ダイヤモンドダストの生成実験
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(2) . 1巻 北海道教育大学紀要 (自然科学編) 第5. 平 成 12 年 9 月. 第1号. ) Vo l ISc i i l of 日0 ld にa i id。 Uni ty 。f Educat Journa on (Nat世a ences ver s , No ,51 .1. Sept ember ,2000. ダイヤモンドダストの生成実験. 油川. 英明・碓氷. 英之・斎藤. 亜樹. 北海道教育大学岩見沢校物理学研究室. Exper iment on the Format ion of Diamond Dust Hi d S紅TO deak 7 RAKAWA, Hi de四鮫 USU1and U i ABじ. Phys i i id。 Udi i ty of Educat on cs Laborato vers 1γ,工wamizawa Campus , Ho履くa. Abs諸ac t. ti D!”mo〃〆 〆“s r is the thing of the ice fog, and i s a gathe口ng of c s which ordloanly lystal named the one. m. led the ice c ial stage of the snow c tme an i ndt lystal 1γstal . At this t ,the , so‐cal. r l f ly formed was done wi ing box. i ic ial th a freez expedロロent by which t ey were art. Though dia-. iod; 垣 ai r which con- mond dustis a phenomenon in nat・pre often seen at the severe Winter per ly h ive tamed a lot of amomnts of moist igh L u re 1γstal was able to be formed in a comparat , this c h q ng to madeinser i i temperatmre. N[oreover tinto the a igh hulnidity was fowld ol低y havi r r of h ,t e a. ing po imt which contamed a lot of moistlure to・form c f see山にog reez mass ul ・der the f 1γstals even i ial nucleus was not done of a spec .. From such a res l瓜t ion of diamond dust wasinlag‐ ,the format. lows ined as fol r l e condensation of water vapor ur ・der . The supercooled water 山ごoplet caused by t ly keep the l f f ing po imt can usual icul iq l 唖d the f t reez ,butthe state of the supercoolmg becomes di ion speed is too rapid, and f lbegm. And to keep when the condensat t not o副y is fro‐ reezmg 駈1 ,i le forming the ice c zen to spheroidal but also f reezes whi ee of the 1γstal according to the degr ing when the 山ごoplet freezes occasional ly. supercool. l ビ There is a poss ibi i ty that d 1 oplets of water. 1五t ike this become diamond dust ion, af ter damped ai which freeze l r mass is insert 無to the .ln ad. … ゴ ロ 1be formed igh hulmdi ty,ice c r of h ai 1γstals W Tms suggests need日mg. 無. t tmle of o副y several seconds. extremely shor. l i ion ofthe format ion mechanism of the snow c t t al e exam mat lystal which. has been said so far tis said thatthe snow c l be formed Wi th vapor 1y,i Iystal wn .ln a pasttheo. by the sub輸出at ion and the t t中e of one hot I r or so has been needed the ice c lystal .. (31). ion of even as for the f ormat.
(3) . 油川. 32. 英明・碓氷 英之・斎藤. 1. 亜樹. はじめに. ダイヤモンドダスト, 即ち氷晶の集まりである氷霧は天然において極寒の気象条件下に見られ, サンピラー やハローなどの特殊な現象を生じさせるものであることが知られている. 氷晶は, 雪の初期結晶であるとい うことから, 雪結晶の生成実験や人工降雨, 降雪実験の分野な どにおいてなり以前から調査・研究がなされ て きて い る.. 人工雪の実験においては, 兎毛や繊維にいくつ かの氷晶が形成された後, そのまわりの温度 と湿度の条件 に応じてそれぞれの結晶形に成長していく. これまでの人工雪の実験では, 氷晶を生成させるために少し工 )によれば 氷晶をつくるときには人工雪作製装置の水槽に比較的温度の低 夫がなされている. 即ち, 中谷1 , い水を入れ, 除々に温度を上げていくようにしている. このときの時間は1時間以上も要する場合がある. そして, 兎毛に氷晶の生成が確認された後にそれぞれの結晶生成の条件下に移行させるというわけである. )は拡散型の人工雪装置で氷晶の生成まではかなり高い過飽和の湿度状態に保つか, あるいは低 また, 小林2 過飽和度では相当に長い時間をかけてその生成を待つとしている. このように, 人工雪の作製装置で氷晶を 生成させることは余り簡単なことではなく, 特にその生成過程については未解明の問題が存在している. 人工的に多量の氷晶を作製するには, 過飽和ないしは過冷却微水滴を多く含んだ氷点下の空気塊に対して, )な ど を用 い て そ の 空 気 ) 液 体 プロ パ ン5 ) ある い は ドライ アイ ス や 液 体空 気4 ヨ ウ 化 銀 な ど を散布 した り3 , ,. 塊を極端に冷却するな どして行われる. ヨウ化銀な どによる場合は人工的に核物質を供給することであり, また ドライアイスな どの場合は, 極めて低い温度での自発核生成による氷晶の形成であるとされている. さらに, 人工的に氷晶を生成させる簡便な方法として, 水分を十分に含んだ低温度の空気塊のなかで, 梱 ) この方法による氷晶 包用の材料などに利用 されている合成樹脂材の空気泡を破裂させて行うものがある6 . の生成は, 空気泡が破裂して瞬時に広がることから, 空気の断熱膨張によるものではないかとも考えられて おり, 原理的にはドライアイスな どによる現象と同じことである と見なされている. しかし, このような現 象が微小な空気塊の断熱膨張による降温効果によるものであるとするには幾つかの疑問が想起されることか ら, 今回, あらためて空気塊による人工氷晶の生成実験を試みたわけである. 本実験は, 主にはダイヤモンドダストの生成する温度や空気塊の条件について調べ, その結果などから氷 晶の生成機構についても考察を行った. これらのことから, 空気泡による氷晶の生成は単に空気泡の断熱膨 張によるものではないことがうかがわれ, このような現象 は雪の生成にも直接的に関わりがあるように推察 さ れた.. 2. 実験の方法 ダイヤモンドダストの生成実験は, 市販の低温槽を用いて常温の実験室において行われた. 装置の概略を o 図1に示す. この低温糟 は, 常温において通電とともに約40分ほどでその庫内は規格の-20Cまで冷却さ oCま で 降下 した こ れ が こ の 低 温 槽 の 最 低 温 度 で あ っ た 冷 却 の 強 度 は れ, さ ら に50分 ほ ど経 過 して -26 . .. 3段階の切り替えができるようになっているので, 実験温度に応じて各段階の設定を行うことができる. ま た, この庫内の温度分布を測定した結果, 比較的低い温度では上方と下方の温度差が約1℃程度で, ほぼ一 様な温度状態を示していた. 実験における庫内の温度測定は二組の熱電対により行われた. 即ち, 図1のAは, 庫内の底から20cmほ どの高さに固定してダイヤモンドダストが生成する箇所の温度を, またBは庫内の底に置かれる水皿の水温 を計測するための熱電対の感部である. これらの温度は低温槽の近くに用意された記録計により各温度が連 (32).
(4) . . 33. ダイヤモン ドダス トの生成実験. 続記録されるようになっている. また, ダイヤモンドダストの生成過程は, 低温槽の透明な上ぶた越しにビデオカメラを用いて撮影された. そのための光源として, 今回の実験では実体顕微鏡用の光源装置である光ファイ バー式光源を用いた. これ は, 光量が大きくま た照明の方向を自在に変えることができるので, このような空間の照明には適している ものであった. そして, ダイヤモン ドダストの発生状況 を的確に撮影できるように, 庫内の4壁面と底を黒 色の ビニールシートで被い, ビデオカメラの撮影方向とは直交した横方向から庫内の照明を行った. このこ とにより, 暗視野のなかに光り輝く ダイヤモンドダストを捉えることができる. 光フ ァイバー式光源. 」. 上ふた. 零接点 * *. *. 熱電対温度記録計. * * * * * 7 7. * * ***. ↑↑. 氷晶. 図1. 45c m). ▼. (奥 行 14. 77c m. * * * * *. ,. 74 c m. ダイヤモンドダストを作製する実験装置. 以上のような装置により, 実験は次の手順で行われた. まず, 低温槽の庫内を冷却し, 実験温度に達した ならば, 径が20cmほどの水皿に所定の温度の水 (水道水) を注入して, その中に熱電対Bを差し込み, そ れらを低温槽の底に固定する. 光源を点灯し, ビデオカメラの撮影開始のスイ ッチを入れ, 水皿を庫内に入 れてからおよそ1分ほど時間が経過したのち, 低温槽の上ぶたを少し開き, 梱包材の空気泡, あるいは2~ 3cmの径に膨らんだたゴム 風船の空気泡を指で破裂させる. このとき, 空気泡はできるだけ強く破裂させ ることが肝要であっ た. そして, 低温槽の上ぶたをすばやく閉じた後すこしして, 暗視野の庫内にキラキラ 光りながら舞い散るダイヤモンドダスト, 即ち氷晶の群が見出される. ダイヤモン ドダストの生成量は時間 とともに多くなっ ていき’ 数十秒を経過したあたりが 二為 消滅する. 図2は, このようにして生成されたダイヤモン ドダ. . せる前に, あらかじめ庫内の適当な高さの位置 (上ぶ た に近 い 箇 所) にガ ラ ス 板 を 水 平 に 固 定 し て お き, 他. 方, 透明な低温槽の上ぶた部分に顕微鏡を設置して焦 (3 3). 「 ′. 図2. 一. ノ. ー. Q. ダイヤモンドダストの例. ′. , 。 。皿 ‐.
(5) . 34. ・ ー 油川. 英明・碓氷 央 ・ ぇ 英之・斎藤 央 ・, , ト. 亜樹. 点をそのガラス板に合わせておく. はじめに, ガラス板 を適当なカ バーで覆っておき, ダイヤモンドダスト が発生した後にカ バーを取り外して, 氷晶を観察する. これは, 実験前の段階でガラス上に過冷却微水滴が 付着しないようにするためである. 照明は前述のファイ バー式光源が用いられた. 顕微鏡にはビデオカメラを取り付けておき, 撮影状態にし ておいてから前述の空気泡を破裂させるわけである. このようにして撮影されたビデオから, 適当な映像を ビデオプリンターにより印刷すれば, ダイヤモンドダストの顕微鏡写真が得られる. 図2はダイヤモンドダ ストが最も多く発生していると見られるときに撮影されたものである. この映像では, ダイヤモンドダスト を構成している氷晶の大きさは40~80“mであるように見られる. なお, このときの空気泡を破裂させた時 oC 水 皿 の水 温18 oCほ どで あ っ た の 実 験温度 は, 庫 内 が-15 , .. 3. 実験の結果. (1) ダイヤモンドダストの発生と温度 本実験装置において, ダイヤモンドダストの生成実験を行った結果, その発生は, 庫内の温度, 庫内に水 分を供給するための水皿の水温及 び空気泡の破裂による氷晶の核化作用に関連しているものと考えられた. ここでは, ダイヤモンドダストが発生するときの庫内の温度と水皿の水温との関係を調べるために, それら をいろいろと変化させて, その発生の有無に関する実験を行った‐ 実 験 は, 低 温 槽 の 庫 内 の 温 度 をooC ~ 一25. oC~40 oCの 範 囲 で種 々 設 定 し 0C 水 温 をo , ,. 35. o - ., . , , , ., , .. ・ 1 1 i ま 1 1 ま 1 1 1 1 1 1 … i … i i i l 馨 纂 1 … . 直後の庫内の温度 (図1のAによる) , 縦軸 し姫 ′団l m。〃 トス、 【 太 ス m畦m7. 1 1 1 ≧ 1 醒 灘 璽 1 1 1 璽 1 1 1 き き 1 1 驚 鰯灘 ≦ 開 1 1 1 1. …. ..
(6) . ダイヤモン ドダストの生成実験. 35. る. このグラフによれば, ダイヤモンドダストの生成は低温槽の庫内が-5℃に近い, 比較的高い温度でも o oC以上ということに C以上で, その温度差は3 5 なされることがわかる. ただし, このときは水皿の水温が30 o oCでは水温が1 C以上でダイヤモンドダストが生成することになり, その温 なる. また, 庫内の温度が-1 o 7 oC以 上 さ ら に 庫 内 oCで は水 温 が 9 ℃ 以 上 で そ の温 度 差 は24 0C以 上 と なる 庫 内 の 温度 が-15 度 差 は27 , , , .. q 0 C以上となり, いずれもその温度差以上のときにダイヤ の温度が-20 Cでは6℃以上で, その温度差が26 oCの近傍において水温との差が最 5 モン ドダストの発生がみられた. このような結果から, 庫内の温度が-1 も小さい, つまり, この意味においてダイヤモンドダスト (氷晶) の発生しやすい温度が存在するものと考 えられる. (2) ダイヤモンドダストの生成時間 ダイヤモンドダストの生成は, 空気泡の破裂から極めて短い時間でなされるものであることが実験におい て確認された. その事例を, 図4-1, -2に示す. この図は, 低温槽の庫内で空気泡が破裂する直前から ダイヤモンドダストが庫内全体に広がるまで, 時間の経過にともなう ビデオの映像を抜粋して示したもので ある. 各写真の左下には, 映像の順番を示した番号と空気泡の破裂からの経過時間が記載されている. これ らの写真は低温糟の上方から撮影されたもので, 2本の光ファイ バーの光源と, その下の庫内の底に置かれ た水皿の一部が各々に見られる. 映像番号1) の空気泡の破裂直前の写真では, 光ファイ バーの光源に照らされてた水雲状態の微水滴群が 認められる. このような微水滴は庫内全体に広がっているわけであるが, その空間密度が余り大きくないた めに, 光の強い光源の近傍でしか写真に映し出されていない. また, このような微水滴が存在しているとい うことは, その空気塊は水飽和の湿度状態にあると言える. なお, 1) ~4) までの写真で, 左端に見られ る凹凸状の文様は, 低温糟の庫内の壁に貼り付けた黒いビニールシートの反射像で, 一連の実験内容には関 係 が な い. ま た, こ の 実 験 は, 庫 内 の温 度 が-21 .アCで, こ れ に水温 が21 . Cの水皿を入れて行われたもの で ある.. . 2 ) の空気泡の破裂直後の写真では, 1) の粒状のモヤとは異なり, きめの細かな湯気状になって光源に 照らされていることがわかる. この湯気状の気塊は極く瞬間的に広がったものである. これが, 3) に移行 して, 湯気が部分的な塊状となり, 一層濃くなっていることがわかる. さらに, 4) ではこの湯気が筋や帯 の状態に変化している. これがダイヤモンドダスト発生の予兆として, 極めて特徴的な現象である. 1秒後 の5) ではこの傾向が一層進み, 筋状の成層的な流れが見られる. 6) では写真下方に鮮明な渦の発達状態 が確認できる. そして, 空気泡の破裂から3秒後の7) において, この筋状にそって点々と輝いた氷晶, す なわちダイヤモン ドダストが確認される. これは, 目視で観察されたはじめての段階でもある. このような ) へと一層進み, そして, 1 現象が8) から1 ) では氷晶の点々とした輝きが全体に広がっていて, 1 2秒後の1 2 ダイヤモンドダストが最盛の状態に達したことを示している. このような一連の映像から, ダイヤモンドダストは空気泡の破裂, つまりは庫内と異質の空気塊の挿入か ら3秒程度の短い時間で生成されるものであり, その発生は, 湯気状の空気塊が筋や帯の形態に変化してい くなかから, それらの縁に沿ってなされるようである. そして, その後1 0秒ほどの時間経過でダイヤモンド ダストは庫内全体に広がることになる.. (3 5).
(7) . . 油川. 36. 英明・碓氷. 英之・瀦藤. 亜樹. ÷ 三 ヒ ー - 4)0 3秒後 .. 1) 空気泡の破裂直前. ¥謙一. ‐- -. 5) 1秒後. 2) 破裂の瞬間. 1 ー. 6) 2秒後. 3)0 0 3秒後 . 図4-1. ダイヤモンドダスト発生の ビデオ映像(その1) (36). 1.
(8) . . 嚇さ .. 崎. . 三. . . , 盈樹響. ー. - :. ,. ・ 、 ・ .. . ▲▼. ●.●.●. ●. ●. ●.・. 9) 6秒後. :. . な} .・ . , さゞ、. )1 1 1 0秒後 8) 4秒後. ‐ , - 蕊報. 二瞬 ・ テ ー. }. ,. . . 拳 喜べ ‐. ,. . き 岬ゞ . \. .. ダイヤモンドダスト発生の ビデオ映像(その2). 図4ー2. ) 8秒後 1 0 7) 3秒後 氷晶の発生を目視で確認. 7 3. ダイヤモン ドダストの生成実験. 7 3.
(9) . 油川. 38. 英明・碓氷. 英之・斎藤. 亜樹. (3) ダイヤモン ドダストが発生しない場合 空気泡によるダイヤモンドダス トの発生は, どのような場合でも見られるということではない. ここでは, ダイヤモンドダストが発生する場合と発生しない場合の両方の例 について, ビデオの映像を対比させて示す こととする. これらの事例を図5に示す. 図で, Aのシリーズは, ダイヤモン ドダストが発生した場合で, ダイ ヤ モ ン ドダス トが 発 生 た 庫 内 の 温度 が -20 .gCの 水 皿 を入 れ た 場 合 で ある. ま , Bは .ざC, そ の 中 に27 あ る. Aは, 呼 気 で 膨 らま せ た ゴ しな か っ た 場 合 で, 一12 .ぴCの 水 皿 を入 れ て 行 っ た 実 験 で ‐ぴCの 庫 内 に21. 5cm径の大きさの空気泡をつくり, それを指で破裂させた場合で, 他方, Bは室内の空気で ム風船から約2 . 5 膨らま せたゴム風船から4 cm径ほどの大きさの空気泡つくり, それを破裂させた場合である. 図の写真の ‐ 03秒後 (ビデオ画面のフレーム 左下の番号はそれぞれ, 1は空気泡の破裂直前, 2は破裂直後, 3はその0 . 数による最短時間) である. これらの画像の変化 を対比することにより, 以下のようなことについて述べる こ と が で き る. す な わ ち, ダイ ヤ モ ン ドダス トが 生成 した 場 合 のA- 2 と, 発 生 しな か っ たB- 2 の場 合 と. では, 空気泡の破裂による空気塊が, 前者ではある方向性を有して鋭角的に水雲の中に突き進んでいるのに 対して, 後者では空気塊の広がりに鋭さが欠けていて, 球状の広がりを示していることである. これが, 両 方の3の場合では一層顕著な差が見られ, Aでは湯気状の輪郭が鮮明であるの に対して, Bで は一様な広が り方を示しており, 輪郭が不鮮明である. このような違いから, Aでは図4の場合のように変化をして行き, ダイヤモンドダストが庫内全体に広がり, Bでは湯気状の塊が段々薄くなって, 結晶状のものは生成されず, ついには消滅してしまうわけである. このような現象は先の梱包材の空気泡においても同じように見られ, 瞬間的な破裂を損 じた場合にはダイヤモンドダストの発生は行われず, 再度, 空気泡を勢いよく 破裂させる と短時間のうちにダイヤモンドダストの発生が見られた. 4. 考. 察. (1) ダイヤモンドダスト生成の実験式について oC近傍において その温度と水皿の水温 5 第3章の実験の結果で触れたように, 低温槽の庫内の温度が-1 , との温度差が最小になるような, いわ ば温度差だけから評価して, ダイヤモンドダストが生成しやすい空気 塊の存在が推定される. このことについて, 図3の ダイヤモンドダストが発生する境界を示した曲線のグラ フから, その温度 を見積もってみた. 曲線の グラフ において, 庫内の温度の絶対値を×とし, 水皿の水温をyとして, その実験式を求めると 9=. 31×102 3 . となる. 13 2 工.. xはダイヤモンドダストが生成する ときの庫内の境界温度に関わる値を表 し, yはそのとききの水皿の水 T )は, 結局, 以下のように示すことができる. 即ち, 温のである から, それらの温度差( T ; 〃-(- “ ー. 3 3.×・02 . - ‐(- -コリ 1 32 ヱ. このグラフ は極小値を有しており, その値は求めるべき最低値になる から, dr . =O. か ら求 める こ と が できる. そ の結 果,. (38).
(10) . . 39. ダイヤモン ドダストの生成実験. 〆 , . A- I. . . B - 1. ′ . 絹 臨書シー.,. 1 -. A- 2. 1. B-2. 一,. ‐. 、. ,. - ーー な き. ‐. . ● . , , ). な凄艶糧 転 戦. ー. -. B -3. 図5. ダイヤモンドダストが発生する場合 (A) と発生しない場合 (B) (39). L . , ′ , ▼ 〆 , , ▼.
(11) . . 油川. 40. 亜樹. 英明・碓氷 英之・踏藤. 8 ヱ = 13 .. と なり, 実 際 の 庫 内 の温 度 に直 す と, -13 .げCと なり, こ れ ら の差 .ざCと なる. ま た, こ の と き の 水 温 は10. 4gCが求められた. として, ダイヤモンドダストの発生する温度差の最低値である2 ここで, 水皿の水温yは低温槽の庫内に供給される水分の量 を決めている因子であると考えられるので, 皿の大きさや庫内の容積などが変わればそれにともなって水温の値も当然変わることが予想される. しかし, 3 庫内の温度xは低温槽の形態などに関係する値ではないので, 上記で求められた-1 .gCという温度は固有 の意味を持っているものと考えられる. 一 方, こ の よう に水 皿 を 低温 槽 に入 れて 雪 結 晶 を. *. 樹. 状. 1. 金十. 作 製 する 方 法 は, 中 谷 の対 流 型 人工 雪 装置 に類似 し. ◇. 角 板, 扇 形. ×. 針. たも ので ある. この ことから, 図6 に示 した よう に,. ◆. 厚. 板. m. 角. 今 立体角板. ○. コ ッ プ, 扉風状. 中谷の人工雪生成に関する図表において, 雪結晶が 生成する箇所の温度 (T. と水温 (Tw) につ いて’. 上述と同様の方法により, 境界曲線から温度差の最 o Cと な っ o 低 値 を示 すTaを求 める と, そ の 値 は-13 .. た. この値は低温槽におけるダイヤモンドダス トの 生成の場合とほぼ一致を示している. ただし に の. ・ 7 w 義. “. 枝 角. v l “ , :川. 柱. ,. 2. J ,1も *. , . , t ・ーら ; 、. 最低値 (図の◎) を結んで得られたものである‐ こ. ◆. こで, Twの最も高い 「針異型」 の値を採用しなかっ. 5 は た ’ 零そ驚繁雑 踊 躍 雷 1 ;. ′.. .・ 『, ▲ .. . ). : 1: 熱 い .. r 葺 …… 戸, き:三 .. 電雲 . なさ / \ ぐじき … / 部. こ の…**三 三 誓言 予審 三 ぎr 三宿 ・ o そ と条件 締 するので甑. い ミ メ~. 濃 霧 鰯 零 .. w ・ m/ 〆 ′ 、-・/. こ の よう な こと か ら, 今 回 の ダイ ヤ モ ン ドダス ト. か ら導 か れ た 値 との 共 通 性 か らで はある が, 一 定 の. 形. … ・ \1 i孝司 \. 境 界 の 曲 線 は, T“の 値 の 高 い 方 か ら 「針」, 「扉 風 型」, 「樹 枝」, 「厚 角 板」 が 生 成 さ れる と き のTwの. の実 験 と 人工 雪 の作 製 には, 境 界 曲線 の 存 在 と そ こ. 異. 0 0. 関 連 がある も の と想 像 さ れる.. ‐5. -10. 一15. 一20 ℃. . 図6. 中谷 のTa-Tw ダイ ヤ グラ ム. (2) ダイヤモンドダストの発生のための空気泡について 今回の実験において, ダイヤモンドダストの発生は梱包材の空気泡やゴム風船を低温槽の水雲のなかで破 裂させることにより得られた. このことをさらに確かめるために, 市販されている種々の材料を用いて空気 泡を作り, それらを破裂 させて, ダイヤモンドダストの発生を調べてみた. 5 ポリエチレン製の袋を用いた実験では, 空気泡の大きさが2 cmほどのもので は生成したが, 同じ材質で . も薄手のラッ プでは二重にして, 気泡も小さめの場合にその発生が見られた. これに比較して, 塩化 ビニリ デン製のラッ プでは少し厚めであることから, 一重で作った気泡を破裂させることにより生成した. ゴム風船の場合には, 薄手のものの場合には呼気により膨らま せた場合のみダイヤモンドダストが生成し 0 た. 厚手のゴム風船では, かなり大きな気泡でもその生成が見られ, 呼気により膨らませたり, 0 Cの水を o 入れて破裂させた場合には一層の生成がなされたが, 50Cに近い温度の水を入れた場合にはダイヤモン ドダ (4 0).
(12) . ダイヤモン ドダストの生成実験. 41. ス トは発 生 しな か っ た.. このようなことから, 低温槽においてダイヤモ ンドダストを生成させるには, 適度に湿った空気塊を庫内 の水雲の中に素早く放出させるようにすればよいことがわかった. この場合, 空気泡をつくっている物質の 組成そのものには依存しないようである. この他に, 静電気や空気の振動 (音波) の影響について若干の実験を行ったが, この限りにおいては, 特 ) にダイヤモンドダストの生成とは関係が見られなかっ た8 . (3) ダイヤモンドダストの生成機構について 今回の実験結果を基にして, ダイヤモン ドダストの生成機構について以下のように推察を試みた. すなわ ち, ダイヤモン ドダスト, つまり氷晶の生成はその核化がどのように行われるかということがひとつの要点 )と して 氷 晶 と は特 で ある と 考 え ら れる の で, 先 ず は この こ と につ い て 検 討 を行 っ て み た. こ れま で の説9 ,. 別な物質が核となり, あるいは自発核が形成され, それに対して水蒸気を有した気塊から水分子が昇華凝結 して核化, つまりは初期の結晶化が起こるとされている. これは水という物質の気相から固相への変化であ る. しかし, 本実験においては, 低温槽の庫内に氷晶の核となる特別な物質をシーディ ングして気相成長を 行なわせたわけではない. また, 庫内には過冷却の微水滴が無数に存在し, 空気そのものは過飽和ではなく, 水飽和の湿度状態にあると考えられ, 自発核による氷晶の発生は水についての過飽和度が必要であるとされ ていることから, 今回の低温槽における氷晶の生成に関しては, 上述の昇華凝結説及 び自発核説の適用が困 難ではないかと判断される. 一方, 低温槽のなかで空気泡を強制的 に破裂させることは, その気泡の空気塊を 「断熱膨張」 させることに ) 一般に 断 なり, 結果として空気塊の温度を下げて, 自発核を生成さるものではないかと言われている6 , . 熱膨張にる降温現象は, その内部エネルギーの減少によらな ければならず, 今回の実験のように気泡を破裂 させるために外部から気塊を圧縮するという作用 (仕事) が伴う場合には, そのような現象が生じることは 考え難い. さらに, 梱包材などの気泡は大気圧と同等かあるいは若干高めの気圧でしかないことから, それ が外部に広がったとしても, そのことによる内部エネルギーの減少はほとんど考えられなく, 従って気塊の 温度降下は期待できない. このようなことから, 低温槽におけるダイヤモンドダストの生成について, これまでとは少し異なっ た観 点で考えてみることとした. まず, 図4に見られる一連のビデオ映像によれば, ダイヤモンドダストの生成 は, 気泡の空気塊が素早く過冷却の水雲のなかに貫通し, それが湯気状の気塊を生じ, その後すぐに気塊が 「筋」 あるいは 「帯」 の形態に変化をするなかで行われるということである さらに 図5に示されたよう . , に, 気泡の破裂に余り勢いがなければその気塊は筋状などに変化せず, ダイヤモンドダストが生成しないこ とから, 結局, 梱包材などの気泡の破裂が低温槽の庫内に一種の気流を作り出すことができるか否かがダイ ヤモンドダストの生成に関わっているように考えられる. この場合, 庫内の空気は, 底に置かれた水皿からの暖かい水蒸気の上昇流により, 一定の対流が生じてい ると考えられる. ここで, 上述のような新たな気流を作り出すためには, その対流の流速に打ち勝つだ けの 気流を庫内に生じさせることが必要となるわけである. つまり, このような大気の条件のなかでダイヤモン ドダストを生成させるためには, 気泡の破裂などによって, その気塊に対してある闇値を超えたエネルギー が与えられなければならなということである. このとき, 実験で水分を含ませた気泡を破裂させる方がダイ ヤモンドダストを生じさせやすいという結果を得たのは, その水分の凝結作用が期待できるとともに 水分 , を多く含んだ気塊はそれだけ質量が大きくなり, 破裂に伴う獲得エネルギーが大きくなるということも関与 して いる ので は ない か と想 像 さ れる.. さて, 庫内の定常的な対流の流れのなかに新たな気流を貫入させるということは, その温度場を乱すこと (41).
(13) . 1 油川. 42. . 英明・碓氷. ・ 1 英之・衛藤. 亜樹. になる. つまり, 冷気が比較的暖かい対流のなかに入れば水蒸気の凝結が生じることから, その箇所におい ては一層の微水滴が形成されることになる. ビデオの映像では, 図4の2) から3) にかけてそのような変 れる. こ 化が ‐うかがえる. さらに, 3) の湯気状の気塊が変化して4) の映像において は筋状の発生がみら の筋状の気流は時間とともに発達していることがそれに続く映像で知ることができるが, ダイヤモンドダス ) の映像ではこれが減衰してきている. このような現象が極めて短い時間に生 2 トが全体的に広がっている1 じるということは, ダイヤモンドダスト, つまり氷晶の生成は瞬間的になされるものであるということを示 して いる.. 気泡の気塊に余り温度の高い水分を含ま せた場合には, 上述のことから, 貫入する気塊の温度 が高く, 凝 結作用の役割を果たせないことになり, よって筋状の流れも発生しないことになる. これが, 先の実験の結 果であると考えられる. また, 庫内の空気が気泡の破裂貫入により凝結微水滴を生じるためには相応の水分 を含んでいることが必要であることから, それが図3のダイヤモン ドダスト発生に関わる庫内の温度と水皿 の水温との関係として示されているのではないかと考えられる. 映像の3) で見られる湯気状の気塊が, 上述したように筋状に変化 し, 氷晶を生成させ, そして減衰 して いく過程は, エネルギー収支の原理から, 気泡の破裂による気塊の運動エネルギー及 びそれに伴う水蒸気の 凝結エネルギーや水滴の凍結エネルギー (潜熱) の散逸過程 を示しているものと考えられる. ところで, 過冷却微水滴はある条件においては, 凍結とともに氷晶化する場合がある. その条件とは, 過 冷却微水滴の生成過程に関係があるようで, 一般的には高い温度で凝結するよりも, 氷点下の水蒸気から凝 ) このようなことから 氷晶化されやすい微 o 結した場合の方が氷晶化しやすいことが実証されてきているl , . 水滴とは, 庫内の水皿から高い温度で凝結生成されたものではなく, 氷点下の対流がなされている庫内の気 流のなかで, 第二次的な凝結により形成された過冷却微水滴の方が可能性を持っていることになる. ◆ 次に, このような過冷却微水滴がどのような契機により凍結するのかが問題となる. それは, 図4の7) に示されたように, 筋状に変化した 「湯気」 の縁に沿って氷晶の生成が見られることから, 一般流 (庫内の 対流部) と筋状気流との相互作用 に凍結を引き起こす原因があるのではないかと考えられる. それは, 気流 の温度差の違いに起因する筋状気流への水蒸気の凝結作用, 気流相互のせん断抵抗, 微水滴同士の衝突など があげられるが, この場合, 気流のせん断抵抗の作用 や微水滴同士の衝突はいずれの気流にも 生じる可能性 のあることなので, 今回の事例は, 筋状の流れのなかでの水蒸気凝結, 特に速い凝結作用がその微水滴の凍 結を促し, 氷晶の核化を生じているので はないかと想定された. 筋状の気流の縁に沿って発生した氷晶は, 微水滴よりも形態的な空気抵抗が大きくなり, 一般流へと紛れ 込んで行くわけである. 筋状の湯気の流れが, その運動量の消耗や周囲との温度平衡化により, 段々に減衰 すると, 氷晶の生成も衰えて, . ダイヤモンドダストは次第に消滅して行くことになる. 5. おわりに 市販の低温槽を用いて, 梱包材の空気泡を破裂させることにより ダイヤモンドダストを生成させる実験を 行っ た. その結果, ダイヤモンドダスト, つまり氷晶群の生成に関して, 低温槽の庫内の温度と庫内に水分 を供給する水皿の水温との関係を得ることができた. そして, この関係から, それらの温度差が最も小さい 3 場合の ダイヤモンドダストの発生温度として, 一1 .gCを得た. この値は, いわ ば氷晶が最も生成されやす -Tsダイヤグラムから導びかれ い温度であると考えられる. また, この温度 は中谷の人工雪作製に関わるTa たものと同程度であった. 実験では, ダイヤモンドダストの生成過程をビデオカメラで撮影し, その解析から, 発生時の特徴につい て新たな知見を得ることができた. すなわち, ダイヤモン ドダストは低温槽の庫内において, 空気泡の破裂 (42).
(14) . ダイヤモン ドダス トの生成実験. 43. により新たな気流がつくり出され, その縁において発生するものであることが確認された. この現象は, 空 気泡の破裂による断熱膨張によるものとみなすには困難であると判断された. また, 実験における氷晶の生成は極めて短時間の間になされ, その現象はこれまでの氷晶核や自発核をも とにした昇華凝結説などでは理解が難しいことから, 過冷却微水滴の氷晶化凍結説を提起するに至った. こ れは, 過冷却微水滴の凍結により直接的に氷晶が形成されるとするもので, 従来から言われてきている特別 な核の存在や過飽和湿度を有した大気を想定する必要もなく, 種々の天然現象を解釈する上 において有意な ものと考えられる. 本研究を進めるにあたり, 北星学園大学の秋田谷英次教授には実験の内容及び装置に関して多くの示唆と 援助を頂いた. ここに記して感謝の意を表する. なお, 本報告は, 北海道教育大学社会教育課程における卒業論文 「ダイヤモンドダストの生成に関する実 験的研究」 をもとに, 若干の追加実験, 加筆等を行いまとめられたものである. 引. ) 1) 中谷宇吉郎 ( 1 9 4 9. 用. 文. 献. 雪の研究, 岩波書店. 2) 小林禎作 ( ) 1957. D迂f i 16 1 us on colud chamber による雪結晶習 性の研究, 低温科学A. ,p . i i 3) Vo 194の The nucleat 593 ce format on ofi on by snber i odide rme gmt . App. Phy . ,( ,Jour , 18 , p. , B.. ) 4) Shaeffer 1948 J . . ,V ,(. ing supercoo led water dropl ion o fclouds conta立l de The product et ori ce c 1ystal s 皿l r. laboratory condロt i 9 ons L I I 1 er . △4et . Soc . , Bロu. A ,2 , p.175. 1982 5) Ktmnai ) , M. ,(. Format ion ofl ipat i f Supercooled Fog by An迂i I Nucleat ion, i ce Crystal s a1 ・d Di ss on o c a. に 1 ゴat ions o f CrystaI Habit at Early Growth Stages,Jour and va eteo ., Vol . App. ~[ . 21 .4 , No , p・ 579. 降雪を人工的 に起 こ し得る か, 「雪と氷のはな し」, 技術堂出版, p.50 7) Kobayasi ly produced atlow p 1958 tofsnow cぴstals art迂icial ) 0n the habi t r essme eo , T. ,( .Soc . ,jom. Me 6) 木下誠一 ( ) 1 988. r J apan, 36 , p. 193. 8) 碓氷英之, 磨藤亜樹 ( ) 1 9 9 8 9) 小林禎作 ( 1 980 ) ) 10 1 999 ) 油川英明 (. ダイヤモンドダストの生成に関する実験的研究, 北海道教育大学社会教育課程卒業論文. 六花の美, サイ エ ンス叢書 雪結晶の生成過程 について ( ) 2 , 1999年度 日本雪氷学会講演予稿集, p .214. (4 3).
(15)
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Notes ・ Percent Change means Percent Change from the same term in the preceding
実験の概要(100字程度)
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Statistical timing − Exports : Entry is made in the month within which falls the date when a ship or aircr
(売手R)と締結した売買契約に基づき、売手Rから 2,000 個を単価 600 円(CIF建 て)で購入(輸入)したものである。なお、売手Rは