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友本清一*上田達男* (昭和49年9月ユ5日受理)

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(1)

平面曲げ疲れ試験機の試作について

友本清一*上田達男*

(昭和49年9月ユ5日受理)

On the Plain Bending Fatigue Testing Machine

Kiyokazu ToMoMoTo and Tatsuo UEDA

(Received September 15, 1974)

 :本報告は昨年度試作した大容量(100kg−m)の平面曲げ疲れ試験機の概要ならびにその検定のために行なった一,

二の実験結果についてまとめたものである。

1. 緒

 最近の鋼構造物の大型化につれ,従来以上に構造材料・

溶接継手の使用性能上の重要な特性として疲れに関する問 題がある。とくに,構造上の形状の不連続・製作上の欠陥 などの切欠きと強度の関係において,疲れの因子が無視し えないことは周知の事実である。

 疲れについては古くから多くの研究が各種の疲れ試験機 により行なわれている。すなわち,代表的な試験機として 数例を挙げてみると,小野式回転曲げ・ヘイ式・アムスラ ー型・ローゼンハウゼン型・シエンク式さらに電気油圧式 サーボ型などである。しかしながら,本学科における現状 をみると山口の設計したW6hler型回転曲げ疲れ試験機が あるのみであった。

 元来,疲れの問題は回転部材の破損にその研究の端を発 しており,さらに試験機としても回転曲げ型式が講造が最 も単純である点より,疲れの研究の古いものは回転曲げに よるものが多い。しかしながら,この型式によると試験片 断面における応力分布がきわめて複雑となる欠点を有して いる。したがって,回転部材の実用データを得るためには 有効な手段であるが,破壊力学的な面より疲れの問題を追 求するためには不利であると云わざるを得ない。

 以上の見地より,試験片断面における応力分布が単純な 疲れ試験機が要求される次第である。この要求を満足する ものとして各種の軸力試験機が製作され市販されている が,価格の点より到底導入不可能である。よって,応力形

式ができるだけ軸力に近く単純なもので,本校にある工作 機のみで製作可能なものとして平面曲げ疲れ試験機を試作 することとした。

2.試作した平面曲げ疲れ試験機

*金属工学科

 2・1 試作した平面曲げ疲れ試験機の原理

 平面曲げ疲れ試験機として最もよく利用されているもの としてシエンク式のものがある。この方式は準共振型に属 するもので,荷重容量の割には試験機を比較的コンパクト にでき,繰返し数も早い利点を有している。しかし,共振

・準共振型は試験機の系全体の共振現象を利用するため,

設計にあたっては振動を考慮に入れ,試験機の薗有振動数 が疲れ試験機の繰返し速度と一致するように配慮する必要 がある。このため,設計・加工にあたってはきわめて高い 精度が要求され,振動系の基礎資料を有さない本校では製 作が困難である。

 以上の理由より,平板試験片に単純な機構で繰返し cた わみ変形 を与える方式を採用することとした。つぎに,

平板の曲げ方式としては両端固定方式・一端固定他端自由 方式が考えられるが,前者においては試験片各部に作用す る応力を均一にするためには(いわゆる平等強さのはり)

荷重点の構造が複雑となるきらいがある。よって,後者の 片持ばり方式とし,試験片の長さ方向に関して,その強さ を一定とするためには板厚一定の三角形板の試験片を採用 することとした。

 つぎに,繰返したわみを与える方法としては可動偏心板 とクランク・アームよりなる簡単なクランク機構を採用す ることとした。Fig.1はこの原理を示したものである。

(2)

津山高専紀要  第12号 (1974)

Mechanics of Fatigue Test:ng Mq. chine

        At,

       ruau 

Re

  Detai[ o; P

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k

FigユMechanics of Fatigue Testing Machine

 2・2 試作した平面曲げ疲れ試験機

 前述の機構を有する試験機の設計にあたって,つぎの諸 条件を満足するよう留意することとした。すなわち,1)

疲れ破壊は一般にその発生過程と伝ばん過程に分けて究明 することが必要である。そのためには,試験片寸法とくに 試験片の幅がある程度大きなものであることが必要とな る。2)同一試験片について,極めて簡単な構造で平均応 力ならびに応力勾配の影響が知り得る構造であること。

3)高級鋼あるいはやや複雑な形状の試験片でも試験可能 なだけの容量を有すること。4)さらに,低サイクル疲れ から高サイクル疲れの範囲まで同一の繰返し速度で試験を 行なっても,試験時間がいたずらに長くならないことなど の諸条件である。

 以上の条件を満足するものとして,試験片全長300mm,

試験片最大幅200mm,最大板厚10mmの試験片を採用し,

最大たわみ量60mm・繰返し速度180cPmの容量100k9−mの 試験機を製作することとした。Fig.2はこの試験機の外観 を示すもので,①は試験片固定用アンビルであって,アン ビルは板厚を変化させたものを数種準備してあり,アンビ ルを取りかえることにより平均応力の値を変化させる構造 となっている。②は試験片であり,図においては応力検定 板を取り付けたところを示している。③はクランク・ロッ ドにつながる試験片固定板であって,図に見える④の調整 ボルトによって偏心量を変化させた場合のたわみ零の位置 を微調整するようにしている。⑤は偏心仮,⑥はモータな

らびに減速機である。

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Fig.2 General View of Fatigue Testing Machine

3.試作した試験機による一,二の実験

 3・1試験機の較正試験

 応力検定板ならびに後述する両側切欠き付試験片によっ て,たわみ量と応力の関係を求めることとした。すなわ ち,後に示すFig.5の両側切欠き付試験片の切欠き底断面

の3位置(断面の中央ならびに切欠き底)ならびにFig・5 と同様の形状で切欠きの存在しない応力検定板における応 力を測定することとした。

 Fig.3はこの結果を示すもので,図の下側の実線は両試 験片の断面中央における理論値で,直中にプロットしてあ る実験結果ときわめてよく一致しており,試験片の保持方

一48一

(3)

O. 20

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   OT/O 15

        DetLection (mm)

Fig.3 Calibration Curves for Fatigue Testing Machine

法ならびに負荷方式の良好なことを示すものと云える。さ らに,図の上側の実線は切欠き底近傍における実験値を示 したもので,試験片にねじりが作用していないことが確認 された。したがって,以後この曲線をもとに実験結果を整 理することとした。

 Fig.4は繰返しにともなう応力波形を測定したものの一 例であって,一応三角波に近いものとみなすことができる ようである。

3・2切欠き試験片による疲れ試験  i)供試材ならびに試験片形状

 SS41相当材(降伏点33。1kg/mm2,引張強さ47.1kg/mm2,

伸び28.7%)を供試材として,試作した試験機による疲れ 試験を行なった。

 試験片形状としては,Fig.5に示すような両側切欠き付 平板試験片を採用し,切欠き形状としては図に示すように 切欠き先端半径O・25mmの45。 V形切欠きならびに半径4 mmの半円形切欠の2種とした。なお,これら切欠きの形 状係数はPeterson 1)の文献によれば,それぞれ3.4および 1.79に相当する。

1

as

︵︒︑︒︶

三σ﹂あ

60

o

300180

   トー一40

o

60

o o o

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開A

一 O.5

一1

Def[e. Amp. t6 mm

1 mm

      Detaits of  A

      ⊥  o塑⊥

一日止一が

Pig.5 Details of Fatigue Test Specimen

DeflectionX(mm)

 ii)疲れ試験結果

 疲れ試験の結果を切欠き底断面に平均的に作用するひず み量(Fig.3に示した切欠き底断面の中央における値)と破 断までの繰返し数との関係について整理したものがFig.6 である。なお,本実験は試験機の実用性を確認することを 主目的として行なったため,2x106時間強度の範囲で実験 をとどめたが,従来から云われている定説を満足する結果 が得られた。

 O.1.0

こQO5

.⊆

9

8 O.Oi Σ

O.005

  io3

AV−Notch R=O.25mm o Semi−Circutar Notch R=4mm

fk kgo

Fig.4 Example of Strain Wave

   io4 ios

 Number of Cycles to Fai[ure Fig.6 Fatigue Test Resu1ts

沿6

(4)

津山高専紀要 第12号(1974)

 さらにFig.7は疲れき裂伝播の様相を調べたものであ る。すなわち,図において縦軸は任意の繰返し数における 疲れき裂の長さを無次元化したものであり,横軸は破断回 数を基準として任意の繰返し数を無次元化して表わしてい る。図より明らかなように,き裂発生に関しては切欠きの 鋭いV形切欠き付試験片の方が早く,き裂伝播速度に関し ては形状係数の鈍い半円形切欠き付試験片の方が早いよう である。

1.0

 したがって,本試験機は十分に所要の目的を達し実用に 供し得ることが明らかとなった。

 終りに,本試験機の設計・製作さらに実用試験について 終始有益な御助言をいただいた山口教授に深甚の感謝を表 すると共に,製作にあたっては実習工場前原政夫技官の御 協力を得たことにも深く感謝するものである。

O.5

  01 石ぢヴ

d=±15mm

oi Se mi C ircu lar Notch

AIV Notch /

A

       2P

//

O.Ol

 O.1 O.5 1,0

      N娠f

Fig.7 Corelation Fatigue Crack Length and    Number of Cycles

        文     献

1. R. E. Peterson : Stress Concentration Design Factor,

         John & Wiley (1953)

2. Electron Fractography Hand book, 1965, Tech Report

 MレTDR−64−416

 iii)疲れ工面のフラクトグラフィ

 最近,破壊機構を解明する有効な手段として電子顕微鏡 を利用しt工面解析すなわちフラクトグラフィ2)の有効性 が認識されつつあるが,本実験における一,二の試験片に ついて試みた。なお,実験手毅としては2段レプリカ法を 採用している。

 V形切欠き付試験片のたわみ量目12・5mmおよび半円形 切欠き付試験片のたわみ量±15.Ommの場合について,そ れぞれ切欠き底近傍ならびに伝播過程および最終破断部近

くのフラクトグラフィを示したものがFigs.8,9である。

これらにはストラエーション,うねり模様,タイヤトラッ クスなど疲れ破面特有のパターンが認められた。なお,こ れらについての詳細な議論は出稿にゆずることとする。

4.結

 試作しk試験機はその較正試験の結果にも見られるよう に,十分に「はり理論」を満足する構造になって居り,ま た疲れ試験で定説となっている範囲の試験を行なうこ.とに より試験機の実用性の確認を行なったところ満足すべき結 果が得られた。

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(5)

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  ミセセ

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臨麟灘

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1 ×2700 2. ×2700

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   ︑︑鱗

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3. ×2700

4. ×2700

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5. ×4300

(6)

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x 2700

5

Fig.9 Fractography of F atigue Specimen with Se皿i−Circular Notdh

参照

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