.雌雄幼若ラットに 30,120 又は 500 mg/kg の Org 25969 を 2 週間反復皮下投与したとき,単回投与時に比べて全身曝露量が小さくなったが,こ れは幼若ラットの日齢上昇に伴うGFR 増加により薬物消失が速くなったためと考えられた.雌雄 幼若ラットに30,120 又は 500 mg/kg の Org 25969 を 2 週間反復皮下投与し,引き続き 2 週間反復 静脈内投与したとき,血漿中半減期は0.3~0.4 時間であった. 妊娠ウサギ(妊娠14 日)に 20,65,200 mg/kg の Org 25969 を 9 日間反復静脈内投与したとき, Org 25969 の血漿中半減期,クリアランス及び分布容積は各投与量でほぼ同程度であった. 雌雄イヌに,2.76 mg/kg(0.92 mg/kg×3 回)又は 27.6 mg/kg(9.2 mg/kg×3 回)の Org 25969 を 30 分間隔で静脈内投与したとき,Org 25969 の血漿中半減期は 0.4~0.8 時間であった.本試験系 において,Org 25969 各投与の 2 分前にロクロニウムの前投与(0.36 mg/kg×3 回,静脈内投与) を行った場合,Org 25969 の曝露量は,Org 25969 の低用量ではほとんど変化せず,高用量におい

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程度であった.雌雄イヌにOrg 25969 を 1.84,7.36 又は 27.6 mg/kg で 2 週間反復静脈内投与した とき,並びに,25,80 又は 250 mg/kg で 3 週間反復静脈内投与したとき,単回投与時と反復投与 時で曝露量に差はなかった. 雌雄ネコに,30 分間隔で 0.5 mg/kg×3 回のロクロニウムを静脈内投与し,各ロクロニウム投与 2 分後に 1 mg/kg×3 回又は 10 mg/kg×3 回の Org 25969 を静脈内投与した.このとき,ロクロニウ ムの前投与はOrg 25969 の薬物動態に影響しなかった. 2.6.4.1.1.2 分布 ラット,ウサギ,ネコ,イヌ及びヒト(いずれも雄性/男性)の血漿タンパク質及び赤血球に 対する結合性を in vitro で検討した.[14C]-Org 25969 は 0~125 µM(約 0~250 µg/mL)の薬物濃度 で血漿タンパク質に結合せず,0~250 µM(約 0~500 µg/mL)の薬物濃度で赤血球に結合しなか った.また,雄ラットの肝細胞への取り込みを in vitro で検討したところ,[14C]-Org 25969 の肝細 胞への取り込み量は最大でも2.4%と低かった. 雌雄白色ラットに,8 mg/kg の[14C]-Org 25969 を単回静脈内投与したとき,放射能は体内の広範 囲へ急速に分布した.最も高濃度に分布した組織は大腿骨関節及び大腿骨であり,次いで腎臓, 膀胱,前立腺(雄)及び腟(雌)であった.また,血液-脳関門の通過はほとんど認められなか った.雌雄有色ラットに8 mg/kg の[14C]-Org 25969 を単回静脈内投与したとき,眼における放射能 濃度は白色ラットと同程度であった. 雄性ラットに8.6 mg/kg の[14C]-Org 25969 を単回静脈内投与したとき,投与後 24 時間における 組織1g 中放射能の投与量に対する割合は,種々の骨で 1.1~1.9%,切歯で 0.45%であった.また, ミクロオートラジオグラフィーにより肩甲骨及び大腿骨における放射能の局所分布を検討したと ころ,いずれの骨でも,放射能は,皮質骨の骨膜及び骨内膜又はその付近,並びに骨梁の骨内膜 又はその付近に局在し,骨端軟骨板及びその直近に最近形成された骨梁にはほとんど認められな かった. 雌雄ラットに [14C]-Org 25969 を静脈内投与し,骨及び歯への分布をさらに検討した.30,120 又は400 mg/kg の単回静脈内投与で,投与後 24 時間の骨及び歯中の放射能濃度は,投与量の増加 に伴い非直線的に増加した.30 mg/kg/日の 28 日間反復静脈内投与(種々測定時点における最終投 与時に[14C]-Org 25969 を使用)では,骨中放射能濃度は投与 3 日目までほぼ一定で,その後は経 時的に減少した.種々週齢のラットに30 mg/kg の[14C]-Org 25969 を単回静脈内投与したとき,骨 及び歯へのOrg 25969 の結合率(組織あたり)は,ラットの週齢上昇に伴い低下した.また,30 mg/kg の[14C]-Org 25969 を単回静脈内投与した直後にロクロニウム(Org 25969 の約半分のモル量)を投 与すると,骨及び臼歯中放射能濃度はロクロニウム非存在下に比べて減少した. 妊娠ラット及びウサギに20 mg/kg の[14C]-Org 25969 を単回静脈内投与し,胚・胎児へと移行す る放射能を測定した.胚又は胎児あたりの放射能の投与量に対する割合は,妊娠11 日のラットで 0.0037~0.0244%,妊娠 16 日のラットで 0.0010~0.0012%,妊娠 10 日のウサギで 0.0085~0.0196%, 妊娠17 日のウサギで 0.0001~0.0003%と低かった.妊娠ラットに,500 mg/kg の[14C]-Org 25969 を 単回,5 日間反復又は 15 日間反復静脈内投与したところ,胎児中放射能濃度は単回投与時に比べ 反復投与時に高く,反復5 日間投与で定常状態に達することが示唆された.また,500 mg/kg/日の [14C]-Org 25969 を 15 日間反復回静脈内投与したときの胎児組織中放射能分布をオートラジオグラ

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フィーにより検討したところ,放射能は大部分が骨及び排泄器官に局在し,心臓,脳又は肺など の重要器官系に放射能の蓄積は認められなかった. 2.6.4.1.1.3 代謝 雄ラット肝細胞を用いた[14C]-Org 25969 の in vitro 取り込み試験において,3 時間の試験時間中 に代謝物の生成は認められなかった. 雌雄ラットに 8 mg/kg の[14C]-Org 25969 を単回静脈内投与し,血漿,尿及び糞試料の代謝分析 を行った.いずれの試料においても,成分 M6,M7 及び M8 の存在が認められ,M8 が主要成分 であった.M8 はクロマトグラフィー上で Org 25969 の未変化体と同時に溶出した.M6 及び M7 は, 体のγ-シクロデキストリン類縁物質である類縁物質 E*及び類縁物質 I*と同 時に溶出し,尿試料を用いてその同定がされている.その他の成分は,分離度が低く,極めて微 量であった.ラット血漿試料中のM8 の割合は,25 分後に雄で 59%及び雌で 38%であり,1 時間 後にはそれぞれ83%及び 80%であった.血漿試料中の M6 及び M7 の割合は,それぞれ 9~15%及 び10~25%であった.ラット尿試料中の M8 の割合は,雄で 53~75%,雌で 49~80%であり,M6 及びM7 の割合は 5~10%及び 5~12%であった.ラット糞試料中で,M8 の割合は雄で 50~57%, 雌で46~56%であり,M6 及び M7 の割合は,9~11%及び 5~8%であった. 雌雄イヌに 8 mg/kg の[14C]-Org 25969 を単回静脈内投与し,血漿及び尿試料の代謝分析を行っ た.いずれの試料においても,成分 M2,M3 及び M4 の存在が認められ,M4 が主要成分であっ た.M4 はクロマトグラフィー上で Org 25969 の未変化体と同時に溶出した.M2 及び M3 は, 体のγ-シクロデキストリン類縁物質である類縁物質 E*及び類縁物質 I*と同時に溶 出した.その他の成分は分離度が低く極めて微量であった.イヌ血漿試料中の M4 の割合は雄で 56~73%,雌で 46~77%であり,M2 及び M3 の割合は 4~20%及び 13~21%であった.イヌ尿試 料中のM4 の割合は,雄で 76~84%,雌で 86~88%であり,M2 及び M3 の割合は 4~10%及び 6 ~13%であった. なお,上記の[14C]-Org 25969 以外に認められたピークは,投与液中の類縁物質 E*及び類縁物質 I*の存在,及び/又は,尿及び血漿サンプルの採取後の酸化/変化によるものであったことが示 唆されている. 2.6.4.1.1.4 排泄 雌雄ラット及びイヌに 8 mg/kg の[14C]-Org 25969 を単回静脈内投与して放射能の排泄を検討し た.ラットでは投与後168 時間で,尿中に雄及び雌で 78.48 及び 78.86%,糞中に雄及び雌で 4.22 及び6.82%の放射能が排泄された.イヌでは投与後 168 時間で,尿中に雄及び雌で 87.91 及び 87.20%, 糞中に雄及び雌で0.33 及び 0.80%が排泄された.いずれの動物種でも放射能のほとんどが尿中に 排泄され,排泄経路及び排泄率に性差は認められなかった. 授乳雌ラット(出産後9 日)に 20 mg/kg の[14C]-Org 25969 を単回静脈内投与したところ,放射 能の乳汁中への移行が認められ,濃度は投与後約 30 分で最大になった.投与後 30 分以降の血漿 /乳汁中濃度比はおよそ1 であった.

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2.6.4.1.2 Org 25969 がロクロニウムの薬物動態特性に及ぼす影響 2.6.4.1.2.1 吸収(Org 25969 がロクロニウムの吸収に及ぼす影響)

雌雄ラットに 2 mg/kg の [3H]-ロクロニウムを単回静脈内投与し,その 5 分後に 8 mg/kg の Org 25969 を単回静脈内投与したときの,放射能の血漿中薬物動態を[3H]-ロクロニウム単独投与時 と比較した.[3H]-ロクロニウム投与後の全身放射能曝露量(AUClast)は Org 25969 投与時に顕著

に増大し(約50%),血漿クリアランスは減少した. 雄性モルモットに,ロクロニウムを 12 nmol/kg/min の投与速度で静脈内に持続注入して筋弛緩 が 90%となる定常状態を保つようにした.ロクロニウム投与開始の 30 分後から Org 25969 を 50 nmol/kg/min の投与速度で静脈内持続注入したところ,Org 25969 投与開始前に対する血漿中ロ クロニウム濃度の有意な上昇が認められた. 雌雄イヌに,0.36 mg/kg×3 回のロクロニウムを 30 分間隔で静脈内投与し,各投与の 2 分後に 2.76 mg/kg(0.92 mg/kg×3 回)又は 27.6 mg/kg(9.2 mg/kg×3 回)の Org 25969 を静脈内投与した. 高用量(9.2 mg/kg×3 回)の Org 25969 を併用したときに,低用量(0.92 mg/kg×3 回)併用時と 比べて,ロクロニウムの曝露量は増加した.また,雌雄イヌに 0.36 mg/kg の [3H]-ロクロニウム を単回静脈内投与し,その10 分後に 8 mg/kg の Org 25969 を単回静脈内投与したときの血漿中放 射能濃度を,[3H]-ロクロニウム単独投与時と比較した.Org 25969 併用時では,[3H]-ロクロニウム 単独投与時に比べて放射能の曝露量が約2 倍に増大し,クリアランス及び分布容積がいずれも減 少した. 2.6.4.1.2.2 分布(Org 25969 がロクロニウムの分布に及ぼす影響) [3H]-ロクロニウムのラット,ウサギ,ネコ,イヌ及びヒト血漿タンパクへの結合は,共存する Org 25969 濃度の増加に依存して低下した.ロクロニウムと Org 25969 のモル濃度比がほぼ 1 とな ったときに結合率が0%となったことから,Org 25969/ロクロニウム包接体も Org 25969 と同様に 血漿タンパクに結合しないと考えられた.また,ロクロニウムは,Org 25969 の存在によらず,男 性ヒト赤血球に結合しなかった. 雌雄ラットに2 mg/kg の[3H]-ロクロニウムを単回静脈内投与し,ロクロニウム投与の 5 分又は 15 分後に 8 mg/kg の Org 25969 を単回静脈内投与した.放射能の組織分布は,[3H]-ロクロニウム 単独静脈内投与時と[3H]-ロクロニウム投与後 5 分又は 15 分に Org 25969 を投与したときとで同様 のパターンを示した. 妊娠ラットに 0.3 mg/kg の[3H]-ロクロニウムを単回静脈内投与し,その 3 分以内に 2 mg/kg の Org 25969 を静脈内投与したときの胚・胎児中放射能を,[3H]-ロクロニウム単独投与時と比較した. 妊娠10 日では,放射能濃度の胚・胎児/母体血漿比に関し,ロクロニウム単独投与よりも Org 25969 との併用時の方が低かったが,妊娠16 日ではこの差は認められなかった. 妊娠ウサギに0.02 mg/kg の [3H]-ロクロニウムを単回静脈内投与し,その 3 分以内に 0.2mg/kg の Org 25969 を静脈内投与したときの胚・胎児中放射能を,[3H]-ロクロニウム単独投与時と比較 した.胚・胎児中放射能は,妊娠10 日ではロクロニウム単独投与時より Org 25969 併用時でわず かに高かったが,妊娠17 日ではこの差は認められなかった.

(12)

2.6.4.1.2.3 代謝(Org 25969 がロクロニウムの代謝に及ぼす影響) ロクロニウムはほとんど代謝されないため,Org 25969 のロクロニウム代謝に及ぼす影響は検討 しなかった. 2.6.4.1.2.4 排泄(Org 25969 がロクロニウムの排泄に及ぼす影響) 雌雄ラットに 2 mg/kg の[3H]-ロクロニウムを単回静脈内投与し,その 5 分後に 8 mg/kg の Org 25969 を投与したときの放射能排泄を,[3H]-ロクロニウム単独投与時と比較した.[3H]-ロクロ ニウム単独投与時は,放射能の尿中排泄率(投与量に対する%)が雄及び雌で 10.27 及び 9.75%で あったが,Org 25969 併用時は雄及び雌で 14.43 及び 14.09%と増加した.一方,放射能の糞中排泄 率については,Org 25969 併用による顕著な影響は認められなかった. 雌雄イヌに 0.36 mg/kg の[3H]-ロクロニウムを単回静脈内投与し,その 10 分後に 8 mg/kg の Org 25969 を静脈内投与したときの放射能排泄を,[3H]-ロクロニウム単独投与時と比較した.[3 H]-ロクロニウム単独投与時は,放射能の尿中排泄率(投与量に対する%)が雄及び雌で 14.04 及び 12.89%であったが,Org 25969 併用時は雄及び雌で 32.52 及び 32.59%と増加した.また,放射能 の糞中排泄率については,単独投与時(雄及び雌で71.04 及び 72.20%)に比べ併用時(雄及び雌 で54.86 及び 55.47%)で減少した. 2.6.4.1.3 Org 48302 の薬物動態

雌雄ラットに,Org 25969(Org 48302 を %含有するロット AE)を 120,500 又は 2000 mg/kg (Org 48302 として , 又は mg/kg)で単回静脈内投与したところ,Org 48302 の血漿中濃 度は,雌雄で同等であった.また,Org 25969 と Org 48302 とで血漿中薬物濃度推移のパターンは 類似していた.

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表 2.6.4-1 非臨床薬物動態試験の一覧表 動物種(系統) 投与量(mg/kg)a),動物数/群 投与経路,投与期 間 主要評価項目 報告書番号 吸収 ラット(Wistar) 0,120,500,2000 雌雄各6 静脈内,単回 AUC, C0, t1/2, V, CL (Org 25969 及び Org 48302) INT00007462 ラット(Wistar) 0 + 8*, 2# + 0, 2# + 8 (ロクロニウム+Org 25969) 雌雄各3 静脈内,単回 AUC, C0, t1/2(初期相 及び終末相), λZ ,V, CL NL0056358 ラット(Wistar) 0,1.84,7.36,27.6 雌雄各10 静脈内,2 週間 AUC, C0, t1/2, V, CL NL0028244 ラット(Wistar) 0,30,120,500 雌雄各10 静脈内,4 週間 AUC, C0, t1/2, V, CL NL0043521 幼若ラット (Wistar) 0,30,120,500 雌雄各40

皮下,2 週間 AUC, Cmax, t1/2, tmax INT00029851

幼若ラット (Wistar) 0,30,120,500 雌雄各24 皮下,2 週間 → 静脈内,2 週間 AUC, Cmax or C0, t1/2, V, CL INT00038389 モルモット (Dunkin-Hartley) 12 + 0 (nmol/kg/min), 12 + 50 (nmol/kg/min), (ロクロニウム+Org 25969) 雄6 静脈内持続注入 Org 25969 投与開始 後0, 10, 20, 30 分の血 漿中濃度 INT00008139 妊娠ウサギ(NZW) 0,20,65,200 雌5 静脈内,9 日間 AUC, C0, t1/2, V, CL NL0043447 麻酔イヌ (ビーグル) 0 + 0.92×3 回, 0 + 9.2×3 回, 0.36×3 回 + 0.92×3 回, 0.36×3 回 + 9.2×3 回 (ロクロニウム+Org 25969 b) 雌雄各4 静脈内,単回 (30 分間隔 3 分割 投与) AUC, C0, t1/2の概算値 (Org 25969 及びロ クロニウム) NL0034953 麻酔イヌ (ビーグル) 0.36×3 回 + 0.92×3 回 3.6×3 回 + 13×3 回 18×3 回 + 65×3 回 (ロクロニウム+Org 25969 b) 雌雄各4 静脈内,単回 (30 分間隔 3 分割 投与) AUC, Cmax, t1/2の概算 値(Org 25969 及びロ クロニウム) INT00035242 イヌ (ビーグル) 0 + 8*, 0.36# + 0, 0.36# + 8 (ロクロニウム+Org 25969) 雌雄各3 静脈内,単回 AUC, C0, t1/2(初期相 及び終末相),λZ ,V, CL NL0055283 イヌ (ビーグル) 0,1.84,7.36,27.6 雌雄各4 静脈内,2 週間 AUC, C0, t1/2, V, CL NL0026533 イヌ (ビーグル) 0,25,80,250 雌雄各3 静脈内,3 週間 AUC, C0, t1/2, V, CL INT00025068 AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積,C0:外挿により求めた静脈内投与時の血漿中薬物初濃度,t1/2:半減期,V:分布容積,

CL:クリアランス,λZ:終末相における消失速度定数,NZW:New Zealand White

a) 特記しない限り,投与量は活性成分の量として示した.* 及び # は放射標識体の投与を示す(*:[14C]-Org 25969,#:[3

H]-ロクロニウム).

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表 2.6.4-1 非臨床薬物動態試験の一覧表 (続き) 動物種(系統) 投与量(mg/kg)a),動物数/群 投与経路,投与期 間 主要評価項目 報告書番号 吸収(続き) 麻酔ネコ 0 + 1×3 回, 0 + 10×3 回, 0.5×3 回 + 1×3 回 0.5×3 回 + 10×3 回 (ロクロニウム+Org 25969 b) 雌雄各4 静脈内,単回 (30 分間隔 3 分割 投与) AUC, C0の概算値 NL0037029 分布(in vitro) ラット,ウサギ, ネコ,イヌ,ヒト 血漿タンパク 0 μM + 0~125* μM, 0~11.1# μM + 0 μM, 0.24#11.1# μM + 0~12.5 μM (ロクロニウム+Org 25969) In vitro,3 時間イ ンキュベーショ ン 血漿タンパク結合率 NL0046285 ラット,ウサギ, ネコ,イヌ,ヒト 赤血球 0 μM + 0~250* μM 3.1# μM + 0 μM 3.1# μM + 0.8~12.4 μM (ロクロニウム+Org 25969) In vitro,5 及び 60 分間インキュベ ーション 赤血球結合率 NL0047787 ラット肝細胞 6*,100* μM In vitro,3 時間イ ンキュベーショ ン(4 及び 37℃) 肝細胞取り込み,細 胞生存能,代謝安定 性/代謝物プロファ イル NL0053972 分布(in vivo) ラット(Wistar 及 びLister Hooded) 0 + 8* (A), 2# + 0 (B), 2# + 8 (C, D) (ロクロニウム+Org 25969 c) 雌雄各3 静脈内,単回 Org 25969 の組織分 布(A),ロクロニウ ムの組織分布(B, C, D) NL0056358 ラット(Wistar) 8.6* 雄3 静脈内,単回及び 反復 骨,歯,軟骨等への 分布 INT00010275 幼若,若齢成熟又 は高齢ラット (Wistar) 30*,120*,400* 雌雄各3 静脈内,単回及び 反復 骨,歯への分布 INT00033724 ラット(Wistar) 8.6* 雄3 静脈内,単回 大腿骨,肩甲骨のミ クロオートラジオグ ラフィー(投与後1, 21,84 日) INT00029186 妊娠ラット (Sprague Dawley) 0 + 20*, 0.3# + 0 0.3# + 2 (ロクロニウム+Org 25969) 雌3~4 静脈内,単回(妊 娠10,11,16 日目) 胎盤通過 (Org 25969 又はロ クロニウム) NL0052819 妊娠ラット (Sprague Dawley) 30*,500* 雌3 静脈内,1,5,15 日間 胎盤通過,胎児組織 分布 INT00025872 ラット胎児 (Sprague Dawley) 500* 雌6 静脈内,15 日間 (妊娠6~20 日 目) 胎児全身オートラジ オグラフィー INT00013814 AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積,C0:外挿により求めた静脈内投与時の血漿中薬物初濃度,t1/2:半減期,V:分布容積, CL:クリアランス,λZ:終末相における消失速度定数

(15)

表 2.6.4-1 非臨床薬物動態試験の一覧表 (続き) 動物種(系統) 投与量(mg/kg)a),動物数/群 投与経路,投与期 間 主要評価項目 報告書番号 分布(in vivo)(続き) ウサギ(NZW) 0 + 20* 0.02# + 0 0.02# + 0.2 (ロクロニウム+Org 25969) 雌3~5 静脈内,単回 胎盤通過 (Org 25969 又はロ クロニウム) NL0054636 代謝 ラット肝細胞 6*,100* μM In vitro,3 時間イ ンキュベーショ ン(4 及び 37℃) 肝細胞取り込み,細 胞生存能,代謝安定 性/代謝物プロファ イル NL0053972 ラット(Wistar) 8* 静脈内,単回 代謝物プロファイル 及び代謝物の同定 NL0056358 ラット(Sprague Dawley) 500* 雌3~4(プール試料) 静脈内,1,5,15 日間 羊水中の代謝物プロ ファイル INT00013814 イヌ (ビーグル) 8* 雌雄各3 静脈内,単回 代謝物プロファイル 及び代謝物の同定 NL0055283 排泄 ラット(Wistar) 0 + 8* (A) 2# + 0 (B) 2# + 8 (C)b) (ロクロニウム+Org 25969) 雌雄各3 静脈内,単回 Org 25969(A)及び ロクロニウム(B, C) の排泄 NL0056358 ラット(Wistar) 8.6* 雄3 静脈内,単回及び 反復 尿中排泄 INT00010275 イヌ (ビーグル) 0 + 8* (A) 0.36# + 0 (B) 0.36# + 8 (C)c) (ロクロニウム+Org 25969) 雌雄各3 静脈内,単回 Org 25969(A)及び ロクロニウム(B, C) の排泄 NL0055283 授乳ラット (Sprague Dawley) 20* 静脈内,単回(出 産後9 日目) 乳汁中排泄 NL0051934

NZW:New Zealand White

a) 特記しない限り,投与量は活性成分の量として示した.* 及び # は放射標識体の投与を示す(*:[14C]-Org 25969,#:[3

H]-ロクロニウム).

b) ロクロニウムの投与後 5 分に Org 25969 を投与した. c) ロクロニウムの投与後 10 分に Org 25969 を投与した

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2.6.4.2 分析法 Org 25969 及び/又は Org 48302 の濃度はバリデートされた分析法で測定した. Org 25969 単独の測定には,高速液体クロマトグラフィー質量分析(以下,HPLC-MS という) 法を用いた.本法が適用された生体試料(試験)は以下のとおりである:ラット血漿【NL0027301, 4.2.2.1.1】【INT00005927,4.2.2.1.2】,ウサギ血漿【NL0043948,4.2.2.1.4】,イヌ血漿【NL0026185, 4.2.2.1.5】,【INT00011930,4.2.2.1.6】及びネコ血漿【NL0035463,4.2.2.1.9】.これらの測定法のう ち,ネコ血漿試料については,ロクロニウムの測定法も含まれる.さらに,ラット試料中の Org 48302 の測定もバリデートされた分析法【INT00006131,4.2.2.1.3】を使用した.また,イヌ 単回投与試験では血漿中のロクロニウムも測定したが,これに関してもバリデートされた分析法 【NL0034322,4.2.2.1.7】【INT00018080,4.2.2.1.8】を使用した.モルモットを用いた薬理試験で は,血漿中のロクロニウムを測定するためにHPLC-MS 法(GLP の下ではバリデートされていな い)を使用した【INT00008139,4.2.1.1】. さらに,非臨床試験の動物種及びヒトの種々の生体試料において,オフライン分取式又はフロ ースルー式の放射能検出による高速液体クロマトグラフィー(以下,HPLC という)システム又 は,液体シンチレーションカウンターを用いて[14C]-Org 25969 及び類縁化合物を測定した 【NL0056358,4.2.2.5】,【INT0055283,4.2.2.5.2】,【NL0046285,4.2.2.3.1】,【NL0047787,4.2.2.3.2】, 【NL0053972,4.2.2.3】,【INT00010275,4.2.2.3.4】,【INT00033724,4.2.2.3.5】,【NL0052819, 4.2.2.3.7 】,【 INT00025872 , 4.2.2.3.8 】,【 INT00013814 , 4.2.2.3.9 】,【 NL0054636 , 4.2.2.3.10 】, 【NL0051934,4.2.2.5.3】,【050351 試験,5.3.3.1.6】.なお,放射能の定量下限は,バックグラウン ド値(40~50dpm)の 2 倍とした(2 Bq 相当).

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表 2.6.4-2 バリデートされた生体試料分析法の概要 動物種 測定法 報告書番号 分析物質 定量下限 (ng/mL) 当該測定法を用いた薬物動態試験 HPLC-MS NL0027301 Org 25969 183 7130a) 2 週間静脈内投与試験(NL0028244) 4 週間静脈内投与試験(NL0043521) HPLC-MS INT00005927 Org 25969 1000 単回静脈内投与試験(INT00007462)

幼若動物2 週間皮下投与試験 (INT00029851)

幼若動物4 週間静脈内/皮下投与試験 (INT00038389)

ラット

HPLC-MS INT00006131 Org 48302 200 単回静脈内投与試験(INT00007462) モルモット HPLC-MS INT00008139 ロクロニウム 25 静脈内持続注入試験(INT00008139) ウサギ HPLC-MS NL0043948 Org 25969 2000 生殖発生毒性試験(NL0043447) HPLC-MS NL0026185 Org 25969 91.6 183b) 単回静脈内投与試験(NL0034953) 2 週間静脈内投与試験(NL0026533) HPLC-MS INT00011930 Org 25969 1000 3 週間静脈内投与試験(INT00025068)

単回静脈内投与試験(INT00035242) HPLC-MS NL0034322 ロクロニウム 9.56 単回静脈内投与試験(NL0034953) イヌ HPLC-MS INT00018080 ロクロニウム 100 単回静脈内投与試験(INT00035242) ネコ HPLC-MS NL0035463 Org 25969 ロクロニウム 410 19.1 単回静脈内投与試験(NL0037029) a) 4 週間静脈内投与試験に適合させた時の値 b) 2 週間静脈内投与試験に適合させた時の値

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2.6.4.2.1 ラット血漿中の Org 25969 を測定する HPLC-MS 法のバリデーション【NL0027301, 4.2.2.1.1】 HPLC-MS 法を用いて,ラット血漿中の Org 25969 を測定する分析法を開発し,バリデートした. トリフルオロ酢酸10 µL を用いた除タンパク及びその後の Nexus Abselut カートリッジを用いた 固相抽出法によりラット血漿0.1 mL から Org 25969 及びその内標準物質(Org 26265)を単離し, 液体クロマトグラフィー-ターボイオンスプレー質量分析法により定量した.ラット血漿中で Org 25969 は 183~36640 ng/mL のダイナミックレンジで選択的に測定可能であった.検量線は, (1/濃度)二乗回帰法により算出した. ラット 4 週間静脈内投与試験【NL0043521,4.2.3.2.3】では,本分析法を 7130~713000 ng/mL のダイナミックレンジに適合させた. 2.6.4.2.2 ラット EDTA 血漿及び血清中の Org 25969 を測定する HPLC-MS 法のバリデーション 【INT00005927,4.2.2.1.2】 HPLC-MS 法を用いて,ラット血漿及び血清中の Org 25969 を測定する分析法を開発し,バリデ ートした.固相抽出法(HAX カートリッジ使用)によりラット血漿又は血清 0.025 mL から Org 25969 及びその内標準物質(Org 26265)を単離し,その後多チャンネル選択反応モニタリン グ(multiple reaction monitoring;以下,MRM という)による HPLC-MS 分析を,MRM モードの ターボイオンスプレーを用いて行った.ラット血漿及び血清中でOrg 25969 は 1000~400000 ng/mL のダイナミックレンジで選択的に測定可能であった.検量線は重み係数1/Y2の加重線形回帰法に より算出した. 2.6.4.2.3 ラ ッ ト EDTA 血 漿 中 の Org 48302 を 測 定 す る HPLC-MS 法 の バ リ デ ー シ ョ ン 【INT00006131,4.2.2.1.3】 HPLC-MS 法を用いて,ラット血漿中の Org 48302 を測定する分析法を開発し,バリデートした. 固相抽出法(HAX カートリッジ使用)によりラット血漿 0.025 mL から Org 48302 及びその内標準 物質(Org 26265)を単離し,その後 MRM による HPLC-MS 分析を,MRM モードのターボイオ ンスプレーを用いて行った.ラット血漿中でOrg 48302 は 200~20000 ng/mL のダイナミックレン ジで選択的に測定可能であった.検量線は重み係数1/Y2の加重線形回帰法により算出した.

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2.6.4.2.4 ウサギ血漿中の Org 25969 を測定する HPLC-MS 法のバリデーション【NL0043948, 4.2.2.1.4】

HPLC-MS 法を用いて,ウサギ血漿中の Org 25969 を測定する分析法を開発し,バリデートした. Nexus Abselut カートリッジを用いた固相抽出法によりウサギ血漿 0.1 mL から Org 25969 及びそ の内標準物質(Org 26265)を単離し,液体クロマトグラフィー-陰イオンスプレー質量分析法に より定量した.ウサギ血漿中でOrg 25969 は 2000~400000 ng/mL のダイナミックレンジで選択的 に測定可能であった.検量線は(1/濃度)二乗回帰法により算出した. 2.6.4.2.5 イヌ血漿中の Org 25969 を測定する HPLC-MS 法のバリデーション【NL0026185, 4.2.2.1.5】 HPLC-MS 法を用いて,イヌ血漿中の Org 25969 を測定する分析法を開発し,バリデートした. トリフルオロ酢酸100 µL を用いた除タンパク及びその後の Nexus Abselut カートリッジを用い た固相抽出法によりイヌ血漿 1 mL から Org 25969 及びその内標準物質(Org 26265)を単離し, 液体クロマトグラフィー-ターボイオン(陰)スプレー質量分析法により定量した.イヌ血漿中 でOrg 25969 は 91.6~9160 ng/mL のダイナミックレンジで選択的に測定可能であった.検量線は (1/濃度)二乗回帰法により算出した. イヌ2 週間反復投与試験【NL0026533,4.2.3.2.5】では,血漿 0.5 mL に対してトリフルオロ酢 酸 50 µL を用いた除タンパク及びその後の固相抽出を前処理とし,その結果,ダイナミックレン ジは183~36640 ng/mL であった. 2.6.4.2.6 イ ヌ EDTA 血 漿 中 の Org 25969 を 測 定 す る HPLC-MS 法 の バ リ デ ー シ ョ ン 【INT00011930,4.2.2.1.6】 HPLC-MS 法を用いて,イヌ血漿中の Org 25969 を測定する分析法を開発し,バリデートした. 固相抽出法(HAX カートリッジ使用)によりイヌ血漿 0.025 mL から Org 25969 及びその内標準 物質(Org 26265)を単離し,その後 MRM による HPLC-MS 分析を,MRM モードのターボイオ ンスプレーを用いて行った.イヌ血漿中でOrg 25969 は 1000~400000 ng/mL のダイナミックレン ジで選択的に測定可能であった.検量線は重み係数1/Y2の加重線形回帰法により算出した.ロク ロニウム存在下では,ロクロニウム濃度が血漿1 mL あたり 500 µg になるまで測定への影響は認 められなかった.

(20)

2.6.4.2.7 イ ヌ 血 漿 中 の ロ ク ロ ニ ウ ム の 濃 度 を 測 定 す る HPLC-MS 法 の バ リ デ ー シ ョ ン (Org 25969 によるロクロニウム濃度測定への干渉の評価を含む)【NL0034322, 4.2.2.1.7】【INT00018080,4.2.2.1.8】 HPLC-MS 法を用いて,イヌ血漿中のロクロニウムを測定する分析法を開発し,バリデートした 【NL0034322,4.2.2.1.7】.Nexus Abselut カートリッジを用いた固相抽出法によりイヌ血漿 0.5 mL からロクロニウム及びその内標準物質(Org 9273)を抽出し,液体クロマトグラフィー-ターボ イオン(陽)スプレー質量分析法により定量した.イヌ血漿中でロクロニウムは9.56~956 ng/mL のダイナミックレンジで選択的に測定可能であった.検量線は加重(1/濃度)二乗回帰法により 算出した. また,イヌ EDTA 血漿中のロクロニウム濃度に関しては,除タンパク試料の MRM による HPLC-MS 分析による別の測定法も開発しバリデートした【INT00018080,4.2.2.1.8】.本測定法は, イヌ単回投与毒性/TK 試験【INT00035242,4.2.3.1.10】において,より広い定量範囲をカバーす るために用いられた.タンパク沈殿法により,イヌEDTA 血漿からロクロニウム及びその内標準 物質(Org 9273)を抽出し,HPLC-MS 分析を,MRM モードのターボイオンスプレーを用いて行 った.イヌ血漿中でロクロニウムは 100 ng/mL~10 µg/mL のダイナミックレンジで選択的に測定 可能であった.検量線は二次回帰法(1/Y2)により算出した. また,いずれの分析法でも,Org 25969 はロクロニウムの濃度測定に干渉しなかった. 2.6.4.2.8 ネコ血漿中の Org 25969 及びロクロニウムを測定する HPLC-MS 法のバリデーション 【NL0035463,4.2.2.1.9】 HPLC-MS 法を用いて,ネコ血漿中の Org 25969 及びロクロニウムを測定する分析法を開発し, バリデートした.

Nexus Abselut カートリッジを用いた固相抽出法によりネコ血漿 0.1 mL から Org 25969 及びその 内標準物質(Org 26265)を単離し,液体クロマトグラフィー-ターボイオン(陰)スプレー質量 分析法により定量した.ネコ血漿中でOrg 25969 は 410~82000 ng/mL のダイナミックレンジで選 択的に測定可能であった. Nexus Abselut カートリッジを用いた固相抽出法によりネコ血漿 0.1 mL からロクロニウム及び その内標準物質(Org 9273)を単離し,液体クロマトグラフィー-ターボイオン(陽)スプレー 質量分析法より定量した.19.1~3824 ng/mL の濃度範囲にわたる検量線を用いて血漿中のロクロ ニウム濃度を測定した.検量線は加重(1/濃度2)二乗回帰法により算出した. 分析条件下でOrg 25969 はロクロニウムの濃度測定に干渉せず,ロクロニウムも Org 25969 の濃 度測定に干渉しなかった.

(21)

2.6.4.3 吸収 Org 25969 を静脈内投与したときの薬物動態データは,ラット,妊娠ウサギ,イヌ,ネコを用い た毒性試験と併せて収集した(表 2.6.4-1を参照).さらに,モルモットを用いて薬物動態試験を 実施し,本動物種における薬理試験を補足した.Org 25969 の薬物動態は単回投与後に検討され, ほとんどの場合は反復投与後にも検討されている.一般的に薬物動態を検討した用量域は広く, 臨床用量域を超えている.TK 試験では,ラット,ウサギ及びネコについては時点間で異なる個体 から試料を採取して毒性試験の推定曝露量を算出した.イヌについては,個々の動物につき連続 採血して薬物濃度推移曲線を描出した.幼若ラットを用いた試験では,生後1~3 週齢のラットで 単回及び反復皮下投与時の動態を評価した.さらに,生後7 日から 2 週間の皮下投与に続き 2 週 間の静脈内投与を行った 5 週齢のラットを用いて,反復静脈内投与時の薬物動態が検討されてい る.非臨床動物種における薬物濃度推移測定では,1 時点あたりの試料数は 1~4(幼若動物は n = 2~3)とし,7~10 時点で測定した.これにより信頼性のある曝露量が推定できるものと考えら れる.

Org 25969 及び類縁物質である Org 48302 の動態を比較するため,Org 48302 を %(Org 25969 の活性成分に対して)含有するOrg 25969 ロット AE を用いて,ラットに単回投与したときの両化 合物の薬物動態を比較した【INT00007462,4.2.2.2.1】. ラット4 週間反復投与試験【NL0059534,4.2.3.2.4】及びイヌ 4 週間反復投与試験【NL0043937, 4.2.3.2.6】においても TK 評価を行ったが,これらの試験では,生体試料分析に関して GLP に準 拠していない部分があった.Org 25969 と Org 48302 の薬物動態比較をこのラット 4 週間反復投与 試験で実施していたため,別途GLP 下でラット単回投与 TK 試験【INT00007462,4.2.2.2.1】を実 施し両化合物の薬物動態を比較検討した.また,前記のイヌ4 週間反復投与毒性試験【NL0043937, 4.2.3.2.6】に関しては,別途イヌ 3 週間 TK 試験【INT00025068,4.2.2.2.2】を実施し,本動物種に おけるGLP に準拠した曝露データを入手した. イヌ【NL0034953,4.2.3.1.9】【INT00035242,4.2.3.1.10】及びネコ【NL0037029,4.2.3.1.11】の 単回投与試験において,ロクロニウムの前投与なし又は前投与後の Org 25969 の薬物動態が検討 されている.これにより Org 25969 がロクロニウムの血漿中薬物動態全体に及ぼす影響及びロク ロニウムが Org 25969 の血漿中薬物動態全体に及ぼす影響を検討することができた.さらに,麻 酔ネコ試験【NL0037029,4.2.3.1.11】,麻酔イヌ試験【NL0034953,4.2.3.1.9】及び[3H]-ロクロニウ ムを用いたイヌ試験【NL0055283,4.2.2.5.2】において,Org 25969 がロクロニウムの薬物動態に 及ぼす影響を検討した.

(22)

全体として,Org 25969 の薬物動態の特徴は,静脈内投与後迅速に分布し,分布容積が小さく主 として細胞外液中に分布すると考えられることである.いずれの動物種の試験でも,全身曝露量 (AUC 及び C0又はCmax)は用量の増加に伴い直線的に増加しi,雌雄動物間で大きな性差は認め られなかった(表 2.6.4-4及び図 2.6.4-2).単回投与後と反復投与後では,曝露量はほぼ同等であ った.クリアランスは迅速であったが,放射能の終末相半減期は HPLC-MS 法で定量した未変化 体(Org 25969)の動態から得られた値に比べてはるかに長かった.これは HPLC-MS 法と放射能 測定の定量下限の差によるものであると考えられる.あるいは,この長い終末相半減期のテーリ ングは深いコンパートメントからの緩徐な消失を示している可能性もある.クリアランスに関す る種間比較(表 2.6.4-3)から,排泄速度は概ねアロメトリックモデルに従い,腎消失速度は糸球 体濾過速度(以下,GFR という)とほぼ同じであった. 表 2.6.4-3 ラット,ウサギ,イヌ及びヒトにおける Org 25969 の 平均薬物動態パラメータの比較 動物種 ラット (NL0043521) ウサギ (NL0043447) イヌ (NL00025068) ヒト 投与量 30 mg/kg 20 mg/kg 25 mg/kg 4 mg/kg 性別 雄 雌 雄 雌 雄 雌 男性 女性 AUC (µg·h/mL) 48.7a) 48.1 - 100.5 134 127 40 40 NAUC (µg·h/mL)/(mg/kg) 1.62 a) 1.60 - 5.02 5.17 4.91 10 10 C0 (µg/mL) 240 a) 145 - 137b) 252 232 50 50 NC0 (µg/mL)/(mg/kg) 7.99 a) 4.84 - 6.85 b) 9.73 9.00 12.5 12.5 t1/2 (h) 0.43 0.60 - 0.65 0.9 0.9 2 2 CL (L/h/kg) 0.59 0.62 - 0.20 0.19 0.21 0.10 0.10 V (L/kg) 0.24 0.53 - 0.19 0.25 0.26 0.18 0.18 動物における投与量は,ヒト推奨臨床用量(4 mg/kg)に対する同等用量(体表面積に基づきアロメトリックスケーリング法に より補正した投与量)に近い値である. -:該当せず a):単回投与後のデータが過大評価と考えられたため,反復投与後のデータを示した. b):ゼロ時間への外挿による C0値算出も試みたが,初期相にあたる時間中に十分な測定時点が得られず,算出されたC0値が投 与後0.08 時間における血漿中濃度(C0.08h)より低値であったため,C0.08hを記載した. 図 2.6.4-1(AUC)及び図 2.6.4-2(Co又はCmax)に,非臨床動物種の代表的な毒性試験から得 られた推定曝露量を示し,ヒトの曝露データ【2.7.2】と比較した.主要な毒性及び TK 試験にお ける曝露パラメータの概略を表 2.6.4-4に示す.毒性試験において実験動物で到達した曝露量は, 推奨用量2,4,16 mg/kg での標準的なヒトの曝露量より著しく高かった.実験動物における体重 標準化クリアランスがヒトに比べて高いにもかかわらず,このような結果であった.

(23)

AUC 1 10 100 1000 10000 1 10 100 1000 10000 Dose (mg·kg-1) AU C (µ g·h ·m L -1)

rat 4 wk M rat 4 wk F rat SD M

rat SD F dog 3 wk M dog 3 wk F

rabbit MD F juv rat 4 wk M juv rat 4 wk F

Average human AUCinf at 2 mg/kg Average human AUCinf at 4 mg/kg Average human AUCinf at 16 mg/kg 雄ラット 4週間投与試験 雌ラット 単回投与試験 妊娠ウサギ 反復投与試験 ヒト平均 AUCinf(2 mg/kg) 雌ラット 4週間投与試験 雄イヌ 3週間投与試験 幼若雄ラット 4週間投与試験 ヒト平均 AUCinf(4 mg/kg) 雄ラット 単回投与試験 雌イヌ 3週間投与試験 幼若雌ラット 4週間投与試験 ヒト平均 AUCinf(16 mg/kg) AU C ( µg·h/ m L ) 投与量(mg/kg) AUC 1 10 100 1000 10000 1 10 100 1000 10000 Dose (mg·kg-1) AU C (µ g·h ·m L -1)

rat 4 wk M rat 4 wk F rat SD M

rat SD F dog 3 wk M dog 3 wk F

rabbit MD F juv rat 4 wk M juv rat 4 wk F

Average human AUCinf at 2 mg/kg Average human AUCinf at 4 mg/kg Average human AUCinf at 16 mg/kg 雄ラット 4週間投与試験 雌ラット 単回投与試験 妊娠ウサギ 反復投与試験 ヒト平均 AUCinf(2 mg/kg) 雌ラット 4週間投与試験 雄イヌ 3週間投与試験 幼若雄ラット 4週間投与試験 ヒト平均 AUCinf(4 mg/kg) 雄ラット 単回投与試験 雌イヌ 3週間投与試験 幼若雌ラット 4週間投与試験 ヒト平均 AUCinf(16 mg/kg) AU C ( µg·h/ m L ) 投与量(mg/kg) 図 2.6.4-1 非臨床動物種における単回投与後の AUC と投与量の関係, 並びにヒトとの比較 妊娠ウサギは反復投与後の値を示し,それ以外は単回投与(反復投与における初回投与後)の値を示した.

成熟ラットに関してはAUC0-3hを,それ以外はAUCinfを示した.

C0 or Cmax 1 10 100 1000 10000 100000 1 10 100 1000 10000 dose (mg·kg-1) C0 or C ma x g ·m L -1)

rat 4 wk M rat 4 wk F rat SD M

rat SD F dog 3 wk M dog 3 wk F

rabbit MD F juv rat 4 wk M juv rat 4 wk F

Average human C0 at 2 mg/kg Average human C0 at 4 mg/kg Average human C0 at 16 mg/kg 雄ラット 4週間投与試験 雌ラット 単回投与試験 妊娠ウサギ 反復投与試験 ヒト平均 C0(2 mg/kg) 雌ラット 4週間投与試験 雄イヌ 3週間投与試験 幼若雄ラット 4週間投与試験 ヒト平均 C0(4 mg/kg) 雄ラット 単回投与試験 雌イヌ 3週間投与試験 幼若雌ラット 4週間投与試験 ヒト平均 C0(16 mg/kg) C0 又は Cma x ( µg/ m L ) 投与量(mg/kg) C0 or Cmax 1 10 100 1000 10000 100000 1 10 100 1000 10000 dose (mg·kg-1) C0 or C ma x g ·m L -1)

rat 4 wk M rat 4 wk F rat SD M

rat SD F dog 3 wk M dog 3 wk F

rabbit MD F juv rat 4 wk M juv rat 4 wk F

Average human C0 at 2 mg/kg Average human C0 at 4 mg/kg Average human C0 at 16 mg/kg 雄ラット 4週間投与試験 雌ラット 単回投与試験 妊娠ウサギ 反復投与試験 ヒト平均 C0(2 mg/kg) 雌ラット 4週間投与試験 雄イヌ 3週間投与試験 幼若雄ラット 4週間投与試験 ヒト平均 C0(4 mg/kg) 雄ラット 単回投与試験 雌イヌ 3週間投与試験 幼若雌ラット 4週間投与試験 ヒト平均 C0(16 mg/kg) C0 又は Cma x ( µg/ m L ) 投与量(mg/kg) 図 2.6.4-2 非臨床動物種における単回投与後の C0又は Cmaxと投与量の関係, 並びにヒトとの比較 妊娠ウサギに関しては,妊娠14 日前後(9 日間反復投与後)における投与後 0.08 時間における値(C0.08h)を示した. 幼若ラットに関しては,反復投与後のC0を示した.

(24)

表 2.6.4-4 主要な薬物動態試験(TK 試験を含む)における Org 25969 の 全身曝露パラメータの概略 AUC (μg·h/mL) C0 又は C0.08h (μg/mL) 動物種(試験),書誌名 投与量 (mg/kg) 雄(男性) 雌(女性) 雄(男性) 雌(女性) 120 156 175 411 500 500 665 744 1899 2109 ラット (単回静脈内投与試験) INT00007462 2000 4699 3581 7516 12626 30 48.7 * 48.1 240 * 145 120 262 197 961 880 * ラット (4 週間静脈内投与試験) NL00043521 500 1041 929 * 6406 4073 * 30 42.7 42.8 69.3 100 120 266 242 456 339 幼若ラット (2 週間皮下+2 週間静脈内投与試験) INT00038389 500 1243 1306 1639 1992 20 - 100.5 - 137 65 - 403.7 - 479 妊娠ウサギ (9 日間反復静脈内投与試験) NL0043447 200 - 1400.8 - 1519 25 134 127 252 232 80 424 380 682 731 イヌ (3 週間静脈内投与試験) INT00025068 250 971 879 1940 1923 2 20 25 4 40 50 ヒト (2.7.2) 16 160 200 可能な限り単回投与後(初回投与時)のデータを記載した. -:該当せず *:単回投与後のデータが過大評価と考えられたため,反復投与後のデータを示した. 妊娠ウサギ(AUC 及び C0)及び幼若ラット(C0)については,反復投与後のデータを示した.

ラット4 週間静脈内投与試験では AUC0-3 hを,その他はAUCinfを示した.

(25)

2.6.4.3.1 Wistar ラットにおける Org 25969 及び Org 48302 単回静脈内投与時の薬物動態 【INT00007462,4.2.2.2.1】

雄性及び雌性 Wistar ラットに,Org 25969(Org 48302 を %含有するロット AE)を 120,500, 2000 mg/kg で単回静脈内投与した.Org 25969 及び類縁物質である Org 48302 の薬物動態パラメー タを評価し,両物質の薬物動態特性を比較した.Org 25969 及び Org 48302 の薬物動態パラメータ 及び血漿中濃度推移を下表(表 2.6.4-5及び表 2.6.4-6)及び図 2.6.4-3に示す. 表 2.6.4-5 ラットに Org 25969 を 120,500 及び 2000 mg/kg(Org 48302 を , 及び mg/kg)で単回静脈内投与したときの Org 25969 の平均薬物動態パラメータ 投与量

Org 25969:120 mg/kg Org 25969:500 mg/kg Org 25969:2000 mg/kg 薬物動態パラメータ

(Org 25969) 性 別

(Org 48302: mg/kg) (Org 48302: mg/kg) (Org 48302: mg/kg)

156 665 4699 AUCinf (μg·h/mL) 雌 175 744 3581 雄 411 1899 7516 C0 (μg/mL) 500 2109 12626 雄 0.37 0.45 0.50 t1/2 (h) 雌 0.44 0.72 0.46 雄 0.77 0.75 0.43 CL (L/h/kg) 雌 0.69 0.67 0.56 雄 0.41 0.49 0.31 V (L/kg) 雌 0.43 0.70 0.37 n=2:1 群雌雄各 6 匹のラットに投与し,各測定時点で 2 匹から採血した. 表 2.6.4-6 ラットに Org 25969 を 120,500 及び 2000 mg/kg(Org 48302 を , 及び mg/kg)で単回静脈内投与したときの Org 48302 の平均薬物動態パラメータ 投与量

Org 48302: mg/kg Org 48302: mg/kg Org 48302: mg/kg 薬物動態パラメータ

(Org 48302) 性別

(Org 25969:120 mg/kg) (Org 25969:500 mg/kg) (Org 25969:2000 mg/kg)

12.7 54.4 438 AUCinf (μg·h/mL) 雌 13.9 62.8 339 雄 36.1 174 759 C0 (μg/mL) 雌 68.5 178 1081 雄 0.39 0.36 0.69 t1/2 (h) 雌 0.33 0.61 0.40 雄 0.57 0.55 0.27 CL (L/h/kg) 雌 0.52 0.48 0.35 雄 0.32 0.29 0.27 V (L/kg) 雌 0.25 0.42 0.21 n=2:1 群雌雄各 6 匹のラットに投与し,各測定時点で 2 匹から採血した.

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0 1 10 100 1000 10000 0 1 2 3 4 5 6 Time (h) P la sm a co n cen tr at io n ( μ g/ m L) Org 25969, M Org 48302, M Org 25969, F Org 48302, F 血 漿中濃度 ( µg /m L ) 時間 (時間) Org 25969,雄 Org 25969,雌 Org 48302,雄 Org 48302,雌 0 1 10 100 1000 10000 0 1 2 3 4 5 6 Time (h) P la sm a co n cen tr at io n ( μ g/ m L) Org 25969, M Org 48302, M Org 25969, F Org 48302, F 血 漿中濃度 ( µg /m L ) 時間 (時間) Org 25969,雄 Org 25969,雌 Org 48302,雄 Org 48302,雌 Org 25969,雄 Org 25969,雌 Org 48302,雄 Org 48302,雌 図 2.6.4-3 ラットに Org 25969 を 2000 mg/kg(Org 48302 を mg/kg)で単回静脈内投与 した時の Org 25969 と Org 48302 の血漿中薬物濃度推移

Org 25969 のバッチ AE( %の Org 48302 を含む)を 2000 mg/kg の投与量で投与した(INT00007462). n=2:1 群雌雄各 6 匹のラットに投与し,各測定時点で 2 匹から採血した.

Org 25969 及び Org 48302 の血漿中濃度は,雄性及び雌性ラットの間で同等であった.Org 25969 及び Org 48302 の曝露量は,投与量を 120 mg/kg(Org 48302 では mg/kg)から 500 mg/kg (Org 48302 では mg/kg)に増加させると投与量に比例して増加したが,投与量を 500 mg/kg (Org 48302 では mg/kg)から 2000 mg/kg(Org 48302 では mg/kg)に増加したときは曝露 量は投与量比例性から推測される値よりもわずかに高かった.このことは,高用量群では低及び 中用量群に比べて長期にわたって濃度測定が可能であったことが一因と考えられる.小さな分布 容積(0.2~0.7 L/kg)と短い消失半減期(0.3~0.7 時間)は両化合物で同等であり,Org 25969 と Org 48302 について血漿中薬物濃度推移のパターンは類似していた.

(27)

2.6.4.3.2 Wistar ラットにおける単回静脈内投与時の薬物動態([14C]-Org 25969 の薬物動態並び に Org 25969 の 存 在 下 又 は 非 存 在 下 に お け る [3H]- ロ ク ロ ニ ウ ム の 薬 物 動 態 ) 【NL0056358,4.2.2.5.1】 雄性及び雌性Wistar ラットに [14C]-Org 25969 を 8 mg/kg で単回静脈内投与し,血漿中薬物動態 を検討した.さらに,本試験では[3H]-ロクロニウムを 2 mg/kg で単回静脈内投与後 5 分に Org 25969 を8 mg/kg で投与した場合としなかった場合のロクロニウムの血漿中薬物動態も調べ,Org 25969 がロクロニウムの薬物動態に及ぼす影響を検討した. [14C]-Org 25969 の薬物動態 雄性ラット3 匹及び雌性ラット 3 匹に[14C]-Org 25969(8 mg/kg)を単回静脈内投与したときの 血漿中放射能の平均薬物動態データを表 2.6.4-7に示す. 表 2.6.4-7 ラットに[14C]-Org 25969 を 8 mg/kg で単回静脈内投与したときの 血漿中放射能に関する薬物動態パラメータ 薬物動態パラメータ([14C]-放射能) C0 (µg eq/g) 32.40 44.25

AUClast (µg eq·h/g) 12.17 17.44

AUCinf (µg eq·h/g)a) 12.61 17.98

λZ (h-1) a) 0.0477 0.0482 終末相 t1/2 (h) a) 15 14 初期相 t1/2(t1/2α)(h) 0.25 0.24 CL (L/h/kg) a) 0.649 0.460 VSS (L/kg) a) 1.680 1.149 VSS:定常状態分布容積 a) 終末相消失速度定数(λZ)が事前に設定した基準の下では求められなかった.λZ及びこれを用いて算出したパラメータは概 算値として示した. 血漿中放射能は推定初期相半減期15 分及び終末相半減期 15 時間で消失した.血漿中放射能の 薬物動態に大きな性差は認められなかったが,雌性ラットで放射能の平均血漿中濃度がわずかに 高い傾向があった.本動物種では血漿中放射能のクリアランスが肝及び腎血漿流量(それぞれ1.8 及び1.2 L/h/kg)より低かったが GFR(0.3 L/h/kg)より高かった1, 2. Org 25969 が[3H]-ロクロニウムの薬物動態に及ぼす影響 2 mg/kg の[3H]-ロクロニウムを単独で単回静脈内投与した場合又は[3H]-ロクロニウムの投与後 5 分に 8 mg/kg の Org 25969 を静脈内投与した場合の血漿中放射能の平均薬物動態データを表 2.6.4-8に示す.

(28)

表 2.6.4-8 ラットに 2 mg/kg の[3H]-ロクロニウムを単独で単回静脈内投与したとき又は投与後 に 8 mg/kg の Org 25969 を投与したときの血漿中放射能の薬物動態パラメータ [3H]-ロクロニウム単独 [3H]-ロクロニウム投与後に Org 25969 を投与 薬物動態パラメータ ([3H]-放射能) 雄 雌 雄 雌 C0(µg eq/g) 3.594 3.461 3.566 3.245

AUClast (µg eq·h/g) 0.6252 0.6966 0.902 1.053

AUCinf (µg eq·h/g) a) 1.077 1.071 1.626 2.532

λZ (h-1) a) 0.0127 0.0158 0.0138 0.0081 終末相 t1/2 (h) a) 55 44 50 85 初期相 t1/2(t1/2α)(h) 0.11 a) 0.12 a) 0.16 0.17 CL (L/h/kg) a) 1.847 1.858 1.193 0.774 VSS (L/kg) a) 82.67 60.09 53.57 67.72 a) 消失速度定数(初期相又は終末相)が事前に設定した基準の下では求められなかった.消失速度定数及びこれを用いて算出 したパラメータは概算値として示した. Org 25969 投与の有無にかかわらず,[3H]-ロクロニウム投与後の平均血漿中放射能濃度は,一般 に雄性ラットで雌性ラットよりも低く推移し,AUClastは雄で雌よりも約10~15%低かった.ゼロ 時点の放射能濃度算出値(C0)は,[3H]-ロクロニウムを単独投与した場合又は[3H]-ロクロニウム 投与後に Org 25969 を投与した場合に雄性ラットと雌性ラットで同等であった.[3H]-放射能の終 末相半減期については,[3H]-ロクロニウムの投与後 5 分に Org 25969 を投与した場合に雌性ラッ トで増加するとの結果となったが,算出した半減期が概算値であることを踏まえると実際の影響 である可能性は低いと考えられる.推定初期相半減期は,Org 25969 を投与した場合にわずかに長 くなった.[3H]-ロクロニウム投与後の全身放射能曝露量(AUClast)は Org 25969 投与後に顕著に

増大し(約50%),血漿クリアランスは減少した.また,[3H]-ロクロニウム単独投与では放射能の 推定血漿クリアランスは肝及び腎血漿流量と同等であったが,定常状態分布容積(VSS)は総体液 量よりはるかに大きかった.Org 25969 により[3H]-ロクロニウムの VSSに大きな変化はみられなか ったが,本試験の概算値からは明瞭な結論を得ることは困難であった. 2.6.4.3.3 Wistar ラットにおける Org 25969 単回及び 2 週間反復静脈内投与時の薬物動態 【NL0028244,4.2.3.2.1】 雄性及び雌性Wistar ラットにおける 2 週間毒性試験の一環として,Org 25969 を 1.84,7.36 又 は 27.6 mg/kg で単回及び 2 週間反復静脈内投与したときの薬物動態を検討したところ【表 2.6.5.4.A】,血漿中濃度は用量に対してほぼ直線的に増加した.雄性ラットにおいて雌性よりもわ ずかに高い血漿中濃度(AUCinf及びC0に関して)が認められ,雄性の血漿クリアランスは雌性よ りも低値であった.単回投与と反復投与の間で曝露量に大きな差は認められず,分布容積及び消 失半減期はそれぞれ0.20~0.40 L/kg 及び 0.21~0.37 時間と推定された.

(29)

2.6.4.3.4 Wistar ラットにおける Org 25969 単回及び 4 週間反復静脈内投与時の薬物動態 【NL0043521,4.2.3.2.3】 雄性及び雌性 Wistar ラットにおける 4 週間毒性試験の一環として,Org 25969 の薬物動態を検 討した.Org 25969 を 30,120 又は 500 mg/kg で単回及び 1 日 1 回反復静脈内投与して血漿中 Org 25969 濃度を測定し,曝露量を評価した.結果を表 2.6.4-9及び図 2.6.4-4に示す. 表 2.6.4-9 ラットに Org 25969 を 30,120,500 mg/kg で単回及び反復静脈内投与したときの 平均薬物動態パラメータ 30 mg/kg 120 mg/kg 500 mg/kg 薬物動態パラメータ (Org 25969) 性別 単回投与 反復投与 単回投与 反復投与 単回投与 反復投与 雄 75.6 a) 48.7 c) 262 230 1041 1174 AUC0-3 h (µg·h/mL) 48.1 38.9 c) 197 183 1160 a) 929 雄 1609 a) 240 961 510 6406 7669 C0 (µg/mL) b) 雌 145 149 1973 880 13724 a) 4073 0.43 0.35 0.40 0.43 0.65 1.10 t1/2 (h) 0.60 - 0.43 - - - 雄 0.40 0.59 0.46 0.52 0.47 0.41 CL (L/h/kg) 雌 0.62 - 0.61 - - - 雄 0.24 0.29 0.26 0.32 0.44 0.65 V (L/kg) 雌 0.53 - 0.37 - - - -:算出せず. a) 過大評価値 b) C0 及びこれから算出されるパラメータは,概算値である. c) 投与後 1.5 時間までの AUC(AUC0-1.5 h)を記載した. 雄 0.1 1 10 100 1000 10000 0 3 6 時 間 ( 時 間) 血漿中濃 度 (µ g /m L ) 単回 500 mg/kg 反復 500 mg/kg 単回 120 mg/kg 反復 120 mg/kg 単回 30 mg/kg 反復 30 mg/kg 雌 0.1 1 10 100 1000 10000 0 3 6 時 間 ( 時 間) 血漿中濃 度 (µ g /m L ) 単回 500 mg/kg 反復 500 mg/kg 単回 120 mg/kg 反復 120 mg/kg 単回 30 mg/kg 反復 30 mg/kg 平均値及び標準偏差(n = 1~4) 図 2.6.4-4 ラットに Org 25969 を 30,120,500 mg/kg で単回及び反復静脈内投与 したときの平均血漿中薬物濃度推移 Org 25969 は迅速に排泄され,t1/2は0.4~1.1 時間と短く,血漿クリアランスは 0.40~0.62 L/h/kg であった.また,分布容積は小さかった(0.24~0.65 L/kg).雌性ラットに比べて雄性ラットにお いて血漿中 Org 25969 濃度がわずかに高かったが,単回投与と反復投与の間に大きな差はなかっ た(図 2.6.4-4).また,投与量増加に対する血漿中濃度の増加は,投与量比例性から推測される 増加よりもわずかに高くなる傾向があったが,ほぼ投与量に比例したものであった.

(30)

2.6.4.3.5 幼若 Wistar ラットにおける Org 25969 単回及び 2 週間反復皮下投与時の薬物動態 【INT00029851,4.2.3.5.4.3】 雄性及び雌性幼若Wistar ラットを用いた 30,120,500 mg/kg の 2 週間皮下投与用量設定毒性試 験の一環として,Org 25969 の薬物動態を検討した【表 2.6.5.4.C】.結果は幼若ラット 4 週間試験 (2.6.4.3.6)で認められたものと同様であった. Org 25969 は急速に吸収され,一般に単回投与後では 1 時間以内,反復投与後では 20 分以内に Cmaxに達した.単回及び反復投与後に雄性ラットと雌性ラットで同等の血漿中濃度が認められ, 用量の増加に比例して増加した.1 日 1 回の反復投与では単回投与時に比べて全身曝露量が小さ くなったが,これは幼若ラットの日齢上昇に伴うGFR 増加により Cmax到達後の血漿中濃度減少が より迅速になったためと考えられた.また,消失半減期(t1/2)は0.7~0.9 時間であった.

表 2.6.4-1  非臨床薬物動態試験の一覧表  動物種(系統) 投与量( mg/kg) a) ,動物数/群 投与経路,投与期 間  主要評価項目 報告書番号 吸収  ラット( Wistar)  0,120,500,2000  雌雄各 6  静脈内,単回 AUC, C 0 , t 1/2 , V, CL(Org 25969 及び Org 48302)  INT00007462  ラット( Wistar) 0 +  8*,  2 #   + 0,  2 #   + 8  (ロクロニウム+ Org 25969
表 2.6.4-1  非臨床薬物動態試験の一覧表  (続き)  動物種(系統) 投与量( mg/kg) a) ,動物数/群 投与経路,投与期 間  主要評価項目 報告書番号 吸収(続き)  麻酔ネコ  0 +   1×3 回,  0  + 10×3 回,  0.5×3 回  +  1×3 回  0.5×3 回  + 10×3 回  (ロクロニウム+ Org 25969  b) ) 雌雄各 4  静脈内,単回( 30 分間隔 3 分割投与) AUC, C 0 の概算値 NL0037029  分布( in vi
表 2.6.4-1  非臨床薬物動態試験の一覧表  (続き)  動物種(系統) 投与量( mg/kg) a) ,動物数/群 投与経路,投与期 間  主要評価項目 報告書番号 分布(in vivo)(続き)  ウサギ( NZW) 0 +  20*  0.02 #   + 0  0.02 #   + 0.2  (ロクロニウム+ Org 25969) 雌 3~5  静脈内,単回 胎盤通過( Org 25969 又はロクロニウム) NL0054636  代謝 ラット肝細胞  6*,100* μM  In vitro
表 2.6.4-2  バリデートされた生体試料分析法の概要  動物種 測定法 報告書番号 分析物質 定量下限 (ng/mL) 当該測定法を用いた薬物動態試験 HPLC-MS NL0027301  Org  25969  183  7130 a) 2 週間静脈内投与試験(NL0028244)4 週間静脈内投与試験(NL0043521) HPLC-MS INT00005927 Org  25969  1000  単回静脈内投与試験( INT00007462)
+7

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