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佐藤輝顕*山口常昭*二本清一* (昭和49年9月30日受理)

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(1)

繰返し熱サイクルによるクラッド鋼接合部の強度特性について

佐藤輝顕*山口常昭*二本清一*

(昭和49年9月30日受理)

On the Strength Properties of Clad lnterface in the Clad Steel due to Thermal Cycles

Teruaki SATo Tsuneaki YAMAGucHi and Kiyokazu ToMoMoTo

(Received September 30, 1974)

 クラッド鋼は現在高温高圧工業に多用化されつつあるが,クラッド鋼を形成する2材間の熱特性の差によりクラッ ド鋼接合境界部にせん断が作用することになる。

 本研究はこのせん断力に着目し,クラッド鋼が繰返し熱サイクルを受けた場合,どのように挙動するか追求するこ ととした。

 まず,温度変化により拘束度の変化しない拘束枠を開発し,これを用いて極めて簡単な原理で目的を達し得る試験 機の開発を行った。

 ついで,せん断継手の長さ(スリッ閻距離)を変化させることにより,同一の繰返し温度範囲において継手に作用 する平均せん断応力を変化させ熱疲労寿命を知ることとした。また,クラッド鋼を形成する2材の板厚比・クラッド 鋼の熱履歴による影響をも追求することとした。

1.緒

 近年の高温高圧工業の著しい進歩は材料にますます苛酷 な条件を要求するようになり,その結果,異種材間の溶接 継手あるいは各種のクラッド鋼が多用される傾向にある。

 クラッド鋼を使用するような圧力容器などの高温使用時 の状態を考えると,一般に板厚方向に温度勾配が存在する

(すなわち,クラッド材と母材との間に温度差がある。)

のが普通である。また,容器内部も常に一定温度ではなく 温度の変動する場合もあり,さらに作業上の必然性あるい は予期しないトラブルなどのため急激な加熱冷却を受ける ことも予想される。

 これら異種材間の溶接継手あるいはクラッド鋼の高温使 用時の特性に関する研究は早くから行われ,とくに,異種 材間継手の境界部・クラッド鋼接合境界部における元素の 移動・拡散などによる金属組織的な変化については多くの 報告がなされている。1)2)3)

 しかしながら,クラッド材合わせ板と母材 との熱特性の 差さらには上述の温度勾配などに基づく熱応力,あるいは

これら熱応力が繰返し作用することによるいわゆる熱疲労 現象に対しクラッド鋼接合部がどのような挙動をするかを 追求したものは極めて少なく,わずかに村上ら4)の研究が あるに過ぎない。しかし村上らの研究は爆接クラッド鋼を その対象とし,しかも試験片として平板を採用しているた め,クラッド鋼接合部強度を定量的に評価することは極め て困難である。

 したがって,本研究は繰返し加熱を受ける各種クラッド 材の接合部強度特性を知ることを最終目的とし,その第1 段階として次の諸点を追求することを目的としている。す なわち,クラッド材接合部に生ずる熱ひずみの差によるせ ん断応力成分に着目し,できるだけ単純な方法でこのせん 断応力を繰返し与えられる方法の開発を第1の目的とし,

さらにこの装置を用いオーステナイト系ステンレス鋼と軟 鋼のロール・クラッド鋼を対象として,その繰返し加熱に ともなうせん断はく離強度を追求することを目的とした。

2.試 験 方 法

*金属工学科

2.1試験片形状

一般に純せん断応力場を簡単に再現するには中空円筒あ るいは中実丸棒試験片による振り試験を採用するのが普通

(2)

である。しかし,この方法は供試材が単一素材よりなる場 合には適当であるが,本研究で対象としているようなクラ ッド材でしかもその接合境界部の強度特性を知るためには 不適当である。

 したがって,平板試験片で試験片の軸方向に引張あるい は圧縮の軸力が作用した場合にクラッド材接合面にせん断 力が作用する形式を採用することとした。Fig.1はこの原 理を示したものである。すなわち,試験片の表裏両面より クラヅド材接合面までそれぞれ図示のようなスリットを入 れることにより,図中1で示したスリヅト間の接合面にせ ん断力が作用するよう考慮しそいる。

 う ほ

P−1 i1 1 7ctad htortace 1−P

       :         一ltト

Fig.1 Schematic Model of Test Specimen

 こ.の試験片に繰返し熱サイクルを与えるに当って.t試験 片に何ら拘束を与えず両端自由の状態のままでも実験は可 能であるが,生ずる熱応力は比較的低くまた.スリット間隔

1の大きさによっては試験片に曲げ変形の生ずるおそれも ある。したがって,本研究においてはこの両者に対する配 慮から試験片を拘束状態において熱サイクルを与えること とした。

 拘束の方法として最も単純なものはFig.2a).に示す ような長方形の枠の中央に試験片を固定する方法である。

しかし,この方法は温度の変化につれ拘束枠の寸法が変化 こするため,繰返し熱サイクル中拘束度が連続的に変化す るととなり破断強度を定量的に評価する際複雑な要因が入 る.。1.したがって,温度変化の有無にかかわらず試験片の拘 束距離が変化しないような拘束枠が必要となる。Fig. 2 b)

はこのよう.な拘束枠の原現を示したもので,同図a)に示 した拘束枠の中央に補助ピース(B)を介して試験片を取 付ける方式のものである。

線膨脹率の異なる2材の組合わせとし,それぞれの長さ  (殖およびIB)と線膨脹率(αAおよびαB)の間に     IAIIB =aB/aA

の関係を満足するようにすると,温度の変動に関係なく試 験片の拘束距離(lo)を常に一定とすることができる。

Fig・ 3 a)は以上の条件を満足するものとして,本研究に 採用した拘束枠を示したもので,材料としては(A)にフ ェライト系ステンレス鋼(13C7鋼)を,(B)にオーステ ナイト系ステンレス鋼(18−8鋼)を用いている。また同 図中に示した試験片の詳細については同図b)に示すよう

.なもので,試験目的によりクラッド材の板厚(t1およびt2)

を変化させ,またスリット間距離(1)を変化させること により接合面に作用するせん断力を変化させるようにして

いる。

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Fig.3a Details of Test Bodies

一100一

 トー一一70一一一一H

   ro

ll

 一i2ト

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T︒N⊥

(A)

し __つ{ 1﹃

丁.

響唱

⊥丁州二

 t,IU=20,1.5,tO

FigL3b Details of Test Specimen

tA 一

  a) ・   b)

Fig.2 Schematic Model of Restraint Fram

.すなわち,拘束枠(A)と補助ピース、(B)をそれぞれ

 2.2試験装置

 試験法としては,試験片における温度勾配が存在しない いわゆる均熱型試験法を採用することとしたため,上述の 拘束枠に取付けた試験片.(以下,試験体と呼ぶこととす る。)を所定温度の炉中にて加熱し,一定時間炉中にて保

一 8 一

(3)

持後炉外に取出して強制冷却(本研究では水冷)すること によって熱サイクルを与えることとした。したがって,試 験機は加熱冷却装置・試験体移動装置および試験制御回路 の3者よりなり,Fig・4にその概要を示す。

Fig.4 General View of Thermal Eatigue Tester

 加熱炉としては,炉室内容積200mm×1501nmx350mm・

容量6KVAのものを用い,前述の試験体を挿 入した場合,温度変動の少ない熱慣性の十分

あるものを用いることしとた。また,冷却法 としては水槽を用い,試験体の浸入と同時に 電滋バルブの動作により冷却水をオーバー・

ブロウするようにしている。

鍵撰f薄唾

毎歪博

回路によることとした。この制御回路は図より明らかなよ うに,試験体加熱時間制御ならびに冷却時間制御用のタイ マーとリレーにより,モータに所要の回転を与え,試験体 が炉中あるいは冷却町中の所定の位置に達した時にリミッ ト・スイッチの動作により停止する構造になってい る。なお,図中のリミット・スイッチ3(LS3)は タイマー一 1(Tl)よりタイマ2(T2)に作動を切変える ために設けたものにすぎない。

3.実 験 方 法

 3.1供 試 材

 供試材として,オーステナイト系ステンレス鋼と軟 鋼の間にニッケル箔を挿入し,圧延により製作したい わゆるロール・クラッド鋼を用いることとした。これ ら両材の化学成分はTable 1のようなものであり,受 取り時の板厚はステンレス鋼3.5mm軟鋼18・5mm(合 計板厚22mm)であった。また,試験片の採取方向は 圧延方向としている。

Table l Che皿ical Co皿position of Clad Stee1

clsilMnlp s 1 cu 1 Ni 1 cr ss

SuS 27 O.15

O. 07 O. 23

O. 62 O. 68

1.61

O.0091 O.0171  O.22 O. 023 O.0071 O.05

O.11 10. 75

O. 23

19. 05

Mo

O. 02

O. 05

 試験体移動装置としては,極めて簡単な方法で行ってい る。すなわち,試験体移動用小型モータ(100V,2W,2 rpm)に直結した巻上げ車にステンレス・ワイヤを巻付け その先端に試験体を釣り下げモータの正・逆転により移動 させる方法である。

 これら試験体の移動・停止あるいは冷却水の放流など試 験プログラムの制御はFig.5に示すようなシーケンス制御

OV

 4 5,T16

Q   7

@1

34 嘯s2 67

2 8qll 5

    M

u

EV

8 2

゚R・  LT2

@R1,R2 kSトLS3     Timer     Retay LSトLS3:Limit Sw.

Fig.5 Block Diagrame of Control Circuit

 3.2静的強度試験

 本研究の主目的としている繰返し熱サイクルによるせん 断強度試験の基礎資料を得るため,室温ならびに600℃*に おける静的なせん断強度試験ならびにクリープラプチャー 試験を行なうこととした。

 試験片としては後述の繰返し熱サイクル試験と同じ条件 を満足するものとして,前述のFig・3b)に示すものを用 いた。なお,試験片の板厚についてはステンレス鋼の厚さ を受取りのまま(すなわちt1=3.5mm)とし,軟鋼側を切 削することにより,両者の板厚比(t2/t1)を1.5および2.0 の2種準備することとした。

 このように準備された試験片について,まずスリット間 距離(1)を2〜7mmの間で数段階に変化させ,限界せ ん断はく離強度を求めることとした。

 ついで,この静的試験の結果を基準として,スリット間 距離4mm一定の試験片について,応力レベルを静的強度 の30〜80%の間で数段階に変化させてクリープラプチャー 試験を行った。なお,材料の供試状態については次項にお

いて述べることとする。

*後述する繰返し熱サイクル試験における最高温度に相当 する。

(4)

 3.3繰返し熱サイクル試験

 試験片としては前述のFig・3b)に示すものを用し》:本 研究においては最高加熱温度(Tmax)を600℃一定とし,

600。C 30分保持後10分間強制冷却の熱サイクルを繰返し与 えることとした。

 試験条件としては,i)スリット間距離(1)と熱疲労 寿命の関係ならびに ii)ステンレス鋼と軟鋼との板厚比

(t2/t1)が熱疲労寿命にどのような影響を与えるかを知り うるよう,板厚比を1.0,1.5,2.0の3段階に変化させ実 験を行うこととした。

 さらに,材料の使用状態をも考慮に入れ,受取り材のみ でなく長時間熱処理.(650℃200時間ならびに400時聞炉中 保持後空冷)により接合境界部に組織的変化の生じた状態 のものも用いることとレた。すなわち,この熱処理材はつ ぎのような使用状態に対応するものである。実際の圧力容 器などはほぼ一定の高温で長時聞使用され,そのだめクラ ッド鋼接合境界部には脱炭・浸炭層などが生じ,受取り材 に比し材質的に劣化することは自明のことである。このよ うな状態にある圧力容器が何らかの原因で運転休止・開始 という急激な熱サイクルを全寿命申に何回か受けることが 予想される。このような状態に対応した接 合境界部の強度 特性を知ることはより実際的であると考えるためである。

 3.4組織変化試験

 繰返し熱サイクルを受けた材料の組織変化がどのような ものであり,その変化に熱応力がどのように寄与している かなどについて追求することを目的として,クラッド鋼接 合境界部近傍の組織を光学顕微鏡により調べることとし

た。

 まず,比較の基準としまた熱処理材と受取り材との熱疲 労試験結果を検討するための基礎資料をうるため,次の実 験を行った。すなわち,供試材より10×10×22(mm)の熱 処理用町明を切出し,これを650。Cで0.5時間から500時間

の間で数段階のレベルで炉中加熱後空冷の熱処理を与え,

その組織変化を調べた。        ・

 さらに,受取り材の熱疲労試験後の組織変化について も,代表的な試験片について調べ,前者と比較検討した。

なお,エッチングにあたっては10%臭酸溶液中で電解研 磨*後,3%ナイタルでエッチすることによりステンレス 鋼も軟鋼もともに同時に検鏡することができた。

4.試験結果ならびに考察

4.1静的強度試験

静的なせん断強度試験の結果を,スリット閤距離(1)

と平均せん断応力との関係についてまとめたものが,Fig.

.*条件としては,電流密度O.07〜0・10A/cm2,時問10〜

 20sec,温度20℃を用いた。

6である。なお,ここに平均せん断応力とは静的にせん断 破断した場合の荷重を試験継手断面積で除した値である。

50

︹浩E︑2︶ωu喀Φ﹂あ〇三﹂σ皇の⊆gΣ 40.3         角∠         −          O        O

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     恥5吐丁●m隣

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Rm 600

A5恥⊂01鴨ご

1:2 65(fc 400Hr o

65〔免400Hr 8

111.5 A5恥∈●1り●d

v\響

胴︑︑ 嵐︑

 o O 5 10

   Distance of Stot (mm)

Fig.6 Test Results of Shearing Test

 図より明らかなように,スリット間距離が増大するにつ れ,平均せん断応力は低下し,また熱処理時間が増大する に伴い強度は著しく低下する傾向にある。なお,板厚比の 影響は本実験の範囲では認められなかった。

 このようなせん断継手の理論的強度については,内面に せん断力を受持つ面を有する中実円筒の引張について,

Troelsch5)によって導かれた研究がある。いま,本研究の 対象となったクラッド鋼接合境界部をFig。7に示すような

P

.l汲普Dg

  s,, . lal        ,

1

UnU ︻一

レdx s [

・圖

s・・ハ設鵬1

 興s{ト 

 司ト ci, c・cl

Fig.7 Schematic Model of Shear Joint

状態にあるものと仮定し,力の釣合いより接合部に作用す るせん断力を求めると次のようになる。すなわち,

一10一

(5)

Tx==uirAtst Psinhml{A coshmx+A coshm(1−x)}...(1)

ただし,Tx:ク7.ッド接合部の単位長さに作用するせん        断力の和(kg/mm),

  ・』謬(上+一;LA/A ),

    E:ヤング率(kg/Mm2).

    1):せん断継手のすべり係数(kg/mm2).

 いま,せん断継手の長さが十分に長いものとすると,せ ん断聞手の両端部(すなわち,x=・oおよびx・=1において)

ではsinh ml≒cosh ml>1となり,この部分に          A/

   Tx= 一mP

       =Tx(max)

        Aノ十A

なる応力集中部が生じ,継手の中央部近傍にはTxが最小 の位置が生ずる。したがって,Fig. 6に示したようにスリ ット間距離が増大するにつれ,この応力集中度が増加する ため平均せん断応力が低下するものと云える。

 さらに,熱処理材について強度が低下するのは熱処理に よって後述するように脱炭目ならびに浸炭層が形成され,

せん断継手としてのすべり剛性が変化するためであると考 えられる。

 なお,実験において板厚比の影響が認められなかった点 について,受取り材について計算を行ったところ

   Tx(t2/tl=2. 0) i=iTx(t2/tl= 1. 5)

となり,実験結果とよく一致した結果が得られた。

 つぎに,クリープラプチャ試験の結果,せん断応力と破 断時間の関係について,両対数目盛で整理したものがFig.

8である。図より明らかなように,いずれの供試状態にあ る材料もせん断応力と破断時間の間に,

T=C−t−k

 600。C200H処理材:C=・2.54×106, le=.3.60×10−6,

 600。C400H処理材:C=1.27×106, le=3.65×10−6,

これらの値(とくにC値)の変化が,前述のすべり剛性D の変化,さらには後述する脱炭層の形成などと対応する*

ものと云える。

 4.2繰返し熱サイクル試験

 繰返し温度範囲一定で,スリット間距離(1)ならび材料 状態(板厚比および熱処理)を変化させて繰返し熱サイク ル試験を行った結果を,スリット間距離の逆数(1/1)と破 断までの繰返し数について整理したものがFig.9a)b)

c)である。なお,ここでスリット間距離の逆数について 整理したのは,普通の疲労試験結果と同様の傾向の線図に まとめ理解を容易にしょうとしたためである。また厳密に は,スリット間距離ではなく,試験したせん断継手の接合 面積によるべきであるが,本研究では試験片の輻を一定と ししかも一次元問題として取扱える範囲であるため,スリ ット問距離について整理を行った。

  1.O   ag  Q8

  0.7

  Q6

  0.5

 0.4 rA│d

gE Q3 キ。.2

A

o

As Recieved L Trnax 600 C

 口  tr  t1=tO

 A til t, =1.5  0 til t,=ZO

ANA

(2)

の関係が成立ち,熱処理時間の増加につれ強度が低下して いる。これらC,leの値はそれぞれ次のようになり,

  受取り材   :C=3.58x106,ゐ=3.55×10−6,

聖ξ2Vnω旦の 10X8リノ     リ  ムて

3

O.1

 1 2  3 P−T−gt−rewtS−2d−jd−Z6−g7 glo 1 20 so um

      Number ct CycLes to FaiLure   (a) Case in As Recieved Materia1

2 1び

A As Rec,

O 650 c 200H ロ650 c 400 H   Test Ter叩600り。

  L=4

  Thickness Ratio 1/2

A

  100 101. T/

   Rupture Time (Min.)

Fig.8 Results of Creep Rupture Test

ねQgQ8㎝G605㏄

 O.3

gE  O,2

O.il

AX

A

NK.,e

丁max 6000C  titti=1.5

  ムAs随く㎞ed

  A

×

A Heat Treatrmt 200Hr

     400Hr

へ、

rs

A A

×

2 3 45678910 15

Number of Cysles to Faiture

(b) Case in t2/tl=1.5

40 se

*これらについての定量的な対応については今後さら.に研 究を進める予定である。

(6)

pgto p8O7.06Q5手

工・・3

s

S  O.2

o・ii

v s

Trna)c 60CrC t21 t,=2.O

  o As Recieved o Heet Treatment 2001t

e      400}ケ

\︑︑

2 3 4 5678910 15 20 30 40 50

Number of Cyctes to FaiLure

(c) Case in t2/tl=2.0

Fig.9 Thermal Fatigue Test Results

 Fig・9a)は受取り材について,板厚比をパラメ.一本と してまとめたものであり,またFig. 9 b), c)はそれぞれ 板厚比1.5および2.0の場合について熱処理の影響について

まとめたものである。

 図より明らかなように,いずれの試験結果についてもス リット問距離と破断までの繰返し数との間に指数関係が成 立ち,

    1/1..ciNf−ki (3)

と示しうることが明らかとなった。

 さらに,本研究におけるスリット間距離(1)の変化が 接合部に作用するせん断応力成分に対応するものであるこ

とから,1は接合部に生ずる熱ひずみ対応するものと考え られ,式(3)は

     Eth=c.Nf−k2 (4)

と表現しうる。これはManson−Coffinが熱疲労試験につ いて提唱したものと同じであり,(4)式におけるCm値は 前述の静的な強度と対応すべきものと云える。前項におい て述べたように,本研究に用いた試験片ではスリット両端 に応力集中が生ずるため,き裂の発生にはこの集中ひずみ によるものと考えるべきであるが,破壊を取り扱うには平 均ひずみの考え方で良いと思われる。しかし,いずれにし ても,.この(3),(4)式におけるCi, Cmは静的弾度とも関 連し,さらには高温保持中のクリープの要因も考えるべき である。したがって,本研究においてはこのCiならびにle1 値を求めないこと*とした。

 つぎに板厚比の影響についてであるが,板厚比1.5およ

.*静的強度とも関連し,継手モデ」,レについても別な考え方 が必要であろう。

び板厚比2.0の場合,熱処理の有無にかかわらず明らかに 有意差が認められた。しかしながら,受取り材につい七は 板厚比の大なる方が熱疲労寿命が低く,熱処理材について は板厚比の小なる方が熱疲労寿命が低いという相反する結 果が得られた。

 この点については,さらに今後研究を進める必要がある が,現在のところ一応つぎのように考えることができる。

熱処理材についてみると,接合境界部に最初から明白な脱 炭層ならびに浸炭層が形成されており,これらの層がせん 断継手を形成しFig.7に示した継手モデルに近くなってい る。これに反し,受取り材はせん断継手としての層がきわ めて薄くFig.7のモデルとやや異っているようである。こ のせん断継手の層の厚さが板厚比の影響を左右し上述の結 果となったものと考えられる*。

 4.3継手部近傍の組織変化

 熱処理用試験片を650。Cで2.5〜500時間の熱処理を施し た後の接合境界部の顕微鏡組織をFig.10に示す,

.図より明らかなように,650。C30時間以上の熱処理によ り炭素はニッケル箔をとおして,軟鋼側からステンレス側 へ移動し,ステンレス鋼には浸炭層,軟鋼側には脱炭層が 生じた。

 なお,30〜40時間の熱処理では結晶粒界に浸炭域がごく わずか認められるだけであるが,熱処理時間の増大にとも ない特に100時間以上になるとその現われ方は顕著である。

また,炭素は結晶粒内より粒界に析出する傾向にある。

Fig.11はこのステンレス鋼側に生じた浸炭層の幅と熱処理 時間の関係を示したもので,時間の増加につれその幅は指 数関数的に増加することが明らかである。

1

       一〇

︵∈ε︶で⊂話BN=3﹂8︸o£で; λU

o

  ロ650C

D o

e

       mbtlO  IO2 xlo2

         H,T, Time(Hr)

Fig.11 Corelation Width of Carburized Band to Heat    Treated Time

一12一

(7)

2.5 hr

5hr

10hr

20hr

30hr

︿

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Stainless Carbon

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Nf= 20 t2 /tl = 1.5

6000 C ..b一:.1ifC

Rig.12 Microstructure of Fracturecl Specimens for Therrnal Fatigue

(9)

 さらに,受取り材の繰返し熱サイクル試験において,組 織変化がどのように破断に関係しているかを知るため,熱 疲労後の試験片の破断部近傍の組織を示したものがFig.12 である。

 これによると,熱疲労(繰返し熱サイクル)による組織 変化は認められない。破断までの繰返し数×30分を試験片 が加熱されている時間と考えると,本研究で行った範囲内 では最大20時聞程度のものとなる。さらに,..本研究の実験 方法では最低繰返し温度から最高温度に到達するまで約5 分間程度の昇温過程があることを考えると,加熱時間は20 時閲以下であり,最高温度600。Cであることも考えあわせ ると当然のことである。したがって,受取り材の熱疲労試 験には組織的な変化は全く寄与していないと云える。また 熱処理材の熱疲労についても,熱疲労中の最高温度保持時 間が少ないことより,熱疲労中さらに組織変化が進行する

ことはないようである。

5.結

 クラッド鋼の2半田における熱特性(とくに線膨脹率)

の差による熱応力に着目し,クラッド鋼を用いた圧力容器 等がその全寿命中に何回か受けるであろうと考えられる苛 酷な熱サイクルによるクラッド鋼接合部の強度特性につい て研究を進めて来た。:本研究によって得られた結果を要約 すると次のようである。

 1)本研究のため試作開発した試験法はきわめて簡単な   構造であるが,十分に目的を達するものである。特に   Fig.3a)に示した拘束枠に試験片を固定する方法は   高温時・低温時を問わず拘束度が一定であり,全く新   しい考え方によるものである。

 2)静的なせん断強度試験の結果,受取り材・熱処理材   (60G。C 200時間ならびに400時間加熱)ともに試験温   度が大になると著しく強度が低下している。また,同   一試験温度においては熱処理時間が増加するほど強度   は低下している。

 3)せん断継手の長さ(試験片のスリット間距離)が増加   するにつれ,平均せん断応力は急激に低下している。

  これはFig. 7に模型的に示したように,試験継手の両   端にせん断応力の集中が生じ,継手長さが増大するに   つれ継手中央部に応力のほとんど作用しない部分が生   ずるためと云える。

   この静的なせん断強度についてはTroelschの考え   方が成立つものと考えられるが,継手のすべり剛性の   定量化についてはさらに研究を進める必要があろう。

 4)クリープラプチャ試験においても,その破壊強度と   時間について,静的強度と同じ特性を示し,またクリ   ープラプチャ強度は

T==C・tle (1)

の関係で表わすことができる。

5)繰返し熱サイクル試験(熱疲労試験)の結果,いず れの試験条件においても,せん断継手の長さと破断ま での繰返し数の間に

あるいは,

・1/1=ciNf−kl

l=Ci,NfMle1

(2)

(2

  の関係が成立つことが判った。

   このせん断継手長さが熱疲労試験中の熱ひずみに対   応ずることを考えると,本研究のようなせん断ひずみ   の繰返しについてもManson−Coffinの理論が適用で   きるようである。

 6)熱疲労試験においても,熱処理の影響は明白にあら   われ,熱疲労寿命を低下させるが,静的試験にみられ   たように熱処理時間の影響は認められなかった。

 7)クラッド鋼の板厚比の影響は静的せん断強度に関す   る限り実験では認められなかった。熱疲労においては   板厚比の影響が認められたが,受取り材と熱処理材と   の間では逆の現象が認められた。この点については,

  前述のFig.7のせん断模型とともに今後の研究にまつ   所が多い。

 8)本研究に用いた熱処理材においては,Fig.10にみ   られるように明白な脱炭層と浸炭層の形成が認められ   た。この組織変化が熱処理材の強度低下の原因をなす   ものと云える。

 9)本研究の範囲内では,受取り材・熱処理材に関係な   く,熱疲労中には明白な組織変化が認められなかっ   た。

 10)上述のすべての強度に関係する常数は,せん断継手   の層の長さ(ニッケル箔の厚さ・脱炭層の幅など)・

  層の微視的な性質が関係するものと云える。したがっ   て,これらの点についてはX線マイクmアナライザな   どによる究明が必要である。

      謝    辞

 本研究の遂行に当たり終始暖かいこ激励をいただいた大 阪大学岡田実名誉教授,渡辺正紀溶接工学研究所長に深く 感謝をするしだいである。また,実験にあたっては本校上 田達男技官の献身的なご協力をいただいたことに謝意を表 するものである。

(10)

  コ    リコ 

ー23456

       文     献

J. F. Eckel:Welding J. Vol 43. No.4 (1964−4),

      PP. 170sN178s

根本,佐々木,幡谷:溶接学会誌Vol 32 No・3(昭38−

      4) PP. 205N212 村上,西田:溶接学会誌Vol 41・ No・1(昭47−1)

      PP. 83N92 村上,西田:溶接協会化学機械委員会資料

H.W. Troelsch : Proc of ATnerican Soc. of Civil Eng.

        Nov. 1932

S.S.Manson : Thermal Stvess and Low−Cycle        Fatigue, McGraw−Hill, (1966)

一16一

参照

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