博士学位論文審査の要旨
【学位論文審査の要旨】
学位論文「Lifestyle risk factors for pressure ulcers in community-based patients with spinal cord injuries in Japan地域生活を送る背髄損傷者の日常生活に関連する褥瘡発生 リスク要因の検討」に関する論文審査および最終試験を行った。
本論文の目的は地域で在宅生活を送る脊髄損傷者の褥瘡発生リスクになっている日常生活 要因は何か、褥瘡が発生する座面接触圧(以下座圧)の閾値を決定できるか、地域生活を 送る脊髄損傷者はどれくらい除圧動作を行っているか、の3点を明らかにすることである。
研究デザインは症例対照研究で、対象は褥瘡を有する脊髄損傷者31名、褥瘡がない脊髄損 傷者30名である。その結果としては、8つの生活関連要因とSCIPUSスコアが群間で異なっ ていた。多重ロジスティック回帰分析の結果ではクッション現有数、車椅子乗車時間、
SCIPUS スコアが要因として抽出された。褥瘡リスクアセスメントスケールは脊髄損傷者に
特化したSCIPUSの反応が良好だった。下位項目の分析からブレーデンスケールにはない年
齢と血液検査項目に有意差があり、これらが影響していると考えられた。座圧は褥瘡発生 閾値を決めることはできなかった。褥瘡なし群は関連動作を含めると中央値で17分に1回 除圧動作を行っていた。
本論文のこれらの結果は地域で暮らす脊髄損傷者の褥瘡予防指導や予防プログラム作成 に有用な知見を提供しており価値があると判断される。また本論文は脊髄損傷領域におけ る著名な国際誌である Spinal Cord 誌に掲載されていることからも博士論文として十分な 価値を有すると判断された。副査2名の本論文に対する評価も同様な判断であった。
最終試験では,方法論,結果および結果の解釈に関する質問がなされ,妥当かつ適切な 回答がなされた。副査2 名からの最終試験の評価も同様な判断であった。副査 2 名からも 合格の報告を受けており,以上から論文審査及び最終試験の結果を合格と報告する。