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デンマークの特別のニーズを有する若者を対象とする青年期教育制度についてーデンマークのSTU法の構造(1)

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᫺ࢳఙଡ଼ᑎҤ࣊ȾȷȗȹNJNJʑʽʨ˂ɹɁ STU ศɁഫᣲᴥ1ᴦ

古 畑   淳

On the Youth Education System for the Young People with Special Needs in Denmark:

Structure of Danish STU Law (1)

Jun F

URUHATA 目次 はじめに Ⅰ STU を形作る法令と法令所管省が示す行政指針 Ⅱ STU 法の章構成 Ⅲ STU の目的等(STU 法の第㧝章)  㧝.STU の目的  㧞.STU の対象とその意図  㧟.STU 法が定める教育提供についてのコムーネ議会の情報提供義務 Ⅳ STU に関するコムーネ議会の提供(STU 法の第㧞章)  㧝.青年期教育に対する若者の権利  㧞.コムーネ議会の㧟年の STU の提供義務  㧟.STU の開始時期・対象年齢・完成年限  㧠.コムーネ議会による STU の対象者の決定  㧡.若者の教育ガイダンスによる「㧟年の個人教育計画の構想」の提案とその作成  㧢.コムーネ議会による「㧟年の個人教育計画」の承認  㧣.若者の教育ガイダンスによる教育計画の調整(以上、本号) Ⅴ STU の内容(STU 法の第㧟章)  㧝.教育及び教育内容についての基本的な考え方  㧞.STU の構成要素  㧟.教育計画に記されるべき内容  㧠.教育の諸要素の多様な提供機関(学校、諸機関等)  㧡.コムーネ議会と多様な提供機関(学校、諸機関等)との協定の締結  㧢.教育全体の授業時間数  㧣.実習の授業時間数  㧤.STU への参加の中断と再開  㧥.STU に要する諸費用の支払い

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 10.居住地の変更と STU への参加  11.コムーネ議会による能力報告書の作成と発行 Ⅵ 移動等(STU 法の第㧠章)  㧝.STU への参加のための移動の制度  㧞.必要な教育器具の無償による提供 Ⅶ 不服申立て等(STU 法の第㧡章)  㧝.不服申立て制度について定める法令の規定  㧞.不服申立ての対象となるコムーネ議会の決定  㧟.不服申立てを行うことができる者等  㧠.特別教育不服審査会による不服の審査 おわりに 【資料編】

資料㧝.STU KØBENHAVNSVEJ 発行のパンフレット「STU KØBENHAVNSVEJ PRAKTISK UDDANNELSE FOR UNGE MED SÆRLIGE BEHOV」の紹介

資料㧞.Lov om ungdomsuddannelse for unge med særlige behov(Lovbekendtgørelse nr 783 af 15/06/2015) の全訳、及び2019年㧡月28日統合法律第610号(Lovbekendtgørelse nr 610 af 28/05/2019)による STU 法の改正の解説

資 料 㧟.Bekendtgørelse om ungdomsuddannelse for unge med særlige behov(Bekendtgørelse nr 739 af 03/06/2016)の全訳 ɂȫɔȾ ⑴ 本稿は、デンマークの「特別のニーズを有する若者を対象とする青年期教育」の制度内容 を、制度を形作る法令に基づき、また、法令所管省より発出されている行政指針を参照して紹 介するものである。 ⑵ 叙述を進めるにあたり、副題に記した「STU」との略語について説明しておきたい。  デンマークの「特別のニーズを有する若者を対象とする青年期教育」は、デンマーク法律で ある「特別のニーズを有する若者を対象とする青年期教育に関する法律」を根拠に実施されて いるものである。この法律は、デンマーク語では、Lov om ungdomsuddannelse for unge med særlige behov と表記されるが、法律名称として使われている ungdomsuddannelse for unge med særlige behov(特別のニーズを有する若者を対象とする青年期教育)については、Særligt tilrettelagt ungdomsuddannnelse(特別に計画された青年期教育)との名称が別に与えられてお り(1)、このようなことから、この青年期教育は、後者の名称(別称)の頭文字をとって「STU」 と一般に呼ばれている。そして、STU を形作る法律のことを「STU-loven(STU 法)」と呼ん でいる。そこで、本稿での記述においてもこれに倣い、特別のニーズを有する若者を対象とす る青年期教育を「STU」と記し、また、STU を形作る法律のことを、特別の必要がない限り「STU 法」と記すこととする。

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⑶ 次に、筆者がデンマークの STU に関心を持つに至った経緯について、簡単に触れておく こととしたい。

 筆者は、2017年の夏、澤渡夏代 Brandt 氏と中能孝則氏の㧞人の共同企画による「デンマー ク交流企画 デンマークに学ぶ社会福祉研修〈子育て支援&高齢者福祉〉」に参加する機会に 恵まれたが、この研修視察において、ロスキレ市(Roskilde Kommune)のハンディキャップセ ンター(Center for Handicap)を訪ねる機会を得た(訪問日は2017年㧤月30日)。ハンディキャッ プセンターでは、同センターの協力・発展リーダー(Leder for samarbejde og udvikling)である ハンネ・ケアゴード(Hanne Kjørgard)氏より、センターが行う諸活動の内容についての説明 を受けた(2)が、レクチャーの終わりの部分に差し掛かったところで、STU Københavnsvej(以 下「STU クヴンハウンスバイ」と記すこととする)のリーダーを務める女性が私たちの前に 挨拶に来られ、私たちに STU と STU クヴンハウンスバイの説明を簡潔にしてくださった。そ のときに私が記したノートの記録によれば、デンマークでは、すべての若者は青年期教育を受 ける権利があり、その権利は心身の機能低下等がある者においても同様であること、そして、 ロスキレ市には STU が㧞か所あり、STU クヴンハウンスバイでは実習を中心とした実用的な 学びを提供していること、概要として、心身に機能低下等がある16歳から25歳までの若者に 対して、センター内外での実習を㧝週間のうち㧟日間行い、他の㧞日間において教室での学習 を行うなどといった教育を、㧟年間のプログラムとして提供していること等々が彼女から語ら れた。限られた時間の中での説明ではあったが、特別のニーズを有する若者を対象として、特 別に計画された教育を提供する STU の制度と教育の実践に、私は大きな関心を覚えた。これ が私の、デンマークの STU を知るはじめての機会であり、特別のニーズを有する若者の社会 参加と自立に向けた、デンマークの特徴的な青年期教育との出会いであった。なお、彼女から は、「STU KØBENHAVNSVEJ PRAKTISK UDDANNELSE FOR UNGE MED SÆRLIGE BEHOV」 と記されたパンフレットを頂戴したが、STU クヴンハウンスバイ発行のこのパンフレットは、 STU の実際を知る手掛かりとなる資料といえるものであるので、その内容は本稿の最後に掲 載を予定している【資料編】において、資料㧝.として若干のコメントとともに紹介すること としたい。 ⑷ 以上の体験が本研究に取り組む動機の一つにあるわけであるが、以下では、STU 制度を 形作る法令と、法令所管省より発出されている行政指針を手掛かりとして、STU の制度内容 について考察していくこととする(3) ƋǽÓÔÕ ɥढͽɞศ͎Ȼศ͎੔ከᅁȟᇉȬᚐ୑઩ᦉ

 STU の根拠法律は、先に記した Lov om ungdomsuddannelse for unge med særlige behov(STU-loven)である。この法律は㧣章の構成で18条の条文から成るものであるが、この法律もまた 省令への委任規定を内容に含むものであるので、STU 制度の把握のためには省令である Bekendtgørelse om ungdomsuddannelse for unge med særlige behov(4)の内容も調べる必要がある。

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また、制度の理解のためには、法令所管省(5)が示す行政指針(以下では特に必要がない限り、

単に「指針」という)にも目を通す必要がある。指針とは、法令所管省(教育省)が発出して いる Vejledning om lov om ungdomsuddannelse for unge med særlige behov(6)である。

 なお、STU 法の法律条文については、すでにその全文訳が青木真理らの研究成果として発 表されている(7)。実は筆者がこのことを知ったのは、上記法令と行政指針の訳出ノートを作成 した後のことであったが、青木らの研究成果は法制定時の STU 法を訳出するものであること、 STU 法は法制定以後に様々な項目について改正がなされている(8)こと、何よりも、筆者の理 解に基づく条文訳を示すことは、本稿の記述においては不可欠な作業であると考えられたこと などから、以下においては、青木らの研究成果を参照としつつ、拙訳を記すこととした(9)  本稿が検討する法令及び行政指針は次のものである。なお、本稿で使用したテキストは、い ずれも retsinformation.dk(https://www.retsinformation.dk/)より入手したものである(10) ・法律(Lov)

 Lov om ungdomsuddannelse for unge med særlige behov(STU-loven)

 (Lovbekendtgørelse nr 783 af 15/06/2015(11)(2015年㧢月15日統合法律第783号))

・省令(Bekendtgørelse)

 Bekendtgørelse om ungdomsuddannelse for unge med særlige behov  (Bekendtgørelse nr 739 af 03/06/2016(2016年㧢月㧟日省令第739号)) ・行政指針(Vejledning)

 Vejledning om lov om ungdomsuddannelse for unge med særlige behov  (Vejledning nr 9534 af 03/06/2016(2016年㧢月㧟日指針第9534号))

 * Lov om ungdomsuddannelse for unge med særlige behov(STU-loven)は、2018年㧢月㧤日法 律第745号の第19条と2019年㧡月㧣日法律第551号の第22条により、一部が改正された。この 改正により、Lov om ungdomsuddannelse for unge med særlige behov(STU-loven)は、2019年㧡 月28日統合法律第610号として、法令所管省(教育省)より2019年㧡月29日に公布されてい る(2018年㧢月㧤日法律第745号による改正部分については、2019年㧤月㧝日に効力が生じて おり、2019年㧡月㧣日法律第551号による改正部分については、2020年㧝月㧝日に効力が生じ ることになっている)。  STU 法の改正状況は以上のとおりであるが、本稿では2015年㧢月15日統合法律第783号の 法文について解説することとする。その理由は、本稿の執筆時点では、STU 法の改正のみが retsinformation.dk で 確 認 で き る に 留 ま っ て お り、 省 令 の 改 正 や 指 針 の 改 訂 に つ い て は retsinformation.dk 等において確認することができなかったからである(12)。また、積極的な理由 としては、現在までの制度運営の根拠となっていた法律の内容を確認しておくことは、制度運 営の実態がどのようなものであったかを探求する場面において有意義であると考えたからであ る。

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 なお、STU 法(2015年㧢月15日統合法律第783号)の法文が、2019年㧡月28日統合法律第 610号により、どのように改正されたかについては、本稿の最後に掲載を予定している【資料編】 において、若干の解説とともに、資料㧞.として紹介することとしたい。 ƌǽÓÔÕ ศɁቛഫ਽  STU 法は、2007年㧢月㧢日法律第564号として制定され、同年㧤月㧝日に効力を発した法律 である(13)。指針の解説を引用するならば、「STU 法は、全国の若い発達上の障害を有する者及 び特別のニーズを有するその他の若者が、個別に計画された教育課程についての提供を、定め られた目的に基づき、また、規定された範囲でもって受け取ることができるように、一様の枠 組み(en ensartet ramme)を提供する」(指針第㧝章)ものである。

 その STU 法は、先に記したように全㧣章からなる法律であるが、各章のタイトルは以下の とおりである。「第㧝章(第㧝条)目的等」、「第㧞章(第㧞条から第㧟条 a まで)STU に関す るコムーネ議会の提供」、「第㧟章(第㧠条から第㧥条まで)STU の内容」、「第㧠章(第10条 から第11条まで)移動等」、「第㧡章(第12条から第13条まで)不服申立て等」、「第㧢章(第 14条)試み」、「第㧣章(第15条から第18条まで)発効及び経過規定」である。  以下では、基本的に、STU 法の章構成にしたがって STU の制度内容について考察すること とする。ただし本稿では、「試み(forsøg)」について定める第㧢章と「発効及び経過規定」に ついて定める第㧣章は考察の対象から除くこととした。第㧢章については、指針にその解説が 特に記されていないことが、以上の方針を採ることとした理由である。 ƍǽÓÔÕ ɁᄻᄑኄᴥÓÔÕ ศɁቼᴮቛᴦ  第㧝章の条文は第㧝条のみである。この章には「目的等」とのタイトルが付けられているが、 まず、第㧝項において、STU 法が定める青年期教育(STU)の目的が謳われ、第㧞項で、STU の対象とその意図が定められている。そして、第㧟項において、STU 法が定める教育提供に ついてのコムーネ議会の情報提供義務が定められている。 ᴮᴫÓÔÕ Ɂᄻᄑ  第㧝項は、STU の目的を定める条文であるが、同項は、「STU の目的は、若い発達上の障害 を有する者及び特別のニーズを有するその他の若者が、 できる限り自立的かつ積極的に成人生 活に参加するための個人的、社会的及び職業的な能力、並びに場合によっては更なる教育及び 職業従事のための能力を獲得することにある。」と定めている。  この条文は、要するに、STU の目的が、若い発達上の障害を有する者及び特別のニーズを 有するその他の若者(以下では単に「若者」という場合がある)が、STU の教育を通じて、 ㋐できる限り自立的かつ積極的に成人生活に参加するための個人的、社会的及び職業的な能力

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を獲得すること、また、㋑場合によっては更なる教育及び職業従事のための能力を獲得するこ と(14)の㧞点にあることを謳うものである。STU の性格を一言で表すのは難しいが、STU は、 若者の成人生活への参加と若者の更なる教育と職業従事(雇用)の展開に向けて、各種の能力 の発展と獲得とを目標として行われる青年期の教育であるということができると思われる(15)  ところで、STU が発展や獲得を目指すとする「個人的、社会的及び職業的な能力」の内容 とはどのようなものなのであろうか。これについて指針は次のような解説をしているので、そ れを以下に引用しておくこととしたい。指針は次のように解説している。すなわち、「これら の能力は、専門的及び一般的なスキル、個人的及び社会的なスキル、社会的な見識及び知識、 自立的な生活態度、特別な関心分野、教育又は職業の状況で必要となる実際的なスキル及び能 力を含むものである。」(指針第㧝章)と解説している。指針が記述するところによれば、STU においては、STU が掲げる目的の達成に向けて、以上に見た多様な能力の発展と獲得とを目 指した教育が行われるのである。  なお、指針はこれらの能力について、「STU は、獲得されなければならないスキル、又は及 第されなければならない試験に対する、一定の要求を定めていない。」(指針第㧝章)と述べて いる。そして、「若者の能力が発展させられ、また、新たな能力が獲得される、一貫性のある 個別に組み立てられた教育課程(uddannelsesforløb)が問題でなければならない。」(指針第㧝章) と述べている。  後に見るように STU は、STU の参加者である若者の条件、ニーズ及び関心から、教育の内 容が個別に計画されるところに特徴がある。そのため、STU においては、様々な教育課程や 教育の場所が必要になる。そして、以上のことから STU では、個々の若者ごとに個別的かつ 具体的な目標が設定されるということになる(個々の教育計画において、個々の若者の発展の 進行が目標に定められる)。若者の能力の発展や獲得の評価は、その目標に対して行われるこ とになるのであり、この点に STU の特徴の㧝つを見ることができるのである。 ᴯᴫÓÔÕ Ɂߦ៎ȻȰɁ৙َ  第㧞項は、「STU は、他の青年期教育を成し遂げる可能性を有しない若者を対象として行わ れる。」と規定している。そして、この規定を受けた省令の第㧝条は、「STU は、他の青年期 教育を成し遂げる可能性を有しない若い発達上の障害を有する者及び特別のニーズを有するそ の他の若者に対して提供される。これにより、これらの若者は他の若者と同等に置かれるので あり、すべての若者はひとつの青年期教育を成し遂げる機会を有することになる。」と規定し ている。  STU の意図は、STU 法第㧝条第㧞項と省令の第㧝条の規定に読み取ることができるが、こ の点について指針は、「すべての若者が㧝つの青年期教育を受ける機会を持つことを確保する ことにより、特別のニーズを有する若者を他の若者と対等にする。」(指針第㧝章)と述べてい る。なお、法令の以上の規定については、ロスキレ市のハンディキャップセンターにおいて筆 者が STU の説明を受けたときに聞いた次の言葉を想い起こしたい。「デンマークでは、すべて

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の若者は青年期教育を受ける権利があり、その権利は心身の機能低下等がある者においても同 様である」との言葉である。 ᴰᴫÓÔÕ ศȟްɔɞଡ଼ᑎ૬ΖȾȷȗȹɁɽʪ˂ʗឰ͢Ɂষڨ૬ΖᏲө  第㧟項は、「コムーネ議会は、若い発達上の障害を有する者及び特別のニーズを有するその 他の若者が、この法律に基づく教育提供について情報が与えられることを保障する。」と規定 している。そして、この規定を受けた省令の第㧞条は、「コムーネ議会は、若い発達上の障害 を有する者及び特別のニーズを有するその他の若者が、STU について情報を与えられること を保障する(STU 法の第㧝条第㧟項参照)。当該の情報は、若者が国民学校(folkeskole)、私 立基礎学校(fri grundskole)又は補習科(efterskole)等での教育を終了することとの関係で提 供される。」と規定している。  法令の以上の規定は、STU の教育提供についてのコムーネ議会の情報提供義務を定めたも のであるが、指針は、コムーネ議会による情報提供のあり方について、次のように具体的に解 説しているので、それを以下に紹介しておくこととする。  指針はまず、「STU は、特別支援学校(specialskole)及び特別支援学級(specialklasse)を含 めて、国民学校において紹介されなくてはならない。これは、一部の該当の参加者に対しては、 国民学校の終了前に、早めに紹介され得るということである。」(指針第㧠章)と記した上で、「遅 くとも、国民学校の終了との関係で、情報提供がなされなければならない。」(指針第㧠章)と 解説している。そして、「もし生徒が、自身の義務教育を私立基礎学校、補習科又はその他の 方法での教育を受けることによって満たした場合には、若者が住民登録を届けているコムーネ (以下「ホームコムーネ」という)のコムーネ議会は、これらの進路の終了との関係で、情報 が提供されることを保障しなければならない。」(指針第㧠章)としている。また、指針は続け て、「コムーネ議会はさらに、他の該当の参加者に対して STU に参加する機会について情報提 供しなければならない。他の該当の参加者は、以前に教育提供を受けたことのない25歳未満 の若者で、保護雇用(beskyttet beskæftigelse)で雇用されている25歳未満の若者、又は社会保 障制度の利用者である25歳未満の若者であることが有り得る。」(指針第㧠章)と記している。  以上に見るように法令及び指針は、STU の教育提供についての情報が、STU の対象となる すべての若者に対して確実に提供されるように、情報提供の実施と必要な配慮をコムーネ議会 に求めているのである(16) ƎǽÓÔÕ ȾᩜȬɞɽʪ˂ʗឰ͢Ɂ૬ΖᴥÓÔÕ ศɁቼᴯቛᴦ  第㧞章のタイトルは、「STU に関するコムーネ議会の提供」である。この章では、第㧞条か ら第㧟条 a までの規定において、青年期教育に対する若者の権利(ᴮᴫ)、コムーネ議会の㧟年 の STU の提供義務(ᴯᴫ)、STU の開始時期・対象年齢・完成年限(ᴰᴫ)、コムーネ議会によ る STU の対象者の決定(ᴱᴫ)、若者の教育ガイダンスによる「㧟年の個人教育計画の構想」

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の提案とその作成(ᴲᴫ)、コムーネ議会による「㧟年の個人教育計画」の承認(ᴳᴫ)、若者の 教育ガイダンスによる教育計画の調整(ᴴᴫ)などが定められている(ᴲᴫᴴᴫについては、 一部、第㧟章の規定(第㧠条第㧞項・第㧟項・第㧠項)が関係している)。 ᴮᴫ᫺ࢳఙଡ଼ᑎȾߦȬɞᔌᐐɁ൏ҟ  STU 法第㧞条第㧝項は、「若い発達上の障害を有する者及び特別のニーズを有するその他の 若者は、STU に対する法的権利を有する。」と定め、「コムーネ議会は、コムーネの住民登録 簿に登録されている第㧝文に定める若者に対して、この法律が定めるところにより、㧟年の STU を提供しなければならない(但し第㧤条第㧠項参照)。」と規定している。この規定は、 若い発達上の障害を有する者及び特別のニーズを有するその他の若者が STU を受ける法的権 利を有することを定めるとともに(第㧝文)、この権利に対応する義務として、コムーネ議会 の㧟年の STU の提供義務を定めたものである(第㧞文)。  法令の以上の規定で注目したいのは、STU の権利主体についてである。STU 法第㧞条第㧝 項 は、「 若 い 発 達 上 の 障 害 を 有 す る 者 及 び 特 別 の ニ ー ズ を 有 す る そ の 他 の 若 者(unge udviklingshæmmede og andre unge med særlige behov)」を STU の権利主体であるとするが、指針 は後者の「特別のニーズを有するその他の若者(andre unge med særlige behov)」について、当 該のグループとは、「たとえば、重度の運動障害を有する若者、重複障害のある若者、自閉症 の若者、ADHD 又はその他の心的な障害を有する若者、及び高次脳機能障害を有する若者を 含む。」(指針第㧞章)ものであると解説している。なお、同項が定める unge udviklingshæmmede であるが、この言葉の訳語の選択は難しいが、指針の以上の解説の内容等から判断すると、知 的障害のある若者をまず念頭に置いて、「若い発達上の障害を有する者」と読むのが適当では ないかと思われる(17)  なお、STU の対象者は、STU 法第㧝条第㧞項と省令の第㧝条が規定していたように、「他の 青年期教育を成し遂げる可能性を有しない若者」である。指針はこの点について、「STU の対 象者は、特別の教育上の支援又は他の支援が与えられるにもかかわらず、他の青年期教育を成 し遂げる可能性を持たない若者を専ら含めるものである。」(指針第㧞章)と解説している。ま た、「コムーネ議会が、(略)ある若者が、特別の教育上の支援でもって、他の青年期教育を成 し遂げ得るであろうと評価する場合は、当該の若者は、STU に対する権利がないということ を意味する。」(指針第㧞章)と解説している。 ᴯᴫɽʪ˂ʗឰ͢ɁᴰࢳɁ ÓÔÕ Ɂ૬ΖᏲө  STU 法が第㧞条第㧝項で定めていたように、STU の提供義務を負うのはコムーネ議会 (kommunalbestyrelsen)である(同項の第㧞文参照)。このように STU 法は、コムーネ議会が 㧟年の STU の提供義務を負うと定めているのであるが、ここでは一先ず、同法が STU の実施 機関を「議会」としていることに注目しておきたい。これについては、デンマークの自治制度 とデンマークの自治体の組織の特色について理解しておく必要がある。

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 まず、デンマークの自治制度であるが、デンマークには、レギオン(region)とコムーネ (kommune)という㧞種類(㧞層)の自治体がある。コムーネは、「地元の利益」に関する事務 を扱う自治体であり、いわば、基礎自治体に相当するものである。それに対してレギオンは、「地 域の利益」に関する事務を処理する自治体であり、広域の自治体という位置づけになる(18)  次に、デンマークの自治体の組織の特色についてであるが、デンマークでは議会がコムーネ の名において決定する機関(事務を処理する機関)とされているという点に注意する必要があ る。つまりデンマークでは、選挙で選出された議員が行政活動に関わる仕組みになっているの であり、この点がデンマークの自治体の組織の特色となっている(19)のである。

 以上のことから STU 法は、STU の情報提供をはじめ、STU の実施に関する諸決定はコムー ネ「議会」が行うと定めているのである。  ところで、指針は、コムーネ議会の㧟年の STU の提供義務について次のように解説してい るので、それを以下に紹介しておくこととしたい。指針は次のように解説している。すなわち、 「コムーネ議会は、たとえば社会保障管轄のその他の提供があることに言及して、あるいは、 STU を提供するために必要な財政上の財源がないことに言及して、STU の提供を怠ることは できない。」(指針第㧞章)と解説している。指針の以上の解説は、コムーネ議会の STU の提 供義務は、他の社会的サービスの存在や財政上の財源の不足を理由として免除されないことを 述べるものであるが、ここではこのことが、法令所管省(教育省)発出の行政指針において語 られているということに、とくに注目しておくこととしたい。  なお、STU の実施責任ないし提供義務が「コムーネ」議会にあることについては、指針が 次のように解説している。すなわち、「STU は、コムーネの責任範囲にあるものである。コムー ネ議会のところに権限責任の配置がある意図は、公的扶助の措置や可能性のあるその他の社会 的サービスを含めて、STU の対象者に対するその他の提供との関係性を確保にすることにあ る。」(指針第㧝章)と解説している。STU の実施責任ないし提供義務がコムーネに配置され ている意図には、以上のような理由が存在するのである。 ᴰᴫÓÔÕ Ɂᩒܿ஽ఙˁߦ៎ࢳᳮˁީ਽ࢳ᪅

 STU の開始時期と STU の対象年齢、そして STU の完成年限については、STU 法の第㧞条 第㧞項から第㧠項までの規定が定めている。 ḻǽÓÔÕ Ɂᩒܿ஽ఙ  STU 法第㧞条第㧞項は、「STU の提供は、義務教育の終了との関係で与えられる。若者が、 義務教育の終了の後に、国民学校(folkeskole)、私立基礎学校(fri grundskole)又は補習科 (efterskole)等での教育を継続する場合は、この教育の終了との関係で、STU の提供がはじめ て与えられる。」と規定している。また、省令の第㧞条第㧞項は、「若者は、コムーネ議会の提 供を、義務教育の終了の後に、あるいは国民学校、私立基礎学校又は補習科等での継続した教 育の終了の後に、直ちに受け取ることができる。また、当該提供を満25歳に至るまで受け取 ることができる(STU 法の第㧞条参照)。」と規定している。

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 このように法令は、STU は、①若者の義務教育の終了との関係で開始されること、あるいは、 ②義務教育の終了の後に若者が、国民学校、私立基礎学校又は補習科等での教育を継続する場 合は、この教育の終了との関係で開始されるということを定めている。なお、この点について は指針が、とくに STU の開始時期について、「コムーネ議会は、STU の対象者となる若者が、 基礎学校(grundskole)が終了した後に直ちに、彼らの STU を開始しなければならないことを 要求することはできない。」(指針第㧞章)と述べていることに注目しておきたい。また、他方 で、「しかし、当該提供は、若者が国民学校等での教育の連続で STU を開始することができる、 そのような良い時期に与えられる必要がある。」(指針第㧞章)とも述べていることに注目して おきたい。因みに STU 法第㧞条第㧞項は、STU の着手の時期について何ら述べていないので、 つまり、STU のスタートは学年の開始との関係でのみ始まるとは規定していないので、指針 が解説するように、「教育の開始は連続的に行うことができるが、コムーネ議会は、入学者を 半年ごとに、又は㧝年中受け入れることを決定することができる。」(指針第㧞章)ということ になる(20) ḼǽÓÔÕ Ɂߦ៎ࢳᳮ  第㧞条第㧟項は、「若者は、満25歳に至るまで、コムーネ議会の提供を受け取ることができ る。」と定めている(省令の第㧞条第㧞項の規定も参照のこと)。この規定は STU の対象年齢 について定めるものであるが、第㧞項の規定と合わせて読むならば、STU の対象は、義務教 育終了後から満25歳に至るまでの「他の青年期教育を成し遂げる可能性を有しない若い発達 上の障害を有する者及び特別のニーズを有するその他の若者」であるということになる。 ḽǽÓÔÕ Ɂީ਽ࢳ᪅  第㧞条第㧠項は、「若者は、STU を開始してから遅くとも㧡年で、当該 STU を完成させなけ ればならない。」と定めている。この規定は STU の完成年限を定めるものであるが、同項の規 定により、㧟年の教育である STU は㧡年以内に完成させなければならないことになっている。  なお、STU は、コムーネ議会の決定により中断される場合(STU 法第㧤条第㧠項、省令の 第13条第㧟項参照)と、若者からの中断申請に基づきコムーネ議会が中断の承認をするとい う形で中断がなされる場合とがある(この場合、若者は STU の再開申請を行うことができる。 また、コムーネ議会は若者の再開申請に対して、法令が定めるところに従い、STU の再開決 定を行うことができる(STU 法第㧤条第㧝項から第㧟項までの規定、及び省令の第12条参照)。 以上については、本稿の「Ⅴ 㧤.STU への参加の中断と再開」を参照のこと)。しかし、そ のような場合においても STU は、開始後、遅くとも㧡年で完成させなければならないのである。 ᴱᴫɽʪ˂ʗឰ͢Ⱦɛɞ ÓÔÕ Ɂߦ៎ᐐɁขް  STU の対象者の決定の仕組みについては、STU 法第㧟条第㧝項・第㧞項、省令の第㧟条、 第㧠条第㧝項が定めている。 ḻǽɽʪ˂ʗឰ͢Ⱦɛɞ ÓÔÕ Ɂߦ៎ᐐɁขް  若者が STU の対象者であるかどうかについての決定は、コムーネ議会が行うことになって

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いる。第㧟条第㧝項は、「コムーネ議会は、若者が第㧞条第㧝項に定める若者に該当するかど うかについて、提案(第㧞項及び第㧟項参照)の後に、決定する。」と規定している。また、 省令の第㧠条第㧝項は、「コムーネ議会は、教育提供に関する若者の希望が応じられなければ ならないか、又は拒否されなければならないかどうかについて決定する。」と規定している。 ḼǽᔌᐐȞɜɁଡ଼ᑎ૬ΖȾᩜȬɞ႑ᣅɒ  コムーネ議会の以上の決定については、まず、省令の第㧟条第㧝項の規定を確認しておく必 要がある。省令の第㧟条第㧝項は、「若者は、特別のニーズを有する若者を対象とする青年期 教育に関する法律に従い、教育提供に関する願書をコムーネ議会に申し込むものとする。」と 定めている。つまり、コムーネ議会の「STU の対象者の決定(STU 法第㧟条第㧝項の決定)」は、 若者からの教育提供に関する申し込みに対してなされることになっているのである。 ḽǽᔌᐐɁଡ଼ᑎɶɮʊʽʃȞɜɁ૬ಘ  STU 法第㧟条第㧝項の規定で注目したいのは、同項が、コムーネ議会の決定は「提案 (indstilling)」の後になされるとしている点である。この「提案」は第㧞項が規定しているが、 同項は、「若者の教育ガイダンス(Ungdommens Uddannelsesvejledning)は、若者及び両親との 協議の後に、当該若者が STU に受け容れられ得るかどうかについて、コムーネ議会に提案する。 当該の提案は、必要な範囲で、教育学・心理学上の助言及び若者が通っていた学校からの意見 を含めて、当該コムーネ又は他のコムーネの別の専門家からの意見を添付して、補足され得る。」 と規定している。なお、省令の第㧟条第㧞項は、「若者の教育ガイダンスは、若者に対して指 導を与えるとともに、教育提供に関する提案をコムーネ議会に提出する。」と定めている。  法令の以上の規定に見るように、若者の教育ガイダンス(21)(Ungdommens Uddannelsesvejledning (UU))の役割の㧝つは、若者が STU の対象者であるかどうかについての提案をコムーネ議会 にすることにあるのであるが、この「提案」については指針が、「実際、若者が対象者でない ということを、若者の教育ガイダンスが評価するにしても、若者が、理由が述べられ、かつ、 不服申立て教示が付されなければならない決定に対する権利を主張する場合には、提案がなさ れなくてはならない。」(指針第㧠章)と解説している点は、大いに注目する必要がある部分で ある。つまり、STU の教育提供を希望する若者は、コムーネ議会に対して申込みをする権利 があるのであり、申込みに対する決定をコムーネ議会から受ける権利があるのである。そして、 以上のことから若者の教育ガイダンスは、若者が STU の対象者でないと評価する場合であっ ても、若者が上記の権利を主張する場合には、コムーネ議会に対して STU の教育提供につい ての提案をしなければならないのである。  なお、若者の教育ガイダンスによる以上の提案については、その提案が、若者及び両親との 協議の後に作成されることになっているという点にも注目しておきたい(STU 法第㧟条第㧞 項は、若者及び両親のみを挙げているが、指針は「若者及び両親又は保護者(værge)」と記し て、保護者の名も挙げている(指針第㧠章))。STU は、制度の実施において、若者との対話 ないし協議を重要視している(22)のであるが、この点もまた STU(制度)の特徴の㧝つとなっ ているのである(23)

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ḾǽᔌᐐȞɜɁ႑ᣅɒȾߦȪȹɽʪ˂ʗឰ͢ȟԵ˩ɁขްɥȬɞکն  以上で確認したようにコムーネ議会は、若者の教育ガイダンスからの提案の後に、若者が STU の対象者であるかどうかについての決定をするが、場合によっては、教育提供に関する 若者からの申込みに対して、却下の決定をする場合がある。この点について指針は次のような 解説をしている。すなわち、「コムーネ議会が、若者の教育ガイダンスからの提案の後に、あ る若者が特別の教育上の支援でもって他の青年期教育を成し遂げ得るであろうと評価する場合 は、当該の若者は STU に対する権利がないということを意味する。この評価は、学校教育や 場合によっては他の職業従事又は教育との関係でこれまでに得られている経験、結果、場合に よっては専門家の意見の上に、構築することになっている。コムーネ議会は、現在の情報を基 礎として決定するが、これは㧝つの行政決定であるので、当該決定は理由が述べられなくては ならないし、また、不服申立て教示がなされなければならない。」(指針第㧞章)と解説してい る。つまり、コムーネ議会は、若者からの申込みと若者の教育ガイダンスからの提案に対して、 若者が STU に対する法的権利を有する者に該当するかどうか(STU 法第㧞条第㧝項)、また、 他の青年期教育を成し遂げる可能性があるかどうか(STU 法第㧝条第㧞項)の「評価」をす るのである(後者の評価が重要な意味を持つことになろう(24))。そして、評価に基づく「決定」 を行うに際しては、決定の理由を述べることが求められるとともに、不服申立て教示を行わな ければならないことになっているのである。なお、決定の名宛人である若者は、コムーネ議会 の決定に不服がある場合は、特別教育不服審査会に対して不服申立てをすることができること になっている(STU 法第12条第㧞項、省令の第19条第㧞項参照。以上については、本稿の「Ⅶ  不服申立て等(STU 法の第㧡章)」を参照のこと)。  なお、指針は、コムーネ議会の以上の「評価」について、「コムーネ議会が、提案書類に記 載されている情報よりも多くの情報が必要である場合は、コムーネ議会は当然に、必要な決定 根拠の取得を視野に入れて、当該の提案を作成した若者の教育ガイダンスに対して、いつでも 照会の指示をすることができることになっている。」(指針第㧠章)と解説している。 ᴲᴫᔌᐐɁଡ଼ᑎɶɮʊʽʃȾɛɞȈᴰࢳɁρ̷ଡ଼ᑎ᜛႕Ɂഫ৊ȉɁ૬ಘȻȰɁͽ਽  若者の教育ガイダンスによる「㧟年の個人教育計画の構想」の提案とその作成については、 STU 法第㧟条第㧟項、第㧠条第㧞項・第㧟項、省令の第㧠条第㧞項が定めている。 ḻǽᔌᐐɁଡ଼ᑎɶɮʊʽʃȾɛɞȈᴰࢳɁρ̷ଡ଼ᑎ᜛႕Ɂഫ৊ȉɁ૬ಘ  若者からの教育提供に関する「申込み」と若者の教育ガイダンスからの「提案」に対して、 コムーネ議会が、当該若者が STU の対象者であるとの決定をした場合は、若者の教育ガイダ ンスは、「㧟年の個人教育計画(3-årig individuel uddannelsesplan)の構想」をコムーネ議会に 提案する。このことを規定するのは STU 法第㧟条第㧟項の規定であるが、同項は、「第㧝項の 規定に基づくコムーネ議会の決定が存在する場合は、若者の教育ガイダンスは、若者及び両親 と の 協 議 の 後 に、 コ ム ー ネ 議 会 の 承 認 に 向 け て、 当 該 STU が 場 合 に よ っ て は 解 明 期 間 (afklaringsforløb)(第㧠条第㧞項参照)とともに開始されなければならないかどうかを含めて、

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㧟年の個人教育計画の構想を提案する。」と定めている。このように若者の教育ガイダンスは、 若者が STU の対象者であるかどうかについての提案(STU 法第㧟条第㧞項)のほか、㧟年の 個人教育計画の構想の提案をコムーネ議会に対して提出する責任をも有しているのである。 ḼǽᔌᐐɁଡ଼ᑎɶɮʊʽʃȾɛɞȈᴰࢳɁρ̷ଡ଼ᑎ᜛႕Ɂഫ৊ȉɁͽ਽  ところで、若者の教育ガイダンスは、㧟年の個人教育計画の構想の提案に先立って、㧟年の 個人教育計画の構想の作成をする。このことを定めているのは、STU 法第㧠条第㧞項・第㧟 項の規定であるが、第㧞項は、「STU は、将来の教育及び職業従事を含めて、若者の希望及び 可能性を明らかにすることをねらいとする12週までの解明期間とともに開始することができ る。当該解明期間と関連して若者の教育ガイダンスは、若者及び両親と共同で、若者に提供さ れる予定である指導対話及び実習滞在を含む、諸活動の概要を内容に含める個人教育計画を作 成する。」と定め、第㧟項は、「解明期間を置かない場合は、若者の教育ガイダンスは、若者及 び両親と協力して、第㧟条第㧝項の規定に基づくコムーネ議会の決定の後に、コムーネ議会に より承認される最終の教育計画(den endelige uddannelsesplan)を作成する。」と定めている(「最 終の教育計画」の意味が問題となるが、「最終の教育計画」とは、解明期間を置かない教育計 画のことをいうほかに、解明期間以後の期間の計画のことをいうものと思われる。ここでは、 省令の第㧣条第㧝項が、「STU が、解明期間を伴って開始される場合は、最終の教育計画は、 解明期間がどの希望や可能性を明らかにするかということの考慮のもとに作成される。」と規 定していることに注目しておきたい)。また、以上の規定を受けた省令の第㧠条第㧞項は、(教 育提供に関する)「若者の希望が応じられる場合は、若者の教育ガイダンスは、授業の計画を 含めて、若者の教育課程(uddannelsesforløb)の記述を含めることになっている個人の㧟年の 教育計画の構想を作成する(但し、省令第㧣条第㧝項参照)。(略)当該教育計画の作成におい ては、STU の計画に関して、若者及び両親又は保護者の希望が相当に重視されなければなら ない。(略)」と規定している。  法令の以上の規定に見るように、STU は、12週までの「解明期間」と呼ばれる期間を含め て開始することができることになっている(省令の第㧢条第㧝項も参照のこと。同項は、「STU は、将来の教育及び職業従事を含めて、若者の希望及び可能性を明らかにすることをねらいと する12週までの解明期間とともに開始することができる(STU 法の第㧠条第㧞項参照)。」と 規定している)。そして、「解明期間」を設定して STU を開始するという場合は、若者の教育 ガイダンスは、当該解明期間と関連して、「若者に提供される予定である指導対話及び実習滞 在を含む、諸活動の概要を内容に含める個人教育計画を作成する。」ということになる(解明 期間は、㧟年の個別の課程の一部である)。また、若者の教育ガイダンスが「解明期間」を置 く必要がないと判断する場合は、若者の教育ガイダンスは「最終の教育計画を作成する」とい うことになる。このように STU の教育提供については、場合によっては、教育計画の中に「解 明期間(afklaringsforløb)(STU 法第㧠条第㧞項参照)」が設定されることがあるのであり、こ の点が STU の特徴の㧝つとなっているのである。なお、解明期間の要否の判断、及び解明期 間を設定する場合の当該「期間」の判断は、指針によれば、「若者がどの程度においてそれを

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必要としているかの具体的な評価に基づいて決定される。」(指針第㧡章)とのことである。因 みに指針は、STU 法第㧠条第㧞項の規定について、この規定は、「STU が、より正確に教育を 決定する解明期間を含めて開始され得ること」(指針第㧡章)を法律において定めたものであ る旨の解説をしている。 ḽǽȈᴰࢳɁρ̷ଡ଼ᑎ᜛႕Ɂഫ৊ȉɁю߁  ここで、「個人の㧟年の教育計画の構想」の内容に注目しておきたい。これについて省令の 第㧠条第㧞項は、個人の㧟年の教育計画の構想には「授業の計画を含めて、若者の教育課程の 記述を含めることになっている」と規定している点を確認しておきたい。そして、この点につ いて指針が、個人の教育計画の構想には、「明確な教育の場所又は教育課程の諸要素の提案が 含まれる」(指針第㧠章)と解説していることに注目しておきたい。なお、指針は、「個人の㧟 年の教育計画の構想」について、「当該構想は、若者の能力、成熟、興味を考慮して、できる だけ広い範囲で計画されなければならない。」(指針第㧡章)と解説するとともに、「当該教育 計画は、教育の目標、及び教育がどのようにして進行することになっているかを記述しなけれ ばならない。」(指針第㧡章)と解説している。 ḾǽȈᴰࢳɁρ̷ଡ଼ᑎ᜛႕Ɂഫ৊ȉɁͽ਽ਖ਼ፖ  「㧟年の個人教育計画の構想」についてはさらに、この構想が、若者の教育ガイダンスにお いて「若者及び両親との協議・共同・協力」を経て作成されることになっている(STU 法第 㧟条第㧟項、第㧠条第㧞項・第㧟項参照)という点に注目しておきたい。そして、これについ て省令が、「当該教育計画の作成においては、STU の計画に関して、若者及び両親又は保護者 の希望が相当に重視されなければならない。」(省令の第㧠条第㧞項)と規定し、また、「若者 及び両親又は保護者との合意に達することができない場合は(省令の第㧠条第㧞項、第㧢条第 㧞項参照)、当該諸提案及び当該構想の中で、これに対しての説明がなされなければならない。」 (省令の第㧠条第㧠項)と規定している点に注目しておきたい。  以上に見るように㧟年の個人教育計画の構想は、若者及び両親又は保護者との協議・共同・ 協力(言うならば対話)のもとに作成されることになっているのであり、その作成においては、 彼らの希望が相当に重視されることになっているのである。 ᴳᴫɽʪ˂ʗឰ͢ȾɛɞȈᴰࢳɁρ̷ଡ଼ᑎ᜛႕ȉɁ੪ᝓ  コムーネ議会による「㧟年の個人教育計画」の承認については、STU 法第㧟条第㧠項、省 令の第㧠条第㧟項、第㧢条第㧞項・第㧟項が定めている。 ḻǽɽʪ˂ʗឰ͢ȾɛɞȈᴰࢳɁρ̷ଡ଼ᑎ᜛႕ȉɁ੪ᝓ  若者の教育ガイダンスによる「㧟年の個人教育計画の構想」の提案に対して承認を与えるの はコムーネ議会である。STU 法第㧟条第㧠項は、「コムーネ議会は、最終の個人教育計画(第 㧠条第㧞項参照)を承認しなければならない。」と規定し、省令の第㧠条第㧟項は、「教育計画 の当該構想はコムーネ議会により承認され、若者及び両親又は保護者は、当該の承認を文書に より通知される。コムーネ議会が STU の半年ごとの又は㧝年通しての受け入れがあることを

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決定した場合(STU 法の第㧞条第㧡項参照)は、若者及び両親又は保護者は、入学ができる のはいつであるのかについての情報を同時に通知される。」と規定している。 Ḽǽ ɽʪ˂ʗឰ͢ȟᔌᐐՒɆ˵ᜆɁ࢑ఖȻɂႱȽɞю߁ɁȈఊጶɁρ̷ଡ଼ᑎ᜛႕ȉɥ੪ᝓȬɞ کն  コムーネ議会の以上の承認については、指針が、「コムーネ議会は、教育課程のより詳細な 計画に関して、若者及び両親の希望を相当に重視する義務を負わせられている。」(指針第㧠章) と解説しているが、場合によっては、コムーネ議会は、若者及び両親の希望とは異なる内容の 「最終の個人教育計画」を承認する場合があるようである。このような場合、つまり、コムー ネ議会により承認された「最終の個人教育計画」の内容が、若者自身が希望したものとは別の ものであるという場合は、指針の解説に依拠して説明するならば、当該承認は、理由が述べら れ、また、不服申立て教示が付されなければならない「行政決定」の問題ということになる(指 針第㧡章)(なお、省令の第㧠条第㧟項は、コムーネ議会の承認は「文書により通知される。」 と規定している)。このように、コムーネ議会による最終の個人教育計画の承認は、不服申立 ての対象となる「コムーネ議会の決定」としての意味を持つのである(STU 法第12条第㧞項、 省令の第19条第㧞項参照)。 ḽǽɽʪ˂ʗឰ͢Ⱦɛɞᜓ஥ఙᩖɁᛵքȻᜓ஥ఙᩖɁఙᩖȾȷȗȹɁขް  コムーネ議会は、解明期間の要否と解明期間の期間についての決定も行うが、これについて 定めているのは、省令の第㧢条第㧞項の規定である。同項は、「コムーネ議会は、STU が解明 期間と共に開始されないこと、又は、解明期間が12週よりも短いものでなければならないこ とを決定することができる。この決定は、教育計画の構想の承認(省令の第㧠条第㧟項参照) と関連して行われるが、この決定は、若者の具体的かつ個人的な評価に基づき、また、若者及 び両親又は保護者との協議及び対話に基づいて作成されている若者の教育ガイダンスからの提 案をもとにして行われる。」と定めている。なお、省令の第㧢条第㧟項は、コムーネ議会の以 上の決定について、「若者及び両親又は保護者は、コムーネ議会の決定(第㧞項参照)を文書 により通知される。」と規定している。  このように「解明期間」の要否とその期間は、若者の具体的かつ個人的な評価と若者の教育 ガイダンスからの提案(STU 法第㧟条㧟項)をもとにして、コムーネ議会が決定する(省令 の第㧢条第㧞項)ことになっており、この決定は、教育計画の構想の承認(STU 法第㧟条第 㧠項、省令の第㧠条第㧟項)と関連して行われることになっているのである。  なお、若者の教育ガイダンスの「提案(STU 法第㧟条第㧟項)」とコムーネ議会の「承認(STU 法第㧟条第㧠項、省令の第㧠条第㧟項)ないし決定(省令の第㧢条第㧞項)」との間には、若 者及び両親又は保護者の希望の重視の要請(省令の第㧠条第㧞項・第㧠項)とも関わり合って、 両者の連携に関わる論点、あるいはコムーネ議会の裁量問題に係わる論点等が存在するように 思われるが、ここでは、そのような筆者の問題意識を述べておくに留めたい。

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ᴴᴫᔌᐐɁଡ଼ᑎɶɮʊʽʃȾɛɞଡ଼ᑎ᜛႕Ɂᝩ୥  若者の教育ガイダンスによる教育計画の調整については、STU 法第㧠条第㧠項、省令の第 10条が定めている。 ḻǽᔌᐐɁଡ଼ᑎɶɮʊʽʃȾɛɞଡ଼ᑎ᜛႕Ɂᝩ୥  コムーネ議会が個人の教育計画の構想を承認した時は、当該計画に示される教育(STU の 教育)はコムーネ議会の責任のもとで提供されることになる(STU 法第㧞条第㧝項は、コムー ネ議会は㧟年の STU の提供義務を負うと定めている)。  他方、若者の教育ガイダンスは、若者の指導(相談)の任務を引き続き担当するとともに、 教育計画の調整の役割を担うことになる。STU 法第㧠条第㧠項は、「若者の教育ガイダンスは、 必要に応じて、また、少なくとも毎年㧝度、教育計画を調整する。」と定めている。また、省 令の第10条は、「若者の教育ガイダンスは、教育計画が必要に応じて、また、少なくとも毎年 㧝度、調整されるようにする。教育計画の調整についての決定は、若者及び両親との協議の後 になされなければならず、また、コムーネ議会により承認されなければならない。」と定めて いる。このように省令は、教育計画の調整においても若者及び両親との協議が必要であること を定めるとともに、教育計画の調整の決定についてもコムーネ議会の承認が必要であるという ことを定めているのである。なお、指針は、教育計画について、「教育計画は、継続的に調整 され、かつ更新される動的な作業ツール(et dynamisk arbejdsredskab)としてみなされなけれ ばならない。」(指針第㧡章)と述べているが、これは、STU の教育提供における教育計画の 役割ないし位置づけを端的に述べる説明として理解する必要があると思われる。 Ḽǽଡ଼ᑎ᜛႕Ɂറࣻ  教育計画の様式については、省令の第㧠条第㧞項が定めている。同項は、「(略)教育計画の 作成に関しては、この省令に添付㧝として転載されている、また、www.uvm.dk に掲載されて いる教育計画の作成のための記入用紙が使用されなければならない。」と定めている。このよ うに教育計画の作成においては、省令に添付されている、または、教育省のホームページ(www. uvm.dk)に掲載されている「教育計画の作成のための記入用紙」が使用されなければならない ことになっているのである。 (次号につづく) า ⑴ た と え ば、 子 ど も・ 教 育 省 の 国 立 情 報・ ガ イ ダ ン ス ポ ー タ ル で あ る「 教 育 ガ イ ド (UddannelseGuiden (ug.dk))」のホームページを見てみると、Ungdomsuddannelse for unge med

særlige behov を紹介する箇所では、他の名称(Andre betegnelser)として、Særligt tilrettelagt ungdomsuddannelse, STU の表記が紹介されている。以上については、次の URL を参照のこと。 https://www.ug.dk/uddannelser/andreungdomsuddannelser/ungdomsuddannelse-unge-med-saerlige-behov 最終閲覧日2019年㧥月15日。

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供がなされているということであったが、たとえば、デイサービス(昼間サービス)として、 社会的交流とアクティビティのサービス(利用者の機能や興味に応じて実施されるサービスで ある。たとえば、「自然グループ」の活動は、バスで毎日森をめぐるといった、いわば大人の 森の幼稚園といった活動がなされている)が提供されているということであった。また、恒久 的な機能低下がみられる成人を対象とした職業訓練が行われているということであった。  職業訓練の場としては、センター内の作業所のほか、地域資源が大いに活用されており、た とえば、ロスキレ図書館内のカフェなども職業訓練の場所の㧝つになっているということで あった。なお、私たち研修者一行は、ハンディキャップを有する者の就職先であり作業所の一 つであるスボーガースレウ(Svogerslev)の食堂(もう㧝つのハンディキャップセンターがスボー ガースレウにあり、ハンディキャップセンターを利用する利用者とセンターのスタッフの食事 のすべてが、当該センターにある調理室で調理されている)で調理されたカレーライスを昼食 にいただくという機会があった。 ⑶ デンマークの STU を紹介ないし論ずる日本語の文献をはじめに紹介しておきたい。そのよう な文献としては、たとえば、次のものがある(図書、論文等の順で発行年順である。ただし、 必ずしも網羅的ではなく、筆者が見逃しているものもあり得る)。黒田学編『ヨーロッパのイ ンクルーシブ教育と福祉の課題 ドイツ、イタリア、デンマーク、ポーランド、ロシア』(ク リエイツかもがわ、2016年)所収の一井崇「調査報告 デンマークにおける特別ニーズ教育 の現状とインクルーシブ社会への展望」(同書90‒119頁)、谷雅泰、青木真理編『転換期と向 き合うデンマークの教育』(ひとなる書房、2017年)、片岡豊「デンマークにおける特別支援 教育制度」リハビリテーション第516号(2009年)26‒33頁、青木真理、谷雅泰、杉田政夫「デ ンマークにおけるアスペルガー症候群の若者を対象にした IT 教育のコースについて── AspIT と HKI への訪問調査──」福島大学地域創造第25巻第㧝号(2013年)19‒32頁、青木真 理、杉田政夫、谷雅泰「デンマークの AspIT(アスペルガー症候群の若者を対象にした IT 教 育のコース)について── AspIT 創始者へのインタビューを中心に──」福島大学地域創造 第26巻第㧝号(2014年)3‒14頁、青木真理、杉田政夫、谷雅泰「デンマークの AspIT(自閉 症スペクトラム障害の若者を対象にした IT 教育のコース)の訪問調査(その㧟)──コペンハー ゲンの新しい AspIT を中心に──」福島大学地域創造第27巻第㧝号(2015年)61‒66頁、青木 真理、高橋純一、谷雅泰「デンマークの ASD 者就業支援の一例について Specialisterne 訪問 調査から」福島大学地域創造第28巻第㧝号(2016年)58‒63頁、社浦宗隆「World Now デンマー クの青年期教育制度 STU を視察して考えたこと」ノーマライゼーション 障害者の福祉第37 巻第㧞号(2017年)49‒51頁、池田法子「デンマークにおける特別なニーズのある若者教育政 策の展開──特別計画若者教育(STU)を中心に──」京都大学大学院教育学研究科紀要第64 号(2018年)29‒41頁、青木真理、谷雅泰、五十嵐敦、野口時子「シンポジウム報告 みんな が活躍できる社会をどう構想するか──デンマークに学ぶ──」福島大学地域創造第30巻第 㧞号(2019年)、123‒139頁などがある。 ⑷ この省令は、STU 法(2015年㧢月15日統合法律第783号)が定める以下の委任規定、すなわち、 第㧟条第㧡項、第㧠条第㧡項、第㧢条第㧠項、第㧥条第㧟項及び第10条第㧞項の規定に基づ き定められたものである。省令は㧣章の構成で20条の条文からなる。各章のタイトルは次の とおりである。「第㧝章 省令の適用範囲」、「第㧞章 STU 等の提供」、「第㧟章 STU の内容 等」、「第㧠章 移動」、「第㧡章 能力報告書」、「第㧢章 不服申立て」、「第㧣章 発効」であ る。 ⑸ retsinformation.dk(https://www.retsinformation.dk/)において、たとえば、Bekendtgørelse af lov om ungdomsuddannelse for unge med særlige behov(Lovbekendtgørelse nr 610 af 28/05/2019)を検索すると (Bekendtgørelse とは、官報における(i statstidende)改正法律の「公示」を意味する)、Lov om

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ungdomsuddannelse for unge med særlige behov の所管省(Ressortministerium)は、教育省(Undervis-ningsministeriet)となっている(https://www.retsinformation.dk/Forms/R0710.aspx?id=209369)。そこで 以下では、Lov om ungdomsuddannelse for unge med særlige behov(STU-loven)の法令所管省につい ては、「法令所管省(教育省)」と記すこととする。  中央省庁の再編の事情については、筆者は十分に把握できていないが、教育省は2015年の 政権交代により、子ども・教育・男女共同参画省に再編され、現在は、子ども・教育省に再編 されているようである。 ⑹ この指針は、STU 法と前記の省令の諸規定を解説し、その内容を明らかにするために、子ども・ 教育・男女共同参画省(当時)が2016年㧢月㧟日に発出したものである。指針は10章の構成 で記述されている。指針の各章の概要は次のとおりである。  第㧝章では、STU の簡潔な概要が紹介されるとともに、その意図が説明されている。  第㧞章では、STU に対する法的権利、STU の対象者と対象年齢が説明されている。  第㧟章では、㧟年の STU の枠組みが説明されている。  第㧠章では、コムーネ議会の㧟年の STU の提供が、いつ、どのようにして行われるか、そ して、それを決定するのはコムーネ議会であることを含めて、コムーネ議会の㧟年の STU の 提供が説明されている。  第㧡章では、教育計画、解明期間、授業、実習、実際的な諸活動と訓練、授業時間数、そし て STU の中断と再開の可能性を含めて、STU の内容が説明されている。  第㧢章では、コムーネ間の支払い関係を含む、教育の諸要素の資金調達が説明されている。  第㧣章と第㧤章では、移動に関する基本的な諸規則と、教育器具及び特別教育支援が簡潔に 説明されている。  第㧥章では、獲得した能力の記述を付して、コムーネ議会が STU の修了時に若者に発行す る能力報告書が説明されている。  第10章では、不服申立て権と監督が説明されている。 ⑺ 青木、谷、杉田(2013)・前掲注⑶25‒27頁。なお、池田・前掲注⑶33‒34頁は、STU 法を手が かりとして、STU の概要及び特徴を簡潔に解説している。 ⑻ 後述するように、STU 法は2007年㧢月㧢日に法律第564号として制定された法律であり、その 発効は2007年㧤月㧝日である(STU 法第15条参照)。同法は、たとえば、2013年㧢月12日の 法律第612号により、多くの項目の修正がなされたが、この改正では、必須の解明期間が廃止 された(STU 法第㧠条第㧞項等の改正)ほか、コムーネ議会の決定による STU の中断の仕組 みが導入される(STU 法第㧤条の改正)などの改正がなされた。 ⑼ 青木らの研究成果から多くのことを学んだことをここに記しておきたい。ただし、法律用語を はじめとする幾つかの用語などは、多少不自然な感じがしても、筆者の理解や方針に基づいた 独自の訳語を当てることにした。 ⑽ 本稿で検討する法令及び指針は、子ども・教育省のホームページ(www.uvm.dk)でも閲覧する ことができる。以下の URL を参照のこと。https://www.uvm.dk/saerligt-tilrettelagt-ungdomsuddannelse/ love-og-regler ⑾ 2015年 㧢 月15日 統 合 法 律 第783号 は、 以 下 の URL で 閲 覧 す る こ と が で き る。https://www. retsinformation.dk/Forms/R0710.aspx?id=172900最終閲覧日2019年㧥月15日。また、retsinformation. dk(https://www.retsinformation.dk)より、キーワード検索の方法で検索することができる。 ⑿ 以 上 に つ い て は、 子 ど も・ 教 育 省 の ホ ー ム ペ ー ジ(https://www.uvm.dk/saerligt-tilrettelagt-ungdomsuddannelse/love-og-regler)も閲覧したが、2019年㧥月15日時点においても確認するこ とができなかった。 ⒀ STU 制度の成立の政策的背景については、たとえば、青木、谷、杉田(2013)・前掲注⑶

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19‒20頁、谷、青木編・前掲書注⑶159頁、189頁、池田・前掲注⑶32頁の記述を参照のこと。 ⒁ 指針は、㋑に関して次の解説をしている。すなわち、STU は、「若者が STU の修了により、普 通の青年期教育、又は通常若しくは特別の条件での職業従事を始める可能性を与える適格水準 に達したという場合は、普通の適格者選抜の教育へのスタートであり得るものである。」(指針 第㧝章)と解説している。 ⒂ 指針は、「STU は、可能性や熟達が検討される、若者の生活における新たなスタートとなるも のでなければならない。同時に STU は、若者に対して、新しい社会的経験が与えられる青年 期環境への繫がりを提供するものでなければならない。」(指針第㧝章)と解説している。そし て、「STU は、若者に対して、成人生活への出発点を与えることを企図する独自の青年期教育 である。」(指針第㧝章)と解説している。なお、青木、谷、杉田(2013)・前掲注⑶20頁は、「STU は福祉理念と特別支援教育の理念に支えられてもいる。」と述べた上で、STU 法第㧝条第㧝項 の規定を引用して、STU は、「すべての人の、個々の能力に応じた、社会参加を実現しようと するものである。」と述べている。 ⒃ なお、コムーネ議会は、教育及び職業等についての指導に関する法律(2014年㧥月12日統合 法律第995号参照)に基づいて、青年期教育及び職業の選択について指導を行うことになって いる。因みに、STU に関連する指導についてのより詳細な規則は、青年期教育及び職業の選 択に関する省令(2014年㧢月30日省令第440号)に定められている。 ⒄ 因みに、大阪外国語大学デンマーク語・スウェーデン語研究室編『スウェーデン・デンマーク 福 祉 用 語 小 辞 典[ 新 装 版 ]』( 早 稲 田 大 学 出 版 部、2001年 ) を 開 い て み る と、 同 辞 典 は udviklingshandicappet というデンマーク語について、「発達障害者」という日本語訳を記してい る。そして、「発達障害者という用語は精神発達遅滞者(psykisk udviklingshæmmet)、知的障害 者(evnesvag)、精神薄弱者(åndsvag)などと同義語として定義される。すなわち、先天的ま たは後天的に脳に障害があるために知的発達または精神発達に遅れをきたしている者を指す。 精神すなわち心の病を負っている者はこの中には含まない。(略)」とする解説を記している (93‒94頁)。 ⒅ デンマークの自治体及び自治制度については、たとえば、交告尚史「デンマーク計画法の構造」 兼子仁先生古稀記念論文集刊行会編『分権時代と自治体法学』(勁草書房、2007年)349‒353頁、 竹下譲監修・著『よくわかる 世界の地方自治制度』(イマジン出版、2008年)148頁以下[交 告尚史執筆]を参照のこと。 ⒆ 交告(2007)・前掲注⒅351頁。 ⒇ この点について、STU 法の第㧞条第㧡項は、「コムーネ議会は、STU の若者の、半年ごとの又 は㧝年通しての受け入れを設定することを決定することができる。以上についての決定をコ ムーネ議会がする場合は、当該決定は、公表されなければならない。」と規定している。 若者の教育ガイダンスについては、例えば、谷、青木編・前掲書注⑶の第㧡章「若者の進路選 択の支援」153頁以下[青木真理執筆]を参照のこと。青木の論考では、まず、デンマークでは、 2004年にガイダンスに関わる法律の改正が行われ、子どものキャリアガイダンスに関する大 幅な改革が行われたことが紹介されている。この改革により、ガイダンスを強化する方法とし て、各学校に所属していたカウンセラー(vejleder)は、新たに設置された若者教育ガイダン スセンター(Ungdomens Uddannelsesvejledning Centre 若者教育ガイダンスセンターは、2016 年10月㧟日現在、全国に56ヶ所設置されているということである)に集中配属されることに なり、カウンセラーは当該センターから担当学校へ派遣されることになったということである (154頁)。若者教育ガイダンスセンターは、主に義務教育から青年期教育への移行のガイダン スを受け持つということである(155頁)が、ガイダンスは国民学校の㧢年生段階から始まり、 すべての生徒がカウンセラーと進路選択について話し合う機会を持ち、国民学校を終えた後も

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ガイダンスセンターのカウンセラーが、対象者が25歳になるまで進路選択を見守っていくと いうことである(156‒157頁)。  なお、国民学校におけるキャリアガイダンスの様子については、たとえば、澤渡夏代ブラン ト『デンマークの子育て・人育ち』(大月書店、2005年)142頁以下の記述を参照されたい。 たとえば、法令の以下の規定を参照のこと。STU 法の第㧟条第㧞項・第㧟項、第㧠条第㧞項・ 第㧟項、第㧣条第㧞項の規定、また、省令の第㧠条第㧞項・第㧠項、第㧢条第㧞項、第㧥条第 㧞項、第10条、第13条第㧝項・第㧞項・第㧟項、第15条第㧝項、第17条第㧝項・第㧞項、第 18条の規定である。 STU は、教育の実践の場面においても対話を重視している。たとえば、池田・前掲注⑶は、 STU の㧞つの実践の事例を検討した上で、STU では、若者の学習支援において、学生と支援 者との間の対話が重視されていることを指摘している。 ここで確認しておきたいことは、法令は、㧟年の教育課程に対する若者の権利(資格)を確定 する、心身の機能低下等の特定の類型又は特定の診断を定めていないということである(以上 については、指針の第㧞章の記述も参照のこと)。 (受理日 2019年㧥月18日)

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