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肝抗原 に対す る細胞性 免疫 に関す る実験的研究

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金 沢大学 十 全医学会 雑誌 第 8 4 巻 第 4 号 2 5 3‑2 6 3 ( 1 9 7 5)

肝抗原 に対す る細胞性 免疫 に関す る実験的研究

金 沢大学大 学 院 医学研 究科 第 二 病 理 学 講座 ( 主任 :太 田五六教授 )

俵 矢 勝

(昭和 5 0 年 1 月 27 日受付 )

(本論 文 の要 旨 は 1 9 7 4 年 6 月第 1 0回 日本 肝臓学会総 会 にお いて報告 した . )

2 5 3

Kunke l ら1 )や Ma c ka y ら2 )が活動性慢 性 肝疾 患 の 経 過 中 に免疫 学 的異 常 が随伴 し.肝炎 の遷 延化 を うな が す ことを報 告 して以 来 .. ルポ イ ド肝 炎 2 ) を は じめ と し.肝疾患 患 者 の流 血 中 に抗肝抗体 3 ) .抗核 因 子 4) な ど 2 0 数種 を こえ る抗体 出現 が報告 されて きた . しか し 流血抗体 に は病 因性 が ない とい う考 え が 支 配 的 で あ り,組織 障害性 を有 す るの は .遅 延型 ア レルギ ーにお け る細胞性 抗体 で あ ろ うと推測 されて きたが ,細 胞 性 免疫 反応 を検索 す る方法 が永 い間確立 されて い なか っ た .

近年 に至 り,末 梢血 リンパ球 培 養法 5 ト9 )や マ ク ロ フ ァー ジ遊走 阻止 試験 1 0 ) 〜1 3 ) な ど, i n vi t r o の実験 で . 細 胞性 免疫 を検 出す る方 法 が確立 され .肝疾 患 の領域

に もこの方 法 が導 入 されだ した 5 ) 1 4 ) 〜1 6 ) .我 々 の 研 究 室 にお いて も.梶原 け)が慢性 肝 炎 .肝硬 変患 者 末 梢血 リ

ンパ球 が 自己肝 抗原 の存 在 の もとで i n vi t r o に 刺 激 され ることを報告 して い る.また .太 田 柑) は人肝 か ら mi t oc hondr i a を分離 し, これ を 抗 原 と して 芽 球 化反応 . MI F 反応 を行 な うと ,活動 性慢 性 肝 炎 や 肝硬 変 の約半 数 の リ ンパ 球 が mi t oc hondr i a の 存 在 の もとで i n vi t r o に刺激 され ると述 べ て い る.

これ らの実験 よ り,あ る種 の肝疾 患 で は 自己肝 に対 して遅 延型 過敏症 が発現 して い る可 能 性 が 推 定 さ れ る.そ こで著者 は .異種 お よび同種 肝抽 出物 で幼 君 モ ルモ ッ トを感作 して .細 胞性 免疫 反 応 を皮 膚反 応1 9 ) 〜 2 1 ) . リンパ球 芽球 化反応 5 卜9 ) .マ ク ロフ ァー ジ遊 走 阻 止 反応 相 川 ) な どの諸方法 を用 いて検索 し, 肝 分 画 に 対 す る細胞性 免疫 の成立 過程 を比較 検討 した .

材 料 と 方 法 1 .感作 動物

成熟 Har t l e y 系 モ ルモ ッ トを実験 に先立 ち 数 日 間 同一 条件 の もとで飼育 し. これ らを交 配 して生 まれ た

新 生 モルモ ッ ト 1 7 5 匹 お よび体重 5 0 0 g 前 後 の Har t l ey 系 成 熟 モルモ ッ ト 1 0 4 匹 を感作 動物 と して使 用 した 2 2 ) 2 3 )

2 .抗原

1)感作 抗原 の作 成

体 重 1. 3 ‑1. 6 kg の家 兎 も しくは 5 0 0 g 前 後 の モ ル モ ッ トを .門脈 よ り Rock 液 にてか ん流 し,肝 を全 別 した .別 出肝 は 0. 2 5 M 庶 糖 添 加 Roc k 液 中 で 細 切 し. Fl ax ら 2 4 ) , J a cob ら2 5 )の方 法 によ り,か る く homoge ni z e L ,2 0 0 〃me s h 金網 を用 いて は過 した 後 ,0. 2 5 M 薦糖 添加 Roc k 液 を使 って .500rpm .

5 分 遠心 .その沈 連 を 0. 2 5 M 庶糖 液 に浮 遊 させ .肝 細 胞浮 遊液 を作 った .蛋 白濃 度 は Fol i n 法 2 6 ) にて定 量 し .3 6 mg/ml とな るよ う調整 し , 用 時 迄 凍 結 保 存 , 感作 抗原 と して用 いた .

自己壊死 肝抗原 の作 製 は成熟 モ ルモ ッ トを 開 腹 し . 肝分 乗 の椴部 を結 梨 して肝部分 壊死 を起 こさ しめ ,2 4 時 間後 同壊死 部分 を別 出 して ,上 記 同様 の方 法 で感作 抗原作 製 を行 った .

2 ) テ ス ト抗原 の分 画

成熟 モルモ ッ トを異種 肝 ( 家 兎 ).同種 肝 . 自 己 壊 死 肝 抗原 で感作 した例 につ いて は .それ ぞ れ の肝細 胞 粥 を以下 に述 べ る各免疫 反 応 の テ ス ト抗原 と して使 っ た .幼 若 モルモ ッ トを同種 肝 お よ び異 種 家 兎肝 抗原 で 感作 した例 につ いて は ,家 兎 お よ び モ ル モ ッ ト肝細 胞 分 画 を作 って , nuc l e ar f r a c t i on . mi t ochondr i a, mi cr os ome ,s ol ubl e pr ot e i n とに分 け .そ れ ら を 各免疫 反応 の テ ス ト抗原 と して使 用 した .

これ らの分 画法 は .感作 抗原作 成 時 と同 じ方 法 で家 兎肝 を別 出 し. Dumonde ら 2 7 ) , Bi i s c henf el de 2 8 ) 〜 3 0 )

らの方 法 に準 じて作製 した . す なわ ち肝 に 5 倍 量 の

0. 2 5 M 庶精 液 を加 えて肝粥 を作 り .4 0 0 g. 1 5 分 遠心 して

得 た沈 盛 を核 分 画 と した .そ の上清 に 1 0 倍 量 の 0. 2 5M

Experi ment al st udy on cel l ul ar i mmuni t y i nduced by l i ver ant i gen.Mas at ugu

TAwar aya,Depar t ment of t he 2nd Pat hol ogy,( Di r ect or :Pr o f .G.Oht a) .School of

Medi ci ne,Kanazawa Uni ver si t y.

(2)

庶糖 液 を加 え . 1 5. 0 0 0 g,20 分 遠 心 して 得 た 沈 法 を

mi t oc hondr i a 分 画 と した .また その上 清 を 1 0 5. 000g 6 0 分 遠 心 して 得 た沈 盛 に 0. 2 5 M 庶糖 液 を 加 え て 懸 葡 し. 1 0 5. 0 0 0 g. 2 時 間 遠 心 して 得 ら れ た 沈 盛 を

mi cr os ome 分 画 と した . また 1 0 5, 0 0 0 g 遠 心 後 の上清 は可 溶 性 分 画抗原 と して用 い た .

核 . mi t oc hondr i a ,mi cr os ome の各 分 画 お よび 粗 製 肝 粥 成分 に 0. 4 4 M 庶糖 ( 0. 01 M phos pha t e buf f er ,pH7. 8 ) を 5 倍 量加 え , 4 o C. 2 時 間 放 置 後 .

0. 4% の 割 合 で DOC ( de oxyc hol i c a ci d) を 加 え

homoge ni z e す る. これ を 4 o C, 1 昼 夜 放 置 後 ,

105. 0 0 0 g,2 時 間遠心 し.上清 の上 1 / 3 を採 取 .再 び

10 5, 0 0 0 g, 3 時 間遠心 した上清 を 0. 0 1 M.pH7. 2 の VBS ( ver ona lbur r ers a l i ne) で 4 o C ,4 日間 透 析 を 行 い .核 . mi cr os ome ,mi t oc hondr i a ,Cr udel i ve r

の各 DOC 可溶 性 分 画 を作 製 し.以 下 の実験 に 用いた .

3 .感作 方 法

出生 モ ルモ ッ ト生 後 1週 目 に感 作 抗 原 (36mg/ml )

0. 2 5 ml を等 量 の CFA ( c ompl e t e Fr e und' s a dj u・

∨a n t) と混 合 ,乳 剤 を作 りモ ル モ ッ トの 四 肢 r oot pa ds に 1 回注 入 し, また成熟 モ ル モ ッ トに は . 感 作 抗原 ( 1 8 mg/ m l )0. 5 ml を CFA と混 合 して . 1 週 お き に 5 回皮 内注 射 して ,感作 終 了 後 1 週 か ら 5 週 の 各過 につ いて以 下 に記 す免疫 学 的検索 を行 った .

4 .皮 内反 応

感 作 モ ル モ ッ トの背 部 に .生 食 0. 1 ml お よ び テ ス ト 抗 原 各 々 5 0 0 〟g/0. 1 ml を皮 内注 射 し ,2 4 時 間後 の紅 斑 を伴 う硬 結 の短 径 ,長径 を測定 し,そ の平 均 値 を算 出 した . さ らに皮 内注射 後 2,4,8,1 6.2 4,4 8 時 間 後 の局 所 皮 内反 応 の変 化 を検索3 日した .

5. リンパ節細 胞培 養手 技

心 臓穿 刺 に よ り脱 血 死 せ しめ た モ ル モ ッ トの 腕 首 . 蝋 撰 リンパ節 を別 出 し, pe ni c i l l i nG I O O u/ ml .s t r ・ e pt omyc i ne l O O 〃g/mlを含 む Ha nk' s BSS ( Ha 一 nk' sba l a nc e d s a l ts ol ut i on3 2 ) ) で洗 い ,‑ サ ミで 細 切 し. 2 0 0 L L me S h 金 網上 で圧 挫 姐過 し , リ ン パ 節 細 胞 を Ha nk' sBSS に浮 遊 させ る .つ ぎに 1. 0 0 0 r pm,

1 0 分 間 の遠心操 作 を 3 回 繰 り 返 し洗 鵜後 , 細 胞 数 が成 獣 で は 5. 0×1 0 6 ,幼 獣 で は 2. 5×1 0 6 cel l s/m lに な るよ う TC1 9 9( Di f c o 製 ,2 0% c a l fs er um と上 記 の抗生 剤 とを添 加 )に浮 遊 させ る.この l ymphoi d

c e l l s us pe ps i on を 2ml づ っ培 養 試 験 管 に 移 し ・ 各 種 抗原 0. 1 ml 添 加 した もの と,対 照 と して 同 量 の 再 蒸 留 水 を添 加 した もの を . 3 7 o C.5%CO2 培 養 恒 温 器 の中 で 1‑5 日培 養 を行 った .

6 .培 養 リンパ球 DNA 合成 の測 定

Sht a c her ら 3 3 ) . car on ら 3 4 ) の 方 法 に 準 じて , 収穫 2 時 間前 に , 培 養 試 験 管 に 0. 0 6 〃Ci の 1 ℃‑

thymi di ne を加 え . 培 養 開始 後 1‑ 5 日迄 の 各 日 毎 に収 穫 し ,3 7 0 g.1 5 分 遠心 し.その 沈 連 を 生 食 で 3

回洗 准 し.沈 壇 を dr y i c e a c e t one と wa t er b a t h で 1 0 回凍 結 融解 を繰 り返 して細 胞 を破 壊 した . つ ぎに 5%TCA ( t r i c hl or a c e t i c a c i d)2ml を 加 え .

4 o C. 1 昼夜 放 置後 ,5%TCA で 5, 0 0 0 r pm,1 5 分 間

3 回遠 心 を繰 り返 し. さ らに e t her:e t ha na l(1:

3 )混 合 液 で 5, 0 0 0 rpm.15 分 間 2 回 遺 J L、 洗 喉 後 .

Wha t ma n 製 gl a s s f i br e pa pe r ( GF/ C) に 破 過 吸着 させ . e t ha nol で洗 い赤外 線 ラ ンプで 乾 爆 さ せ た .それ を s c i nt i l a t i on bot t l e に入 れ Tol ue n‑

PPO( PPO5. 0g/t ol uen l l )5ml に溶 解 さ せ . 充 分 透 明 とな って か ら. Be c kma n LS2 0 0 B 型 液 体 s c i nt . i l a t i on Count er で 2 分 間 細 胞 内 に と り こ ま れ た

1 ℃・ t hymi di ne の c pm ( c ount s per mi ni nt e ) 杏 測 定 した 3 5 ) .なお ba c k gr ound ( B. G. ) と して e t ‑ ha no lの み吸着 させ て c ount を測 定 し. こ の B. G.

を差 し引 いた値 を比 較 した .す な わ ち , リンパ節 細 胞 の刺激 程 度 を示 す た め に ,

リン‑節 細 胞 刺激 率 ‑ 琵 震 悪 霊L p c m ,LB T ・ G B: 3 7 c m ,。

の値 を求 め た .

7.MI F 活 性 の測 定

吉 田 の方法 に準 じて 1 3 ) ・ 3 6 ) ‑3 8 ) .感 作 モ ル モ ッ トの腹 腔 内 に流 動 パ ラ フ ィ ンを注 入 し. 3 日後 ,腹 腔 彦 出細 胞

( per i t one a le xs uda t e c e l l s ,以 下 PEC) を 採 取 し. TC1 9 9 培 養 液 に浮 遊 さ せ PEC s us pe ns i on を 作 成 した .予 め Ca pi l l ar y t ube を入 れ た大 試 験 管 に この PEC s us pe ns i on を入 れ て吸 引 す る と ,

c a pi l l ar yt ube 内 に PEC s us pe ns i on が 流 れ こ む . この c a pi l l ar y t ube を 9 0 0 r pm.1 0 分 遠 心 し て PEC を パ ック した .沈 連 と上 清 との境 界 で c a ・ pi l l ar y t ube を切 断 , これ を小 型 シャー レの 底 に 固 定 した .っ ぎに各種 抗 原 を含 ん だ培 養 液 を 2. O ml づ っ 小 型 シ ャー レに分 注 し,培 養恒 温 器 で 24 時 間 反 応 さ せ ,毛 細 管 切 断 口 よ り周 囲 に広 が って くる遊 走 像 を写 真撮 影 し.遊 走面 積 を抗 原 無 添 加 コ ン トロー ル と比較 した . %mi gr a t i on の算 定 に は Da vi d の式 3 9 ) を 参 考 に し,次式 に よ り求 め た .

%mi gr a t i on ‑ wi t ha nt i ge nar e a wi t houta nt i ge nar e a ×1 0 0 8. 血清 抗 体 価 の測 定

感作 モ ル モ ッ トの心 臓 か ら採 血 して得 た血 清 を非 動

化 し.前 述 の各 テ ス ト抗 原 を 抗 原 と して Ma yer 4 0 )

(3)

肝抗原に対 す る細胞性免疫 に関す る実験 的研究

の 5 0 % 法 によ り .4 単位 のモルモ ッ ト補体 ,4 単位 の 家兎溶血素で感作 した ヒツ ジ赤血球 を使 って . CFT ( c ompl e me ntL I x a t i on t e s t ) を実施 し,完全 な溶 血 阻止 を示す血清希釈倍数 を もって力価 と した .

9. 組織学的検索

感作 モルモ ッ トの肝臓左糞の一部 を 1 0 % 中性 r or ・

ma l i n で固定 し ,HE 染色 .鍍銀法 . PAS 染 色 に よ り観察 した.

結 果

1 .幼若 および成熟 モルモ ッ トの細胞性免疫発生 の 相違

異種家兎の粗製肝抗原で モルモ ッ ト幼獣 は 1 回 ,成 獣 は 5 回感作後 .同抗原 に対す る皮膚反応 . リンパ球 芽球化反応 .血中抗体価 が どのよ うに現 われ るか を比 較検討 した .図 1 に示す よ うに幼獣 で は皮膚 反 応 は . 感作後 3,4 週 目に, リンパ球 芽球化反応 は 2.3 週 目に著明な反応 を呈 し七 .また,血中抗体価 の上昇 も み られた.ところが ,成獣 で は皮庸反応 が 5 回感作後

3 週 目に 9 . 1 ±0. 5 mm 程度 の硬結 を示す以外 いづ れ の 検査 にて も陰性 であ った.

2 .幼若 モルモ ッ トの異種 と同種 の肝抗原感作 によ る細胞性免疫発生 の相違

図 1 異種 肝 感 作 に よ る幼 若 お よび成 熟 モル モ ッ トの細 胞性 免疫 発生 の差 異

短 径 ×長 径 の 平 均 値 0 0 0 ▲ ○ ▲ 「 2 利 敵

率 倍 1 2

3 4 5

. ふ 、 . リンパ球芽 球化反応

・ ′ 、 、 、

蔓、 ̲

0 0 0

0 2

8 32 2 8 血 中

抗 体 価 ( * 釈 倍 整 2 5 5

つ ぎに,幼獣 を同種 モルモ ッ ト肝抗原 で感作 し.

そ の抗原 に対す る細胞性免疫反応 が異種肝抗原感作例 と 比較 して,どのよ うに現 われ るか

を比較検討 した (図 2) .異種肝粗 製 抗 原 で 幼 獣 を 1 回 感 作

した 場 合 . MI T (マ クロファー ジ遊走阻止 テ ス ト) で は

感 作 後

3.4 週 目に活性 を示すが ,同種肝粗製抗原 1 回感

で は.感作後 リ ンパ球芽球化反応にもみられ.異 5 過 まで陰性 であ った .同様 の傾 向が 種

(4)

そ こで ,幼若 モルモ ッ ト異種肝 抗 原 感 作 系 を 用 い て .各肝分画 に対す るよ り詳細 な細 胞性 免疫 反応 の発 現 を検討 した .

4 .幼君 モルモ ッ ト異種 肝抗原感作後 の肝分 画 に対 す る皮膚反応

異種家 兎肝粗製抗原感作 3 過後 の幼 若 モルモ ッ トに っ いて .各家 兎肝分画 ( 5 0 0 〟gpr ot ノ0. 1 ml ) を 背 部 に皮 内注射 し,注射後 2 時間か ら 4 8 時 間迄 経 時的 にそ のあ らわれ方 を検索 した (図 4) .非感作幼 若 モ ル モ ッ トに異種家 兎の Cr udel i ve r や可溶性抗原 ( 500

〟gpr ot ノ0. 1 ml ) を皮 内注射 した場合 に は.最高 5・ 2

図 3 幼 若 モ ル モ ッ トの 異種 と同種 の 肝 抗 原 感 作 に よ る皮 膚 反 応 お よび血 中抗 体 価 出現 の 相 違

●一一● 異種 c md el i v e r ▲‑ ▲ 同種 c mdel i u e r

0 1 2 3 4 5 ±0. 4 mm 程度 の

非特異的 な硬 結 が 認 め られ る の で . Be na c e r r a f ,Ge l lの判定基準

3 L ) を参考 と して ,7. 0mm 以上 を陽性基準 と した

. 肝分画抗原 の うち . C r ude l i ve r ,s ol ubl e pr

ot e i n を感作幼獣 に皮 内注 射 す ると. 2 時間後 にそれぞれ 1 1, 6

×1 0. 8.9. 6×8. 7mm 程度 の発赤 と強 い

浮 腫が み られ , 2 4 時 間 を ピ ー ク ( l l . 6 ×9. 7. 1 0. 4×9

. 4 mm) とす る紅 斑 を 伴 う硬 結 が 現 われ .以後漸減 した . これ に

比 し, mi t oc hondr i a を皮 内連射 す ると ,2

時 間後 に 6. 6×5. 9 mm 程 度 の 浮 腫がみ られ .最 高反応 は

2 4 時 間後 に 5. 8×4. 8 mm 程 度 の硬結 が現 われ .生食水注

入 の c ont r ol ( 4. 3×

3. 9 mm) に比 べて

. 大差 のない反応 を示 すに とど まっ た.ま た mi c r os ome . nu c l e

a rf r a c t i on で は 24 時 間後 の反応 が それぞれ 2. 6×

2. 3.5. 0×4. 6 mm 程 度 の硬結 で

あ り.対照 との差 を認 めなか った . つ ぎに .感作後 5 過

までの皮膚反応 の変移 を調 べ る 図 4 異種 肝 抗 原 感 作 幼 君 モ ル モ ッ トの 肝 分 画 に

対 す る皮 膚 反 応 と皮 内 注射 後

の変 化 ml T I

短 径 × 長 径 の 平 均 値

2 6 1 2 2 4 36 48

皮内注射後経過時間

●一 一 ● C r ud e

l i v e r o 1 0 s o l u b l ep r o t e i n

■ トー 1

mitochondria △一△ control 表1成熟および幼

君 モ ル モ ッ トに お け る感 作 抗 原 の差 異 に よ る免疫 反 応 成 績 モ ノレ

モ ツ ト 感 作 抗 原 例 ( 匹 ) 数 感 回 作 数 感作総 抗 原 ( m g 量 ) 皮 膚 反 応 ( mm) 免 1) 芽球 化 反応 リ ン パ 疫 ( 倍 ) 反 球 2) マクロファ 応 遊走阻止 成 ( %) ー ジ 率 3) 績 血 中 抗 体 価 ( 稀 釈 倍 数 ) 4ー 組織学 的変化 異 種 肝 3 6 5 45 9. 1 土 0. 5● 佃 1. 7±0.

1 H N. T+ 40 ( 2 0‑8 0) : H ( 」 成 獣 同 種 肝 3 0 5 45 4. 2

±0. 6 ( ‑) 1. 4±0. 1 日 N. T 1 0 (0‑2 0) ( 」 H

自己壊死肝 3 8 5 8‑1 5 9

(5)

肝抗原 に対 す る細胞性免疫 に関す る実験 的研究

ために,各分画注入 2 4 時間後 の硬結 を測 定 した (図 5 ).家兎肝抗原感作幼獣 の家兎 Cr ude l i ver に 対 す る皮膚反応 は.感作後 2過 ( 8. 4±0. 5mm) よ り現 われて 3 過 日に ピー ク ( l l. 6±0. 7 mm) に 達 し. 4 過 ( l l. 2±0. 6 mm) 迄持続 す るが .5 週 ( 6. 8±0. 1mm) に至 ると消失 した.各分画 につ い て 行 っ た 成 績 で は. s ol ubl e pr ot ei n が Cr ude l i ver よ りわづか に反応 は弱 いが , Cr ude l i ver と同 じパ ター ンを 示 し.感作 3 過後 の ど‑ ク時 には 1 0. 4±0. 5 mm.4 過 で は 9. 6±0. 6 mm 程度 の硬結 を示 した.ところが mi t ・ Ochondr i a.nucl e ar f r a ct i on で は.最高値 が感 作

4 週後 にそれぞれ 4. 8±0. 3,3. 4±0. 4 mm 程度 の 硬 結 を示 し,感作後全過 にわた って対照 と有意差 を認 めず 陰性 であ った.

5 .幼若 モルモ ッ ト異種肝抗原感作 によ る肝分画 に 対す る リンパ球 芽球化反応

家兎肝で免疫 した幼若 モルモ ッ トの リンパ節細胞培 養培地 に添加 す る至適抗原量 を決定 す るために.感作 3 過後 の リンパ節 を使 って各分画抗原 2 0 〟g.2 00〃g.

2. 0 0 0 〃g/ 2 ml を加え .抗原刺激 による リンパ球 芽球 化 反応 をみ ると,どの分画抗原 で も 2 0 0 〟g の抗原量 を 培 地 に添加 した ときが最 も反応 が強 く.以後 2 0 0 〟g を 添 加抗原濃度 と して使用 した.

つ ぎに・幼獣 の感作 リン′領細 胞に 2 恥 L g の肝分画抗 原 を添加 して培養 し.培養後 1 .2.3.4.5 日目 に収穫 ,c pm を測定 し,培養感作 り◆ ンパ節細胞 の分画 抗原添加 によ る刺激率 を調 べた ( 図 6 ).非 感 作 モ ル モ ッ トでは .異種家兎肝細胞 の どの分画抗原 を培地 に 加 えて も芽球化反応 はみ られないが . Cr ude l i ver . s ol ubl e pr ot e i n を培地 に加 えて感作 リ ンパ 節 細 胞 を刺激 す ると,培養 2 日後 に刺激率 はそれぞれ 1 1 . 9±

0. 8,9. 7±0.1 で あ り . 3 日後 に著 明 な bl as t oi d t r ans f or mat i on を きた し ( 4 2. 8±1. 3,2 8. 3±2. 8).

4 日後 はそれぞれ 1 8. 8±0. 6 および 9. 2±0. 9 と な り以 後漸減 す る傾 向を示 した.

そ こで収穫 までの培養時間を 7 2 時間 と し.異種肝抗 原感作後 1か ら 5 週 にわた って .それぞれ リンパ節細 胞 を採取 し.分画 した感作抗原 ,それぞれ 2 0 0 〟g を 培 地 に加 えて ,芽球化反応 の推移 を検索 した (図 7).

非感作幼獣 リンパ節細胞の場合 で も.抗原刺激 をす ると.無添加 コン トロールに比べて .最高 2. 1 3±0. 1 8 倍 程度 の刺激率 を示 したので ,5 倍以上 の cpm の増加 率 を示 した場合 を陽性 と判定 す るこ と と した . 家 兎 Cr ude l i ver で感作 した幼獣 リンパ節細胞 を 2 0 0 〟g の 家兎 Cr ude l i ver で i n vi t r o 刺激 を行 うと.感 作 1 過後 に 1 0 倍程度 の刺激率 を示 し . 2 週後 には 5 2. 1 5

2 5 7

±3. 4 4. 3 過後 には 3 8. 1 0±2. 1 3 倍 の刺激率 と な り . この細胞性過敏状態 が 4 週 ( 1 0. 6 0±0. 3 7) 迄 持 続 す るが ,5 過後 に は消 失 した . s ol ubl e pr ot ei n で i n vi t r o 刺激 した場合 には. Cr ude l i ver の 場 合 よ り反応 は弱 いが .同 じく 2 過後 に ピー ク に達 し . 40. 7 2±7. 4 2 倍 の刺激率 を示 し. 以後 3 過後 に 2 6. 06±

1. 2 6.4 週後 に 8. 2 4±0. 31 とな り.その陽性 は 4 週 目 迄持続 し. 5 過 に至 って陰性 とな った .

これに比 L mi t oc hondr i a, nuc l e ar f r a ct i on.

mi cr os ome 分画で は, 最 高値 がそれぞれ 2. 13±0. 28, 1. 6 8±0. 7 9, 2. 2 7±0. 1 4 程度 であ り.感 作 後 全 通 にわた って陰性であ った.

6. 幼君 モルモ ッ ト異種肝感作後 の肝分画 に対 す る マ クロファー ジ遊走阻止試験

図 5 異種 肝 抗 原 感 作 幼 若 モ ル モ ッ トの 肝分 画 に 対 す る皮 膚 反応 と感 作 後 の 経過

n r T l

0 8 〇 一 2

短 径 × 長 径 の 平 均 i

1 2 3

● ‑ ‑ ● C mdel i ve r

Cトー 一 〇 s ol ubl epr ot e i n

4 5

感 作 後 a

△ 一 △ mi t o c h ondr i a

図 6 異種 肝 抗 原 感 作 幼 君 モ ル モ ッ トの リンパ球 芽球 化 反応 と i n vi t r o 培養時 間 との関係

0 0 0 0 5 4 3 2 リ ン パ 節 細 胞 刺 激 坤

1 2 3 4 5 (

+ ‑ 日)

・ ‑ 1 C r udel i ve r 培 養 時 間

企 ‑‑ z l no n‑ S e n s i t i z e d

〇一 〇 s ol ubl epr ot e i n 感

作 3 週 後 の 幼 若 モ ル モ ッ トの リンパ 節 細 胞数 2・ 5 ×1 0 6 1 ymp

hocyt es / 2ml を培養 。 添加 抗 原至 適 濃度 の決 定 :異種 C

r udel i ve r 抗 原 2 0,2 00 , 2, 00 0/

∠ g を培 地 に 添加 す る と, 刺 激率 は それ ぞれ 1・ 35±0・ 1 3,47・ 81 ±

2・ 53,1 3. 03 ±1. 01 とな り, 2 00pg

を添加 した ときが 最 も反応 が 強 よいO また どの分 画 抗

原 で も同様 の結 果 が得 られ, 2 0 0F L g

pr ot J2mlcul t

(6)

まず ,mi gr a t i on 培 地 の添加 抗 原 量 を 決 め る た め に .抗 原 感作 後 3 週 の幼 獣 につ いて , s ol ubl e pr ot ・ e i n,C r ude l i ver で は 1 0 0,2 0 0.4 0 0,1. 0 0 0 〝gpr o t ‥ mi t oc hondr i a .nuc l e ar r r a c t i on で は 2 0 0, 4 0 0 , 1. 0 0 0 〟g,mi cr os ome は 4 00〟g の 抗 原 濃 度 を

mi gr a t i on c ha mber に添加 し MI T を行 な っ た . そ の結 果 を表 2 に示 した . s ol ubl epr ot e i n で は 4 0 0〟g

を用 いた時 の反 応 が最 も良 く. Cr ude l i ver で は

4 0 0 〟g と 1, 0 0 0 〟g で は大 差 な く. mi t o c ho n dri oと nuc l ・ e ar r r a c t i on で は全 量 と も反応 な く,全 抗 原 とも 400

〃g/ me di um を添 加 抗 原 量 と して 用 い る こ と と し た .

つ ぎに感作 後 1 週 か ら 5 週 にわ た り . 感 作 幼 獣 の 図 7 異 種 肝 抗 原 感 作 幼 若 モ ル モ ッ トの 肝 分 画 に

対 す る リンパ 球 芽 球 化 反 応 ( 3 日培 養 ) と感 作 後 の 経 過

0 0 0 0 〇 ・〇 5 .4 3 2

リ ン パ 節 細 胞 刺 激 率 0

1 2 3

●日● C md el i v e r

O 一 一⊃ s o l u bl ep

r ot e i n

∠ ゝ‑ 1 △ mi t o c h o n dr i a

4 5

5. 0× 106 1 感作後週

ymphoc yt e s / 2ml を培 養 した 。 各 分 画 抗 原 と も 2 0 0pg

の 抗 原 量 に て リンパ 球 刺 激 を行 な い, 培 養 3 日後 に収 穫 し, 各 分

画 抗 原 添 加 と無 添 加 の c pm 比率 を刺 激率 (平 均 値 ± 標

誤 差 ) で 示 した 。 PEC 矢 を用 いて .添 加 抗 原 量 4 0 0 〟g/ me d

i um を基 準 と して MI T を行 った . この際非 感作 動物 の PE

C は

Cr ude l i ver 抗 原添加 に よ り 9 0% 前 後 の mi gr a t i on

値 を示 す ので , そ こで 8 0% 以下 を MI F 陽性 基準 と した 1 3 ) 3 8 ) 異 種 家 兎肝抗 原 感 作 幼 獣 の PEC mi gr a t i on

培 地 に , mi t oc hondr i a ,s ol ubl e pr ot ei n.Cr ude l i ver の各 抗原 4 0 0 F L g/ me di um を添 加 し た 時 の %

mi gr a t i on 値 を図 8 に示 した . mi t oc hondr i a ,mi ・ c r os ome ,nuc l e ar r r a c t i on 抗

原 添 加 で は ,感 作 後 全 過 にわ た って陰性 で あ った .す な わ ち .そ れ ぞ れ

の 最 高値 は 5 過後 にそれぞれ mi t oc hondr 9 2. 8±7. i a .mi 6 %.1 cr os 0 5. ome 4±1 で は . 感 作

0. 1% を 示 し, nuc l e ar r r a c t i on は 4 週後 に 8 8.

2±6. 7 % を 示 図 8 異 種 肝 抗 原

感 作 幼 若 モ ル モ ッ トの 肝 分 画 に 対 す るマ ク

ロ フ ァー ジ遊 走 阻 止率 と感 作 後 の 経

0 1 2

+ l L ‑ ‑ ‑ ● O s C o r ud l u b el l ep i v e r r o t e i n 3 4 5

感 作 後 遺

△一一で ゝ mi t o c ho n d r i a

各 分 画 抗 原 と も 4 0 0pgpr o t. 濃 度 を m

i gr at i on me di um に 添 加 した o

表 2 添 加 抗 原 量 に よ る% M

i gr at i on 値 の 変 動

添 加 抗 原 抗 原 添加 量 pg軒ot . /

me di um

1 0 0〃g 2 0 0pg 4 0 0pg 1, 0 0 0′ ∠ g

ml C r OS Ome ‑ ‑ 1

0 8. 5%

*

9 8. 3%

mi t oc hondr i a ‑ 9 3

(7)

肝抗原 に対 す る細胞性免疫 に関す る実験 的研究

したに止 まった.

ところが Cr ude l i ver 抗 原 を PEC mi gr at i on 培地 に添加 す ると,感作後早期 の 2 週 目よ り活性傾 向 を示 し ( 8 2. 5±4. 4%).3 過では 52. 8±3. 1 % , 4 過 後 に ピークに達 し ,4 4. 9±2. 8% と最高値 を示 し . 5 週 目迄反応 は陽性値 ( 7 4. 1±3. 0%) を示 した . s ol ‑ ubl e pr ot ei n で は Cr ude l i ver よ り反 応 は弱 い

図 9 異種 肝抗 原感 作 幼 若 モル モ ッ トの肝 分 画 に 対 す る血 中抗体 価 の推 移

1 L ‑ 1 2 C r 3 4 5 udel i ve r 感 作 後 週

〇一日一 〇 s ol ub l epr ot e i n

Jt ‑ 1 mi t oc hondr i

補 体 結 合 反応 に よ り抗 体 価 を a medi an で示 した

ver t i call i ne は s t as t i calr ange を示 す 。 。 が .感作後 3 過 ( 7 8 . 9 ± 2 5 9

7. 6 % )

よ り陽 性 を 示 し , Cr ude l i ver と同 じく 4 週後 に ピー クに達 し (

65.1

±3. 9%).5 過後 には陰性値 ( 81.

8±2. 7%) を 示 し た1 対照 と して非感作動物 の

腹腔 PEC につ い て . 感 作 動物 と同様 の方法 で %mi gr at i on 値

を 測 定 した結 果 .どの肝分画抗原 に対 して も MI F 活性 は認 め られ

な か った. 7 .幼若 モルモ ッ ト異種肝抗原感作後

の肝分画 に対 す る血中抗体価

異種家兎肝抗原 1 回感作

後各週 にわた って , リンパ 節採取時および MI F 活性測定時 に感

作 モルモ ッ トの 心 よ り採血 した血清 について , CF

T ( compl ement f i ・ xat i on t es t ) を用

い肝分画抗原に対する抗 体 価 を 測 定 し.その結果 を図 9 に

示 した.対照 と して非感作 モル モ ッ ト血清中 に Cr ude l i v

er に対す る抗 体 価 は 25 例 中 1 0 倍 が 6 例 ,2

0 倍 が 4 例 . 4 0 倍 が 1 例 であ り.他 の分画抗原 で も最高 2 0 倍程度 の抗 体 価

が 出 現 した の で . 8 0 倍以上 を陽性 と した . 抗 Cr ude

l i ver 抗 体 価 は感作 2 過後 に 8 0 倍 を示 し陽性

とな り. 3 過後 で は 6 4 0 倍 ,最高 1, 2 80 倍 の抗体価 の出現 をみ . 4 過

後 (1 60 倍 ) 迄持続 したが , 5

週 目 に至 り陰 性 化 した . 抗 s ol ubl e pr ot ei n 抗体価 は C

r ude l i ver よ りや ゝ 低値 で あ るが . 抗 Cr ude l

i ver 抗 体 価 と同 じパ ター ンで 3 週 目を ピー ク ( 8

0 倍 ) と し 4 週 目迄 陽性 で 表 3 家 兎血 清

に対 す る免疫 反応 の検 討 リンパ球 芽球 化 反応 刺

激率

テ ス ト 抗 原 感

作 後

3 週 4 週

r abbi ts er um :1. 05±0. 09

1. 55±

0. 30 Cr udel i Ver 38. 1 6±2. 1 3 1 0. 60±

0. 37 マ クロフ ァー ジ遊 走 阻止試験 テ ス ト 抗 原 3 週 4 週 r abbi ts er um

96. 4% 十 92. 5%

Cr udel i Ver 5

(8)

あ った .他 の分画抗原 で は mi t oc hondr i a と同 様 , 最 高値 は 2 0 倍程度 であ り.感作後全通 にわた り陰性 で あ った .

8 .幼若 モルモ ッ トの家 兎肝抗原感作後 の家 兎血清 に対 す る細胞性免疫

粗製肝抗原 や可溶性 抗原 に対 す る前記 の細 胞性 免疫 冗進状態 は抗原 中 に混在 して い る家 兎血清 に由来 す る ので はないか とい う疑 問が残 る.そ こで表 3 に示 す よ うに .家 兎血清 に対 す る芽球化反応 . MI T. 皮 膚 反 応 をそれぞれ行 ってみたが ,いづ れの検索法 にお いて

も陰性 であ った .

9. 組織学 的観察

芽球化反応 お よび皮膚反応実施時 に採取 した肝 につ きその組織変化 を調 べ た .最 も変化 がみ られ た の は . 自己壊死肝感作成熟 モルモ ッ トにみ られ た肝 で あ り , その変化 は.小葉中心性脂肪浸潤 が 1 7 例 中 1 0 例 に ,う っ血 3 例 .非特異 的肉芽腫 2 例 ,単細 胞壊死 が 1 例 み られた.異種 肝感作幼獣 で は 2 9 例 中 .軽度 の脂肪浸潤 お よび単細胞壊死 が各 2 例 .非特異 的肉芽 腫 . ダ リッ ソ ン氏鞘橋形成 が各 1例 み られたが .その変化 は ごく 軽微 であ った .その他 .同種肝感作 .成獣異種 肝感作 例 で は,肝 の組織学的変化 は認 め られ なか った .

考 察

細胞性免疫反応 を i n vi t r o で測定 す る方 法 と し て ,古 くか ら知 られて い る皮膚反応 1 9 ) 〜 2 1 ) .感作 された 生体 よ りの リンパ球 をその抗原 と共 に i n vi t r o 培 養 す ると,小 リンパ球 が幼若化 して芽細 胞様 にな る芽 球 化様反応 7 )4 日〜4 4 ). 1 9 6 2 年 Geor ge ら 1 3 ) によ り報 告 された MI T ,す なわ ち遅 延型過敏症 が成立 して い る 生体 か ら分離 した大食細胞 の mi gr at i on が , 特 異 抗原 の存在下 で i n vi t r o に阻止 され る反応 な ど が あ る.これ ら研究 が進 む につれて .遅 延型過敏反応 を i n vi t r o で定量 しうる手 がか りがっか め るよ うに な り.肝疾患 にお け る細胞性 免疫異常 の検索 が可能 と な った.

1 9 67 年 Schar r ner ら 1 5 ) .宍戸 ら4 5 )は肝疾患患 者 末 梢血 リンパ球 を 自己生検肝抽 出物 で刺激 す ると培 養 リ ンパ球 が芽球化様反応 を きたす ことを観察 し.肝抗原 に対 す る細胞性抗休 の存在 を報告 した . さ らに To・

bi as ら 1 5 ) .pi pi t one 1 6 ) . 太 田 らWT )も ま た , 慢 性 肝 炎 .原発性胆汁性 肝硬変患者 の末梢血 リンパ球 に 自己 生検肝抽 出物 を添加 して培 養 を行 うと,か な りの率 で 芽球化反応 を きたす と述 べて い る. こ れ らの 実 験 よ り.肝疾患 で は自己肝 に対 して遅 延型過敏症 が成立 し て い る可能性 が推定 され る.

そ こで .この可能性 を実験 的 に確 め .肝抗原 に対 す る遅 延型過敏状態 を再現 してみ よ うと試みたのが,本実 験 で あ る.す なわ ち.肝抗原 で感作後 に皮膚反応 , リ

ンパ球 芽球化反応 ,MI F 反応 の細 胞性 免 疫 反 応 の 現 われ方 を経時的 に追跡 し.またどの肝分画 に対 して . 過敏 であ るか を追跡 してみた .この よ うな研究 は文献 上 まだ現 われて いない.

まず ,本実験 の出発 に当た り,予備実験 を行 ってみ た ところ.少 くと も細胞性免疫 を検 す る上 で は ,成獣 よ り幼獣 の方 が .は るか に敏感 な ことが明 らか とな っ たので ,本実験 には幼獣 を用 いて行 うことと した .従 莱 ,幼獣 は成獣 に比 し免疫反応性 に とぼ しい とされて い るが ,逆 に Uhr 4 8 ) は 1‑1 0 〃gPr o t .濃 度 の ジ フ テ リア毒素 ,牛 血清 アル ブ ミン,卵 白 アル ブ ミンで モ ルモ ッ ト胎児 を免疫 す ると.感作早期 に成獣 と同様 に PCA ( pas s i ve cut ane ous a na phyl axi s ) ,遅 発 型 皮膚反応 が高率 に陽性 を示 した と し.幼若 モルモ ッ ト にお いて は免疫学的不 活性 ま た は t ol er a ntper i od がみ られない こと を 示 唆 した . さ ら に , Mos i er 4 9 )

はマ ウス胸腺細胞 を 5〟g の PHA ( phyt oha ema gg ・

ul ut i ni n) で刺激 す ると.胎児期 に はむ しろ成 獣 よ り はるか に反応性 が高 い ことを報告 し.幼若期 にお け る 特異性 を強調 して い る.

つ ぎに皮f k反応 と芽球化反応 . MI F 活 性 お よ び 血 中抗体価 との相互関係 を述 べ る.幼獣 を異種肝抗原 で 感作 す ると. 同抗原分画 の うち粗製肝抗原 と s ol ubl e pr ot ei n 分画 に対す る細胞性 お よび 液 性 免 疫 反 応 が

もっとも強 い元進 を示 した .その皮膚反応 は反応継続 時 間 も長 く.典型像 を示 し.感作 後 2 過 に出現 して 3 過 か ら 4 過 に強 く 5 週 に至 って消失 した. MI F 活 性 は皮膚反応 よ り遅 れて 3 週 よ り現 われ ,4 過 日に ピー クとな り. 5 過 に至 ると速 か に消失 して い る.芽球化 反応 は皮膚反応 や MI F 活性反応 と多少異 な り . 感 作 2 週後 にすみやか に反応強陽性 とな り且 つ ピー クを 示 し. 3 過迄 持続 す るが 4 過後 には消失 して い る.血 中抗体価 は皮膚反応 や MI F 活性 とほぼ 同 じパ タ ー ンで出現 し.感作後 3 過 を ピー クと し 2‑4 過迄継続 した .以上 よ り.皮膚反応 と リンパ節細 胞 芽球化反応 が もっと も早 く出現 し.かつ比較 的長 く持続 し ,MI F

反応 は皮膚反応 よ り遅 れて出現 し.持続期 間 も短 い

傾 向 を示 した . しか し全体 と してみ た場 合 , この三者

の遅 延型反応 は.おお よそ歩調 をそ ろえて い ると思 わ

れ る.これ らの細胞性免疫 のあ らわれ方 を検索 した実

験 と して は.結核菌 を成 熟 モ ル モ ッ トに 感 作 して .

PPD ( pur i f i e d pr ot e i n de l i va t i ves ) に 対 す る 免

疫反応 が観察 きて い る.す なわ ち Par one t t o 5 0 ) は皮

(9)

肝抗原 に対 す る細胞性免疫に関す る実験 的研究

膚反応が もっともよ く遅延型反応 を反映 してい ると述 べ ,また Kos t i a l a 5 7 )は皮膚反 応 は MI F 活 性 お よ び血中抗体 の出現 よ り先行 して現 われ ることを報告 し ている.さ らに ,Ri c c i ら 5 2 ) は c ompl et e Fr eund' s a dj uva nt で 免 疫 し た 成熟 モルモ ッ トに つ い て ,

P P D に対す る免疫反応 を観察 して ,芽球化反応 が感作

2 過後 よ り現 われて , 皮膚反応 とよ く平行 す るが . MI T は感作 3 週後 に陽性 とな り. 前 2 者 よ り遅 れ て 現 われ ると述 べ ,また細胞性 と液性免疫 のあ らわれ方 に 差 はなか った とい うことであ り.肝抗原 を用 いた本実 験 の結果 とよ く一致 してい る.皮膚反応 . リンパ球 芽 球化反応 ,MI T が遅延型反応 を反映す ることは Da v・

i d 5 3 ) .Op penhe i m ら 5 4 ) 5 5 ) 以来 よ くいわれて きた こ と で あ るが .本 実験 が示すよ うにノ .臓器抗原 を用 いた場合 で も,遅延型免疫 が成立 す ることが ,明 らか にな った と思 う. しか し異種蛋 白 といえ ど も,遅延型反応 を起 す ことので きる蛋白は,結核 菌 5 0 卜 5 2 ) . ジフテ リア毒素

5 6 ) .溶血性 連鎖球 菌5 7 ) .肺炎菌 5 8 ) ,牛痘 ウ ィル ス 5 9 ) . ブ ルセラ 6 0 ) , 卵 白 アルブ ミン 6 日 .KLH ( keyhol e l i mpet he moc yani n 6 2 ) ) などのよ うに.比較的限 られ た 範 囲

の蛋白であ ることにつ いては留意 す る必要 があ り,あ る蛋白に対 して液性免疫 が成立す るのに伴 って .細胞 性免疫 も容 易 に成立 しうるわけで はない.異種肝抗原 が細胞性免疫 を成立 させ ることので きる蛋 白であ ると い うことを ,本実験 が よ く示 しているが ,免疫学的寛 容が成立 しがたい幼君 モルモ ッ トを用 いて テス トした 場合 にのみ ,陽性 の成績 を うることがで きたのであ っ て,成熟 モルモ ッ トを用 いた場合 には.異種肝蛋 白に よる遅延型反応 は成立 しなか った .

つ ぎに, このよ うな遅延型反応 が ,異種肝分画 のな かで ,どの分画抗原 に対す るものであ るかを考 えてみ る.幼獣 を異種肝粥 で 1 回免疫 す ると. S ol ubl e pr o・

t e i n 分画 や cr ude l i ver e xt r a c t に対 して . 上 述 の遅延型反応が成 立 して い た が . mi t oc hondr i a 分画 , mi cr os ome 分画 .核分画 に対 して は , 成 立

していなか った.人 の肝疾患 において .一次性胆汁性 肝硬変 を始 め と し,活動性慢性肝炎 .肝硬変 の患者末 梢血中 に人肝 mi t oc hondr i a に対 す る流 血 抗 体 が 出現す る 6 3 ) のみな らず ,その細胞性抗体 も末梢血 リン パ球 に検出 され ることが .太 田 1 8 ) に よ って 報 告 さ れ た.すなわ ち,末梢血 リンパ球培地 に mi t oc hondri a を 添 加 し て 芽 球化反応 を行 うと,活動 性 慢 性 肝 炎 や肝硬変の約半数 の リ ンパ球 が mi t oc hondr i a の 存在 の もとで . i n vi t r o で刺激 され る こ と を 報 告

している.

また.最 近 の当教室 の成績で は,モルモ ッ ト ( 生後

2 6 1

2 カ月 )を分画 した粗 製 mi t oc hondr i a で 1回 感 作 し.精製 した mi t oc hondr i a の 内 膜 と 外 膜 と cr ude mi t ochondr i a に対す る遅延型反応 をみ ると, 7 例 中 4 例 に皮膚反応 と MI F 活性 とが陽性 であ り , 外膜 と内膜 とが ともに反応 し易 いとい う結果 を得 て い

る (野 々村 ・未発表).本巣験 において . mi t oc hon‑

dr i a や mi cr os ome の膜性分画 に対 して . 遅 延 型 反応 を示 さなか ったのは,感作抗原 の違 いによ るため であろ うと考 え られ る.

近年 . Me yer z um Bi i s c he nf e l de らが .肝 細 胞 の膜成分由来 の可溶性 1 i popr ot e i n を精製 3 0 ) 64 )し, これが肝特異抗 原 性 の 高 い物 質 だ と述 べ . ヒ ト肝 l i popr ot e i n を家兎 に長 期 間 注 射 して . pi e c eme a l ne cr os i s を伴 った自己免疫性肝炎 を惹起 させ 1 8 ) 2 8) 29)

また この I i popr ot e i n に対 す る抗体が , ヒ トの慢性 肝疾患血清中 に高率 に出現 していた と報 じた 6 5 ) . さ ら に.この l i popr ot e i n に対す る遅延型免疫 が . ヒ ト の慢性肝疾患患者 に成立 してい るとい う報告 6 6 ) が出て お り.山本 ら 6 7 ) 〜6 9 ) は,末梢血 リンパ球培 養 法 で , こ れ を証 明 して い る .本 実 験 で の s ol ubl e pr ot ei n は.肝分画中 もっとも遅延型免疫 を生 じ易 い肝分画で あ り, Me yer らの I i popr ot ei n が この肝分画 に含 まれていることは確実であ る.

結 持

家兎肝粥 またはモルモ ッ ト変性肝粥 を CF A と共 に生後 7 日目の幼若 モルモ ッ ト1 2 4 匹 と成熟 モ ル モ ッ

ト 1 0 4 匹 は注射 し.免疫応答 の現 われ方 を皮膚反応 ,リ ンパ節細胞芽球化反応 . MI F 反応 .補体 結 合 反 応 に つ いて検討 した.

1.異種肝抗原 1回感作 の幼獣で は,感作抗原 に対 す る細胞性 および液性免疫 元進 の状態がみ られ た が , 成獣 i E t は数回感作 して も.細胞性免疫元進 がみ られな か った.

2 .同感作幼獣で は.分画精製 した感作抗原 の うち 可溶性蛋 白 とそれを含んだ粗肝粥 に対す る細胞性 およ び液性免疫 が元進 してお り, ミ トコン ドリア分画 . ミ クロゾーム分画 ,核分画 に対 しては陰性 であ った .

3 .可溶性蛋 白 と粗肝粥 とを テス ト抗原 と して検す

ると,皮膚反応 と MI F 活性 とはよ く平 行 して 消 長

し,感作後 2 過 日か ら 3 週 目にか けて出現 し. 4 週 目

頃 に最高値 に達 し ,5 週 目に至 って消失 した . リンパ

球 芽球化反応 は.感作後 2 週 目に強陽性 とな り. 4 週

以後 には消失 した . 補 体 結 合 性 抗 体 は皮 膚 反 応 や

MI F 活性 と同様 の消長 を示 し,細胞性免 疫 と液 性 免

疫 の発生 のあいだに大 きなずれ はなか った.

(10)

稿 を終 るにあ た り,終 始 御 懇 篤 な る御 指 導 と御 校 閲 を 賜 わ りま した恩 師太 田五 六教授 に深 く謝意 を表 す る と と もに .第 2 病理 学教室 の渚 先生 お よ び技 術 員諸 姉 の御 協 力 に対 し深 く感謝致 します .

文 献

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(11)

肝抗原 に対す る細胞性免疫 に関す る実験 的研究

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68) 山本祐美 ・門奈丈之 ・溝口靖紘 ・川合弘扱 :肝 臓 . 1 5.51( 1 974) .

69) 山本祐夫 ・門奈丈之 ・川合弘投 ・溝 口靖紘 : 日 本臨床 ,3 1 ,65( 1 973) .

Abstract

Re c ent l y i ncr e asi ng at t ent i on has be en payed t o t he oc cur r e nc e ofaut oi mmune , a del a yed t ype of r e a c t i on i n s ome chr oni c l i ver di s eas es .The pr es entwor kwas under t aken t o know a n es t abl i s hmentofcel l ul arr e ac t i onsagai ns tvar i abl e f r a ct i ons ofhet er ol ogous l i ver ant i gens i n young gui ne a pi gs , wei ghi ng l l O gm,i mmuni z ed onc e wi t h t he s ame l i ver homogenat es .

The pos i t i ve s ki n r e a c t i on ei t her t o t he s ol ubl e pr ot ei n or t he cr ude ext r ac t s

wasdet e c t ed 2‑ 4 we eks ・af t er s ensi t i z at i on of t he gui ne a pi gs and r e ac hed t he

maxi mmum l eveli n 3 we e ksf ol l owi ng s ensi t i z at i on.Bot h MI F a c t i vi t y and bl as t 6i d

t r ans f or mat i on of t he s ensi t i zed l ymph node c el l s al s o a ppr oxi mat el y par al l el ed

t he r e sul t s of t he s ki n t es t .Fur t her mor e.compl ement f iXa t i on ant i bodi es t o t he

s ameant i ge ns wer e de t e ct ed l i ke wi s e .However ,t he s ki n r e ac t i on,MI F a ct i vi t y and

bl as t oi d r e a c t i on agai ns tt he i ns ol ubl e f r act i ons ofbot h t he mi t oc hondr i a and t he

mi cr os ome ,and t henucl e arf r ac t i on oft he l i verc el l swer enotde t e c t ed t hr oughout

t he e xper i men t .Thus i t s eems l i kel y t he s ol ubl e f r a c t i ons of t he l i ver may ac t

as an ant i gen t o ac c el er at e t he hyper s ensi t i vi t y ofa del a ye d t ype as wel las of

a humor alt ype .

図 9 異種 肝抗 原感 作 幼 若 モル モ ッ トの肝 分 画 に 対 す る血 中抗体 価 の推 移 1 L ‑ 12 C r 3 4 5 udel i ve r 感 作 後 週〇一日一〇solub l epr ot e i nJt‑1mitoc hondr i 補 体 結 合 反応 に よ り抗 体 価 を a medi an で示 した

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