第 3 章 結 果
3.2. SCFによる精原細胞の増殖促進活性に対するTB処理の 影 響
ヒト組み換えSCF(rhSCF)をイモリ精巣器官培養に投与すると、基本培地に
比べて精原細胞の増殖活性が促進される(Abeeta1.,2002)。SCFは器官培養で
は体細胞に働いて精原細胞の増殖を促進すると考えられているが、体細胞のう ちセルトリ細胞に働くのか、ペリシスティック細胞に働くのか、不明である。
そこで、TB処理によってペリシスティック細胞を殺した場合のSCFの影響を 調べた。
Fig.3に示されるように精原細胞の増殖活性は、Controlにおいて、TB5時間
と9時間処理は無処理に比べて精原細胞の増殖活性を若干低下させた。TB処 理後FSH存在下で培養した場合は、TB5時間と9時間処理は無処理に比べ、
精原細胞の増殖活性はわずかに減少させたものの、有意差は見られなかった。
FSHはセルトリ細胞を介して精原細胞の増殖を促進することから、ペリシステ ィック細胞死を引き起こしても、精原細胞の増殖活性に影響はないと考えられ る。一方、TB処理後SCF存在下で培養した場合、精原細胞の増殖活性はTB 処理5時間、9時間いずれの場合も顕著に減少し、ContIOlとほぼ同じ値になっ
た。この結果から、SCFはペリシスティック細胞を介して精原細胞の増殖を促 進することが示唆された。
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Fig.3pFSH,rhSCFによる精原細胞の増殖促進活性に対するTB処理の
影 響
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TBO時間、5時間、及び9時間処理後、基本培地、pFSH、rhSCF添加培地に
おいて1週間器官培養後、BrdUを取り込ませ、増殖活性を調べた。3回の結果 の平均値(カラム)と標準誤差(バー)を示す。*P<0.05,***P<0.001
3.31GF-1とnNRG1による精原細胞の増殖促進活性に対する
、 処 理 の 影 響
IGF-I(Nakayamaeta1.,1999)やnNRG1(OIaleta1.,2008)も器官培養で精原細
胞の増殖を促進することが報告されているが、どの体細胞を介して精原細胞の 増殖を促進するのか不明である。そこで、IGFI又はnNRG1で刺激された精原 細胞の増殖活性に対するTB処理の影響について調べた。その結果、TB処理は
IGFI又はnNRG1で刺激された精原細胞の増殖活性に殆ど影響しなかった(Fig.
4)。これらの結果から、IGFIとnNRG1はぺリシステイック細胞ではなく、セ ルトリ細胞を介して精原細胞の増殖を促進すると考えられた。
3.41GF-1とFSHによる精原細胞の分化促進活性に対するTB
処 理 の 影 響精巣断片の器官培養を行った場合、FSH(Jieta1.,1992)とIGFI(Nakayama
eta1.,1999)は精原細胞から精母細胞への分化を誘導することから、TB処理(5
時間)がFSHとIGF-Iによる精母細胞への分化促進能力にどのような影響を与 えるかについて調べた。その結果、TB処理(Fig.5,,F)した場合も処理しな
い場合(Fig.5C,E)と同様に、2週間培養後、FSHとIGF-I両方とも精母細胞
が多数出現した。TB処理した場合は処理しない場合と比べて多少分化率が低
下したが、有意差はなかった(Fig.6)。Control培地においては精母細胞への分
化はみられなかった(Fig.5.A,B,Fig.6)。
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pFSH rhlGF~I nNRG1
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