障害児の祖父母 に対す るサポー ト
ー ア メ リカ合 衆 国 に お け る取 り組 み を中心 に一 今 野 和 夫
Pr of e s sl ' On alSupp or tf orGr an dpar e nt sofChl l dr e nwi t hHan di c aps KazuoKoNNO
It hi nkt hatpr of e s s i onals l l ppOr tf orgr and pa r e nt sofc hi l d r e nwi t hhandi ‑ c apsi sa ni mpo r t antpar toff aml l yc ar e . Suc hs uppo r tmayhavepos i t i ve e f f e c t sonhandi c appe dc hi l dandhi spar e nt saswe l lashi sgr andpa r e nt s . Butt he r es e e msnos uc hs uppo r ti nJapan
.I nt hi spape r,Ir e f e r r e dt ot hr e ewor ks hopsf orgr and par e nt sofc hi l dr e n wi t hhandi c apsi nUnl t e dSt at e sofAme r i c a.Ipol nt e doutc har ac t e r i s t i c sof e ac hwo r ks ho p. Is ugge s t e dawayt ohol dawo r ks hopf o rgr and par e nt sl n Japan.
Ⅰ . は じめに
筆者 は,障害児を もつ家族 と協力者 によ るひ とつの地域的活動 t n( 1 9 8 5 年発足 の秋 田すず め の会) に関わ っている。下 の文 は,その活動 の 一環 として年 に一度発行 され る文集 のために,
4 歳 の重度精神遅滞児を もつ母親が書 いた もの である。
最近 うれ しか った ことと言 えば , 「も しか し た らみ っちゃん誰 よりも一番幸せなのか もしれ ない. いっ もおかあさん と一緒 に遊んで もらっ た り,みんなにかわいが られ‑‑」 と言 って く れた母 の言葉です。 いっの世 も,い くっ にな っ て も,娘 と思 う母の気持 ち は同 じなんです ね。
みちよを見 るたび私 に 「チコ ( 私の名前)苦労 す るね」 と口癖のように言 っていま した。そ し て , 「 頑張 れ‑・ ‑」 と必 ず言 うのです。 その都 度私 は , 「みちよよ り大変 な子供 もい っぱいい るし,私 よ り,もっともっと苦労 して い る母親 もい っぱいいるんだよ。 まわ りで思 うほど私 は 苦労 していないのだか ら,あまり心配 しないで 欲 しい」 と何度言 った ことか‑‑・ 。で も,や は り母なんですね。私 の強が りを信 じたふ りを し
て,信 じていなか ったのです。 ともすれ ばガ タ ガタと音 を立てて崩れそ うな娘 を気遣 い,明 る く励 ま し,みちよのために も強 い母 にな って ほ しいと願 っていたに違 いあ りません。 そんな母 の気持 ちをよそに,私 は,ただただ心配 か けま いと陽気 に振 る舞 っていたのです。陽気 に振 る 舞えば振 る舞 うほど,私 を不偶 に思 い孫 がかわ い くて,娘がかわい くて・ ‑‑。 きっと一番 っ ら い思 いを していたのは母か もしれません。 その 母 も多 くの障害児 に出会 った り話を問いた りし て,いろいろな世界があることを知 り,見 る目 を変 え, ようや く気持 ちを少 し楽 に して くれた のです。 そ して ,私 は母 に いっ も言 い ます。
「み っちゃん も大事だが ともち ゃん (中学 1 年 の長男) も絶対粗末 に してはいけない」 と。い つだ ったか,勉強会 の時,やはり障害児 の妹 を もつ素直で明 るい妹思 いの高校 1 年の長男が突 然家庭内暴力を振 るって困 り,先生 に相談 に来 たと聞かされま した。決 して このお母 さん も長 男を粗末 に していた訳ではないと思 う。 しか し, いつ我が身 に降 りかか って も不思議でない話で あ り,人 ごととは思えな く,母 に言 われた こと を痛感 しています 。( 1 9 8 8 年 3 月発行 , 「すず め の文集」第 2 号)
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秋田大学教育学部研究紀要 教育科学部門 第4 3
集上 の文か らは,障害児 の母親 と祖母 (つ ま り 障害児 の母親 の母) が互 いに相手 の心情 と苦労 を深 く細 やか に理解 し,励 ま し合 い,支 え合 っ て生 きている姿が うかがわれ る。 また子育 ての 苦労 や子 どもに対す る愛情 の深 さを理解 した上 で祖母が与 えて くれ る適切 なア ドバ イスが ,障 害児 の母親 の子育 て にとって大切 な指針 とな っ ていることも示唆 され る。 さ らに,自分 の孫 以 外 の障害児 との出会 い と関わ りを重ねることで, 祖母 は自分 の孫 やその他 の障害児 につ いての理 解 を深 め,障害児 を孫 に もつ ことで生 じる さま ざまな心労 を軽減 ない し克服 して行 けることも 示唆 され る。
祖父母 が障害児やその親 に対 して果 た し得 る 役割 ない し機能 は,本来非常 に多 いと思われる。
遊 びのパ ー トナー と して,祖父母 は時 に は親 以 上 に一生懸命,そ して心 を こめて子 どもとつ き あ って くれ るか もしれない。 そ して子 どもの遊 び心や遊 びの レパ ー トリーを膨 らま して くれて い るか もしれない。祖父母 との関わ りは,子 ど もにとって は経験 の幅が広 げ られ ることであり, 多様 な人間関係 の中で育つ ことがで きるとい う
ことで もあ る。親 が忙 しい ときや体調 が悪 いと き,祖父母 は親 に代 わ って子 どもの世話 を した り療育機関への通園を引 き受 けて くれたりす る。
子 どもへの接 し方 や子 どもの病気 の処置 の仕方 について,祖父母 は娘 の良 き相談相手 にな って くれ る。 もちろん ,親 の精 神面 のサ ポー ター 励 ま し役 として も祖父母 は重要 で あ る。 一方 , 別居 している場合 も同居 の場合 も,障害児 や そ
の親 ( た とえば自分の娘や嫁)との問に強い粁 ・ 連携関係 が培 われて行 くか もしれない し, 自分
のそれ までの豊富 な経験 や知恵 を孫 や親 のため に発揮 で きるか もしれない。孫以外 の障害児や その親 ,さ らには同様 の立場 にある別 の祖 父母 と関わ る機会 を増す に連 れ,自己の人間関 係 を 拡大で きるだ けでな く,障害 のあ る孫 を もつ こ とでの シ ョックや不安 を緩和 で きた り,自分 の 孫 や親 に対 して よ り冷静 かつ肯定的な見方 がで きるよ うにな るか もしれない。障害児 ( 者) 杏 め ぐる社会的 な問題 への関心 も育 まれて行 くか もしれない。要す るに,障害 を もつ孫 や そ の親
と関わ ることには,祖父母 にとって ,自分 を他 者 のために貢献 させ同時 に自分 を育 て ることの で きる豊 かな充実 した祖父母時代 を構築で きる 可能性 が秘 め られて いる。
一方 ,上述 したよ うに,祖父母 は障害 児 や そ の親 にとって,障害児 は祖父母 に と って ,と も に有意義 な存在 にな りうると して も,そ の よ う な状態‑つ ま り互 いにかけがえのない存在‑へ と,障害児 の誕生直後 や障害があ ると診 断 され た直後 の短 い期間 にスムーズに,親 と祖 父 母 の 間 に何 の葛藤 もな く至 るケースは,きわ めて少 ないと思 われ る。先 の文 を書 いた母親 とその祖 母 ( 実母) の間で さえ,文面 か ら推測 し得 る連 携状態 に至 るまで には何度 か意見 の食 い違 いが 生 じていると思 われ る。 さ らには,障害 児 の発 達初期 における親 と祖父母問の葛藤が,子 ど も のその後 の成長 とともにむ しろ大 き くな って し まっているケース もあ るだろ う。障害 の原因 と して,祖父母 は遺伝的 な もの,つ ま りは家系 的 な ものを重視 しがちか もしれない。 そ してその よ うな場合 には,父親方 の祖父母 と同居 して い る母親 が責 め られ る可能性 が大 きくなるだろう。
また,孫 に障害があ ることを近隣 に知 られ た く ない とか,障害があれば早 く死亡す るに違 いな いのだか らせめて元気 な間だ けで も外 に出 さず 家族で大事 に してい くべ きだ とい った祖母 の強 い意見 に抗 しきれず に,障害児 の早期 の発達 に とって も,障害児 を もつ他 の母親 や専門家 との 出会 いによる母親 の心理的適応 の進展 に とって も大切 な期間を閉鎖的な環境 の中で過 ご して し ま った母親 を,筆者 は知 って い る。 ちなみ に, てんかんを もっ子 ども ( 平均 1 5 歳) とその親 に 面接 した Ro me i s( 1 9 8 0 ) 〔 2 ‑は,子 ど もに対 し て過保護的であるよ う,あ るいは子 どもを学 校 以外 の社会的活動 (た とえば友達 とのつ きあい)
に参加 させぬよ う親 に求 め るな ど して,祖 父 母
がてんかん児 とその親 の適応 を妨 げて しま って
い るケースが多 い ことを,兄 いだ して いる。 そ
して,てんかんについての無知 ( た とえ ば抗 て
んかん剤 の存在 やその有効性 につ いて知 らない
こと) とか偏見が,てんかん児やその親 に対 す
る祖父母 の態度 お よび言動 を大 き く規定 してい
ると指摘 してい る 。Ge o r g e( 1 9 8 8 )
し3)によれば, 障害児 の早期介入 に関わ る親 の多 くが,発達遅 滞 の意味や早期介入 プログラムの必要性 を理解 していない,子 どもの障害 を否定 した り楽 観 視 した りして いる,早期指導 プログラムに基 づ く 家庭での訓練 に協力 的 で な い とい った不 満 を, 祖父母や親族 に対 して抱 いてい るとい う。
障害児 の誕生 は,その両親 のみな らず父親 方 と母親方双方 の祖父母 に とって大 きな シ ョック を もた らしかねない。 それ は,家族 内 ,家 族 と 親類間 にさまざまな葛藤 を もた ら しか ね な い。
障害児 として生 まれた原因 は何か,娘 あ るい は 嫁 はどうしてそのよ うな子 どもを生んで しまっ たのか,子 ど もは どの くらい生 き られ るのか , どこまで発達で きるのか,自分 は娘 や息子 ( っ ま り障害児 の親) と孫 にどのよ うな手助 けがで きるのか,孫 が障害を もって いることを親 類 や 知人 にいっ,どのように伝 え るべ きか等 々,祖 父母 はさまざまな疑問や悩 み,不安 とい った も のを抱 え るで あろう。一方 ,その ような状態 に ある祖父母 が,祖父母以上 に混乱 した心理 状態 にあ る障害児 の父親 や母親 に対 して どのよ うな 言動 を とって い くか ば,両親間 の関係 ,親 の心 労 の緩和 ,親 としての自覚 や 自信 の深 化 ,子 ど もに対す る愛情 の深 ま り,子 ど も‑ の接 し方 , 親 や子 どもと地域 や療育機関 との関わ りなどに, 大 きな影響 を及 ぼす もの と考 え られ る。
ところで,障害児 に対す る療育活動 は通 園施 設,療育 セ ンター,学校 な ど種 々 の機 関 で行 わ れてお り,そ こで は,カウ ンセ リングや学 習 会 な ど障害児 の家族 をサポー トす るための活動 が 行 われ る場合 も多 い。 しか し,そのようなサポー トがあ るとして も,その対象 とされてい るの は 主 として母親 であ る。子 どもの障害,子 ど も‑
の接 し方 ,障害児 を持つ ことか ら生 じる祖 父母 の悩 みな どにつ いて専門家 を交 えて話 し合 う機 会を継続的 に設定す るな どして,障害児 を孫 と して もつ祖父母 のために特別 な配慮やサポー ト を展開 してい るよ うな機関 を我 が国 に兄 いだす
ことは,現在 の ところ困難 と思われ る。 障害 児 を孫 に もつ祖父母 の悩 みや疑問,誤 解 ,偏 見 な どの緩和 や解消 に寄与で き,そ して ,障害児 の
発達 に大 き く貢献 で きるよう祖父母 をサポー ト で き,加 えて障害児 の子育てをめ ぐり障害 児 の 親 と祖父母 の間 に良好 な協力関係 が成立 す るよ う援助で きるよ うにす るにはどのような配慮 や 体制 が必要 なのか とい った点 か ら,療育 活 動 に 伴 う家族へのサ ポー トの在 り方 について検討す べ き時期 にきてい ると思 われ る。一方 ,海 外 の 療育実践 に目を向 けると,きわめて少数 で あ る が,障害児 を孫 に もっ祖父母‑ のサポー トを実 施 して い る機関 を兄 いだす ことがで きる。 すな わち,ア トランタス ピーチスクール ,テ ネ シー 大学子 ども発達 セ ンター,ワシン トン大学 児童 発達 ・精神遅滞 セ ンター実験教育部 門で あ る。
本稿 で は,これ らの機関 における取 り組 み の 実際を明 らか に し,それぞれの取 り組 み につ い て考察 を加 えたい。 さ らに,障害児 を孫 に もっ 祖父母 に対す るサポー トを我 が国で はどのよ う な形 の ものか ら着手 しうるか につ いて も,考 え てみたい。
Ⅱ.祖父母へのサポー トの実際
1 . ア トラ ンタス ピーチスクールの場合 Rh o a d e s( 1 9 7 5 ) ( 4 1は,就学前 の聴覚 障害 児 を もつ親 のための親関与 プログラムはあ って も, 祖父母 がそのよ うな プログラムに関わ る機会 は
きわめて少 ない とい う理 由か ら,祖父母 のた め の ワー クシ ョップを 自校で 1 回試 み,そ の内容 を簡単 に報告 してい る。 その報告で は,ワー ク シ ョップの成果 よ りも,その開催 までの段取 り とワー クシ ョップの内容 の方が詳述 されている。
この学校 における祖父母 のためのサー ビスの一 つの特徴 は,子 どもの指導 に参加す る親 の了解 ・ 協力を得 なが らワークシ ョップの準備 (4 カ月 間)が進 め られた ことにあ ると思 われ る。す な わち,祖父母 のための ワークシ ョップの開催 が 親 に告 げ られ,親 たちはそれに歓迎 の意 を表 し てい る。 ワークシ ョップの案内や子 ど もか らの ワークシ ョップへの招待状 は,親 を通 して祖 父 母 に配布 されてい るO ワー クシ ョップへの参加 の有無 の確認 も,親 が祖父母 の希望を問 う形 で
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集進 め られている。 こうして,対象 とな る祖父 母 の半数以上 ( 28 人中1 7 人) が,スクールか らは か な り遠 い所 に住んでいるにもかかわ らず,ワー
クシ ョップに参加 している。
ワークシ ョップは ,4 月の土曜 日の午前 9 時 1 5 分か ら 1 2 時。 まず学校 内を見学 (9 時30 分 よ り) し,それか ら聴覚器官 や聴覚検 査 ,聴 覚 障 害 の原因,補聴器 などにつ いての説 明 (9 時50 分 よ り),聴覚障害 の子 ど もを援 助 す る際 に配 慮 すべ き点 につ いての説明 ( 子 どもの実際 の指 導場面 の ビデ オを使 用 して。 10 時20 分 よ り), 障害児 に対す る家族 の情緒的反応 につ いての説 明 ( 1 1 時1 5 分 よ り) が,それぞれ別 の部 屋 で行 われてい る。説明 によ り部屋を替 えたの は,学 校 について祖父母 に深 く知 って もらいたいため で ある。
2. テネ シー大学子 とも発達 セ ンターの場合 1983 年 ,テ ネ シー大学子 ど も発 達 セ ンター ( t heChi l dDe ve l opme ntCe nt e r)で行 われ て い る発達遅滞児 のための早期介入 の一環 として, それ までの子 どもに対す る指導 ,親 グル ー プに 対 す るサポー ト,き ょうだい グループに対 す る サ ポー トに加 え,親族 グループに対す るサ ポー ト ( api l otpr o j e c ts uppor tgr oup f orr e l a‑
t
ive sofc hl l dr e nwi t hde ve l o pme nt alde l ay) が新 たに施行 されている。 この親族 グループの 主 たるメ ンバ ーが祖父母 であ る。
( 1 ) サポー トの 目的 と意義
このサポー トプログラムの 目的 として,Ge o r g
e( 1 98 8)
(3)は以下 の 4 点 を挙 げている。
a .発達遅滞,特 に ダウ ン症 に関連 す る問題 の解決 に役立つ教 育 原則 を学 んで も らい, それを実際 に生 かせ る機会を提供す ること。
b.拡大家族 のメ ンバ ーが 自己の感情 と適 応 反応 を明瞭化 した り表 出 した りしやす いよ
うな支持 的雰囲気 を提供す ること。
C .発達遅滞児 の誕生 に当面 した ばか りの家 族 の適応反応 を改善す ること。
d.他 の親密 なサポー トネ ッ トワー クばか り で な く,子 ども,核家族 ,拡 大 家族 を含 む 家族全体 の結 びつ きが まず大切であ ること
を認識 して もらい,かつその結 びつ きを強 め ること。
e .社会的 なネ ッ トワー クを広 げ,同様 の状 況 に遭遇 して いる他 の家族 との結 びつ きを 促す こと。
ちなみに Ge or ge (1988)
'3'は,拡 大家 族 の メ ンバ ーに発達遅滞 につ いての知識 と理解 を深 め る機会 を提供す ることは,障害児への家族 の 対処力 の強化 と柔軟化 を もた らし,さ らに,障 害児 の親 に対 して拡大家族 が情緒面 ,実 際面 か らサポー トす る力を強 め ることがで きると指摘 している。 また,発達遅滞児 を もつ他 の身 内 と の出会 いや話 し合 いを通 して も,グルー プの メ ンバ ーは子 どもの障害 につ いての理解 と受容 を 深 め ることがで きると指摘 して い る。 さ らに,
このよ うなプログラムを通 して,身 内 は,子 ど もに対 す る自分 の態度 を改善 で きるだけでな く, 子 どもの親 に とって頼 りがいのある支持者 とな れ,その ことによ り子 どもの障害 に対す る自 ら の適応 を肯定 的 に評価で きるよ うにな ると,指 摘 してい る。一方頼 りがいのあ る支持者 が身内 にいることは,障害児 の親 の精神的負担 を軽減 させて もくれ る。 こうして,祖父母 を中心 とす る身内対象 の このプログラムは,身内の み な ら ず障害児やその親 にとって も,また,身 内 と障 害児 の関係や身内 と障害児 の親 との関係 のみな らず,障害児 とその親 の関係 にとって も,価値 あ るもの と考 えられ る。
( 2) サポー トプログラムの案内と参加者の構成 親族 を対象 と したサー ビスの案 内が障害児 の 親 を通 して親族 に伝 え られ,それ に参加 の意 向 を有す る親族 に対 して,サー ビスの詳細 (日時, 場所 ,目的) が電話で伝 え られて いる。 サ ー ビ
スへの参加 はあ くまで親族 の 自由意志 によるも のであ ることと,サー ビスの趣 旨につ いて障害 児 の親 も理解 す ることが重視 されてい るよ うに 思 われ る。
グループの会合 は,1 9 83 年 の春 と秋 に はそれ
ぞれ 8週間,夏季 には 6週間 に渡 り,毎週 ほぼ
1 時間,無料で行 われてい る。 この会合 は障害
児への早期介入 プログラムと連動 させて行 われ
てお り,参加者 には,子 ど もの指導 の実 際 を観
察 した りそれに参加す る ことが許 されて い る。
一方 ,発達 セ ンターか ら遠距離 に住むな ど して 会合 に断続的 に しか参加 で きない親族 に対 して
ち,参加が認 め られてい る。
なお,グループの会合 には,ソー シ ャル ワー カーが リ‑ダー役 として参加 している。 リーダー の役割 は,グループの変容 とともに変化 して い る。
( 3) グループの変容過程
Ge o r ge( 1 9 8 8
) (31は,プログラムの実施 とと もに参加者 たちに変化 が認 め られ るとし,それ を 4 つ の段階 に区分 して いる。 それ らは,彼 の 指摘 に基づ きま とめると,以下 のよ うな もので あ る
。第 1 段階
打 ち解 けない雰囲気 の中で,子 どもの障害 に つ いての質問が リー ダーに集 中す る段階。
自己の感情 を吐露 した り,他 のメ ンバ ー と積 極的 に関わ ることは少 な く,自分 の子 ど もの障 害 との関連 ( 医学 的,遺伝的,知的側面) で専 門家 か ら情報 を得 ることが重視 されている。
この段階 において, リーダーは,メ ンバ ーが 結束す るとともに,一緒 に考 え ることので きる 目標 ( 課題) を明瞭化できるようにと,メンバー がそれぞれの子 どもにつ いて 自由に詳 しく話 し 合 うことを促 してい る。 リー ダーは,医者 や心 理学者,早期介入プログラムのコーディネーター な どの協力 ・参加 も得 て,グループか らの質 問 や課題 に対 して正確かつ十分 な情報 を提供 で き
るよ う配慮 してい る。
第 2 段階
障害児が親 に及 ぼす影響 について話 し合 われ る段階。
メ ンバー間が親密 にな り自己の感情がス トレー トに表 出され るようにな るが,出 され る課題 は, 障害児 に対す る自己の適応 に関す るものよりも, 障害児 の親 ( つ ま り祖父母 に とって直系 の子 ど
もや義理 の子 ども) に関す るものが主。 た とえ ば障害児 の診断 に対 す る親 の反応や苦 しみ ,両 親 の不和 な ど。
リ‑ ダーは,障害児 の診断や存在 によ り生 じ る情緒的反応 ( 悲嘆 な ど) の意味 をメ ンバーが
周知で きた り,核家族 の親 に対す る有効 な援 助 法 を メ ンバーが発見で きるよ う指導 (た とえば ロールプ レイ ングを導入)。 また,個 々の メ ン バ ーが 自分 自身の悲嘆 に前 向 きに対処す るよ う 促 してい る。
第 3 段階
障害児 に対す る自己の心情 を率 直 に吐露 し, メ ンバ ー同士 でサ ポー トし合 う姿が認 め られ る とともに,障害児 の生活 や将来への関心 や ,悼 害児 とその親 に貢献 したい との意向が高 まる段 階。
メ ンバ ー間の親密 さが増 し,シ ョック,失望 , 怒 り,悲 しみ とい うよ うな感情 が率直 に表現 さ れ るよ うにな る。 また,情緒 的 によ り困難 な状 態 にあるメ ンバ ーを全体で援助 しよ うとす る雰 囲気 が生 まれ る。障害児 の しつ け,就学 ,就職 な どにつ いて メ ンバー間で話 し合 う機会が増え, また,親 に代 わ って子守 をす るとい った親 ‑ の 実際的な援助 も増加す る。
リー ダーの役割 として は,メ ンバ ー間 の積極 的 な関 わ りを促 す こと,個 々の メ ンバ ーの力 ( s t r e ngt h) を活 用す る こ と,メ ンバ ーの感 情 が良 い方向 に変容す るよ うサ ポー トす る こと, 障害児 の将来 につ いて メ ンバーが現実的な期待
を抱 けるよ うサ ポー トす ることが挙 げ られてい る。
第 4 段階
不満 の表明 と新 たな取 り組みへの展望の段階。
プログラムが終了す るころ,グループへ の愛 着や メ ンバ ー間 の秤 は最 も強 まって いる。 その ため,プログラムの終了に対する不満が リーダー に表明 され,リーダー とメ ンバ‑の間 に感情 の 不一致 も生 じる。 リーダーは,地域 の活動 組 織 に参加 した り,親族 グループを新 たに組 織 化 す るな どして これまで の経験 が生 かせ る ことを, メ ンバ ーに示唆 してい る。 この示唆 によ り,一 人 の祖母 は,高齢者 がパ ー トタイムで指 導 に当 た る発達遅滞乳幼児 のためのデイケアセ ンター を設立す ることを構想 している。
3 . ワシン トン 大学児童発達 ・精神遅滞センター Me ye r と Vadas y ( 1 986) ̀ 5 ‑は,祖 父母 のた
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