ストレス経験とキレ衝動抑制方略および自己表現が中学生のキレ行動に及ぼす影響
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(2) 得られた。これは、先生とのより良い関係を望む. 3.キレ行動への影響の分析 ニック状態」をそれぞれ目的変数とし、第1段階. 生徒の気持ちの大きさの裏返しというとらえ方 ができると考えられる。ゆえに、教師は教育のプ. で「ストレッサー」を、第2段階で「キレ衝動抑. ロとして様々な生徒の状況に対して、より適切な. 制方略」を、第3段階としてrアサーション」を. 関わり方を実践や研修を通して身につけていく. 投入する階層的重回帰分析を男女別および学年. 必要があろう。. 別に打つだ。. 次に、「キレ衝動抑制方略」のキレ行動に及ぼ. ストレッサーからの影響を男女別にみると、男. す影響では、男子において、認知的方略が「キレ. 子は学業以外のストレッサーからの影響を受け ているのに対して、女子は部活動以外のストレッ. 行動」を抑制する働きをしていたことから、行動. サーから影響を受けており、女子では特に先生ス. を身に付けさせることがrキレ行動」の抑制に有. トレッサーの影響が大きいことが確認された。ま. 効であると考えられた。また、3年生おける回避. た学年別の結果では、3年生では、先生ストレッ. 的方略がキレ行動を増加させるという結果につ. サーの影響が大きく、学業ストレッサーが有意で. いては、入試を意識する中で無理にでも回避的方. ないという結果が得られた。. 次にrキレ衝動抑制方略」の影響では、男子に. 略でキレ衝動を抑えようとしているのではない かと思われた。しかし、それは、自分のなかでの. 対しては「認知的方略」が「キレ行動」の抑制に. 納得に至らず、結局キレ行動に結びついてしまう. 有意に働くことが確認されたが、女子においては. と考えられるのではないだろうか。. 有意ではなかった。学年別の結果では、3年生に. 最後にアサーションのキレ行動に及ぼす影響. おいて回避的方略がrキレ行動」に対して正の有. では、アサーティブな自己表現態度は直接的には. 意な影響を及ぼすこと、.すなわち回避的方略によ. キレ行動を抑制するという結果は得られなかっ. ってむしろキレ行動が増加する可能性があるこ とがわかった。他学年では有意な水準ではないも. たものの、攻撃的な自己表現態度であっても逆に. 非主張的な自己表現態度であっても結果的にキ. のの回避的方略が抑制的に働いていることと比. レ行動を増加させてしまうという結果が得られ. 較すると、3年生の特徴であると考えられた。. ている。これは、言いかえれば、適切な自己表現. 最後に、「アサーション」からの影響では、男. 態度を身につけさせることは、キレ行動を抑制す. 女別、学年別のどちらにおいても、アサーティブ. るためには重要なことであることを示している. な自己表現態度ではなく、アグレッシブな自己表. といえる。したがって、日常生活の中において、. 現態度がキレ行動に有意な正の影響を及ぼすこ. 自己表現能力が自然と培われる基盤は失われつ. とがわかった。さらに、3年生ではノンアサーテ. つあるなかでは、学校教育の中でそれを補ってい. ィブな態度も正の有意な影響を及ぼすことがわ. く方策が検討されなければならないであろう。. 「全キレ行動」「直接的攻撃」「間接的攻撃」「パ. する前に一呼吸おいて、よく考えて行動する態度. かった。. 【主な引用文献】. またキレの種類ごとの分析において『直接的攻. 岡安孝弘・嶋田洋徳・丹羽洋子・森俊夫・矢宮直美 1992 中学. 撃」とr間接的攻撃」に対する影響はr全キレ行. 生の学校ストレッサー評価とストレス反応との関連 心理学. 動」に対する影響と似通った結果を示したが、rパ. 研究,63,310・318. ニック状態」に対しては、男女とも先生・学業・. 下坂剛・西田裕紀子・齊藤誠一・伊藤宗達・神藤貴昭・柳原利佳. 部活動のストレッサーから正の影響を受けてお. 子・鶴岡弘子・久水山健一・酉田紀子’西村亜希子・榎本手奉・. り、抑制的に働く因子は確認できなかった。. 坂本由佳・剃11雅子 2000 現代青少年の「キレる」というご. 【考察】. とに関する心理学的研究(1)一キレ行動尺度の作成およびS C. 分析の結果、ストレッサーの中でも、特に先生. Tによる言已述の分析一神戸大学発達科学部研紀要.7,2,1−8. ストレッサー、つまり「先生からの不適切な対応」. 主任指導教員 小林小夜子. が、キレ行動に大きな影響を及ぼすという結果が. 指導教員 秋光恵子. 一59一.
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