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初期たわみを有する補強長方形板の自由振動特性に 関する研究

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Academic year: 2021

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(1)

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

初期たわみを有する補強長方形板の自由振動特性に 関する研究

有冨, 正男

https://doi.org/10.11501/3088186

出版情報:Kyushu University, 1991, 博士(工学), 論文博士 バージョン:

権利関係:

(2)
(3)

衣刀其周た=才つぷ歩をと手三fτT之〉孝甫ヲ会主ミヌ7汗223F反α〉

EJE包主辰重力等寺Jt生むこfUIτT之〉石汗多E

平成 3 年 1 0 月

手三f言言 工Eラ�

(4)

自 ぞJ欠

第1章 緒 論

l

第2章 基礎理論

8

2.

1 緒言

8

2. 2

有限変形理論に基づくひずみテンソル

9

2. 3

板の大たわみ理論に基づくひずみ一変位関係式

13 2. 4 smeared ou t 法

19

2. 5

運動方程式

28

2. 6

境界条件

32

2. 6. 1

面内境界条件

32

2. 6. 2

面外境界条件

33

2. 7 結言

36

第3章 理論解析法

37

3. 1 緒言 ..

37

3. 2

基礎式の無次元化

38

3. 3

支配方程式

42

3. 4

境界条件とたわみ関数

45

3. 5

応力関数

48

3. 6

モード方程式 .. .

. . . .... .. ... .. . . .. .. ... .. .. 54

3. 7 逐次近似法

56

3. 8 結言

61

(5)

第4章 実験方法 ・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・・・・ ・・・ ・・・・・・・・ ・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・・ ・・ ・・

62

4.

1

緒言

62

4. 2 試験片

64

4. 2.

1

両面対称補強板 ・・ ・・・・・・・・・・ ・・・・・・ ・・ ・・・ ・・・・・・ ・・・・ ・・・・・・・

64

4. 2. 2 補強材のねじり剛性

67

4. 2. 3 片面補強板 ・・・ ・・・ ・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・ ・・

70

4. 3 試験片取付枠

74

4. 4 線形振動実験 ・・ ・・ ・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・ ・・ ・・・ ・・ ・・

76

4. 4.

1

固有振動モードの測定方法

76

4. 4. 2 線形固有振動数の測定方法

80

4. 5

非線形振動実験 .

.

.

. . . . .. .. ... .. . . 81 4. 6

結言

84

第5章 両面対称補強板の線形振動

85

5.

1

緒言

85

5. 2 両面対称補強板の補強材パラメータ

86 5. 3 固有振動モードに及ぼす初期たわみの影響 . . ..

...

. . .

.

...

..

. . .

.

...

.

88

5. 4 線形固有振動数に及ぼす初期たわみの影響 ...

.. ... .. ... .. .. 96

5. 5 線形固有振動数に及ぼす質量比と剛性比の影響

100

5. 6 結言

.

.

.. ... . . ... ... .. .. . . .. .. ... .. . .. . .. .. ... .. . . .. .. ... .. .. 105

-llー

(6)

第6章 両面対称補強板の非線形振動

106

6.

1

緒言

106

6. 2 振動変位 ...

.

.

.. 108

6. 3 断面カ

115 6. 4 振動数比ω/ωの近似式の検討 *

119

6. 5 固有振動数の振幅依存性に及ぼす初期たわみの影響

123

6. 6 固有振動数の振幅依存性に及ぼす振動モードと剛性比の影響

127 6. 6. 1 振動モードの影響

127 6. 6. 2 剛性比の影響

129 6. 7

結言

134

第7章 片面補強板の振動特性

136

7.

1

緒言

136

7. 2 片面補強板の補強材パラメータ ....

.. ... .. .. 137

7. 3 線形振動

139

7. 3.

1

振動モード

139

7. 3. 2 固有振動数

144

7. 4 線形固有振動数に及ぼす偏心補強の影響

150

7. 5 非線形振動

153

7. 5.

1

振動変位

153

7. 5. 2 固有振動数の振幅依存性

153

7. 6 固有振動数の振幅依存性に及ぼす偏心補強の影響

1 59

7. 7 結言

161

第8章 結 論

162

-

m

-

(7)

謝 辞 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・ ・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・ ・・・・・・・・・・ ・・・・・・・

166

参考文献 ..

. .. ... ... .. ... . .. .. ... .. . . .. .. ... .. . . .. .. ... .. .. 167

[付録1 ] 応力関数(3.28)の中の係数 apQ , Cuv 177

[付録II ] 応力関数(3.40)の中の係数ぎuv,Zm --- 179

[付録III] 線形振動のモード方程式(3.47)の各係数 .. . . .. 181

[付録NJ 一項モード近似による非線形振動のモード方程式(3.50)の各係数 ・・ 182

[付録V] 付録IIIと付録Wで使用したKroneckerのデルタ群 184

[付録VI] 逐次近似法による式(3.50)の解法 186

[付録vn] 補強板試験片の各剛性比と最大初期たわみ

191

-IVー

(8)

表己

Amn :最大振動変位

Ar1, Ar2' As1, As2 :補強材の断面積

A1 曲率の増加する方向への振幅

A2 :曲率の減少する方向への振幅

α

:補強長方形板の長さ

B

:板中央点の最大初期たわみ

B x , B y , B Xy, B 12 , B 21 :補強板の曲げと面内伸びの連成剛性

b :補強長方形板の幅

bpq 式(3.38)で与えられる定数

c x , C y , c Xy, C 12 :補強板の伸ぴ剛性

C r, C s :非補強板の中央面から補強板断面の中立軸までの距離 Dx, D y, D 12 :補強板の曲げ剛性

Dxy 補強板のねじり剛性

d :式(3.38)で与えられる定数

dr,ds :補強材間隔

E :試験片材料の縦弾性係数

Er1,Er2,Es1,Es2 :補強材の縦弾性係数

Ex, Ey :直交異方性非補強板の縦弾性係数

E 11 E 12, E22 :式(2.28)で与えられる直交異方性非補強板の持性係数 er1,er2,es1,es2 :非補強板の中央面から補強材の図心までの偏心距磁

F

:応力関数

G :非補強板の横弾性係数

Gr1, Gr2, Gs1, G62 :補強材の横弾性係数

H�, Hη,Hcη

:式(3.15)で与えられる各剛性比と無次元連成剛性を含

む定数

h

:非補強板の厚さ

-vー

(9)

hr,hs :試験片の補強材高さ

hl,h2,h3,h4 :補強板断面の中立軸から非補強板の上面および下面ま

での距離

1 r 1 , 1 r2, 1 s 1, 1 62 :補強材の補強板断面の中立軸に関する断面二次モーメ

ント

J r 1 , J r2, J s 1 , J 62 :補強材の補強板断面の中立軸に関するねじり定数 Ko,Kll,K12,K22,K33 :式(3.12)で与えられる伸び剛性比を含む定数

kllln

:振動モードの形状によって定まる任意の定数

Mx,My :補強板の単位長さ当たりの曲げモーメント Mxy, MyX :補強板の単位長さ当たりのねじりモーメント Mc,Mη :式(3.1)で与えられる無次元曲げモーメント Mcn 式(3.1)で与えられる無次元ねじりモーメント

ffisr :補強材が交差する部分の補強材質量 N x , N y , N Xy, N YX :補強板の単位長さ当たりの断面力 Nc,Nη,Ncη :式(3.1)で与えられる無次元断面力

n

: :補強材本数

q

:単位面積当たりの積荷重

TE

:補強板の運動エネルギ

:時間

U

:補強板のひずみエネルギ

V

:外荷重のポテンシャルエネルギ

U,V,W : x,y,z各軸方向の補強板の任意点の変位成分

u 0

, VO , WO : x, y , Z各軸方向の補強板断面の中立軸の変位成分

Wr, WS :試験片の補強材幅

XlIln

:式(3.27)で与えられる座標関数

ZlIln

:式(3.26)で与えられる定数

x,y,z :直交デカルト座標

Z r, Z s :補強板断面の中立軸からのz方向の距磁

WH

(10)

:非補強板の任意点のひずみ :補強板断面の中立輸のひずみ

:式(3.1)で与えられる補強板断面の中立軸の無次元ひず み

�,マ :無次元座標(x/b, y/b)

αr,αs,αrs,αsr

βr,βs βsr

r r , r s , r 11 , r 22

rsr

γr,γs,γ12,γ21

δlJ

εx,εy,εXy,εYX

o _ 0 _ 0

ε x ,εY,εXY

0 0 0

ε{ ,εη,εcη

:補強材と非補強板の伸び剛性比 :補強材と非補強板の 曲げ剛性比 :補強材と非補強板のねじり剛性比

:式(3.13)で与えられる伸び剛性比と無次元連成剛性を 含む定数

:式(3.16)で与えられる伸び剛性比と無次元連成剛性を 含む定数

:曲げと面内伸びの無次元連成剛性 : Kronecker のデルタ

^

:式(3.32)で与えられる面内境界条件に関する定数

λ

:補強長方形板のアスペクト比( =α/ b)

y

:試験片材料のポアソン比

y Xy, VyX :直交異方性非補強板のポアソン比

ご 初期たわみ

P

:非補強板の密度

Pe

:補強板の単位面積当たりの相当質量

Prl,Pr2,Ps1,Ps2

:補強材の密度

P

:補強材と非補強板の質量比

σX,σy,τXY . 非補強板の応力成分

σr 1 ,σr2,σs 1 ,σs2

:補強材の垂直応力成分

r

:式(3.1)で与えられる無次元時間

r rs 1 , r rs2, r r z 1 , r r z2

:補強材のせん断応力成分

mu

(11)

'Z"srl,τsr2, 'Z"szl, 'Z"sz2

:補強材のせん断応力成分

併r

1

,併r2,φs

1

,併82 :補強材のねじりに対する反り関数

XPQ

:式(3.38)で与えられる定数

ω

:線形固有角振動数

ω*

:非線形固有角振動数

なお, これらの記号の上にーを付記した記号は, それらの無次元量を表す.

下付添字

r

:振動次数

:y軸方向の補強材に関する諸量を表す :x軸方向の補強材に関する諸量を表す

ID,n

S

上付添字

:補強板断面の中立軸における諸量を表す

演算記号

δ

( ) ,1

:第1変分記号

: i座標に関する偏微分あるいは常微分を表す

川山

(12)

多宮 1 尊重 存者 言命

近年, 材料資源の節約, 性能向上, 経済性を考慮して各種構造物の軽量化がな され, 薄板を基本要素とする構造が広く採用されるようになってきた. しかしな がら, このような薄板橋造は必然的に曲げ剛性が低下し, 容易に変形しやすくな る. そのため, 軽量で剛性の高い構造が早くから要求されてきた航空機や船舶,

車両などの輸送機械の分野では, 浅い曲面を呈する補強薄板橋造が数多く見受け られる. また, 高速道路の橋梁やロケットの射点設備なども動的荷重を受ける補 強薄板橋造の例である. このような補強薄板橋造では, 板厚を増すことなく必要 な高い剛性が得られて構造物の軽量化を図ることができる. ところが, このよう に軽量化を図った構造物は種々の励振により大振幅の曲げ振動が発生し, 強度上 の大きな問題となる場合がある. 例えば, 船舶ではエンジンの振動などが伝搬し て船底, 船側, 隔壁等から音響エネルギとして放射される騒音問題のみならず,

疲労き裂の発生などの問題も生じる. また, 航空機外板には気流の乱れで生じる 圧力変動やジェットエンジンの騒音による高い音圧変動が面外荷重として作用し,

疲労による構造破壊にもつながることがある. このような損傷や破壊を避けるた めには, 航空機や船体を構成する各々の構造要素が動的荷重を受ける場合の応答 を求める必要があり, そのためには各構造要素の振動特性を明らかにして構造設

計をすることが重要である.

ところで, 補強薄板橋造の基本構造要素である補強板が静的あるいは動的な荷 重を受けて変形する場合の問題は, 板と補強材を分離して考え, 板の変形と補強 材の変形とが両者の結合部において一致するという, はりと板の複合構造物とし て取り扱うのが一般的であり, 様々な方法が補強板の曲げや振動の解析に用いら れている.

まず, マトリックス法を使用した研究としては, 栖原1>が補強板の曲げ振動問 題を, 板と補強材それぞれに初等理論を適用し, 両者の結合部で連続条件を用い て解析している. Smith2)は直交補強板の曲げ,座屈および振動の基礎式をマトリ ックスの形で誘導しており, 同様な方法で清水と佐藤3)は補強材のねじりの影響

噌EE--

(13)

を考慮して振動時の応力分布を明らかにしている. また伝達マトリックス法を用 いて, MercerとSeavey4)は幅, 厚さおよび材料特性が異なる有限個のパネルの固 有振動数と固有モードを検討し,LinとDonaldson5)は航空機構造を研究するため に伝達マトリックス法の使用を再調査し, 斎藤と山口6)は補強板の自由振動で粘 弾性ばりの大きさや取付け数が対数減衰率, 固有振動数および振動波形に及ぼ、す 影響を明らかにしている. さらに, Long7・8)は 剛性マトリックス の中で, 補強材 方向と交差する面内変位を無視して自由振動の定式化を行っており, McDanielと Eversole9)は有限要素法と伝達マトリックス法を組み合わせて直交補強板橋造の 動的問題を取り扱っている.

次に, 樋口は板に及ぼす補強材の影響をせん断力とモーメントの不連続量とし て長方 形板の運動方程式に導入し10}, 二重フーリエ変 換を 適 用 し て 解い て い る11 ) 川上12) ,MichalopoulosとWheeler13)およびNicholson14)はそれぞれ同じ 形の運動方程式をGreenruJ数を用いて解析しており, 大富15・16)はLaplace 変換 を適用して固有振動数と振動モードを求めている.

また, Rayleigh-Ritz法が補強板の振動問題を研究する際に広範囲にわたって 使用されている.例えばKirk17-19)は補強材と板の間の結合状態や振動モードの 形状が固有振動数に及ぼす影響を調査し, Mahalingam20・21)は補強板の自由振動 問題をはりの固有関数を使用してRayleigh-Ritz法で定式化している. Bhat22) は補強材間隔が自由振動に及ぼす影響を明らかにし,Mizusawaら23)は補強斜行板 の自由振動解析において, 境界条件を満足する関数としてB-スプライン関数を採 用し, 様々な補強形態と剛性比の場合を調べている. LauraとGutierrez24) は周 辺に沿った種々の弾性拘束が固有振動数に及ぼす影響を研究し ,Madsen25)は補強 材の曲げ, そりを伴うねじりおよび軸変形を考慮して, 直交補強パネルの自由振 動を解析し, 道本ら26)は曲面板の補強方法と振動特性の関係を検討している.

さらに差分法を用いた研究もあり, Wah27)は等間隔の同一補強材をもっ補強板 の固有振動数を差分法で計算しており, Aksuは補強板の自由振動に対して変分原 理で定式化された方程式を差分法で解析し28\その方法を面内の慣性力と面内変 位を考慮して拡張している29・30)

nL

(14)

計算機の性能が向上するにともない, 有限要素法が補強板の振動解析にも使用 されるようになってきた. 例えば, Yurkovichら31)は9自由度の三角形曲げ要素 と2節点補強材要素を結合さ せて自由振動と強制振動を取り扱い,

01

s on は改良 したはりの曲げ要素とねじり要素を導入して自由振動とランダム 応答を解析 し32・33\さらに自由振動の解析 結果とレーザ ・ ホログラフィによる実験結果を 比較して種々のモードに及ぼす補強材の影響を検討した 34). Bapu Raoら35)は1 節点あたり3自由度をもっ 3節点板要素とはり要素を組み合わせた有限要素モデ

ルで固有振動数と固有振動モードを計算し, 実験結果と比較している. Rameshと Belkune36)は四辺形補強板要素と変位関数を使用して固有振動数を求め,Sha stry とVenka teswara Rao37) は補強材が任意の方向に配置された補強板の自由振動を 高精度の三角形板曲げ要素と補強材要素を用い て研究している. ま た, Orrisと Petyt 38}は外皮ーリプ構造のランダム応答解析に有限要素法を使用し,

N

a i r と Rao 39)は補強 材の長さ が変わる補 強板 の自由振動を解 析 し , Mu k h erjeeと Mukhopadhyay40)はアイソパラメトリック補強板要素を導入して,任意方向の偏心 した補強材をもっ補強板の自由振動を研究している.

ところで, 有限要素法は要素数を十分多く取れば局所的な応力状態まで精度よ く計算することができるが, 計算時間を多く必要とする難点がある. これに対し て, 有限帯板法は有限要素法に比べて少ない自由度で比較的精度のよい解を得る ことができ, 一方向補強板の解析には適している. 福地41・42 }は有限帯板法の変

位関数に曲面構造の基礎式の厳密解を用いることにより補強曲面板橋造の強度解 析が高精度で行えることを示している. Petyt43)は有限帯板法で補強平板の振動 特性を明らかにし,道本 44)は前述の福地の方法を応用して補強曲面板の固有振動 解析を行い, 模型実験結果と比較して固有振動数と振動モード, および振動時の 応力分布につい て検討している. しかしながら, これまでに述べてきた板と補強 材を分離して考える解析方法は, 補強材の本数が 多くなると複雑となってあまり 実用的ではない

.

一方, 補強材を一定間隔で十分密に配置した直交補強板の曲げや振動問題は,

補強板を等価な直交異方性板に置き換え て 取り扱うことができる. Ho p pm a n n

円べU

(15)

ら45-47)は静的な試験を行って直交補強板の曲げ剛性とねじり剛性を測定し, そ

の補強板を同じ値の剛性をもっ直交異方性板に置き換えて曲げや振動問題を取り 扱っている. Huffington4B) は直交補強板を等価な直交異方性板に置き換える際 の曲げ剛性やねじり剛性の算定方法を示しており, ThorkildsenとHoppmann49)は 補強板の回転慣性の影響をも考慮した運動方程式を誘導し, Soper50)は弾性支持

された補強長方形板の静的大たわみを解析している. この直交異方性板理論を,

成岡と米沢51)は桁橋の自由振動問題に適用し, また米沢52)は曲面桁橋の自由振 動解析に, HeinsとHails53)は同じ曲面桁橋の挙動の解析に, 成岡ら54)は直格子 斜桁橋の固有振動数を求めるのにそれぞれ使用している. NgとKulkarni55) は補 強 板 の 自 由 振 動問 題 を , 変位 関数を二重三角級数で仮定 し て 解き ,

D

e yと

Balasubramanian56)は移動荷重下での自由振動と応答を研究している.

また直交異方性板近似の一つの方法として直交補強板を, 補強材の各剛性を平 均化して補強材がない場合の薄板(以後本論文ではこれを非補強板と呼ぶ)の剛 性に加えた相当剛性をもっ直交異方性板に置き換える, いわゆる smeard out 法 がある. この手法を用いて, Singerらは静水圧や軸荷重を受ける補強円筒かくの 偏心補強の影響57\安定性58)および振動59・60)に関する一連の研究を行ってお り, McElmanら61>も補強円筒かくや補強板の偏心補強による静的および動的影響 を調査している. また,Srinivasanらは斜行板の線形および非線形解析62)や扇形 補強板の静的および動的解析63)を行っており, Pra thapとVaradan64)は補強長方 形板の非線形自由振動を解析している.

このように, 補強板の曲げ振動に関する研究は数多くなされているが, 初期た わみの影響を考慮に入れた補強板の振動特性に関する研究は少なく, 特に, 理論 解析と同時に実験を行って, 初期たわみの大きさや補強材剛性と配置が固有振動 特性に及ぼす影響を明らかにした研究や, さらに大振幅振動時において初期たわ みの大きさが固有振動数の振幅依存性や振動変位などに及ぼす影響を明らかにし た研究はほとんど見当たらない.

本論文はこれらの点をふまえて, 初期たわみを有する補強長方形板の線形およ び大振幅非線形の自由振動に関して著者がこれまで行ってきた理論と実験による

- 4 -

(16)

研究65-68}をまとめたものである. 研究の対象とした補強長方形板は, 補強材が 辺に平行な方向に一定間隔で十分密に配置されており, この補強板が微小初期た わみを有する場合の自由振動特性を理論解析し, 同時に, 線形および非線形の振 動実験を行って, 初期たわみの大きさ, 補強材と板の剛性比や質量比および補強 方法, さらに振幅の大きさなどが固有振動数や固有振動モードの振動特性に及ぼ す影響を明らかにしている. 本論文は8章および付録により構成され, 2章以降 の概要は次のとおりである.

第2章では, 初期たわみを有する補強長方形板の自由振動特性を解析するため の基礎式を定式化する. 定式化においては, 一般的な非線形連続体の有限変形理 論から基礎式を展開し, 初期たわみを有する板の大たわみ理論を導出する. そし て, 板中央面に関して非対称に補強された直交補強板をsmeared out法で直交異 方性板に置き換え, 板の大たわみ理論を用いて曲げと面内伸びの連成を考慮した 補強長方形板の構成方程式を導く. さらに, この構成方程式から補強板のひずみ エネルギと運動エネルギを求め, Hamiltonの原理を使用して一般的な補強長方形 板の非線形曲げ振動に対する運動方程式と境界条件を同時に誘導する.

第3章では, 第2章で得られた基礎式を無次元化して非線形自由振動を解析す るためのモード方程式を誘導すると共に, 非線形振動問題の近似解法の一つであ る逐次近似法を示す. まず, 運動方程式とひずみの適合条件式を, 振動変位と応 力関数により無次元の連立偏微分方程式で表す. 次に, 振動変位を周辺固定の境 界条件を満足する多項モードの形で近似し, この式を適合条件式に代入して応力 関数を求め, さらに運動方程式にGalerkin法を適用して多自由度系の連立非線形 常微分方程式の形のモード方程式を誘導する. 線形振動では, 振幅の非線形項は 無視できるのでモード方程式は連立線形常微分方程式に書き換えられ, このモー ド方程式から線形固有振動数や固有振動モードが補強材の剛性を板のそれで割っ た剛性比や同様な質量比, 無次元連成剛性の補強材パラメータ, および初期たわ みの大きさと面内境界条件に依存することを述べる. 非線形振動問題に対しては,

モード方程式をl項モード近似による1自由度系の非線形常微分方程式に変換し,

逐次近似法を使用して振動変位, および線形固有振動数に対する非線形固有振動

Fhu

(17)

数の比の近似式を振幅のべき級数の形で求める. そして, この近似式から得られ る振動波形をRunge-Kutta-Gill法による計算結果と比較して, この式の近似が初 期たわみを有する補強板の非線形振動問題に対しても適切であることを確認する.

第4章では, 初期たわみを有する補強板の線形および非線形の振動実験に用い た試験片, 実験装置および方法について説明する. まず, エッチング加工で製作 した補強正方形平板を理論解析で用いた初期たわみ曲面をもっ金型に挟んで電気 炉内で加熱し, 浅い曲面を有する補強板試験片を製作したが, その製作方法と試 験片について述べる.次に,スピーカによる音響加振法での線形振動実験について 説明し, そのときの振動モードを測定するために用いたレーザ ・ ホログラフイ干 渉法についても述べる. また同じ音響加振法で, 基本振動数と試験片中央点の振 動変位を測定して, 固有振動数の振幅依存性を明らかにするための非線形振動実 験の装置 と方法について説明する.

第5章では, 補強材が非補強板の中央面に関して対称に配置された両面対称補 強板の線形振動特性について述べる. まず, 実験で得られた固有振動モードと固 有振動数が9項モー ド近似による計算結果とよく一致し , 理論解析で 用いた smeared out法が初期たわみを有する補強長方形板の自由振動問題に対して有効 な手法であることを確認する. また線形固有振動数は, 初期たわみが大きな補強 板ほど高くなり, しかも補強材と板の質量比が小さく, 同様な伸び剛性比, 曲げ 剛性比およびねじり剛性比が大きな補強板ほど高くなることを数値計算を行って 明らかにする.

第6章では, 両面対称補強板の非線形振動問題を取り上げ, 補強材と板の剛性 比や初期たわみの大きさが振動変位や固有振動数の振幅依存性に及ぼす影響を述 べる. まず, 理論と実験の両面から, 初期たわみのたわみ線から曲率の減少する 方向への振幅A2は, 曲率の増加する方向への振幅A1よりも常に大きくなること を示す. 次に曲率の減少する方向への振幅A2 のべき級数の形で表した非線形固 有振動数ω*と線形固有振動数ωの比ω*/ωの近似式は実験結果とよく一致し,

逐次近似法で求めたこの近似式が初期たわみを有する補強長方形板の非線形振動

円。

(18)

問題にも十分適用可能であることを示す. また, 基本振動数は初期たわみが小さ い場合には振幅の増加とともに高くなるが, 初期たわみが大きくなると逆に振幅 の増加につれて低下することを理論と共に実験からも明らかにする. さらに, 数

* 一

値計算により, 振動数比ω/ωの振幅依存性は, 曲げ剛性比とねじり剛性比が大 きな補強板ほど小さくなることを示す.

第7章では, 片面補強板の線形および非線形の振動特性について論じる. まず 線形固有振動数と固有振動モードの実験値が9項モード近似による計算結果とよ く一致し,

smeared ou t

�:去が片面補強板の自由振動解析においても有効な手法で あることを述べる. また, 同じ値の質量比と剛性比をもっ両面対称補強板と片面 補強板の線形固有振動数の値を比較し, 片面補強板の方が偏心補強による面内伸 びと曲げの連成のため常に高い振動数となることを示す. 次に, 逐次近似法で求 めた振動数比ω/ωの近似式が実験値とよく一致し,片面補強板の非線形振動問

*

題にも十分適用可能であることを確認する. そして,振動数比ω*/ωの振幅依存 性は, 同じ値の剛性比をもっ補強板の場合には, 片面補強の方が偏心補強のため 両面対称補強よりもわずかに小さくなることを示す.

第8章は結論であり, 本研究の成果を総括して述べている.

- 7 -

(19)

第三2茸主 主主責楚玉里言命

2 .1 緒 言

本章では, 初期たわみを有する補強長方形板の自由振動特性を解析するための 一般的な基礎理論について述べる.

ところで, 弾性薄板の曲げ振動において, 振幅が大きくなるに伴って板の曲げ に伴う板中央面の伸縮の影響が無視できず, 幾何学的非線形性を考慮に入れた板 の非線形理論を適用しなければならない. しかも, 振動の様相は微小振幅振動に 比べてはるかに複雑となり, その理論的解析も困難となる. また, 板の大たわみ 理論は von

K

armanの仮定69)に基づく場合と ,板中央面のひずみの2次の不変量 によるひずみエネルギを無視したB ergerの手法70)があるが ,このB ergerの式を 一般的に使用する場合にはある制限条件を設ける必要がある71>・72) そこでここ

では, 有限変形理論に基づいて連続体のひずみテンソルを求め, このひずみテン ソルに板の大たわみ変形に関する von

K

ármánの仮定を導入してひずみと変位の 関係式を求める. さらに, その関係式を板が微小初期たわみを有する場合へ拡張 し, いわゆる M arguerre のひずみと変位の関係式を求める.

次に, 非補強板の上面と下面とでは剛性の異なる補強材が, 一定間隔で板全面 にわたって十分密に配置された直交補強板を取り上げ, この直交補強板を補強材 の各剛性を平均化して非補強板の剛性に付加する, いわゆるsmeared out法によ り直交異方性板に置き換える. そして, 前述のひずみと変位の関係式を用いて非 対称補強による曲げと面内伸びの連成を考慮した補強板の構成方程式を導出し,

この構成方程式から補強長方形板のひずみエネルギと運動エネルギを求め, さら にH ami

1

ton の原理を使用して, 直交補強長方形板の非線形曲げ振動に対する運 動方程式と境界条件を同時に求める.

円。

(20)

2.2 有限変形理論に基づくひずみテンソル

有限変形理論の場合, 応力とひずみは二つの異なった基準座標系で表される.

すなわち, それらの座標のうち一つは変形した形状における材料内の任意の点に ついて述べるE uler座標であり, もう一つの座 標は最初の形状つまり変形前の形 状における任意の点、について述べるL agrange座標である. E u

1

er座標の場合の 独立変数は , 変形した状態において関心のある時刻に点が占める座標であり , L agrange座標の場合は, 最初に各点が占めて いた位置座標とその後継続中の運 動全般にわた・る時間とで, すべての量が記述される. したがって, 板の大たわみ 変形解析において, 基礎式をE uler座標による表示かL agrange座標による表示 かをはっきり示すことなく誘導すると, 変形 に関する近似理論の導入によって物 理的な意味があいまいになってしまう. 本節で は, そのようなあいまいさを取り

除くため, まず有限変形理論に基づくひずみと 変位の関係を求める.

図2.1に示すような領域Roを占める未変形 の 連続体の 中 に , 任意 の点p

0

(Xl ,xz ,X3

)を考える.わずかな時間経過後に,連続体は変形して領域Rを占め

るようになり,その点が変位ベクトル

で表される新しい位置P

(α1 , a2 , a3 )

へ移動したとする. ここでは直交デカルト座標を採用し, この同じ座標の中で連

。 XlpαE

X2,a2

文3,a3

図 2.1 直角座標系における物体の変形

(21)

続体の最初の形状と進行中の現形状について記述することにする. 最初の形状 か ら変形後の形状への変形は, 1対1の対応をもって連続して行われるものと仮定 する. 図2.1 から2組の 座標は

a i

X i

+

U i ( i =1,2,3) (2.1)

で関係づけられる.変形前の状態でともに同じ線素上にある点、PO(Xl ,X2,X3 と隣接点、QO

( xl+dxl

, x2+dx2 ,

x3+dx3

)とを結ぶと,2点、聞の線素d

s 0

の2乗は

d

S 02ニdx(dxi二oijdxidXj

( i , j

1

2 , 3) (2.2)

となる. ただし, 上の表示で指標i , j はその 指標についての総和を示し,0

i

jは Kroneckerのデルタである . 変形中のある段階では , 点P oとQ oはそれぞれ

P ( al ,α 2 , a3 ) とQ ( al +da, ,a2+da2 , a 3 +da 3)に変 位 し,この 新 し

い線素PQの長さdsの2乗は

ds2 =d a!dα1=δ1 j dα,dαJ ( i

j = 1. 2. 3 ) (2. 3)

で与えられる. また, 物体の形状の変化は連続的であり,PoからPへの点の変換 は1対1であると仮定すると, 式(2.2)と式(2.3)は

a Xk a Xm

dS02 =Ôltm.

一一一一一-

d a i d a j (i, j,た,m =

1

, 2,3)

3αi θαj

δαk a am

d s 2ニOltm

一一一一一一一

dx1dXj

(i, j,た,mニ1, 2,

3)

θXiθXj

(2.4)

(2.5)

のように書くことができる. 線素の長さの2乗の差は,

L

agrange表示では座標 Xl, X2 ,X3 を独立変数と考えるので

θαk δαm

ds2-ds02 = (Òk.m

一一一

一一一-O'ij) dxidXj θXi

a

X j

- 10 -

(2.6)

(22)

と表され,

E

uler表示では座標al,α2 ,α3 を独立変数として取り扱うので

8 X k 8 Xm

d s 2_ d S 02 = ((5 i j - Ò k.m一一一一一一 ) da i dαJ

δαI θαJ (2.7)

と書くことができる. いま, ひずみテンソルを

l θαkθαm

ε1

J=一一

((5

Þtm一一一一一一-

OIJ)

2 8Xi 8xj (2.8)

e

IJ=一一

( δ

1 J

2

θXk ð Xm δ

M一一一一一一

)

8 ai 8aj (2.9)

と定義すれば, 式(2.6)と式(2.7)の線素の長さの2乗の差は

d s 2_ d S 02 =2εijdXidXj =Zeijdaidaj (2.10)

で与えられる. ここで, 式(2.1)の変位成分Uiを導入すれば, 式(2.8)と式(2.9) のひずみテンソルは

1 8uI 8uJ θUI< 8 Uk εi j

二一一 (一一一+ 一一一 + 一一 一 一一一 )

2 ðX j 8Xi 8Xi 8xj (2.11)

1 ðUI 8uJ 8uI< 8Uk

e i

j二一一

(

一一一

+

一一一一一一一一一一

)

2 ðαi θαt θαi 8 a j (2.12)

と簡単な形になる. 式(2.8)あるいは式(2.11)で表されるひずみテンソルεi

j

G

reenとSt.Venant により導入されたもので,

G

reenのひずみテンソルと呼ば

れ , 式(2 . 9 ) あるいは式( 2 . 1 2 ) のひずみテンソルe

i

jは有限ひ ず みに対し て A lmans iおよびH amelによって導入されたもので, Almansiのひずみテンソルと して知られている. また, ευはL agrange 座標におけるひずみテンソル, ある いは単にL agrange のひずみテンソルと呼ばれ, e

ijはE uler座標におけるひず

みテンソル, あるいはE ulerのひずみテンソルと呼ばれることもある.

なお, 変位成分比 の1階の導関数が小さく, 偏導関数の2乗および相乗積が

14 14

(23)

無視できるとき,式(2.12)のひずみテンソルe

i

jはC auchyの微小ひずみテンソル

1 8Ui 8U i e i j

=一(一一

+

一一)

2 8α1 8αi (2.13)

になる. このように微小変形の場合, Lagrange のひずみテンソルとE ulerのひ ずみテンソルの間の区別はなくなる.

nfu .,s&

表 己
図 2.5 補強板の応力状態

参照

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