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外国人を対象とした福祉法の必要性

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著者 高田 充清

雑誌名 同志社大学日本語・日本文化研究

号 14

ページ 105‑126

発行年 2016‑03

権利 同志社大学日本語・日本文化教育センター

URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000014444

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要 旨

 滞日外国人は日本人とともに地域社会で生活し、また日本人と同様に生活問題 を抱えている者もいる。生活問題を抱える者は国籍の別なく、地域で孤立して困 難と向かい合っている。日本人と同様に社会福祉サービスの対象でありながら、

日本人と異なってサービス提供から抜け落ちてしまうことも多い。その背景には、

外国人という社会層が、社会福祉の対象となり得る日本人の社会層とは異なる固 有性を持っているからであろう。戦後、日本の社会福祉は社会や人々の意識の変 化に応じて、社会福祉の対象を拡充・細分化してニーズに応えてきた。多くの外 国人が日本社会で暮らすようになった現在、社会福祉の対象をさらに拡充する時 期を迎えた。そこで、社会福祉 6 法体制への経緯から、社会層に応じた柔軟な法 整備の姿を確認し、次に福祉の対象となり得る滞日外国人の現況を概観する。そ して彼らの抱える様々な生活問題の中から、社会福祉サービスの提供を受けてい る日本人にも通じる事例で、かつよく見られる典型的な事例をとりあげ、国際生 活機能分類を参考にしつつ、滞日外国人の生活問題と日本人の生活問題の比較を 行う。そこで日本人との相同性と滞日外国人の社会層が持つ固有性を示し、固有 性に対応した福祉法という、公助による総合的な支援機能がないために生存権が 侵害されている状況を述べ、滞日外国人という社会層を焦点とした福祉法の必要 性を訴える。

キーワード

日本語 社会福祉 滞日外国人 留学生 支援 多文化ソーシャルワーク

1 はじめに

 日本語教育の現場で関わる留学生などの滞日外国人1(以下、外国人)と日常的に接 する者にとって、外国人が社会的弱者であったり、容易に社会的弱者の立場に陥る存 在である印象は経験知として有している。また外国人と接する機会がなくても、彼ら が社会的弱者であろうという漠とした観念はあるだろう。

 本稿では、外国人が独自の福祉法を必要とする公助の対象であること、そして外国 人を対象とした福祉法制定の必要性を述べたい。

外国人を対象とした福祉法の必要性 Needs for Foreigners Welfare Act in Japan

高田 充清

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2 さまざまな福祉の対象

2.1 日本の社会保障における社会福祉の位置づけ

 社会保障は、人権思想の発展に伴って制度化されてきた歴史的経緯がある。また現 在もその過程の中にある。その点から社会保障を「マイノリティの視点の普遍化2」と 定義することも可能である。生活障害の多くは社会的要因によって生じるものである。

また、それらの障害が誰にでも起こりうる潜在的な可能性を持つことから、マイノリ ティの問題をマイノリティの問題としてのみ帰することなく、普遍的にサポートする 流れの中に社会保障は位置しているからである。

 このような側面をもつ社会保障であるが、日本国の社会保障において社会福祉はど のような位置付けにあるのだろうか。

 社会保障を制度的に分類すると、まず広義の社会制度と社会保障関連制度に分類す ることができる。そして広義の社会制度は、狭義の社会保障と、恩給および戦争犠牲 者援護に下位区分できる3

 社会保障関連制度は住宅対策と失業対策を内包しており、社会保障の傍系に位置づ けられている。また、広義の社会保障に含まれている恩給と戦争犠牲者援護は、いず れも対象者がいずれゼロになることが想定されるため、経過的な制度として、社会保 障の枠内にありながらも、狭義の社会保障の傍らに位置する。

 従って、上述の狭義の社会保障が社会保障の中心的位置を占めているわけだが、そ の内訳は、公的扶助、社会福祉、社会保険、公衆衛生及び医療、の 4 領域である4。  このように社会福祉は社会保障制度上、社会保険や公衆衛生及び医療とともに中核 にあることが分かる。

 それでは機能的分類では、社会福祉はどのような役割を担っているのであろうか。

 社会保障制度は、所得保障、医療保障、社会福祉の三つに大別される。

 所得保障は経済的な支援を主眼に置き、日本では年金制度、雇用保険による失業給付、

生活保護の生活扶助社会手当などの制度から構成される。経済的なエンパワメントに より自立を支援する機能をもつ保障である。

 一方、医療保障を日本の制度の即して言うなら、医療保険、生活保護の医療扶助、

労災保険の医療給付、障害者総合支援法による育成医療や更生医療、精神医療などを 指す。医療保障は、精神を含む身体に係る医療費の軽減によって対象者の支援を図る 機能をもつ保障である。

 社会福祉は、生活保護受給者への自立助長を促すケースワーク、児童・老人・ひとり親・

障害などの社会福祉サービスなどからなる。これらは、対象者の生活歴や環境など当 事者とその周囲全体を視野に収めた、生活の総合的な支援機能を持つ保障である。

 社会福祉は、マイノリティの視点を普遍化する方向性にある社会保障の中にあって、

しかもその中核に位置し、総合的な支援機能を持つ領域なのである。

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2.2 社会層と福祉六法に至る経緯

 社会福祉は、生活保護法、児童福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、老 人福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法の 6 法を中心とした領域を持つ5

 これらの法律の名称を一瞥しても連想できるように、特定の対象者を意識した福祉 法である。これはそもそも社会福祉事業が「社会層」別に出発した経緯がある。

 現在、社会保障の一翼を担う公的扶助を見た場合、19 世紀にチャールズ・ブースに よるロンドン調査での「貧困の発見」や、シーボーム・ラウントリーのヨーク市にお ける貧困調査以降の社会改良運動が、公的扶助(いわゆる生活保護制度)の礎になっ ている。ブースやラウントリーの調査により、低所得であるのは当事者の怠惰な性向 という自己責任に帰していた従来の見方を、社会が構造的に低所得者を産出した問題 である、即ち、貧困は社会問題であると見方を改めることへとつながり、低所得者を 対象とした保障制度として公的扶助が生まれた。わが国では生活保護法という形で、

低所得者への支援体制のひとつとして結実している。

 この経緯をみても分かるように、公的扶助(生活保護法)は、低所得という特質を もつ者を対象としている。このように社会が構造的に産出した、生活苦など問題を抱 える一群の者達が発見あるいは認識され、人権意識の進展に伴い、彼らを社会が包摂 すべく社会保障制度が法的に整備されつつ拡充していく。

 このときの法の対象となる一群の者達が「社会層」である。より具体的には、公的 扶助において注目した一定の所得水準のほか、自然的な属性、社会的な性格を指標に したグループであり、生活問題や発達阻害問題に巻き込まれやすい諸特徴で、操作的 に層にまとめたのが「社会層」である6

 各福祉法とその福祉法が想定する福祉の対象は、日本社会の変化と人々の認識の変 化により拡充していった。この経緯を福祉六法に着目して確認しよう7

 低所得者層を対象とした旧「生活保護法」は、外地からの引揚者や戦災など、生活 が困難な者で溢れた終戦直後の社会的状況から、1946 年に制定された。つづいて戦災 孤児・引揚孤児対策に加え、戦後の日本社会を担う世代を保護者とともに政策主体が 育成し、またその責任を負うという、18 才以下の全児童の一般福祉の方向を定めた福 祉法が、1947 年制定の「児童福祉法」である。1949 年には傷痍軍人への厚生を出発点 に、18 才以上の身体障害者への更生援護へと昇華した「身体障害者福祉法」が制定され、

戦後 5 年内に生活保護法、児童福祉法、身体障害者福祉法の福祉三法体制が整った8。  その後、日本は高度成長を迎え、多様な生活問題の深刻化に対応する形で、福祉法 を整備していく。

 1960 年に「精神薄弱者福祉法」(現「知的障害者福祉法」)が制定された。従来知的 障害児の問題は児童福祉法を中心とした支援体制であったが、障害児の成長とともに、

児童でなくなった後の支援がニーズとして浮上した。このニーズに対応して同法が制 定されたのである。

(5)

 また、生活保護法にもとづいて養老施設で高齢者を保護していたが、高齢者固有の 身体的・精神的援助の必要に対し社会的に支援することを掲げ、1963 年に「老人福祉法」

が制定された。

 加えて、経済的弱者であった母子家庭で、女性一人が児童の保護者として子どもを 健全に育成することに焦点を当てた「母子福祉法」は、戦争犠牲者遺族への経済的支 援策を継承しつつ、総合的な母子支援策を推進する法として制定された9

 上述のように、戦後の社会福祉は復興期の生活保護法中心の体制から徐々に固有の 分野のニーズを認識し、それに対応する形で支援体制を整備してきた。これは生活保 護を中心とする所得保障のみでは生活支援が不十分であり、生活問題を抱える固有の 社会層を社会が認識しては、その都度各社会層に対応した支援に向け、福祉三法、福 祉六法へと社会福祉の拡充を図ってきたからである。

 社会の問題意識から福祉の対象を発展させていく姿は、例えば母子福祉法の発展に もうかがえる。同法は、児童を育て上げて母子から寡婦へと移行した戦争未亡人への 支援として、伝統的な家族観・結婚観と当事者運動により、1981 年に「母子及び寡婦 福祉法」となった。その一方で、高度成長以降に進展した核家族化の影響で、親族に よるひとり親家庭への援助の低下が進行したが、性別役割分担による社会的認識から、

母子と異なり当初等閑視され、そのため危機に直面している父子家庭がやがて社会的 関心を呼んだ。そこで母子・父子にかかわらず「ひとり親」世帯へと対応の拡充に迫 られた。その結果、2014 年に「母子及び父子並びに寡婦福祉法」へと発展している。

 社会には多種多様な問題およびニーズが横たわっている。それらには社会福祉政策 の対象となり得るものも多いが、その社会福祉の対象が即座に政策に採用されたり制 度化されたりするわけではない。様々な理由によって、時の政策主体がそれらの対象 を篩にかけて、限定的に社会福祉の対象とする。このような政策主体による社会福祉の、

いわゆる「対象の『対象化』」という批判が一方でありながらも、当事者の運動や時代 による社会状況の変化、価値観の変化をうけて、福祉の対象と法制度は変化あるいは 拡充・細分化をしつづけているのである。

3 日本に在留する外国人の状況

 前章で、固有の社会層を対象とした各種福祉法が、社会の変化に応じて新たな社会 層を取り込みつつ、福祉の対象が変化し、また、拡充・細分化させながら整備されて いく姿を捉えた。

 外国人も生活問題を抱える者は存在するが、彼ら外国人は、構成も一様ではないし、

人数も変化している。ここでは、どのような外国人が日本にいるかを確認したい。

 図 1 は、近年の在留外国人総人数の動向である。法務省入国管理局が発表した昨年 末(2014 年 12 月末)時点における在留外国人数10は、2,121,831 人であり、前年末に 比べ、55,386 人(2.7%)増加しており、わが国の総人口11比 1.67%を占めている12

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 外国人が日本に入国あるいは在留して行うこと ができる活動等を類型化して在留期間などを定め たものを「在留資格」という。

 図 2 を見てみよう。在留資格別に在留外国人を分 類すると、永住者が 31.9%と全体の 1 / 3 を占め ている。永住者とは一定の要件を満たした上で永 住許可申請をし、許可されて日本国に永住している 外国人を指す。一方、永住者とは別に「特別永住 者」に分類される者が 16.9%いる。特別永住者とは、

戦前から日本に居住している、かつて日本国民だっ た旧統合地の人々13及びその子どもが持つ在留資 格を指し、99%が韓国・朝鮮出身である14。特別永 住者は減少傾向にあり、2007 年末には永住者に構 成比を抜かれ、現在は永住者の半分程度にまで減っ ている。この背景には、「死亡者数が新生児数を大 きく上回っていることに加え、いわゆる在日三世・

四世などの国籍選択をめぐる動向15」も関連してい ると考えられる。

 在留資格で、永住者、特別永住者に次いで多いの が「留学」の 10.1%である。留学という在留資格は、

わが国の大学,短期大学,高等専門学校,高等学校,

中学校及び小学校等の学生として教育を受ける活 動の資格である。前年比+ 11.1%で最も伸び率が 高い16

 一方、7%前後の「定住者」と「日本人の配偶者等」

の二つの在留資格は減少している。

 「定住者」の資格は、「法務大臣が特別な理由を考 慮し一定の在留期間を指定して居住を認める者」と定められている。永住者との違い は、資格の更新が必要であることと、1 年または 3 年の在留期間が指定されることであ る。具体的には、インドシナ難民やベトナム難民、日系 3 世など、外国人配偶者の実子、

中国残留邦人とその家族など17、日本人や永住者・特別永住者と離婚・死別後在留する 者や日本人実子を扶養する外国人親が含まれる18

 「日本人の配偶者等」は「日本人の配偶者若しくは民法第 817 条の 2 の規定による特 別養子又は日本人の子として出生した者」と定められており、出身別には農村花嫁な ど日本人男性との国際結婚が多い中国、フィリピンがそれぞれ 25.0%と 20.0%、「日本 人の子として出生」に該当する日系 2 世が多いブラジルの 10.7%と韓国・朝鮮 10.4%、

(7)

米国、タイと続き、以上で全体の 8 割弱を占めてい る19

 主な在留資格のある外国人数は、図 3 の通りであ るが、それ以外に在留資格がないまま滞日している

「不法残留者」が存在する。

 公式に把握できているだけで不法残留者は 60,007 人いて、上述の在留外国人数比で少なくとも約 3%

の人数が不法に滞日している20

 在留資格別の外国人数と構成比について、直近の 資料だけではなく、時系列で俯瞰した場合の動向に も目を向けてみよう。

 日本に在留する外国人の状況は、オールドカマー と称される韓国・朝鮮出身者中心の「特別永住者」

が人数・比率ともに減少・低下の一途をたどってい る。先述のように死亡率が出生率を上回っているこ とや、国籍の選択により特別永住者の在留資格を喪 失していること、などの背景が考えられる。その一

方で、「永住者」は人数・比率ともに増大・上昇を続けている。これは「定住者」「日 本人の配偶者等」の人数・比率がともに下降していることと関連している。

 2014 年末時点において、永住者は 677,019 人である21。内訳は、台湾を含めた中国 が 215,155 人で永住者全体に占める割合が 31.8%、次いでフィリピンが 115,857 人で 17.1%、ブラジル 111,077 人の 16.4%、韓国・朝鮮 65,711 人、9.7%で、上記だけで全 永住者の 75%に達している。永住者への資格変更は、10 年以上日本に在留しているこ との他に、日本人との婚姻関係により「日本人の配偶者等」を許可されてから 3 年滞 在したときに変更可能である。従って、「永住者」増加の背景には、ブラジルからの出 稼ぎ労働者が継続して在留していること、農村花嫁など日本人男性と婚姻関係を結ん だ中国・フィリピン出身者が 3 年以上在留していることなどが考えられる。

 この「定住者」「日本人の配偶者等」が「永住者」への流れによって減少している一 方で、堅調に漸増している在留資格が「留学」である。「留学」により在留している外 国人は、他の在留資格との相対的な比率を上昇させているだけではなく、人数も着実 に伸ばしている。現在「永住者」「特別永住者」につづく第 3 位につけ、在留外国人の 10%を超えている。「留学」は、2010 年(平成 22 年)7 月 1 日から「就学」と一本化 された在留資格である。「就学」は実質的には高校生の外国人、日本語学校で学ぶ外国 人をカバーしていた。「留学」は大学あるいは専門学校で学ぶ外国人である。従って、「就 学」を含めた「留学」の在留外国人数・比率が伸びると言うことは、日本語能力の面 で不安があり、かつ、中長期にわたり在留する、というタイプの外国人が増している

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可能性があるとも受け取れる。

 このまま「定住者」「日本人配偶者等」の在留資格をもつ外国人の人数・比率が上昇 あるいは横ばいの動きを見せずに減少しつづけるなら、これらの在留資格から「永住者」

に変更する外国人も減少することになる。難民など新しい要素で定住化する者が増加 しない限り、近い将来永住者の増加が鈍化することは明白である。従って、今後「留学」

により在留する外国人への対処の必要性が増していくことは想像に難くない。

 「特別永住者」数が漸減しており、その一方で「永住者」「留学」が伸長している。

この傾向は、在留する外国人の文化的背景がより多様となるだけではない。日本語を 母語としなかったり、日本語に不安を抱える外国人が、日本の地域社会で「生活して いる」ケースがより増加するということでもある。これは不法残留者も、その違法性 の背景はともあれ、同様である。そして彼らが「生きることの困難(障害)」、いわゆ る生活問題を感じながら生活していることは十分考えられるのである。

4 外国人の生活問題

 では日本に在留する外国人が直面している生活問題にはどんなものがあるのだろう か。事例をいくつか見てみよう。なお、紹介する各事例は個人情報保護と問題点の把 握のしやすさの両点から一部改変している22

4.1 6 つの事例

事例 1:一命を取り留めた A さん(32 才・女性・タイ)

 一人暮らしのAさんは、家政婦の仕事をしている。両親と子どもが母国に住んでいて、

彼らへの仕送りをしている。車で 5 分くらいのところに同郷の友だちがいる。日本人 との付き合いはない。Aさんは母国で運転免許証を取得していたので、日本で国際免 許を取得した。しかし日本語は片言程度しかわからない。英語もあまり得意ではないが、

国際免許は日本語受験に比して合格の可能性が高い英語で受験し、取得にこぎ着けた。

 車を使えることから、仕事の行動範囲が広がり、雇用主からも遠方の高給の仕事を 入れてもらえた。

 あるとき近所のスーパーで買い物をしていたところ、けいれん発作を起こして倒れ てしまい、救急車で搬送された。診断は「てんかん」であった。彼女にとって「てん かん」発作はこのときが初めてである。医師の日本語が分からないので、近所の友だ ちに医師との間に入って説明してもらったが、やはりよく分からなかった。再来院の 旨は何となく分かったが、その後はなんの不調も感じなかったので、通院しなかった。

 仕事を失う怖さもあり、雇用主には一切報告せず、車を運転して依頼先にいく生活 を続けた。そんなある日、車ごと水田に落ちている自分に気がついた。目撃者によると、

いきなり車が暴走して水田に突っ込んだのだそうだ。

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 本事例Aさんの、本稿での主問題は日本語 が理解できないために、自身の病状の把握が 困難であったこと、そのために命に関わる自 己管理が不十分となったことである。また、

彼女の生活は日本語を使わなくても日々の日 本社会での生活が成り立ってしまっているこ とも潜在的な問題である。それはひとたび生 命の危機に陥った場合、生活全体が崩壊して

しまう脆弱性を孕んでいるからだ。またその生活が崩壊しないための予防策や善後策 を立てるだけの日本語能力を持っていない。そして自動車事故を起こしてしまった。

 人間の欲求は大きく 5 層からなり、それら欲求には優先度が存在する。低次元の欲 求が満たされると、より高い次元の欲求に移行する(マズローの欲求層位説)。これを 図にすると図 4 のようなピラミッド構造になるが、構造の下部が満たされないと、我々 は下部の満足に腐心し、より上位の欲求、ひいては社会福祉の目指す自己実現はおぼ つかなくなるのだ。Aさんの事例を欲求層位説から見るなら、「基本的な生活の維持の 中でも、最低限度の生活23」とも言うべき低次に位置する「安全欲求」の実現に脆さが あると言える。

 Aさんの事例は、危機に直面すると容易に生活が破綻する脆さが露呈している。自 身の日本語能力を向上する機会、あるいは、日本語能力を向上させる動機づけが乏し いまま、仕事をはじめ生活が一応成り立つ環境に身を置いていた。そのため、まず日 本語を学習すること、更には各種支援の利用するなど、日本語能力の低さに起因する 危機への本人の管理意識が低かったと考えられる。日本語能力の限界が生活の危機対 処への硬直性に直結していることを示しているのである。このAさんの日本語能力に 起因する生活問題は、認知症の高齢者にも通じる。

 ここで認知症の高齢者の事例を見てみよう。

事例 2:認知症を発症した D さん(男性・86 才・要介護 1・日本)

 Dさんは認知症の中核症状が進行し、高次脳機能障害のうち、音声・文字などの言 語情報に関わる機能の喪失が進んでいる。いわゆる「失語」が顕著である。読めても 理解できない音読と理解の相互障害や、聞こえてきた言葉が音として入らなかったり、

言葉は理解できるものの、話す機能の障害があり、復唱ができなかったりする、復唱 障害が特に目立つ。支援者や家族が、長い言葉や文章を避けて、ジェスチャーを交え ながら簡単な言葉でゆっくり話しかけると、把握できるようである。しかし 1 回で理 解ができないこともあり、繰り返したり、通じる表現を模索して言い換えたりする工 夫が必要なことも多い。駅での切符の購入や、銀行のATM操作も困難を感じている。

これは、案内の表記が理解できないことが多いのに加えて、購入や引出・預入などの

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一連の手順が把握できない「失行」も併発しているためである。かかってきた電話や 訪問者の応対をひとりですることができない。冬場、給湯器のボタン表示が分からず、

冷水のシャワーを浴びてしまい、低体温症になっているところを発見されたこともあ る。自信の喪失から軽い「うつ」も見られ、自宅に閉じこもりがちになって生活圏は 縮小し、町の碁会所で仲間と囲碁を対局したり、買い物にいったりするなど外出する こともなくなった。

 事例 2 は認知症を発症した後期高齢者の日本人男性のケースである。中核症状が進 行し、「失語」と「失行」を抱えている。日本語の理解・運用が困難であるため、銀行 のATM使用や切符の購入など社会インフラのアクセスが困難である。さらに日本人と の会話が成立困難であることなど、言語のバリアーによる生活問題は、事例 1 のAさ んと共通する。さらにDさんが文字を理解できないばかりに機器の操作を誤り、自ら 命を落としかけた点も、日本語が理解できず自身の健康管理が困難となって、自動車 事故を起こしたAさんと類似する。

 加えて、AさんもDさんも外とのつながりが弱く、自身への見守りにも資するよう な社会資源を多く持っていない。

 Dさんは閉じこもりがちではありながらも、現在のところADLに問題は無い。しか し今後、生活不活発病に陥る危険性は考えられる。Dさんは要介護 1 の介護認定を受 けているので、中核症状の進行緩和と生活不活発病防止のため、社会福祉サービスの 提供対象である。例えば、社会参加を促進するプランから、買い物介助や碁会所への 付き添い介助を受けることができる。また、担当の介護支援専門員(ケアマネージャー)

が、言語が理解できない事による事故を防止するため、将来的には 24 時間見守りの可 能なグループホームの利用を検討する可能性もある。こうした公助の介入によりQOL

(生活の質)の維持・向上を図っている。

 事例 1 及び 2 は、言語(日本語)そのものの理解が困難であることから、直接生命 の安全(生存権)が脅かされているケースとして取り上げた。

 次に取り上げる事例 3 のBさんは、言語能力そのものよりは、文化的背景の相違な どに起因する判断能力をめぐる事例である。

事例 3:息子を中学校へ通わせていない B さん(40 才・男性・ブラジル)

 Bさんは家電製品の組立て工場に勤務している。Bさんの妻Lさんは専業主婦であ る。夫婦ともに片言の日常会話しか理解できない。本国で生まれたひとり息子Jさん が 6 才のとき、家族三人で来日した。短期の仕事で帰国の予定だった。しかし来日後、

不況による低賃金と本国での仕事の当てがないことから帰国の目処が立たないまま 8 年が経ち、長期の在留になっていた。

 Bさんは昨年景気が悪化して更に収入が減った。妻Lさんは、生活費を切り詰めて

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いたが、ついに困った彼女は市役所の外国人相談窓口を訪れて、生活費や仕事の斡旋 などの相談をした。このときインテークした担当者が息子Jさんのことをたずねたと ころ、中学 3 年生相当だが不就学であることが判明した。外国人学校へ通学させるだ けの収入がなく、退学させていたのだ。

 家族三人とも子どもが親の家計を助けることは当然と考え、Bさんの工場長の紹介 で、関連の工場でJさんは働いていた。少し楽になったら、公立中学校で勉強を再開 するつもりでいた。

 南米からの日系出稼ぎ労働者によく見られる事例である。

 Jさんも同意しているとは言え、14 才が工場勤務する「児童労働」が触法しない「軽 易な労働」にあたるかどうか怪しい。また、通学しながらの工場勤務ではなく、金銭 的理由で不就学の上で働かせることは、児童虐待のネグレクトと見なされる恐れもあ る。

 更に重要な点は、家族皆が年齢相当ではない学年にJさんが編入することを決め、

家計を優先させてJさんの不就学に至ったことである。確かに中学校への下学年編入 の措置は日本でも可能であるし、夜間中学校や中学卒業程度認定試験などで中学卒業 資格を得ることも可能である。

 しかし、Bさん一家は、義務教育期間において年齢主義を当然とする日本社会の一 般的な考え方をどこまで念頭に置いて、課程主義を優先させたのだろうか。日本の年 齢主義への考え方をBさん達が知っていたとしたら、Jさんが在留し続けて日本で就 職・就学する際に、課程主義によるリスクをわざわざ抱えるような選択をしただろうか。

年齢主義と課程主義の間を逡巡した様子は見られない。自己実現を図る上で、日本社 会では不利になる判断をしていると思われる。

 Bさん一家は、自分たちの基準(この場合、本国の制度・システム)で退学とJさ んの就労を判断した。自ら日本でのQOLを下げてしまう選択をしており、判断能力に 脆弱性が見られる。

 この判断能力の脆弱性が社会参加の制約と連関している事例が、次の事例 4 のDさ んである。

事例 4:軽度知的障害の E さん(女性・24 才・療育手帳 B2・日本)

 Eさんは、言われなければ知的障害があるようには見えず、健常者の若い女性と変 わらない。語彙も豊富で話も弾む。しかし難しい問題を自分の生活に引き寄せて理解 することができない。日常生活で普通に持っているスキルが上手く獲得できないため、

暴力を受けた認識はあっても、騙されている認識がなく、複雑な人間関係を自己調整 したり、助けを呼ぶ術を知らず、文句も言わない。権利関係の契約や金銭管理も困難 である。

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 軽度の知的障害を表すB2 の療育手帳を取得している24。身体障害は合併しておらず、

IQは 50 を超えている。このため境界知能には至らないが、周囲には個性と障害の見 極めが困難である。そこで表面的な行動だけを捉えて周囲に誤解されてしまう。

 Eさんは幼少時から家庭内暴力がひどく、自分の居場所がない。勉強も小学生の時 点で脱落し、高校は特別支援学校へ進み、卒業後は障害者雇用枠で地元の加工工場に 就職する。しかし作業は一般社員と同じ難しい仕事を任されるようになり、行き詰まる。

ストレスから友人など周囲にも八つ当たりをする。謝罪する発想はない。就職して三 年後、ついに欠勤を重ね解雇される。収入と住居を失う。一か月ほど公園で野宿生活 をしていたとき、一人の男性に寮付きの仕事を紹介される。性産業だったが、契約後 仕事を開始してから内容に気がついた。寮の契約書も理解できず、寮費の不当な請求 にも支払い続ける。給料もほとんどもらえなかった。スカウトした男性から、寮生活 に必要で「名前を書くだけ」と言われ署名したことがある。それは外国人が偽装結婚 して滞在資格を得るための書類で、入籍させられていた。直後、スカウトの男性から 同居するように言われ、見知らぬ外国人男性を紹介された。彼の監視下で偽装結婚の 相手と一時同居した。その後相手は失踪した。

 軽度の知的障害をもつEさんは、人間関係を自己調整することができず、友人や加 工工場の上司・同僚など、本来Eさんにとってインフォーマルではあっても見守り役 となり得る貴重な社会資源を失っている。彼女の価値観、行動原理には謝罪によって 人間関係を修復する発想がなかったようである。

 さらに家庭に居場所がなく、孤立したEさんは、寮付きの仕事を紹介される。相談 できる相手がいない彼女は、非常に不利な内容の契約や偽装結婚という詐欺に遭って いる。

 このように、全体像を把握できず自ら不利な状況に陥る点など、中学に不就学のB さん一家の事例と非常に似ている。両事例とも、自らのQOLを著しく下げることになっ ているとは思いもせずに行動・選択し、自分の社会参加を制約してしまっている。判 断能力の脆弱性に対応した支援が必要である。

 さらにEさんの場合、失業後にホームレスを経験している。Bさん一家も、失業し、

相談相手もいなければ、ホームレスになった危険性は否めない。またEさんは、一般 社員と同じ仕事を任されたものの、それができずに最終的に解雇されている。Eさん が仕事を受けたにもかかわらず遂行しなかった、という理由で失職した可能性もあり うる。これは外国人が、日本語や常識的に当然求められるであろう内容をよく理解し ないままに、当事者間の合意のみによる「諾成契約」が成立し、不利な立場に立たさ せる可能性を示唆している25

 Eさんの事例では、QOLを上げていく上で、判断能力を補完したり、向上させたり することで、社会参加のエンパワメントをしていくのが、彼女への福祉サービス提供

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の方向として考えられる。

 例えば、Eさんは障害者総合支援法における地域生活支援事業のうち、意思疎通支 援などが利用できる。友人など周囲と良好な人間関係を築いていくことで社会参加が 円滑にできるような支援である。また、権利擁護の一環として、成年後見制度の法定 後見制度「補助」の申立ても選択肢に挙げられる。

 さて上述のBさんの事例は、Eさんの事例を提示しながら、外国人の言語能力より も判断能力をめぐる生活問題としてとりあげた。

 次のCさんの事例は、判断能力と言語能力の両方が錯綜している。

事例 5:日本人の夫から DV を受けている C さん(女性・26 才・フィリピン)

 Cさんは 20 才のとき来日した。3 才の息子が一人いる。日本語は簡単な日常会話程 度である。ナイトクラブでダンサーとして働いていたが、店に来ていた日本人男性K さんと親密になり、在留期限の切れる滞日 6 ヶ月後を期に結婚した。

 夫は結婚当初はやさしかったが、息子が生まれてからはCさんに暴力を振るい始め た。暴力がひどくなってきたので、Cさんは離婚したいと思いはじめたが、離婚の仕 方がよく分からなかった。

 そこでかつてのナイトクラブの同僚Hさんに相談した。HさんはCさん同様に日本 人男性と結婚し、日本在住である。息子へ暴力が及ぶ不安など、離婚のことも絡めて 相談した。すると、どこからかそのことが夫の耳に入ってしまい、暴力は一層ひどくなっ た。近所に住む姑から、離婚費用や在留資格喪失のことなどを聞かされた。現在仕事 をしていないCさんには蓄えがない。

 子どもを引き取って日本で生活したいが、離婚したら日本に在留できないかも知れ ない。本国では仕事がないし、息子にとってもフィリピンは初めての土地で戸惑うか も知れない。離婚費用の工面もできない。Cさんは離婚するか我慢するかを逡巡した。

 Hさんに相談した一件から、夫にはCさんの携帯電話を解約された。Cさんの痣は

「Cが以前勤めていた店の客と秘密で話していたから喧嘩になった」と夫が作話して近 所に吹聴していた。Cさんは誤解を解くだけの説明ができず、痣も誤解も恥ずかしく て外出できなかった。姑も夫の話を真に受け、態度が冷淡である。週末のミサも禁じ られた。孤立した状況にあった。

 Cさんからの音信が不通になったことを不審に思ったHさん夫妻が、機転を利かせ て児童相談所に通報したことで、Cさんの事例が明るみに出た。

 このCさんの事例が判断能力と言語能力の両方の要素があることを上述したが、ま ず判断能力に関わる要素は、離婚、在留資格、そしてDV対処をめぐる知識である。

これらの社会制度やシステムに関する情報にアクセスできていれば、離婚後のことを 見据え、より早く抜け出せる可能性があった。

(14)

 また友だちのHさん夫妻の機転があって明らかになったが、Cさんが情報を得てい れば、自ら婦人相談所に通報して母子ともに一時保護を受けた可能性もある。

 言語能力に関わる要素は、第一に、夫の作話による噂を否定できなかった点である。

また、Hさんへの相談を夫が知って詰問されたであろう時、夫の怒りを和らげる会話 ができれば、暴力のエスカレートや噂の流布、携帯電話の解約による外部との遮断な どには至らなかったかもしれない。

 言語能力と判断能力の両方が連関しているCさんの事例は、「主張できない」ことで 生活問題を抱えている福祉の対象に類似している。

 その「主張できない」Fさんの事例を見てみよう。

事例 6:児童虐待を受けている F さん(女性・6 才・日本)

 Fさんは実母Mさん(26 才)と二人きりの母子家庭である。Mさんは前夫Rさん との結婚を両親に反対され、絶縁している。Rさんとは、Fさんが 5 歳のとき離婚する。

RさんはFさんを溺愛し、Fさんもなついていたが、養育能力の点から、Mさんに引 き取られる。

 私立保育園など各種サービスを組み合わせてFさんの保育を任せながら、Mさんは パートの仕事に従事していた。

 前夫RさんはMさんに内緒でFさんと面会したことがあった。後にMさんはそれ を知ってパートを欠勤しがちになり、境界性パーソナリティ障害(BPD)を発症した。

Mさん本人にはその自覚がない。Fさんの保育所通園もやめてしまう。

 そもそもFさんは、両親の離婚当時、父親Rについて行きたかったが、本音を訴え られず「ママと暮らすでしょ? まさかパパのところに行きたいの?」と詰問され返 答に窮した。それを、FさんがMさんと暮らす意思表示とMさんは受け取り、目の当 たりにしたRさんも経済力の点から引き取りを強く主張できなかった。Mさんに、よ り有利な状況で引き取られた経緯がある。Mさんはその時のFさんの選択を褒めたり、

Fさんが外出を連想させただけで、見捨てないよう涙ながらに訴えたり、自殺を仄め かして自傷行為に走ったりしている。

 Fさんは、MさんがBPDを発症してからは外出していない。母親と二人だけの閉鎖 的関係から、共依存に陥りつつあった。Fさんは窮状を訴えることはなかった。

 Mさんの心中騒ぎが近隣住民に通報され、不就学のFさんが発覚した。

 Fさんの事例は児童虐待である。母の自傷行為を見たり、自殺を言明されることは、

心理的虐待に当たる。また実質的にFさんを自宅軟禁して就学させていないのは、ネ グレクトと判断される可能性がある。

 もうひとつのポイントが「主張できないこと」である。Fさんの事例のように、主 張できないことで生活問題を抱える例は、認知症の高齢者、(身体・知的・精神)障害者、

(15)

そして児童の各福祉分野などで広く見られる。もちろん生活保護を受けている低所得 者など他の福祉対象であっても「主張できない」事態に陥ることはあり得る。

 この事例でのFさんのポイントは、①自分の気持ちを実母にはっきり示せなかった こと、②BPDをきちんと把握する能力がなかったこと、③自分の置かれた状況の異常 性を客観視する能力がなかったこと、が主に挙げられる。②と③は仮に情報を得られ たとしても、幼いFさんに理解できるとは考えにくい。従って、②と③をふまえて周 囲に訴えることはかなり困難である。①は言語能力の問題だけではなく、誘導と牽強 附会の解釈をした大人(母のMさん)の姿勢にも大きな問題がある。

 なぜなら、子どもの権利の特徴は、能動的権利と受動的権利にあるからだ。

 前者は、子どもは人間であるから、人間として主張し行使する自由があるはずだ、

という権利である。後者は、子どもが非主張者、非生産者の時期にあり、成人に比し て圧倒的なハンディキャップを負ってスタートしていることに由来する。保護者や社 会など、義務を負う側から保護や援助を受ける権利である。子どもへの深い共感と理解、

それらに依拠した思想や実践が伴っている。このような保護と援助を受けることが受 動的権利である。

 つまり①の問題は、保護者である母Mさんに、受動的、能動的両権利に裏付けられた、

Fさんへの傾聴の姿勢が欠落していたことが、「主張できないこと」の背景と考えられる。

 Fさんは児童養護の対象である。母MさんのBPDの診断と児童相談所による調査・

判定によって、家庭養護か社会的養護のいずれを受けるか決まる。

4.2 国際機能分類モデルからの事例の比較

 前節では、事例 1、3、5 を外国人の生活問題、事例 2、4、6 を日本人の生活問題と して取り上げた。福祉の対象となる日本人の事例は、それぞれ高齢者福祉(事例 2)、

障害者福祉(事例 4)、児童福祉の事例(事例 6)である。

 外国人の事例と日本人の事例を、WHO(世界保健機関)が採択している国際生活機 能分類(ICF26)のモデルを足がかりに比べてみたい。

 図 5 のように、ICFモデルは、中心に「心身機能・構造」「活動」「参加」の生命レベル、

生活レベル、人生レベルに対応する 3 要素 があり、この 3 つが「生活機能」(人が生 きることの全体)を示している。この周囲 に「健康状態」「環境因子」「個人因子」が 配置されている。このモデルの特徴は、生 活機能内の 3 要素間、「生活機能-健康状 態」間、「生活機能-環境因子-個人因子」

間が相互に影響を与えあう、「相互作用モ デル」という点である。従来陥りがちであっ

(16)

た、一つの要因を重大視・優先する相互依存性の考え方を克服したモデルである。即ち、

医学モデルにありがちな「心身」を過大視する基底還元論や、福祉関係者による社会 モデルにみられる環境因子偏重視などの傾向を回避しようとするモデルである。例え ば、「『ADL(心身)→外出できない(活動)→失業(参加)』であるから、ADLのリ ハビリが必要だ」という一方向の基底還元論ではなく、逆の方向から「在宅勤務(参加)

→意欲向上による家事の試み(活動)→ADLのリハビリ(心身)」のように、局所の みに着目せず相互作用を期待してQOLの向上を図るのである27

 このICFモデルの要素・因子などを利用して、上述の外国人の事例と日本人の事例 とを比べてみよう。

 まず事例 1(タイのAさん)と事例 2(認知症のDさん)は、双方とも「コミュニケー ション(a310、a320、a350 など28)」と「健康の維持(a5702)」において活動に制限が みられ、参加では「非公式な社会関係(p7500~p7502 など)」に制約がある。事例 1 と 事例 2 で最も注目したい相違は、後者で「心身」での「言語に関する精神機能(b167)」

に障害があることだ。

 事例 3(ブラジルのBさん)と事例 4(知的障害のEさん)とを比べると、共通する点は、

情報を得るために「読む(a166)」活動に制限があり、「報酬を伴う仕事(d850)」や「経 済的自給(d870)」に、活動制限があったり(事例 4:a850、a870)、将来的に参加制 約に陥る危機にあった(事例 3:p850、p870)ことが挙げられる。両者の環境因子と して、「市民保護サービス(e545)」などが不十分であったことが考えられ、そのこと が生活機能の阻害因子となっていたとも考えられる。両事例での相違は、事例 4 で「高 次認知機能(b164)」に障害があることだ。

 では事例 5(フィリピンのCさん)と事例 6(被虐待児童のFさん)ではどうだろうか。

 コミュニケーションと、対人関係のうち「家族関係(a760)」に活動の制限がある。

そして「家庭生活(p6)」や「対人関係(p7)」の参加制約が生じている。これには環 境因子として「市民保護サービス(e545)」の不十分さがここでも挙げられよう。

 事例 5 と 6 で注目したい点は、両者とも活動制限や参加制約を抱えているにも関わ らず、心身に相違がないことだ。ここに外国人を福祉対象として捉える上での鍵がある。

 事例での児童は健常者であり、「言語に関する精神機能(b167)」に障害があるわけ ではない。同様に「高次認知機能(b164)」に障害があるわけでもない。未発達である ため、事例 2 や事例 4 の福祉対象者のように参加制約を被り、生きることの困難を抱 えているのだ。そしてそのことこそが児童が福祉の対象として捉えられる所以である。

4.3 福祉対象としての外国人の固有性

 それでは健常者である児童が、未発達であるが故に福祉の対象となるなら、外国人 の場合はどうであろうか。

 日本人の児童と外国人を比べてみた場合、多くの外国人は日本語能力が未熟であり、

(17)

文化・習慣や社会制度、システムが異なる背景を持つため、日本社会で常識的と考え られる知識に乏しく、またその知識に基づく適切な判断には困難が伴う。

 つまり外国人もまた、日本という生活空間における「言語に関する精神機能」と「高 次認知機能」が未発達であることが、事例 1、3、5 のような参加制約、即ちQOLを低 めてしまう生活問題を抱えていることに連関していると言えるのではないか。

 従って、外国人という社会層を福祉の対象と捉えた場合、「言語に関する精神機能」

と「高次認知機能」とに着目することが、彼らへの固有の対応と考えられる。

 具体的には、言語障壁や文化・価値・習慣の違い、社会システムの違いとそれに関 わる情報不足、そしてこれらを包含したサポートシステムの欠如を解決してゆく取組 み等29が、従来の福祉対象である社会層と異なって、独自に求められる福祉サービス と考えられる。

 さらに、所得保障に関わる生活保護法を除いて、いずれの福祉法にも、国籍条項の 規定がないので、外国人が既存の社会福祉サービスの対象たりうることを鑑みれば、

外国人の社会層をひとつの福祉対象として捉えることは、彼らのQOL向上に効果的で あるとともに、社会保障の項で先述した「マイノリティの視点の普遍化」の方向性と も軌を一にする。

 しかし、このような外国人を社会層として捉えた社会福祉的取組みはまだ十分とは 言いがたい。

5 外国人に特化した社会福祉の必要性 5.1 政府の取組みと「個別的対応」の重要性

 政府が「日本で働き、また、生活する外国人について、その処遇、生活環境等につ いて一定の責任を負うべきものであり、社会の一員として日本人と同様の公共サービ スを享受し生活できるような環境を整備しなければならない30」として、日本で生活す る外国人への総合的な対応策を打ち出して継続的に取り組んでいる点は、確かに外国 人への支援として多面的な取組みである31。例えば、文化庁文化審議会国語分科会によ る「生活者としての外国人」に対する日本語教育の取組み32は、外国人のQOL向上を 主眼にした福祉的色彩の強いものである。しかし個別的対応に関わる視点は見受けら れない33。例えば、学習のタイミングをはかったり、自立を促進する上で介入不介入の いずれがよいかと判断したりすること、あるいは教室か個人教授かなど、学習者の生 活問題や生活歴、環境などを総合的に鑑みて個々のケースに適切な支援を判断するこ とが重要である34。このような個別的対応は、社会福祉の相談援助に必要な専門的支援 である。しかし現状では、外国人や支援者などがそれぞれ局所的、断片的な情報で模 索するにとどまっている。生活全体を俯瞰した支援を試みる体制ではない。他の諸対 策との連携を図る個別担当者を設置するなど、支援の上で結節点となる人材の配置も はっきりしていないのである。

(18)

 また、政府の総合的対応策を社会福祉の点から見ると、内閣府が外国人「支援者向 け」のポータルサイトを運営しているものの、社会福祉の所管である厚生労働省の取 組には、留学生および外国人の雇用促進と、それに関連した社会保険への加入促進など、

就労支援関連と社会保険に終始している35。これは総合的対応策の推進主体が、外国人 の労働者問題を核に構成されているからである。

 従って、総合的な対策として、各分野が生活におけるそれぞれの局面への対応策を 立てながら、各対策の結節点を欠いているために、トータルな支援が実現できていな いのである。

 社会福祉援助実践は、「信頼関係の構築」と「継続性」による「個別的対応」に特徴 付けられる。信頼関係の構築により継続的に福祉の対象に接することが可能であるし、

福祉の対象に継続的に接することで信頼関係が構築できる。この二つの要素により、

福祉対象の日々の生活をより正確に理解・把握することにつながる。このことにより 福祉対象に見合った「個別的対応」へとつながるのである。「個別的対応」を簡単に説 明するなら、同じ不就学の外国人児童がいたとしても、それが日本の教育制度につい ての保護者の理解不足によるのか、保護者のネグレクトなど児童虐待によるのかでは、

対応の方法が全く異なってくるということである。なにが効果的な介入となるかは、

千差万別である。同一の対象者であっても二度と同じケースは生起しないという「一 回性」の意味合いも個別的対応の概念には含まれている。福祉対象者との継続的関係 と信頼関係とにより生活を深く理解することが、生活問題の解決・緩和において肝要 である。

 このため多くの福祉分野でケアマネジメント制を導入し、ケースワーカーあるいは ソーシャルワーカーといった社会福祉の相談援助の専門家が、対象者の個別担当者と なっている。対象者と各種社会資源との結節点として存在しているのだ。彼らは各対 象に継続的に接触し、信頼関係を構築して、どうすることが効果的な介入なのか、利 用可能な(あるいは開発可能な)どんな社会資源を組み合わせれば、対象者の生活問 題が緩和したり改善したりするのか、日々模索しながら取り組んでいる。

 しかし政府の取り組む外国人への総合的対応策の推進は、福祉の視点が欠けている ため、生きることの困難・障害の緩和や改善を主眼とした生活問題へのトータルな取 組みではない。日本で地域生活を送る外国人自身や社会福祉専門職以外の支援者が、

自助・共助で外国人という社会層にみられる課題に気づいた範囲で取り組み、場合に よっては、別途、日本人と同様の各社会福祉サービスにつなげるという、二重の対処 構造の中に存在している。

5.2 外国人を対象とした福祉法の必要性

 外国人という社会層特有の生活問題と、外国人・日本人の別なく直面するタイプの 生活問題は、外国人個々人の生活場面で複雑に絡み合っているが、それを専門的に理

(19)

解し各種社会資源へと効果的につなげていく制度が整っていない。これは生存権が侵 されている状況である。

 福祉六法の成立経緯で見たように、社会状況の変化や価値観の変化を受けて、福祉 の対象と法制度は拡充および細分化をすすめてきた。上述のように、「外国人という社 会層固有の支援」と、「日本人と共通した各社会福祉サービスによる生活問題への対処」

とを別々に対処する二重構造を解消し、かつ、専門職による支援を保障しなければな らない。そのためには、外国人という社会層を焦点とした福祉法を制定することが必 要である。

 外国人の福祉法の制定で、公助によりケアマネジメント等、福祉の専門家による個 別担当者を通じた個別的対応へとつないでいくことが可能となる。誰が特定の外国人 のワンストップの窓口として対応し、個人の特性を把握して各種サービスを有効に組 み合わせた提供に当たるのか、という総合的な対応と支援の法的な責任の所在が明ら かになるからだ。

 さらに、日本語学習支援、通訳、多言語対応、文化・社会制度事情の情報提供など のケアが当事者に効果的に提供され、支援者の有無や質などによる格差が生じない、

高い質のケアを確保することにもつながる。この社会福祉の専門性に基づく支援によっ て、はじめて生活者としての外国人への総合的対応が実現するのである。

 現場にいる外国人当事者と、外国人に直接接する日本語教育支援者や外国人支援ボ ランティア、通訳者といった非専門家の支援者36による自助・共助に、過大な負担が かけられている現状は想像に難くない。社会福祉の専門職による対人援助技術に裏付 けられた、外国人を対象とした相談援助サービスを公助として立ち上げる時機が到来 したのではないだろうか。不法残留者の、その不法となった経緯は慎重に精査すべき であるが、支援に値すると判断された一部の不法残留者を含め、外国人を焦点とした 福祉法制定の意義は大きいと考える。

1 「滞日外国人」とは、「在留資格の種類や有無を問わず、日本国籍を有さずに現に日本 に滞在している人すべて」を指す。(社団法人日本社会福祉士会(2012)p.20.)

2 里見賢治(2010)pp.33-36.

3 2000 年 12 月に解散した旧社会保障制度審議会による、社会保障費の範囲として分類し た区分であるが、わが国の社会保障の制度別分類を反映したものと言える。

4 従来、老人保険を含めた 5 領域であったが、老人保健法に基づく老人保険制度が 2008 年 3 月に廃止され、同年 4 月から「新たな高齢者医療制度」が始まった。これは医療 保険すなわち社会保険に含まれ、現在 4 領域である。また、公的扶助とは、生活保護 法に基づく生活保護制度のことである。そして社会福祉は、いわゆる社会福祉 6 法か ら上記の生活保護法を除いた福祉 5 法を中心とする。社会福祉にはこのほかに社会手

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当を含んでいる。社会保険は、社会保険方式の制度で、わが国では年金保険、医療保険、

雇用保険および失業保険、労働者災害補償保険、介護保険を指している。公衆衛生及 び医療は、結核やハンセン病、伝染病の対策・予防や精神衛生事業、上下水道施設整備、

一般廃棄物処理施設や公害対策などを含むものである

5 制度面と機能面で、生活保護法は所得保障と社会福祉の両者にまたがっている。

6 岡崎祐司・藤松素子・坂本勉(2002)p.53.

7 池田敬正・池本美和子(2002)pp.199-213.

8 日本国憲法 25 条の生存権規定に基づいて、1950 年に全面改正した生活保護法が制定さ れた。1946 年の同法を「旧生活保護法」、1950 年改正法を「新生活保護法」と区別す ることもある。

9 庄司洋子・松原康雄・山縣文治編(2002)pp.222-225.

10 法務省(2015)『平成 26 年末現在における在留外国人数について(確定値)』

11 総務省(2014)『人口推計 平成 26 年 12 月報』

12 在留外国人のうち増加傾向が著しいのは、出身別にベトナム、ネパール、台湾で前年 比 2 〜 4 割前後の伸び率である。一方減少傾向にあるのは、韓国・朝鮮、ブラジル、ペルー である。この様な増加および減少傾向にある在留外国人で最大の構成比を占めている のが中国人で、全体の 3 割、ついで韓国・朝鮮の 23.6%、フィリピン 10.3%、ブラジ ル 8.3%、ベトナム 4.7%、以下おおよそ 2%の構成比で米国、ペルー、タイ、ネパール、

台湾が並び、それ以外の出身が 7.8%という状況である。

13 戦後に密航など不法入国のうえ、日本国内の混乱に乗じて永住権を得たものが 15%(『朝 日新聞』1955 年 8 月 18 日付)から半数(「密航 4 ルートの動態 日韓結ぶ海の裏街道  潜入はお茶のこ 捕わる者僅か 2 割」『産業経済新聞』1950 年 6 月 28 日付)にのぼる など諸説ある。

14 2014 年 12 月末時点で、特別永住者数 358,409 人に対し、韓国・朝鮮出身は 354,503 人で、

98.9%を占める。(参照:法務省(2015)『在留外国人統計(旧登録外国人統計)統計表』)

15 武田丈(2009)p.7.

16 法務省(2015)『在留外国人統計(旧登録外国人統計)統計表』。国籍別では、中国が 49.2%と半数に迫り、ベトナム 15.2%、韓国・朝鮮とネパールが 7.3%と並び、上記国 籍でほぼ 8 割を占める。留学生は全部で 214,539 人おり、中国が 105,562 人、ベトナム 人 32,804 人、韓国・朝鮮 15,768 人、ネパール 15,697 人、台湾 7,528 人、タイ 3,820 人、

インドネシア 3,798 人、マレーシア 2,607 人、米国 2,571 人と続く。

17 法務省告示「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の規定に基づき同法別表 第二の定住者の項の下欄に掲げる地位を定める件(平成 2 年法務省告示第 132 号)」(※

最近改正 平成二十七年七月二日法務省告示第三百五十七号)での 1 号定住者から 8 号定住者までを指す。

18 法務省(2015)『在留外国人統計(旧登録外国人統計)統計表』。定住者を国籍別に見ると、

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ブラジルとフィリピンがそれぞれ 27.9%と 27.5%で双璧である。ついで中国の 16.7%、

ペルーの 6.8%と続く。定住者は全部で 159,596 人おり、ブラジルが 44,559 人、フィリ ピンが 43,997 人、中国 26,676 人、ペルー 10,796 人である。

19 法務省(2015)『在留外国人統計(旧登録外国人統計)統計表』。「日本人の配偶者等」

は全部で 145,312 人おり、中国が 36,469 人、フィリピン 29,150 人、ブラジル 15,565 人、

韓国・朝鮮 15,134 人、米国 8,741 人、タイ 7,411 人である。

20 不法残留者全体の 20%強が韓国、次に中国 15%弱、1 割程度がタイ、フィリピンであ る。前年と比べると韓国、フィリピンは減少傾向にあるが、一方で著しい伸び率を示 しているのがベトナム(構成比 4.1%に対して、前年比+ 66.8%)、タイ(前年比+

20.2%)、インドネシア(構成比 2.1%、前年比+ 14.7%)である(参考:法務省(2015)

『本邦における不法残留者数について(平成 27 年 1 月 1 日現在)』

21 法務省(2015)『在留外国人統計(旧登録外国人統計)統計表』

22 筆者の接した事例以外に、石河(2012)、同(2003)、永和(2009)、澤(2009)の各文 献およびNHK教育(2013)、NHK総合(2013)の各放送番組を参考にした。

23 永和良之助・坂本勉・福富正城(2009)p.82.

24 療育手帳は障害者が取得し、居住する自治体からの支援を受けるなどの際に必要とな るが、国による統一した規格はない。名称も区分も各自治体の裁量に任されている。

例えば、「療育手帳」の他に、「愛の手帳」「愛護手帳」「みどりの手帳」などを採用す る自治体もある。当事例での「B2」は、Aは身体障害、Bは精神障害、そして 1 は重度、

2 は軽度という区分に沿って発行されていて、「軽度の知的障害」である。

25 外国人の場合、基本的には契約成立の当事者としての権利能力を有している(民法 3 条 2 項)。しかし日本語能力に不安があったり、日本事情に疎かったりした場合、契約 成立に有効な意思表示をして、その結果を判断できる知的能力を指す「意思能力」や、

判断能力すなわち「行為能力」をどこまで正当に評価した上で、契約の当事者として の権利能力を有していると見なすかは困難である。当事者間の合意のみで成立する「諾 成契約」は、外国人にとって某かの支援が必要となる分野だと思われる。

26 International Classification of Functioning, Disability and Health 27 上田敏(2005)pp.15-31.

28 「a310」などはICFにおける分類コードである。「アルファベット+数字」の組み合わ せで表記される。アルファベットの意味は、「b=心身機能」「s=身体構造」「d=活 動/参加の仮称としての『領域』」「a=活動」「p=参加」「e=環境」である。個人因 子に関わる記号はまだない。数字は、1 桁が大分類、3 桁が中分類、4 桁が小分類で、

桁数が大きい数字ほど上位カテゴリーの分類を示している。

29 石河久美子(2012)pp.18-20.

30 外国人労働者問題関係省庁連絡会議(2006)p.1.

31 「外国人が暮らしやすい地域社会づくり」の対策として、日本語教育の充実、行政・生

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活情報の多言語化、地域における多文化共生の取組の促進、防災ネットワークの構築、

防犯対策の充実、住宅への入居支援、母国政府との連携、などを挙げている。また「外 国人の子どもの教育の充実」や「外国人の労働環境の改善、社会保険の加入促進等」、「外 国人の在留管理制度の見直し」などを掲げている。

32 文化庁(2010)p.2.

33 内閣官房(2015)

34 また、外国人へのアウトリーチも、学習機会を知らなかったり、学習の必要性に気づ かなかったりして生起している生活問題を解消したり、予防したりする上で大切な支 援活動のひとつである。

35 内閣官房(2013)

36 石河久美子(2012)pp.26-27.

参考文献

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――――(2003)『異文化間ソーシャルワーク』,川島書店.

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(23)

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内閣官房(2013)『外国人労働者問題関係施策について』http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/

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――――(2015)『「「生活者としての外国人」に関する総合的対応策」の実施状況について』

http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/gaikokujin/pdf/jyoukyou270325.pdf(2015 年 9 月 5 日閲覧)

文化庁(2010)『「生活者としての外国人」に対する日本語教育の標準的なカリキュラム 案 に つ い て( 案 )』http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/nihongo/

nihongo_28/pdf/shiryo2.pdf(2015 年 9 月 17 日閲覧)

法務省入国管理局『【第 2 表】在留資格別外国人登録者数の推移』http://www.moj.go.jp/

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――――(2015)『在留外国人統計(旧登録外国人統計)統計表』http://www.moj.go.jp/

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――――(2015)『本邦における不法残留者数について(平成 27 年 1 月 1 日現在)』http://

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――――(2015)『平成 26 年末現在における在留外国人数について(確定値)』http://www.

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NHK教育(2013 年 12 月 10 日放送)「ハートネットTV」『シリーズ貧困拡大社会 第 19 回  見 え な い 世 界 に 生 き る 知 的 障 害 の 女 性 た ち 』http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/

summary/2013-12/10.html(2015 年 7 月 2 日閲覧)

NHK総合(2013 年 12 月 17 日放送)「NHKニュース おはよう日本」『狙われる軽度知的 障 害 の 女 性 』http://www.nhk.or.jp/ohayou/marugoto/2013/12/1217.html(2015 年 7 月 4 日閲覧)

参照

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