博士学位論文審査の要旨
【学位論文審査の要旨】
提出された学位論文「ICP-MS を用いた都市河川等の環境水中の Gd の分析研究」では、
ICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析計)を用いて都市河川等の環境水中のGadolinium(Gd) の分析研究を行ったものである。また、本研究に先立ちGd造影剤への紫外線照射によるキ レート構造の不安定要素を検証し、Gd造影剤の構造変化を確認した後に、河川水を採取し てICP-MSによる分析から濃度および分布について解析した。さらにGdに加えてCd(カド ミウム)とPb(鉛)などの重金属についても検討した。その結果、人口密集地域や大規模病院 が存在する地域の環境水のGd濃度が上昇していることが判明し、MRI造影剤の影響によ る環境水中のGd濃度上昇が示唆された。Gdは下水処理場で処理されることなく河川等へ 放出されていることを明らかとなった。日本における貴重な研究報告であり、今後の環境 保全に関わるデータとして有用性が高い成果である。
平成30年01月31日に行った最終試験での口述試験および口頭試問では、研究成 果について明快なプレゼンテーションを行い、また質疑に対しては的確な応答を行った。
以上から、試験担当者は一致して、坂野康昌君は首都大学東京大学院 人間健康科学 研究科放射線科学域 博士後期課程の論文審査および所定の最終試験に合格したと判 定し、博士(放射線学)の学位を授与することが適当であることを報告する。