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(1)

イモリ精原細胞の増殖・分化における

ペリシステイック細胞とセルトリ細胞の役割に関する研究

2008年9月

熊本大学自然科学研究科 物質生命科学専攻

李 瑜 雯

(2)

第 2 章 材 料 と 方 法 … … … 1 4 2.1.実験動物、実験器具処理、略語一覧………14 2.2.器官培養とtrypanblue紅B)処理……….………15

2.2.1.精巣断片のTB処理………..……15 2.2.2TB処理後の精巣断片の器官培養………16 2.3.光学顕微鏡用組織切片作成……..………16 2.4.免疫組織染色…….………..………18

2.4.1.細胞へのBrdUの取り込みと検出………..………18 2.4.2.精原細胞増殖活性の測定……….………19 2.5.死細胞およびシストの計数……….…….20 2.6.精母細胞への分化率の測定………..………20 2.7.ⅡB処理した精巣においての精原細胞とセルトリ細胞の純化

(PCR用)……….……….…………21 2.7.1.細胞の解離………..………….……….21 2.7.2.赤血球および死んだ細胞の除去.………22 2.7.3.精原細胞の純化……….……….………23 2.7.4.セルトリ細胞の純化……….……….………24

2 . 8 . R T L P C R … … … . … … … . … … … … 2 4

2.9.ⅡB処理によるセルトリ細胞間バリアー構造に対する影響

(microperoxidaseの浸透実験)………27

2.9.1.精巣断片のTB処理.………….………..………27 2.9.2.凍結切片の染色………27

』日

第 1 章 序 言 … … … . . … … . … … … 3

目 次

第3章結果……….……….……….……30 3.1.mfypanblue(TB)処理によるペリシスティック細胞死

への影響……….…….……….…………30

(3)

3.2.SCFによる精原細胞の増殖促進活性に対するⅡB処理の影響.…………33 3.3.IGF-IとnNRG1による精原細胞の増殖促進活性に対する

TB処理の影響……….……….…….……….….……33 3.4.IGF-IとFSHによる精原細胞の分化促進活性に対する

TB処理の影響…….……….….………35 3.5.SCF、IGF・I、19.NRG1とそれらの受容体のmRNA発現

に対するTB処理の影響…..……….……….…………39 3.6.TB処理によるセルトリ細胞間バリアー構造に対する影響………42 3.7.NRG1による精原細胞の分化促進活性に対するTB(9時間)

処理の影響…….……….……….……….………44

第 4 章 考 察 … … … . . … … … . … … … … . … … 4 7

参 考 文 献 … … … . … … … 5 7

謝 辞 … … … . … … … 6 3

(4)

要 旨

イモリ精子形成は、主に漁胞刺激ホルモン(fbllicle-stimulatinghormone;FSH)

により制御されており、FSHはセルトリ細胞表面のFSH受容体を介して作用す る。活性化されたセルトリ細胞は種々の因子を産生して生殖細胞の増殖や分化 を促進する。精巣器官培養において、ロ甫乳類のFSHを添加すると精原細胞の増 殖活性が上昇し、第8世代において減数分裂を開始し、第一精母細胞へ分化す

る。精原細胞が増殖、分化するためには「減数分裂開始因子」が必要であると 考えられる。イモリ精巣においては、SCF、IGF-I、neurcgulin(NRG)1が発現

しており、また器官培養において、これらの因子が精原細胞の増殖活性を促進 し、FSHの添加によりそれらのmRNAの発現を上昇したことから、SCF、IGF-I、

NRG1がFSHの下流因子として精原細胞の増殖に働いていると考えられる。

ところで、イモリ精原細胞はシスト内でセルトリ細胞に囲まれており、その 隣接するセルトリ細胞の間には血液・精巣関門と呼ばれる結合構造がある。金 らはシストを取り巻くセルトリ細胞の間にサイズ選択バリアが存在している こと、分子量約500Daの物質はシスト内に浸透できるが、1.9kDa以上の物質

は浸透できないことを報告した(Jineta1.,2008)。この血液・精巣関門のため、

上述の増殖因子は直接に精原細胞を刺激することではなく、体細胞(セルトリ 細胞やペリシスティック細胞)を介して精原細胞の増殖を促進していた可能性 が考えられた。

そこで、私はそれらの増殖因子の標的体細胞を決定し、また精原細胞の増殖

(5)

と分化において、ペリシスティック細胞の役割を調べるために、選択的にペリ システィック細胞を殺す方法を探索したところ、tlypanblue(TB)処理がペリシ

スティック細胞を選択的に殺すことを見いだした。精巣断片をTB処理した後 器官培養すると、SCFによって上昇される精原細胞の増殖活性は著しく減少し たが、IGF-IとNRG1による精原細胞の増殖活性はほとんど影響を受けなかっ た。また、FSHとIGFIは器官培養において精原細胞から精母細胞へ分化させ る活性があるが、この活性はTB処理によって影響を受けないことが示された。

さらに、精巣を解離し、生殖細胞と体細胞に分画してmRNA発現を調べると FSHR、SCF、IGF-I、NRG1は体細胞のみに、c-kit、ErbB2、ErbB4、IGNRは

体細胞と生殖細胞の両方に発現するが、TB処理後分画してmRNAの発現を調 べると、体細胞におけるc-kitmRNAの発現だけが減少した。これらの結果から、

イモリ精巣器官培養において、SCFはペリシスティック細胞を介して、IGFI とNRG1はFSHと同様にセルトリ細胞を介して精原細胞の増殖に働くことが示

唆された。

(6)

第 1 章 序 言

精子形成過程は精原細胞が体細胞分裂を繰り返してその数を増やした後、精 母細胞に分化し、染色体が半減する減数分裂を行い、先体胞や鞭毛の形成、核 の凝縮と伸長、ミトコンドリアの結晶化、細胞質の脱落など、一連の形態変化 を経て成熟精子へと分化する過程である。この一連の過程は脳下垂体から分泌 されるホルモンの作用とそれにより発現が誘導される遺伝子産物の働き、体細 胞(ライデイッヒ細胞やセルトリ細胞)と生殖細胞との相互作用によって調節

されている(Parvineneta1.,1986;SkinneE1991;Jegou,19兜)。

哨乳類の精子形成は、主に漁胞刺激ホルモン(fbllicle-stimulatinghormone;

FSH)と黄体形成ホルモン(luteinizinghoImone;LH)の2種類のホルモンによって

調節されている。FSHはセルトリ細胞表面のFSH受容体を介して生殖細胞の発 生と筋様細胞の分化やライディッヒ細胞の機能に影響する(Parvineneta1.,

1986;Sanbometa1.,1987;SkinneIJ991)。LHはライデイツヒ細胞に作用し、ラ

イデイッヒ細胞はtestostemneを産生してセルトリ細胞を活性化し、活性化され

たセルトリ細胞は種々の因子を産生して生殖細胞の増殖や分化を促進する (BellveandZheng,1989;SkinneIJ991;Jegou,1993)。

アカハライモリ(Cy"叩〃rhog“たr)においても、FSHとLHの発現がcDNA の単離と免疫染色によって脳下垂体で確認された(Saitoeta1.,2002)。脳下垂体

摘出されたイベリアトゲイモリ(P伽、庇伽)とトラフサンショウウオ

(A"z伽mma2jgr伽加)において、ロ甫乳類FSHを注射することにより、精子形

(7)

成を促進し、LHの添加で腺組織の△5-3β-hydmxysteIoiddehydmgenase(△5-3β -HSD)反応が誘導された(Andrieuxeta1.,1973;Moore,1975)。カエルFSHの注

射は精子形成を誘導するが、一方カエルLHはテストステロンの産生を刺激し、

精子放出を誘導した(nmakaeta1.,2004)。Jietal.(1992)は以前に、精子分化機

構を解明するために、イモリ精巣の無血清器官培養系を確立した。イモリ精巣 においては、精巣の各ステージがゾーンごとに分かれているため、精原細胞ス テージを簡単に切り分けることができ、無血清培養系においてFSHのみの添加 によって減数分裂が進行することから、精子形成に関わる増殖因子の解析、ま た減数分裂に関わる機能解析が容易であると考えられる(Abe,2004)。

イモリを用いる利点としては、精巣構造がロ甫乳類の構造とは異なり、単純で あることである(CallaIdeta1.,1978)。哨乳類の精巣は精細管の中に外側から中

央に向かって精原細胞から精母細胞、精細胞、成熟精子へ分化するが、イモリ の精巣はステージごとに領域が分かれており、精巣の前方側に若い第一精原細 胞が存在し、順に第二精原細胞、第一精母細胞、丸い精細胞、核伸長精細胞、

成熟精子となる(参考図1)。アカハライモリ(Cw2Qps〃伽gas花r)の精巣はロ

ビュールと呼ばれる袋状の構造から形成されている。ロピュールの中にシスト と呼ばれる最小単位が存在する。ひとつのシストはクローンである生殖細胞と それを取りまくセルトリ細胞から成り、シストの中の生殖細胞は同調的に分化 する。またシストの間にはロ甫乳類のライディッヒ細胞に相当するペリシスティ

ック細胞がある(参考図2A)。11甫乳類では、一つのセルトリ細胞は異なるいく つかのステージの生殖細胞と接触しているが、イモリでは一つのセルトリ細胞 は同調した同じステージの生殖細胞のみと接触しているのでセルトリ細胞の

J L

(8)

機能のステージ特異性や生殖細胞とセルトリ細胞の相互作用のステージ特異 性を調べるには、イモリの方が哨乳類より有利である。さらに精巣はステージ ごとに分かれているため、精原細胞ステージを簡単に切り分けることができる。

精巣の各ステージの領域の相対的な体積は季節によって異なる(田中、岩沢,

1979)。春の間のアカハライモリ(Cy"QpF〃7hog“蛇r)の精巣は、前方未成熟

部分に少しの精原細胞ステージと後方下側の大部分の成熟精子領域からなり、

多数の有尾両生類と同様に、未成熟部分のペリシスティック細胞は小さい

(PudneyandCallard,1984)。その後、精子放出が起こり、ペリシスティック細

胞が肥大し、ロビュールは退化し、分化したペリシスティック細胞層からなる 腺組織と呼ばれる構造が形成される。腺組織のペリシスティック細胞は組織化 学的な△5-3β-HSD活性はポジティブである(ImaiandTanaka,1978)が、精子

形成過程において未成熟ステージのペリシスティック細胞はネガティブであ る。しかしながら、未成熟ステージのぺリシステイック細胞の精子形成におけ る役割については未だに明らかになっていない。

FSHは精子形成過程の調節において最も重要な因子の一つと考えられており、

セルトリ細胞膜上の受容体を介してセルトリ細胞を活性化する。活性化された セルトリ細胞は精子形成過程の開始、促進、維持に必要な様々な因子を産生し ていると考えられる。このような因子として、activin、transfbrminggmwthiacto1L

β(TGF-β)、stemcellfactor(SCF)、insulin-likegrowtMlctor(IGF)‐Iなどが

報告されている(Jegou,1993)。イモリ精巣器官培養又は再凝集培養系において、

基本培地の中に哨乳類のFSHを添加すると精原細胞の増殖活性が上昇し、第8 世代において減数分裂を開始し、第一精母細胞へ分化する(Jieta1.,1992;Itoand

(9)

Abe,1999)。FSHが精原細胞の増殖と分化をどのような作用機構で促進してい るかを調べるために、前川ら(1995)は精原細胞ステージ部分の細胞を解離し、

精原細胞と体細胞を分けて旋回培養を行うことにより、FSHはセルトリ細胞を 介して精原細胞の増殖に働いていることを示唆した。これらの研究から、FSH はセルトリ細胞膜上のFSH受容体に結合してセルトリ細胞の活性化を誘導し、

活性化されたセルトリ細胞が何らかの因子を産生し、精原細胞の増殖や分化を 影響すると考えられた(Abe,2004)。イモリ精巣において、SCF、IGFI、neuregulin

(NRG)1が発現していることが発見された(Abe,2004)。

SCFは精巣内のセルトリ細胞で合成され、その受容体であるc-kitは精原細胞 とライデイツヒ細胞に発現する(LovelandandSchlatt,1997)。ロ甫乳類において、

SCFソc-kitシステムは生殖細胞生存や(PackeretaL,1995;Hakovirtaeta1.,1999)、

精巣内の生殖細胞(Yoshinagaeta1.,1991;Manovaeta1.,1993;Vincenteta1.,1998;

Setteeta1.,2000)とライデイツヒ細胞(Yaneta1.,2000)の増殖又分化に極めて

重要な役割を果たしている。これらの研究結果から、SCFとc-kitを介したセル トリ細胞と生殖細胞、及びライディッヒ細胞との相互作用は精原細胞の増殖だ けではなく、減数分裂の進行及び維持にも重要であり、SCF7c-kitシグナル伝達

系が複雑な精子形成過程に関与する可能性が示唆された。本研究室では、古川 ら(2001)がイモリSCFの完全長cDNAとc-kitのほぼ全長cDNAを単離した。

器官培養系においてFSHの添加によりSCFmRNAの発現が上昇した(古川ら,

2002)。また、ヒト組み換えSCFをイモリ精巣器官培養に投与すると、基本培 地に比べて精原細胞の増殖活性を促進するものの精原細胞は第7世代までし か進行せず、アポトーシスを起こして精母細胞への分化が誘導されなかったこ

' 1 ,

(10)

とを示した(Abeeta1.,2002)。

哨乳類精巣において、IGF-Iは培養されたラット精細管断片のDNA合成を促 進する(Sodereta1.,1992)。IGFI受容体(IGFIR)は膜貫通チロシンキナーゼで

あり、胎児及び出生後の組織の様々な細胞タイプに発現している(Adamseta1., 2000)。また、IGFIはセルトリ細胞とライデイッヒ細胞の相互作用において重 要な役割を果たしている(OonkandGrootegoed,1988)。イモリにおいて、器官

培養にヒトIGFIを添加することによっても同様に精母細胞へと分化する

(Nakayamaeta1.,1999)。IGFImRNAは体細胞で発現し、器官培養においては、

FSHとIGFI両方ともIGF-ImRNAの発現を促進することから、イモリ精巣に おける精原細胞の増殖因子の一つはIGFIであろうと考えられている

( Y a m a m o t o e t a 1 . , 2 0 0 1 )

NRGは機能ドメインとして、EpidermalGIowthFactorfamily(EGF)に特徴的

なEGFLlikeドメインを持っていることから、表皮成長因子(EGF)ファミリー の増殖因子に分類されている(PrigentandLemoine,1992)。NRGlは、上皮細胞、

培養系においてグリア細胞又筋細胞の成長と分化を誘導するNRG遺伝子ファ ミリー(NDF、he1℃gulin、GGF,ARIAとも呼ぶ)の一つである(Fallseta1.,2003)。

NRG1にはimmunoglobulin-like-domainを含む19タイプとcysteine-lRichdomain を含むCRDタイプとがある。

EGFファミリーの受容体であるErbBファミリーは膜貫通チロシンキナーゼ であり、ErbB1-ErbB4の4つのタイプが存在する。NRGはそのEGF-likeドメ

インによってErbBファミリーに属するレセプターに結合し、標的細胞内ヘシ グナルを伝達する(Joneseta1.,1999;Yardeneta1.,2001;Hobbseta1.,2002)。

(11)

Oraletal.(2008)はイモリ精巣において、NRG1の異なる2つのアイソフオーム が確認でき、またアイソフォームの発現は細胞により異なり、Ig-typeNRG mRNAの発現はセルトリ細胞のみにおいて、CRD-typeのNRGのmRNAは精

原細胞、セルトリ細胞両方において確認された。器官培養系にFSHを添加する とnNRGmRNAの発現が上昇すること、又NRG1のEGFdomain(nNRG-EGF)

は精原細胞の増殖を促進するが、精母細胞への分化は誘導できないことを示し た(OIaletaL,2008)。

捕乳類の精巣内において、セルトリ細胞(支持細胞)は精細管の内腔側に向 かって枝分かれし、精原細胞、精母細胞などすべての生殖細胞はセルトリ細胞 に接している(参考図3)。隣接するセルトリ細胞間には密着結合(tightjunction)

と呼ばれる接着構造があり、これにより精細管は基底区画と傍腔区画(内腔)

とに分けられる(DymandFawcett,1970)。基底区画は基底膜を通して精細管外

と通じており、血液中の物質がそのまま到達するが、内腔側への物質の移動は 全てセルトリ細胞を介して行われると考えられており、これがいわゆる、血液 一精巣関門(blood-testisbamer)である(参考図4)。この関門は精細管内への

物質の移動に対して選択的に作用し、内部を血液やリンパ球から遮断すること で生殖細胞を有害物質や免疫学的攻撃から守り、精子形成に最適な環境が維持

されている。このように精子分化は、内分泌系(視床下部一下垂体一精巣系)

に基づく遠隔的制御機構とセルトリ細胞を中心とした精巣内における局所的 な細胞間相互作用とで巧妙に制御されている。

一方、イモリ生殖細胞はシスト内でセルトリ細胞に囲まれており、その隣接 するセルトリ細胞の間には血液一精巣関門が存在することが報告されている

(12)

(FIanchieta1.,1982;Bergmanneta1.,1983)。Jinetal.(2008)は、分子量約S00

Daの物質はシスト内に浸透できるが、1.9kDa以上の物質は浸透できないこと を示したことから、器官培養系において、SCF、IGF-I、NRG1はシスト内に通

過できないと考えられる。つまり、これらの増殖因子は直接に精原細胞を刺激 できず、セルトリ細胞やペリシスティック細胞を介して生殖細胞の増殖及び分 化を促進するものと考えられる。しかし、これらの増殖因子がセルトリ細胞と ペリシスティック細胞のどちらを標的にしているのかは不明である。セルトリ 細胞とペリシスティック細胞の分別の方法が確立されていないため、ペリシス ティック細胞の機能について調べることは困難である。

そこで私は、これらの増殖因子の標的細胞タイプを調べるため、又、精原細 胞増殖におけるペリシスティック細胞の役割を調べるために、ペリシスティッ

ク細胞だけを殺す方法を探した。Ethanedimethanesulfbnate(EDS)はラットの精

巣においてライデイッヒ細胞を特異的に殺す機能があるため(Morris,1985)、

EDSを添加して器官培養を行い、培養後の精巣断片をTBで染色し、死細胞を 確認したところ、EDSで処理した時と処理しなかった時の両方ともペリシステ

ィック細胞はTBで染色された。白内障手術で水晶体前嚢を可視化するためTB は使用される(Melleseta1.,1999)が、TBについての潜在的毒性も広く報告さ

れている(Chu、9,1983;EmaandKanoh,1982)ため、私はイモリ精巣においてTB

が特異的にペリシスティック細胞を殺す能力があるのではないかと考えた。

以上のことより本研究では、ペリシスティック細胞死に対するTBの影響を 詳しく調べ、又器官培養系においてTBでペリシスティック細胞を殺すことに

よって、rhSCF、rhlGFI、nNRGlの標的体細胞を決定した。

(13)

丸 い 精 細 胞

イ モ リ 精 巣 の 構 造

○ ・

↓、蝋紘細胞分裂

○ ○

+湾第~減…

○ ○

↓ 鴬 第 二 糠 …

雷 …

1 0 精 原 細 胞

イモリ精子形成過程は3つの段階に分けられ、第一は精原細胞が体細胞分裂 を繰り返したのち減数分裂を開始し、第一精母細胞へ分化する段階、第二は第 一精母細胞が長い前期を経た後、2回の減数分裂を経て丸い精細胞になる段階、

最後は精細胞が複雑な形態形成過程を経て、成熟精子へと分化する過程である

(Abe,2004)。

精 母 細 胞

成 熟 精 子

参 考 図 1 . イ モ リ 精 子 形 成 過 程

核 の 伸 び た 精 細 胞

戸 兇

(14)

Pericysticc

Germce

Sertoli

Molecules>1.9kDa

Serto

Germcell

参 考 図 2 . イ モ リ 精 巣 の 構 造

イモリの精巣構造は11甫乳類のそれと異なる。イモリの精巣は、

管に相当するロビュールと呼ばれる単位からなり、その中にシス 最小単位が存在し、一つのシスト内に同一ステージの生殖細胞し

イモリの精巣構造は11甫乳類のそれと異なる。イモリの精巣は、噛乳類の精細 管に相当するロビュールと呼ばれる単位からなり、その中にシストと呼ばれる 最小単位が存在し、一つのシスト内に同一ステージの生殖細胞しか存在しない。

またシストはセルトリ細胞で取り囲まれており、サイズ選択バリアが存在し、

分子量約S00Daの物質はシスト内に浸透できるが、1.9kDa以上の物質は浸透 できない(JinetaL,2008)。

11

(15)

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参 考 図 3 . 1 ' 甫 乳 類 精 巣 の 構 造

哨乳類では、精巣の機能的ユニットは精細管であり、精子形成は精細管中で 外側から中央に向かって、精原細胞から精母細胞、精細胞および成熟精子へと セルトリ細胞が放射状にクラスタリングを形成された管状の精上皮の中で連 続して行われる。

1 2

(16)

〃 〃

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参 考 図 4 . 精 上 皮 で の 結 合 相 対 位 置 の 模 式 図

密着結合は、精上皮の基底部側コンパートメントの基底膜の近くで隣接した セルトリ細胞間に形成されている。密着結合に不可欠な3種類の膜タンパク質、

occludin、claudin、JAM,および多くの細胞質内の周辺性タンパク質、ZO-1、

Z○-2、ZO-3などが精巣中の密着結合の場所で検出できる。SG、精原細胞;pSP、

前レプトテン期ルプトテン期精母細胞;SP、パキテン期精母細胞;rSp、丸い精 細胞;Sp、伸長精細胞;SC、セルトリ細胞;ZO-lおよび-2、zonulaoccludens-1お

よび-2(Luieta1.,2003)。

13

GI1

'

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(17)

第 2 章 材 料 と 方 法

2.1.実験動物、実験器具処理、略語一覧

アカハライモリ(CソmQps〃mhogzIster;以下イモリ)成体のオスは浜松生物教

材株式会社より購入し、22°Cの’恒温室での一週間の餌抜き後、7°Cの低温室で 保管した。実験に使用する際に、22°Cの,恒温室で餌として冷凍赤虫を毎日与え、

飼育した。この条件下で、イモリ精原細胞から精母細胞に至るまで約2週間か ら1ヶ月を要する。購入したイモリは、実験に必要な匹数だけ恒温室に移し、

その他は冷暗所7.Cにストックし、餌を与えず一週間に一度水替えのみ行った。

培養に使用する器具はすべてオートクレーブ処理(120.C、20分)、または乾 熱処理を行い、すべて滅菌したものを使用した。遠心器はCF15D,mtor:Rrl5A8,

HITACHIを使用した。また、使用した試薬は、特に表記のない場合はWakoま たはNacalaitesqueより購入した。

なお、本文中略称で示した試薬類の名称は以下の通りである。

BrdU:S-bromo-2,-deoxyuridine

BSA:bovineserumalbumin FBS:fetalbovineserum

FSH(培養添加用):pol℃inefblliclestimulatinghormone(NationalHoImone&

Peptidepmglam(D凪A、EParlow))

H E P idicaculfbnanes-eth-N'-2zineperahl)pixyethydm(2-

L-15:Leibovitz,sL-15medium(GIBCOBRL)

rhSCF:recombinanthumanstemcellfactor(StrathmannBiotech,Hamburg,

G e r m a n y

14

L

(18)

r h l G F - I : r e c o m b i n a n t h u m a n i n s u l i n - l i k e g r o w t h i a c t o idgeenzyme,CambrG

MA)

n N R G 1 - E G F : 1

wtneu1ainofneikedompeEGFlofl3-tyroteininantpcombgulinl TB:trypanblue

2.2.trypanblue(、)処理と器官培養

2.2.1.精巣断片のTB処理 イモリを0.2%(w/v)MS-222(ethylm-aminobenzoatemethanesulfbnate)液に浸

して麻酔した後、クリーンベンチ(日本エアーテック)内に二重に広げたラッ プの上に仰向けにして置き、体表に70%(w/v)エタノール(日本アルコール販売

株式会社)を吹き付けて消毒した。

(以下、クリーンベンチ内での無菌操作とする)

解剖用ピンセット、ハサミを用い、皮膚以外の組織を傷つけないように、特 に肺や腸を傷つけないように気をつけながら、脂肪組織が付着した精巣を切り 出し、70%L・15培地を入れた60mmプラスチックシャーレ僻1007,Falcon)

に浸した。次に、クリーンベンチ内で紫外線滅菌しておいた双眼実体顕微鏡下 で脂肪組織を精巣から切り取った。その後、精巣を70%エタノールの中に数秒 間浸して消毒し、70%L-15で2回洗った。その後、精巣を5mlのL-15を入 れた60mmプラスチックシャーレに移し、先端部のimmaturepartを切り出

した。early・spermatogonia部分を切り除いた後、2.0mm-2.5mm前後の断

片にして35mmプラスチックシャーレ(#1008;基本培地2ml)に移し、TBを

0.1%になるように添加し、0,5,9時間処理した後、精巣断片をL-15で2回

15

(19)

洗った。

2.2.2.TB処理後の精巣断片の器官培養

35mmプラスチックシャーレに滅菌したnuclepore-membIane(巾25mm,PC1℃

sizeO、21」m,WHAIMAN)を浮かべ、この上に精巣断片をmembmnel枚あたり

4個ずつ載せた。0.1%BSAを含む2mlの基本培地(下記参照)の中に、FSH 100ng/ml、rhSCF100ng/ml、rhlGFLI100ng/ml,nNRG1-EGF2、5鵬/mlになるよう

に添加した。培養皿はパラフイルム(PECHINEYPLASTICEACKAGING)でシ

ールし、18.Cに設定した低温インキュベーター(IMOO,YAMATO)内で1-2週 間培養した。培地は1週間に一度交換した。

●基本培地:70%L-15培地やH7.4)

L・15(GIBCOBRL)0.743g

Hepes O、17g

lO×抗生物質溶液 1m’

※10×抗生物質溶液 penicillin-Gpotassium(明治製菓株式会社)

streptomycinsulfate(明治製菓株式会社)

2.3. 光学顕微鏡用組織切片作成

100ml中

lO4unit

サンプルをBouin固定液(下記参照)で固定した後、サンプルから固定液を除 去し、70%,80%,90%,95%,100%エタノールで各20分間脱水し、クレオソート・

キシレン(クレオソート:キシレン=l:3)、キシレンで20分間透徹した。透徹

16

(20)

したサンプルをキシレン・パラフィン(キシレン・パラフィン=1:1)に入れ20 分間インキュベートした。その後35mmプラスチツクシヤーレにパラフィン (ParaplastembeddingmediaPaIaplastplus,SIGMA)を入れ、その中にサンプルを移

し、さらに20分間インキュベート後、サンプルを冷蔵庫に移しパラフィンを 固めて包埋した。ミクロトーム(HM325,MicIom)でSPmの厚さに薄切し、蒸

留水をのせたスライドガラス(76×26mm,MATSUNAMI)に切片を乗せて44.C で伸展(EARAFFINSTRETOHER,SAKURA)して一晩乾燥させた。乾燥後、キ

シレンに5分間浸し、新たなキシレンに移してさらに10分間浸すことで脱パ ラフィン処理を行い、100%、95%、90%、80%、70%エタノールで各1分間加 水処理を行った。加水後切片表面を蒸留水で洗い、Delameldヘマトキシレンで 30秒-2分間染色した。流水中で30分-1時間洗った。エオシン(0.14%eosinY)

(tetrabromofluoresceinsodium)で10秒~30秒染色し、70%、80%、90%、95%エ

タノールで各数秒間、100%エタノールで1分間脱水後、クレオソート・キシレ ン、キシレンで各々1分間透徹し、スライドグラスのキシレンを軽く落とした 後、カナダバルサムを用いてカバーガラス(35-55mm×25mm,MATSUNAMI)

で封入した。

●Bouin固定液(15ml)

飽 和 ピ ク リ ン 酸 ホ ル マ リ ン 酢 酸

l5ml 5ml

lml

17

(21)

2.4.

Delafieldへマトキシレン Hematoxylin

lOO%エタノール

アンモニア明馨飽和水溶液

免疫組織染色

25ml 400ml

2.4.1.細胞へのBmUの取り込みと検出

器官培養において細胞の増殖活性を調べるためにcenproljferationlabeling regent⑱rdU)(GEHealthcare,UK)を各培地2mlあたり5pl加え、6時間

インキュベー卜した。その後、Bouin固定液を加えて8時間以上固定した。(2.3.)

に従い包埋したサンプルを51ユmの厚さに薄切し、連続切片5枚につき1枚の 切片をスライドガラスに張付け、(2.3.)に従い脱パラフィン、加水処理を行った。

その後、PBS100ml中に30%過酸化水素水を1ml加えた水溶液に30分間浸 した。次に、PBSで5分間ずつ3回洗った後、0.1%BSAが入った1次抗体液 (anti-bromodeoxyuridinemousemonoclonalantibody+nuclease

(Amersham,GEHealthcare,UK)を1切片あたり10111ずつ乗せ、保湿チャ

ンバーにて7℃の低温室で10時間以上反応させた(overnight)。その後、PBS

で5分間ずつ3回洗い、BSAの最終濃度0.1%になるようにPBSでHRP結合 2次抗体(goatantimouselgG,HRPconjugate,Bio・Ra。)を100分の1に稀

釈した。1切片あたり101'1ずつのせて、保湿チヤンバー内に入れ、室温で1 時間反応させた。再びPBSで5分間ずつ3回洗った後、DAB溶液に浸し、5

-30分間発色させた。その後、流水に5分間つけ、蒸留水で洗い、エオシン

18

d

(22)

1tablet l5ml

S0mM 150mM

●PBS(perlliter)

NaCl

Na2HPO4・12H20

KCl

KH2PO4

mm、m MMMM 幻⑩砺幻 18zL

●DAB溶液 DAB3,3,-diaminobenzidinetablets(SIGMA)

TIis-bu舵r(pH7.①

TIis-HCl NaC1

30%過酸化水素水

(0.14%eosinY(tetrabromonuoresceinsodium))で数秒染色し、70%、80%、

90%、95%エタノールで各数秒間、100%エタノールで1分間脱水後、クレオソ ート・キシレン、キシレンで各1分間透徹し、カナダバルサムを用いて封入し

精原細胞増殖活性の測定

2.4.2.

(2.4.1)で作成したBrdU免疫組織化学染色切片により増殖活性を測定した。

培養一週間後のサンプルに対しBIdU染色を行い、TBで9時間処理したものに おいては、全精原細胞数に対する染色された精原細胞数;0時間と5時間で処 理したものにおいては、全シスト数に対する染色されたシスト数という比率で 定量化した。増殖率は3個の精巣断片を含む連続切片の真ん中付近の1枚を選 び、その切片中に含まれる全精原細胞数、又は全シスト数中の染色された精原 細胞数又はシスト数の割合を求めた。3回の実験を行い、平均値と標準偏差を

19

(23)

求めた。

2.5. 死 細 胞 お よ び シ ス ト の 計 数

培養1週間後のサンプルに対し、TBで5時間と9時間処理したものにおい ては、TB処理による死んだペリシスティック細胞および精原細胞とセルトリ 細胞を含んだシストを計数した。全ペリシスティック細胞数に対する死ペリシ スティック細胞数(TBで染色されたペリシスティック細胞)、全シスト数に対 するシスト全体がTBで染色されているシスト数という比率で定量化した。細 胞およびシストの死亡率は3個の精巣断片を含む連続切片の真ん中付近の1枚 を選び、その切片中に含まれる全ペリシスティック細胞数、又は全シスト数中 のTBで染色されたペリシスティック細胞数又はシスト数の割合として表わし た。3回の実験を行い、平均値と標準偏差を求めた。

2.6. 精 母 細 胞 へ の 分 化 率 の 測 定

Control,FSH,rhlGFIを添加して培養2週間後のサンプルについて、精母細胞

への分化率を測定した。分化率は3個の精巣断片を含む連続切片の真ん中付近 の1枚を選び、その切片中に含まれる全シスト数中の精母細胞へ分化したシス

ト数の割合として表した。3回の実験を行い、平均値と標準偏差を求めた。

2 0

(24)

2.7.TB処理した精巣断片においての精原細胞とセルトリ細 胞の純化(PCR用)

2.7.1.細胞の解離

(2.2.)に従い未成熟部分を取り出し、2.0~2.5mm前後の断片にした。35mm プラスチックシャーレに基本培地を2ml入れ、TBを0.1%になるように添加し、

そこに精巣断片を入れて0,5時間処理した。その後、L-l5で2回洗った後、

3mlのL-15に浸した。精巣断片を1.5mm以下に細断し、0.4%collagenase溶液(下

記参照)を1mlずつ入れ(終濃度0.1%)、22°Cで1時間85回/min振漫した(R-30,

TAITEC)。1時間後0.1%BSAでコートした先端の口径が3mmのコマゴメピペ ツトで50回ピペツテイングした後、DNase-I溶液を200山加えて1時間振温し

た。その後、精巣断片溶液を0.1%BSAでコートしたコマゴメピペットで50回 ピペッテイングした。解離した細胞を100Pmのナイロンメッシュフィルター

(SefMnc・Ruschlikon,Switzerland)を通し、15mlの遠心管に回収した。回収し た細胞を1,000rpm,5分間遠心(HIMACCT5DL,HmACHI)し、上清を捨てた 後、70%L-15をlOml入れ、再度細胞を500rpm,5分間遠心(ⅢMACCr5DL,

mmCHI)し、ペレットにした細胞を5mlの70%L-l5に懸濁した。

●4%BSA(pH7.4)(perlOOml)

BSA(Sigmahaction-V)

70%し15

49

100m’

21

(25)

●0.4%collagenase C o l l a g e n a s e

70%し15

●DNase-I溶液

70%し15 DNase-I

溶液(pH7.4)(perlOml)

10m’

lOml l5kunit

2.7.2.赤血球および死んだ細胞の除去

2本の50ml遠心管を0.1%BSAでコート後、25%Nycodenz溶液を5mlずつ

入れ、その上に5mlのTB処理と処理していない細胞懸濁液を別々に重層し、

1,000叩、,10分間遠心(HIMACCT5DL,HITACHI)を行った。赤血球と死んだ

細胞は遠心管底部にあり、Nycodenz溶液とL-15の境界面にある細胞を先端径

が3mm以上のコマゴメピペットで回収し、3倍量の基本培地を加えて懸濁し、

1,0001pm,5分間遠心して(HIMACCT5DL,HITACHI)、Nycodenzを取り除いた。

ペレットを10mlの基本培地に懸濁し、先端径が5mmになるように切断した マイクロチップを用いて35皿とり血球計算版で細胞数を計測し、残りの細胞 を500Ipm,5分間遠心し(mMACCT5DL,HITACHI)、最後に2mlの70%L-l5

に懸濁した。

25%Nycodenz溶液(pH7.4)

Nycodenz (SIGMA)

L-l5

( p e r l O O m l

lOOml

2 2

(26)

2.7.3.精原細胞の純化

35mmプラスチックシャーレを0.75%ゼラチンでコート(下記参照)し、

(2.7.2.)で得られた細胞懸濁液を撒いた。1シャーレにおける最終容量を2ml に、細胞数を5×105個とした。FBS(fetalbovinesemmSIGMA)溶液を終濃度

10%となるように加えた。25。Cに設定したインキュベーター内で2日間静置し た。静置することでセルトリ細胞をシャーレに付着させ、精原細胞が含まれる 上清を15ml遠心管に回収し、1,000rpm、5分間遠心した。得られた細胞を5ml

の70%L-15培地に懸濁した。50ml遠心管を0.1%BSAでコート後、15%

Nycodenzを5ml入れ、その上に5mlの5%Nycodenzを重層し、さらに細胞懸 濁液を静かに再重層してから1000IPm,10分間密度遠心(HIMACCr5DL,

HmkCHI)を行った。15%Nycodenzと5%Nycodenzの境界面にある細胞が精

原細胞で、5%NycodenzとL-15の境界面にある細胞はセルトリ細胞である。

先端径が3mmのコマゴメピペットで5%NycodenzとL-15の境界面の液を取 り除き、15%Nycodenzと5%Nycodenzの境界面にある精原細胞を15mlの遠

心管に回収し、3倍量の基本培地を加えて懸濁し、1,000rpm,5分間遠心し (HIMACCT5DL,HITACHI)、Nycodenzを取り除いた。ペレットを10mlの基

本培地に懸濁し、先端径が5mmになるように切断したマイクロチップを用い て35凶とり血球計算版で細胞数と細胞純度を計測し、残りの細胞を500叩、’5

分間遠心し(HIMACCT5DL,HmkCHI)、最後に2mlの70%し15に懸濁した。

● シ ャ ー レ の ゼ ラ チ ン コ ー テ ィ ン グ

35mmプラスチツクシヤーレに0.75%ゼラチン溶液(gelatinhomporcineskin,

23

(27)

TypeA,SIGMA)をシャーレの底がすべて浸るまで入れた。溶液が浸ったとこ ろで溶液を抜き取り、L-l5を入れた。コート後すぐに使用した。

2.7.4.セルトリ細胞の純化

2.7.3で精原細胞を取り除いたシャーレに付着しているセルトリ細胞を回収 するため、シャーレを70%L-15で2回洗うことで精原細胞を十分に取り除い た後、セルスクレーパー(頂ALCON)を用いてセルトリ細胞をはがし、1.5ml

遠心管に移し、1000rpmで5分間遠心することにより、セルトリ細胞を回収し

2.8.RT・PCR

回収した精原細胞(2.7.3参照)とセルトリ細胞(2.7.4参照)のtotalRNAは ISOGEN(ニッポンジーン)を用い、そのプロトコールに従って抽出した。cDNA

IfiprcSrpeuS M

dnratS-trsiF S y n t h e s i s S y s t e m

)neOgrtivIn

totalRNA1jug量をDEPC処理水でlljulにメスアップし、ランダムプライマー(50,9/

似l)ljulもしくはOligo(。T)20プライマー(50以M)l〃lを加えて逆転写酵素 SuperScripfTMⅢ(200units/似l)1mによって逆転写された。

cDNA溶液(10倍稀釈したもの)0.5〃1,10×Exnlqbuffer2jul、dNTPmix(各2.5

,M)1.6m、センスプライマー、アンチセンスプライマー(共に25似M)各0.2似l、Ex TaqpolymeraseO2julを加え、滅菌水で最終容量20julにし、よく混和した。その後、

GoTaqpolymerase(TOYOBO)を用い、以下の条件でRPPCRを行った。

2 4

(28)

Cycle数 annealing温度(℃)

FSHR 35 5

SCF 3 5

c-kit 3 5

Ig-NRG1 4 5

ErbB2 4 5

ErbB4 4 5

IGFI 3 5

IGFIR 3 5

EF-I 2 5

それぞれのcDNAを特異的に増幅するために用いたプライマーは以下の通り である。

FSHRSense Anti-sense

S C F S e n s e Anti-sense

c-kitSense Anti-sense

nlg-NRGlSense

Anti-sense

ErbB2 Sense

Anti-sense

5,CTGATGCCTrCAACTCCTGT3’

5,CrGCATGGCGTArGTTATGG3,

5,GTGTAACITTCGGAAATCCATGCGG3’

5,ACTTCITCGGGACAAACTGACCCTC3,

5,CTCACTCGTGGACGCATmdkCAAAGA3’

5'TTCCATATGACCAGACATCGCTCTC3,

5,GCTGGTG238CTGAAGTGTCAAG30 5,GTGCATCTTGCTCCAGTGAA3,

5,TCACAGGACCTGCTCAACTG3’

5,GTCGAGCGAGTCCAAAGTCT3,

25

(29)

ErbB4

IGFI

Sense Anti-sense

Sense Anti-sense

lGFLIRSense Anti-sense

EFLlaSense Anti-sense

5'TTGGTGTGTCCCAGATAGCC3’

5,GCGCTGTACTCCTTCTCGTC3,

5,ACACCGTGTCCTCCATTCAT3,

5'CGTCTGCTGTTCAAGCCATA3,

5,TTTACGGACCGATGCTGAGAGTCAT3,

5,CGCATCAACTCGAATAACATGTCTG3,

5,AGCCCTAGACTCAATCATCC3’

5'ATCCAACACAGGAGCGTATC3,

それぞれの増幅されたDNA断片は2%のアガロース(LO3、、KARA)ゲル

(100V)で電気泳動により分析され、泳動後、ゲルをエチヂウムブロマイドで染色し、

ゲルの写真をトランスイルミネーターで撮影した。その後pT7Bluevector(Novagen)

を挿入させた。特異性を示すためにヌクレオチド配列がシーケンスにより決定 された。シーケンス反応はSanger法に基づいて、DNASequencingkitBigDyeTM

T e r m i n a t o r C y c l e S e q u e n c i n g R e a d y R e a c t i o n ( A p p l i e d B i o s y s t e m s l n c . )

ルに従って行った。塩基配列を自動キャピラリー式シーケンサー(ABIPRISM310 GeneticAnalyzer、AppliedBiosystemslnc.)により決定した。

PCRプライマーはHokkaidoSystemScienceCo・Ltd・Japan、から購入した。

26

(30)

2.9.TB処理によるセルトリバリアー構造に対する影響

(microperoxidageの浸透実験)

2.9.1.精巣断片のTB処理

2.2.1.の方法と同様に精巣断片をTB無処理又はTBで9時間処理してから、

Microperoxidase①皿-11)(Sigma,-1.9kDa)50似g/mlで40時間浸透させ

た。MP-11はセルトリバリアーを通過できるかどうかをDAB染色で確認した。

ポジティブコントロールとして、0.5%NP40で1時間処理後、、〃-11を40 時間浸透させた。

2.9.2.凍結切片の染色

MP-11を40時間処理した精巣断片は、アセトンメタノール(アセトン:メ タノール=1:1)で2時間-4時間固定した後、PBSで5分ずつ2回洗い、

固定した組織をオクトコンパウンド(SAKURA,catalogueNo,4583.USA)に 入れ、30分後、液体窒素で凍結した。

凍結切片(n皿CROM,HM505N,-20℃)は厚さ10umで作成した。ドライ

ヤーを1時間かけ、よく乾燥させた切片をPBSで10分ずつ2回洗い、その後、

DABによって、5-30分間発色させた。発色後、切片を流水に5分間つけ、蒸 留水で洗い、70%、80%、90%、95%エタノールで各数秒間、100%エタノール で1分間脱水後、クレオソート・キシレン、キシレンで各1分間透徹し、カナ ダバルサムを用いて封入し、光学顕微鏡で観察した。

2 7

(31)

一 惨

Theimmaturepartof t

e s t i s c o n t a i n i n g l a t e l a t e s p e r matogonialstage

washed

識 Ⅲ 〆 J

屋 屋

pFSH200ngml/

rhSCF100ng/ml / nNRG125ug/ml

Culturedatl8oC

方 法 図 1 . T B 処 理 の 器 官 培 養 系

未成熟部分のlatespermatogoniastage部分を切り取り、0.1%trypanblue

でOhr、5hr、9hr処理した後、各試薬を入れ、18℃で1週間又は2週間培 養した。

2 8

(32)

NewtTestes

-

Spermatogoniastage

Ohr 0.1%TB5hr

l : ,

僻 拶 ‘ r

Dissociatedcellsご=

ceIls2mlL-15

方法図2.精原細胞とセルトリ細胞の単離(PCR用)

eIls

精巣断片を0.1%TBで0時間、5時間処理後、conagenaseとDNaseによ

り細胞をバラバラにし、ゼラチンコートしたシャーレに撒いた。2日後精原細 胞を回収し、Nycodenz中での遠心により純化された精原細胞を得た。セルト

リ細胞が付着しているシャーレをL-15で洗って、セルスクレーパーでセルト リ細胞を剥がし、遠心して集め、使用した。

2 9

(33)

第 3 章 結 果

3.1.Hypanblue(TB)処理によるペリシスティック細胞死へ

の 影 響

TB処理による精巣内の細胞死誘導に関する影響を調べるために、精巣断片 をTBで0時間、5時間、9時間処理し、L-15で2回洗ったのち、1週間培養

した。

その結果、TBで5時間処理した場合は、セルトリ細胞と生殖細胞の殆どが 生きていたのに対して、多数のペリシスティック細胞がTBで染色され、細胞 死を引き起こしたことが確認できた(Fig.1,-F)。一方9時間処理した場合は、

多数のペリシスティック細胞死がみられたが、セルトリ細胞と生殖細胞を含む シストも5時間より多く死んでいた(Fig.1G-1)。この結果から、TB処理はペ

リシスティック細胞死を誘導できるが、処理時間を長くすると、ペリシスティ ック細胞だけではなく、精巣内の全体の細胞にもダメージを与えることが示唆 された(Fig.2)。

30

参照

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