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(1)

通園施設 における障害のある子 どもの祖父母 に対する支援 I

今野 和夫*

秋田大学教育文化学部

障害のある子 ども (孫)を持っ祖父母 に対す る支援 は,通園施設 における家族支援の重 要な部分である. しか し祖父母 に対す る支援の重要性 は, これまでの専門的な支援では軽 視 されている.

本研究では,祖父母 に対す る支援 について,通園施設を対象 とした質問紙調査を行 なっ た. また4人の祖父母 に面接調査を行 なった. この4人 の祖父母 は, 障害 のあ る子 ど も (孫)の養育上大 きな責任を負 っていた.

質問紙の結果 より,通園施設 (n‑ll) は祖父母 に対す る支援 を,個別 的 な相談 や家庭 訪問など様々な形で行な っていることが明 らかにされた.4人の祖父母 へ の面接 か らは, 彼 らが子 どもの成長を強 く願 っていることや,子 どもの将来 に不安を抱 いていることが明

らかにな った. また祖父母の言葉 は,障害のある子 どもの祖父母 と親 に対す る専門的支援 のあ り方を考える上で,示唆的な ものであった.

質問紙調査 と面接調査のデータを手がか りに,専門機関における祖父母支援 の今後 の方 向性を考察 した.

キーワー ド:障害のある子 どもの祖父母,通園施設,専門的支援

問題 と目的

同居 している場合 もあれば別居 している場合 もあ り, またその関係のあ りようは家 によって様 々であ り,かつ時を経て変化 しうるものであろうが,障害 のある子 ども (孫) と祖父母 の関係や,子 どもの親 と祖父母の関係が20年を越える長 い年月に及ぶ こと は,決 してめず らしくない今 日である.

一方,障害のある子 どもの家族 についての研究や 家族 に対す る専門的な支援 において,祖父母 は比較 的影の薄 い存在である.筆者 は先行研究 (1)で,母親 のみに過重 な責任や負担がかか らない 「家族全体」

に対す る専門的支援 の充実を目指す上で も,祖父母 の心理や,祖父母 と親や子 どもの関係 についての研

2003122日受理

IHelpingGrandparentswithHandicappedGrand‑

children‑SurveyandInterview Research

IKazuoKoNNO,FacultyofEducationandHuman Studies,AkitaUniverslty,Akita

25 2003

究を進展 させ る必要があることや,専門機関におけ る祖父母支援 のあ り方を実践的に究明す る必要があ ることを指摘 した.

また,障害のある子 どもの家族 に対す る今後の家 族支援 において祖父母支援の充実が重要 な側面であ ると考え,父方祖母 と同居す る母親30名 (子 どもの CA27ケ月か ら73ケ月) に対 して質問紙 調査を実施 した(2). その結果, 祖母 と自分 の関係, 子 どもと祖母 の関係,子 どもや自分 に対す る祖母の 影響,祖母 に対す る子 どもの影響等 について,障害 のある子 どもの母親たちは非障害の子 どもの母親 た ちよりも総 じてネガティブな意識を もっていること が明 らか とな り,祖父母の存在や影響を視野 に入れ た家族支援 の究明の必要性が示唆 された.関連 して, この母親 たちは非障害の子 どもの母親 たちよりも高 い比率で,子 どもの ことでの相談相手 ・話 し相手が 祖母 に もいればよいと考えていること,半数を超え る母親が,通園施設や療育 セ ンターのような専門機 関で祖父母たちが学習 ・親睦 ・交流できる機会を作 っ

39

(2)

て ほ しい と考 えて いることも,明 らか にされた.

本研究 は,小学校就学前 の通園施設 とい う場 での 祖父母支援 のあ りかたにつ いて具体的 ・実際的 に考 究す ることを主 た る目的 と し, そのために方法 の異 な る2つの研究 を行 な った.

すなわち研究 1と して,全国 にあ る難聴 幼 児通 園 施設 に対 して質問紙調査 を実施 し,祖父母支援 の必 要性 につ いての考 え,祖父母支援 の実際,子 どもの 養育 の負担 が大 きい祖父母 の存在 やその負担 内容等 につ いて, 明 らか に しよ うと した.

また研究2と して,現 に通園施設 と直接 的 に閲わ らざるを得 ない状況 にある祖父母,つ ま り子 どもの 親 の側 の事情 によ り園への送迎 を含 めて子育 ての大 きな負担 を担 ってい る4名 の祖父母 に対 して,面接 を行 な った. そ こで は,専門機関 (秋 田市内 にあ る 難聴幼児通園施設. 以 下 0 園 と略記 ) とのか か わ りに対す る感想 や,専門機関が祖父母支援 に前向 き に取 り組 む ことにつ いての意見 とともに,子 どもに 障害があ ると知 らされて間 もない頃の心境 や,子 ど

もに対す る日頃の思 いを尋 ねた.

そ して,以上 の質問紙調査 と面接 の結果 に依拠 し て,通園施設等 の専門機関 における祖父母支援 のあ

り方 につ いて考察 した. なお面接 は,質問紙調査 に 先立 ち,祖父母支援 に関す る別 の研究 の一環 と して 行 なわれた ものである(3).

研究1:通園施設 に対す る質問紙調査

1. 対象施設等

全国の難 聴 幼 児 通 園施 設17園 に質 問紙 を送 付 し

(200210月),11園 (以下,a園か らk園 と して言 及) よ り回答 を得 た.回答者 は施設長 が4名,主任 指導員 が4名, その他 である.回答者の在職年数 は,

2 (3年 と5年) を除 いて,15年 か ら22年 に及 ん でい る. どの施設 も,設立後20年 か ら30年弱 の歴史 を もって いる.通園児数 は,16名か ら50名 の範囲で あ る.聞 こえのみに障害があ る子 どもが通園 してい るの は2園で, その他 の園 には,聞 こえの障害 と発 達 の遅 れを併せ持っ子 ど もや,聞 こえの障害が認 め られない発達 に遅 れがあ る子 どもも通園 して いる.

質問紙 の内容 (1参照)は,祖父母 や親 か らの 相談」,「祖父母支援 の必要性及 び支援」,祖父母 の 影響」,負担 の大 きな祖父母」 に関するものである.

40

2.結果

1には,質問項 目の詳細 と結果が記 されている.

(1)祖父母 や親 か らの相談

ほとん どの施設 が,祖父母 や親か ら相談 を受 けて いる.

祖父母か らの相談内容 (自由記述.表2)は多様 であ るが,①祖父母 に関す ること,②親 に関す るこ と,③子 どもに関す ることに大別 で きる. ① に は, 祖父母 か ら子 ど もや親 に対 してのかかわ り方 や協力 の仕方, その内容 な どがあ る.② には,両親の関係, 母親 の養育法,両親 と祖父母 の関係 などがあ る.③

には,子 どもの可能性,子 どもの障害,遺伝 な どが あ る.

2祖父母からの相談内容

①祖父母に関すること

・両親 ・子 どもに対する自分の振 るまい方について.

(b園)

・協力の仕方. (d園)

・子どもへのかかわり方.(k園)

・食事やおやつのやり方.(d園)

・しつけの考え方.(d園)

・自分たちが手伝えることがあれば教えてはしい.(h園)

・祖父母としてやるべきこと.(f園)

②親に関すること

・実父母の離婚 ・別居. (C園)

・母親の養育方法.(C園)

・嫁の子育てへの疑問.(e園)

・嫁への不満.(e園)

・両親が全 く子どもの様子について話を して くれない.

(h園)

③子どもに関すること

・教育の可能性 (普通小に行けるか,話すようになるか.

(f園)

・将来の展望. (e園)

・遺伝等について.(b園)

・障害についての理解.(C園)

・障害の内容.(e園)

・遺伝するのか.(h園)

・障害のことについて (治るのか).(k園)

・子どもの障害の有無や程度について.(j園)

・子どもの言葉について.(i園)

次 に,祖父母 の ことでの親 か らの相談 内容 (自由

秋 田大学教育文化学部教育実践研究紀要

(3)

1 難聴幼児通園施設 (11園)の祖父母支援 にかかわる回答

1.祖父母や親か らの相談

・祖 父母 か らの相 談 の有 無

(これまで祖父母から相談を受けたことがあ りますか)

ィ .は い(有) 10/

口. いい え (無 )

・親 か らの相 談 の有 無

(これ まで祖父母のことで親か ら相談を受 けたことがあ りますか)

ィ .は い (有 ) ロ.い い え (無 )

2.祖父母支援 の必要性及び実施

・祖 父母 支 援 の必 要性

(祖父母に対 して貴施設 として何か具体的な支援 を行 う 必要性 を感 じてお られますか)

ィ .強 く感 じて い る ロ.感 じて い る ハ ,少 しは感 じて い る ニ .感 じて い な い

I/H 6/II

3/ll 1/ll

・祖 父母 支援 の実 施

(貴施設 ではこれ まで祖父母に対 して何か具体的な形で 支援を行っていますか)

ィ .は い ロ.い い え

*支援 内容 (複数 選 択 可) ィ .祖 父 母 向 け学 習会 ロ.相 談 が あれ ば個別 に ハ .祖 父 母 参観 日

ニ .敬 老 の 日に招 待 ホ .そ の他

・祖 父母 ・親 関係 困難 ケ ース対 応

(これまで祖父母 と親の関係が好ま しくない状況にある ケースに対 して何 らかの対応 を したことがあ りますか)

ィ .はい (有 ) ロ.い い え (無 )

10/ll WR

3.祖父母 の影響

・祖 父母 の存 在 :子 ども に と り

(一般的に言 って、障害のある子 どもに とり祖父母は ど うい う存在になっていると思いますか)

ィ .非 常 に好 ま しい影 響

ロ.好 ま しい影 響 4/ll

ハ . どち らか とい うと好 ま しい影 響 l/ll

二 .どち ら とも言 え ない 4/ll ホ . どち らか とい ●ぅと好 ま しくない影 響

へ .好 ま しくな い影響 1/ll

ト 非 常 に好 ま しくな い影 響

チ . そ の他 l/ll

祖 父 母 の存 在 :親 に と り

(一般的 に言 って障害のある子 どもの親 に とり祖父母 はどうい う存在になっていると思いますか)

ィ .非 常 に好 ま しい影 響 ロ.好 ま しい影 響

ハ . どち らか とい うと好 ま しい影 響 二 .どち らとも言 えな い

ホ .どち らか とい うと好 ま しくない影 響 へ .好 ま しくない影 響

ト.非 常 に好 ま しくな い影 響

11l1111111lJ‖川ⅦillJHⅦnHu2143

チ .そ の他 2/ll

・祖 父 母 の言 動 が 親 に非 常 に好 ま しくな い影 響 を 及ぼ した ケー ス の有 無

(これ まで同居か別居かによらず祖父母の言動が親に 非常に好 ま しくない影響 を及ぼ していると考え られ る ケースがありますか)

ィ . は い (有 ) 10/ 口. い い え (無 ) 1/ll

・祖 父 母 の言 動 が 親 に非 常 に好 ま しい影 響 を及ぼ した ケー ス の有 無

(これまで同居か別居かによらず祖父母の言動が親に 非常に好 ま しい影響 を及ぼ していると考え られ るケー スがありますか)

ィ . はい (有 ) ロ. い い え (無)

4.負担 の大 きな祖父母

(貴施設 には これ まで親 の側の事情によって子 どもの 養育に関わる負担が非常に大き くなってい ると思われ

る祖父母がいますか)

ィ . は い (い る) ロ. い い え (い な い)

*親 の側 の事 情 (複数 選 択 可)

ィ .離婚 に よ り子 どもを父親 が 引 き取 るが, 6/ 子 育 て に対す る父親 の 関 わ りが少 ない.

ロ.離婚 に よ り子 どもを母親 が 引 き取 るが, 7/ 子 育 て に対す る母親 の 関 わ りが少 ない.

ハ .離婚 に よ り子 ど もを父親 が 引 き取 るが, 父親 が病 気 に な る.

二 .離婚 に よ り子 どもを母親 が 引 き取 るが, 1/ll 母親 が病 気 に な る.

ホ. 両親 は い るが, 子 育 て に対 す る関 わ りが 3/ll どち らと も少 な い.

へ . 両親 が共働 き して い る.

ト. そ の他

*祖 父母 が して い る こ と (複 数 選 択 可) ィ .貴施 設 ‑ の送 り迎 え

ロ.貴施 設 で の療 育 ・指 導 ‑ の付 き添 い ハ .親 が仕 事 か ら帰 るま で の子 守 ニ.子育 て全般 を親 代 わ りで ホ . その他

l一1‑l1111一l..////(XUQ5ハXU

第25 2003年 41

(4)

記述.表3)には,子 ど もやその障害 につ いての祖 父母 の理解 の問題,祖父母 か らの責任 の言及,親 の 接 し方 に関す る祖父母か らの指摘,子 どもに対す る 祖父母 のかかわ り方,障害受容 の祖父 ・祖母間の違 いな どがあ る.

3 親からの相談内容

・理解が足 りない.(d園)

・障害理解の問題.(e園)

・障害児を生んだことの責任.(e園)

・祖父母に子どものことをどのように話 し理解 してもら えばよいのか.(h園)

・発達の遅れについて母親の接 し方を指摘された.(i園)

・祖父母間で障害の受容が異なる.(k園)

・祖父母の子どもへの関わり方.(k園)

・嫁姑間のよくあるトラブル.(k園)

(2)'祖父母支援 の必要性及 び支援

ほとん どの施設が,程度 の差 はあれ祖父母 に対す る支援 の必要性 を感 じている. そ して ほとん どの施 設 が, これまで実際 に具体的 な支援 を実施 している が,祖父母 と親の関係が好 ま しくない状況にあるケー スへの対応 も経験 している.

すなわち,11園中9園が祖父母 に対す る具体的支 援 の必要性 を感 じてお り ((少 しは感 じてい る」 の 2園 を含 む), その理 由 と して は (自由記述.表4), 親への協力や親 との相互理解,子 どもへの対応 や障 害理解,負担 が大 き くな ってい る祖父 母 へ の援助 , 支援観 (家族全体 の理解 と受容.e園) とい った点

に関わ ることが,挙 げ られている.

4 イからロのいずれかを選んだ理由

・保護者を支える上で必要.(a園)

・子育てへの影響九 (b園)

・祖父母が両親を直接 ・間接にカバー ・協力 したり,祖 父母の子どもへの対応で問題があったりする事例があ

るので.(C園)

・親戚家族の理解と協力が父母に必要なため.(d園)

・両親のみならず祖父母 ・兄弟 ・姉妹 も含め,家族全体 の障害の理解と受容の中での支援が重要と考えている から.(e園)

・祖父母にも障害理解が必要なため.(f園)

・母親が適所できないという場合に代わりに来る祖父母 への援助は重いものがあり,具体的な方法がとれてい

42

ない.(g園)

・療育に対して主に母親と意見の食い違いがある.(h園)

・子どもの療育に対 して否定的であったり,母親の育児 のやり方に責任を負わせる言動を母親が口にしており, 家族内での子育ての方針 (考え方)が一貫していない.

(h園)

・障害のあるお子さんの療育体制を整える上で,祖父母 の協力が必要な場合 もあるため.(i園)

・障害に対する理解を深め,子どもとの関わりを深める ことが必要と思われる.(k園)

次 に,11園中8園が祖父母への具体的な支援 を実 際 に行 な っているが, それ は 「祖父母か らの相談 に 応 じて個別 に」 とい う園が多 い.続 いて,祖父母参 観 日を設 けているところ も2園 あ った. その他 の内 容 は,家族参観 や運動会 な どの行事への参加 を祖父 母 に も案内す る (5園),家庭訪問 (2園),行事 に こだわ らず いつで も自由 な来 園 を勧 め る (2園), 家族研修会への参加 を呼 びか ける (2園)等である.

なお質問紙で は,具体的な支援 を行 な った感想 の記 述 も求 めているが,家族研修会への参加 を呼 びか け ている2園が, それぞれ 「家族全体 で子育 てに取 り 組 む姿勢 を得 ることに役立 ってい る と思 う.とか

祖父母 の参加 によ り全員 での支 え合 いが認 め られ, 障害理解 と偏見がな くな りつつ ある.両親,特 に母 親への思 いや りが深 まった.とい う感想 を記 して

いる.

さ らにほとん どの園 (11園中10園) が祖父母 と親 の関係 が好 ま しくない状況 にあ るケースに何 らかの 対応 を した ことがあ ると回答 して い る. 表5に は,

どうい う状況 にあるケースにどのよ うな対応 を した のか, その結果 や効果 を含 めて 自由記述 を求 めた も のであ る.

好 ま しくない状況 やその原因 につ いての具体的な 記述 は少 ない.一方,対応 につ いて は,来園 した と き (指導場面への参加 な どの呼 びか けによるものを 含 む)や,家庭訪問を して,職員が相手 と直接話 し をす ることが多 い. その際 に祖父母への具体 的な指 (b園)や関係者双方 の巻 き込 み (親 と祖母.e 園) を行 な っている園 もある.h園やk園 の記 載 か

らは,祖父母 に伝 え る情報 や話題 の適切 な選択 の重 要性 が示唆 され る.j園 の記述 は, 家 庭訪 問 が好 ま しくない結果 を もた らす こともあることを示 してい る.

秋田大学教育文化学部教育実践研究紀要

(5)

5 どういう状況にあるケースにどのような対応を した のか

*a

・一方の話のみを聞いて対応するのは片手落ちになるの で,カウ ンセ リング中心.

・祖父母の言動が親に非常に好ましくない影響を及ぼ し ていると考えられるケースに対 して,家庭訪問等を通

して祖父母 と知 り合い ・話 し合い (何度でも)理解を 得る.

*b

。指導の場面に参加を呼びかける.

。担任が家庭訪問をして具体的に指導 した.それによっ て理解 してもらい少 しずつ変わっていった.

*d

・父親を呼んで話 しをし,祖父母に伝えてもらう.

・来訪 してもらったり家庭訪問などにより,施設職員 と して直接働 きかけることがより説得力を有 した.

*e

・家庭訪問指導の実施 (朝か ら夕方まで家庭でのつき合 い方を親 とともに祖母 も巻き込んで実施).

*f

・ご両親がお子さんの障害受容不十分で,適切な対応が できず, しばらく祖父母宅に預けることを勧め,子ど もはずいぶん変わりましたが‑‑今後のことはわか り ません.

*g

・祖父母に来園 していただいて話 し合いをした.

*h

・ケースによっては信頼できる医療機関を紹介 して検査 の必要性を直接医師か ら話を してもらう.難聴につい ての話や補聴器の仕組みや効用などを話す.集団生活 (保育)の大切さとそこに参加するまでに大切 となる 子育て援助を話す.経済的な面では福祉の制度なども 説明.

・来園 して くれる祖父母は両親の子育てに対 して協力者 となってゆく場合が多いが,時に発達の遅れの子ども たちに触れて通園を好ましく思わないケースもあった.

・祖父母の方にも訓練の見学をしていただいた.親状を 説明 し原因なども話 して,今後の療育環境について話 したところ,少 しずつではあるが協力的になっていった

*i園

・家庭訪問を し,母親がいきいさと子どもと関わること ができるような協力をお願いした.

*j園

第25号 2003

・かえって祖父母に警戒心を持たれ母親がつ らい立場に 立たされた.

*k

・障害受容に関することで,行事などで来園 したときに 話 しを した.

(3)祖父母 の影響

1に見 るよ うに,子 ど もや親 に対 す る祖父母 の 影響 につ いて, 「好 ま しい と も好 ま し くな い と もど ち らと も言 えな い」 が11園 中4園 である.その他 は, どち らの場合 も, 「ケースバ イ ケ ー スで一 概 に言 え ない」 とい うもので あ った.

祖父母 の好 ま しい影響性 は,親 よ りも (11園中3

園)子 ど もに対 して (11園中5園) 向 け られて い る が,母数 が少 ないため断定 的 な ことは言 えない.

次 に大概 の施設 が,祖父母 の言動 が親 に非常 に好 ま しくない影響 (11園 中10園) や,逆 に非常 に好 ま しい影響 (全園) を及 ぼ して い るケースが あ ると回 答 して い る.質 問紙 で はその内容 につ いて も記述 を 求 めてお り, その結果 が表6と表7に記 されている.

非常 に好 ま しくな い影響 を及 ぼす祖父母 の言動 内 容 に は,子 ど もの障害 やその受容 に関す る こと ( 聴 を受 け入 れ られない.大 きな病 院で しっか りわか るよ うな検査 を.補聴器 な どみ っともない・‑‑耳 を 隠す よ うに.), 障害 の原 因 に関す ること (家系 には いない. こん な子 を生 んで.反対 してたのに結婚 し たか らこん な子 が.),親 の子育 て に関す る こと ( 父母 の過干渉.無関心.育 て方 が よ くな い とい う.

甘 やか して い る.子守 りばか りしないで家事 をす る よ うに.働 か ないで子 どもと遊んでばか りいる.等), 子 ど もへ の祖父母 のかかわ りに関す る こと (しつ け を厳 しくす る.),宗教 に関す ること (信仰 を強制 す る.信心 が足 りない.等),教 育 や保 育 に関 す る こ と (遅 れて い る子 ど もの中 にい るか ら成 長 しな い.

早 く親 か ら離 れて保育 園 に入 れ た方 が よ い.) な ど が あ る.

6 親への非常に好ましくない影響

*a

・難聴を受け入れ られない.

*b

・家系にいないと責めるような祖父母の発言 ・態度.

・母が子にエネルギーを注 ぐことで家庭の仕事がおろそ かになったと責める.

43

(6)

・子育てへの祖父母の過干渉.

・子育てへの祖父母の無関心.

*C園

・子の父または母の育て方がよくないと言 う言動.

・ナーバスな子にしつけを厳 しく (善意で)する祖母.

*d

・日頃か ら子どもに思いやりのある言動がない.

・帰郷ができない.

*e

・宗教的な立場か ら信仰などを強制すること.

・家系的な偏見.

*f

・家系にはいない.

・こんな子を生んで.(修復できないケースにまで発展 したケースは少ない)

*g

・うちの家系には‑‑という方 も中にはいらっしゃいま すが,それよりもお母 さんが自分では判断できず,周 囲のあらゆる人 (特に両家祖父母)の意見を聞いて動

き;堂々巡 りを して しまうことが多い.

*h

・母親の育て方が悪い.甘やか している. この子ばか り に手をかけているか らきょうだい (兄姉 ・弟 ・妹)が おか しくなる.(登園拒否 ・不登校 ・情緒不安 ・い じ め)

・一緒になるのを反対 したのに結婚 したか らこんな子が できた.

・もっと大 きな病院に行 って しっか りわかるような検査 を.

・補聴器などみっともないか ら人の目に触れるときはつ けないように.耳 は隠すように.

・遅れている子 どもの中にいるか ら成長 しない.

・早 く親か ら離れて保育園に入れた方がよい.

・若い人はみな働いている.働かないで子どもと遊んで ばか りいて.

・信心がたりない.本気でいっ もお願いしていない.お 守 りをっけていない.

*i

・「補聴器をつけたものはうちの家系にはいない」

・「家への出入 りはしないで くれ」 と言われ,母親が心 理的に不安定になって しまったことがある.

*j

・抱 き癖をつけないように,子守 りばか りしないで家事 をするようになど,母子の関わりが少な くなって しま

44

うようなことを母親に要求 していた.

*k

・家系に関すること.

・子育てに関すること.

一方, 非常 に好 ま しい影響 を及 ぼす祖父母 の言動 内容 と して は, 子育 てや家事 の面 で の親 へ の協 力 に 関す る こと (通 園 の手助 け.子 ど もの行事 へ の付 き 添 い. 日曜 日な ど子 ど もを扱 って くれ る.母親 が疲 れ た とき子 ど もの相手 を代 わ って くれ る.家事 を手 伝 って くれ る. 等) が最 も多 くあ げ られて い る. そ の他 に は,子 ど もに対 す る祖父母 のかか わ りに関す る こと (ゆ った りと遊 んで くれかわ いが る. 祖父母 と して何 が してやれ るか と考 えて くれ る. 等 ), 障 害 の と らえ方 に関 す る こと (「そ の子 の特 技 」 と プ ラス思 考.),親 や家族 へ の理解 (この子 のお陰 で よ い母親 になれ た ね. 家 族 が協 力 で きて よか った.) な どが あげ られて い る.

7非常に好ましい影響

*a

・通園の手助け, きょうだいの世話を積極的にして もら える.

*b

・両親の子育てへの協力 ・激励.

・子どもへの直接的関わり.

・経済的支援.

・地域社会参加の贋の積極的支援.

*C園

・社会的に未熟な母親に代わって (支えて)孫の養育 ・ 送迎 (通園)に当たっている.

・難病の母親の代わりに祖母が遠距離を来 るまで送迎 し ている.その結果祖母 (嫁方 ?)の障害や施設への理 解,祖母 と嫁のコミュニケーションも増えた.

・行事の際,父方 ・母方の祖母が交代で付き添い,協九 (姉妹 ともに問題のあるケースで,母親 も機転が利か ない傾向)

*d

・祖父母 も含んできょうだいがその子を中心に温か く協 同体制をとって くれている.

・母親 も気を通わな くてよい.

*e

・障害を 「その子の特技」 と考えるようなプラス思考.

*f

秋 田大学教育文化学部教育実践研究紀要

(7)

・この子のお陰でよい母親になれたね.

・家族が協力できてよかった.(卒園式の家族 スピーチ の中で祖父母が読んだ内容)

*g

・体の弱いお母さんには常にどちらかのおばあさんが付 き添 っていらしたり,自然にやっていらっしゃるので すが,たぶん大きな励ましだと思います.

*h

・子どもと時間をかけてゆったりと遊んで くれかわいが る.近所の人や親類にも隠 したりしない.

・毎日育児で大変だか らと日曜日など自分か ら子どもを みているから,気晴 らしや用を足 しておいでといっも 子どもを扱 って くれる.

・兄弟の幼稚園や学校の行事等は必ず行 きなさいと声を かけて くれ,子どもをみて くれる.

*i

・好ましい影響を及ぼしているケースはありますが, ど のような言動かは確認できていません.

*j

・祖父母 として子どもに何が してやれるかと考えて くれ る.(実父母)

・母親が疲れたとき,黙 って子どもの相手を代わって く れる.または家事を手伝 って くれる.(実父母)

・子どもの将来を考えその面で母親を リー ドしてくれる.

(実父)

*k

・励ましに関すること.

・家事や子育ての援助.

・通園の援助

(4)負担 の大 きな祖父母

どの園 も,親 の側 の事情 によ って子 ど もの養育 に かかわ る負担 が非常 に大 き くな って い ると思 われ る 祖父母 が これ まで い ると,答 えて い る. その事情 と して,離婚 によ り子 ど もを父 親 が 引 き取 るが父 親 のかかわ りが少 ない」,「離婚 によ り母親 が引 き取 る が母親 のかかわ りが少 ない」,「共 働 きを して い る」

を半数前後 の園が あげて い る. 「両 親 はい るが子 育 て に対 す るかかわ りが どち らと も少 ない」 ために祖 父母 へ の負担 が非常 に大 き くな って い るケ ー ス も,

3園が経験 して い る. 「その他」 も2園 が選 択 して い るが, その内容 はそれぞれ, 「母 親 の病 気 や母 親 の重複 障害 (a)」,「母 親 の妊 娠 ・出産 期 間 の付

き添 いはか な り多 い (f園)とな って い る.

第25 2003年

次 に,祖父母 が実際 に どの よ うな ことを して い る のかみ ると, 「施 設 で の療 育 ・指 導 へ の付 き添 い」

(11園中9園) や 「通 園施設 へ の送 り迎 え」(11園 中

8園), 「子育 て全 般 を親 代 わ りで」 (11園 中8園 ) が多 く選択 されて い る. 「親 が仕 事 か ら帰 るまで の 子守 り」 も,半数 はどの園 があげて い る.

最後 に,負担 が非常 に大 き くな って い ると思 われ る祖父母 に対 して, 園 と して何 か特別 な配慮 や支援 を行 な って い ることの記述 を求 めた結果 が表8に記 されて い る (11園中7園記述). 家 庭 訪 問指 導 , 行 事 や保護者研修会,指導 へ の参加案 内,福祉的 ・社 会 的 サ ー ビスの紹介 とい った支援 の他 に, 「祖 父 母 が理解 しやす いよ うな説 明」,「ね ぎ らい と励 ま しの 言葉」,「愚痴 を聞 く」, 「身体 的 に負担 とな りそ うな 活動 はで きるだ け職員 が援助,年齢差 のあ る他 の 子 の母親 な どと一緒 の話 し合 いや座談会 の時 は話 し やす い雰 囲気 に もって い く」 とい った配慮 が記 され て い る.

8 負担の大きな祖父母への配慮や支援

*C園

・祖父母が理解 しやすいような,子どもの状態の説明.

・祖父母へのねぎらいと励ましの言葉.

・担当以外の職員の共通理解の醸成.

・行事 ・保護者研修会等への誘い.

*d

・父母同様の指導で行い協力 してもらっている.

*f園

・家庭訪問指導.

・指導 日の付き添い (母親 と同 じ体験).

・行事への誘い.(他児や上の子の成長を見 ることで可 能性への期待を持っ)

*g

・おばあちゃんの愚痴を聞 くことや利用できる福祉サー ビスの紹介 ぐらいしかできません.

*h

・身体的に祖父母にとって負担 となりそうな活動はでき るだけ職員が援助 していく.

・年齢差のある他の子の母親などと一緒の話 し合いや座 談会の時は職員が配慮 して話 しやすい雰囲気に持 って いく.

・ショー トステイや一時預かりなど公的な社会資源を紹 介 し,利用を勧める.

*j園

45

(8)

・家庭訪問等何度かの話 し合いの上で,聾学校への入学 を勧めた.家族 と してのバ ランスをとることが大切 (兄姉 もいるので) との視点で.

*k

・訓練まで同室時に配慮する.

3. 考察

難聴幼児通園施設 に対す る質問紙調査の結果 ( 1),多 くの通園施設が祖父母 に対 す る具体 的 な 支援の必要性を感 じていること, そ して これ まで, 祖父母 と親 の関係が好 ま しくない状況 にあるケース への対応 も含めて,祖父母 に対 して実際に支援を行 なっていることが明 らかにならた.

支援 は,親を介 しての間接的な もの以外 に,希望 に応 じて園であるいは施設側か ら家庭 に赴 いて個別 に相談を行 な う,祖父母 に指導場面の見学を呼びか ける,祖父母参観 日を設 けるというように,様々な 直接的な取 り組みが認め られた.反面,園への訪問 中に他の障害の子 どもたちに触れて通園を好 ま しく 思わな くなったケースがあ った り (h園), 祖父母

に警戒心を持たれ母親がつ らい立場に立たされたケー (j園) もあげ られてお り,祖父母支援 は様 々な 要因に配慮 して慎重 に実施す る必要があることが示 唆 され る. ちなみにその要因 としては,例えば,祖 父母の健康や生活の状況,祖父母の心理や関心,悼 害 についての理解や知識の レベル,祖父 ・祖母間の 日頃の関係や子 どもの受容状態の差違,祖父母 と親 の関係,祖父母 と子 どもの関係,支援の必要性の緊 急度 といった ものをあげることがで きよう.

多 くの親たちと同様 に,祖父母 もまた障害のある 子 どもたちと出会 った り障害について学んだ りす る 機会 はほとん どなか ったであろう.世間体 という意 識 に縛 られて増長 される,障害のある子 どもが身内 にで きて しまった ことへのとまどいや恥の意識 も存 す るであろう.そ して, これ らの ことも影響す ると 思われるが, たいがいの祖父母 にとって,障害のあ る子 どもを受容す るということはかな り多難な こと であ り,親 と同様, あるいはそれ以上 に長 い期間や 多様な段階を要す るものと患われる. その内容や複 雑 さを推定す るには短 い文章であるが,h園や j園 か らはいずれ も祖父母の心理状態の一端 (例 えばh 園のケースでは,子 どもの障害を認 めた くない気持 ち.j園のケースでは,子 どもの ことを他人 に知 ら れた くない気持 ち.他人への不信 や警戒心.) が う

46

かがえるし,祖父の支援 に際 しての祖父母の心理の 把握 の大切 さが示唆 される.

一方,祖父母 との実際のかかわ りでは,祖父母 と 知 り合い何度で も話 し合 い理解を得る (5,a園), 祖父母 が理解 しやす いよ うな説 明 (8,C園), ね ぎらいと励 ま しの言葉 (8,C園), 年齢差 の ある他の子の母親などと一緒の話 し合 いや座談会の 時 は職員が配慮 して話 しやすい雰囲気 にもってい く (8,h園) といったよ うに, 支援 す る側 の辛抱 強 さや細やかな配慮,気配 りといった ものが必要で あることが示唆 される.

なお今 日,パ ソコンなどの情報機器が高齢者を含 む広範な世代で利用 されている.パ ソコン (メール 通信, ホームページの利用を含む)を通 して祖父母 が求める情報 (例えば,子 どもの障害や進路,教育, 福祉など)を施設が提供 ・紹介 した り,祖父母か ら の相談 に応 じた りす るということが,決 して希な こ とではな くなるか もしれない. ちなみにこの ことと 関連 しては,適切な情報の提供」 とい うことが一 つの課題 となるであろう.障害 に関わるホームペー ジ (今 日,その数 は膨大な ものであ る) を含 めて, 多大かつ多様な情報の提供 によって,祖父母の不安 や祖父母か らの親 に対する要求や注文を逆 に膨 らま せて しまうことがないよう,留意す る必要がある.

平成14613日のある新聞 (東京新聞) は,学 習障害の子 どもなどを対象 としているある学習塾が 算数 ドリルを作成 したという記事を,一 ケ月 ほど前 に掲載 したところ,400件 ほどの電話が殺到 したが, その約1割 は祖父母世代か らの ものであったと告 げ ている.障害のある子 どもとともに,その親 (祖父 母 にとっては娘や息子)を助 けたい,親の役 に立 ち たいといった強い願 いに根 ざす場合 もあろうが,障 害のある子 どもに対す る祖父母の 「教育的関心」や

教育的関与は,今後 ますます増長 して い くもの と予想 され る.そのことで親や子 どもに大 きなス ト レスがかか らないように,何 よりも祖父母が愛情 と ゆとりを もって子 どもに接 し, またその子 どもな り の成長を喜 びを もって受 け止めて くれるような存在 となることを重視 した支援が,重視 されねばな らな いだろう.

最後 に研究1では, ほとん どの施設が,祖父母の 言動が薫別こ非常 に好 ま しくない影響や,逆 に非常 に 好 ま しい影響を及ぼ していると考え られる,双方の ケースを これまで経験 していると回答 した. また,

秋 田大学教育文化学部教育実践研究紀要

(9)

どの施設 に も,親 の側 の事情 によ って子 どもの養育 にかかわ る負担 が非常 に大 き くな っていると考 え ら れ る祖父母 が これ まで いることが明 らか にな った.

双方 のケースにつ いて も,負担 が大 き くな っている と考 え られ る祖父母 の存在 につ いて も,各施設 にお ける例 えば各年度 の頻数 のよ うな もの は,今回 は明 らか に しなか った.

子 どもに障害があ る場合 に限 らず,十代 での妊娠 や親 の ドラッグ,離婚 による母親 や父親 との別離 な どによ って, アメ リカで は親 に代 わ る主 た る養育者 と して の祖 父母 (grandmothercaregiver,custo dialgrandparents)の役割 が見 直 されつ つ あ る.

そ してその役割 の実態把握 とともに, そのよ うな状 況 にあ る祖父母 の心理 の究 明や心理面へのサポー ト

も進 め られつつあ る(4)I(5)

就学前 のみな らず, それ以降 の中学 生 や高校 生, 時 には学校卒業後 も,祖父母 が 自分 の健康 や老 い先 に大 きな不安 を抱 えなが ら子 ども (孫) の世話 を親 に代 わ って担 い続 けているケースは,我 が国の障害 のあ る子 ど もにつ いて も散見 しうる. このよ うな実 悲 (祖父母への身体的 ・精神的負担 を含 めて) が ど れ ほどの ものであ るか につ いて,通園施設 の域 を超 えた広 い把握 が急 がれよ う. また, このよ うな祖父 母 に対す る支援 やその充実 が,通園施設 の中で は も

ちろんの こと,教育,医療,福祉,行政 を含 む広 い 分野 において,長 い時間 のスパ ンで,家族支援 の重 要 な部分 と して,図 られてい く必要 があ る.

研究2:祖父母 に対す る面接調査

1. 対象者

秋 田市 内の通 園施設 (0園) へ の子 ど もの送迎 (週一 回) を続 けている祖父母4名. どの子 どもも地 元 の保育園や幼稚園 に も通園 しているが, その送迎 も祖父母 が担 ってい る.0園 は定員30名 の難聴幼児 通園施設 であ るが, その8割 ほどには,聴覚 で はな く発達 に遅 れやつ まず きが認 め られ る.199611 に,施設 で子 ども (孫) が指導 を受 けている間,1 時間 はど別室で面接 した.

その内容 は①告知間 もない頃の心境,②子 どもに 対 す る日頃の思 い,③専門機関 (0園) との関わ り への感想,④専門機関 による祖父母支援 につ いての 意見, の4点 であ る.④ につ いて は,祖父母 の意見 を聞 く前 に,海外 には祖父母 同士 の話 し合 いや学習

25 2003

を含 む祖父母支援 の実践例 (例 えば, ア トランタス ピーチスクール(6)や ワシン トン大学児童発達 セ ンタ

I (7)での祖父母 同士 の話 し合 いや学習を含 む ワー ク シ ョップ) が認 め られ ること(8)をまず伝 え, そのよ うな専門機関 による支援 につ いての考 えを求 めた.

回答 や, それ以外 の筆者 との談話 において, どの 祖父母 に も子 どもを拒否す るよ うな発言 や表情 は認 め られなか った. また,子 どもや親 の こと, さ らに 自身 の ことで普段悩 んで いることや心配 しているこ とにつ いて筆者 か ら助言 や情報 を得 たい との強 い意 向が どの祖父母 に も感 じられ,面接時間の半分 ほど は筆者 の方 が相手 の質問 に答 えていた.

Aさん (祖父,66歳). 自営業. 子 ど も5歳 . 発 達 の遅 れ.子 ども ・子 どもの両親 ・祖母 との5人家 族.祖父 が他市か ら車 で片道2時間運転 しての通園.

母 は無 口.

Bさん (祖父,60歳半 ば). 無 職 . 子 ど もは5 10ケ月で ダウ ン症.両親 は共働 き (別居).

Cさん (祖母,56歳).無 職 . 子 ど もは43 月.発達 の遅 れ.子 ど も ・母 (祖母 の実子) ・祖父

との4人家族.母 (子 どもが3ケ月 の時 に, ギ ャン ブル好 きの父 と離婚) は就労 しているが,「ば‑ちゃ んの子 だか ら」 と子育 て は祖母 に預 け気味.他町か

ら車 で片道1時間 ほどを運転 して通園.

Dさん (祖父,60歳半 ば).無 職 . 子 ど もは5 で, 自閉症 と知的障害.3歳前 に離婚 した父 (祖父 の実子) は他 の町で単身生活.普段 は,子 ど もと祖 母 との3人暮 らし.

2.結果

(1) 告知間 もない頃の心境

Aさん

まったく予想 しなっかた. こういう結果になろうとは まったく考えなかった.最初 自閉症があるのかな‑, と 疑ったりもした. で も最初にはい くらかはあるんだな,

ショックが.でも明るくて表情 も明るくてそんなに心配 することはないんじゃないかと思 っていた.

自分の友達には,自分か ら言 うこともない し,別に言 われなかった.別に見た目で変わ ったような状態ではな いので,大丈夫なんではないかなと思 っていたし.

Bさん

ともかく夢にも思わなか った, こういう子 どもが生 ま れてくるということは.出発点はそこなの.

生まれた時,母の次に家族で見た. あれ って思 った.

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(10)

今 まで生 まれた孫たちとは遵 うな, つていう感 じだ った.

親より早 く気づいた. ちょっと異常 だ と思 ったの. その うちに目のあたりに特徴が出て 「あー」 と思 ったの. 付 近にダウンの人が住んでいたか ら.

真 っ暗な所で夫婦二人で泣 いている. あれ見て, 大変 だなと思 った.私たちさえ シ ョック感 じるのに, 親 たち だ ものなおさらだ.かわいそ うに思 い, ど うにか してや んねばなあと思 った.親が買 った本見れば大変 だ. 脚力 や腕力がないとかマイナスの ことば っか し. 困 って しま う. どうして も暗い方に頑がい く. で も今 は, その分か えって孫 の発達 ・成長 を書べたのかな と思 う時 もあ る.

うちの孫なんか本 とは違 うもの. 私 は左手 おばあち ゃん は右手を握 ってぶ らさげたり.愛情 もって.

Cさん

病院で 「遅れてます」 と言 われた ことはあ るけど, ど こで ももう少 し様子を見ま しょうと. 生後3ケ月頃の母 の離婚が孫に影響 してるのかな と思 った り, 関係 ないの かな‑と思 ってみたり.

Dさん

とにか くよ く泣かれるのが大変 だ った. ほとほと困 っ て しまった.最初,何でこうな ったか と, 母親 を責 め る 気持ちも強か った. どうや った らためにな るか障害 の こ とわか らず戸惑 う. こうい う子 との出会 い も初 めてだ っ たので.

Aさん は 「予 想 しなか った」,Bさん は 「夢 に も 思 わ なか った」 とそ の心 境 を述 べ て い る. 一 方 , 鷲 きや シ ョック, 戸 惑 いの中,Aさん は子 ど もの表情 の明 る さに育 ちの可 能 性 へ の希 望 を兄 い出 し,B ん は, 子 ど もの両 親 が悲 嘆 に くれ る状 況 に共 感 しつ つ も,「ど うにか して やん ね ば な あ」 と援 助 者 と し て の役 割 を強 く自覚 して い る.Bさん は,子 ど もの 障 害 (ダ ウ ン症 ) に関 す る本 を読 み, そ の悲観 的 な 内容 に戸 惑 いっ つ も, そ の ことで か え って現 実 の子 ど もの (悲 観 的 内容 を打 ち消 す か の よ うな) 発達 を 書 べ た と も述 べ て い る. C さん とDさん は, 子 ど もに対 す る親 の離 婚 の影 響 を懸念 した こと もあ る と 述 べ て い る. 特 にDさん は母 親 を責 め る気 持 ち も 強 か った と述 べ て い る.

(2)子 ど もに対 す る 日頃 の思 い等 (丑Aさん

特別視せず,一緒に生活 してい く家族 の一員 と してで きることな らなんで もや らせたい. いろんな ものを見せ

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教え られるものな ら教えて, 社会 に触 れ させたい. 足 が 悪いが車な ら運転できる.保育園や 0園への送迎 は大変 なこと.なん とか成長 して ほ しい とい う気持 ち. その足

しになれば,大変でない.

とにか く多 く子 どもが集 ま っている所へ出 したい. 楽 しく遊ぶ中で, 自分の必要 な ものを子 ども自身が と らえ てい く.

孫ゆえに広い視野を持てた. 障害のあ る子 ど もに関心 を寄せ られるようになった.

Bさん

数年前, 孫 をおんぶ して歩 くお じいち ゃん は私 だけ.

この頃おんぶ して歩 くお じいち ゃん, 見か ける. 私が先 駆者なの.運命 は決 まって るか ら, 孫 たちと暮 らすのが 一番楽 しい.

思いや りがある子でな,すぼ らしい. お菓子 あげて も

「お姉ちゃんの分 は?」 と必ず言 う.思いや りがぼー っと 上にに じみでて,その子なりの精神がよくなってる.

本当の喜怒哀楽が初めてわか った感 じ. 健常児 や普通 の生活, 自分の子育てで感 じたの とは全然違 う. 小 さな 成長に大 きなよろこび.将来を思 って大 きな悲 しみ.

あの子 は, どこで もいい人 に恵 まれて. その点 は本 当 に幸せだと思 う.

神様 と同 じような気持ちなんだな.嫌ならいや ってはっ きり言 うしな.本当に純粋 で. 普通 の子 は大人 の顔色 う かが ったりする年齢だけども,それがないものな.

死ぬまで一緒に遊んで, この世のつとめを終 わ りたい.

Cさん

一歩で も進んでいって もらえれば と思 う. 朝起 きて入 浴,寝 るまでの間ず っと私の仕事.

Dさん

ワンクッションある.殆 ど親代わ りだが,「この子 おか しい」 と誰かに言われて も 「自分 の責任で はない」 と逃 げ られる部分 ・冷静になれる部分がある.少 し我慢す る.

遠慮 もある.甘い.手をか けて しま う. で も親 みた くは 叱れない.期待 も大 きくな りがち.

自立を妨げているのでは. 私 らの育て方 に片手落 ちが あるのでは.母のことをいっか聞かれた らどう対応す る か.

母への不信感,母か らの疎外感 が孫 に大 き く影響 して いるはず.将来 どうなるか. 人 とどれ ほどかかわれ るよ うになるか.孫が泣 くと,つ い相手方 (母方) にぶつ け た くなる.

どの祖 父 母 も, 足 の不 自由 さな ど健康 上 の心 配 を

秋 田大学教育文化学部教育実践研究紀要

表 1 難聴幼児通園施設 ( 1 1 園)の祖父母支援 にかかわる回答 1 .祖父母や親か らの相談 ・祖 父母 か らの相 談 の有 無 (これまで祖父母から相談を受けたことがあ りますか) ィ .は い( 有) 1 0/ 目 口

参照

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