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アクティブ・ラーニングを試みた 漢字授業の取り組み

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Academic year: 2021

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実 践 紹 介

51 1.はじめに

 早稲田大学日本語研究センターでの漢字のクラスは,漢字圏と非漢字圏の二つに分か れている。筆者は,2018年秋学期及び2019年春学期に漢字(非漢字系)2レベルを担当 した。漢字学習は,非漢字圏の学習者にとって,負担が大きいものと思われるので,従 来行われているような,教師主導の授業ではなく,学習者を能動的に学ばせることが必要 であると考え,アクティブ・ラ−ニング(以下

A

L

)すなわち「教員による一方向的な 講義形式の教育とは異なり,学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の 総称」(文部科学省中央審議会2012)を目指し授業に取り組んだ。授業の中では,日本人 の小学生のために作成された

YouTube

の『部首のうた』(

egusa

2011)1)を活用し「見る」

「聞く」「歌う」の活動を取り入れた授業を行った。この活動により,以下の4つの効果が 期待できる。①漢字や部首に親しみを持ち,楽しく学ぶことができる。②漢字が部首を含 むパ−ツで構成されていることを意識付けできる。③部首の名前を記憶しやすくするこ とができる。④新しい漢字を学習するとき,部首に着目することで,その漢字がどのよう な意味か想像でき,教師の説明時,理解が深まる。本稿ではこの取り組みについて紹介す る。

2.実践の方法

 『部首のうた』は,部首一つひとつを,アニメーションで,軽快な歌とともに表してい る。例えば「すむ,そば,からだ,ひとつながりでにんべん」という歌詞とともに,「住 む,側,体」という漢字が出現する。この動画を視聴することで,学習者は,視覚と聴覚 の両方で部首に関するインプットを受ける。さらに,インプットされた部首と漢字を,歌 うことでアウトプットさせることもできる。

 漢字(非漢字系)2のスケジュールは,毎回90分の授業で,『

KANJI LOOK AND LEARN

(坂野ほか2017)の11課から20課までを,1課(16字)ごとに進めていくものである。当該 授業で扱う漢字は,全部で160字である。『部首のうた』(

egusa

同上)で扱われている部首は 39個であるが,そのうちの25個の部首が,このクラスで扱う漢字160字中の63字に含まれ 早稲田日本語教育実践研究 第 8 号

アクティブ・ラーニングを試みた 漢字授業の取り組み

―YouTube『部首のうた』を活用して―

多賀 三江子

  科目名:漢字(非漢字系)2

  レベル:初級 1・ 2 /中級 3・4・5 /上級 6・7・8   履修者数:11 名

(2)

早稲田日本語教育実践研究 第 8 号/ 2020 / 51―52

52

ている。使用の方法は,主に以下の通りであった。まず第1回目の授業時に視聴させ,難し い表現や,語彙の説明を行なった。その後も続けて,毎回の授業で視聴させた。1回の授業 は90分だが,だいたい中盤の時間帯で気分転換も兼ねて視聴させた。また,初めは視聴させ るだけであったが,3回目の授業から歌詞を見ながら歌うことを勧めた。加えて,新出の部首 が出てきたとき,該当する部首を確認させたり,授業の最後に,学習した部首を一人ひとり 発表させることなどを行った。

3.実践の成果と今後の課題

 授業では,最初は戸惑っている学習者も見られたが,後半になると,慣れてきて大きな 声で積極的に歌う学習者も多く見られた。また,歌の中でキャラクターが踊っているのを まねて踊る学習者も見られ,授業を楽しみ,能動的に参加している様子が感じられた。さ らに,新しい漢字を学習する際,「この漢字の部首は歌の中に出て来た」「これはさんずい だから水に関係ある」など,学習者が自発的に部首について発言することも多くあった。

これらの様子から,学習した部首を歌でアウトプットすることで,部首をより身近に感じ ることができ,漢字学習が能動的な学修につながっていくと考えられる。そしてそのこと は,

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L

の趣旨とも合致していると考えられる。しかし,歌がどのぐらい漢字学習に役 に立ったのか,具体的には調査していない。今後は,詳細に調査していきたい。また,こ の歌は,日本人の小学生向けのものなので,活用の仕方にもより一層の工夫や改善をして いきたい。加えて,歌以外にも,漢字学習での

A

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の方法をたくさん模索していきたい。

  1) YouTube『部首のうた』の製作者jun egusa氏から授業における教室内での『部首のうた』

使用,及び本文への掲載は,既に承諾済みである。

参考文献

坂野永理・池田庸子・品川恭子・田嶋香織・渡嘉敷恭子(2017)『KANJI LOOK AND LEARN』 ジャパンタイムズ.

文部科学省中央教育審議会(2012)「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて〜生 涯学び続け,主体的に考える力を育成する大学へ〜(答申)用語集」

<http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2012/10/04/ 1325048_3.pdf>(2019年12月30日閲覧)

jun egusa(2011)『部首のうた』<https://youtu.be/J9m7ceI7gqU>(2019年12月30日閲覧)

(たが さえこ,早稲田大学日本語教育研究センター)

参照

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