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Halowax1031 の主成分 Holowax も含有耐薬品性ゲージ液や計器の密封 熱交換流体や高沸点特殊溶剤 色素分散剤 エンジンクランクケース添加剤 モータ添加剤成分 染料用原料 殺菌 殺虫性木材保存剤など [CICA] その他 : 非意図的生成物 (PCB など有

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大阪市立環境科学研究所

-クロロナフタレン

1-chloronaphthalene、α-chloronaphthalene、1-naphthyl chloride、α- naphthyl chloride

(別名 1-ナフチルクロライド) 【対象物質の構造】 Cl 分子式/分子量 C10H7Cl=162.62 CAS番号 90-13-1 【物理化学的性状】 融点/沸点 比重 水溶解度 log Pow 蒸気圧 ヘンリー則 定数 -2.5 ℃/ 259.3 ℃ 1.19382 (20/4 ℃) 17.4 mg/L(25 ℃) 4.00 0.029 mmHg(25 ℃) 0.000355 atm-m3/mole [Data From SRC PhysProp Database]

[Hazardous Substances Data Bank (HSDB);a database of the National Library of Medicine's TOXNET system(http://toxnet.nlm.nih.gov) on August 22, 2007]

【毒性、用途】 《毒性》 急性毒性:肝障害、皮膚炎、目・気道粘膜刺激など LD50:1540 mg/kg(ラット、経口)、1091 mg/kg(マウス、経口)、2000 mg/kg (モ ルモット、経口)、900 mg/kg (カエル、腹腔内、経口)[RTECS] LC50 / 96 hr:0.34 mg/L(アミエビ)、2.3 mg/L(ブルーギル)、0.69 mg/L(カダヤシ)、 LC50 / 24 hr:0.91 mg/L(アルテミア)、EC50/ 60hr:25 mg/L(テトラヒメナ)、EC50/ 48hr: 0.82 mg/L(ミジンコ)[CICAD] NOEC/ 28d:0.39 mg/L(魚類)[ECETOC]、PRTR 生態クラス:2 《用途》 ポリ塩化ナフタレン(75 成分)の一つ。モノクロロナフタレンと、モノおよびジク ロロナフタレンの混合物(商品名 Halowax)として使用、1-クロロナフタレンは

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Halowax1031 の主成分、Holowax1000、1001、1051 も含有 耐薬品性ゲージ液や計器の密封、熱交換流体や高沸点特殊溶剤、色素分散剤、エン ジンクランクケース添加剤、モータ添加剤成分、染料用原料、殺菌・殺虫性木材保存 剤など[CICAD] その他:非意図的生成物(PCB など有機塩素化合物の不純物、燃焼副生成物(ゴミ、 化石燃料))

§1

分析法

(1)分析法概要

水試料は1 L を塩析してサロゲート標準物質を加えてヘキサンで振とう抽出する。 抽出液は硫酸で洗浄した後、水洗、脱水、濃縮してGC/MS-SIM で定量する。底質試 料は20 g(湿泥)を 1 mol/L 水酸化カリウム/エタノールで超音波と振とう抽出を行い、 エタノール抽出液に 3%塩化ナトリウム水溶液を加えてヘキサンで振とう抽出する。 ヘキサン抽出液は硫酸洗浄の後、フロリジルとグラファイトカーボンカートリッジカ ラムで精製して濃縮しGC/MS-SIM で定量する。定量は 2-クロロナフタレン-d7をサロ ゲート物質とした内標準法による。(注1)

(2)試薬・器具

全ての試薬・器具は、1-クロロナフタレの測定を妨害する成分が含まれていないこ とを確認してから使用する。 【試薬】 ・ 標準物質:1-クロロナフタレン(スペルコ製 2000 µg/mL メタノール溶液)(注2) ・ 内標準物質:2-クロロナフタレン(d7、98%) (CIL Inc. DLM-2005-1.2、100 µg/mL ノナン溶液)、アセナフチレン(d8、98%)(CIL Inc. DLM-2204-1.2、200 µg/mL イソオクタン溶液) ・ 有機溶媒:ヘキサン、アセトン、エタノール、ジクロロメタン(残農・PCB 分析 用、5000 倍濃縮保証溶媒) ・ 無水硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム(残留農薬分析用) ・ 水酸化カリウム、濃硫酸(試薬特級または精密分析用) ・ 精製水(超純水製造装置ミリポア社製 Milli-QSPTOC による精製水など、測定の 妨害となる成分を含まないもの) ・ 1 mol/L 水酸化カリウム/エタノール溶液:テフロン被覆回転子で撹拌しながら水

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酸化カリウム(含量85%)66 g をエタノール 1 L に溶解させたもの ・ 0.1 mol/L 水酸化カリウム水溶液:水酸化カリウム(含量 85%)6.6 g を精製水 1 L で溶解し、ヘキサン100 mL で振とう洗浄したもの ・ 3%塩化ナトリウム水溶液:塩化ナトリウム 30 g を精製水 1 L に溶解させ、ヘキ サン100 mL で振とう洗浄したもの ・ 窒素ガス:試料濃縮用、高純度窒素1 級(純度 99.999%以上) 【試薬の安定性・毒性】 本分析に用いる試薬はいずれも安定であるが、標準液の溶媒の揮散には特段の配慮 が必要であり、直射日光は避けることが望ましい。また、水酸化カリウム/エタノール 溶液などの調製試薬は用時調製する。 定性・定量用標準はその取扱量は少ないが、1-クロロナフタレンは蒸気の吸入や接 触で、鼻、のど、気管、眼、皮膚などが刺激され、悪心、嘔吐、炎症などを起こすの で、蒸気を吸入したり、皮膚などにつけないよう配慮する。また、ヘキサンやアセト ンなどの有機溶媒類、硫酸、水酸化カリウム、1 mol/L 水酸化カリウム/エタノール溶 液なども刺激性が強く、健康に有害な試薬であるので、その取扱いには十分注意する 必要があり、皮膚などに付着した場合は速やかに水道水で洗い流す。 【器具】 ・ ガラス器具:試料採取容器、試薬瓶、褐色二重蓋保存瓶(20、50 mL)、共栓付遠 心分離管(100、50 mL 用)、分液ロート(2 L、200、100 mL)、メスシリンダー(1 L、100、50 mL)、全量フラスコ(25、50 mL)、ナス型フラスコ(20、100、200 mL 容)、ホールピペット、パスツールピペット、共栓目盛り付試験管(5 mL 容)、 ロート、注射筒(10 mL 容)、マイクロシリンジ(100 µL 容)など:洗剤洗浄後、 精製水ですすぎ、アセトンおよびヘキサンで洗浄し、乾燥したもの ・ 抽出・精製・濃縮機材:振とう機、超音波洗浄機、遠心分離機、ロータリーエバ ポレータ(恒温槽付き)、マグネチックスターラー、テフロン被覆撹拌子、固相 抽出装置用吸引マニホールド

・ 精製用カートリッジカラム:フロリジル(日本ウォターズ社製SepPak plus Florisil)、 グラファイトカーボン(スペルコ社製Supelclean Envi-Carb、250 mg / 6 mL) ・ GC 分離カラム:5%フェニルメチルシリコン化学結合型キャピラリーカラム(60

m×0.25 mm i.d.、df=0.25 µm)

・ ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)および関連器材:サンプルバイアル、 インサート、カラム取り付け部品、超高純度ヘリウム(99.9999%以上)

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(3)分析法

【試料の採取及び保存】 環境省「化学物質環境調査における試料採取にあたっての留意事項」に従う。 【試料の前処理及び試料液の調製】 〔水質〕 試料水1 L を分液ロート 2 L に採り、塩化ナトリウム 30 g、サロゲート標準溶液(10 ng/mL)0.5 mL を添加して十数回振とうし混合する。これにヘキサン 50 mL を加えて 15 分間振とう抽出する。静置後、下層の試料水を別の分液ロート 2 L に移し、同様に ヘキサン50 mL で振とう抽出する。ヘキサン層は先の抽出液に合わせ、濃硫酸約 10 mL を加えてゆるやかに渦巻きができるように振混ぜヘキサン抽出液を洗浄する。(注 3、 4)ヘキサンと硫酸が十分に分離した後下層の硫酸を捨て、ヘキサン抽出液は 0.1 mol/L 水酸化カリウム水溶液50 mL で水洗する。この後、ヘキサン抽出液は無水硫酸ナトリ ウムで脱水し、ロータリーエバポレータで濃縮して1 mL 定容とし、これを試料液と する。(注5) 〔底質〕 湿泥20 g(乾泥換算 10 g 相当量)を遠心分離管 100 mL に秤採り、サロゲート標準 溶液(10 ng/mL)1 mL を添加し、少量の精製水を加えてガラス棒でかき混ぜ試料泥 をスラリー状にする。(注 6)これに 1 mol/L 水酸化カリウム/エタノール溶液 50 mL を加えてガラス棒で十分にかき混ぜて超音波洗浄器に 30 分間置き、次いで振とう機 で15 分間振とう抽出する。振とう後、遠心分離(2500 rpm、10 分程度)によってエ タノール抽出液を分離し、予め 3%塩化ナトリウム水溶液 300 mL を入れた分液ロー ト500 mL に移す。遠心分離管には 1 mol/L 水酸化カリウム/エタノール 50 mL を加え てガラス棒で試料泥を十分に分散させ、振とう抽出15 分、遠心分離 10 分程度を繰り 返し、先の分液ロートにエタノール抽出液を移し入れる。この分液ロートにヘキサン 50 mL を入れて 10 分間振とう抽出する。静置後、水相を別の分液ロートに移して、 ヘキサン50 mL で同様に振とう抽出を行い、ヘキサン抽出液を合わせる。ヘキサン抽 出液は水質試料と同様に濃硫酸約10 mL を加えてゆるやかに振り混ぜ洗浄する。(注 3、4)静置してヘキサンと硫酸が十分に分離した後、硫酸層を捨てて新たな硫酸を加 え洗浄する。硫酸の着色がなくなるまで洗浄を繰返した後、ヘキサン抽出液は 0.1 mol/L 水酸化カリウム 50 mL で水洗して、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ロータリー エバポレータで2 mL まで濃縮する。(注 5) この濃縮液はフロリジルとグラファイトカーボンカートリッジカラムでさらに精 製する。(注7)使用に先立ち、フロリジルカートリッジカラムはヘキサン 10 mL、グ

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ラファイトカーボンカートリッジカラムはジクロロメタン、ヘキサンのそれぞれ 10 mL を順次通してコンディショニングし、上流側にフロリジル、下流側にグラファイ トカーボンカートリッジを配して連結しておく。これに濃縮液の全量と約1 mL のヘ キサンによる容器洗液を負荷し流下させる。この溶出液は捨てる。負荷後、溶出液の 受器をおき、ヘキサン10 mL を通してフロリジルカラムから溶出する。次いで、フロ リジルカラムをはずして、グラファイカーボントカートリッジカラムにジクロロメタ ン10 mL を通して溶出する。通液速度は自然落下、または吸引マニュホールドを用い て1 mL/min 程度に調整する。溶出液はロータリーエバポレータまたは窒素気流下で 1 mL 定容とし、これを試料液とする。(注 5) 【空試験液の調製】 試料と同じ量の精製水(水質1 L、底質 20 mL)を用い、【試料の前処理及び試料液 の調製】の項に従って操作し、得られた試料液を空試験液とする。 【標準液の調製】 既知濃度の市販標準溶液を標準原液とする。1-クロロナフタレン(2000 µg/mL メタ ノール溶液)はアセトンで10 倍希釈溶液を調製したのち、ヘキサンで順次希釈し 0.5 ~50 ng/mL の標準液を作成し、検量線作成用の標準液とする。2-クロロナフタレン(d7, 8%) (100 µg/mL ノナン溶液)はアセトンで順次希釈して 10 ng/mL の標準液を作 成し、サロゲート標準液とする。アセナフチレン(d8, 98%)(200 µg/mL イソオクタン 溶液)はヘキサンで順次希釈して5 ng/mL の標準液を作成し、内標準溶液とする。 全ての標準液は密封保存瓶に入れて暗所 4 ℃以下に置き、有効使用期間は中間希釈 液ついては6 ヶ月、検量線作成用、添加用サロゲート、内標準液は 2 ヶ月とする。 【測定】 GC/MS の標準的な測定条件は以下の通りである。 〔GC/MS 条件〕 GC/MS 機器 : Agilent5973GC/MSD 分離カラム : DB-5 (60 m×0.25 mm i.d., df=0.25 µm)

カラム槽温度 : 50 ℃ → 80 ℃ (20 ℃/min, 0 min) – 130 ℃ (10 ℃/min, 0 min) → 180 ℃ (5 ℃/min) → 270 ℃ (10 ℃/min)

注入口温度 : 200 ℃

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注入法 : スプリットレス (パージ1 min) 注入量 : 2 µL インターフェース温度 : 250 ℃ イオン化法 : EI イオン源温度 : 230 ℃ イオン化電圧 : 70 eV 検出モード : SIM モニターイオン : 1-クロロナフタレン m/z 162.0(定量)、m/z 164.0(確認) 2-クロロナフタレン-d7 m/z 169.1(定量)、m/z 171.1(確認) アセナフチレン-d8 m/z 160.1(定量)、m/z 161.1(確認) 〔検量線〕 原則として、1-クロロナフタレンは感度係数法(RF)で定量し、予め使用する GC/MS 装置固有の相対感度係数(RRF)を求める。1-クロロナフタレンの検量線作成用標準 濃度系列にサロゲート標準物質の2-クロロナフタレン-d7が10 ng/mL、内標準物質の アセナフチレン-d8が5 ng/mL となるよう添加し、GC/MS に 2 µL 注入して SIM 測定す る。クロマトグラムから1-クロロナフタレンと2-クロロナフタレン-d7の濃度比と面 積比を用いて検量線を作成する。検量線から最小二乗法により一次回帰直線を求め、 その回帰直線のy 切片がゼロとみなせるならば、傾きを装置固有の RRF とする。 試料測定時においては、検量線の中間濃度の標準液を測定して感度係数法で定量し、 得られた値が標準液濃度の±15%以内であることを確認する。 サロゲート標準物質の2-クロロナフタレン-d7 についても、同様な方法で内標準物 質のアセナフチレン-d8との間のRRF を求め、サロゲート標準物質の回収率の算出に 用いる。 また、RRF は上記の標準濃度系列を測定し次式で算出することができる。測定は 3 回以上繰り返し、相対標準偏差が 5%以内であることを確認して平均値を装置固有の RRF とする。 RRF=(Atg×Csr)/(Asr×Ctg) ここで、RRF:1-クロロナフタレンの2-クロロナフタレン-d7に対する相対感度係数 Atg:1-クロロナフタレンのピーク面積 Asr:2-クロロナフタレン-d7のピーク面積 Ctg:標準液中の1-クロロナフタレンの量(ng) Csr:標準液中の2-クロロナフタレン-d7の量(ng) 1-クロロナフタレンは検量線法によっても定量できる。試料測定時毎に上記の検 量線作成用の標準濃度系列をGC/MS 測定し、クロマトグラムから1-クロロナフタレ ンと内標準物質のアセナフチレン-d8 の間の濃度比とピーク面積比との関係をプロッ

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トして検量線を作成し、濃度の算出に用いる。 〔定量〕 試料液にアセナフチレン-d8が5 ng/mL となるよう添加して GC/MS に 2 µL 注入し、 クロマトグラムから対象物質とサロゲート標準物質のピーク面積を求め RRF を用い て次式により試料液中の検出量(pg)を算出する。 検出量(pg)=(Atg×Cis)/(Ais×RRF) ここで、Atg:1-クロロナフタレンのピーク面積 Ais:2-クロロナフタレン-d7のピーク面積 Cis:測定試料液中の2-クロロナフタレン-d7の量(pg) RRF:感度係数 また、1-クロロナフタレンとアセナフチレン-d8 の間の濃度比とピーク面積比との 関係をプロットした検量線から検出量(pg)を求めてもよい。 〔濃度の算出〕 試料液中の1-クロロナフタレンの検出量(pg)をもとに、試料の供試量、試料液 量、分取量など次式により、試料中濃度を算出する。 測定用試料の最終液量(mL) 試料中の濃度(ng/L または ng/g)=検出量(pg)× 試料の供試量(L またはg) 〔装置検出下限値(IDL)〕(注 8) 本分析法の検討に使用したGC/MS の装置検出下限値(IDL)を表1示す。 表1 装置検出下限値(IDL) ≪水質≫ 物質 IDL (ng) 試料量 (L) 最終液量 (mL) 試料換算値 (ng/L) 1-クロロナフタレン 0.056 1 1 0.056 ≪底質≫ 物質 IDL (ng) 試料量 (g-dry) 最終液量 (mL) 試料換算値 (ng/g-dry) 1-クロロナフタレン 0.056 10 1 0.006

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〔測定方法の検出下限(MDL)、定量下限(MQL)〕(注 9) 本分析方法における検出下限及び定量下限を表2に示す。 表2 方法の検出下限値(MDL)および定量下限値(MQL) ≪水質≫ 物質 試料量 (L) 最終液量 (mL) 検出下限値 (ng/L) 定量下限値 (ng/L) 1-クロロナフタレン 1 1 0.97 2.5 ≪底質≫ 物質 試料量 (g-dry) 最終液量 (mL) 検出下限値 (ng/g-dry) 定量下限値 (ng/g-dry) 1-クロロナフタレン 10 1 0.25 0.65 注 解 (注1)2-クロロナフタレン-d7は分析操作の過程で1-クロロナフタレンとほぼ同じ挙 動をとることを確認し、サロゲート標準物質として用いた。 (注 2)本分析法の開発では、対象物質との分離状況を確認するために、2-クロロナ フタレン(スペルコ製5000 µg/mL メタノール溶液)およびジクロロフェノー ル異性体6 種(AccuStandard Inc 製標準品、100 mg)を用いた。 (注 3)分液ロート内に水が残存していると濃硫酸と激しく反応して発熱とともに煙 霧ガスが発生し、コックが吹き飛ばされる可能性がある。したがって、濃硫 酸は分液ロートの内壁と下部に水が残存していないことを確認し、発熱が起 らないようゆっくりと加える。発熱の心配がある場合は、抽出液を一旦無水 硫酸ナトリウムで脱水し濃硫酸を加える。硫酸洗浄は抽出液に渦巻きができ るよう分液ロートはゆっくりと振って行う。決して、激しく振り混ぜない。 発熱とともに、試料によってはエマルジョンが生成し、抽出液と硫酸の分離 に支障が生じることがある。硫酸洗浄は基本的には硫酸に着色が無くなるま で繰返すことになるが、通常水試料では1 回、底質試料では 2~3 回で十分な 効果が得られることが多い。 (注 4)硫酸洗浄はかなり激しい精製手法であり、多くの共存物質の分解除去が可能 となる。とくに、図1に示したように3,4-および 3,5-ジクロロフェノールは、 1-クロロナフタレンと極めて類似度の高いマススペクトルを示し、保持時間 も近接している。使用する分離カラムあるいは操作条件によっては全く同じ 位置に溶出することも想定され、ジクロロフェノールを1-クロロナフタレン と誤って同定する可能性がある。硫酸洗浄はジクロロフェノールを抽出液か ら消去する効果をもち、誤同定の防止にとっても有効である。

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(注 5)濃縮にともなう蒸散ロスを防ぐために、ロータリーエバポレータのウォータ ーバス温度は30 ℃に設定し、最小濃縮液量は 1.0 mL とした。蒸発乾固は避 けること。 (注 6)底質の塊が残存したまま有機溶媒を加えると抽出効率が著しく低下すること から、予めスラリー状にして分散しやすくする。 G3,4-dichlorophenol 3,5-dichlorophenolH 3,5-dichlorophenol 2-chloronaphthaleneH G1-chloronaphthalene M+ C6H4Cl2O:161.96 OH Cl Cl RT(min) GC Column: 5% phenylmethylsilicone, 60m×0.25mm、df=0.25µm 図1 ジクロロフェノールのマススペクトルとクロマトグラム上の溶出位置の比較 0 10 20 30 40 50 0 20 40 60 80 100 C um ula tiv e R ec ov ery (% )

hexane acetone dichloromethane toluene (mL) 0 10 10 2 4 6 8 10 5 R ec ov er y (% ) hexane 0 10 20 30 40 50 0 20 40 60 80 100 (mL) 0 2 4 6 8 10 C um ula tiv e R ec ov ery (% ) R ec ov er y (% )

Sep-Pak plus Florisil Envi-Carb、250mg/6mL

0 10 20 30 40 50 0 20 40 60 80 100 C um ula tiv e R ec ov ery (% )

hexane acetone dichloromethane toluene (mL) 0 10 10 2 4 6 8 10 5 R ec ov er y (% ) 0 10 20 30 40 50 0 20 40 60 80 100 C um ula tiv e R ec ov ery (% )

hexane acetone dichloromethane toluene (mL) 0 10 10 2 4 6 8 10 5 R ec ov er y (% ) hexane 0 10 20 30 40 50 0 20 40 60 80 100 (mL) 0 2 4 6 8 10 C um ula tiv e R ec ov ery (% ) R ec ov er y (% ) hexane 0 10 20 30 40 50 0 20 40 60 80 100 (mL) 0 2 4 6 8 10 C um ula tiv e R ec ov ery (% ) R ec ov er y (% )

Sep-Pak plus Florisil Envi-Carb、250mg/6mL

図2 フロリジルおよびグラファイトカーボンカートリッジカラムにおける1-クロ ロナフタレンの溶出パターン

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(注7)フロリジル(Sep-Pak plus Florisil)およびグラファイトカーボン(Env-Carb、 250 mg / 6 mL)カートリッジにおける溶出パターンは次の通りである。溶出 パターンはカラムや溶媒等によって異なることが想定されるので、図2を参 考に事前に分画試験によって溶出パターンを確認しておくことが望ましい。 (注8) 装置検出下限(IDL)は、「化学物質環境実態調査の手引き」(平成 17 年 3 月)に従って、表1のとおり算出した。 表1 装置検出下限(IDL)の算出(Agilent5973GC/MSD) 物質名 1-クロロナフタレン 試料媒体 水質 底質 試料量(L、g-dry) 1 10 最終液量(mL) 1 装置注入量(µL) 2 注入液濃度(ng/mL) 0.5 結果1 0.495 結果2 0.515 結果3 0.537 結果4 0.520 結果5 0.533 結果6 0.527 結果7 0.510 平均値(pg/μL) 0.520 標準偏差 0.014 IDL(ng/L) 0.056 IDL 試料換算値 (ng/L、ng/g-dry) 0.056 0.006 S/N 15.8 変動係数(%) 2.8 ※IDL=t(n-1,0.05)×σn-1×2 (注 9)測定方法の検出下限(MDL)及び定量下限(MQL)は、「化学物質環境実態 調査の手引き」(平成17 年 3 月)により、表2のとおり算出した。なお、結 果は、アセナフチレン-d8を内標とした実質値で求めた。

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表2 測定方法の検出下限(MDL)及び定量下限(MQL)の算出 物質名 1-クロロナフタレン 試料媒体 水質 底質 試料量(L、g-dry) 1 10 標準物質添加量(ng) 5 10 試料換算濃度(ng/L、ng/g-dry) 5 1 最終液量(mL) 1 1 注入液濃度(ng/mL) 5 10 装置注入量(µL) 2 2 操作ブランク平均(ng/L、ng/g-dry)① 0 0 無添加平均(ng/L、ng/g-dry)② 0 0 結果1 4.53 0.701 結果2 5.22 0.807 結果3 4.64 0.845 結果4 4.73 0.761 結果5 4.47 0.843 結果6 4.82 0.902 結果7 4.82 0.792 平均値(ng/L、ng/g-dry) 4.74 0.807 標準偏差 0.248 0.065 MDL(ng/L、ng/g-dry) 0.97 0.25 MQL(ng/L、ng/g-dry) 2.5 0.65 CV(%) 5.2 8.1 ※MDL=t(n-1,0.05)×σn-1×2 ※MQL=σn-1×10 ①操作ブランク平均:試料マトリックスのみがない状態で他は同様の操作を行い 測定した値の平均値 ②無添加平均:MDL 算出用資料に標準を添加していない状態で含まれる濃度の平 均値

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§2 解 説

【分析法】 〔フローチャート〕 分析法のフローチャートを図3、4に示す。 水試料 1L 振とう抽出 15分、2回 ヘキサン、50+50mL サロゲート標準物質、5ng 2-クロロナフタレン-d7 塩化ナトリウム、30g ↓ 定容 1.0mL GC/MS SIM 内標準物質、5ng アセナフチレン-d8 ↓ モニターイオン 1-クロロナフタレン m/z162.0 (定量)、164.0(確認) 2-クロロナフタレン-d7 m/z169.1(定量)、171.1(確認) アセナフチレン-d8 m/z160.1(定量)、161.1(確認) 濃硫酸洗浄 濃硫酸、20mL ↓ 水洗・脱水・濃縮 ・ロータリー エバポレータ(30℃) ・窒素気流下 ・0.1mol/L 水酸化カリ ウム水溶液、50mL ・無水硫酸ナトリウム ↓ 水試料 1L 振とう抽出 15分、2回 ヘキサン、50+50mL サロゲート標準物質、5ng 2-クロロナフタレン-d7 塩化ナトリウム、30g ↓ 定容 1.0mL GC/MS SIM 内標準物質、5ng アセナフチレン-d8 ↓ モニターイオン 1-クロロナフタレン m/z162.0 (定量)、164.0(確認) 2-クロロナフタレン-d7 m/z169.1(定量)、171.1(確認) アセナフチレン-d8 m/z160.1(定量)、161.1(確認) 濃硫酸洗浄 濃硫酸、20mL ↓ 水洗・脱水・濃縮 ・ロータリー エバポレータ(30℃) ・窒素気流下 ・0.1mol/L 水酸化カリ ウム水溶液、50mL ・無水硫酸ナトリウム ↓ 図3 水試料の分析法フロー 底質 20g湿重 超音波抽出 30分 1mol/L KOH/EtOH、 50mL 水洗・脱水 ・濃縮(2mL) 振とう抽出 10分、2回 ヘキサン、50+50mL ・ロータリエバ ポレータ(30℃) ・窒素気流 サロゲート標準物質、10ng 2-クロロナフタレン-d7 K 振とう抽出 (15分、2回) 1mol/L KOH/EtOH、 50+50mL 遠心分離 2500rpm、10分 濃硫酸洗浄 3%塩化ナトリウム 水溶液、300mL K 濃硫酸、20mL K 2,3回繰返す ・0.1mol/L 水酸化カリ ウム水溶液、50mL ・無水硫酸ナトリウム K カラムクロマトグラフィー フロリジル+グラファイトカーボンカートリッジカラム 1)フロリジル(Sep-pak plus Florisil)

コンディショニング: ヘキサン10mL 溶出: ヘキサン10mL 2)グラファイトカーボン(Envi-carb) コンディショニング:①ジクロロメタン 10mL、②ヘキサン 10mL 溶出: ジクロロメタン 10mL 定容 1.0mL GC/MS SIM 内標準物質、5ng ナフチレン-d8 K モニターイオン 1-クロロナフタレン m/z162.0 (定量)、164.0(確認) 2-クロロナフタレン-d7 m/z169.1(定量)、171.1(確認) アセナフチレン-d8 m/z160.1(定量)、161.1(確認) 濃縮 ・ロータリエバ ポレータ(30℃) ・窒素気流下 繰返す 図4 底質試料の分析法フロー

(13)

〔検量線、マススペクトルおよびクロマトグラム〕 検量線を図5に示す。図中左上が1-クロロナフタレンのサロゲート、右上が内標 準に対する濃度比、面積比のプロットであり、下中央はサロゲートの内標準に対する 検量線である。 0 2 4 6 0 1 2 3 4 5 Concentration Ratio P ea k A re a R at io 1-chloronaphthalene 0-50ng/mL SUR 2-chloronaphthalene-d7 10ng/mL y = 1.27x - 0.036 R2= 0.999 0 2 4 6 8 10 12 0 2 4 6 8 10 Concentration Ratio 1-chloronaphthalene 0-50ng/mL IS acenaphthylene 5ng/mL y = 1.02x - 0.083 R2= 0.998 1-chloronaphthalene via 2-chloronaphthalene-d7(surrogate) 1-chloronaphthalene via

acenaphthylene-d8(internal standard)

0 1 2 3 4 0 2 4 6 8 10 y = 0.40x + 0.0001 R2= 0.998 2-chloronaphthalene-d7 0-50ng/mL IS acenaphthylene 5ng/mL 2-chloronaphthalene-d7(surrogate)via

acenaphthylene-d8(internal standard)

Concentration Ratio P ea k A re a R at io P ea k A re a R at io 0 2 4 6 0 1 2 3 4 5 Concentration Ratio P ea k A re a R at io 1-chloronaphthalene 0-50ng/mL SUR 2-chloronaphthalene-d7 10ng/mL y = 1.27x - 0.036 R2= 0.999 0 2 4 6 8 10 12 0 2 4 6 8 10 Concentration Ratio 1-chloronaphthalene 0-50ng/mL IS acenaphthylene 5ng/mL y = 1.02x - 0.083 R2= 0.998 1-chloronaphthalene via 2-chloronaphthalene-d7(surrogate) 1-chloronaphthalene via

acenaphthylene-d8(internal standard)

0 1 2 3 4 0 2 4 6 8 10 y = 0.40x + 0.0001 R2= 0.998 2-chloronaphthalene-d7 0-50ng/mL IS acenaphthylene 5ng/mL 2-chloronaphthalene-d7(surrogate)via

acenaphthylene-d8(internal standard)

Concentration Ratio P ea k A re a R at io P ea k A re a R at io 図5 検量線 図6はIDL測定時のクロマトグラムである。検量線作成用標準液0.5 ng/mL を 2µL 注入したSIM クロマトグラムであり、S/N 比は 13.6 であった。 図7はマススペクトルであり、上段は1-クロロナフタレン、中段は2-クロロナフ タレン-d7、下段はアセナフチレン-d8を示す。 図8は1-クロロナフタレン検出の定量イオン m/z 162、確認イオン m/z 164、2-クロ ロナフタレン-d7検出の定量イオンm/z 169、アセナフチレン-d8検出の定量イオンm/z 160 のクロマトグラムである。GC/MS 注入量は1-クロロナフタレンと2-クロロナフ タレン-d7が20 pg、アセナフチレン-d8が10 pg であり、1-クロロナフタレンが2-ク ロロナフタレンが完全分離できる条件に設定した。

(14)

1-chloronaphthalene

(2-chloronaphthalene→) 1pg: 0.5pg/μl, 2μL inj. S/N: 13.6 RT(min) In te ns ity m/z 162

1-chloronaphthalene

(2-chloronaphthalene→) 1pg: 0.5pg/μl, 2μL inj. S/N: 13.6 RT(min) In te ns ity m/z 162 図6 IDL測定時のクロマトグラム 1-chloronaphthalene C10H7Cl:162.02 2-chloronaphthalene-d7 C10D7Cl:169.07 Cl D Cl D D D D D D M+ M+ (M-Cl)+ (M-Cl)+ acenaphthylene-d8 M+ D D D D D D D D C10D8:160.24 1-chloronaphthalene C10H7Cl:162.02 2-chloronaphthalene-d7 C10D7Cl:169.07 Cl D Cl D D D D D D M+ M+ (M-Cl)+ (M-Cl)+ acenaphthylene-d8 M+ D D D D D D D D C10D8:160.24 図7 マススペクトル

(15)

RT(min) ab un da nc e m/z 164 m/z 162 m/z 169 m/z 160 2-chloronaphthalene→ 2-chloronaphthalene→ 1-chloronaphthalene 1-chloronaphthalene 2-chloronaphthalene-d7 acenaphthylene-d8 Surrogate Internal Standard RT(min) ab un da nc e m/z 164 m/z 162 m/z 169 m/z 160 2-chloronaphthalene→ 2-chloronaphthalene→ 1-chloronaphthalene 1-chloronaphthalene 2-chloronaphthalene-d7 acenaphthylene-d8 Surrogate Internal Standard 図8 クロマトグラム 〔添加回収試験結果〕 精製水、河川水、海水および底質試料への標準物質添加回収実験結果を表3に示す。 河川水は淀川(大川)、海水と底質は大阪港で採取した試料を用いた。なお、結果は、 アセナフチレン-d8を内標とした実質値で求めた。 表3 添加回収実験結果 試料 試料量 (L、g-dry) 添加量 (ng) 測定 回数 検出濃度 (ng/L、ng/g-dry) 回収率 (%) 変動係数 (%) 精製水 1 20 10 18.9 94.6 2.5 河川水 1 20 6 19.1 95.5 5.1 海水 1 20 6 18.4 92.2 3.7 底質 10 20 10 1.58 79.1 8.2 〔分解性スクリーニング試験結果〕 分解性スクリーニング試験結果を表4に示す。 表4 分解性スクリーニング試験結果 残存率(%) 5 日後 pH 初期濃度 (ng/L) 1 日後 明所 暗所 5 100 94.2 78.7 82.5 7 100 94.7 77.8 88.1 9 100 92.3 83.1 87.2

(16)

〔環境試料分析例〕 m/z 162 m/z 164 m/z 169 m/z 162 m/z 164 m/z 169

G 1-chloronaphthalene 10ng/mL、2µLinjStandard

Sediment 20g-1.0mL, 2µLinj 2-chloronaphthaleneH m/z 160 m/z 160 m/z 162 m/z 164 m/z 169 m/z 160 Water 1L-1.0mL, 2µLinj G2-chloronaphthalene-d7 G2-chloronaphthalene-d7 G2-chloronaphthalene-d7 Surrogate Surrogate Surrogate acenaphthylene-d8H acenaphthylene-d8H acenaphthylene-d8H Internal Standard Internal Standard 図9 操作ブランクのクロマトグラム

(17)

m/z 162 m/z 164 m/z 169 m/z 160 Spiked 1L-1.0mL, 10ng G2-chloronaphthalene-d7 Surrogate acenaphthylene-d8H m/z 162 m/z 164 m/z 169 m/z 160 G2-chloronaphthalene-d7 acenaphthylene-d8H Surrogate Internal Standard Internal Standard Natural 1L-1.0mL 図10 河川水(淀川)の添加、無添加試料のクロマトグラム

(18)

m/z 162 m/z 164 m/z 169 m/z 160

Spiked

1L-1.0mL, 10ng G2-chloronaphthalene-d7 Surrogate acenaphthylene-d8H m/z 162 m/z 164 m/z 169 m/z 160 G2-chloronaphthalene-d7 acenaphthylene-d8H Surrogate Internal Standard Internal Standard

Natural

1L-1.0mL 図11 海水(大阪港)の添加、無添加試料のクロマトグラム

(19)

m/z 162 m/z 164 m/z 169 m/z 160 Spiked 20g-1.0mL, 10ng G2-chloronaphthalene-d7 Surrogate acenaphthylene-d8H m/z 162 m/z 164 m/z 169 m/z 160 G2-chloronaphthalene-d7 acenaphthylene-d8H Surrogate Internal Standard Internal Standard Natural 20g-1.0mL 図12 底質(大阪港)の添加、無添加試料のクロマトグラム

(20)

【評価】 本法により、1-クロロナフタレンが水試料中で 1 ng/L、底質試料中で 0.25 ng/g-dry レベルで検出することができる。大阪市域の河川水、海水からは検出されなかったが、 港湾域の底質には検出限界レベルで存在する可能性が確認された。 【参考文献】 兵庫県立公害研究所(1997)ポリ塩化ナフタレン、平成 9 年度化学物質分析法開発調 査報告書、pp280-295(平成 9 年 7 月) 環境省水環境部(2003)xi ポリ塩化ナフタレンの分析法、平成 14 年度要調査項目等 調査マニュアル(水質、底質、水生生物)、pp136-163(平成 15 年 3 月) 岡山県環境保健センター(2003)ポリ塩化ナフタレン(PCNs)及びポリ塩化ビフェ ニル(PCBs)の分析法、環境省環境安全課、平成 14 年度化学物質分析法開発調査 報告書、pp48-178(平成 15 年 7 月) 【担当者氏名・連絡先】 担当 大阪市立環境科学研究所 住所 〒543-0026 大阪市天王寺区東上町8番34号 TEL:06-6771-3391 FAX:06-6772-0676 担当者 福嶋 実 〔e-mail:m-fukushima@city.osaka.lg.jp〕

(21)

1-chloronaphthalene(α-chloronaphthalene)

This method is applicable to the determination of 1-chloronaphthalene in water and sediment. For a water sample, a 1 liter aliquot added the surrogate spiking solution and sodium chloride is extracted twice with hexane by shaking extraction. The combined extract is reacted with concentrated sulfuric acid, and washed with 0.1 mol/L aqueous KOH. After that the extract is dried over anhydrous sodium sulfate and concentrated to 1.0 ml using a rotary evaporator in a worm bath (30 ℃) and/or a gentle stream of nitrogen. An internal standard is added to the concentrate, and the concentrate is subjected to the GC/MS-SIM analysis. For a sediment sample, a 20 g aliquot of wet sample (substantial amount of 10 g dry basis) added the surrogate spiking solution is extracted with 1.0 mol/L ethanolic KOH by ultrasonic and shaking extractions. The alkaline extract is separated from the sample by centrifugation and the sample is repeated the shaking extraction and the centrifugation using fresh portion of 1.0 mol/L ethanolic KOH. The two alkaline extracts are combined, poured into 3% aqueous NaCl, and extracted twice with hexane by shaking extraction. The combined hexane extract is reacted with concentrated sulfuric acid, washed with 0.1 mol/L aqueous KOH, dried over anhydrous sodium sulfate, concentrated to a volume of 2 mL, and undergone cleanup using the Florisil and the graphite carbon cartridge column chromatography. The extract is loaded onto Florisil column and the elute obtained with 10 mL hexane is then loaded onto the graphite carbon column. The eluate obtained with 10 mL hexane and 10mL dichloromethane from the graphite carbon column is concentrated to 1.0 mL using a rotary evaporator and/or a gentle stream of nitrogen, the internal standard solution is spiked to that, and the analyte are determined by GC/MS-SIM.

(22)

《Water》 Water Sample 1L Extract 2 times with hexane (50+50mL) for 15 minutes Surrogate、5ng 2-chloronaphthalene-d7 Sodium chloride、30g ↓ Adjust to the defined volume,

1.0mL GC/MS SIM Internal Standard、5ng acenaphthylene-d8 ↓ Monitor Ions 1-chloronaphthalene m/z162.0 (quan)、164.0(confir) 2-chloronaphthalene-d7 m/z169.1(quan)、171.1(confir) acenaphthylene-d8 m/z160.1(quan)、161.1(confir) Sulfuric Acid Cleanup conc. HsSO4 20mL ↓

Wash, Dry and Concentrate

using a rotary evaporator (30℃) and/or nitrogen blowdown technique ・0.1mol/L KOH solution

・Anhydrous Na2SO4 ↓ Water Sample 1L Extract 2 times with hexane (50+50mL) for 15 minutes Surrogate、5ng 2-chloronaphthalene-d7 Sodium chloride、30g ↓ Adjust to the defined volume,

1.0mL GC/MS SIM Internal Standard、5ng acenaphthylene-d8 ↓ Monitor Ions 1-chloronaphthalene m/z162.0 (quan)、164.0(confir) 2-chloronaphthalene-d7 m/z169.1(quan)、171.1(confir) acenaphthylene-d8 m/z160.1(quan)、161.1(confir) Sulfuric Acid Cleanup conc. HsSO4 20mL ↓

Wash, Dry and Concentrate

using a rotary evaporator (30℃) and/or nitrogen blowdown technique ・0.1mol/L KOH solution

・Anhydrous Na2SO4 ↓ 《Sediment》 Sediment Sample 20gwet Ultrasonic Extract with 50mL of 1mol/L KOH/EtOH for 30min

Wash, Dry and Concentrate to 2mL Extract 2 times with hexane (50+50)mL for 10min Using a rotary evaporator (30℃) Surrogate, 10ng 2-chloronaphthalene-d7

Extract 2 times with 1mol/L KOH/EtOH (50+50mL) for 10min Centrifuge 2500rpm、10min Sulfuric Acid Cleanup 3% sodium chloride solution, 300mL ↓

conc Sulfuric Acid, 20mL

repeat 2 or 3 times ・0.1mol/L KOH solution

・Anhydrous Na2SO4

Column Chromatography florisil and graphite carbon cartridge column 1)florisil (Sep-Pak plus Florisil)

conditioning: Hexane 10mL elution: hexane 10mL 2)graphite carbon (Envi-carb)

conditioning:①dichloromethane 10mL、②hexane 10mL elution: dichloromethane 10mL adjust to the defined volume 1.0mL GC/MS SIM internal standard, 5ng acenaphthylene-d8 ↓ Monitor Ions 1-chloronaphtahlene m/z162.0 (quan)、164.0(confir) 2-chloronaphthalene-d7 m/z169.1(quan)、171.1(confir) acenaphthylene-d8 m/z160.1(quan)、161.1(confir) Concentrate

using a rotary evaporator (30℃) and/or nitrogen blowdown technique repeat Sediment Sample 20gwet Ultrasonic Extract with 50mL of 1mol/L KOH/EtOH for 30min

Wash, Dry and Concentrate to 2mL Extract 2 times with hexane (50+50)mL for 10min Using a rotary evaporator (30℃) Surrogate, 10ng 2-chloronaphthalene-d7

Extract 2 times with 1mol/L KOH/EtOH (50+50mL) for 10min Centrifuge 2500rpm、10min Sulfuric Acid Cleanup 3% sodium chloride solution, 300mL ↓

conc Sulfuric Acid, 20mL

repeat 2 or 3 times ・0.1mol/L KOH solution

・Anhydrous Na2SO4

Column Chromatography florisil and graphite carbon cartridge column 1)florisil (Sep-Pak plus Florisil)

conditioning: Hexane 10mL elution: hexane 10mL 2)graphite carbon (Envi-carb)

conditioning:①dichloromethane 10mL、②hexane 10mL elution: dichloromethane 10mL adjust to the defined volume 1.0mL GC/MS SIM internal standard, 5ng acenaphthylene-d8 ↓ Monitor Ions 1-chloronaphtahlene m/z162.0 (quan)、164.0(confir) 2-chloronaphthalene-d7 m/z169.1(quan)、171.1(confir) acenaphthylene-d8 m/z160.1(quan)、161.1(confir) Concentrate

using a rotary evaporator (30℃) and/or nitrogen blowdown technique repeat

(23)

物質名 分析法フローチャート 備考 1- ク ロ ロ ナ フ タ レ ン 《水質》 水試料 1L 振とう抽出 15分、2回 ヘキサン、50+50mL サロゲート標準物質、5ng 2-クロロナフタレン-d7 塩化ナトリウム、30g ↓ 定容 1.0mL GC/MS SIM 内標準物質、5ng アセナフチレン-d8 ↓ モニターイオン 1-クロロナフタレン m/z162.0 (定量)、164.0(確認) 2-クロロナフタレン-d7 m/z169.1(定量)、171.1(確認) アセナフチレン-d8 m/z160.1(定量)、161.1(確認) 濃硫酸洗浄 濃硫酸、20mL ↓ 水洗・脱水・濃縮 ・ロータリー エバポレータ(30℃) ・窒素気流下 ・0.1mol/L 水酸化カリ ウム水溶液、50mL ・無水硫酸ナトリウム ↓ 水試料 1L 振とう抽出 15分、2回 ヘキサン、50+50mL サロゲート標準物質、5ng 2-クロロナフタレン-d7 塩化ナトリウム、30g ↓ 定容 1.0mL GC/MS SIM 内標準物質、5ng アセナフチレン-d8 ↓ モニターイオン 1-クロロナフタレン m/z162.0 (定量)、164.0(確認) 2-クロロナフタレン-d7 m/z169.1(定量)、171.1(確認) アセナフチレン-d8 m/z160.1(定量)、161.1(確認) 濃硫酸洗浄 濃硫酸、20mL ↓ 水洗・脱水・濃縮 ・ロータリー エバポレータ(30℃) ・窒素気流下 ・0.1mol/L 水酸化カリ ウム水溶液、50mL ・無水硫酸ナトリウム ↓ 《底質》 底質 20g湿重 超音波抽出 30分 1mol/L KOH/EtOH、 50mL 水洗・脱水 ・濃縮(2mL) 振とう抽出 10分、2回 ヘキサン、50+50mL ・ロータリエバ ポレータ(30℃) ・窒素気流 サロゲート標準物質、10ng 2-クロロナフタレン-d7 ↓ 振とう抽出 (15分、2回) 1mol/L KOH/EtOH、 50+50mL 遠心分離 2500rpm、10分 濃硫酸洗浄 3%塩化ナトリウム 水溶液、300mL ↓ 濃硫酸、20mL ↓ 2,3回繰返す ・0.1mol/L 水酸化カリ ウム水溶液 ・無水硫酸ナトリウム ↓ カラムクロマトグラフィー フロリジル+グラファイトカーボンカートリッジカラム 1)フロリジル(Sep-pak plus Florisil)

コンディショニング: ヘキサン10mL 溶出: ヘキサン10mL 2)グラファイトカーボン(Envi-carb) コンディショニング:①ジクロロメタン10mL、②ヘキサン 10mL 溶出: ジクロロメタン10mL 定容 1.0mL GC/MS SIM 内標準物質、5ng ナフチレン-d8 ↓ モニターイオン 1-クロロナフタレン m/z162.0 (定量)、164.0(確認) 2-クロロナフタレン-d7 m/z169.1(定量)、171.1(確認) アセナフチレン-d8 m/z160.1(定量)、161.1(確認) 濃縮 ・ロータリエバ ポレータ(30℃) ・窒素気流下 繰返す 底質 20g湿重 超音波抽出 30分 1mol/L KOH/EtOH、 50mL 水洗・脱水 ・濃縮(2mL) 振とう抽出 10分、2回 ヘキサン、50+50mL ・ロータリエバ ポレータ(30℃) ・窒素気流 サロゲート標準物質、10ng 2-クロロナフタレン-d7 ↓ 振とう抽出 (15分、2回) 1mol/L KOH/EtOH、 50+50mL 遠心分離 2500rpm、10分 濃硫酸洗浄 3%塩化ナトリウム 水溶液、300mL ↓ 濃硫酸、20mL ↓ 2,3回繰返す ・0.1mol/L 水酸化カリ ウム水溶液 ・無水硫酸ナトリウム ↓ カラムクロマトグラフィー フロリジル+グラファイトカーボンカートリッジカラム 1)フロリジル(Sep-pak plus Florisil)

コンディショニング: ヘキサン10mL 溶出: ヘキサン10mL 2)グラファイトカーボン(Envi-carb) コンディショニング:①ジクロロメタン10mL、②ヘキサン 10mL 溶出: ジクロロメタン10mL 定容 1.0mL GC/MS SIM 内標準物質、5ng ナフチレン-d8 ↓ モニターイオン 1-クロロナフタレン m/z162.0 (定量)、164.0(確認) 2-クロロナフタレン-d7 m/z169.1(定量)、171.1(確認) アセナフチレン-d8 m/z160.1(定量)、161.1(確認) 濃縮 ・ロータリエバ ポレータ(30℃) ・窒素気流下 繰返す カ ラ ム :DB-5 (60 m X 0.25 mm i.d., df=0.25 μm) カ ラ ム 温 度 : 50 ℃ → 80 ℃ (20 ℃ /min,0min)-130 ℃ (10 ℃ /min, 0min) → 180 ℃ (5 ℃ /min) → 270℃(10℃/min) 測 定 イ オ ン (m/z):1- ク ロ ロ ナ フ タ レ ン 162.0( 定 量 ) 、 164.0(確認) 2-クロロナフタ レ ン -d7 169.1( 定 量 ) 、 171.1(確認)、ア セ ナ フ チ レ ン -d8 160.1(定 量)、161.1(確認) 測定方法の検出 下限(MDL)およ び 定 量 下 限 (MQL):<水質, ng/L> MDL 0.97、MQL 2.5 < 底 質 , ng/gdry>MDL 0.25、MQL 0.65

参照

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