秋田大学教育学部研究紀要 教育科学部門
53pp.45‑53. 1998障害児 の祖父母 につ いての研究
一 同居の父方祖母 に対す る母親 の意識を中心 に一
今 野 和 夫
GrandparentsofChildrenwithHandicaps
I Mothers'ViewsonPaternalGrandmothers‑
KazuoKoNNO
Grandparentsoftenassumerolesandfunctionsthatpromotethehealthanddevelopmentoftheir grandchildrenwithhandicaps. Butlittleformalattentionhasbeenpaidtoaslgnificantcomponentof theextendedfamily:grandparents.
Thisstudyinvestlgatedthemothers'viewsonpaternalgrandmothers.Mothersofchildrenwith handicapsandmothersofnormalchildrenrespondedtoaquestionnaire.
Theresultssuggestedthatmothersofchildrenwithhandicapshadmorenegativeviewsontheir relationshipswithgrandmothersandgrandmothers'relationshipswithchildrenthandidmothersof normalchildren. Theimplicationsortheseresultswerediscussedintermsofformalsupportservices forgrandparentsofchildrenwithhandicaps.
要旨 :祖父母は,障害のある子ども ( 疏)の健康と発達にとりいくつかの役割を果たし,また貢献 していると考えられる。
しか し,拡大家族の重要な成員である祖父母に対 して, これまで組織的な研究はほとんどなされていない。
本研究は,子どもにとって父方の祖母に注目し,同居の父方祖母に対する母親の意識を明 らかに しようとした。
障害児をもつ母親たちと障害のない子どもをもっ母親たちに質問紙が配布され,回答が求められた。
その結果,祖母 と自分の関係や,子どもと祖母の関係について,障害児をもっ母親たちは非障害児の母親たちよ りも総 じてネガティブな意識を持 っていることが示唆された。研究結果は,障害児の祖父母に対す る専門機関にお ける支援の必要性やそのあり方とも関連させて,考察された。
Ⅰ
は じめ に
同居 ・別居 の どち らで も,祖父母 と障害児 やその親 と のかかわ りが
20年 を越 え る ことが決 して珍 しくない今 日 で あ る。一方,我 が国 には , 「おばあ さん子 は三文安 い」
とい うことわ ざがあ る。舜地
(1968)1
)紘, これを引用 し つつ,孫 との関係 が密 にな ると特 に障害児 の場合 は問題 が生 じやす い と指摘 して い る。 また溝上
(1979)2
)は,障 害児 の家族研究 の中 に祖父母 ( 祖父母 と障害児 の関係や, 祖父母 と両親 の関係) を位 置づ け る ことの必要性 を指摘
して い る。
ところで, これ らの指摘 がな されてか ら久 しいが,我 が国 にお いて, 障害児 の祖父母 に着眼 して得 られた研究 成果 は きわめて少 ない3 ) 。 す なわち例 え ば, 子 ど もに障 害 が あ る場合 の祖父母 ・子 ど も間 や祖父母 ・親 間 の関係 ない し相互影響性 とか, その関係 が他 の家族員 に及 ぼす
45
影 響 が明 らか にされて いない。 また,子 ど もに障害 が あ ると知 った ときの祖父母 の心理 やその変容過程 とか, そ れ らに影響 す る要 因 の究 明 もな されて いない。 さ らにい くつかの著書 で は, 障害児 の祖父母 と りわ け父親方 の祖 父母 が, 障害 のあ る子 ど もが生 まれた原因 を母親側 に押 しつ けるス トレッサ ー と して言及 されて い るが, この点 に関す る ものを含 めて, 障害児 の母親 たちが祖父母 に対 して どの よ うな意識 を持 って い るのかを広 く把握 しよ う との試 み もな されて いない。
一方, ノーマ ライゼー シ ョンや地域福祉 の理念 の普及
とともに,福祉 や教育等 の専 門機関 にお け る家族支援 に
つ いて,母親 とと もに父親, き ょうだ い,祖父母 とい っ
た家族構成員 や, その成員 間 の関係 を含 む, いわば家族
全体 を配慮 した支援 の必要性 を指摘 す る声 が広 が りつつ
あ る4 ) 。 ちなみ に国外 には,専 門機 関 にお け る家 族 支 援
の一環 と して,祖父母 たちへ の出会 い の場 の提 供 とか,
孫 の障害 や受 けて い る教育 に関す る情報提供 とい った内
秋 口大学教育学部研究紀要 教育科学部門 第53集
容で,祖父母への直接的な支援を試みている例を少数 な が ら認 めることがで きる5)6)。 その実施者たちは,心理面 や情報面での祖父母への支援が,障害児 とその家族 に対 す る祖父母 の支援力を高めると考えているが, この点 に ついての客観的な評価 は提示 されていない。 また,祖父 母への支援を実施す る際に生 じやすい問題や,実施上の 留意点 について も,言及 されていない。一方,我が国で は,専門機関の行事や送迎 に祖父母が伴 う姿 はよ く見か けるが,祖父母への直接的な支援 を計画 ・実施 している 機関 はまだないものと思われる。
本研究では,母親 にとって一般的には祖父 よ りも身近 な存在 と言える7)祖母 について,障害児 の母親 が どの よ うな意識を抱 いているかを,子どもの障害 についての認 識や関心 とか,祖母 に対す る専門的支援 の必要性 に関す るものを含 めて,多面的かつ包括的に捉えることを主た る目的 とす る。
なお今回の研究では,核家族 の母親ではな く,状況か らして母親や子 どもとの接触が時間的に も頻度的にも多 いであろう祖母,つ まり父方祖母 (母親 の義母) と同居 す る母親 の意識 に,特 に注 目す る。
また,得 られた結果を手かか りとして,障害児を孫 に 持っ祖父母への専門的支援のあ り方 について言及 したい。
Ⅱ 方法
1.質問紙調査
子 どもの障害名,子 ども ・母親 ・祖母 (母親方 と父親 方)の年齢,家族数,家族形態,別居 の祖母 (母親方 も しくは父親方) とのかかわ り頻度,子 どもの障害の祖母 (母親方 と父親方)への告知者,子 ど もの ことでの母親 の気軽 な相談相手,祖母か ら母親への支援内容等の事項 への記入 に加え,以下 の領域 に位置づ け られ る47の文章 (表2参照) について,共感す る場合 (現在 の気持 ちや 考え と同様) に母親 に
○
印を付 けて もらった。すなわち,・祖母 と子 どもの関係。
・祖母 と自分 (母親)の関係。
・祖母の相談相手の存在 ・必要性。
・障害 に関す る祖母 の認識 ・関心。
さらに,祖母 との大 きな トラブル (その有無 や原 因, 祖母 ・母親関係への影響) に関す る質問 と, 自分の祖母 や障害児を孫 に持つ一般 の祖父母 に対す る専門的支援 の 必要性 に関す る質問が,補足的に設 け られた。
なお本研究で は,非障害児の母親か らも,直接該当 し ない文章 (表2参照)以外の文章 に対す る共感の有無 が 得 られた。
2.対象者 (母親)
1)障害児の母 (障害児母群30名)
職員を通 して,秋 田県内の通園施設 (2園) に子 ど も とともに通 って い る母親 に調査へ の協力 が求 め られ, 101名 (92%)か ら回答が寄せ られた。 その中で父方祖 母が同居す る母親 は30名 (29.7%)であ り, うち16名 に は祖父 も同居。 なお別居の母方祖母 (1名 については既 に死亡) とのかかわ り頻度 は多 い順 に,月 1, 2回が12 名 (41.4%),週1回 くらい6名 (24.1%), 年3,4回
くらい5名 (17.2%)などとな っている。
母親 の平均年齢 は35.0歳 (25歳 か ら48歳), 子 ど もは 60.43か月 (2歳7か月か ら7歳3か月), 父方祖母 は 65.7歳 (50歳か ら77歳),母方祖母 は62.8歳 (49歳 か ら77 歳)である。子 どもの障害 は精神発達遅滞が半数ほどで, その他 は自閉症,聴覚障害,言語障害,言葉 の遅れなど である。
なお,子 どもの障害 について祖母 に告知す るとい う役 割 は母親 に偏 ってお り,特 に別居の母方祖母 (実母) に 対 しては
,
「父親 は同席せず母親が一人で」(21名, 72.4%) と 「父親 も同席 して母親 が」 (5名, 17.2%)で9 割を占めている。一方父方祖母 に対 して は
,
「父親 は同 席せず母親が一人で」(33.3%,lo宅) と 「父親 が同席 して母親が」(16.7%,5名)を合 わせ る と5割 で あ り, 他 には 「母親 は同席せず父親が一人で」が4名 (13.3%),「母親 も同席 して父親が」が8名 (26.7%)とな って い る。知 らせていない人 も
3
名 いる。さ らに,障害児母群 の場合,相談相手がいないとす る 1名を除 く29名中,子 どもの ことで気軽 に相談 で きる人 として多 く挙 げ られているのは (複数選択可), 夫 (20 名 :69.0%)と通園施設等専門機関の職員 (19名 :65.5
%)であ り,ついで障害児を もっ友人 (11名 :37.9%), 母方祖母 (9名 :31.0%),母親の きょうだい (同), 父 方祖母 (7名 :24.1%), 障害 のな い子 ど もが い る友人 (同) などである。夫 とともに通園施設等専 門機関 の職 員が,母親 の重要 な相談相手 になっている。
2)非障害児の母 (非障害児母群23名)
秋田市内の‑幼稚園の非障害児 を持 つ母親205名 (回 収率73%)であ り, その中で父方祖母同居の母親 は23名 (ll.2%)一障害児母群 よ りも比率 的 にか な り少 ない‑ 0
別居 の母方祖母がいるのほ22名。母方祖母 とのかかわ り 頻度 は多 い順 に,月 1,2回が8名 (36.4%), 年3,4 回 くらい6名 (27.3%), 週1回 くらい3名 (13.6%), 年 に1回 くらい (同)等である。母親 の平均年齢 は35.6 歳 (29歳か ら43歳),子 ど もは65.1か月 (3歳8か月 か
ら6歳8か月),父方祖母 は64.2歳 (53歳か ら72歳), 母
今野 :障害児の祖父母についての研究
方祖母 は
63.9歳
(56歳 か ら
79歳) で あ る
。3)
祖母 か ら母親 への支援 内容
祖 母 ( 以下,特別 の言及 が ない限 り,母方祖母を指す) が母親 にいっ も して くれて い ることを問 うた ところ ( 複 数選択可 ),表
1に見 るよ うに,両 群 と も 「代 わ りに子 ど もを見 て くれ る」 とい った育児 の代替者 的機能 が
70%を越 え る高 い選択 率 で あ った。 以 下 , 障 害 児 母 群 で は
「 役立 っ情報 や知識 を伝 えて くれ る
(36.7%)」 , 「代 わ り に買 い物
(30.0%)」等 で あ り, 非 障害 児 母 群 で は 「代 わ りに買 い物
(43.5%)」 , 「相 談 相 手 に な って くれ る
(34.8%)」 , 「代 わ りに, 教 育 機 関 へ送 迎
(34.8%)」 等 で あ る
。表
1祖母から母親への支援 単位 % ( 人数) 障害児母群 非障害児母群 代わりに子どもを見てくれる
70.0(21 )
73.9(17)役立っ情報や知識をあなたに
伝える 代わりに買い物
あなたをを励ます
子どもへの接 し方について助 言する
あなたに経済的援助 代わりに、教育機関へ送迎 あなたの相談相手
代わりに、病院に連れていく その他
36.7
( ll)
26.1(6) 30,0(9) 43.5(10) 20.0(6) 4.3(1 )
20.0(6) 8.7(2) 20.0(6) 13.0(3) 20.0(6) 34.8(8) 16.7(5) 34.8(8) 10.0(3) 13.0(3)0 8.7(2)
( 症)障害児母群
30名,非障害児母群
23名
Ⅲ 結果
以下 の
1か ら
4につ いて は,表
2を参照 して い た だ き た い。
1.
祖母 ・子 ども関係
( 1 ) 子 どもに対す る祖母 の思 いにつ いて
「 祖母 は子 ど もがか わいい と思 って い る」 と 「 子 ど も を家族 の大切 な一員 だ と思 って い る」 に対 して, 障薯児 母群 で は,非障害児母群 と同様
,60%を越 え る比較 的高 い共感率 が示 されて い る。
障害児母群 にお け る 「その子 な りのペ ースで育 てば よ い と思 って い る
」 (43.3%), 「祖 母 は子 ど もの た め に い つ まで も元気 で いたい と思 って い る
」 (36.7%), 「子 ど もに感謝 して い る」
(13.3%), 「子 ど もを人 に 自慢 した く思 って い る」
(10.0%)へ の共 感 率 は, 非 障 害 児 母 群 とさほど変 わ らない。
一方, 障害児母群 にお け る 「 祖母 が子 ど もの将 来 を心
配 して い る」 に対 す る共感率 は
43.3%, 「子 ど もが か わ いそ うと思 っている」に対 す るそれ は
33.3%と,いず れ に つ いて も
5割 に満 たない共感率 で あ るが,非障害児母 群 で は前者 に対 して
8.7%ときわめて少 な く
(x 2‑6.09,df‑ 1 , p
< 0.025),後者 にい た って は誰 も共 感 を示 して いない
(x2‑7.40,df‑ 1, p< 0.01)。 これ ら二 つ の 意識 は, 障害児 の母親 に とりわ け顕著 な もの といえよう。
なお , 「祖母 は子 ど もが同 じ年齢 の子 ど もに はや く追 いっ いて ほ しい と思 って い る」 とい う障害児母群 にのみ 設定 されて い る文 には, その
4割 が共感 を示 して い る。
( 2) 子 どもに対 す る祖母 のかかわ りにつ いて
「 祖母 は子 ど もの小 さな進歩 も喜 んで くれ る」 に対す る共感率 は両群 で
5割 を越 えて い るが, 障害児母群 の方 でやや高 い数値
(66.7%)が得 られて い る
。この文 や 「 小 さな進歩 で も見逃 さない」 とい った ポ ジ テ ィブな内容 の文 とともに , 「同 じ年 齢 の 子 ど も と比 べ る」 , 「 子 ど もに甘 す ぎる」 . 「 子 ど もにか まいす ぎる」 と い った ネガテ ィブな内容 の文 に対 して,両群 はさほど差 のない共感率 を示 して い る。 なお, ネガテ ィブな内容 の 諸文 を見 ると, その多 くの文 で障害児母群 の共感率 が高 めにでて い る。
( 3) 子 どもに対 す る祖母 の影響 につ いて
「 子 ど もの発 達 に と り祖 母 は大 切 な存 在 で あ る」 と
「子 ど もの心 を豊 か に して くれ る」 に対 して, 障 害 児 母 群 で はいず れ も
20%台 の共感率 で あ るが, これ らに対 す る非障害児母群 の共感率 は障害児母群 の ものを明 らか に 上 回 って い る。 と りわ け前文 に対す る共感率 は
52.2%で あ り, 障害児母群 の ほぼ
2倍 とな って い る。
( 4) 祖母 に対 す る子 どもの思 いにつ いて
「 子 ど もは祖 母が好 きで あ る」 に対 して, どち らの群 で も
6割 ほどの高 い共感率 が得 られて い る。
一方 「子 ど もは祖母 を頼 って い る」 へ の共感率 は,両 群 とも
2割 台で あ る。
( 5) 祖母 に対 す る子 どもの影響 につ いて
50%
を超 え る共感率 が得 られてい る文 は両群 と も見 あ た らない。
祖母 に対 す る身 体 的 な負 担 を認 め る母 は障害 児 母 群
(16.7%)よ りも非障害児母群
(26.1%)の方 で, 精 神 的 な負担 を認 め る母 は非障害児母群
(13.0%)よ り も逆 に 障害児母群
(23.3%)の方 で, それぞれ多 くな っている。
一方 , 「祖母 も子 ど もか ら学 ぶ ことが あ る」 に は両 群 と も同程度 の比較 的低 い共感率
(10%台) が示 されて い る ものの, その他 の ポ ジテ ィブな文す なわ ち 「 子 ど もの おか げで祖母 はよい祖父母期 を過 ご して い る」 (障 薯 児 母群
23.3%,非障害児母群
39.1%), 「祖母 も子 ど もか ら 元気 づ け られて い る」 ( 障害 児 母 群
20.0%, 非 障 害 児 母 群
30. 4%) , 「 子 ど もが い ることは祖母 と祖父 の関 係 に よ
47‑
秋田大学教育学部研究紀要 教育科学部門 第
53集表
2祖母 に対する母親の意識
(A)祖母 ・子 ども関係 につ いてa.
子 どもに対す る祖母 の思 いにつ いて
・祖母 は子 どもを家族 の大切 な一員であると思 っている
。・祖母 は子 どもがかわいいと思 っている。
・祖母 は子 どもがその子 な りのペースで育 っていけばよいと思 っている
。・祖母 は子 どもの将来 を心配 してい る。
・祖母 は子 どもの役 に立 ちたいと思 っている。
・祖母 は子 どものためにいっまで も元気でいたいと思 っている
。・祖母 は子 どもがかわいそ うと思 っている。
・祖母 は子 どもを社会 の大切 な一員であると思 っている
。・祖母 は子 どもに感謝 している。
・祖母 は子 どもを人 に自慢 した く思 っている。
・祖母 は子 どもに大 きす ぎる期待 を抱 いている。
・祖母 は子 どもが同 じ年齢の子 どもにはや く追 いっいて は しい と思 って いる。 ( 障害児母群のみ)
b.
子 どもに対す る祖母 のかかわ りについて
・祖母 は子 どもの小 さな進歩 も喜んで くれ る
。・祖母 は子 どもを同 じ年齢 の子 どもと比べ る
。・祖母 は子 どもに甘す ぎる。
・祖母 は子 どもの小 さな進歩で も見逃 さない
。・祖母 は子 どもをか まいす ぎる。
・祖母 は子 どもを無視 している
。・祖母 は子 どもにさび しす ぎる。
・祖母 は子 どもにどうかかわればよいか とまどっている
。・祖母 は子 どもを人 目にふれ させたが らない。
C.子 どもに対す る祖母 の影響 について
・子 どもの発達 にとり祖母 は大切 な存在である
。・祖母 は子 どもの心 を豊かに して くれ る。
d.
祖母 に対す る子 どもの思 いについて
・子 どもは祖母が好 きである。
・子 どもは祖母 を頼 っている。
e.
祖母 に対す る子 どもの影響 について
・子 どものおかげで祖母 はよい祖父母期 を過 ごしている。
・子 どもの ことで、祖母 には精神的な負担がかか っている
。・祖母 は子 どもか ら元気づ け られて いる。
・祖母 も子 どもか ら学ぶ ことがある。
・子 どもの ことで、祖母 には身体的な負担がかか っている。
・子 どもがいることは、祖母 と祖父 の関係 によい影響 を及 ぼ している
。・子 どもの ことで、祖母 には経済的な負担がかか っている。
・子 どもの ことで、祖母 は自身 の生活 を犠牲 に している。
・子 どもがいることで、障害児 ・者 に対す る祖母 の関心 が高 まって きて いる。 ( 障害児母群 のみ)
( B)祖母 ・母親関係 について
a.私 と祖母 の連帯性 について
・祖母 の子 どもへの接 し方 に私 は大 きな不満がある
。・私 と祖母 は子 どもの ことでよ く衝突 す る。
・私 と祖母 の心 の秤 は、子 どもが生 まれた ことでむ しろ強 まっている
。・祖母 は私 と子 どもの ことで考えが合 う。
b.
私 に対す る祖母 の影響 について
・私 は子 どもの ことで祖母か ら助 け られている
。・私 は子 どもの ことで祖母か ら学ぶ ことが多
い 。・私 は子 どもの ことで祖母か ら励 まされている。
(C)子 どもの ことでの祖母 の相談相手 ・話 し相手
・祖母 に も、子 どもの ことで気軽 に話 し合え る人がいればよいと思 う
。・祖母 には、子 どもの ことで気軽 に相談で きる人がいない。
(D)障害 についての祖母 の認識や関心 につ いて (
障害児母群のみ)
・祖母 は子 どもに遅れや障害があ ることを認めたが らない。
・祖母 は子 どもの遅れや障害の原因が私 にあると思 っている
。・祖母 は子 どもの遅れや障害の ことをあま り知 らない。
・祖母 は子 どもの遅れや障害 の ことを くわ しく知 りたいと思 っている。
単位 % ( 人数)
障害児母群
(30) 66.7(20) 63.3(19) 43.3(13) 43.3(13) 40.0(12) 36.7( ll )
33.3(10) 16.7(5) 13.3(4) 10.0(3) 3.3(1 )
40.0(12)障害児母群
66.7(20) 36.7(ll) 30.0(9) 23.3(7) 20.0(6) 16.7(5) 16.7(5) 10.0(3) 3.3(1 )
非障害児母群
(23) 73.9( 17
) 65.2(15) 30.4(7) 8.7(2) 39.1(9) 34.8(8)0 26.1(6)
8.7(2) 17.4(4) 8.7(2)
非障害児母群
52.2(12) 43.5(10) 26.1(6) 26.1(6) 13.0(3) 8.7(2) 8.7(2) 8.7(2)0
障害児母群 非障害児母群
26.7(8) 52.2
( 1
2)
23.3(7) 30.4(7)障害児母群 非障害児母群
63.3(19) 60.9(14) 20.0(6) 26.1(6)
障害児母群 非障害児母群
23.3(7) 39.1(9) 23.3(7) 13.0(3) 20.0(6) 30.4(7) 16.7(5) 17.4(4) 16.7(5) 26.1(6) 10,3(3) 34.8(8) 10.0(3) 8.7(2) 3.3(1)
8.7(2) 13.3(4)障害児母群 非障害児母群
33.3(10) 17.4(4) 30.0(9) 8.7(2) 13.3(4) 26.1(6) 10.0(3) 4.3(1 ) 障害児母群 非障害児母群
50.0(15) 60.9(14) 16.7(5) 34.8(8) 16.7(5) 2
1. 7(
5)障害児母群 非障害児母群
23.3(7) 4.3(1 )
16.7(5) 8.7(2)16.7(5) 16.7(5) 13,3(4) 6.7(2)
今野 障害児 の祖父母 についての研究
い影響 を及 ぼ している」 (障害 児母 群10.0%, 非 障害児 母群34.8%,x2‑3.47,df‑ 1
, p
<0.10)に対 す る障 害児母群 の共感率 は,総 じて非障害児母群 の ものよ りも 低 くな っている。なお, 障害児母群 のみに設定 されて い る質 問 (「子 ど もがいることで,障害児 ・者 に対する祖母の関心が高まっ て きてい る」)に対 して は,13%ほ どの共感 率 とな って いる。
2. 祖母 ・母親関係
( 1
) 私 と祖母 の連帯性 につ いて「祖母 の子 ど もへの接 し方 に私 は大 きな不満がある」,
「子 どもの ことでよ く衝突す る」 に対 して障害児母 群 の 30%ほどが共感 している。 この率 は,非障害児母群 よ り
もかな り大 きな ものであ る。
「(両者 の)心 の秤 は子 どもが生 まれたことでむ しろ強 まってい る」 に対す る障害児母群 の共感率 (13.3%)は, 非障害児母群 (26.1%)のそれ の半分 程 度 にす ぎな い。
( 2 )
私 に対する祖母 の影響 について「子 ど もの ことで祖母 か ら助 け られている」 に対 して は,障害児母群 の半数,非 障害児母群 の6割 ほどが共感
している。
この文, そ して 「祖母 か ら学ぶ ことが多 い」 と 「祖母 か ら励 まされている」 に対す る障害児母群 の共感率 (と もに16.7%)は,非障害児母群 の ものを下 回 っている。
3. 子 どもの ことでの祖母 の相談相手 ・話 し相手 祖母 の気軽 な相談相手 の不在 (16.7%)や,祖 母 の気 軽 な話 し相手 の必要性 (23.3%)を認 め る障害児母群 の 率 は,数値的 には大 きい と言 えないが,非障害児母群 の
ものをかな り上回 ってい る。
4. 障害 についての祖母 の認識や関心 (障害児母群のみ)
「祖母 は子 ど もに遅 れや障害 があ ることを認 めたが ら ない」 と 「遅 れや障害 の原因が私 にあ る と思 って い る」
には16.7%,「子 どもの遅 れや障害 の ことを あ ま り知 ら ない」 には13.3%の共感率が得 られている。
「子 ど もの遅 れや障害 の ことを詳 しく知 りたい と思 っ ている」 への共感率 は,6.7%と低 い数値 にな って い る。
5. 祖母 と母親 の トラブル及び両者関係へのその影響
( 1)
トラブルこれ まで子 ど もの ことで祖母 と何 か大 きな トラブル
(衝突)があ ったか どうかを問 うた と ころ, 両群 と も半 数 ほどが トラブルがあ った と答えてい る。
内訳 を見 ると,障害児母群で は 「た くさんあ った」が 13.3% (4名)
,
「た くさんで はないが, あ った」 が43.3%(13名),非障害児母群で は 「た くさんあ った」 が8.7
% (2名)
,
「た くさん で はな いが, あ った」 が39.1%(9名) であ る。
ちなみに質問紙 で はその原因 についての記載 も要望 し ているが,障害児母群で は以下 のよ うな ものが挙 げ られ ている。
a.障害 を もっている子 どもが家 にいるとい うことを 認 めた くない。腹立 た しい とい う気持 ちをス トレー
トに話題 に していたか ら, よ く衝突 しま した。
b.手足 が不 自由で もないのに言葉が遅 いとい うだ け で今 の機関 にお世話 になることが義母 には気 に入 ら
な
い 。C.普通小学校 に と思 うが,養護学校へ と言 う。
d.ことばの発音が不明瞭でそれを きつ く言 い直 させ た り 「ちが う」 と言 った りしないよ うにと,専門家 か ら指導 を受 けたので, それを何度 とな く家族 に も 話 して協力 して もらお うとしたが,義母 だけは子 ど もにきっ く言 い直 させた り,冷 たい態度 を とった り
「自分 は自分 のや り方 でや る」 と言 って聞 き入 れ な か ったので,私 の怒 りが頂点 に達 し口げんか とな っ た。
e.孫 がかわいいのはわか るが,甘 いので教育上 トラ ブルがあ った。
f.子 どもの育児 の考 え方。
g.しつ けにつ いてで きないと怒 る (少 しずつ時間 を か けてや らせたい)。
h.朝か ら泣かせてはいけないとか, よその子 どもと の関わ りの ことで, よその子 を非難す る。
i.子 どもの性格 を理解 していない。子 どもがいやが るまで 口 うるさ く言 う。
j.摂食 ・しつ け面での考え方 の相違。
トラブルの原因 には,一般 の親 が祖父母 の孫への関わ り方 に対 して抱 く不満,す なわち過保護や過干渉 といっ た態度 の他 に,aか らdの よ うに, 障害 のあ る子 ど もの 拒否や,子 どもに対 して行われてい る教 育 の無理 解 等, 子 どもに障害があ ることとの関連 を否定で きない ものが
ある。
(2) トラブルの影響
質問紙で は, トラブルがあ った (「た くさん」 お よび
「た くさんで はないが, あ った」)と答 えた母親 (障薯児 母群17名。非障害児母群11名)へ
,
「トラブル は, 後 で 振 り返 ってみて, あなた と祖母 との関係 におおむね どの49
秋田大学教育学部研究紀要 教育科学部門 第
53集よ うな影響 を及 ぼ して いるか」 とさ らに問われた。
その結果,両群 に大 きな違 いが認 め られた。すなわち 障害児母群 で は
,
「どち らか とい うと, よ くな い影響 」 が35.3% (6名 ),「よ くな い影 響」 が11.8% (2名),「どち らか とい うと, よい影響」 が7.1% (1名)
,
「どち らともいえない」が29. 4 %
(5名), 等 で あ った。 非 障 害児母群 (11名)で は,
「よい影響」が1名,
「どち らか とい うと, よい影響 」 が5名,「どち らと もいえ な い」が4名
,
「どち らか とい うと, よ くない影響」1名であっ た。祖母 との大 きな トラブルがその後 の母親 ・祖母関係 に 好 ま しくない方向での影響 を及 ぼす と考 え る障害児母群 の率 (約半数) は, 非 障害児 母群 の それ (9%.1名) を大 きく上回 っている。
6. 祖父母への専門的支援 に対する母親 の意識
( 1)
自分の祖母 に対す る専門的支援 について方法で記述 したよ うに,質問紙 には,祖母 (父方祖母) が子 どもの障害 を知 って間 もない頃,及 び現在 にお ける 祖母への専門的支援 の必要性 に関す る質問 も設定 されて いる。
1)祖母が子 どもの障害を知 って間 もない頃
「今振 り返 ってみて,子 どもさんに障害があるとわか っ たばか りの頃に,専門家か らの助言 や励 ま しがあなたの 祖母 に もあればよか った と思 いますか」 との問 い に,3 割 はど (33.3%.10名) が 「はい」 と答 えている。一方, 同様 に3割 はど (30%.9名) が 「いいえ」 と答 えて い
る。他 は
,
「どち らともいえない」 ない し無回答である。ちなみに以下 のよ うに,子 どもの障害 についての祖母 による理解 や受容 の困難,母親 に対す る祖母 の不信感へ の懸念 な ど,祖母への専門的支援を認める理由として様々 な ものが記 されている。
a.はっきり自分 たちか ら言 うのはつ らいので。
b.義母 は子 どもの成長 にあせ りを感 じていた。私 が 説明 して も認 めよ うと しなか った。
C.教育熱心 な ところがあるために少 々言葉 が遅 い と い うことで, まちが った知識 で他 の子 と比べ た りし て,人 を責 めてばか りいるので, きちん と した こと を私 の口か らで はな く専門の人 に伝えてはしかった。
d.普段か ら嫁 の言 っていることはそのまま信 じられ ないと思 っているので, どんなに専門家か ら聞 いて きた ことを話 して もわか ろ うとしないので。
e.私 は仕事 を してお り面倒 を見て もらっていたので, どうした らいいか助言 があればよか ったと思 います。
f
.話 して も理解力が乏 しいが,接 し方 につ いて詳 し く話 して くだ さる方がいればよか った と思 う。一方,「いいえ」 について は,以 下 の よ うな理 由が挙 げ られている。
a.す ぐ理解 して くれたので。
b.年老 いて体 も弱 く,深 く子 どもにかかわ るのは無 理 だか ら。
C.納得で きないだろ うか ら。
2)現在
「子 どもさんの ことで,医療 や教育 の専門家 の立場 か ら祖母 に伝えて は しい,教 えて ほ しい と思 うことをお持 ちですか」 との問 いに対 して,祖母が子 どもの障害を知 っ て間 もない頃をかな り上回 る半数 (56.7%.17名 ) は ど の母親 が 「いいえ」 と答 えている。 ただ し
,
「はい」 と 答 えて いる母親 は,障害があると知 って間 もない頃 とさほど変 わ らぬ比率 (26.7%.8名)で存 している。
なお, この問 いへの肯定者 には,祖母への支援 と して 母親が専門家 に求 め る内容 の記載 が求 め られてお り,以 下 のよ うな ものが挙 げ られている。
a.社会が どのよ うに子 ども達 を受 け入れて くれるか, 地域単位 の具体的な方法やその環境 を知 らせて ほ し い。 また, その内容 は明るく希望の持てるものであっ て ほ しい と思 います。
b.子 どもが今受 けている教育 の内容。
C. 「当た り前」 なんてい うことは世 の中 に一 つ もな い と言 うこと
。
「普通」 なんて ことは誰 も定義 で き ない とい うこと。d.子 どもとの接 し方や今後 の子 どもの見通 し。
e.子 どもがよろこんで遊んだ り勉強 して いる ことを なぜ よろこんで いるか。 どんな勉強 を してい るか。
( 2)
一般 の祖父母 に対す る専門的支援 につ いて 質問紙 には以下 の3つの質問が用意 された。①障害 のある子 ども (孫) を もつ祖 父母 た ちが集 い, 孫 の ことで話 し合 え る機会が多 くあればいい と思 い ますか。
② あなたは,病院や通園施設,学校などの専門機関が, 祖父母への支援 (情報 の提供 や悩 み事 の相 談 な ど) を もっと考えて は しいと思 いますか。
③外国 には,障害 のあ る子 どもを持つ祖父母 たちのた めに学習や親睦 ・交流 の機会 を提供 している機関が い くつかあ ります (例 えば ワシン トン大 学 )。 日本 で も例 えば療育 セ ンターや通園施設,養護学校 のよ うな ところでそのよ うな機会 を作 って くれればよい と思 いますか。
設定 された3つの質問 に対 して無答 も多 く認 め られ た が (三割 か ら四割), ① の孫 を もつ祖父 母 た ちが集 い, 話 し合 え る機会 について は 「あればいい」 と23.3% (7 名) の母親が答え
,
「別 にな くて もい い」 と33.3% (10今野
‑障害 児の祖父母 につ いての研究名) の母親 が答 えて い る。 ちなみ に 「あれば いい」 と思 う理 由の記述 には,以下 の よ うに,子 ど もやその障害 に つ いての祖父母 の理解 とか,心配 や とま どい とい った祖 父母 の心理 的負担 の軽減 ・解 消 とか に対 す る期待 が込 め られて い る。 「な くて もいい」 と思 う理由の記載 はなか っ
た 。
a.
頑 の柔 らか い うちに障害 とい うものを変 な 目で 見 る ことが な くな るよ うに, いろん な障害 の子 ど もが 集 ま るところで祖父母 が遊 びなが ら学 べ るよ うに
。b.
祖父母 に障害児 を もっとよ く知 って ほ しいか ら
。C.
祖父母達 も心配 して い る し,一緒 に考 えて い け た らいい と思 うのです。
d.
祖父母達 も孫 の ことで深 く考 え込 んでふ さぎ込 ん で しま うことがあ るで しょうか ら,誰か と話 し合 う,
しゃべ るだ けで も心 が晴れ ることもあると思 うので
。e.
遅 れな どの孫 を もっ祖父母 もど う接 して い い の か とまどい もあ ると思 うので,話 す機会 が あればいい と思 い ます。
なお,② に対 して は
,「そ うは思 わ ない
」 (36.7%.ll名) よ り若干少 ない ものの
,30%を越 え る母 親
(10名 ) が 「はい」 と答 えた。
一方,外 国ですで に専 門機関 において祖父母 へ の支援 が実際 に行 われて い ることの紹介 を含 む質問③ に対 して は
,「はい。是非作 って ほ しい」
(16.7%.5名)と 「はい。
で きれば作 って ほ しい
」(46.7%.14名 ) を合 わせ る と 6 割 を越 え る母親 が肯定 的 な見解 を示 して い る。 「作 ら な くて いい」 とす る母業 削ま
,36.7% (11名) で あ る。
I V 考察
障害児母群 は非障害児母群 と同様 にそ の
6割 以 上 が, 祖母 は子 ど もを家族 の大切 な一員 だ と思 って い ることを 認 め, また祖母 か ら子 ど もへ の愛情 (子 ど もは祖母 が好 きであ る。祖母 は子 ど もの小 さな進 歩 も喜 ん で くれ る) や子 ど もか ら祖母 ‑ の好意 ( 子 ど もは祖母が好 きである) も認 めて いた。
一方 障害児母群 で は
,5割 に満 たな い ものの, 祖 母 は 子 ど もの将来 を心配 している,子 どもがかわいそ うと思 っ て い ると考 え る母親 の率 が,非 障害児母群 よ り極端 に高 くな って いた。心配 や同情 には,祖母 が障害児者 の医療 や教育,福祉等 の現状 につ いての情報 を欠 いて い る こと や, 障害 のあ る子 ど もの可能性 につ いての偏見 や誤解 を 解 けないで い ること も関係 して い ると思われ る。そ して, その よ うな心配 や不安 が大 きい場合, それ は とりわ け障 害 の理解 や受容 がで きなか った り して 自分 らしさを回復 で きず にい る母親 の精 神面 に,大 きな負荷 を 与え る と思 われ る。
また, 障害児母群 は,甘 す ぎる, か まいす ぎる,厳 し す ぎるな どと子 ど もに対 す る祖母 の関 わ りにネガテ ィブ な意識 を もつ母親 の率 が非 障害児母 群 よ り も高 か った。
さ らに,子 ど もに対 す る祖母 の影響 ( 例 えば,子 ど もの 発達 に と り大切 な存在 で あ る),祖 母 に対 す る子 ど もの 影響 ( 例 えば,子 ど ものおか げで祖母 はよい祖父母期 を 過 ごして い る。子 ど もが い ることは祖母 ・祖父 関係 によ い影響 を及 ぼ してい る),母親 に対 す る祖 母 の影 響 ( 例 えば,祖母 か ら学 ぶ ことが多 い) につ いて ポ ジテ ィブな 意識 を抱 く母親 の率 が,総 じて非 障害児母群 よ りも低 く な って いた。
かつ,母親 と祖母 の連帯性 に開通 して,祖母 とよ く衝 突す るとか,子 どもへ の祖母 の接 し方 に不満 が あ るとす る母親 の率 は, いずれ も
30%ほどの率 とは言 え,非 障害 児母群 を極端 に上 回 って いた。 ちなみ に,本研究 で は共 感 を問 う質 問 の他 に,子 ど もの ことでの母親 ・祖母 間 の 大 きな トラブル に関す る質 問が設定 されて いた。 その中 で トラブルがその後 の両者 の関係 に好 ま しくない方 向で の影響 を及 ぼ してい ると答 えた母親 は,障害児母群 で は 半数 ほどいたが,非障害児母群 で は一人 に過 ぎなか った。
小野 ・玉井
(1992)3)は,母親 は母親方 よ りも父親方 の 祖父母 との間 の方 で若干 トラブルが多 いことを兄いだ し,
トラブルを含 めた関 わ り合 いによ り母親 と祖父母 の新 た な よき関係 が創造 され る こともあ り得 る と,示 唆 して い る。些細 な衝突 が生 じる ことは, 日常生活 にお いてむ し ろ当然 の こと, 自然 な ことと言 え よ う。 しか し些細 な衝 突 や大 きな トラブルが頻繁 に生 じることは,母親 の心身 両面 のみな らず子 ど もの心理 や発達 に も大 きな影響 を及 ぼすで あろ う。大 きな トラブルが あ った と して, それが 祖母 ・母親 のその後 の よき関係 や相互理解 に結 びつ いて い くためにはどの よ うな要因 ( 例 えば,父親 の介在 の仕 方。 専門家か らの適切 な助言) が欠 かせ ないのか につ い て,事例 的研究法 も用 いなが ら詳細 に検 討 す る こ とは, 通 園施設等 の専 門機関 にお ける家族支援 の充実 に と って 欠 かせ ないであ ろ う。
長 い年 月 の中で多 くの経験 を経, た とえた くさん の苦 労 を して さて も,多 くの祖母 は, 障害 のあ る, もしくは 障害児 と呼 ばれ る孫 を持 っ まで, 障害児者 とかかわ る機 会 は決 して多 くなか ったで あろ う。 そ して, 障害児 のい る家族 に対 して 「暗 い」 とか 「 不幸」 とい ったイメー ジ を抱 く一方, 障害児 に対 して は, その医療 や教育,福祉 等 の現状 や向上 を知 らないだ けで な く,生命力 や発達可 能性 の大 きさにつ いて も否定 的 ・消極 的な考え ( 例えば, 長生 きで きない) を抱 きが ちであ ると思 われ る。す なわ
ち,経験上 も,知識上 も, また障害児及 びその家族観 と 言 った点 か ら見 て も,母親 と同様, あ るいはそれ以上 に 乏 しい状況 の ままに障害 のあ る子 ど もの祖母 とな る人 が
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