• 検索結果がありません。

分岐器における乗り心地向上

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "分岐器における乗り心地向上 "

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

分岐器における乗り心地向上

○東海旅客鉄道株式会社 正会員 田中 大貴 東海旅客鉄道株式会社 正会員 原 幸一郎

1.はじめに

当社在来線では、走行安全性だけでなく、お客さまへ快 適な輸送サービスを提供するため、軌道管理による乗り心地 向上に取り組んでいる。特に高速線区では、乗り心地管理指 標として、復元波形から算出した乗り心地レベルを活用し、

定量的な管理を実施している。しかし、分岐器区間では、前 後の乗り心地レベルが不良でないにも関わらず、列車添乗 時に揺れを感じる箇所がある。

そこで、本研究では可搬型車両動揺計測装置(以下、動 揺計)を用いて、分岐器における体感による乗り心地を数値 化し、乗り心地に影響する軌道狂いとの関連性の仮説、及び その仮説を基にした施工による実証を行い、分岐器の体感 的な乗り心地の向上に取り組んだ。

2.乗り心地管理の現状

研究対象とした東海道本線逢妻・二川間では、乗り心地が

「悪い」と評価されるレベル93dB以上の箇所は発生しておら ず、軌道狂い上では、良好な状態を維持している。しかし、

列車添乗時に体感的に乗り心地が悪い分岐器があるため、

乗り心地レベルを調査した。その結果を表‐1 に示す。対象 分岐器では93dB以上の箇所は存在しなかった。

次に、対象分岐器における通り狂いを調査した。その結果 を図‐1 に示す。分岐器における通り狂いの整備目標値は±

13mm であるが、対象分岐器においては整備目標値を超え るような通り狂いは発生していなかった。そのため、体感によ る乗り心地が悪い分岐器は乗り心地レベルでは把握できな い場合があると考えられる。そこで、営業列車の体感による 乗り心地を数値化するため、動揺計に着目した。

3.体感による乗り心地の分析

営業列車の体感による乗り心地を把握するため、動揺計 を用いて列車動揺測定を行った。その結果を表‐2 に示す。

体感による乗り心地が悪い分岐器すべてにおいて左右列車 動揺値が最大2.0m/s2以上となった。

次に、左右列車動揺値2.0m/s2超過分岐器の水準狂いに ついて調査を行った。その結果を図‐2に示す。対象とした5 組の分岐器において、水準狂いの静的整備目標値である -7mmを超超過する分岐器が3組確認され、残りの2組にお いても目標値に近いものであった。左右に揺れを感じた原因 は、通り狂いではなく、水準狂いによる影響であることが考え られた。

キーワード 乗り心地、分岐器、左右動揺、水準狂い

連絡先 〒444-0837 愛知県岡崎市柱1-13-2 東海旅客鉄道㈱ 岡崎保線区 TEL0564-51-2119 図‐1 対象分岐器の通り狂い 相見構内 P61イ(乗り心地レベル92dB)

列車進来方向

通り狂い 右レール 通り狂い 左レール

7 0 -7

軌間欠線部

7 0 -7

表‐1 体感的な乗り心地の悪い分岐器と乗り心地レベル

構内 分岐器 進入方向

相見 P61号イ 92 普通 背向

相見 P51号 91 普通 対向

幸田 P51号 88 普通 対向

三河三谷 P51号 88 普通 背向 愛知御津 P61号 86 良い 背向

ドクター東海による 乗り心地レベル(dB)

表‐2 体感的な乗り心地の悪い分岐器の動揺値 構内 分岐器 動揺値

(m/s2 進入方向

相見 P61号イ 2.315 92 普通 背向 相見 P51号 2.348 91 普通 対向 幸田 P51号 2.131 88 普通 対向 三河三谷 P51号 2.115 88 普通 背向 愛知御津 P61号 2.290 86 良い 背向

ドクター東海による 乗り心地レベル(dB)

-14 -7 0 7 14

左右動揺の小さい分岐器

クロッシング部で水準狂いが発生 (mm)

左右動揺の大きい分岐器

図‐2 左右動揺値超過分岐器の水準狂い 土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月)

‑929‑

Ⅵ‑465

(2)

そこで次に、水準狂いの発生パターンについて分析を行 った。その結果を図‐3 に示す。基準線の基本レールが高い 水準狂いが発生している場合(①、②)に動揺値が大きくな っていた。基準線の基本レールが高いことにより、車両は分 岐線側に沿って走行し、スラックのてい減部やトングレール の乗り移り部、ガードレールにおいて車両が基準線側に移動 し、これによって動揺が発生していると考えた。

次に、①、②の水準狂いが進入方向で動揺にどのような 影響を与えるのかを考えた(図‐4)。対向で進入した場合、水 準狂いによって分岐側に沿って走行する車両がスラックてい 減部やトングレールの乗り移り部でさらに分岐側に振られる。

さらに、ガードレールにより車両が基準側に誘導される際に 左右に振られると考えられる。そのため、水準狂いが分岐器 全体で発生すると左右動揺が発生すると考えられる。次に、

背向で進入した場合、クロッシング部を分岐側に沿って走行 した車両がガードレールにより基準側に誘導される際に左右 に振られると考えられる。そのため、クロッシング部で水準狂 いが発生する場合で左右動揺が発生すると考えた。

そこで、シミュレーションソフトを用いて、水準狂いが左右動 揺に与える影響を検証した。結果を図‐5 に示す。水準狂い が発生している場合は、発生していない場合よりも左右動揺 が大きく、ポイント後端以降の振動加速度が増加した。その ため、水準狂いは左右列車動揺に影響を及ぼすものと考え られる。

4.施工による仮説の実証

水準狂いが列車左右動揺に与える影響を検証するため、

相見構内P61号イ分岐器において分岐器クロッシング部とそ の前後、分岐側主レール部の部分的なつき固めを施工し、

水準整正を行った。この分岐器は、(1)左右列車動揺値 2.0m/s2超過分岐器、(2)背向進入、(3)クロッシング部で図-3

②の水準狂いが発生している条件を満たしている分岐器で ある。施工前後の水準狂いと左右列車動揺値を図-6 に示す。

施工により、クロッシング部の水準狂いは整備目標値以内と なり、施工前は2.315 m/s2であった左右列車動揺値が、施工

後は1.560m/s2まで改善することができた。また、列車添乗に

おいても、体感による乗り心地も解消することができた。今回 の施工では、通り整正は行っていないため、水準狂いが左 右列車動揺値に影響していたと考えられる。水準狂いを解 消することにより、分岐器における体感による乗り心地を向上 することが実証できた。

5.まとめ

本研究のまとめを以下に示す。

・ 体感による乗り心地は一定の水準狂いに影響されることを 実証した

・ 水準狂いを整正することで、体感による乗り心地が改善さ れることを実証した

・ 分岐器軌道狂い検査の測定値から、体感による乗り心地 の良し悪しを判断し、管理する手法を提案した

‐0.15 0 0.15

‐20 ‐10 0 10 20 30 40 50 60 70 80 9

位置(m 車体左右加速度

車体上下加速度

‐0.15 0 0.15

‐20 ‐10 0 10 20 30 40 50 60 70 80

位置(m 車体左右加速度

車体上下加速度

分岐器 先端

ポイント 先端

ポイント 後端

分岐器 後端

左右加速度 上下加速度 0.15

-0.15 (m/s2)

水準狂いなし

0

0.15

-0.15 (m/s2)

0

左右加速度 上下加速度

分岐器 後端 ポイント 後端 ポイント 先端 分岐器 前端

分岐器全体に①の水準狂い

図‐3 動揺に影響を与える水準狂いのパターン 動揺が発生する 動揺が発生しない

図‐4 進入方向による動揺発生の要因

対向 背向

図-6 施工前後の水準狂いと動揺値の変化 (mm)

-2.0 0 2.0

列車進行方向

-20 0 20

施工後 施工前

(m/s2)

施工後 施工前

図‐5 水準狂いが左右動揺に与える影響

(シミュレーションソフト)【SIMPACK】、当社技術開発部)

土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月)

‑930‑

Ⅵ‑465

参照

関連したドキュメント

鋭利器材使用時の手袋装着向上に向けた取り組み 岡山赤十字病院 医療安全推進室 1) 、人事課 2) 、用度課 3) 、 麻酔科 4). ○小川 一恵 1 ) 、藤原 法子 2 ) 、井上 育紀

「新幹線の分岐器レール削正における一考察」 西日本旅客鉄道(株)正会員 ○山根 寛史 正会員 亦野 和宏 1.

―  相談内容のフィードバックによる地域の相談支援力向上の研究  ―  研究分担者    田中 健次   

第三節 行商の多面的分化傾向

Trend of Screen-name Usage on Online Community :A Case of NIFTY-Serve Psychology Forum Akiko Orita†1 Asako Miura†2 Hiroaki Morio†3 Shuhei Uda†1 Mitsuteru

特色ある教育活動の定着に向けてのマネジメントに関する一考察

・ ご飯にしらたきを入れるのはテレビや本な どで気になっていたが,今回初めて食べて

OBPがプラスの増加率巻示し,生産性向上がみられ