合 併 と従 業 員 の 職 務 態 度1)
林 伸 二
は じ め に
組 織 の 合 併 は さ ま ざ ま な 分 野 で 盛 ん に 行 な わ れ て い る 。 た と え ば 米 国 で は 鉱 業 ・製 造 業 に お け る合 併 件 数 は1948〜54年 の 間 に1,773件 で あ り,産 業 界 全 体 の 合 併 件 数 は60年 代 に 数 千 件 に の ぼ っ た と 言 わ れ て い る(Rosensteel,D.
H.&B.D.Baer,1955,p.490;Brockhaus,W.L.,1975,p.40)。 産 業 界 の み な ら ず 病 院 の 合 併 も盛 ん で1962〜73年 頃 ま で に140件 以 上 の 合 併 が 見 られ, 毎 年 増 加 の 傾 向 に あ る こ と が 指 摘 さ れ て い る(Shirley,R.C.,1973,p.465)。
わ が 国 に お い て も合 併 は 全 産 業 分 野 で1970年 に1,000件 を 越 え1975〜79年 の 間 に4,678件 に の ぼ っ て い る(東 洋 経 済 新 報 社,1981,362頁)。
と こ ろ で こ の 合 併 と い う の は 本 来 複 数 の 会 社 が 結 合 あ る い は 統 合 す る こ と を 意 味 して い る(Katz,D.&R.L.Kahn,1978,p.80)。 しか し通 常 合 併 を 積 極 的 に 押 し進 め よ う と す る 会 社 か らす れ ば,合 併 と は1つ の 主 要 な 組 織 変 革 の 方 法 で あ り(Shirley,R.C.,op.cit.,p。466),1つ の 有 効 な 外 部 成 長 戦 略 で
も あ る(Brockhaus,W.L.,op.cit.,p.40)。
合 併 に は さ ま ざ ま な タ イ プ が あ る が,そ れ が 基 本 的 に 目 的 とす る と こ ろ は 組 織 の 有 効 性 や 効 率 を 高 め,当 該 産 業 分 野 に お い て 自 社 の 立 場 を 強 化 し,さ ら に 将 来 の 発 展 可 能 性 を 高 め る こ と で あ る(Rosenstee1,D.H.&B.D。Baer,op。
cit.,p.490)。 合 併 行 動 の よ り直 接 的 な 目 的 と して は 競 争 会 社 の 排 除,生 産 ・
原 稿 受 領 日1983年4月15日
1)筆 者 は本 テ ー マ で第56回 日本 経 営 学 会 全 国 大 会(立 教 大 学,昭 和57年9月)に て 研 究 報 告 を した。 本 稿 は その 報 告 の よ.り詳 細 な論 述 で あ る。
〔37〕
38 商 学 討 究 第34巻 第1号
販 売 ・調 達 あ る い は 新 製 品 開 発 の 能 力 の 向 上,他 の 事 業 分 野 へ の 新 規 参 入 に よ る 自 社 の 収 益 性 ・弾 力 性 の 向 上 な ど が あ げ られ る だ ろ う 。
企 業 の 合 併 行 動 の 成 否 を 決 め る 要 因 は 無 数 に あ る 。 た と え ば 管 理 能 力 の 問 題, 人 間 関 係 の 問 題,財 政 的 問 題,労 働,合 の 態 度 の 問 題,な ど(Gordon,・M., 1958,pp。44‑45)。 し か し一 般 に 合 併 行 動 の 成 否 を 握 る鍵 と して 次 の 要 因 が 指 摘 さ れ て い る(Brockhaus,W.L.,op.cit.,pp.41‑49;Korman,A.K.,
Rosenbloom,A.H.andJ.Walsh,1978,pp.54‑57)。(1)目 的 お よ び 目 標(2)組 織 構 造(3)組 織 文 化(4)人 事 管 理 シ ス テ ム お よ び(5)合 併 プ ロ セ ス の 管 理 と統 制 の シ ス テ ム 。 こ れ らの 要 因 の う ち で もBrockhaus,W.L.は
特 に 組 織 文 化 の 重 要 性 を 強 調 して い る 。 彼 に よ れ ば 米 国 の 第2次 大 戦 後 の 合 併 行 動 の 失 敗 の う ち84%が 組 織 文 化 の 不 整 合 に よ る も の で あ る(Brockhaus,W.
L.,op.cit.,p.44)。 組 織 文 化 と は 会 社 固 有 の 特 徴 お よ び 特 有 の 生 活 様 式 の こ と で あ り,通 常 会 社 は す べ て 異 な る 規 範,習 慣,流 儀 を 持 っ て い て,そ れ ら に よ っ て 従 業 員 の 日 常 行 動 が 会 社 ご と に 異 な っ て 決 定 さ れ る の で あ る(ibid.,p.
44)。 ま たKorman,A.K.eta1.も 合 併 プ ロ セ ス に お け る 両 社 の 従 業 員 の 適 切 な 融 合 化 の 問 題 を 重 視 して,そ の た め の 重 要 な 考 慮 す べ き 問 題 と し て 次 を あ げ て い る(Korman,A.K,etaL,1978,p.56)。
(1)被 合 併 会 社 の 従 業 員 の 技 能,モ テ ィ ベ ー シ ョ ン の レベ ル は ど の 程 度 か 。 (2)合 併 後 過 度 に 高 い 不 安 が 発 生 す る だ ろ う か 。
(3)両 社 の 従 業 員 の 間 の 異 な る 仕 事 習 慣 が 互 い に 調 和 す る だ ろ う か 。 か く し て 会 社 合 併 の 成 否 を 占 う う え で 従 業 員 の 態 度 は と り わ け 重 要 な 問 題 で あ る 。
1.問 題 提 起
会 社 合 併 の頻 度 に くらべ そ の 実 証 的研 究 は 意外 に少 な い 。 と くに会 社 合 併 一 従 業 員 の 職 務 態 度 の 関係 に つ い て の研 究 は さ らに少 な い よ うに 思 わ れ る。 その 研 究 は しば しば 時 間 的 に2分 で き る。 そ れ は 合併 前 の 従 業 員 の 態度 の研 究 と合 併 後 の 態 度 の 研 究 で あ る。
合併 と従業員の職務態度 39
ま ず 会 社 の 合 併 決 定 に対 す る従 業 員 の 態 度 につ いて,Costello,TW.Kubis, J.F.andC.L.Shaffer(1963)は 米 国 の 主 要 都 市 にあ る2っ の 大銀 行 の合 併
に さ い し小 さ い方 の 銀 行 の マ ネ ジメ ン トの 態 度 を 調 べ て さ ま ざ まな発 見 を した 。 た と え ば,
・マ ネ ジ メ ン トは合 併 に 対 し非 好 意 的 態 度 を示 す 傾 向 が 強 く(56%;N=86) , 非 好 意 的 態 度 が 高 い項 目は 次 の 順位 で あ った 。1位 会 社 の雰 囲 気 の 変 化,2 位 フ リン ジ ・ベ ネ フ ィ ッ ト,3位 仕 事 の標 準 ∴4位 仕 事 の や り方,5位 給 与 。 これ らの項 目が 特 に合 併 に対 す る不 安 や 不 満 の 源 泉 とな らて い た 。
・職務 満足 が 高 い人 ほ ど,合 併 に好意 的となる。
・合 併 後 へ の不 安 が 高 い人 と低 い人 は中 程 度 の 人 よ り も高 い 非好 意 的態 度 を 示 して い る。
Shirley,R.C.(1973)は8つ の 病 院 の 合 併 に対 す る従 業 員 の 態度 を調 査 ・ 分 析 して い る。 医 師 を除 いて 従 業 員(管 理 者 も含 む)に 関 す る発 見 を取 上 げて み る と,た とえ ば
・給 料 と労 働 条 件 に満 足 して い る従 業 員 は そ れ らに不 満足 な従 業 員 よ り も合 併 の 決 定 に同 意 す る傾 向 が 高 い 。
・合 併 後 の 自 己の 欲 求 充 足(給 料 ,職 務 自体,労 働 条件 および自己実現 にっ い て)に 関 し楽 観 的 な 期 待 を 持 って い る従 業員 は合 併 の決 定 に同 意 す る傾 向 が 強 い 。 他 方 悲 観 的 な 期 待 を 持 って い る従 業 員 の 場合,同 意 者 と非 同意 者 の 数 が ほ ぼ等 し く,悲 観 的 な期 待 が 非 同 意(拒 否)を 生 む と は必 ず し も言 え な い。
両研 究 は 厳 密 に 対 比 で き な い が,合 併 前 の従 業 員 の職 務 満 足,期 待 ・不 安 の 内 容 と程 度 に つ い て対 比 な い し不 調 和 で あ り,合 併 前 の 従 業 員 の 態度 につ いて
は ま だ 多 くの研 究 が 必 要 で あ る 。
次 に 合併 後 の従 業 員 の職 務 態 度 に つ いて,ま ずWicker,A.W.&C.E.
Kauma(1974)は 合 併 前 の 組 織 規 模 の 差 異 が 合 併 後 の メ ンバ ーの態 度 と行 動 に どの よ うな影 響 を与 えて い るか を2つ の 教 会 の 合 併 後11ケ 月 間 に わ た り調 べ た。 それ に よ る と合 併 に よ る組 織 規 模 の 増 大 は合 併 前 の 組 織規 模 の大 小 にか か わ らず メ ンバ ーの 組 織 活 動 へ の 参 加 度(支 持 度)と 組 織 へ の 一 体感 を低 下 さ
40 商 学 討 究 第34巻 第1号
せ る。 この 傾 向 は特 に規 模 の 小 さ い組 織 の 出身 者 に顕 著 で あ る 。 このWicker 等 の 主 張 を さ ら に裏 づ け る こ と に な る指摘 をBrokhaus,W.L.(op.cit.,p.44) が して い る。彼 に よ れ ば 小 規 模 組 織 に は一 般 に メ ンバ ー間 の強 い結 びっ き と組 織 へ の 高 い忠 誠 心 が 存 在 し,合 併 後小 規模 組織 出 身 者 は しば しば 高 い劣 等 感, 低 い存在 感 お よ び低 い影 響 力 を知 覚 し,こ の結 果 自尊 心 や 自我 意 識 を喪 失 し結 局 モ テ ィベ ー シ ョン と生 産 性 を低 下 させ て しま う。
加 えて われ われ の調 査 研 究(1979〜80年)後 す ぐにわ れ われ と同 様 の 関 心 を 持 ち か っ会 社 合 併 後 に っ い て の 非常 に重 要 な研 究 成 果 がGraves,D.(1981)に よ っ て発 表 され た。 この 研 究 は われ われ の 調 査研 究 後 の デ ー タ分析 な らび に わ れ わ れ の 仮 説 の 適 切 化(表 現 も含 めて)の 上 で さまざまな 示 唆 を 与 え て くれ た 。 し た が って 彼 の研 究 成 果 の 要 点 を簡 単 に融 れ て お きた い。
Graves,D.は 英 国 の 再 保 険 会 社2社 の 合 併 後 の 従 業 員 の 職務 態度 を研 究 し て,と りわ け次 の よ うな 興 味 深 い発 見 を した 。
・組織 規 模 の小 さ い方 の会 社 の 出 身 者 は大 き い方 の 出 身者 よ り も合 併 の 成 功 に つ い て低 い評 価 を す る 。
・組 織 規 模 の 大 き い方 の会 社 の 出身 者 は小 さ い方 の 出身 者 よ り も合 併 に よ る 自 己の 個 人 的 な利 益 の増 大 を 強 く知 覚 した。
・合 併 を個 人 的見 地 か ら100%成 功 と指 摘 した人 は合 併 の 意 義 を主 と して イ ン トリ ンシ ック な満 足 の 向上(仕 事 の や りが いの 向 上,責 任 の 増 大,昇 進 可 能 性 の 増 加 な ど)に 置 い たが,60%以 下 の 成 功 と指 摘 した 人 は主 と して エ クス ト
リ ンシ ックな 満 足 の 向 上(給 料 の 増 加,職 場 確 保 の 強 化,社 会 風 土 の 改 善,共 働 関 係 の 増 加 ・改 善 な ど)に 置 いた 。
合 併後 の従 業 員 の 職 務 態 度 にっ いてGraves,D.も 含 め て3者 と も合 併 前 の 組 織 規模 の 影響 を 主 張 して い る。 しか し組 織 規模 一 職 務 満 足 ・期 待 ・不 安 の 関 係 につ い て まだ 不 明 瞭 な 点 が 多 い。 そ の うえ そ れ らの 態度 変 数 が 合 併 の 前 と後 で どの よ うに 変化 す るの か,し な い の か に つ い て も同一 サ ン プル を 用 い た一 貫
した研 究 は ま だ な い よ うで あ る。
か く して わ れ わ れ は次 の仮 説 を立 て,合 併 前 の 従 業 員 の 職務 態度 が合 併 後 ど
合併 と従業員の職務態度 41
の よ う にな っ たか を解 明す る 。
仮 説1:規 模 の 小 さ い方 の組 織(以 下 小 規 模 組 織 と も呼 ぶ)の メ ンバ ー は合 併 後 職務 満 足 が 低 下 す るだ ろ う。他 方規 模 の 大 きい方 の組 織(以 下 大 規 模 組織 と も呼 ぶ)の メ ンバ ーは 合併 後 職務 満足 が 高 ま る だ ろ う。
仮 説2:小 規 模 組 織 の メ ンバ ーの 職務 満足 は合 併 後 主 と して エ ク ス トリ ン シ ッ ク な要 因(給 料,昇 進,労 働 条件 等 の よ うな,努 カ ー 業 績 の 関 係 によ って お よ び 組織 の一 員 とな る こと に よ って 個 人 が 組 織 か ら得 る報 酬 あ る い は満 足 要 因)2)に 規 定 され るだ ろ う。 他 方 大 規模 組織 の メ ンバ ー の 職 務 満 足 は合 併 後 主 と して イ ン トリ ンシ ック な要 因(仕 事 の や りが い,達 成 感,自 律 性 な どの よ うに個 人 が 仕 事 遂 行 上 あ る いは仕 事 自体 の 内 容 か ら 自 ら知 覚 す る満 足 要 因)3)に 規 定 され るだ ろ う。
仮 説3:小 規 模 組 織 メ ンバ ー は 合併 後 自己 の将 来 に っ い て の期 待(将 来 の 望 ま しい 出来 事 あ る い は事 態 を予 期 して 生 ず る楽 しい 情 動 現 象)4)が 低 下 し,不 安(将 来 起 りそ うな 危 険 や 苦 痛 の 可 能 性 を 莫 然 と感 じて生 ず る 不 快 な 情 動 現 象)5〕が 高 ま るだ ろ う。大規 模 組 織 の メ ンバ ー は合併 後 期 待 が 増 加 し不 安 が 減 少 す るだ ろ う。
仮 説4:合 併 の 前 と後 に お け る メ ンバ ーの 期 待 と不 安 は組 織 規 模 の 如何 を 問 わ ず エ ク ス トリ ン シ ック お よ び イ ン トリン シ ックな 要 因 によ って 決定 さ れ るだ ろ う。
仮 説5:合 併 に好 意 的 な メ ンバ ー は と くに イ ン トリ ン シ ックな 要 因 へ の 期 待 が 高 い傾 向 に あ り,他 方 非 好 意 的 な メ ンバ ー は と くに エ クス ト リン シ ッ
クな要 因 へ の 不 安 が 高 い傾 向 に あ るだ ろ う。
2)Katz,D.&R.L.Kahn,TheSocialPsychologyofOrganizations,2ed., 1978,pp.409‑410.
3)1bε(ピ 」,pp.364,366,417‑418.
4)大 山,藤 永,吉 由 編 「心 理 学 小 辞 典 」 昭 和53年,52頁 。 藤 永,東 他 編 「新 版 心 理 学 辞 典 」1981,142頁 。
5)大 山,藤 永,吉 田 編,上 掲 書,2き5頁 。 藤 永,東 他 編,上 掲 書,740頁 。
42 商 学 討 究 第34巻 第1号
2.方 法
2.1研 究 の 場
昭 和54年4月 に3つ の 同 種 の金 融 機 関(A社,B社,C社)が 合 併 した 。 合 併 後A社 の 本 店 が新 会 社 の 本 店 と な り,他 の2社 の本 店 は新 会 社 の 支店 と な った 。 各 社 の 合 併 前 の 組織 規 模 の 内 容 は 次 の とお りで あ った。
表154年3月1日 現在
A B C
管理者(部長以下)
一 般 職
男 女
員 性 性
155 371 120 251
59 149 71 78
30 99 56 43
計 526 208 129
合 併 前 と後 の 退職 者(定 年 退 職 者 を 除 く)を 除 い て新 会 社 に お け る各 社 出身 者 別 内 訳 は次 の とお りで あ る。
表255年3月31日 現在
A B C
一
管理者(部長以 下) 般 職 男 女
員 性 性
154 298 、 118
180
57.
121 66 55
29 65 46 19
計 452 178 94
新会 社 の 人 事 担 当 者 に よれ ば,新 会 社 は発 足 後1年 間 は大 幅 な 人 事 移 動 を原 則 と して や らな い との こ とで あ った 。 しか し退 職 者 数 が 例 年 よ り も明 らか に大
き い こ とが 指 摘 され た 。 2.2デ ー タの 収 集
デ ー タは質 問 票調 査 とイ ン タ ビ ュー 調査 に よ っ て 得 た 。 質 問 票 は 合 併 の前 (54年3月)と 後(55年4月)の2度 に わ た り ほぼ 同 じ内容 で 全職 員 に送 付 さ れ 郵送 に よ って 回答 を求 め た 。 そ の 回 答 者 数 は表3の と お りで あ っ た。
合併 と従業員の職務態度 43
表3
第1回 目 第2回 目
管 理 者 120 63
一 般 職 員 253 81*
A 男 性 90 20
女 性 163 60
管 理 者 48 31
一 般 職 員 甲106 35
B 男 性 46 18
女 性 60 17
管 理 者 9 10
一 般 職 員 46* 10
C 男 性 25 5
女 性 20 5
*性 別不明回答者1名 を含む。
質 問 票 は一 般 職 員 用 も管 理 者 用 も28項 目(1部 は本 研 究 と無 関 係)か ら成 る。
質 問項 目 は 職務 満 足,期 待,不 安 等 に 関 わ る もので あ る。 特 に職 務 満 足 を 測定 す る項 目 はJDI(職 務 記 述 指標:Smith,P.C.,Kenda11,LM.andC.L.
Hulin,196g),Vroom,V.H.(1964)お よ びHerzberg,F.(1976)を 参 考 に 作 成 した。 一 般 職 員 用質 問票 と管 理 者 用 質 問 票 は全 く異 な る質 問 項 目を 工部 内 包 して い るが,そ の大 半 が 同 一 項 目で7ポ イ ン トの 単一 ス ケ ー ル に よ って 被 験 者 の 知 覚 や 認 識 を獲 得 す る。 本 研 究 で 分 析 され た各 質 問 項 目は表6お よ び別 紙 資 料 を 参 照 され た い。 た だ し仮 説5の 検 証 の た め に 給 料,昇 進 ・昇 格,上 司の 公 明 正 大 な処 遇 等 の9項 目の う ちか ら期待 お よ び不 安 の 高 い順 位(1位 か ら3 位 ま で)を 被 験 者 につ けて も ら った 。 質 問 の表 現 も選 択 肢 も管 理 者 用 と一 般 職 員 用 の 間 で 全 く相 違 は な い。 その 選 択 肢 は 後述 の表7の とお りで あ る。
2.3分 析 手 法 と質 問 票 の信 頼 性
仮 説 の検 証上 お よ び デ ー タ数 の点 か ら被 合 併 会 社(B社,C社)を ま とめ て 分 析 した。 デ ー タの 分 析 上,仮 説1と3に は平 均 値 の 差 の 検 定,仮 説2と4に
は ピア ソ ン積 率 相 関 分 析 と重 回帰 分析 を用 い る。
われ われ の研 究上 獲 得 した デ ー タの信 頼 性 が 重 大 な問 題 で あ る。 この 問 題 を
44 商 学 討 究 第34巻 第1号
検 討 す るた め に わ れ わ れ が作 成 した 質 問項 目に よ って 獲 得 した デ ー タ とJDIに よ って 獲 得 した デ ー タ との 相 関 分析 を 第2回 目の管 理 者 用 質 問 票 をつ う じて 行 な った 。 そ の 結果 は下 表 の、とお りで あ った。
表4本 研究 における職務満足質 問票一JDIの 関係
足足足足足
灘 灘
仕監給昇共
.5606*璽 .5613**
.3917**
.0988 .3685**
(N) 95 93 84 95 95
*P<.01
**p〈.001
わ れ わ れ の 質 問 票 に お け る職 務 満 足 規 定 要 因 と それ に対 応す るJDIの 各 要 因 と は昇 進 項 目 を除 いて 強 い相 関 関 係 が あ った 。 昇 進 の 満足 につ いて ま っ た く有 意 な 相 関 が 得 られ なか っ たの は質 問 内容 の 相 違 に帰 せ られ るか も しれ な い。 わ れ わ れ の質 問 は単 一 項 目で 「あ な た は現 在 の 職 階 ・職 位 に どの 程 度 満 足 して い ま す か 」 で あ った が,JDIの 質 問 は昇 進 の可 能性,そ のや り方 の適 正 さ,昇 進 に よ る能 力発 揮 の可 能 性 な ど8項 目 に つ い て の総 合評 価 で あ る 。 その うえJDI の この項 目の 中 に は わ れ わ れ の質 問 内容 と同 じ項 目は 入 っ て い な い。
した が らて わ れ わ れ の質 問 票 は完 全 で は な い に しろ か な り信 頼 で き る もの で は な い か と思 われ る。
3.結 果
1)仮 説1に つ い て(表5を 参 照)
A社 の 管 理 者 もB+C社 の 管 理 者 も合 併 後 職 務 満 足 は有 意 に低 下 して い る 。 A社 で は男 性一 般 職 員 が,B+C社 で は女 性 一 般 職 員 が 合併 の前 と後 で 職務 満 足 に有 意 な低 下 を 示 して い る。小 規 模 組 織 の 管 理 者 と女 性一 般 職員 の みが 仮 説 を 支持 した 。
(1)管 理 者
合 併 前 の管 理 者 の職 務 満 足 の平 均 得 点 はA社(甑=4.7250;1V=120)がB+
合併 と従業員の職務態度 奮 表5平 均値の差の検査
A社
職 務 満 足 期 待 不 安
合併前 合併後t 合併前 合併後t 合併前 合併後t
管 理 者 全一般職員 男 性 職 員 女 性 職 員
4.72504.03173.45***
3.63783.32101.96 3.93333.05002.46*
3.50613.34430.94
4.95834.90480.23 4.31893.61423.24**
4.63333.60002.56*
4。17683.63932.49*
2.60833.6190‑4。60*
3.61424.3580〜3.70***
3.32224.5500‑2.97**
3.80494.2623‑2.04*
B+C社
職 務 満 足 期 待 不 安
合併前 合併後t 合 併 前 合 併 後・ ・t 合併前 合併後t 管 理 者
全 一般 職員 男 性 職 員 女 性 職 員
4.47373.47503.64***
3。54303.33331.15 3.43063.5652‑0.48 3.64103.09092.33*
3.87724.3000‑1.37 3.49673.6444‑0.52 3.48614.1739‑1.55 3。48723.09091.15
4.85964。60000.73 5.17884.62222.16*
5.16674.47831.76 5.20514.47271.27
***p<.001**p〈.01*p〈.05
C社(露 β.σ=4.4737;2>=57)よ り も高 く,合 併 後 もA社 が 高 か っ た(翻 』 4.0317>島 。c=3.4750)。A社 の 管 理 者 もB+C社 の 管 理 者 も合 併 後 職 務 満 足 は有 意 に 低 下 して い る(砺=3.45(φ ニ181)〉̀α=3.373(φ=120,α=.001);
̀8.c=3.64(φ ニ95)〉 εα=3.460(φ=60,α=.001))。 組 織 規 模 の 如 何 に か か わ ら ず 合 併 後 管 理 者 の 職 務 満 足 は 低 下 す る 傾 向 が あ っ た 。 仮 説1は 部 分 的 に 支 持 さ れ た 。
(2}全 一 般 職 員
A社 もB+C社 も合 併 の 前 と 後 で 職 務 満 足 は 有 意 な 差 を 示 して い な い 。 仮 説1は 支 持 さ れ な ふ っ た 。
(3)一 般 職 員 の 性 別
A社 の 一 般 職 員(男)の 職 務 満 足 は 合 併 の 前 と 後 で 有 意 な 差 を 示 した 。 他 方 一 般 職 員(女)の 場 合,有 意 な 差 が 見 られ な か っ た 。
B+C社 の 場 合,一 般 職 員(女)の み が 職 務 満 足 の 平 均 値 に 合 併 の 前 と後 で 有 意 な 差 を 示 して い る 。
46 商 学 討 究 第34巻 第1号
か く して 大 規 模 組 織 で は男 性 職 員 が,小 規 模 組 織 で は女 性 職員 が合 併 の 前 と 後 で 職 務 満 足 に有 意 な低 下 を 示 して い る。仮 説1は 部分 的 に支 持 され た。
幻 仮 説2に つ い て(表6を 参 照)
A社 の 全 一般 職員 お よ び女 性 一 般 職 員 とB+C社 の管 理 者 お よ び全 一 般 職 員 は あ る程 度 仮説 を 支持 した が,A社 の 管 理 者 は支 持 して い な い よ うで あ る。
(11管 理 者
A社 の管 理者 の職 務 満 足 に主 要 な影 響 を与 えて い る要 因 は合 併 後 は 給 料 の 満 足(βr34460;1握4二6.099>1な4(.05)=4.06),職 階 ・職 位 の 満 足(β=一.25915)お よ び権 限 の 明確 さ(βr41056)で あ った 。 か く してA社 の 管理 者 の合 併 後 の職 務 満 足 は主 に エ ク ス トリ ンシ ックな 要 因 に決 定 され て い るよ うで あ る。
B+C社 の 管 理 者 の 職務 満 足 は合 併 後 は職 階 ・職 位 の満 足(β=.39625)と 不 安(β=一.28757)に 決 定 され て い る。 か く してB+C社 の 管 理者 は合併 後 は 主 に エ ク ス トリ ンシ ッ クな要 因 に影 響 さ れ て い る 。仮 説 は支 持 され て い るよ
うで あ ると (2)全 一 般 職 員
A社 の 全 一般 職員 の 職務 満 足 は合 併 後 は給 料 の 満 足(β=.36810)と 仕 事 自 体 の 満足(β ニ.28835)に よ って規 定 され て い る。 他 方B+C社 の 場 合 は職 場 の 雰 囲気(β=.46761)と 職 階 ・職 位 の 満 足(β=一.48871)に よ って規 定 され て い る。 か く してB+C社 の 全一 般 職 員 は仮 説 を 支 持 して い るが,A社 の 場 合 も給 料 が 持 つ多 面的 な影 響 可 能 性 を 考 慮 す る と,仮 説 は あ る程度 支 持 され て い る よ うで あ る 。
(3}一 般 職 員 の性 別
A社 の 一 般 職 員(男)お よびB+C社 の一 般 職 員(男 ・女)の 職 務 満 足 の 決 定 要 因 は合 併 後 は不 明で あ っ た。 しか しA社 の一 般 職 員(女)の 職 務 満 足 は 給 料 の 満 足(β=.35834),仕 事 自 体 の 満 足(β=.29814)お よび 仕 事 内 容 の 明確 さ (β=.29966)に 規 定 され て い た。 か く してA社 の 女 性 一 般 職 員 の み が仮 説 を支 持 して い る よ うで あ る。
合併 と従業員の職務態度 47 3)仮 説3に つ い て(表5を 参 照)
A社 の 全 一般 職 員 お よ び一 般 職 員(男 ・女)は 仮 説 と逆 の関 係 を支 持 した。
仮 説 自体 は ほ とん ど支 持 され な か った 。 た とえ ば 大規 模 組 織 の男 性 職 員 も女 性 職 員 も期待 は合 併 後有 意 に低 下 し,不 安 は 逆 に 有 意 に増 加 して い る。
U)管 理 者
A社 の管 理 者 の 場 合,期 待 につ い て は合 併 の 前 と後 で平 均 値 に有 意 な 差 はな か った が,不 安 に つ い て は合 併 後 有 意 に 高 ま って い る。 他 方B+C社 の 管 理 者 は期 待 と不 安 に つ いて 合 併 の 前 と後 で 有 意 な変 化 を示 さ なか った 。 か く してA 社 とB+C社 の いず れ の 場 合 も管 理 者 は仮 説3を 支 持 しな か った 。
(2)全 一 般 職 員
A社 の 全一 般 職 員 は 合 併 後 期 待 の 平 均 得 点 が 有 意 に低 下 した。 不 安 は合 併 後 有 意 に 増加 した 。他 方B+C社 の 全 一 般 職 員憶 期待 に つ い て は合 併 後 有 意 な変 化 を 示 さな か った が,不 安 は 合併 後 有 意 に 低 下 した 。
か くしてA社 の 全一 般 職員 は合 併 後 期待 が有 意 に低 下 し,不 安 が 有 意 に高 ま った 。仮 説3と 逆 の関 係 が支 持 さ れ た 。
(3)一 般 職 員 の 性 別
A社 の 一 般 職 員(男)は 合 併 後 期 待 が 有 意 に低 下 し,不 安 は 有意 に 高 ま った 。 他 方 一 般 職 員(女)も 合 併 後 期 待 が 有 意 に低 下 し,不 安 は有 意 に 高 ま った 。
B+C社 の 一 般 職 員 は 男 女 と も に期 待 と不 安 の いず れ に も合 併 後 変 化 を示 さ な か った 。
か く してA社 の 一般 職 員 は 男 女 と も に合 併 後 期 待 が 有 意 に低 下 し,不 安 が 有 意 に 増加 して い る。仮 説3と 逆 の 関 係 が 支 持 され た 。
4)仮 説4に つ い て(表6を 参照)
仮 説4は 組 織 規 模 の 差 に か か わ らず お お む ね 強 くあ る い は弱 く支 持 され て い る よ うで あ る。 た だ しその 大 半 が合 併 の前 か後 の い ず れかにおいて で ある。た と え ばB+C社 の 一 般 職 員(女)は 仕 事 自体 の 満足 が大 き く,上 司 が 部 下 を 公 平 に 処 遇 して い る と知 覚 し,さ らに合 併 へ の期 待 が大 き い ほ ど合 併 へ の 不 安 が 小 さ
くな る。
商 学 討 究 第34巻 第1号
48
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合併 と従業員の職 務態度 49
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商 学 討 究 第34巻 第1号
50
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合 併 と従業 員の職務態度 51
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52 商 学 討 究 第34巻 第1号
(1)管 理 者
A社 の 管 理 者 の 場 合,合 併 に 対 す る 期 待 は 経 営 方 針 吃政 策 の 支 持 度(β=
.32238)と 給 料 の 満 足(β=.22468)に よ っ て 規 定 さ れ て い た 。 合 併 後 将 来 へ の 期 待 に 主 要 な 影 響 を 及 ぼ した 要 因 は 権 限 の 量 的 適 正(β ニ.65910)だ け で あ っ た 。 合 併 へ の 不 安 の 主 要 な 影 響 要 因 は 職 場 の 雰 囲 気(β=一.24835),仕 事 の 達 成 感(β=.28314),年 度 計 画 の 明 確 さ(β=一.30079)お よ び 交 流 人 事(β=一 .18782)で あ っ た 。 合 併 後 の 不 安 の 主 要 な 影 響 要 因 は 職 階 ・職 位 の 満 足(β=一' .37867),権 限 の 明 確 さ(β=.36647)お よ び 給 料 決 定 の 基 準(β=.33765)で あ っ た 。
他 方B+C社 の 管 理 者 の 場 合,合 併 に 対 す る 期 待 は 職 務 満 足(β=一.66134), 給 料 の 満 足(β=.41014)お よ び 経 営 方 針 ・政 策 の 支 持 度(β=.49904)に 規 定 さ れ た が,合 併 後 の 期 待 は 主 に 経 営 方 針 ・政 策 の 支 持 度(β=.53355)に 規 定 さ れ て い る 。 合 併 へ の 不 安 も合 併 後 の 不 安 も有 意 な 影 響 要 因 は 存 在 し て い な い 。
か く し てA社 の 管 理 者 め 合 併 前 ・後 の 不 安 の み が 仮 説4を 支 持 した 。 期 待 に つ い て は 十 分 に 支 持 さ れ な か っ た 。
(2}全 一 般 職 員
A社 の 全 一 般 職 員 の 場 合,合 併 へ の 期 待 は 労 働 時 間 の 長 さ(β=一.18875), 上 司 の 支 持 的 行 動(β=.19511)お よ び 不 安(β=一.34024)に 規 定 さ れ て い る が,合 併 後 の 将 来 へ の 期 待 は 仕 事 内 容 の 明 確 さ(β=一.27431),労 働 時 間 の 長 さ(β=一.29029)お よ び 昇 進 ・昇 格 基 準 の 望 ま し さ(β=一.23702)に 規 定 さ れ て い る 。 合 併 へ の 不 安 の 主 要 な 影 響 要 因 は 労 働 時 間 の 長 さ(β=一.15538), 経 営 方 針 ・政 策 の 支 持 度(β=一.25701)お よ び 期 待(β=一34109)で あ っ た 。 合 併 後 の 不 安 の 有 意 な 影 響 要 因 は 把 握 で き な か っ た 。
他 方B+C社 の 全 一 般 職 員 の 場 合,合 併 へ の 期 待 は 仕 事 内 容 の 明 確 さ(β=
.20002),昇 進 ・昇 格 体 系 の 適 正 さ(β=.18634),上 司 の 監 督 方 式(β=一 .27055)お よ び 不 安(β=一.45131)に 規 定 さ れ て い る 。 合 併 へ の 不 安 は 仕 事 自 体 の 満 足(β=一.21097),上 司 の 監 督 方 式(β=一.25923)お よ び 期 待(β=
一.51105)に よ って 規 定 さ れ て い る。合 併 後 の 不 安 と 期 待 に 対 す る 有 意 な 影 響 要
合併 と従業員の職務態度 53 因 は 把 握 で き な か っ た 。
仮 説4は 合 併 前 の 期 待 と 不 安 に つ い て の み 支 持 さ れ た 。 (3}一 般 職 員 の 性 別
A社 の 一 般 職 員(男)の 場 合,合 併 へ の 期 待 は 昇 進 ・昇 格 体 系 の 適 正 さ(β
=一 .30005),労 働 時 間 の 長 さ(β=一.26036)お よ び 不 安(β;一.41700)に よ っ て 規 定 さ れ た が,合 併 へ の 不 安 の 主 要 な 影 響 要 因 は 職 場 の 雰 囲 気(β=一 .27521),労 働 時 間 の 長 さ(β=一.23972)お よ び 期 待(β=一.44842)で あ っ た 。 一 般 職 員(女)の 場 合,合 併 へ の 期 待 の 主 要 な 影 響 要 因 は 労 働 時 間 の 長 さ (β=一.14367)お よ び 不 安(β=一.27961)で あ っ た が,合 併 後 の 期 待 は 仕 事 内 容 の 明 確 さ(β;一.57199),労 働 時 間 の 長 さ(β=一.38689)お よ び 上 司 の 支 持 的 行 動(β=一.50920)に よ っ て 規 定 さ れ て い る 。 合 併 へ の 不 安 は 経 営 方 針 ・政 策 の 支 持(β=一.25383)と 期 待(β=一29966)に よ っ て 規 定 さ れ た が, 合 併 後 の 不 安 は 上 司 の 公 平 な 処 遇(β=.52443),上 司 の 上 方 影 響 力(β=.27269) お よ び 期 待(β=一.33841)に よ っ て 規 定 さ れ て い る 。
他 方B+C社 の 場 合,一 般 職 員(男)の 合 併 へ の 期 待 の 主 要 な 影 響 要 因 は 昇 進 ・昇 格 体 系 の 適 正 さ(β=.31346),上 司 の 適 正 な 評 価(β=一.31455),上 司 へ の 相 談(β=.25735),上 司 の 監 督 方 式(β=一.55993)お よ び 不 安(β=一 .42848)で あ っ た 。 合 併 へ の 不 安 の 主 要 な 影 響 要 因 は 上 司 の 監 督 方 式(β;一 .51160)と 期 待(β=一.67753)で あ っ た 。 一 般 職 員(女)の 合 併 へ の 期 待 は 仕 事 内 容 の 明 確 さ(β=.32639),労 働 時 間 の 長 さ(β=一.25104)お よ び 不 安 (β=一.33252)に よ っ て 規 定 さ れ て い た が,合 併 へ の 不 安 は 仕 事 自 体 の 満 足 (β=一.29787),上 司 の 公 平 な 処 遇(β ニー.36699)お よ び 期 待(19ニ ー.40681) に よ っ て 規 定 さ れ て い る 。
A社 の 一 般 職 員(男)の 合 併 後 の 期 待 の 影 響 要 因,B+C社 の 合 併 後 の 期 待 ・不 安 の 影 響 要 因(男 女 と も)等 は 有 意 性 検 定 の 結 果 非 有 意 で あ っ た 。
か く して 仮 説4はA社 の 場 合 一 般 職 員(女)の 合 併 後 の 期 待,B+C社 の 場 合 一 般 職 員(女)の 合 併 へ の 期 待 と 不 安 に つ い て の み 支 持 さ れ た 。
54 商 学 討 究 第34巻 第 玉号
5)仮 説5に つ い て
合 併 に対 して 何 を第1位 に期 待 して い る かの 問 につ い て,全 管 理者(A+B +C社)の う ち156名 が 回 答 し,そ の う ち86名 が 「仕 事 の 達 成 感 ・自 己 の 能 力 の 向 上 」 を 第1位 に挙 げ た 。 しか し合 併 に好 意 的 な人(期 待 ス ケ ー ル上5ポ
イ ン ト以 上 に印 をつ けた 人)はA+B+C社 にお い て57名 で あ っ た 。 ま た 合 併 に非 好 意 的 な 管 理 者(不 安 スケ ール 上5ポ イ ン ト以上 に 印 を つ け た人)はB +C社 にお いて35名 中14名 が 「仕 事 が厳 し くな る」 を第1位 に挙 げ て い る。
さて 管 理者 で は 小規 模 組 織 の方 が 仮 説 を 強 く支 持 した 。他 方 一 般 職 員 は組 織 規 模 お よ び 男女 の 差 に か か わ らず大 体仮 説 を 支 持 して い る よ うで あ る。
合 併 の前 と後 で従 業 員 が期 待 ・不安 の対 象 と して ど うい っ た要 因 を第1位 に 挙 げ たか を表 示 した もの が 表7‑A,B,Cで あ る。
(1)管 理 者
合 併 に好 意 的 な管 理 者 はA社 で は73名(107名 中),B+C社 で は21名 (49名 中)で あ り,ど ち らの 場 合 も 「仕 事 の 達 成 感 ・自 己の 能 力 の 向上 」 を第
1位 に指 摘 した 人 が 一 番 多 く,A社 の 場 合58.9%,B+C社 の 場合66.7%に もの ぼ って い る。
表7‑Aか ら合併 に好 意 的 な 管 理 者 は組 織 規 模 の 如 何 を 問 わ ず イ ン ト リン シ ックな 満足 の 追 求 が 高 い傾 向 に あ る。 他 方 合 併 後 の 将 来 へ の期 待 は組 織 規 模 の 如何 を 問 わず 多様 化 の傾 向 に あ るが,規 模 の小 さい組 織 の管 理 者 ほ ど エ ク ス
ト リン シ ッ クな要 因 を追 求 す る傾 向 が 高 い 。
合 併 に非 好 意 的態 度 を示 す 管 理 者 は組 織 規模 が小 さい ほ ど,ど ち らか と い う と エ ク ス トリ ン シ ック な要 因 へ の不 安 が 高 い 。他 方 合 併 後 の 将 来 の 不 安 はA社 の 場 合 主 に エ ク ス トリ ン シ ック な要 因 に つ い て 高 いが,B+C社 の 場 合 イ ン ト
リ ン シ ック な要 因 につ いて も高 い よ うで あ る。
か く して 仮 説5は 特 に規 模 の 小 さ い方 の 組 織 の 管 理 者 に強 く支 持 され た 。 (2}全 一 般 職 員
表7‑Bか ら,合 併 に高 い好 意 的 態 度 を持 って い る一 般 職 員 は 組 織 規 模 の 如 何 を 問 わ ず 主 と して イ ン トリ ンシ ックな 要 因 に対 す る期 待 が 大 きい よ うで あ る 。