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肺の大細胞性神経内分泌がん(Large cell neuroendocrine carcinoma) とその周辺 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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肺の大細胞性神経内分泌がん(Large cell neuroendocrine carcinoma) とその周辺

北里大学医学部 病理 亀谷徹

 1999年WHOは“Histological Classification of the L皿g Tumours”を大改訂した1)。 表1のように、悪性腫瘍の中で神経内分泌腫瘍をひとまとめにせず、Small cell carcinoma (含variant)を独立させ、従来のsubtype, o at cell type, intermediate cell typeを排除し、Large cell carcinomaの中にvariantとして新たにLarge cell neuroendocrine carcinoma(LCNEC) を加え、Cardnoid tumorを独立させ、その中にTypical carcinoid,Atypical carcinoidを細分 した。従って肺の神経内分泌腫瘍をひとまとめにすると、Typical carcinoid, Atypical cardnoid, Large cell neuroendocrine carcinoma, Small cell carcinomaの4者に分けることが できる。  神経内分泌腫瘍は、以前より、機能性腫瘍となることがあるので興味深い。Flushing syndromeを示すcarcinoidは切除により症状を消失し、血中のセロトニン高値や腫瘍細胞 内に免疫染色でセロトニンを証明することなどにより、機能性なることが明かとなる。  先ず簡単に各神経内分泌腫瘍の組織像をみておきたい。  Typica1 cardnoid(定型的カルチノイド)はorganoid struαureを示し、間質は豊富な毛 細血管から成る。腫瘍細胞は多角または紡錘型で、核異型乏しく、核分裂像はみられず、 細胞質は豊かで細願粒状である。電顕でみれば多数の“内分泌型願粒”がみられる。  Atypical carc inoid(非定型的カルチノイド)は基本構造はTypical carcinoidに似るが、 しばしば小壊死巣があり、核異型と少数の核分裂像(高倍10視野中に10ヶ以下の核分裂 像)を認める。  Small cell carcinoma(小細胞がん)は従来oat ccll typeとintcrmediatc cell typcに分けら れていたが、今回の分類では分けない。いずれも間質に乏しく、細胞の配列はわずかに organoid structureをみるものから不規則なものまであり、細胞質は極めて乏しく、核/細 胞質比が高い。特に従来oat cellと診断されてきたものは、ほとんど細胞質がみえない。核 /細胞質比がどれくらいのものまでSmall cell carcinomaとするかはLCNECとの鑑別点と して重大な問題であるが、病理診断者の間でも合意は得られていない。この点については LCNECの項でも触れる。小細胞がんの組織像と他の組織像が共存するものは、例えば、 “CoMbined small cell carcinoma With adenocarcinoma component”と言うような診断とす る。  Large cell neuroendoc血le・cardnoma, LCNEC(大細胞性神経内分泌がん)は末梢腫瘍と して発見されている例が多く、前述の如く今回WHOで新しく加えられた組織診断名であ る。この名称の提案者Travis 2)は、表2の如く定義した。即ち、 a)光顕で神経内分泌腫 瘍(NE)特有のパターン(organoid、索状配列、観兵式状配列など)があること、b)種々

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の型のロゼットがあること、c)腫瘍細胞が大きく、小リンパ球3個分以上の核の大きさが あること、核/細胞質比が低く、細胞は多角形で、細胞質は微細穎粒状、核のクロマチン はやや粗く、核小体もしばしばみられること、d)核分裂像多く、高倍10視野中分裂像10 ヶ以上あること、e)腫瘍胞巣に壊死巣をみること等であり、確認のためには、 DHE以外 に免疫染色や電顕でNEの性質が同定されねばならない。組織診断上の専門的事項になる が、NEパターンの程度は?、“ロゼッドの明確な定義は?、「核/細胞質比が低い」と言 うのは客観的に数値で表せるか?、「核のクロマチンが粗い」となっているが、LCNECに おいてはしばしば、核質は小細胞がんに似て微細なことが多いのではないか?等々の疑問 が指摘され、この腫瘍が新分類に入れられたことは、逆に小細胞がんとの鑑別が今後の課 題として重要視されねばならない。  我々の施設3)で766例の外科摘除肺がんを見直したところ、22例のLCN『ECを抽出 することが出来た。手術時の診断時NE腫瘍とされていたものはわずか4例で、9例が低 分化扁平上皮がん、8例が低分化腺がん、1例が腺扁平上皮がんと診断されていた。また 国立がんセンター肺がんグループの分析によると、当初小細胞がんと診断されて手術され

た55例中、今回のWHO改訂1)に従って見直したところ24例がLCNECの診断に変

更された4)。この事実は、全国の肺がん診断病理医は、LCNECの組織診断基準を近々の うちに熟知しなければならないことになる。  次にLCNECの生物学的特性にっいて、私共がしらべた結果を述べる。  小細胞がんの増殖能が高いことは周知の所である。LCNECはどうかをしらべてみた。 核内に存在するKi−67の陽性率(LI)によって増殖能をみると、LCNECのLIは66%(n=8, 53%∼83%)、小細胞がんのそれは71%(n=8,61%∼85%)、これに対し、Atypical carcinoidでは18%、 Typical carcinoidではく5%であり、Typical及びAtypical cardnoid に対し、LCNECは小細胞がんと同程度に増殖能が高いことがわかった(表3)。  がん抑制遺伝子としてよく研究されているp53の核内蓄積率の状況をみると、小細胞 がんと同程度に高い。またapoptosis抑制遺伝子としてよく知られているbcl− 2も小細胞が んと同様に高率に発現している。しかし、p53とbcl−2の間には発現に相関がない5)。  表43)には、LCNECと診断した症例で発現する一般的な神経内分泌マーカーを示して ある。LCNECの半数以上がこれらのマーカー全てが陽1生であるが、クロモグラニンAや G蛋白の一つであるGo蛋白のSubunitは約半数が陰性で、全例がNEの特性は持ってい るものの、ペプチドホルモンなどの分泌蛋白と関連する症例は半数位であることを示唆し ている。  表53)はいろいろなペプチドホルモンの発現を免疫染色で26例のLCNECにつきしら べたものであるが、しらべたホルモンが陽性の症例は半数程度である。カルシトニン陽性 例が38%で最も多い.しかし、血中ホルモンの上昇、ホルモン症状があった症例はなか ったc、

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 人の細胞の神経内分泌分化への運命を決定するに必要な遺伝子としてhash 1が知られ ている。hash 1が小細胞がんとLCNECにおいて高率に発現することについて述べる。 △chaete−scuteは神経へ分化する運命を決定する遺伝子で、ショウジョウバエの神経感覚 器の発生に必須の転写因子をコードしている6)。哺乳類のホモログはmash 1と呼ばれ7)、 肺の神経内分泌細胞の発生に必須である8)。即ち遺伝子mash 1をノックアウトしたマウ スの新生仔の肺は神経内分泌細胞を欠如している。mash 1の人のホモログはhash 1と言 う。腫瘍におけるhash 1の発現状況をmRNAの発現でしらべた。 In situ hybridizationに より、61例の小細胞がんと59例のLCNECをしらべたところ、表6のように小細胞が んで67.2%に陽性、LCNECでは52.5%に陽性であった。陰性例はそれぞれ32.8%、 47.5%であった。陽性・陰性の生物学的差異について、予後因子を含め解析中である。  以上、LCNECと小細胞がんの生物学的差異は、これまでしらべたところ明かでない。 大きな差異は組織・細胞学的形態学的差異ということになる。        文献 1)Travis WD et al:Histological typing of lung and pleural tumours. WHO lnternational   Histological Classification of Tumours. Springer−Verlag Berlin−Heidelberg,1999 2)Travis WD et al:Neuroendocrine tumors of the lung With proposed criteria for largecell   neroendocrine carcinoma. An ultrastructural,immunohistochemical,and flow(:ytometric   study of 35 cases. Am 」 Surg Pathol 15:529−553,1991 3) Jiang Shi−Xu et al:Large cell neuroendocrine carcinoma of the lung;ahistologic and   immunohistochemical study of 22 cases. Am J Surg Pathol 22:526−537,1998 4)淺村尚生ら:私信,2001 5) Jiang Shi−Xu et al:The significance of丘equent and independent p53 and bcl−2 expression   in large−cell neuroendocrine carcinomas of the lung. Mod Pathol 12:362−369,1999 6)Ghysen A, Dambly−Chaudiere C:From DNA to form:the achaete−scute complex. Genes   Dev 2, 495−501,1988 7)GuUlemot E Joyner AL:Dynamic expression of the murine Achaete−Scute homologue   Mash−1 in the developing nervous system. Mech Dev 42:171−185,1993 8)Borges M et al:An achaete−scute homologue essential for neuro−endocrine differentiation in   the lung, Nature 386,852−855,1997

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1 WHO Histologioal Classification  of the Lung Tumors(1999)       しarge celt C倉ずC{nom魯 EPtl}臥’rvmoRs  Bealgn  Malign魯qt   Squ㎜s国1⇔fdn㎝白   S鳩ICxela caオC{nocna    Vada“t  cmUned●耐l CiCstt ca耐㈱ Menocandnoma  V8南nt⑤  L項rge cd{nguro◆什docdne card㈱   Comblfted lacpe ceel tu刈roe』f舗c禽rdn《興  B魯s白ぱdearc{a◎t“a  Lymph◎epKhetmu{ke c稔rd㎜  C㎞℃d{c魯rCiftO・ma  Lsrge oe頓c亀rdooma w柑1廿iitbd◎ld phenotype Adeiietsqt」倒tK刈8 c亀rdn㈱ Cardwld tumor  Typlca{cポ℃{∩old  AtyplcaI c8rdodd      ’ 一  ■  ●  ●. ●  ■  ●  ●  ‘   ■

2

Histologic Criteria for the’Diagnosis of LCNEC a)A NE apPearance by LM(organoid, trebecular, palisading) b)Presen㏄of various types of rosettes c) Cytologic features of large cell size(most㏄lls greater than   the nuclear diameter of three small TeS−ting lymphocytes),   low nu’clear/cytoplasmic ratio, pOlygona1 shape, finely   granular CQsinophilic cytoplasm with an eosinophilic hue,   coarse nuclear chromatin and frequent nucleoli d)Frequent mitosis(>10/10HPFs) e)Necrosis f)NE features cither by IHC or EM or both

3

Ki“67 Labeling index in

AT, LCNEC and SCLC

Iabeling index average ρ value

AT(n=7) 5%w45% LCN歪…C(n=8) 53%∼83うも        ク SCLC(n=8)  61%∼85% 18% 66% 71% ρ<0.OOO1 ρ<0.0002 p= O.28

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.表

4

Six General NE Marker Staining Results in 22 LCNECs Positilve(‘)6) Ne⑨ative NSE《n鯉rO・5pecific enolase) PGP9・5{protein gene prod“ct g.5) CGA(chromogranin A) GO一α  (α一5ubロnit of「 Go pro1:ei“) ’ru」4(neur。n・spec栢c clas⑤川6−tubulin) NCAM《ne“ral celhdhesion molec凹1e) 21(95・5%》 22《IOO%) ¶2(54・5%) ¶2{54・5%) 18{81・8%) 16(72.7%》  1  0 10 10  4  6 numberbf any 2 ntarker positiye cases 22但00%)

5

Eight Hormonal Marker Staining Results in 26 LCNECs POS看tive{%) pro・gastrin・reteasing peptide calcitonin somato⑤《atin serotonin adre“ocor量icotropic horm◆ne calcitonin−gene−related peptide pancreatic polypeptide α一sub…it of human chorionic gonadotrop』 6《23%) lO(38%) 9(35%) 4《45%) 5{19%) 4《15%) 1(4%》 8(31%) horm。”e・P・sitive cases 13《50%)

6

力ash 7 m月1(IA E>qρression in SCLC and   LCNEヨC by〃7 Situ Hybridiza t’on Positive Negative SCLC(n=61) 41 (67.2%) 20(32.8%》 ρ=0ゴ LCNEC(n=59》 31 (52.5%) 28(47.5%》

表 1 WHO Histologioal Classification  of the Lung Tumors(1999)                       しarge celt C倉ずC{nom魯 EPtl}臥 rvmoRs  Bealgn  Malign魯qt   Squ㎜s国1⇔fdn㎝白   S鳩ICxela caオC{nocna    Vada t  cmUned●耐l CiCstt ca耐㈱ Menocandnoma  V8南nt⑤  L項rge cd{nguro◆什docdne ca

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