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ヒックスの成長と分配のモデルについて

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(1)

ヒックスの成長と分配のモデルについて

児玉元平

現代における所得分配理論の重要な特徴は︑成長理論と分配理論とを統一的に融合せしめようとする試みである︒

この試み自体隼リカルド的課題の現代的復活である︒ロビンソンの﹁暦本蓄積論﹂は了この古典派的課題をケインズ

l 的動学分析の手法を以って解明せんと試みた最も代表的な業績と考えることができよ︐1︵一般的に︑成長モデルにお

いて主役を演じるのは投資と貯苦との相関関係である︒たとえば︑カルドアの分配モデルをもって代表されるような 2 ケインズ的分配理論で叫︑所得の分配現象を有効需要の側面より吟味し︑新古典派的な分配の限界生産力理論のごと

︑く︑企業支出における資本と労働との技術的投入関係をみる代りに︑資本と産出量との関係に注目す移︒投資は所得 3 の発生とその分配を説明する︒カルドアモデルにそくしていえば︑投資とレン′ティヤー階級の貯蓄性向︑労働者階級

の貯蓄性向に依存する総貯蓄との間の調節の問題と考える︒資本と労働との技術的関係を示す生産函数は陽表的に示

されない︒ケインズ的な乗数効果臥分析が︑成長理論と分配理論とを結合せしめる媒介項の役目を果たしているので

あ る

(2)

経 営 と 経 済

勿論︑ケインズ的な分配理論が︑現代の巨視的分配理論のすべてであるというわけではないひ生産の技術的法則を

重視する新古典派的な限界生産力理論による巨視的な分配現象の説明は︑既にヒックスによってその頂点にまで展開

A せ されており︑今日においても尚一大潮流たる地位を保持している︒ところで︑ヒックスは彼の著﹁資本と成長﹂にお

戸 ︒

い て

一つの成長モデルを展開し︑乙のモデルを基礎として︑所得分配の分析を呈示している︒本来生産要素聞にお

ける代替の弾力性という分析要具を重視するヒックスは︑乙の分配モデルでは明示的に使用していない D しかし︑彼

はこ乙でもつぎのように述べている︒﹁私は︑現在分配の理論は生産函数や︑代替の弾力性のタ!ムで展開される理

ロ U 論だと主張するつもりはない︒しかし︑私はその理論を完全に放棄しようとは思わないロ﹂ヒックスによれば︑成長

均衡における要素分配の問題は︑分配の一般的問題と区別されるべきである︒それぞれの問題にはそれぞれ︐適当な理

﹁もし︑成長均衡の問題のみを取扱っているときには︑それぞれの径路にそうて要素聞の分配ほ時間 論がありうる︒

の経過にかかはらず不変である︒それ故に︑特定の均衡径路にそうて︑時間の経過にかかはらず不変でありうるもの

でもって分配を説明しなければならぬ︒この特定の問題にたいして迎当な一つの分配理論をもつことは全く可能であ

る U しかし︑経済が成長均衡にあるという仮定をなすのを欲しないような右と異なった問題を分析しているときは︑

ちがったタ l ムで││均衡径路上でコンスタントでありえないもので

1 i

要素分配を説明する一つの異なった分配理 h

﹃ 4 論をもつことは論理的にも可能である︒一﹂ヒックスの成長均衡の分配モデルにおいても貯蓄性向が重要な役割を演じ

ている︒しかし︑それでもなお不確定な問題が残る︒そこに代将の郎力性というような伝統的な分析要具の復活を認

め て

い る

以下においてわれわれは︑ ヒックスの成長均衡のモデルと︑ 乙れに関述する要素所得分配石デルを吟味

し︑岩干の問題点を指摘したい︒

(3)

ヒックスが故初に民間した単純なモデルは︑二部門二生産要素のモデルである︒即ち︑すべての消費財は不変の割

合で生産され消費されると仮定すれば︑消費財は単一の合成財と看倣す乙とができる︒ヒックスは消費財を穀物で代

表せしめる︒資本財も単一財と仮定される︒トラクターで示される︒労働はすべて同質的であり︑穀物は労働とトラ

クターによって生産され︑また︑トラクターは労働とトラクターによって生産される︒資本財の減価償却を無視し︑

その耐周期間は永久的と仮定される︒資本財の生産は純投資にひとしい︒さらに︑労働の供給は現行賃金率では完全

に弾力的と仮定する︒モデルの基本方程式は価格方程式︑数量方程式︑貯蓄方程式である︒

まず︑消資財の価格方程式として︑

同 M

M H

H ρ

a H

+ 当

σ H

( H

)  

こ こ

で ︑

山は消費財価格︑ 内資本財の投入係数︑ w

は 賃

金 率

h は労働の投入係数︑ q は資本財の用役価格を示す︒

内 山 H

門 司

ω

で あ

る ︒

r は

利 潤

率 ︑

m m は資本財価格を示す︒

つぎに︑資本財の価格方程式として︑

同 J

H ρ G N + 4

︿ σ ω

( 凶 )

ここで︑均衡では w と r とは両部門で同一であると仮定されている︒句は資本財部門における資本財の投入係数︑ h

は同じく労働の投入係数を示す︒投 λ 係数

αb

は固定的と仮定されている︒以上の価格方程式より︑三つの相対価格

方程式が求められる︒

ヒ ッ

ク ス

の 成

長 と

分 配

の モ

デ ル

に つ

い て

(4)

経 営 と 経 済

さ 1 3

( ω )  

1

. 0

吋 σ M W

H l

円 σ ω

( 仏 )

円 ︒ H σ N

H ・ l

円 ︒

ω

閉式は尖一質賃金不と利潤率との間の図数関係を示す︒ヒックスはこれを賃金方程式とよび︑サムエルソンは要素価格

方程式とよんである︒ ー

σ H

+

( 印 )

こ乙で︑価格方程式の表現形式に一つの問題がある︒アレンでは生産物は利潤と賃金として分配されるとして価格

n u  

方程式を誘導している口﹀・﹀巳

B m

凶}内

O H U o ω ω ロ 門 日 ? の ・ 毛 色 門 目 ︒ ロ 及 び フ ィ ン ド レ ー の 分 析 で も 同 じ 仕 方 が と ら れ て 巳

いる︒均衡状態を問題としているから︑売上額は生産費にひとしい︒分配額は生産費にひとしいからとの誘導方法に

は問題はない︒ところで︑価格を決定する場合に︑生産費の側からせまるとして︑ラッグを導︑入ーすると︑ ω 式はたと

えばつぎのような形式で示すこともできる︒

日 U

H H

( A

G H

+

当 σ

H (

︼ +

日 )

( ∞ )  

乙 こ

で ︑

i

は 利

子 市

中 で

あ る

P は期首において資本財の所有者が受取る用役価格である︒同様に︑

} U

N H

( A

Q N

+

さ σ

ω )

( ︼

+ 日

ヒックスでは明らかにラッグを含まないものと仮定されている︒サムエルソンの表現形式にもラッグが含まれないこ

( 叶 )

とを示している o

ベ エ

l ム 1 ウイクセル的に解釈すれば︑待望仰費用が含まれていない乙とになる o 価格方程式を

刷︑間のごとく表現すると︑相対価格方程式はつぎのごとくなみが資本財の耐周期門は永久的であるから︑

(5)

同 MMUA+ ρ 

日十片

(︼

+ C

N

+ ・ ・ ・

・ :

( ∞ )  

ρ H

吋 司

N

で あ

る か

ら ︑

円 ‑l 円

( ∞ )  

乙の場合の r は現存資本財にたいする利潤率を示す︒川聞と m とはつぎのごとく書きなおされる︒

同 u H ( ]

!

円 )1ρ2+

σ H

( 邑 )

M M M (

︼ l 吋

) U

門目︒ ω

十 ヨ

σ N

戸 二Z

争・ A

この式より︑相対価格方程式は︑

巧 │ ♂

S i r  

江主 企 玉 Z

d J 可

UN 門 田

‑ ‑ 吋

( Q

N +

‑ )

戸 二E

毛 正 E

‑l 吋

戸‑、 0" 

+ ¥  

円 i ← 1

! I : l  

" "   1  . . .  

.~ I  0" 

, I t . : l  

と +  コ │

、 ‑ ‑

炉 ・ ー

凶; : " .

こ の

場 合

r が相対的に小なる値をとり︑ 句が相対的に大なる値をとるならば︑

ω i 悶と

ω i ω

との聞にはほとんど

差異はない︒しかし︑ 匂が小となるほどその閣の差異は顕著となる︒

つぎに︑数量方程式である口 K を期首の資本財存在量とすると︑これは消費財部門と資本財部門に使用されるか

' b

ヒックスの成長と分配のモデルについて

(6)

経 営 と 経 済

‑'‑ /¥ 

開 ハ

HGHC+ ︒ NH

p  毛!J

C は消費財の産出量︑ーは資本財の産出量(純投資)を示す︒

労働存在量を L

で 示

す と

円 ︑

HUHC+UMH

~ c r . >  

成長率を g

で 示

す と

ト‑1

日 間 関

~ ご ヨ

の式があたえられる︒以上より︑相対数量方程式が求められる︒

。│同

︒ H ‑l

向 ︒

M N

ト ー "

. Q 9 .  

。 │ 円

向 ︒ 一 戸

] l

m b

m  

( ‑ ∞ )  

。 I~

H σ H +  

問 ︒

H σ

N

︼ l m a M

~

ω i

m w

と側 i

仰との聞には完全な対称性が存在する︒賃金率が正であるためには円八回¥♂

た︑消費が正であるためには同八回¥♂ であらねばならぬ︒ま

であらねばならぬ︒そこで︑ r と g とは同一の極大値をもつことになる︒乙

の数量方程式にもまた一つの問題が伏在する︒ K は期首の資本ストッグ︑ーは期間の資本財産出量を示している︒そこ

で︑間式の意味するところは期間内の生産された資本財は次期まで使用されないということである︒即ち︑間式では

生産的にラッグが含まれている︒もし︑ラッグがなく︑期間内の資本財産出量はまたその期聞に使用されるとすると︑

(7)

同 +

U ︒

N H

+ 同

H H F C

R> 

と = 土

があたえられることになる︒凶では相対数量方程式は︑

。│閃

︒ ] F

‑ l m ( G N l

︼ )

§ 

の │ 円

m a

H  

‑ 1 m ( G N

ー ‑ )

密 )

の I~

H σ H +  

向 ︒

H σ ω } l m ( G N l H

﹀ 向 島

匂が相対的に大きな値をとるかぎり︑側 i 聞と問︑{凶との聞にはあまり差異はない︒ヒックスの数量方程式と価格方

程式との聞の完全な対称性は︑上述のごとく︑価格生産費決定関係にはラッグは含まれておらず︑反対に数量決定関

係にはラッグが含まれているという暗黙の仮定に依存する︒勿論︑ 匂が相対的に大きな値をとるかぎり︑ラッグの問

題はあまり重要ではない︒

最後に︑貯蓄方程式である︒カルドアのごとく階級的な貯蓄性向の差異を導入せず︑ ハロッド的に貯蓄は総所得に

依存するとすると︑

ω H

ω ペ

H ω

( H J C +

日 U N

H )

貯蓄と投資とはひとしいとして︑

同 M

N H U ω (

︼ U

H C

+ H

M M

H )

g )   ペ

C I l  

ご d l 司

'̲1 1 ' : 1  

の │ 円

E ヨ

︼ lω

ヒ ッ

ク ス

の 成

長 と

分 配

の モ

デ ル

に つ

い て

(8)

ー ︑

そこで︑実質賃金率があたえられると︑経済の均衡は完全に決定される︒さ¥♂があたえられると︑賃金方程式より

r が

き ま

る ︒

r が

き ま

る と

︑ 相

対 価

格 司

日 ¥

VH がきまる︒そこで︑貯蓄率が大であるほどぐのも大である︒ ω 式よ

り成長率も大となる︒貯蓄性向が大であるほど均衡成長率も大であるという命題が成立する︒

経 営 と 経 済

賃金方程式はつぎのグラフで示される︒曲線の形状は両部門における資本労働比率の差によってきまる︒

w 一 DU

1

2

い ま

2 σ

N ¥

S F

H B

と し よ う ︒

B H

の 場

合 ︑

即ち︑両部

門で資本労働比率が同一の場合は賃金曲線(当

m m

o g

円 ︿

O) は直

線となる

o A 点で当日

O の極大利潤率を示し︑乙れは資本財部門

での資本の投入係数の逆数︑即ち︑資本の生産性にひとしく︒ B

点は円 HO の極大賃金率を示し︑これは消費財部門での労働の投

入係数の逆数︑即ち労働の生産性にひとしい︒

ヨ﹀て即ち︑消

費財部門での資本労働比率の方が大である場合は曲線は原点にた

第 1 図

いして凸型となる︒

自 ︿

︼ ︑

即ち︑資本財部門での資本労働比

率の方が大である場合は曲線は原点にたいして凹型となる︒これ

らの曲線はすべて各部門で単一技術︑投入係数は固定的と仮定し

てえがかれている︒複数技術が存在し︑その選択が可能な場合に

ついては後述する︒そこで︑あたえられた実質賃金率にたいして

利潤率がきまり︑所与の貯蓄率のもとで︑均衡成長径路がきまる︒

所得分配率はここで明示されていない︒既述のごとく︑実質賃金

(9)

率の変化は︑相対価格に影響する︒成長率との関速において少し吟味しよう︒

相対価格方程式はつぎのごとくかきなおされる︒

司 ! 司

H 川

1 1  

σIc ア

ド 企 It . : l  

~

炉 t

1 ̲ ̲ 1  

であれば︑実質賃金率と利潤率の変化も相対価格に変化をあたえない︒ s と一定として g を高める方

法 は

な い

B ﹀

H H

即ち消費財部門の方がより機械化されていると︑実質賃金率の低下︑利潤率の上昇は︑相対価格

を低下せしめる︒逆に自︿

H H

即ち︑資本財部門の方がより機械化されていると︑利潤率の上昇は相対価格を上昇せ

も し

︑ E I H

しめる︒しかし︑部門間で資本労働比率に差異があるにしても︑相対価格の変化によって g を高めるにもある制限が

あ る

HHO

であると実質賃金率は 日

¥ F

で あ

る ︒

であるから側式より︑

円 当

日 ︒

σ N  

σ H  

となる︒この場合の成長率を白で示すと︑

炉ー~

I I   C / l  

C / l  

σ M W  

σ H  

︒ ︼ F

m H

HlGNmH 

容 )

ヒ ッ

ク ス

の 成

長 と

分 配

の モ

デ ル

に つ

い て

(10)

経 営 と 経 済

こ の

式 よ

り ︑

ω 

σ H  

N ︒ σ H

ω 

同 H

H

O  R N H σ

σ u F G

N  

ω Q H σ

M w  

t H

G N

 

m u

F l

 

m H

+ m

m H

 

乞 3

' ‑ "  

~I 】

HBmHlωBmH+ωmH 

巳.:>

E コ 、

( 日

l

︼ ) (

l ω ) +

つぎに︑当 10 円 HH¥Sの場合を考えよう︒

A u

u 忠¥£であるから︑

; 0 1 ♂ 

この場合の成長率を白とすると︑

m m

w H

 

震 )

︒ H

m N

H

︒ l

M m m w

容 )

ω 

~

ω 八

円 で

あ る

と ︑

m H

八 日

¥ £

︑ m

M 八

日 ¥

Q N

である︒さらに︑BIH

であるとmHH

問 Nlω¥Sとなる︒

どのような 利潤率にとっても成長率はと£である︒この場合でも︑階級的な貯蓄性向の差異をおき︑

s を上昇せしめることが

できれば︑相対価格が不変でもぐのが大きくなり︑ g

が大きくなる︒また複数技術が存在し︑技術選択の余地があ

れば︑利潤率の上昇によって採用される技術は匂の低下を含み︑したがって g を上昇せしめる︒

(11)

聞と側の二つの制限の中でのみ︑相対価格の変化は︑成長率を変化せしめるのである︒この制限のどちらが大であ るかは︿自!日)の符号に依存する︒日﹀日であると︑白︿忠である︒実質賃金率の低下︑利潤率の上昇は

g を上

昇せしめる︒逆に日八日

で あ

る と

E v e

︑そこで利潤率を低下せしめると成長率を高めることになる︒勿論こ

のことは貯蓄は総所得に比例的であるという仮定の下においてである︒カルドアモデルのごとく貯蓄率を所得分配に

依存せしめ︑労働者階級の貯蓄性向と︑レンティヤ l 階級の貯蓄性向とを区別すると乙の結果は成立しなド︒

資本労働比率の部門聞における差異を仮定する仕方については︑カルドアは批判的である︒たとえば︑フィンドレ

ーの分配モデルでは︑資本財部門の資本労働比率は消費財部門のそれよりも大であると仮定されている︒これにたい

してカルドアは次のような批判をあたえている︒ ﹁私は︑資本財産業と消費財産業との相対的資本集約度に関する特

殊な仮定に依存するようなフィンドレー氏の新古典派理論とケインズ的分配理論との融合方法は説得的であるとは考

えない︒﹂カルドア自身は二つの生産函数の相違を想定することなくして︑ケインズ的マクロモデルでもって分配命

題を誘導する乙とができると考えている︒ ﹁ケインズ的モデルでは︑より高い資本支出水準は 1 必然的に︑総供給函

数に比して総需要函数を上昇せしめ︑そのことによって︑完全雇用の状態では︑生産函数の等生産物曲線や生産物変

れ 川 司

r a

換曲線とは関係なく︑費用にたいして相対的に諸価格を上昇せしめる︒﹂ヒックスの分配モデルでは

B W

H

のそれ

ぞれの場合が考察されている︒

貯蓄性向の階級的差異を導入しよう

ul 

ω H

吋 附 v N 阿 ハ

+ ω ω

話 回 ︑

BS 

いま︑単純な古典派的仮定をおき︑

E H O

と す

る と

UωH

円 一 司

N 同

ヒ ッ

ク ス

の 成

長 と

分 配

の モ

デ ル

に つ

い て

ul 

一 信 )

(12)

経 営 と 経 済

貯蓄と投資とはひとしいとおくと︑

同 u

N H H ω 同 出

MM

阿 ハ

<!o 

同 VN

間 関

HωH

MM 同

阿 ハ

E C )   ( ) ' q  

H U

一 FH1 ω

時 ー ド ー

この結果は︑既述のごとく︑期間内に生産された資材財は次期で使用されることを合意する︒資本財の所有者は期首

において所有する資本についてその用役価格を受取る︒いま︑期間内に生産された資本財は亦その期間に生産に使用

されるという意味でラッグを含まないとすると︑

同 ︼

ω 円

1 M M m

m 一同日

ω 同 吋 一 勺

ω

( 同

+ 円 )

( 色 )

( ) ' q  

ω

一 戸 吋

‑ 1

2

となる om

﹀ ︒

であるためには 2

円 ︿

]

であるべきである︒

円 ︿

] ¥

£ で

あ る

か ら

Jvr であるべきである︒側

式にかえる口いま︑消費財を価値の尺度として

F H ]

と お

く と

当 I~

0" 

円 ︒

H σ M W

‑ ー 円 ︒

ω

( お )

そこで︑実質賃金率があたえられると︑この式より利潤率がきまり︑側式で'所与の丸のもとで成長率 g がきまるロも

し g が所与であれば︑側式で r がきまり︑間式で実質賃金率がきまる︒実質賃金率が高ければ︑利潤率は低く︑そ

こで︑成長率も低い D 逆に所与の成長率が低ければ︑利潤率は低く︑実質賃金率は高くなる

o r

‑ ‑

となる︒投資と利潤とはひとしい︒ヒックスはこの場合︑また︑利潤よりの消費は賃金よりの貯蓄とはひと

で あ

れ ば

︑ m H

(13)

しいとしている︒この表現はあいまいである口投資と貯蓄とはひとしいとして

同 ︼

M m 同

ω 民 間

U N 阿 ハ + ω N t

弓 F

時 』 巳ムコ

向 日 吋

で あ れ ば

門 司 ω 同

u r

円 一 司

N

+ ω

N J

伝言 正~

(]lωH)

吋 可

ω 同

u g t 司 ド

( 品

問 中

左辺は利潤よりの消費を示し︑右辺は賃金よりの貯蓄を示す︒しかし

m u

吋 は

r u

. . . .  ・

4

ω M W H H ︒ の場合に成立

するのである︒レンテイヤ

l 階級の消費支出は零で︑労働者階級の貯蓄は零である︒

以上は単一消費財︑単一資本財を仮定した成長均衝分析

l

比較動学ーである︒この分析構造の上で︑成長均衝にお ける(要素分配の一般問題と区別された意味での)生産要素所得の分配について考察しよう︒技術一定の仮定は保持 される︒賃金所得と利潤所得との比は

巧 円 ︑

円 一 司

ω 阿 ハ

H 王

手 ) ( 叶 )

( 山 岳 ω

式 よ り ︑

‑l

円 ︒

N

. σ

( §  

また相対数量方程式より︑

ヒックスの成長と分配のモデルについて

(14)

3単純--V~記憶 l f5I 

t  t=(177g)( い b2112g) 担問

ttJ)J  \U~'hl~' 三年= (+)(J17 ~)(~1 一句 bf+ 勺 b 2 ~) 白日

αlb

2/α2b

1  =  m ベ j 将哨'U' lif[眼底位以摂-þt{ð!韮馳令国時時 j巳+・ .Q 同[]lP ~1 時中小。霊併さまや為'U Q 吋小記制 E哨'Uね持初~時。

(rP2K  +wL)  ‑ rP

2 K 

f  1  ¥  f  b1 ー α2 b lg+αl b 2g ¥  l 一一日 一一一 (50) rP 2 K 

f  ¥  r  J  ¥ αlb 2  J  十一 1 =  (J ♂ )(̲1 十 (mJ1 〉 α2L) (51) 

吠 p .r‑.!::d.'

ロ 1 1  +  (m ー 1 )α2g  M  (52)  ベ J~ ヰニド' 十一 M (J  L :a 2  )  (日) c>  0  ~時t{ð~台以包 'α2g く 1 ~時 I .r-.~~ね,.r-.兎会 I .r-.' M  >  0  ~1Qt{ð 0 ...)会...)' 1110  Q$~IJ 誌や P 吋,.r-.~t{ð 0 e  m>  1  ~1Qt{ðベ)' M>  1  ~1Qt{ð 0

@  m  =  1 ド1Qt{d心, M  =  1  ~1Qト 0 0

@)  m く 1 ~1Qt{ð...IJ' M く 1 ~時的。

(15)

技術水準がコンスタント︑所与の g

で は

M もコンスタントである︒

側式をグラフで示してみよう︒いま︑当日︒︑円

H ]

¥ ♂と︑おくとー

同 日

となる︒反対に︑円

H

o ︑

H ]

¥ r

同と吋との関係を示す曲線(価格数量曲線)は M の値に関係なく︑原点より出

発 し

A 点(第二図)に達する︒三つの曲線が示される︒消費財部門の資本労働比率の方が大である場合は日﹀︼ であると 同日︒ で あ る ︒ そ こ で ︑

であるから︑曲線は上にたいて凸型となり︑資本労働比率が両部

門で同一であると︑

BH‑

であるから︑直線で示され︑資本財

部門の資本労働比率の方が大であると︑ B ︿︼であるから︑曲線

は下方にまがった線となる︒所得分配率がきまるためには︑貯蓄

2

方程式を導入しなければならぬ︒

労働者階級は貯蓄せず︑貯蓄はすべて利潤からなされる場合を

考 え

よ う

第 2 図

ω1r(

円 同

MM 同 )

投資は HHm 同であるから︑

ωum 阿ハ

1 ω

u F

( 円

VN

阿 ハ )

H H

BH‑

の 場

合 を

と る

g と匂とを所与とすると︑一第三図で S

曲 線 を う る ︒ 円 れ ︼ ¥ ♂ で あ る か ら ︑ S

直 線

は ︑

A 点より左側に位

ヒ ッ

ク ス

の 成

長 と

分 配

の モ

デ ル

に つ

い て

一 五

(16)

は第四図のごとく示される︒利潤率の低下は︑賃金曲線を図の

ごとくシフトせしめる︒宮技術は組技術より資本集約的であ A  り︑官技術は 3 技術よりもさらに資本集約的である

0 ]

¥ ♂

﹀ }

¥ G J X E J

である︒一定の実質賃金率にたいして選択

A t A  

されるのは最高可能な利潤率をあたえる技術でもる︒実質賃金率が ω にいたるまでは︑幼技術が選択される︒均街点 w をこえてずにいたるまでま︑ B 技術が採用される o 新しい均街長ま P 線上乙ある︒さらに実質賃金

l k d l p l  

経 営 と 経 済

S  A 

シ ア

は 山

川 線

に あ

る 口

一 六

置するであろう︒もし︑ g が一定で匂が上昇すると︑ S 直線は

左にシフトするから‑利潤分配率 f は低下する︒レンテイヤ!

・階級の貯蓄性向の上昇は利潤分配率を低下せしめる︒ こ の 点

Y a 2 

で︑カルドアの分配モデルにおける当日仏

0 4

ω 2

5 0

効 果

と 一

﹁資本家は彼等が支出するものを獲得ず針︒﹂階級と

致 す

る ︒

して資本家はより少なく貯蓄することによって利潤分配率を上

昇せしめる乙とができる︒そして︑労働者階級は貯蓄しないか

ぎり︑階級として所得分配率の決定に関係しない︒カルドアで

第 3 図

は︑之の場合︑利潤は投資性向と資本家の消費性向に.よって支

配されるから︑賃金は残余である︒

このことは︑リカルド的

︐(またはマルクス的)モデルの場合の正反対である︒

ここで複数技術が存在し︑技術選択が可能である場合を考え

よ う

BH‑ の場合として三つの技術がある場合︑賃金曲線

(17)

r  A 

B "   W 

B '  

率が伽の水準をこえると乍技術が採用される o 新しい均街点は A  宙線上にある︒利潤率の低下とともに消費財産業では h は低下

P ム する︒匂の上昇︑ h の低下という現象が利潤率の低下︑実質賃

金率の上昇とともに生ずる︒この三つの技術曲線(賃金曲

線)の包絡線を賃金フロンテイヤ l よ U ぷ︒サムエルソンは乙

れを要素価格フロンテイヤ!とよんだ d 実質賃金率の上昇につ

れて利潤率低落の程度は︑単十一技術の場合によりもかんまんで

ある︒実質賃金率の上昇︑利潤率の低落は資本集約的な技術を

選択ならしめる︒この傾向は︑既に︑ペエ l ム・パヴエルクや

第 4 図

ウイクセルによって述べられているところの︑利子率の低下は

平均生産期間を延長化せしめるという命題と同じである︒

﹁ 大

なる量の資本と比較的小なる量の労働者は︑常により長い生産

期間︑高い賃金︑低い利子率と結びつく︒換言すれば︑資本家

が企業者である場合︑生産期間の延長化は賃金の上昇と利子率

の低下に対抗する資本家側の反動と考えられる︒しかし︑乙の

生産期間の延長化の結果︑利子率は再びある程度まで上昇することができる︒しかし︑・以前の賃金水準の場合の水準

までに達することはできない︒反対に労働者が企業者である場合︑資本需要の増加によって利子率が上昇すると︑彼

ヒ ッ

ク ス

の 成

長 と

分 配

の モ

デ ル

に つ

い て

(18)

一 八

等は︑生産期間を短縮するであろう o そして︑再び利子率の上昇によって減少しおい彼等の所得(賃金)をある程度ま

で改善することができる︒しかし︑賃金も利子も全く以前の位置にはもどりえな川臥﹂・高い実質賃金率にたいじては

経 営 と 経 済

労働にたいする資本の代替が生ずる︒資本労働比率の高い技術が使用される︒乙の代替は︑代替がなかった場合に生

じたであろう利潤率の低下を軽減し︑それ故にまた成長率の低下を軽減する︒

S '   S 

既述のごとく利潤率の上昇は匂を低下せしめる傾向があるから︑

利潤率が上昇するにつれて第三図の A 点は右に移行する︒

と乙ろ

で︑連続的な技術代替の可能な場合には︑各利潤率はそれ自身の

技術と技術曲線をもつけれども︑各技術曲線上の一点のみが有効点

である︒そこで︑技術知識不変のもとで︑可変的な生産技術にたい

する価格数量曲線はこれらの有効点の軌跡としてもとらわれる︒第

五図で示される︒この曲線は利潤率が上昇すると最初は右上りであ

るが︑或る水準をこえると右下りとなる︒高い r の水準では f は零

第 5 図

となる︒このような曲線のえがかれる理由をさらにヒツクスにした

がって説明するとつぎのようになる︒選択可能な多数の技術がある

匂の最小値と最大値が存在する︒そこ

で ︑

r がきわめて低い水準まで低落して

] ¥ S

の最小値がえらばれ 場合︑これらの技術の間で︑

たとする︒これ以上利潤率が低下すると︑ f は結局において零に低

下しなければならぬ︒そこで︑価格数量曲線は原点より出発する︒

(19)

反対に︑利潤率がきわめて高くなって︼

¥ S

の最大値がえらばれたとすると︑これ以上の利潤率の上昇は利潤分配率

を理論的なリミットである まで上昇せしめるかもしれない︒ところで︑白血の最小値が零となってはならない

理由は原理的には存在しない︒きわめて高い利潤率(きわめて高い利子率)では資本自体の使用が全然中止される︒ 同 H‑

このような場合︑ r は高水準だが f は零である︒この可能性を考慮に入れると価格数量曲線には右下りの領域が存在

することになる︒この場合︑ r と f

とは必ずしも平行的に動くとはかぎらない︒レンテイヤ

i 階級の貯蓄性向の低

下︑成長率の上昇によって利潤率が上昇するとしても︑そのことは必ずしも利潤分配率を上昇せしめるとはかぎらな

いのである︒ここに要素価格の変化に対する技術の感応度が問題となる︒生産要素聞の代替の弾力性という概念をヒ

ックスが保留するのは右の理由によるのである︒

以上はレンテイヤ l 貯蓄のみが存在する場合である︒ここで︑労働者階級の貯蓄を導入しよう︒

ω H 円 一 司

ω 同

+ ω ω 4

︿ F

C J )  

( g  

貯蓄と投資とはひとしいとおいて︑

m M M ω

同 Hω

同 門

ω 司

ω N t

F

( 沼 )

間 ー州!日 ω

同 十

ω 凶 d ︿ F

吋 同 MMW

阿 ハ

( 包 )

吋 l a q

炉 問 晶

、 、 ー ー. . . . .  

トー~

h

ー ‑

o

ヒ ッ

ク ス

の 成

長 と

分 配

の モ

デ ル

に つ

い て

(20)

経 営 と 経 済

ニ O

円 H ︒であると︑同日︒︑制式の曲線は原点より出発する︒当日︒であると︑同日て吋

H m

¥ 2

となる

0 2

¥ r

は 側

式 の

M に類似しているから︑

ω ω ¥ ω

悼ん川]にしたがって制式の曲線の形状は異なる

02

︿ 2

の場合は冨八回の場合にと .

S  A 

S '  

O  r 

る曲線の形状と類似する︒乙の場合はカルドアの分配モデルに

おける制限条件でもある︒カルドアでは S ︿ r は安定条件とよ

ば れ

て い

る ︒

﹁ な

ん と

な れ

ば ︑

2 ︿ S であれば︑物価の低落は

需要の減少を生ぜしめ︑さらにまた物価の低落を誘発せしめる︒

同様に︑物価の上昇も累積的となる︒体系の安定度は限界性向の

差︑即ち

] ¥

( 2

1 2

)

に依存する︒これは所得分配・の感応係数

と定義することができる︒﹂

ω N

︿ r の場合の貯蓄曲線は第六図のごとくなる︒価格数量曲

線は B

と仮定してえがかれている︒二つの曲線の交点で r

第 6 図

と f

と は

き ま

る ︒

g を一定として匂の上昇は S 点を左に移行せし

め る

か ら

f を低下せしめる︒また︑ 向を一定として匂の上昇は

S 曲線のふくらみを縮少せしめるから︑利潤分配率を低下せしめ

る︒要するに︑両階級の貯蓄性向の上昇はともに利潤分配率を低

下せし政る︒完全なる所得分配の当日仏 O 者

五 日

8 ロ

効 果

で あ

る ︒

カルドアの分配モデルでは投資所得比率は外生的にきまり︑二つ

向 凶

の貯蓄性向が変化しても乙の比率は不変であると仮定されている︒

(21)

乙のカルドア的な分配命題に対照的なのはシュナイダ l モデルで導出された分配命題である︒

的 MW シュナイダ l モデルの分配方程式は︑

d ︿

削 u

5 N )  

P は 企 業 者 所 得 ︑ W は非企業者所得を示し︑ 同¥司 は投資と企業者所得との比を示す︒問式を書きかえて︑

同 u ペ

ω 

t > : I  

ι

; ー ω H

缶 詰

匂と匂の上昇はともに企業者所得(利潤)分配率を上昇せしめる︒この結果はカルドアの命題と正反対

である︒このことはカルドアのモデルでは投資所得比率が外生的変数として取扱はれており︑シュナイダ l モデルで

︒ 凶

は投資利潤比率が外生的変数と取扱はれいることに帰因する︒クレレやニ!ハンズはカルドア的仮定の方がより現実 と

の 式

よ り

的であるという︒乙の点か切りして︑モデルの結果を比較吟漣 9 るためには︑投資や所得の決定要因を構造的パラメ l

的 M タ 1 にまでさかのぼって追求することが必要であるといえう︒

制式において匂と匂とが同比率だけ上昇したとしよう︒ g を一定とすれば匂の上昇は r を低下せしめるから︑第六︐

図 で S 点は左に移行する︒利潤分配率は低下する 02 ︿ r

で あ

り ︑

B ︿︼の場合︑貯蓄曲線と価格数量曲線はとも

に上に凹の形をとる︒この場合︑

g ¥ ω

悼 と M との関係から両曲線が交叉する場合と交叉しない場合とが生じる︒また

︑ r

u g

B H H

の場合では貯蓄曲線と価格数量曲線はともに直線となり︑同一の勾配をもたないかぎり︑曲線は

交叉しない︒同一の勾配であれば︑利潤分配率は一義的に確定しない︒カルドアの分配基本方程式は rlg の 場

ヒ ッ

ク ス

の 成

長 と

分 配

の モ

デ ル

に つ

い て

(22)

経 営 と 経 済

合は完全に意味を失うことになる︒ヒックスのモデルであ︑貯蓄性向に差異がなく︑また︑投入係数の比が両部門で

同一で︑単一技術の場合には利潤率を調整するだけでは成長均衡を確定しえない︒

♂ ︿

ω 悼の場合︑第七図で示される︒貯蓄曲線の右シフト(匂の上昇) 単一技術でなく︑可変的な複数技術の場合︑

は利潤率を低下せしめる D これが同時に利潤分配率を低下せしめるかどうかは︑価格数量曲線が折れ返っているかど

うかに依存する D そ乙で︑労働者階級の貯蓄を導入しても︑価格

¥ 

S '  

S" 

変化に対する技術の感応度が利潤分配率の決定に一役を演ずると

いう以前の結論は変らない︒ヒックスはつぎのような結論をあた

え て

い る

﹁私が示そうとしたものは︑ただ成長均衡径路を比較

している場合でさえも︑貯蓄性向(貯蓄性向の階級的差異を含め

て)は要素分配の上に明確な関係を及ぼすものではないというこ

第 T 図

とである︒それは要素分配に影響するかもしれない︒しかし︑他

のなにものかもまた影響するかするかもしれない︒しかし︑貯蓄

の増加(分配されたといえ)は事実利潤率を減少せしめる傾向が

あるにちがいない︒しかし︑それでも貯蓄増加の利潤分配率にあ

たえる効果は全くのところ不確実である︒︑﹂ヒックスにあっては

分配率に影響をあたえるところの価格変化にたいする技術の感応

度がある︒ヒックスが生産函数や代替の弾力性のタ l ムで展開さ

れる理論を今日でも完全に放棄するのを好まない理由もまたここ

(23)

にあると考えてよい︒

, 五

いままでは技術水準をコンスタントと仮定してきた︒ところで︑現実的には経済の成長は技術水準の進歩を随伴し

ている︒技術的進歩を所得分配率にあたえる効果から観察して︑通常︑中立的技術進歩︑資本使用的技術進歩︑資本

節約的技術進歩という三つのタイプに分類されている︒成長均衡では︑所得分配率はコンスタントであるという意味

で︑技術的進歩は中立的性格のものである︒勿論︑技術的進歩の中立性︑偏侍性は︑資本係数の側面からのみ定義され 四 ねばならぬ必然性はない︒ハロッドやロビンソンの定義では︑コンスタントな利率の下で所得分配率を不変ならしめ

るような技術的進歩は中立的である︒この場合には︑利潤率が以前の水準と同一になる点まで︑資本ストックが適合

した場合の技術の状態を示すものである︒この中立的技術進歩では︑ ロビンソン的な実質資本比率は不変であるが︑

資本労働比率は上昇している︒ミ l ドによれば︑資本の増加にもとづく産出量の増加を技術的進歩に帰せしめている

的 VW という点でハロッドの定義は不合理である︒

既述のごとく︑労働者は貯蓄しない︑

g u o

と す

れ ば

m u

r 円である︒これは技術とは関係がない︒所与の

匂の下では g がコンスタントであれば r もコンスタントである︒しかし︑労働者は貯蓄すると︑ g は r と利潤分配率

f とに依存することになる︒そこで︑技術的進歩の効果を吟味する場合︑貯蓄方程式は不変であるから︑ ハロッドの

ごとく︑利潤率を一定として f を不変ならしめるような技術的進歩を中立的と定義することはきわ政てもっともな仕

方である︒しかし︑ヒックスはいう︒ ﹁私の知るかぎりでは︑もし︑実質賃金率が不変であれば要素所得分配率を変

化せしめないような中立的発明を定義しようと試みた人は誰もいない︒しかし︑もし︑そうすることが便宜であれ

ヒ ッ

ク ス

の 成

長 と

分 配

の モ

デ ル

に つ

い て

(24)

経 営 と 経 済

二 四

ば︑そのように定義すべきでないという理由は原理的には存在しない叫﹂ヒックス自身は一つの可能性としてその探

究を後に残している︒

ロビンソンの分析で使用されている実質資本比率という概念は︑雇用労働にたいする労働時間表示の資本比率を意

味している︒これは司 ω 同¥当円︑で示される︒しかし︑資本はま

P 2 K/ 

/ 九 vL

P ? K /  

/P 1 L 

た消費財で表示される︒この場合の資本労働比率は♂同¥同

J F

‑で示される︒利潤分配率は日

v ‑ N

同 ¥

F であるから︑ MMN

阿 ハ ¥ 名

門 ︑

が不変で r も不変であれば利潤分配率はコンスタントである︒

ところで︑右の二つの資本労働比率の比は︑

第 8 図

司 . I ' : d

主 ~!宗 l : d

~I~

: 0

1

c r コ 迂う

と く

一定の技術水準の下では︑賃金方程式より知られるご

r が一定であれば

e ¥

3

も一定である︒技術の変化はこ

と な

る ︒

の賃金曲線のシフトによって示される︒その場合︑ r が一定で

あ れ

ば 当

¥ 同

J は上昇する︒制式より明らかであるごとく︑同 MM

阿 ハ

N ¥ 巧 F が一定であれば可

同 ¥ 閉

J

F は上昇していなければならぬ︒

ハ ロ

ッ ド

H ロビンソン的な中立的技術進歩では︑ 乙の意味の資

本労働比率の上昇を含んでいるロここで︑ヒックスは一つの批

(25)

判をあたえている︒ ﹁静態的な意味ではそれは中立的な発明ではないであろう︒それでは︑それは︑資本節約的なの

か︑労働節約的なのか︒われわれがすでに要素分配率の価格数量曲線における可能な後退的転固について知りえた乙

とからすれば︑私はその問題に直哉的な解答をあたうるとは考えない︒旧い静学理論もそれ自体直哉的な解答をあた

えなかった︒一切は代替の弾力性によってきまるというであろう︒﹂

われわれは乙乙でヒックスが旧著﹁賃金の理論﹂において技術的進歩にあたえた定義について回顧的に吟味した

ヒックスは技術的進歩乃至発明を生産函数より誘導された生産要素の限界生産物の相対的変化から定義している︒

この仕方はウイクセル的な分析の発展と考えてよい︒ウイクセルによれば﹁生産過程における技術的変化として生

ずる総生産物の増加は︑必ずしも両生産要素の限界生産物の増加を

ll

確実に均一的な増加を││生ずるとはかぎら

ないのである︒一生産要素の限界生産物は減少し︑他の生産要素の限界生産物は益々増加ずる乙とは可能である︒﹂ヒ

つぎのヒックスの文章が完全にウイクセル的である乙とからしても ックスの出発点がウイクセルであった乙とは︑

﹁競争の仮定のもとでは︑必然的に︑発明はその究極的な結果が国民分配分を増加させるものである場

合にのみ︑有利に採用されうるものであるということになる︒なぜならば︑もし︑発明がそれを採用する企業者の利

潤を上昇せしめるものであれば︑それは︑彼の生産費を低下せしめねばならぬ︒換言すれば︑より小量の資源でもっ

て︑同じ量の生産物の獲得を可能ならしめるものでなければならぬ︒それ故に︑すべてを考慮すれば︑資源は発明に 推 測 さ れ る ︒

よって解放される︒そして︑解放された資源は︑その発明を用いて生産される商品の供給を増加せしめるか(もし︑

その商品にたいする需要が弾力的であれば)或いは︑他の商品の供給を増加せしめるか(もし︑最初の商品にたい

する需要が非弾力的であれば)︑いづれかに使用することができる︒いづれの場合にも︑解放された資源を新しい用

ヒ ッ

ク ス

の 成

長 と

分 配

の モ

デ ル

に つ

い て

二 五

(26)

経 営 と 経 済

一 一 ム ハ

途に有効に移転することができるや否や︑総分配分は増加するにちがいない︒﹂

0 0

0 0

0  

ヒックスによれば︑発明の最初の効果が︑資本の限界生産物の労働のそれにたいする比率を増大せしめる場合︑労

働節約発明であり︑逆にその比率を減少せしめる場合︑資本節約的発明であり︑その比率を不変ならしめる場合︑中

立的発明であ弘︑このヒックスの基準では資本労働比率問

¥ F

は一定と仮定されている︒このことは生産要素の相対

価格の変化による生産要素聞の代替的現象をとりのぞくことを意味する︒ヒックスの定義は本質的にマクロ経済に関

マクロ経済の水準では生産要素の相対価格の変化は生産要素聞の代替を生ぜしめる︒技術進歩プ

ロパ!の効果を見るためには︑相対価格の変化による代替効果を分離しなけれならぬ︒ヒックスが発明の最初の効果

と限定したのはこの意味である︒ヒックスはこれを自発的発明

( ω

己 o ロ

0 5

0 5

E 2

ロ 片 山

O ロ

ω ) と定義している︒しか

し︑ヒックスはさらに技術的進歩乃至発明の経済効果を正当に評価するにはこの自発的発明以外に︑生産要素の相対

価格の変化によって誘発される誘発的発明

( E b E

E S E ‑

ロ o

ω )

を考慮しなければならぬといよ伐彼によれば︑誘 連するものであり︑

発的発明は一般的に労働節約的である︒そして︑最近にいたまるで︑経済学者の間では︑技術進歩の性格は主として

労働節約的であるというのが支配的な考え方であった︒ヒックスによれば︑過去二︑三世紀にわたって資本が労働に

比べて相対的に急速に増加したことが誘発的発明をして労働節約的ならしめた︒じかし自発的発明は労働節約的であ

ると考える理由は必ずしもない︒上 J ツクスによれば﹁特別な知識が欠けている場合には︑われわれが不規則的散布を

仮定するのは穏当であるかもしれぬ︒﹂そこで︑二つを一緒にすると労働節約な発明が支配的になるように思われ

る︒ヒックスはこれは観察された事実と一致するという︒ところで︑誘発的発明は別として︑不規則的分布というヒ

ックス的表現では︑各発明に同じウエイトをおいていることは明らかである︒しかし︑特別の発明はその経済的意味

では著しく相違している︒いろいろな発明の数の度数分数は継続的な技術的進歩の流れの要素節約的な傾向とどのよ

(27)

うな関係があるであろうか︒特別な知識が欠けている場合には中立性が最善の仮定だと主張することはまた等確率の

ロビンソンは︑自発的発明は一世代にわたって労働節約的な発明と資

本節約的発明とに均等に分割される可能性があるというヒックスの見解は承認し難いと述べそして︑ 誤謬を犯していることにもなる︒ヒックスの議論は︑技術的進歩が︑事実上︑なんらかの経済的意味でバイアスをも っていたかどうかという問題を回避している︒

﹁いかなる経済

においても︑技術的進歩が正確に中立的であると期待する理由はない︒しかし︑同時にまたいづれかの方向に体系的

なバイアスを期待する理由もない D ﹂といっている口

ところで︑ヒックスが一定と仮定した比率問

¥ F

は物量的に解釈されている︒

方法であるという︒彼は述べている︒﹁もしわれわれが︑静学的比較をおこなうとするのであれば︑われわれは︑資

本の物的概念││それの適用にさいして起る実際的(且つまたたしかに理論的な)諸困難が何であってもーーを使用

すべきであると考える︒そうすれば︑発明の分類に関しては︑なんらの特別の困難は存在しない︒﹂ 乙れは静学的なアプローチでは妥当な

﹁われわれが成

長均衡を問題としていないならば︑同じ物的資本ストックは常に同一量の資本を示す資本尺度を使用しなければなら

ぬと出張することは時には有益である︒︑しかし︑かかる基準はここでは(成長均衡)適用できない︒﹂問題が成長均

衡の比較というのであれば︑たとえ︑単一資本財モデルの場合でも︑物量的意味での同

¥ F の一定ということは意味

S A 官 ﹁ h

︑ ・

D

‑ 幻

・ む

一つの成長均衡径路における資本財の明細書と他の成長均衡径路における資本財の明細書とは決して同一で

ないからである︒そこで︑価格に関連した資本評価の手段が見出されねばならぬ︒既述のごとく二つの資本労働比率

があった

D H U N 同

¥ 巧

? と

N 同

¥ H J

F とがそれであった︒乙れらは明確に区別さるべきである︒

( 1 )  

し ﹃

0 ω ロ 同

o E ロ

ω o F 1 3 0 k r n o ロ

自 己

官 巳

o ロ O 同

n h

H 1

g f

H U

m a

・序文においてロビンソンはつぎのように述べている︒

﹁ 最 近 に

ヒ ッ

ク ス

の 成

長 と

分 配

の モ

デ ル

に つ

い て

二 七

(28)

二 八

おいては興味の中心は︑経済の全般的成長という古典派的な諸問題に帰ってきている︒::::・古典派的な問題に興味が復活した

乙 と が

1 古典派理論の復活をもたらすものである︒本書のなかの多くのことがらは︑博学な読者達には︑おどろくべきほどによ

経 営 と 経 済

く知られているものであろう︒私は古典派を研究することによって︑これらの考え方に到達したのではなかった︒問題の提起

は︑私には﹁一般理論﹁の一般化として︑即ち︑ケインズの短期的分析を長期の発展に拡充することとして起ってきた︒﹂

Z ・

同 m w

︒ ♂ E

nh ﹀ 戸

件 ︒ 吋

H g E J

可 ︒

斗 回

目 ︒

2 ュ

0 同

U Z

可 寄

Z o ロ

p ‑ ‑

同 ぬ

ぐ 宮

O 同 開

︒ ︒

ロ ︒

s r

p H

白 日

m i g ‑

( 2 )  

カルドアの分配モデルについては︑拙著﹁巨視的分配の理論﹂

( H g

∞ ) 参 照

( 3 )  

乙のレンテイヤ!という概念は︑ロビンソンにおいては︑資本家を宮の所有者としての面(企業家としての面に対立するもの

として)においてあらわすために使用された︒レンテイヤ!の所得は利子報酬配当を含み︑また企業家自身の家計に手渡す金額

をも含んでいる︒レンテイヤ l 階級は︑生産活動家としての企業者の側面よりも︑一般的に利潤所得の支出面(家計的側面)を

代 表 す る 階 級 ー ー ー を あ ら わ し て い る ︒

同 og 同

o E

ロ ω

o p

庄 内

回 ・

・ 可

・ 包

4 ・ 拙 稿 ﹁ 巧

E 0

4 司

ω の

28

効果に関する一研究││ロンビ

( 4 )   ンソン蓄積論におけるレンテイヤ l の地位││﹂(経営と経済第四十三年第二冊第九十一一号)参照︒

同 ・

同 ・

回 目

・ ︒ E 3 0

己 ︒ ︒ ミ ︒ 同 巧 ω

問 ︒

F H

U ω

∞ L

u a

a (

席 ︒ o

E O

品 目

立 ︒

ロ )

し ﹃

・ 同

・ 回

目 n

w p

c m

w u

x

ω

仏 の

円 ︒

d 丘 町

r H

C O

日 ・

( 5 )  

( 7 )   ( 6 )  

し ﹃

・ 同

・ 回

目 ︒

w m r n

ω 切 符 巳 自 己 の

0 4 円

司 5 ・

・ 一 M M

{ 4

∞ ‑

U ﹃

・ 同

・ 回

目 ︒

w p

山 庄 内 凶 ・ ・

・ 一 H M

{ 4

悶 ・

( 8 )  

M V ω 己 ﹀

ω m

w S

E w

‑ ω

o p

z

刷 M m

w g z o

m w ロ

仏 問

︒ 巳

Z S

E n

m H

M

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︼ 吋

V O O

門司口︑吋

v o

ω ロ 円 円

o m

件 ︒ 句 円

︒ 門 吉 己 目 ︒ ロ 司 ロ ロ 丘 町

O

¥ .

問 ︒

i O

4

︒ 同

開 ︒

ρ ロ O

自 由 ︒

ω g e g

呂 田 ?Ev

・ 同 巴 ∞

i m

o a

ヒックスがこれを要素価格方程式とよばない理由として︑要案価格と称すべき

は q

で あ っ て

r で

は な い か ら で あ る と し て い る ︒ 同 ・ 同 ・ 回 目

r ︒

p

の m H M

山 門 包 何 回 口 門 目

o d ︒ 円

吾 ・ 可 ‑

E 0

n v   同 ・

‑ の

u ・

﹀ ‑

z p

冨 m

円 ︒

・ 開

︒ ︒

ロ ︒

自 由

︒ 吋

v o

o q

H

4 ・

・ H V

回 目

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